社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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平塚ふじみ園

2021年04月30日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 平塚ふじみ園 評価対象サービス 救護施設版
対象分野 救護施設 定員 入所180名 名
所在地 254-0014
平塚市四之宮6-15-1
TEL 0463-55-1300 ホームページ http://www.kanagawa-doen.jp/hiratsuka-fujimien/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1960年07月18日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人恩賜財団神奈川県同胞援護会
職員数
常勤職員:54 名
非常勤職員:8 名
専門職員
精神保健福祉士、看護師、栄養士、嘱託医・PT: 名
施設・設備の概要
4人部屋:43、2人部屋:4、ショートステイ:2、生活訓練室:4:
指導員室:6、作業訓練室:4、サークル室:2、食堂::
静養室:2、医務室:2、相談室:2、会議室:2、浴室4:
機能訓練室・裁縫室・事務室・施設長室・洗濯室:各1:

③ 理念・基本方針
(法人の理念)
1.人権を尊重します
  私たちは、一人ひとりの立場に立ち、人としての尊厳をしっかり守り、個別性に配慮した、柔軟で適切な対応をしていきます。
2.幸せであるためのサポートをします
  私たちは、一人ひとりが安心して生活し、幸せな人生を送ることができるように、専門性をもってサポートしていきます。
3.地域社会と共生していきます
  私たちは、地域交流、施設開放といったことはもちろんのこと、福祉の情報発信基地になり、地域社会に溶け込んだ活動をしていきます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
救護施設は、経済的問題を抱え、身体や精神に障害があって日常生活を送ることが困難な人たちが、健康で安心して生活するための保護施設です。平塚ふじみ園は、利用者の人権、人格の尊厳を守り、一人ひとりが地域社会の一員であることを念頭に置き、支援環境を整えています。救護施設は生活保護法によって規定された保護施設です。障害の種別による対象者の限定はなく、支援を必要としている方を幅広く受け入れ、地域におけるセーフティーネットの機能をはたしています。
精神障害、身体障害、知的障害や経済的な問題など様々な生活上の問題を抱え社会の中で自立した生活を送ることが困難な方々が安心して生活し、多様な支援プログラムによって可能性を広げ、関係機関や地域の方々の協力、社会資源の活用等により利用者一人ひとりのその人らしい生活の実現に向けて総合的に支援しています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/10/22(契約日) ~2021/04/23(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 平塚ふじみ園は、JR平塚駅よりバスで20分、バス停から徒歩5分の閑静な住宅街にあります。昭和35年に神奈川県保護施設設置条例が改正され、入所定員100名の救護施設「平塚ふじみ園」が新設され、社会福祉法人恩賜財団神奈川県同胞援護会が運営の委託を受けました。平成3年に定員180名となり、併せてデイサービス事業、短期入所事業、救護施設通所事業を開始しました。平成18年に県の設置条例の廃止を受け、同法人の民立民営施設として事業を開始しました。
建物面積6,349.66㎡、鉄筋コンクリート2階建の施設です。主な事業としては、入所者生活支援事業(定員180名)、保護施設通所事業(定員9名)、居宅生活訓練事業(定員2名)等及び平成29年度より認定生活困窮者就労訓練事業を運営しています。

1)職員の利用者への人権擁護意識の徹底を図っています
利用者の人権・人格の尊厳を尊重することを施設の基本方針に掲げています。利用者の人権擁護に関わる20項目のチェックリストを作成し、毎年定期的に全職員が自己チェックを行い、利用者への人権侵害がないことを確認しています。自己チェックの結果を集計し課題を分析し、対策について全職員で話し合います。昨年度は、利用者の人格を尊重した接し方や呼称に関する課題提起がありました。集計結果を基にグループワークで話し合い、「利用者への説明は分かりやすい丁寧な言葉であったか、職員は威圧的な態度ではなかったか、どういう場面で職員が利用者支援に課題があると感じたか、また、どうしたら改善できるか」など意見を出し合い、利用者の人権擁護について職員意識の共有を図ります。無意識のうちに利用者の人権を侵害することがないように職員意識の徹底を図っています。

2)利用者の社会参加を推進し自立に向けた支援に努めています
職員は、利用者の社会参加を目的に桜まつりや夏のお楽しみ会、文化祭等の行事への参加を促進し、地域の方々と協働する事で社会人としての適応能力の向上を支援しています。また、生活用品の購入など日常生活の中での社会参加に伴う利用者自身の自己決定能力の向上を図るために、適応技能訓練(SST)を実施し、グループワークを通して利用者が社会適応能力の向上を図るように支援しています。
居宅生活訓練事業を推進しています。居宅生活への移行を希望する利用者がそれに近い環境で生活し、金銭管理、食生活、服薬管理指導等の生活訓練を行う中で社会適応能力の向上を図るように支援しています。

3)利用者の心身の状況に応じた機能訓練を実施しています
機能回復訓練年間計画に沿って個別訓練表を作成し利用者の社会復帰に向けた機能訓練を推進しています。個別訓練は、主治医の指示のもとに理学療法士(PT)が指導し、関節可動域訓練、歩行訓練、立位訓練、筋力強化訓練などを実施しています。週1回PTが施設を訪問し利用者個々のプログラムによる機能訓練を実施し、また、平日は機能訓練担当職員がPTのプログラムを基にした歩行訓練などを実施しています。機能訓練プログラムは、利用者の身体状況をみてPTがプログラムの見直しを行います。機能訓練の参加者は、昨年度一日平均は36.8人でした。年間200回以上の利用者を表彰し、参加意欲の向上を図っています。




改善を求められる点 1)サービスの標準的実施方法の推進
介護マニュアル、食事支援等生活支援に関するマニュアルを整備し日々の利用者支援の標準化を図っています。また、「利用者の生活全般にかかわる援助計画」を作成し、個別支援計画策定に関する標準化を推進していますが、標準的な実施方法に基づいた支援を確認する取り組みについては十分ではありません。マニュアル等の定期的見直し等を含めた対策の実施が期待されます。

2)目標援助制度の一層の推進
「目標援助制度」を導入し、職員は仕事の仕方、学習と成長の視点など4つの視点毎に自らの目標を「目標シート」に記載します。評価者を部下の成長を促す援助者と位置づけ、援助者は目標シートをもとに目標面接、育成面接、フィードバック面接など年3回の面接を行い職員と達成目標の情報共有を図ります。しかし現時点では本制度の運用は軌道に乗っておらず、導入の途上にあると言えます。目標援助制度に基づき職員の育成、評価、処遇等を総合的に実施する人事制度の具体化に向けた対策の推進が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
初めて第三者評価を受審しました。今回は全職員が自己評価を行った上、多職種でグループワークを行い、まとめたものを施設の自己評価として提出し、職員の意識や利用者の施設に対する評価が把握できました。これらが基本となり受審した結果、想定より良い評価を頂きましたが、各評価項目の内容の達成度を考えると十分ではなく課題が多いと考えています。改善が求められる点については当然の内容であり、改善に向けてさらに努力していき、評価が高かった内容についても結果に甘んじることなく、今後の振り返りに活用し、より利用者の視点に立った施設運営を行っていきたいと考えています。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

「人権を尊重します」「幸せであるためのサポートをします」「地域社会と共生していきます」を施設の理念に掲げています。理念を事業計画に明記し全ての職員が理念に基づいた福祉サービスの実践に努めることを周知しています。理念を施設内各所に掲示し、事業計画を全職員に配布し職員会議で説明し理念の実践に向けた職員意識の強化を図っています。また、毎月開催している全体懇談会で、事業計画の利用者支援に関わる内容を分かりやすく説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

施設長は、救護施設経営者施設長会議(年1回)、関東地区救護施設研究協議会(年1回)、市福祉施設部会職員研修会(年1回)等の各種関連機関の会議等に出席し、施設を取り巻く状況の変化と施設運営に係るニーズの把握に努めています。ニーズを分析し事業計画に重点目標を設定しています。事業計画に年度予算を明記し、福祉サービス利用者の推移や施設運営の諸活動に係る数値の裏付けを事業報告書に詳細に記述しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

経営環境や施設運営に関する情報については、毎月開催している運営会議や職員会議で職員に説明し周知しています。事業計画に重点目標を明記し、今年度は定員充足率104%を目標にしています。事務分掌表を整備し、改善すべき課題を明示し事業計画の実践に向けた責任体制を明確にしています。経営課題の取り組みの成果について、年度ごとに「一年の歩み」にまとめて職員に周知し、また、関係機関に配布しています。経営状況や改善課題に関する職員の理解は十分とは言えないようです。職員への理解と周知の取り組みが期待されます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人として年度ごとに措置事業部門の「バランストスコアカード戦略マップ」を作成しています。戦略マップに外部環境の変化について記述し、救護施設としてのビジョンを明示しています。また、利用者・地域の方々の視点、財務の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点について明記し、それぞれの視点の相関の中でビジョンの実現を目指すことを掲げています。戦略マップは実施状況の評価及び課題・改善に向けた具体的な項目についての記述ではありません。実施状況の評価の仕組みの整備が期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

中・長期計画としての戦略マップに、救護施設としての居宅生活訓練事業や保護施設通所事業を推進し、入所者の地域移行に向けた取り組みを推進することを明記しています。今年度事業計画に、居宅生活訓練事業及び保護施設通所事業推進の具体的取り組みについて明記しています。事業計画は、年度ごとの重点目標を明記しています。事業種別に実行内容を具体的に記述し、月ごとの実施スケジュールを明記し収支計画を明確にしています。また、定員充足率等の数値目標を設定しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業計画は、部門ごとに予算の執行状況を評価し11月に次年度予算の検討を開始します。当年度の事業計画の成果を評価し、予算とリンクし1月に次年度の計画案を策定し2月に取りまとめ法人に報告します。業務分掌ごとに担当事業の達成度を評価し担当者会議で職員間の情報共有を図り、課長代理以上の運営会議で確認し事業計画を作成しています。事業計画は全職員に配布され職員会議で説明し周知しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

毎月開催している全体懇談会で事業計画の利用者支援に関する内容について説明しています。また、年4回発行の季刊誌に事業報告概要及び決算内容を掲載し、利用者・家族に施設運営の状況の周知を図っています。救護施設の特性から利用者本人と家族の関係性が薄くなり、家族会もなく家族とのコミュニケーションがとりづらい状況にありますが、利用者・家族へのわかりやすい説明の取り組みの工夫が期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

職員は、「平塚ふじみ園職員セルフチェックリスト」を用いて、毎年定期的に20項目の人権擁護に関する事項等の自己チェックを実施しています。虐待防止委員会中心にチェックの結果を分析し課題を抽出しサービス改善につなげています。また、「職員の態度、口の利き方を改善して欲しい」といった利用者の職員に対する苦情については、改善策を利用者懇談会で説明し、また、季刊誌に掲載し周知しています。今後は、施設運営、サービス改善に関する施設独自のチェック項目を設定し、毎年定期的に自己評価を実施し、サービス改善につなげる取り組みが期待されます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

職員は、利用者支援の人権擁護に関する職員のセルフチェックを実施し、利用者へのサービス改善を図っています。チェックの結果を集計し課題を分析し対策を講じています。2019年実施のセルフチェックでは、「利用者への説明は分かりやすい言葉で丁寧に行い、命令口調にならないようにしているか」の課題が提起され、課題解決に向けてグループワークで検討し、「どういう場面でできていないと感じるか、どうしたら改善できるか」について話し合ったことが記録されています。評価結果に基づく計画的な改善の取り組みが期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

施設長は自らの経営・管理に関する取組方針について、事業計画の基本方針及び重点目標において明確にしています。また施設長は自らの役割と責任を事務分掌に明示しています。事業計画書及び事務分掌は毎年職員に配布し職員に周知しています。また、広報誌に施設長の施設運営の方針を明示し利用者・家族等に周知しています。有事の際の施設長の役割と責任については、職務権限規程における事務の代行の項において、不在時の権限移譲を明確にしています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「法令等の遵守に関する規程」に基づき、コンプライアンス体制の構築に向けた取り組みの推進を掲げています。法人施設長会議において法令遵守に向けた注意喚起がなされ、逐次施設長から職員に内容を周知しています。施設長は法人の施設長会議や救護施設経営者施設長会議等に出席し、遵守すべき法令の理解につなげています。また、法人の階層別研修で法令順守に関する研修を実施し、職員の法令順守の意識の強化を図っています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園の基本方針では「質の高い福祉サービスの提供」を重点課題の一つとしています。第三者評価結果を踏まえた課題改善と、全国救護施設協議会版の個別支援計画の導入を柱とし、サービスの質の向上に向けた取り組みを進めています。施設長は「施設は誰の為のものか」という利用者視点に立ち、部長・課長・課長代理と共に組織のあり方の見直しにも着手しています。職員一人ひとりが系統だててスキルアップを図るための研修の体系化も課題と考えています。現場で抽出した課題を園全体で共有化し、サービス改善に向けた職員の提案制度等の仕組みの整備が期待されます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

経営の改善や業務の実効性の向上に向けて、法人は人事・労務・財務等を踏まえた分析を行っています。法人内の事業所は措置、高齢、保育の3部門に分かれ、当園は措置事業部門会議において、運営上の課題の検討・協議や情報交換等を行っています。事業所内では、施設長は部長・課長や課長代理との意思疎通の下、限られた人員やハード面の環境の中で、利用者の視点に立った組織や業務のあり方について検討し、職員の働きやすい職場環境の整備に取り組んでいます。組織全体での経営改善に向けた課題の共有については十分とは言えないようです。職員間の意識の共有を図り、組織的な課題改善に向けた取り組みが期待されます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人が必要な福祉人材の採用を行い、人材確保に努めています。当園では職員の定着率は高く、経験年数の長い職員が定着し、現時点では福祉人材は充足している状況です。事業所としては、人材育成を重視し、実習生の積極的な受入れなど、福祉人材の育成に努めています。将来の採用を視野に、実習生の在籍校との連携の強化し、担当職員による学校行事への参加など、学校との継続的なつながりも大切にしています。今後は、計画的に人材確保と専門職等の人材育成の推進が期待されます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念、基本方針に基づき、期待する職員像を明確にしています。現在の採用、配置、異動、昇進、昇格等の人事基準を職務規程に定めています。職員は年2回、定期的に直属の上司と施設長による面接を行い、職務に関する意見や要望等の情報共有を図っています。人事基準に基づき目標援助制度を導入しています。人事管理は新たに導入された「目標援助制度」に基づき行っていますが、現時点では目標援助制度が定着し十分に機能している状況ではありません。今後、目標援助制度の定着とともに、職員の育成、評価、処遇などを総合的に実施する総合的人事管理制度の整備が期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

施設長は、有給休暇の取得状況や時間外労働のデータの確認により、職員の就業状況を把握しています。職場内では定時終業に努め、各職員の仕事の配分に留意し、年間5日以上の有給休暇の取得に配慮しています。健康面では毎年定期的に健康診断を実施し、インフルエンザ予防接種のほか、外部委託によるストレスチェック制度を導入し、精神面の健康管理に配慮しています。法人では育児・介護休業制度の充実をはじめとする福利厚生事業の推進を図っています。今後は、職員へのスーパービジョン体制の強化を図り、職員が自身の思いをなんでも気軽に相談できる組織づくりへの更なる工夫が期待されます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人の方針により、新たに育成型の人事制度である「目標援助制度」を導入しました。新たな制度で評価者は部下の成長を促す援助者と位置づけ、援助者は目標面接、育成面接、フィードバック面接など年3回の面接を行い、また、職員は仕事の仕方、学習と成長の視点など4つの視点毎に自らの目標をシートに記載することとしています。しかし現時点では本制度の運用は軌道に乗っておらず、導入の途上にあると言えます。事業所では目標援助制度に基づき職員の育成、評価、処遇等を総合的に実施する人事制度の具体化に向けた対策の推進が期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人は新任職員研修、階層別研修、施設間交流研修などを計画的に実施しています。外部研修については、「職員研修実施方針」に基づき、健全経営と幹部職員の資質向上に資する研修を受講しています。事業所では、年度毎に「職員研修実施計画書」を策定し、施設内研修の実施及び外部研修の受講を計画しています。研修終了後は「職員研修実施状況報告書」を取りまとめ法人に報告しています。各部署の研修担当は研修報告書の内容を確認したり、タイムリーな研修テーマの検討を行いますが、定期的な研修計画の評価・見直しは未実施です。研修計画の評価の仕組みの整備が期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

各職員の技術水準や専門資格の取得状況等を把握しています。法人による新任職員研修や階層別研修、各種外部研修への派遣など、職員の職務や技術水準に応じた研修の機会を提供しています。外部研修については、研修担当が職員に研修情報を提供し受講の調整にあたっています。国家資格等の取得については勤務調整や休暇取得を配慮しています。OJTの実施は、職員の経験や習熟度に配慮した個別的なテーマを設定しての計画的訓練とは言えないようです。職員の習熟度に応じた計画的な育成の取り組みが期待されます。また、今年度は多くの研修がコロナ禍により中止となつています。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

受け入れ時に使用する事前説明書、実習中の留意事項、実習予定表、実習プログラムの様式等を整備し、介護福祉士や社会福祉士を養成する大学・専門学校等からの実習生等を、積極的に受け入れています。実習担当の課長は学校の依頼に基づき実習日程を調整したり、職種に応じてアセスメントや個別支援計画の立案のプログラムを用意するなどの実習生の個々のニーズに応じた指導を行っています。実習期間中の巡回指導のほか、事後においても学校との継続的な連携に努めています。介護福祉士及び社会福祉士の実習指導者研修へ職員を派遣しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人のホームページに理念を明示し、措置事業部門としての施設の取り組みについて掲載し情報開示を図っています。また、年4回発行の機関紙に事業報告、予算を明記しています。季刊誌は500部程発行され利用者・家族及び各種関係機関に配布されています。また、年度ごとの施設の事業活動をまとめた「一年のあゆみ」を500部程発行し関係者、関係機関に配布し、生活・訓練に関わる利用者支援に関する各種情報や組織・職員構成等の情報を開示しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人としての会計監査人を選任し、毎年定期的に会計監査を実施しています。監査結果を法人のホームページに掲載し、施設の収支については季刊誌で開示しています。また、2年ごとに行政指導監査を受審し、施設運営の適正化に努めています。法人の監事による巡回指導内部監査を実施しています。監事が施設を訪問し、財務の執行状況や業務の実施状況を監査し指導しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

地域交流を目的にした各種イベントに積極的に参加しています。桜まつりや夏のお楽しみ会、文化祭は地域・福祉施設等作品展示や子ども囃子、小学生合唱・演奏など500人程の人でにぎわいます。また、毎年友の会会員や利用者、地区社会福祉協議会等が参加し施設の餅つき大会を開催し100名以上の人たちで交流します。年2回防災訓練を実施し、訓練に地域住民が毎回20名ほど参加してくれます。避難時の点呼や担架搬送訓練等に参加し施設の利用者との交流を図っています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティアの受け入れを積極的に推進しています。絵画、音楽、茶道、読書等各種サークル活動や陶芸、農芸等の作業訓練、居室の定期清掃、旅行、買い物等の付き添い、理・美容など幅広い分野で昨年度は延べ6666人のボランティアを受け入れています。文化祭のボランティアや餅つき大会用の米栽培の田植えから収穫に至るまで多数のボランティアが協力しています。また、小学生の体験学習を受け入れ10名ほどが車椅子等の体験をしました。ボランティア受け入れマニュアルを整備し、ボランティア活動の適切な推進を図っています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 施設として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

毎年1回、県生活援護課との業務連絡会を開催し救護施設の課題について話し合い、また、福祉事務所のケースワーカーと連携し生活保護を受給している利用者一人ひとりの支援に関する情報共有を図っています。月1回、地区社会福祉協議会連絡会に参加しボランティア募集のことなどの協力について話し合っています。施設を退所した利用者のアフターケアとして同窓会を立ち上げ、年1回の会合を開催し利用者同士の情報交換を図っています。今後は、個々の利用者の状況に応じた社会資源のリスト化及びアフターケアの社会資源のネットワークの整備の推進が期待されます。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の自治会に加入し地域交流に参加し地域ニーズの把握に努めています。また、かながわライフサポート事業に参加し、地域で様々な生活困難を抱えた方への支援ニーズに対応し、伴走型相談支援を推進しています。地域との関わりの中で地域の福祉ニーズの把握に努めていますが十分とは言えない状況です。地域福祉ニーズの把握のための具体的取り組みを計画的に推進し、施設運営に取り入れる対策の検討が期待されます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

年2回地域まちぐるみ大掃除に参加し、また、赤い羽根共同募金に利用者が参加しています。かながわライフサポート事業に参加し、地域で社会的に孤立し生活不安など様々な複合的生活課題を抱える住民に対し、伴走型の生活相談に応じる体制を整備し地域コミュニティの活性化に貢献しています。地域と防災協定を締結し、災害時の一次避難場所になっており、緊急時を想定した食料等5日分を備蓄しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

称、言葉や口調、態度など20項目の「虐待防止チェックリスト」を用いて全職員対象に自己評価を実施しています。委員会でチェックリストを集計、分析後、施設内研修でグループワークを行い、検証すべき項目ごとに「どういう場面でできていないと感じるか(課題抽出)、どうしたら改善できるか(改善方法の検討)」について話し合い、利用者を尊重する意識の醸成に努めています。 倫理綱領・倫理規程等は未策定です。 職員の行動規範としての倫理綱領・倫理規定を定め、利用者尊重に向けた職員の意識の一層の強化の取り組みが期待されます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

基本方針には利用者のプライバシー保護の遵守を明記しています。排泄介助の手順書には、オムツ交換時のプライバシー保護を明記しています。居室のポータブルトイレで排泄介助を行う際には、パーテーションを用いたり、オムツ交換時は間仕切りカーテンを引くなどの配慮をしています。入浴介助は同性介護を原則とし、手順書には、本人のプライドを傷つけないようプライバシーに配慮する旨、明示しています。面会や見学など来訪者の居住棟・居室への立ち入りは、防犯とプライバシー保護の観点から、原則禁止としています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用希望者に対しては、課長及び課長代理が見学の対応を行っています。見学時にはパンフレットや「平塚ふじみ園をご利用される皆様へのご案内」を資料として配布しています。資料を使って日課、居室、持ち込み品、喫煙・飲酒、外出・外泊、服薬・金銭管理など集団生活の約束事について説明し、利用希望者の質問に応えながら丁寧な説明を心掛けています。体験入所は1泊~2泊の体験を3回程度行い、施設での居住が可能であることを本人の意思で決めてもらいます。若年の希望者については、平均年齢59歳の集団内で、他の利用者と同室での生活が可能かどうか、体験を通して本人に判断してもらいます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

サービス開始時は、パンフレットや「救護施設平塚ふじみ園管理規程」等を用いて説明し、集団生活の約束事や日常生活の過ごし方について本人の同意を得ています。また、「個人情報の使用等の係る同意書」では、個人情報の利用期間、目的、使用条件について、「所在確認と喫煙・飲酒に係わる同意書」では所在確認の時刻、方法、喫煙や飲酒場所について説明をし、署名による同意を得ています。苦情解決のしくみについては「皆さんの意見・苦情の受付と解決のしくみ」という書面を用いて説明を行っています。入所の意思決定が困難な利用者への支援については、措置制度の特性を踏まえた利用者の意思決定支援のルール化の整備が期待されます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

地域移行の希望者や退所者に対し、サービスの継続性に配慮した取り組みを行っています。「居宅生活訓練事業」では円滑な居宅生活への移行に向けて、訓練用住居で半年~2年程度の実体験を行い、金銭管理、食生活、服薬、健康管理等を支援しています。退所後は「保護施設通所事業」の利用を勧め、通所や訪問により地域での安定した生活を支援しています。通所時は作業やサークル活動を行い、家庭訪問、電話、来園による相談・支援も行っています。施設退所者を対象とした親睦会「翔く会」については、定期的な実施や、退所者の参加促進を図っています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園では様々な機会を捉え、利用者満足を把握しています。利用者が生活するユニットを自治会に見立て、フロア毎に町内会長や役員を選挙で選出し、自主的な運営を職員がサポートしています。利用者と職員が出席する毎月の全体懇談会は、利用者から職員に不満や要望を伝える機会となっています。食事については年1回、嗜好調査を行い、味付け、温度、好き嫌いなどを把握・分析し、献立に反映させています。毎月の給食会議は利用者参画で開催しています。行事は、町内会役員と職員とのミーティングにより反省点や意見を基に計画を立てています。今後は定期的に利用者満足度調査を実施し、施設運営の総合的視点での改善課題の把握と対策の実施につなげる取り組みが期待されます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

「苦情解決体制及び運営要綱」を作成し、苦情解決責任者、苦情受付窓口及び第三者委員について明示しています。食堂等施設内数か所に投書箱を設置し常時苦情の把握に努めています。利用者からの苦情については聞き取りを行い対策をフィードバックし、全体懇談会で説明しています。また、季刊誌に苦情取り扱い件数と苦情内容及び施設の対応について開示しています。昨年度職員と利用者の関係性について「何かと干渉してくる」「ゴミ箱を漁る」等28件の苦情がありました。職員が当人と解決策について話し合い、申し出人に説明しサービス改善に努めています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

居室担当制を採用し各フロアごとに相談室を配置し、プライバシーに配慮し、個々の利用者が担当職員に気軽に相談できるようにしています。職員は相談内容を個々人のケース記録に書き留めます。職員は、毎月実施の全体懇談会で利用者の意見や相談ごとの発言により、利用者が全体的に抱える課題等の把握に努めています。利用者アンケートの結果より職員以外の相談者の選択について利用者が十分に理解していないことが伺えます。分かりやすく説明した文書を作成し利用者に周知する取り組みが望まれます。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

居室担当職員が利用者が相談しやすい雰囲気づくりに配慮し、積極的に利用者の意見を把握するように努めています。相談内容についてはケース検討会議で対策を検討し職員間の情報共有を図っていますが、相談内容の記録や対応策の検討等についての手順や対応策を定めたマニュアルは作成されていません。対応マニュアルを整備し、定期的見直しを行う等の対策の実施が期待されます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

事故防止委員会を月1回開催し、事故防止と事故発生時の迅速な対応に努めています。ヒヤリハット報告の仕組みを整備し、毎朝の職員ミーティングでヒヤリハットの内容について職員に周知し、事故防止の注意を喚起しています。「平塚ふじみ園事故防止マニュアル」を作成し、怪我・急病・誤薬等の事故パターンに応じた連絡体制や事故を発見した職員の行動を分かりやすくフローで説明し、緊急時の対応に備えています。また、急病や怪我、精神障害による自傷行為、送迎中の事故等の応急処理について明記し、迅速対応に備えています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症対策委員会を設置し、「感染症対応実施要領」を策定し、食中毒を含む施設内感染症に関する発生予防と蔓延防止を目的とした感染症対策を推進しています。感染症に関する職員研修を実施し、感染症対策の実施状況の評価を行うことを職員に周知しています。「新型コロナウイルス感染症対策計画」を策定し、新型コロナウイルス危機管理体制を明記し、感染予防対策の実施と、ウイルス感染者・クラスター発生時の対策について明示しています。また、健康観察記録の書式を定め、マスクの使用や消毒、部屋の空気の入れ替え等感染防止対策を推進しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

総合防災訓練を9月と3月に実施し、6月に夜間避難訓練、11月に水害対策避難訓練を実施しています。訓練は利用者全員が参加して実施し、総合防災訓練は火災と地震の発生を想定し情報連絡、避難、消火、防護等総合的な訓練を実施しています。また、夜間避難訓練実施とともに緊急連絡網演習を実施しています。防災訓練の他に、年1回非常用備品点検、年3回防災対策会議、年2回法令義務の防災設備点検を実施しています。災害発生に備え5日分の飲料水や食料を備蓄し、毎年定期的に備蓄リストの見直しを実施しています。また、年3回、救急救命訓練を実施し、災害時自衛組織図、避難時野営組織図を整備し、緊急時速やかに動ける体制を整備しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

介護マニュアル、食事支援等生活支援等に関するマニュアルを整備し日々の利用者支援の標準化を図っています。「利用者の生活全般にかかわる援助計画」を作成し、個別支援計画策定に関する標準化を推進し、また、「機能回復訓練にかかわる援助計画」「作業訓練にかかわる援助計画」を作成しサービスレベルを保つための支援項目を明記しています。標準的な実施方法に基づいた支援を確認する取り組みについては十分ではありません。マニュアル等の定期的見直し等を含めた対策の実施が期待されます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

個別支援計画の見直しやアセスメント、モニタリングの実施時期等所定のスケジュールに沿って実施され、また、ADLの変化の把握に努めていますが標準的な実施方法の検証・見直しの仕組みは明確ではありません。個別支援計画の利用者支援の状況の変化等をサービスの標準化に活かす取り組みも十分ではありません。利用者の状況の変化に応じたサービスレベルの維持・継続に向けた見直しの取り組みが期待されます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

年1回、個別支援計画の見直しに合わせて所定の様式でアセスメントを実施し利用者支援ニーズの把握に努めています。日常生活、社会生活、社会参加及び支援上配慮が必要な社会行動など各項目ごとに、現状と能力、本人の希望等について支援ニーズを明確にしています。支援困難ケースや処遇検討が必要なケースについては担当職種が参加しケース検討会議で対応方法を定めています。また、4か月ごとにケース記録をまとめ利用者個々の教護の支援特性を記録一覧として記述し、個別支援計画の目標に沿った支援の状況を確認しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

入所後3ヶヶ月をめどに個別支援計画を策定し、その後は1年ごとに見直しを実施しています。個別支援計画に、総合的支援目標を明記し、個々の支援目標ごとに支援内容、モニタリングの時期及び長期的支援展望を明記しています。短期目標は半年ごとに、1年ごとに長期目標のモニタリングを実施しています。モニタリングで個別支援計画の目標ごとに支援の成果を評価し、支援課題を明確にし「ニーズ整理表/モニタリング評価表」を作成しています。今後は、利用者の状況の変化に応じて随時個別支援計画の見直しを行う仕組みの導入が期待されます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

ケース記録に利用者の日々の支援状況を記録し4か月ごとに表にまとめ「記録一覧」を作成しています。毎月実施している担当者会議で個別支援計画に基づいた支援が実践されていることを確認しています。また、「事業日誌」「ケア日誌」「夜勤日誌」「医務日誌」「機能訓練日誌」「居宅通所日誌」「作業日誌」「レク日誌」を作成し、利用者支援状況の職員間の情報共有に努めています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

施設としての文書管理規程を整備し、書類ごとの保存期限に基づき部署ごとの点検のルール等を定めています。法人としての・「個人情報保護管理規程及び同要綱」を整備し、個人情報保護管理責任者、個人情報の取得・保管・利用・廃棄等について規定しています。職員、実習生に個人情報に関する誓約書の提出を求め、個人情報管理台帳を整備し情報漏洩防止に努めています。PCの個人情報は、役職ごとにパスワードを設定し個人情報の漏洩防止対策を講じています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

日中活動については利用者が希望する活動を選択できるように、職員が本人のニーズを踏まえた選択肢を用意するなど自己決定のプロセスを支援しています。日帰り旅行については利用者アンケートにより希望を募り、3カ所の候補地の中から各利用者が希望のコースを選択しています。
毎月の全体懇談会は利用者、職員、施設長などが参加し、生活に関わるルールについて利用者が意見を述べる機会となっています。コロナ禍ではマスクをしない利用者や、対面での食事への不安などが利用者から出され、施設長が出席者に向けて感染対策への注意喚起を図りました。
生活の場である4つのユニットはそれぞれ緑町、桜町、山吹町、花園町という自治会として位置づけ、町内会長や役員を利用者が選挙で選んでいます。職員は利用者の主体的な運営をサポートしながら、個々の利用者が地域住民としての生活習慣を身につけることができる様に支援しています。

【A2】A-1-(1)-② 利用者の自立・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

園内では、利用者の自立に向けて園内の清掃や売店のレジ打ち、食堂の配膳等の生活訓練を行っています。服薬管理では、医師の助言の下、医務室で預かる薬を本人に渡す頻度を毎日、週1回、2週に1回と段階的に減らし自己管理への移行支援を行っています。
地域移行の希望者には、円滑な居宅生活への移行を目指し自立支援を行っています。生活適応訓練では園内の生活適応訓練室を使用し、1日~1か月の単位で、湯を沸かす、米を研ぐ、風呂を沸かす等の予備訓練を行います。心身の状態や予備訓練の結果を踏まえ、居宅生活可能と認められた利用者には「居宅生活訓練事業」により近隣の訓練用住居(アパート)で原則1年、最長2年の実体験を経験してもらいます。訓練開始にあたっては個別支援プランを立案の上、健康・衛生管理、食事、金銭管理安全管理等の日常生活訓練や、通院、買い物、対人関係等の社会生活訓練を行い、半年毎にモニタリングを行い、自立に向けた個別支援計画の見直しを行っています。

【A3】A-1-(1)-③ 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション支援を行っています。聴覚障害のある利用者とのコミュニケーションでは、筆談や手話を用いて支援しています。毎月の定期通院時など医師とのやりとりを要する場合は、手話通訳ボランティアへの協力を依頼しています。利用者の障害の状態に応じて、言葉にジェスチャーを併用するなど個別的な配慮も行っています。
地域移行を希望する利用者や対人関係に不安を抱える利用者に対しては、参加希望者にSST(ソーシャルスキルトレーニング)を導入しています。2~4か月の期間を定め週1回のペースで、心理を専門とする外部講師を招き、1グループ5人程度の単位で行っています。感謝の気持ちや不快な気持ちなど、様々な気持ちの伝え方など、コミュニケーション能力を高めるスキルを学ぶ機会を提供しています。

【A4】A-1-(1)-④ 利用者の自己決定を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者からの相談の希望がある場合は、面談の機会を設け傾聴に努めています。面談のほか、手紙で寄せられる相談、意見箱へ投函された意見などに対し、個々に応じた支援に努めています。
関係職員による情報共有や課題の検討を要する場合には、施設長、部長、課長、主任と担当者をメンバーとするケース検討会議を開催しています。利用者から居宅復帰の希望が出された場合などは、本人の意向を踏まえ、服薬管理、金銭管理、家事や買い物など生活能力の評価を目的に、生活適応訓練の実施方針を打ち出したり、経済的基盤の確認のため、福祉事務所など関係機関との会議開催の方針などを決定しています。必要に応じて適宜、個別支援計画の見直しを行っています。

【A5】A-1-(1)-⑤ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者は個別支援計画に基づき、多様な活動メニューの中からニーズに応じた日中活動を選択しています。日中活動には、子ども雑誌の付録づくり等の加工科、陶芸科、農芸科、クリーニング科、コーヒーショップ、売店などの作業種があります。加工科では作業工程を細分化し、テーブル毎に工程を分け、必要に応じて手作りの治具を提供しています。活動時間は、午前、午後各2時間ずつですが、参加時間は、1~4時間まで、各自が1時間単位で参加時間を決めることが可能です。職員は、利用者が自分のペースで安心して作業ができる様に環境整備に努めています。工賃については明細書を渡し、説明を行っています。
余暇活動はボランティアの協力により、10種類以上のサークル活動があり、所属は固定せず、本人の自由な選択が可能です。またカラオケや卓球の同好会は利用者の自主運営です。

【A6】A-1-(1)-⑥ 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:b】

利用者の居室や日中活動の場はバリアフリーです。スロープや手すりなど、車椅子や杖を使用していても安全に移動できる環境を整えています。居住棟の1階ユニットは、身体障がい等により、車椅子や杖を用いる利用者が使用し、2階は独歩可能な利用者が使用しています。
居室は2人部屋と4人部屋があります。4人部屋では個人の十分なプライベートスペースを確保することは困難です。夜間、同室者のいびきや独り言などで安眠へ支障を来す場合など、必要に応じて居室替えの対応も行っています。また、それぞれが適温と感ずる室温は異なることから、皆が満足する温度設定の困難さを感じています。トイレ清掃は午前中に1回行い、更に必要に応じて随時行うこととしていますが、清潔の保持が不十分であるとの認識であり、今後、個室化も視野に入れて改善策の検討が望まれます。

【A7】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。 

【第三者評価結果:a】

「平塚ふじみ園 虐待防止マニュアル」を整備し、虐待発生時の対応方法や虐待防止委員会の設置等を定めています。委員会の役割は計画づくり(P)、虐待防止チェックリストの実施(D)、集計と確認(C)、虐待防止策の検討(A)など、PDCAサイクルの実施であるとしています。チェックリストは職員全員が行い、集計結果を基に、検討が必要と判断した項目について、グループワークを行います。「利用者への説明はわかりやすい言葉で丁寧い行い、威圧的な態度、命令口調にならないようにしている」 、「利用者を長時間待たせないようにしている」など課題となった1項目について、どのような場面で、どうしたら改善できるか、などを話し合い、権利侵害の防止につなげています。 身体拘束の取扱規程により、緊急止むを得ない場合の手続きと実施方法を明確に定めています。

A-2 生活支援
【A8】A-2-(1)-① 利用者の障害・疾病等の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

身体障害、知的障害、精神障害、聴覚障害等を有する利用者が在籍しており、アセスメントに基づき、個々のニーズに応じた支援を行っています。職員は研修受講等により、専門知識の習得に努め、外部研修では、神奈川総合リハビリテーション事業団による摂食・嚥下障害のリハビリテーション研修を受講し、嚥下困難な利用者への支援の向上に努めています。
聴覚障害のある利用者とのコミュニケーション支援では、筆談を用いたり、手話通訳ボランティアへの協力を依頼し、定期通院時の支援を行っています。高次脳機能障害により言葉の理解が困難な場合は、ジェスチャーを併用するなど、個別的な配慮も行っています。
アルコール問題を抱える利用者には断酒会やAA(アルコホーリクス・アノニマス)への参加を促しています。支援困難ケースについては、ケース検討会議を開催し、施設長、部長、課長、主任と担当者により、情報共有や支援方法の評価・見直しなどを行っています。

【A9】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じた日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画に基づく、日常的な生活支援を行っています。入浴については、車椅子を使用する利用者は、リフトバスによる入浴支援を行っています。皮膚疾患のある利用者には薬湯にすることもあります。
居住棟は1階が車椅子や杖使用の利用者、2階は独歩可能な利用者が利用しています。排泄自立を目指す利用者のため、トイレに近い居室を割り当て、男女混合の居室の並びとなっています。1階のトイレはバリアフリーで、スロープや手すりを設置しています。車椅子を使用する利用者が使用し易い様に、トイレの入口はカーテンを使用しています。2階のトイレはドア付きの個室です。看護師のマッサージや食物繊維の摂取の工夫、下剤の使用などにより便秘対策を行っています。

【A10】A-2-(1)-③ 利用者の嗜好や心身の状況にあわせて食生活を支援している。

【第三者評価結果:a】

毎月、利用者参画による給食会議を開催しています。年1回、利用者に嗜好調査を行い、味付け、温度、好き嫌いなどを把握・分析し、献立に反映させています。クリスマスや新年などの行事食や、季節に応じて土用の丑の日のうなぎ、ひな祭りのちらし寿司などを提供しています。選択メニューの日は、肉料理か魚料理のいずれか、希望に応じたメニューを提供しています。
心身の状態に応じて、粥食、ミキサー粥職、きざみ食、細きざみ食、ミキサー食などの形態で食事を提供しています。病気による治療食、制限食、アレルギーには代替食を提供しています。誤嚥・窒息に備え施設内で心肺蘇生法・AED研修を実施し、職員全員の受講を勧奨しています。外部研修では摂食・嚥下障害のリハビリテーション研修を受講しています。むせこみが頻繁な利用者については、本人や関係職員と話し合い、医師による嚥下評価につなげたり、食形態の変更の見直しを行っています。

【A11】A-2-(2)-① 利用者の心身の状況に応じた生活訓練や機能訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

機能回復訓練年間計画に沿って4月に個別訓練表及びケース検討表を作成し、利用者ミーティング等を定期的に実施し機能回復訓練を推進しています。個別訓練は、主治医の指示のもとに理学療法士(PT)が指導し、間接可動域訓練、歩行訓練、立位訓練、筋力強化訓練などを実施しています。週1回PTが施設を訪問し利用者個々のプログラムによる機能訓練を実施し、また、平日は機能訓練担当職員がPTのプログラムを基にした訓練を実施しています。
機能訓練プログラムは、利用者の身体状況をみてPTが作成し、ユニット対応職員と情報共有を図っています。利用者の状況に応じてプログラムの見直しを行うことがあり、個別記録表にプログラムの変更を記録し朝のミーティングで職員間の情報共有を図っています。
機能訓練の参加者は、昨年度総数延べ8,806人で一日平均は36.8人でした。

【A12】A-2-(3)-① 利用者の健康管理の支援と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

年2回定期的健康診断を実施しています。また、調理に関わる職員は月1回検便検査を実施し、梅雨時のO-157対応などの保健衛生指導やインフルエンザ時期の健康管理指導、年末年始健康管理指導などを実施しています。
精神科医が月2回往診し、2名の内科医が週1回ずつ毎週往診しています。内科医が「健康診断結果表」をみて継続的に状況管理が必要な利用者に対する日々のバイタルチェックや服薬等を看護師及び職員に指示しています。利用者の97%が慢性的な疾患を持ち継続的な医療を必要としており、約半数が外部の医療機関に通院しています。
コロナ禍の中で特に感染症予防に努め、「新型コロナウイルス感染症対策計画」を策定し、利用者の健康管理と体調変化に注意を払っています。職員は普通救命講習会研修を受講し緊急時の対応に備えています。

【A13】A-2-(3)-② 医療的な支援が適切な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:a】

食物アレルギーの禁食や多様な障害や病気をもつ利用者の治療食及び嚥下機能に配慮した食事形態に応じた食事支援を実施しています。医師の指示を受けて看護師が食事箋を作成し食事形態を栄養士と調整します。糖尿病による減塩食は21名でカロリー制限食の対象者は43名です。肉やソバ、納豆などの禁食対象者は20名ほどです。職員は、利用者ことに食札やトレイを確認し摂食事故の防止に努めています。
服薬支援の対象者は130名ほどです。4名の看護師が利用者ごとに配薬し、処方箋とのチェックを行い複数でダブルチェックを行い誤薬防止に努めています。
利用者のほとんどは慢性的な疾患を持ち継続的な医療を必要としており、約半数が外部の医療機関に通院し精神科の通院が多いのが実情です。

A-3 自立支援
【A14】A-3-(1)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の社会参加を目的に地域交流を図り各種イベントに積極的に参加しています。桜まつりや夏のお楽しみ会、文化祭等に参加します。職員は利用者の地域行事への参加を進め、社会人としての適応能力の向上を支援しています。また、生活用品の購入など日常生活の中での社会参加に伴う利用者自身の自己決定能力の向上を図るために、社会適応技能訓練(SST)を実施し、グループワークを通して利用者が社会適応能力の向上を図るように支援しています。
居宅生活訓練事業を推進しています。居宅生活への移行を希望する利用者がそれに近い環境で生活し、金銭管理、食生活、服薬管理指導等の生活訓練を行う中で社会適応能力の向上を図るように支援しています。
社会生活を想定した資格取得等の学習支援は成果を上げている状況ではありません。利用者の社会参加の意欲を高める対策の工夫が期待されます。

【A15】A-3-(2)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

科目別作業訓練実施計画を策定し、身体状況や希望に応じ利用者が継続的に作業訓練に参加できるように支援しています。加工科は受注先の雑誌の付録部品つくり、DVDケースクリーニング、化粧品販売促進グッズ組み立て等の作業です。陶芸科は、皿や箸置き、湯飲みなど生活用品を制作します。農芸科は、季節の野菜作りや椎茸栽培など、喫茶科は施設内のコーヒーショップで炒りたてのコーヒーを販売し好評です。
職員は支援の内容について利用者と話し合います。コーヒーショップは大勢の客を想定して接客指導を行い、意欲的に利用者が行動できるように支援しています。利用者の参加日数に応じて工賃が支給されます。また、関係機関と連携し地域の祭りなど各種イベントに参加し、陶芸・木工品などの製品を販売することで利用者の製品づくりの意欲の向上につなげています。

【A16】A-3-(3)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

生活保護受給者を前提にした救護施設の特性もあり、家族との関係が希薄なケースが多く見受けられます。季刊誌は定期的に家族に送付し、施設運営や利用者の状況等について家族に伝えています。家族との面談の機会は多くありませんが、家族から連絡してくるケースもあり、必要に応じて連絡を取り情報共有を図っています。家族と定期的に面談する機会を設定し、施設運営や利用者状況に関するコミュニケーションの機会が多くなるような取り組みの工夫が期待されます。

【A17】A-3-(4)-① 利用者の希望と尊重を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

居宅生活訓練事業を推進しています。近隣のアパートを借り上げ居宅生活移行希望者が生活し、関係機関との連携を図り社会適応を図ります。期間は1年を基本とし最長2年です。訓練の内容は、日常生活訓練、健康管理訓練、社会生活訓練等です。昨年度施設から地域移行を果たした利用者は3名で、そのうち1人は居宅生活訓練の経験者でした。地域移行が継続できず施設に戻った利用者も2人います。
また、保護施設通所事業を推進しています。施設退所者を通所で受け入れ指導訓練を実施します。支援内容は、作業訓練、料理教室、機能回復訓練、医療・生活相談、レクリエーションへの参加等です。職員が定期的利用者の居宅を訪問し、生活指導等を実施しています。現在5名の利用者が利用しています。

A-4 地域の生活困窮者支援
【A18】A-4-(1)-① 地域の生活困窮者等を支援するための取組や事業を行っている。

【第三者評価結果:a】

認定生活困窮者就労訓練事業を推進しています。生活困窮者自立支援法に基づき、雇用による就業を継続することが困難な生活困窮者の支援を前提にしています。主に清掃作業や洗濯作業など職員の業務の一部を行うことを通して、就労訓練を推進しています。行政等と連携し個々の利用者支援に努めています。
市社会福祉協議会のかながわライフサポート事業に参加しています。地域で様々な課題を抱えながら制度に結びつかない生活困窮者に対応し、伴走型の相談支援を行っています。生活困窮から必要なサービスを受けられない人への地域コミュニティ活動を支援しています。