社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ナトゥールハウスⅠ・Ⅱ

2021年04月30日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 株式会社フィールズ
評価対象事業所名 ナトゥールハウスⅠ・Ⅱ
評価対象種別サービス 共同生活援助
設立年月日 2007年06月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
③ 理念・基本方針 Ⅰ 法人の理念
① ソーシャルインクルージョン(共生社会)を目指します。②先駆的で開拓的な事業を展開します。

Ⅱ 基本方針
① 人権の尊重とサービスの向上を図ります。②インフォームドコンセント及びエンパワーメントを大切にした利用者さん主体の支援を推進します。③地域との共生を目指します。④ニーズの多様性と複雑化に対応します。⑤社会のルールの遵守(コンプライアンス)を徹底します。⑥説明責任(アカウンタビリティー)を徹底します。⑦人材の確保・育成のための研修体制を充実します。⑧柔軟で行動力のある組織統治(ガバナンス)を徹底します。⑨財務基盤の安定化に努めます。⑩国際化への対応に取り組みます。⑪社会貢献活動に積極的に取り組みます。

Ⅲ 使命(ミッション)
① 福祉の現場は、「社会の仕組みや制度を変える」原動力となる使命があること。
② 福祉の現場は、「社会保障の第一線である」という認識をもって、時代の先端を歩まなければならないという使命があること。
③ 「どんな人の人生も肯定される社会をつくる」という使命があること。 
④ 施設・事業所の特徴的な取組 ① ターミナルケアの経験を有しています
令和2年度7月にホームの利用者さんが病気(脂肪肉腫)で亡くなりました。余命半年と宣告を受けてから2年間ホームで療養をしていました。利用者さんがいつまでもホームで暮らしたいとの思いを受け入れて、家族や医師、関係者と共に職員は、一丸となってチームとして支えてきています。終末期に於いては、本人の状態や変化に合わせて、関係者の協力のもとで「心も体もつらくないように」との気持ちで支援に努めています。その間、利用者さんは、日中活動の事業所に通い、またホームでの旅行やイベントなどにも参加し、皆さんと最後までホームでの生活を享受しています。
② 障害程度区分の高い利用者さんを受け入れています。
入居している10人が全員障害程度区分4以上の利用者さんです。利用者さんとの調整や生活上の種々の相談・支援について、職員は、「チームで応援する」の意識をもって、職員間で十分に協議して取り組んでいます。職員は、「強度障害者支援者研修」を受講するなど、専門性をもって支援に努めています。また系列の事業所との会議を通して、困難事例などについて支援の質を高めることに取り組んでいます。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2020年07月21日
終了:2021年04月24日(評価結果確定日)
受審回数:3回(2017年度)
詳細評価PDF

⑥ 総評

特に評価の高い点 ①利用者さんへの権利侵害等の防止の徹底、及び職員のストレス防止に取り組んでいます
利用者さんへの権利擁護や権利侵害について、普段から利用者さんの声を傾聴し、職員間でコミュニケーションを図り、職員各々が支援を振り返り、防止の徹底に取り組んでいます。毎月ホームの職員会議で、利用者さんの様子や、目標と課題、支援策について話し合い、支援の質を高めるように努めています。また、会議では、職員の悩みや疑問に思っている点等も話し合い、個人ではなくチームで仕事を成し遂げるという意識を職員全体で共有しています。職員が過度のストレスを抱えないように職員同士が支え合う風通しの良い職場環境づくりを進め、権利侵害や虐待防止に取り組んでいます。また人権侵害ツール(法人で作成のDVD)等を活用し意識の徹底に努めています。 

②家事支援の職員を配置しています
朝食や夕食づくり等のための家事支援の職員を配置しています。利用者さんの好みや健康に考慮して調理しています。家事支援職員は、食事の他に手が空いている時は、掃除等も担っています。家事支援職員の配置によって、職員(世話人)が利用者支援にしっかり向き合える時間の確保を図っています。

③利用者の意向に沿った一生の支援を実施しています
利用者が健康な生活を送れるように、看護師訪問、健康診断やがん検診等のサポートを行っています。末期がんの利用者もホームで療養し、本人の希望に添い、看取ることができました。家族や医師、関係者と共に職員は、一丸となってチームとして支えてきています。終末期に「心も体もつらくないように」との気持ちで支援に努めています。利用者は、日中活動の事業所に通い、ホームでの旅行やイベントなどにも参加しホームでの生活を楽しめるように支援しています。
改善を求められる点 ① 両ユニットで記録ソフトの利用
2ユニットの内、1ユニットだけがパソコンによる記録ソフトを導入しています。当初は、実践研修や覚えることに多少の時間をとられるようですが、残る1ユニットについても導入が期待されます。様々な多くの記録がありますので、業務の負担軽減のため、記録のデジタル化を図る取り組みは、大いに期待されます。また法人の事業計画の働き改革への対応に於いても「ITC(情報通信技術)を活用した業務の効率化、省力化を推進します」を掲げています。
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇努力、工夫していること

ノーマライゼーション・ソーシャルインクルージョンの法人の理念に基づき、利用者さんが自己肯定感を持って生活を送れるよう、支援を構築しています。ホームは安心して過ごせる場所であることを第一とし、その中で自立した生活を考えています。出来る部分は利用者さん自身で行う、出来ない部分は職員が介助する、出来そうな部分を側面的支援により、出来るに変えていけるようにしています。

◇課題と考えていること

重度高齢化など多様なニーズに応えられるよう、専門性の確立や、理念にある通り、より先駆的で開拓的な事業展開も必要と考えています。 
Ⅰ-2 経営状況の把握

◇努力、工夫していること

管理者は毎月の収支と、その根拠となる理由を法人へ提出しています。また常勤職員も収支を意識して業務にあたることができるよう、毎月の利用率を共有するようにしています。 

◇課題と考えていること

法人内グループホームの中では、収入に対する人件費が高い事業所であるため、人件費を適正に抑えていくことが課題です。 
Ⅰ-3 事業計画の策定

◇努力、工夫していること

計画の策定にあたっては職員会議等で、非常勤を含めた職員の意見や思いなどを集約しています。 

◇課題と考えていること

作成した事業計画が計画通りに遂行できているか、見直しや確認を的確に行うことが課題と思っています。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇努力、工夫していること

職員への研修案内の他、法人内他事業所とも連携を図り、自事業所の支援や運営を客観的に捉えるように取り組んでいます。 

◇課題と考えていること

利用者さん個々の特性に合わせた支援を展開していくため、より専門性の確立が求められると考えています。 
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇努力、工夫していること

管理者も積極的に現場に入ることで、コミュニケーションを図り、利用者さん、職員個々の特徴や、支援の良い点、そうでない点、課題と思われる点などを把握するようにしています。

◇課題と考えていること

管理者は、課題解決や充実した利用者支援のためにリーダーシップをとって物事に当たれていないことが課題と考えています。 
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇努力、工夫していること

災害時などは地域住民やボランティアとの共助の関係が必要不可欠です。そのため地域の行事などには積極的に参加し、ホームの存在を知ってもらい、利用者さんと関わってもらうようにしています。

◇課題と考えていること

コロナの影響により地域やボランティア活動が希薄になっていることが課題と思っています。 
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇努力、工夫していること

法人内他事業所と積極的に連携を図り、自事業所の取り組みや課題点などを共有し、客観的に事業所運営や支援展開を捉えるようにしています。

◇課題と考えていること

法人外部の目も入ることによって、さらに客観的な視点で事業所運営などを捉えることができると思っています。 
Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇努力、工夫していること

事業所の前を通る近隣の方々と挨拶を励行するようにしています。地域の夏祭りなどのイベントにも参加して地域の方との交流を図っています。ホーム内にAEDを設置していることをお知らせし、万が一の際は、地域住民の方にも使用していただけるようにしています。

◇課題と考えていること

引き続き、地域との関係構築が必要と考えています。

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇努力、工夫していること

年度初めや、利用者支援において検討すべき事案等があった際には、法人の倫理行動マニュアルなどを再度読み合わせし、支援の軸を確認するようにしています。 

◇課題と考えていること

よりよい支援の構築のため、実際の具体的な場面などを用いて、職員間で支援の軸や方向性の確認ができるとよいと考えています。
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇努力、工夫していること

障害の特性上、主にご家族に向けてとなりますが、利用契約や重要事項の説明等にあたっては丁寧に説明するとともに、書類にはルビを振っています。また書類は事業所内に掲示してあります。法人の理念基本方針等は、ホームページで公表しています。

◇課題と考えていること

ご家族に向ける部分が多く、利用者さんご本人は理解されているのかが課題と考えています。
Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇努力、工夫していること

外食など余暇支援を実施し、休日の生活もより有意義なものとなるように考え、実践しています。日常の中で利用者さんの意向をくみ取ることを大切にしています。 

◇課題と考えていること

余暇支援の幅が狭く、内容がほとんど固定されています。またコロナの影響により外出の機会も減っています。 
Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇努力、工夫していること

普段から利用者さんの声を傾聴する姿勢を持って臨んでいます。苦情解決の体制を入所時等に利用者・家族に説明しています。また苦情解決の仕組みを事業所内に掲示しています。

◇課題と考えていること

利用者会議などの設定ができていないことが課題と考えています。 
Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇努力、工夫していること

ヒヤリハットや事故、インシデントについては、即座に職員間で共有し、また対応策を検討し、次に活かせるようにしています。

◇課題と考えていること

ヒヤリハットについては支援向上の種でもあるという認識で、積極的に発信、共有する必要があると考えています。 
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇努力、工夫していること

個別支援計画書等に基づき、家事支援職員、夜勤職員等の業務マニュアルや強度行動障がいを持つ利用者の支援手順を作成しています。定例の職員会議等で支援内容を共有、協議しています。利用者さんに変化がある都度、計画を見直し、策定しています。

◇課題と考えていること

計画が利用者さんの思いや声が活かされたものとなっているか、また重度高齢化に向けてどのように対応していくのかは課題と思っています。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇努力、工夫していること

個別支援計画書は、最低6か月に一度は見直し、その期間のアセスメントを含めたモニタリングを作成しています。また毎月の職員会議でも個別支援計画に基づく利用者の様子、目標と課題、支援策について話し合っています。

◇課題と考えていること

まだ職員全体でのアセスメントの機会が少ないのが課題と思っています。
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇努力、工夫していること

2ユニットの内、1ユニットが11月よりパソコンの記録ソフトを使っていますが、残る1ユニットは、手書きで記録をしています。様々な記録によって職員間の情報の共有化を図っています。個人情報保護規程により、利用者の記録の保管、保存、廃棄等の規定が定められています。

◇課題と考えていること

必要なことを網羅しながらも、より業務効率化のための仕組みや取り組みが必要と思っています。
A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇努力、工夫していること

利用者さんの自己決定や自己選択を尊重する観点から、利用者さんからやりたいことや、欲しいもの等の訴えがあった際は、できる限り実現できるように、家族や職員と情報共有して個別支援を行っています。

◇課題と考えていること

声を出しづらい、出すことができない利用者さんに対しても、声を出せるような取り組みや姿勢が必要と考えています。
A-1-(2)権利侵害の防止等

◇努力、工夫していること

利用者さんの権利擁護や権利侵害について、普段から利用者さんの声を傾聴し、虐待が起きないよう、職員間でコミュニケーションを図りながら、それぞれの支援の振り返りをしています。毎月ホーム職員会議で、利用者さんの様子、目標と課題、支援策について話し合い、支援の質を高めるように努めています。また、会議では職員の悩みや疑問に思っている点等も話し合い、個人ではなくチームで仕事を成し遂げているという意識を職員全体で共有しています。

◇課題と考えていること

事業所内部だけでなく、法人外部からも支援や運営について客観的に捉えてもらう必要があると思っています。
A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇努力、工夫していること

ノーマライゼーション・ソーシャルインクルージョンの理念に基づいています。ホームは安心して過ごせる場所であることを第一とし、利用者が自力で行う生活上の行為や活動は見守りの姿勢を基本としています。出来る部分は利用者自身で行い、出来ない部分は職員が介助しています。利用者さんが出来そうな部分は側面的に支援することにより、出来るようになるように取り組んでいます。

◇課題と考えていること

重度高齢化に向けて、どのような対応をとっていくことが望ましいのか検討する必要があると思っています。
A-2-(2)日常的な生活支援

◇努力、工夫していること

利用者さんの日常生活支援は、個別支援計画に基づくと共に、利用者さんの心身の状況に応じて適切に実施しています。日常的な生活支援については、利用者一人ひとりに応じた自助具や福祉用具を活用しながら、自立支援を目的に利用者の出来る部分を引き出しながら支援をしています。入浴支援や排泄支援においてはプライバシー保護に配慮し、同性介助を守っています。

◇課題と考えていること

自立支援がマンネリ化しないように、利用者支援の必要度等を常に確認する必要があると考えています。
A-2-(3)生活環境

◇努力、工夫していること

利用者さんの生活の場は、快適かつ清潔な環境となるよう、清掃等の間接支援を行い、適温と明るい雰囲気が保たれています。また高齢化に向けてエレベーターの使用等を行うとともに、入浴時の転倒予防などの見守りを確実に行えるように、利用者さんのニーズや障害の状況に応じた配慮や工夫をしています。

◇課題と考えていること

手すりをつけるなど、物理的に高齢化への対応が必要と思っています。
A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇努力、工夫していること

日常の生活動作の中で、利用者さんが出来る部分と出来ない部分の間にある出来そうな部分に着目し、利用者さんの機能や能力を維持・向上する機会を増やすように工夫しています。職員による側面的な支援や環境支援で利用者自身の力を引き出し、主体的に取り組めるように支援しています。

◇課題と考えていること

固定化された視点だけでなく、様々な視点から利用者さんの力を引き出していくことが必要と思っています。
A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇努力、工夫していること

利用者さんが健康な生活を送れるように日々の体調に気をつけ、必要に応じて通院の付き添いや薬の管理を行っています。また、法人内所属の看護師が月1回訪問しており、疾病の早期発見のため、健康診断やがん検診等の受診を勧め、検査内容の説明や検査の事前準備・通院同行等の必要なサポートを行っています。昨年利用者が末期がんで他界されましたが、2年間ホームで療養し、最後まで本人の希望に添い、看取ることができました。

◇課題と考えていること

高齢化に向けて、健康面、医療面での課題は徐々に大きくなっていると考えています。
A-2-(6)社会参加、学習支援

◇努力、工夫していること

コロナ禍により余暇外出の機会が大幅に減っていますが、その分ホーム内の余暇内容を充実させるように工夫しています。休日の余暇支援として、月に2回程外食等に出かけたり、鮨等の出前を取っています。また、女性利用者さんがホットケーキを焼き、男性利用者さんと一緒にシロップやクリーム等のトッピングをして、おやつ作りを楽しんでいます。利用者さんは、ホームの全体外出や横浜ベイエリア7つのホームとの親睦会の再開を楽しみにしています。

◇課題と考えていること

コロナの影響により外出が難しくなっていること、外出できた場合にも内容が固定されがちであることを課題と思っています。
A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇努力、工夫していること

利用者さんを新規に受け入れる場合は、通所先や相談支援事業所等と十分に連携を取り、必要な支援に取り組んでいます。ホームは地域との共生を目指し、自治会に加入し、地域の一員として地域清掃に参加し、地域防災協定を締結しています。社会貢献活動として、「寿町支援」やホーム内にAED設置、所有地内に寄付型自動販売機を設置しています。

◇課題と考えていること

利用者さんの生活の質の向上のため、ガイドヘルパーの利用などを積極的に進めていく必要があると思っています。
A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇努力、工夫していること

利用者支援にあたっては、家族等との信頼関係が重要であり、利用者さんの体調不良や急変時の家族等への報告や連絡ルールを明確にしています。主に電話にて適宜連絡を取るようにしており、必要に応じてホームでの生活等は手紙で知らせています。共通支援会議やモニタリング合同面談で共通の課題認識確認を行っています。また、家族と支援の方向性を確認できるように、必要に応じて利用者さん・家族との面談の場を設けています。

◇課題と考えていること

家族交流の場が設定できていないことが課題と考えています。

その他特記事項:第三者評価機関として今後、特に課題として取り組みを期待したい事項

評価対象 第三者評価機関からのコメント
分類 引き続き地域との良い関係
日頃からホームの前を通る方々と欠かさず挨拶を励行しています。また自治会にも加入し、役員さんとも良好な関係を築いています。ホームがこの場所に引っ越して来て、3年程でありますので、引き続き関係を積み重ね、よい関係が期待されます。
分類 支援計画に利用者の意見を取り入れる
職員全体でのアセスメントの機会が少ないのが課題です。支援計画が利用者の思い等の反映ができていなく、重度高齢化に向けてどのように対応するかも利用者の意向を反映して作成することが期待されます。
利用者調査の結果
①ヒアリング調査(本人) <ヒアリング対象者>
利用者本人 2名(男性 1名、女性 1名)

<ヒアリングの方法>
利用者の居室に於いて、利用者1名に調査員1名が(同様に別の利用者1名には、別の調査員が)面談し、ヒアリングしました。うち1名は、緊張を緩和のために職員が寄り添いました。 

<調査結果の意見>
利用者2名からは、次のとおりホームや職員に対して概ね好意的な意見が聞かれました。
①丁寧に話してくれます。
②断りなく、居室に入ることはないです。
③食事はお粥にしてもらっています。お風呂は毎日入っています。困ったときは、職員に相談にのってもらえます。
④計画のことは、わからないです。計画について一緒に考えてくれます。
⑤お金については、分かりません。
⑥いやなことや困りごとに職員は、相談にのってくれます。対応してくれます。
⑦ホーム以外に通所先の職員に相談できます。
⑧対応してくれます。持病が起こった時は、すぐに対応してくれます。
⑨ホームで好きなように過ごしています。今は、外出することはないです。
⑩職員から大切にされていると感じます。ホームでの生活が好きです、楽しいです。皆とおやつを食べながら、テレビを見るのが好きです。行事や旅行もホームで実施してくれます。
評価後(評価結果を受け取った後)のグループホーム「コメント」
この度は貴重な評価を頂きありがとうございました。
支援度が高い利用者さんを受け入れていること、また十分な支援を行うための人的配置(家事支援の配置など)を評価され、今まで私たち職員が当然と思っていたことが、第三者から見ると評価に値すべきことであると分かり、自分たちの自信にもつながったと思います。
また、事業所の課題でもある、障がい者の高齢化に直面するにあたり、「利用者の意見を取り入れる」という取り組みの期待を受けました。まさにご指摘の通りであると感じています。ご本人がどのような生き方や今後を希望しているのか、周囲の先回りした意見や客観的な考えだけで進めるのではなく、寄り添いながら考えていく必要があり、実践していきたいと思います。
今回は新型コロナウイルスの影響で、訪問調査や利用者さんへの聞き取りなどが十分に実施できず、まだまだ改善の余地がある部分をお伝えできていないところです。いただいた意見をもとにより充実した事業所運営、利用者さん支援に還元していきたいと思います。この度は誠にありがとうございました。