社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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フランボワーズ上溝Ⅰ・Ⅱ

2021年11月18日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 株式会社フィールズ
評価対象事業所名 フランボワーズ上溝Ⅰ・Ⅱ
評価対象種別サービス 共同生活援助
設立年月日 2014年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
③ 理念・基本方針 障がい児・者、高齢者のノーマライゼーションの実現から「ソーシャル・インクルージョン」を目指します。
1. 人権の尊重とサービスの質を図ります。
2. インフォームドコンセントとエンパワーメントを大切にした利用者主体の支援を行います。
3. 地域との共生を目指します。
4. ニーズの多様化・複雑化に対応していきます。
5. 社会のルールの尊守を行います。
6. 説明責任の徹底を図ります。
7. 人材の確保・育成のための研修体制の充実と、適切な人事・労務管理を実践
8. 柔軟で行動力のある組織統制の確立を目指します。
9. 財務基盤の安定化に努めます。
10. 国際化への対応に取り組みます。
11.社会貢献活動に積極的に取り組みます。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 ・人権の尊重とサービスの質の向上を図り、利用者主体の支援を行います。
新型コロナウイルスへの対応を最優先とし、定期的な消毒、喚気や日々の健康チェックで感染リスクを減らすことに積極的に取り組んでいます。徹底した感染予防策の実施を通じて、サービスの質の向上を図り、利用者・家族にもホームを安心して利用していただけるようホームの運営に努めています。それと並行して、ホームのイベントについては感染リスクに配慮し、規模を縮小したり、密を避けながら実施しています。誕生会、七夕会、クリスマス会、ひな祭りに加え、昨年度より初めてハロウィンや節分なども行い、利用者にイベントを楽しんでもらうことができました。

・地域の相談支援事業所およびサービス提供機関との連携を図ります。
昨年度は相談支援員とは、話す機会を多く設けることができ、利用者のことを良く見ていただくことができました。引き続き相談支援員と多くの意見交換を行い、より具体的な支援の検討を進めていきます。ガイドヘルパーの利用は新型コロナウイルスの影響により、上半期同様外出自粛や行き先を近所にしたいといった要望があります。今後も家族の要望を踏まえつつ、ガイドヘルパーの適切な利用をすすめ、利用者の生活に彩りが出るよう努めていきます。また、生活保護・あんしんセンターの利用を始めた利用者は、各所との関係性も良好で、金銭面も安定するようになりました。他の利用者についても、後見人の利用について要望がある方がおり、引き続き必要な支援を行っていきます。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2021年04月27日
終了:2021年10月19日(評価結果確定日)
受審回数:1回(2018年度)
詳細評価PDF

⑥ 総評

特に評価の高い点 1. 感染予防対策を徹底し、イベント開催も継続して取り組んでいます
職員と利用者・家族が協力して、コロナ(COVID-19)感染防止のための施策を実施した結果、現時点まで、利用者・職員のコロナ感染者は発生していません。
外部からの感染を防ぐために、ホームへの入所に際しては、職員・利用者は、玄関入口で毎回検温し、手洗い・消毒を徹底しています。来訪者や家族とのやり取りは玄関で対応しています。マスク着用は利用者にも励行していますが、ホーム内でのマスク着用はできていません。施設内の手すりやリビングのテーブルなどについては毎日消毒し、いつも清潔な状態を維持しています。またテーブルには、食事の際に飛沫防止のため、アクリル板で仕切りを設置して、飛沫感染防止を徹底しています。また食事も密を避けるため、時間を少しずらしながら取っています。一方でホームでの行事は、誕生会や七夕クリスマス会など従来から実施していたイベントに加えて昨年度よりハロウィンを実施しました。利用者が少しでもホームでの生活を楽しく過ごせるよう、規模を縮小し、できるだけ密を避けるよう工夫しながら取り組んでいます。
2. 家族等と連携した利用者支援ができています。
近隣に住む家族が多く、週末の受け入れ、金銭の管理、通院同行などを担っていて、情報交換や家族からの相談にも適宜対応できています。利用者も家族が近くにいて安定した援助が続いているため、ホームでの支援によって落ち着いた生活を続けています。家族の高齢化に伴なって、利用者の方が家族を心配し、週末に帰宅するのを心待ちにしていることもあります。利用者はしっかりした生活をすることが家族の安心につながることを理解して、ホームでの毎日を過ごしています。
改善を求められる点 1. 人材育成の体制整備
経験の少ない職員(学生など)の比率が多く、支援困難な利用者へ対応できる専門的な知識や経験を有する職員が限定されています。さまざまな支援サービスができる職員を増やし、支援サービスの質の向上に取り組むことが課題です。職員間の情報共有やコミュニケーションも不足しています。職員が専門知識や資格などを習得していくために、定期的な研修の実施や外部の研修を受講しやすい職員体制の改善が期待されます。
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇努力、工夫していること

利用者の人権尊重と利用者主体の支援を行い、支援サービスの質の向上に取り組んでいます。
コロナ禍で外出ができないため、利用者との話し合いを通じて、節分・ハロウィンなどの季節のイベントを増やし、新型コロナウイルス感染防止策を講じながら実施しています。

◇課題と考えていること

利用者家族の高齢化が進み、家族による土日のケアが難しくなってきていることから、ホームでの余暇などの支援サービスの拡充が求められ、人員配置の充実が課題となっています。
Ⅰ-2 経営状況の把握

◇努力、工夫していること

毎月、試算表をもとに収支を把握しています。請求業務はホームで行っており、収入面も把握しています。祝日と休日の利用者の受け入れも積極的に行っており、利用率向上につなげています。

◇課題と考えていること

特定の職員が請求業務を行っており、全職員が経営状況を把握できていない状況です。ホーム利用率は上昇傾向ですが、90%台に乗せることを目標としています。
Ⅰ-3 事業計画の策定

◇努力、工夫していること

年度末に常勤会議で、一年間の利用率や行事、ヒヤリハット、課題などを確認し、事業計画について話し合いをして策定しています。

◇課題と考えていること

管理者が主に作成をしているため、非常勤職員を含めた職員への周知は課題となっています。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇努力、工夫していること

福祉サービスの内容について定期的に自己評価を行い、第三者評価を定期的に受審しています。バックアップ施設の経験や知識を有している職員に協力を依頼し、支援が難しい利用者への対応について一緒に現場でサポートを受けながら取り組んでいます。

◇課題と考えていること

支援困難な利用者に対応できる職員が限られておりスキルのある職員を確保育成する必要があります。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇努力、工夫していること

緊急時にはグループ長や前所長にバックアップに入ってもらいながら運営をしています。定期的に職員と話をし、情報共有をしながら日々の業務に取り組んでいます。

◇課題と考えていること

今年度から新管理者となり、まだ細部の引継ぎができておらず、把握できていないこともあります。前任管理者に替わって若手職員が異動してきたこともあり、新しい体制がまだ確立していません。
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇努力、工夫していること

定期的な研修(入社年度別、役職別)を行い職員のキャリアアップに努めています。日常業務において職員が確保できない時はグループ長、バックアップ施設の職員にシフトに入ってもらうサポート体制を取っています。非常勤職員の採用は法人人事部と連携をして実施しています。

◇課題と考えていること

コロナ禍の影響でオンライン研修が多くなると、個室の確保が難しく、研修が支援の時間にあることも多く、参加できなかったケースもあります。学生の非常勤職員の研修はグループ長や常勤職員が対応していますが、育成がまだ不十分な面があります。急な休みが出た際の人員の確保の対応が難しい場合があります。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇努力、工夫していること

毎月、グループ長や本部へホームの運営状況に関する報告をしています。ホームの事務・経理・取引などについて法人の内部監査を定期的に実施しています。第三者評価の結果を公表してホームの運営の透明性の確保に取り組んでいます。

◇課題と考えていること

職員には職員会議などで、日常の福祉サービス活動に関する状況は伝えていますが、ホームの運営面については全職員に周知していません。
Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇努力、工夫していること

地域の自治会に入り、地域との交流に努めています。現在はコロナ禍の影響で自治会活動を自粛していることもあり、地域のイベントには参加出来ていない状況です。

◇課題と考えていること

利用者の送迎バスと地域住民の車の接触事故が発生しており、改めて地域におけるホームの活動の理解を得ていくことが必要と考えています。

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇努力、工夫していること

職員採用時には倫理綱領マニュアルを用いながら利用者の権利について説明をしています。
毎月の職員会議で利用者の支援内容について共有しています。また、家族会議(年1回)を開催して家族からの要望・意見も取り入れています。(昨年はコロナ禍のため中止しています)

◇課題と考えていること

家族から職員の態度に関するクレームが寄せられ、言葉かけの見直しや支援方針の見直しが必要と考えています。
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇努力、工夫していること

ホームの契約時には職員や家族が付き添い、丁寧に説明をしたうえで同意(自己決定)を得ています。意思表示が難しい利用者には家族に協力を依頼しています。

◇課題と考えていること

福祉サービスの提供に関する説明書類は、ふりがなを振るなど配慮していますが、内容を含め理解するのが難しい利用者が多く、説明を工夫していく必要があります。
Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇努力、工夫していること

祝日やイベント時には利用者の意見を取り入れて実施しています。
すでに実施している誕生会や七夕会などに加え、節分やハロウィンなどの季節ごとのイベントを増やし、利用者に楽しい場を提供するよう取り組んでいます。誕生日会には利用者から食事メニューなどのリクエストをもらって実施しています。

◇課題と考えていること

コロナ禍の影響もあり、イベントは外出が伴うものは見合わせています。ホーム内では密を避けるよう配慮し、規模を縮小しながら取り組んでいます。
Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇努力、工夫していること

利用者の表情や行動を見ながら定期的な声かけを行い、意見をもらっています。玄関には意見箱を設置しています。苦情解決には第三者委員の設置も含めて体制を整備しています。

◇課題と考えていること

意見箱への投書はありませんが、職員によっては話しにくいとの意見をもらっています。
Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇努力、工夫していること

バックアップ施設の職員やグループ長に定期的な訪問を依頼し、専門的なアドバイスを受けながら、安心・安全な福祉サービス提供に努めています。コロナ感染防止対策については、消毒、手洗いの実施、バイタルチェック、来訪者の検温の実施等を徹底して取り組んでいます。

◇課題と考えていること

安心してホームを利用してもらえるよう、支援の質の向上を目指しています。職員間で支援サービスや知識などに差がみられることから、学生などの非常勤職員の人員構成バランスを見直し、定期的な研修の実施などを検討しています。
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇努力、工夫していること

日々の記録をパソコンに入力し、申し送り事項についてノートを作成して日常業務の運営に努めています。毎月の職員会議において職員間で情報共有し、福祉サービスの実施に関する意見交換を行っています。利用者を尊重し、プライバシーの保護や権利擁護について留意して取り組んでいます。

◇課題と考えていること

職員会議は非常勤職員を含めた全職員の参加ではないので、福祉サービスの実施方法について周知できていない面があります。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇努力、工夫していること

常勤職員が各利用者にアセスメントを実施したうえで、家族を含めて個別支援会議を開催しています。福祉サービス実施計画内容について、意見交換を行い、利用者一人ひとりに合った個別支援計画を策定しています。

◇課題と考えていること

コロナ禍の影響で、個別支援会議を家族と実施することが出来ず、やむを得ず書面でやりとりした家族が多かったので、今後は全員個別支援会議が行えるように取り組みたいと考えています。
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇努力、工夫していること

利用者の身体状況や生活状況について把握し、毎日朝と夕方、夜間の記録について統一した様式でPCに入力し、適切に記録して情報の共有化を行っています。

◇課題と考えていること

職員によって記録の書き方に差異があり、指導・工夫していく必要があります。
A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇努力、工夫していること

利用者がホームでテレビを見たり、タブレットでYouTubeやゲームを楽しんだり、ぬり絵をして自由に過ごすのを職員が見守っています。言葉によるコミュニケーションが困難な利用者には、おやつや食事の写真や絵を用いて選んでもらうようにしています。金銭の自己管理ができる利用者は好きなおやつや飲み物を買っています。

◇課題と考えていること

職員によっては言葉による支援が多くなってしまうなど、利用者の思いを汲み取るスキルに差があるのが課題です。意思表示が難しい利用者には家族から情報を得、通っている事業所との連絡ノートで情報を共有するなどの努力をしています。
A-1-(2)権利侵害の防止等

◇努力、工夫していること

法人による虐待防止のマニュアルが整備され、入職時には研修を実施しています。職員会議の時には法人内の事故報告や権利侵害の資料の提示をして、研修への参加を促しています。利用者の居室には、ノックをし、声をかけてから入るようにしています。

◇課題と考えていること

職員の声の大きさによっては、言葉かけの際に怒鳴られたように感じる利用者もあり、その都度気をつけるようにしていますが、定期的な振り返りや見直しが課題となっています。
A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇努力、工夫していること

ホームに帰宅した時にコーヒーの絵カードを見せて室内へ誘導する、タイマーをセットして夕食時間を知らせるなど、利用者一人ひとりの自立に配慮した個別の支援をしています。ホームの生活が楽しめるよう、レクリエーションやイベントを季節ごとに定期的に企画しています。利用者の希望でタコ焼きの会も行っています。

◇課題と考えていること

職員のスキルに差があり、支援の方法が共有されず、利用者一人ひとりに合わせた支援が難しい時があるのが課題です。
A-2-(2)日常的な生活支援

◇努力、工夫していること

食事は、業者から毎日配送される食材で職員が朝食と夕食を作っています。行事や特別な日には、業者依頼はせず、利用者の好みを考慮した食事を提供しています。身の回りの整理・整頓は職員が手伝い、掃除、入浴は自分でできる利用者は自分で行っています。浴室は各階に2つ、車いすで使用できる広い浴室と一人用があります。金銭管理のできる利用者には出納帳の記入の手伝いをしています。

◇課題と考えていること

それぞれの利用者に合わせた支援の方針や方法を会議などで話し合う機会が少なく、常勤職員が決めたことを非常勤職員が行うことが多くなっています。
A-2-(3)生活環境

◇努力、工夫していること

利用者の安全を配慮した生活環境になっています。ホームの出入り口など4ヶ所に防犯カメラを設置し、事務所のモニターで確認しています。各階に風呂とトイレが2ヶ所ずつあり、車いす用の広いものと1人用があります。コロナ禍のため、リビングのテーブルにアクリル板を設置し、食事も時間をずらして提供しています。テーブルや手すりは毎日消毒しています。玄関では手洗いをし、検温、消毒薬の設置もしています。

◇課題と考えていること

個室が確保され、消灯時間やテレビの音量などには気をつけていますが、隣室やリビングの音が聞こえることで、気になってしまう利用者もいます。
A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇努力、工夫していること

障害の状況に応じて一人ひとりの計画を定め、洗濯や買い物など自分でできることは自分で行っています。医師・看護師・理学療法士など専門職との連携・協力のもとに機能訓練を実施しています。訪問リハビリの利用もあります。

◇課題と考えていること

A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇努力、工夫していること

毎月一回、法人の看護師による訪問看護を行い、個別の健康相談を実施しています。法人の協力医や通所先の看護師からも、アドバイスをもらっています。

◇課題と考えていること

誤薬がないよう、利用者一人ひとりの薬入れを事務所の壁に掛け、薬を間違いなく入れたか、薬を飲んだら空袋を戻して確認する等ダブルチェック体制による誤薬防止の取組を続けようと考えています。
A-2-(6)社会参加、学習支援

◇努力、工夫していること

地域の障害者支援センターからの研修やお知らせを情報提供しています。コロナ禍の前には法人の「性の勉強会」に職員と一緒に2ヶ月に1回参加しています。ガイドヘルパーの利用で、公園を散歩したり、買い物やプールに出かけたりすることもあります。

◇課題と考えていること

障害の状況が違い、全ての利用者へ情報提供が行き渡っているわけではありませんが、それぞれの利用者が無理なく社会参加できるような支援を考えています。
A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇努力、工夫していること

地域での一人暮らしを希望する利用者は少ないですが、自分で金銭管理をしている人や、一人で買い物に行く人もいます。生活の支援はあんしんセンターを利用しながら行っています。ゴミ出し等もできる人は自分で行うよう支援しています。

◇課題と考えていること

A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇努力、工夫していること

近隣にいる家族のところへ週末に帰宅する利用者が多く、その際に家族と話をしています。年に1回の家族会があり、家族も参加してバーベキューを行っています。現在は新型コロナウイルス対策のため、訪問は玄関までになっています。家族からは電話での相談が多く、意見や意向も伺っています。

◇課題と考えていること

コロナ禍のため、家族会などは実施できていませんが、職員の異動など重要事項は、その都度お知らせしています。

その他特記事項:第三者評価機関として今後、特に課題として取り組みを期待したい事項

評価対象 第三者評価機関からのコメント
分類 より質の高い福祉サービスを提供していくための職員育成
利用者に対する福祉支援サービスが、常勤職員と経験の少ない非常勤職員によってバラツキがみられるケースがあります。質の高い福祉サービスをさらに向上、充実させていくために、職員に求められるサービスの標準化や非常勤職員の研修参加を促進していくことが期待されます。
分類 情報共有とコミュニケーション向上によるチーム力向上
職員のチーム力を醸成していくために、職員会議等において事業計画やホームの運営に関する情報の共有化が必要です。職員のコミュニケ―ション向上も図り、共通の目標に向かって取り組んでいくことが期待されます。
利用者調査の結果
①ヒアリング調査(本人) <ヒアリング対象者>
利用者本人 3名(男性:1名、女性:2名)
<ヒアリング方法>
利用者の居室において職員の立ち会いはなく、調査員2名が利用者に面談
を行いました。
<ヒアリングで確認できたこと>
利用者3名からはホームや職員に対して好意的な思いが伝えられました。


・職員は丁寧な言葉遣いで優しい態度で接しています。

・職員はノックをしてから部屋に入ってきます。

・ホームでの暮らしについて意見や希望を聞いてくれます。一緒に考えてくれてアドバイスもしてくれます。

・生活の目標や計画について意見を聞いてくれます。
・生活の目標や計画についてあまりわかってくれてないです。

・お金は母親が管理していますが、レシートは取っておいています。
・ホームからお金が出て、母親が返しています。
・何を買うか決めてからヘルパーさんと一緒に買い物をします。

・小さなことはあまり相談しないが、すごく困った時は相談する。他のもっと大変な人たちに気を遣って遠慮してしまいます。
・時間がかかるが、ゆっくり対応してくれます。

・ホームの職員以外では、母親に相談します。
・お母さんが一番落ち着きます。

・具合が悪い時や怪我をした時は、すぐに対応してくれます。
・いろんなことをやらないといけないので対応まで時間がかかります。

・ホームでゲームをしたり、好きなように過ごしています。
・週末に買い物をします。飲み物を買いました。

・騒がしいけれど、ホームの暮らしは好きです。
・良くしてくれて楽しく安心です。
・大切にしてくれています。でも、お母さんのいる家が落ち着きます。
評価後(評価結果を受け取った後)のグループホーム「コメント」
この度は貴重な機会を頂き、ありがとうございました。
4月より管理者、職員体制が変わったため利用者さんの生活に影響があったと思いますが、ヒアリングの際はホーム、職員に対して好意的な思いが伝えられたと聞け、今後も努力していかなければと改めて感じました。
ご指摘頂いた「より質の高い福祉サービスを提供していくための職員育成」と「情報共有とコミュニケーション向上によるチーム力向上」は課題ですので、改善に努めていきます。非常勤職員にも研修への積極的な参加を促し、職員会議での情報共有も実行していきたいと思います。
今回の機会で、今までの支援を見直し、利用者さんにとって安心して楽しんでもらえるためにどういうホームを今後目指していくかを考えるよい機会となりました。この機会を生かし、改善に向けて職員全員で取り組み、利用者さんにとってよりよいホームにしていきたいと思います。
この度はありがとうございました。