社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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クラ・ゼミ保育園 吉野町

2022年01月31日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま

② 施設・事業所情報
名称 クラ・ゼミ保育園 吉野町 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 43 名
所在地 232-0014
横浜市南区吉野町1-1-5 グレイスT吉野町 2階
TEL 045-253-3715 ホームページ https://kurazemi-hoiku.com/facility/yoshino/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2019年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社クラ・ゼミ
職員数
常勤職員:11 名
非常勤職員:7 名
専門職員
保育士:14 名
栄養士:1 名
調理師:2 名
子育て支援員:1 名
施設・設備の概要
居室数:保育室2室、厨房1室、事務室兼医務室1室
設備等:1.施設が駅に近く利便性が高いです。 2.保育室は0~1歳児1室、2~5歳児1室となっています。

③ 理念・基本方針
「保育理念」
「その子」をしっかり見つめ、「その子」の立場になって考え、「その子」の成長に喜びを感じます。うれしい時もつらい時も私たちが寄り添い、こどもたちが「自分をかけがえのない存在」だと思えるよう努力します。

「保育方針」
かけがえのない乳幼児期に安定した園生活が送れるように子ども一人一人と向かい合った保育を進めます。

「保育目標」
自分が好きな子。人が好きな子。個性の「きらり」とひかる子。ありのままの自分を認め、自信をもって生きることができる子を育てます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
1.異なる文化(中国、フィリピン)の影響を受けている園児に対しても、日本人の園児と全く変わらない保育を行っています。特別扱いはしません。なぜなら、彼らはこれから日本の社会の中で生きてい行くのですから、そのための準備を保育の中で行っていきます。

2.ネイティブ講師による「英語で遊ぼう」を毎週0歳児から5歳児まで行っています。毎週続け今年で3年目です。

3.体験型保育を実践しています。保育の中で興味を抱いた対象を、体験をもって追及していきます。とくに日常的な体験(お店でのお買い物等)を重んじて行っています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/04/22(契約日) ~2022/01/15(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ●子ども一人ひとりを大切にした保育が実践されています
 園は、保育理念・方針に基づき、一人ひとりの子どもの課題にしっかりと向き合い、子どもが「その子」らしさを発揮できるように支援しています。職員会議等で子ども一人ひとりの発達の様子や家庭の状況等を職員間で話し合って課題と目標を共有し、皆で同じ対応ができるようにしています。
 保育士は子どもに前向きな言葉で話しかけ、子どもの言葉や仕草、表情から子どもの気持ちを汲み取り、寄り添っています。幼児でも抱っこをしたり抱きしめたりしてスキンシップをたくさん取って信頼関係を築き、子どもが自分の要求や欲求を表出できるように働きかけています。子ども同士の関係性を把握し、けんかなどの場面では保育士が間に入って仲立ちをしています。外国籍など言葉で自分の気持ちを表現することが苦手な子どもも多くいますが、ジェスチャーや絵カード、写真などその子どもが理解できる方法も併用しながら、平易な言葉でゆっくりと分かりやすく話しかけています。生活習慣の違いにも配慮し、食事などは無理することなく少しずつ食べられるものが増やせるように支援しています。保育士の働きかけのもと、子どもたちは少しずつお互いにコミュニケーションが取れるように育っていて、自由遊びの時間には、友だちと一緒にごっこ遊びをしたり、おしゃべりをしながら絵を描いたりと、それぞれが好きなことをして過ごしています。

●保護者の子育て支援に力を入れています
 保護者が園の取り組みを理解し、安心して子育てができるよう支援しています。毎日の送迎時には、保育士は保護者一人ひとりと会話をし、子どものエピソードを伝えながら保護者の声を引き出し、相談にのっています。乳児は毎日、幼児は必要に応じて保育アプリを用いて情報交換しています。年2回のクラス懇談会と年1回の個人面談、お祭り遊びや運動会などの保護者参加行事を実施し、保護者が園の取り組みを理解し、子どもの成長を感じられるようにしています。保護者の価値観や生活習慣を尊重しながらも、子育てに必要な情報を丁寧に提供したり、定期的に声をかけて保護者の悩みを聞いて相談にのるなど、一人ひとりの状況に応じた支援をきめ細かく行っています。
改善を求められる点 ●職員間で課題を共有し、計画的に改善に向けて取り組んでいくことが期待されます
 園では、毎朝ミーティングを実施するほか、職員会議を始めとして各種会議を実施し、子どもの状況についての情報共有を図っています。日々振り返りを行うとともに、年度末には自己評価表を用いた自己評価をするなどの取り組みもしています。ただし、自己評価の結果を基に話し合い、園の課題を抽出して目指す保育の方向性について掘り下げるなどはしていません。今後、園としての自己分析を実施し、職員間で議論を進めて改善計画を策定する仕組みを作っていくことが期待されます。

◆さらなる取り組みが期待される点
●コミュニケーション支援のための技術習得のための取り組みが期待されます
 園には、外国籍などコミュニケーションに課題がある子どもや保護者が多く在籍しています。保育士は、子ども一人ひとりに寄り添い子どもの発信を受け止めるように努めていますが、観察時にも、コミュニケーション不足から泣き続けるなどの行動を取っている場面を見ることができました。多様化する子ども、保護者のニーズに対応するためにも、法人グループの専門機関などを活用して、コミュニケーション支援技法などの研修を実施していくことが期待されます。理論的な裏付けや専門的な技術を習得することで、支援技術の向上だけでなく職員の自信やモチベーションの向上、負担感の軽減につながると思われます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 第三者評価を受けるのはほとんどの職員が初めてでした。今回の受審が当園の保育等の見直しをする機会となり、運営法人・園長・主任・全職員それぞれの立場に求められる職務と、それに対する具体的な課題を確認することができました。
 例えば「中・長期事業計画の策定について」。全職員で取り組める事業計画を立て、しっかりとした流れを明確にした保育を行っていくこと。地域・社会の交流の場となる機会を積極的に求め保育園の持つ社会的意義を表して行くこと。見えてきた課題は沢山ありますが、大切なお子様を安心して預けられる場として、質の高い保育園、子ども職員も一人ひとりが「きらり」と輝ける保育園をみんなで目指していきたいと思います。
 保護者の皆様にはお忙しい中アンケートにご協力いただきました。結果、園の総合評価、満足度が高かったことを、職員一同大変うれしく思っています。改めて保護者の皆様のご理解とご協力に感謝申し上げます。
 最後になりましたが「市民セクターよこはま」の評価委員の皆様には的確にご指導いただいたこと、また聞き取り調査では温かいアドバイスをいただいことに感謝いたしております。ありがとうございました。
                        
クラ・ゼミ保育園 吉野町
園長 木村 尚美

 このたび第三者評価を受審する機会を与えられ、園の運営に携わる法人の一人として、大変多くの課題を与えられたと考えております。
 課題の第一は「事業計画(中期・長期)」の策定です。運営(経営)法人は地域性や利用者の動向等情報収集に努め、将来を見据えた「事業計画」を策定しなければなりません。これを土台に、現場における諸々の計画が立てられたならば、将来にわたって安定した園運営を目指すことができます。
 また現場に対するバックアップ体制も厳しく問われました。開園以来3年が経過し、暗中模索の日々にもやっと光明が差しつつあるこの時期、法人が現場へのバックアップを怠れば、また過去へと引き戻されることになりかねません。ことに人事(人材獲得、人材育成)については、待ったなしの対応が求められています。
 さらに情報伝達・情報開示についても対応を急ぐ必要があります。“今”を生きる保護者の皆様が、スマートフォン等の端末を用いて情報収集をしておられる以上、こちらからの発信を電子化することは当然の成り行きです。これがさらに進めば、園内で作成される文書は、ネット経由で伝達・開示することを前提に、すべてデータ化されることになるでしょう。その際の個人情報保護の対策は頭の痛い問題です。
 以上、第三者評価により炙り出された課題の一部を振り返りました。果たしてどこから取り組むべきか?熟慮したいところではありますが、まずは走りつつ考え、考えつつ走る所存です。
 末筆になりましたが、法人ならびに保育園の新たな取り組みへ向け、その端緒を開いてくださった「市民セクターよこはま」の皆様に、心より感謝申し上げます。

法人立会人 戸波 義憲

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

 保育理念と保育目標は入園のしおりや、ホームページに明示されています。保育理念では、「その子をしっかり見つめ、『その子』の立場になって考え『その子』の成長に喜びを感じます、うれしい時もつらい時も私たちが寄り添い、子どもたちが『自分をかけがえのない存在』だと思えるよう努力します」となっており、子ども中心の理念が示されています。基本方針は法人の理念と整合性が確保されるとともに、職員の行動規範ともなっています。職員には職員会議で繰り返し確認しています。基本方針は入園時に保護者に説明するだけでなく、玄関にも張り出され保護者への周知が図られています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

 社会福祉事業環境について、法人や横浜市からの資料を分析しており、事業を取り巻く環境は極めて厳しいとの認識をしています。地域の福祉環境については、南区子ども家庭支援課と情報交換したり、横浜市や南区の保育園園長会などへ参加して把握しています。当地域は高齢者世帯、共働き世帯、ひとり親世帯、さらには外国籍の子どもが多いことなどを具体的な数値として把握しています。保育園のコスト分析も本部の協力を得て分析しています。特に園としては、家賃や人件費比率に着目して分析しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

 園の発足後3年なので施設・設備等に関しては大きな問題を抱えてはいません。園の経営課題としては、目下のところ人材確保が最も大きな問題と認識しています。人材不足というのは質の低下を伴ってくると考えています。この点は職員も全く同じ認識を持っており、共有がなされていると考えています。経営課題の解決・改善に向けては法人、園も部分的には取り組んでいますが、解決策は今のところ見出せません。現段階では地道に積み上げていくことが重要と考えていますが、本来は本部がしっかりと改善計画を策定し取り組んでいくことが必要と捉えています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

 運営母体であるクラ・ゼミグループは「誰にだって輝ける舞台~一人ひとりがキラリと輝けるように~」をかかげて長期目標として運営しています。その下で保育園として園は運営していますが、これはスローガンにとどまっているだけで、具体的な中・長期目標にはなっていません。現在、経営方式を変更することが検討されており、新しい経営体制の下で、具体的な中・長期目標を策定していくことが求められます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

 中・長期計画とは関わりなく、園としての今年度の事業計画は策定されています。ここでは概要の項で、全体として今年度の事業の方向性を述べています。今年度は「職員の自主性・個性・強調性を信頼し、職員の意識レベルの向上とともに、モチベーションを高めていきたい」として園内研修、外部研修を充実させることを重点課題としています。これらの課題に対して8項目の計画を提示しており、これらは実行可能で具体的な内容となっています。ただし、この実現性を評価する数値目標は設定されていません。中・長期目標を策定して、数値目標も加えた事業計画としていくことが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

 事業計画は園長が主体となって作成しており、そこに乳児、幼児のそれぞれのリーダーが参画して決定しています。期の途中では、園長及び主任等は事業の実施状況をチェックしていますが、数値目標も設定されていないところから十分に把握できているとは言えないところがあります。それと同時に、事業計画の見直しも特に行ってはいません。さらに、事業計画の実施状況を職員会議などで議論することも十分とは言えず、せっかく策定された事業計画が必ずしも園全体で追求していく仕組みとなっておらず、今後の課題と言えます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

 事業計画は園の運営委員会に提出しています。ここには保護者代表が2名参加していて、本部の職員や地区の民生委員が参加しています。事業計画は特に分かりやすくしたものではなく、資料としてそのものを提出していて、また理解を促す取り組みも特に取られていません。今後は、事業計画の主な内容を分かりやすい形でまとめておき、保護者懇談会などに折につけて説明していくことが期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

 年度末に園の自己評価が実施されています。初めに個々の職員による運営管理、保育内容、計画及び評価、健康及び安全、保護者対応、職員の資質向上という6つの分野から評価を行っており、今後の課題と取組、今後の目標も記載することになっています。職員が実質的にPDCAサイクルを回している仕組みができています。園長がこれを参考に園の自己評価を行っています。職員の自己評価を園としてどのように使用して、園全体としての自己評価に結び付けていくかの仕組みづくりは今後の課題となっています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

 評価結果を分析し、課題として文章化していますが職員間でそれを共有するまでには至っていません。さらに、改善すべき課題は指摘していますが、職員参画のもとで改善策や改善計画を策定するまでには至っていません。今後、園の自己分析を実施し、職員間で議論を進めて園としての改善計画を策定する仕組みを作っていくことが期待されます。さらに、その改善計画を必要に応じて見直してくことが求められます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

 園長は「子どもが主体」と考えており、「挨拶」「笑顔」「思いやり行動(手伝う、助ける、励ます)」をモットーに園を運営しています。園長の役割は「職員の役割に関する職務内容」の一覧表に明確に記載されており、職務のねらい、職務の内容に分けられて具体的に記載されています。これについては職員も周知しています。災害時の責任体制として、園長の下に主任が位置付けられています。ただし、有事の際の役割と権限が主任に移譲されることは示されておらず、次長も含めた役割分担を再度、明確にしておくことが求められます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 園長は横浜市のマネジメント研修を受講しており、遵守すべき法令は十分理解しています。環境保全に対しては、事業計画の中に「環境問題への取り組み」という項を設けて、「廃材を使って遊ぶ」「料理活動や食育をとおして食べ物を大事にする気持ちを芽生えさせる」「遊具や絵本を修理して使う」といった具体的な行動を指示して、環境保全に取り組んでいます。ただし職員に対しては遵守すべき法令を徹底するための取り組みはまだ不足と感じています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 月案、週案、個別指導計画は保育士が結果及び振り返り、記載しています。園長は、これらをすべて目を通し、評価しています。また、乳児会議、幼児会議、リーダー会議などで議論し、課題を把握し、改善策について検討しています。園長は、これらの活動の中で保育の質の向上に対して取り組みを行っています。保育の質の向上に関しては、クラス会議、乳児、幼児会議などで職員の意見を聞き取って、必要な取り組みを行っています。職員の教育・研修に対しても力を注いでおり、その充実を図っています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 園長はじめ主任や副主任は出退勤をはじめとして業務の実態について常に把握しています。ワークライフバランスに配慮して体制表という職員のシフト表を常にチェックし、職員が働きやすい状況を作り出すように配慮しています。職員が足りないようなクラスに対しては不足がないように対処しています。特にパート職員を多く配置し、人手不足の状況を緩和する処置をしています。リーダー層がより働きやすいように、役割を明示し、職員に周知しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

 人員体制については全体として必要な保育士の数は分かっており、保育士の不足している分については拡充することを図っています。また、新入職員から園長までの職務階層別に必要とする資格や能力は明示しており、これを基にした育成計画があります。ただし、現在、慢性的な保育士不足があって計画に基づいた人材確保が必ずしもできていません。人材のリクルートに関しては本部の役割が大きいのですが、効果的な採用活動が十分機能していません。今後、より積極的で有効な人材確保に取り組む必要性があります。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

 期待する職員像は、園児一人ひとりをかけがえのない存在として重んじつつ保育をしてくれる人としています。具体的には「笑顔・挨拶・思いやり行動」を常に意識して保育に取り組んでいくことを求めています。昇進・昇格などは基本的には経験年数によるところが大きいですが、年齢階層別の期待される能力は示されていて、専門性や職務遂行能力も明確になっています。園長は職員と面接を重ねており、園の運営の改善策に活かしています。職務区分表を職員にも明示しており、職員はこれらの表から、自分自身のキャリアパスを描くことができます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

 職員の労務管理の責任者は園長となっており、有給休暇の取得や残業時間の把握に注意を払っています。園長は職員の心身の健康については毎日職員とのコミュニケーションの中で、また年に2回は職員と面談の機会を持っており、職員の状況を把握しています。社宅、住宅手当やインフルエンザ予防注射を園として実施しており、福利厚生の充実を図っています。子どもが小さい職員に対してはシフトに配慮して短時間でも有給休暇が取れるような仕組みを作っています。ただし、人材不足を現段階では補うことができず、人員体制の改善の具体的な計画はできていません。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 組織として「期待する職員像」は明確にされています。職員は毎年、自己評価シートを用いて自己評価を行い園長との面談に臨みます。ここでは個々の年間を通しての課題、それに対してどの程度達成したかの自己評価を行っています。自己評価のチェックシートでは子どもとの関りをはじめとしていくつかの保育の力に関して自己評価を行い、さらに次年度にどのようなことを希望するかといった内容を記載していきます。ただし、年度の初めには目標設定では具体的な目標項目、目標水準などが記載されていません。さらに、年度末に実施するため、中間時点でのチェックが行われておらず、これからの課題となっています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

 「職員の役職に関する職務内容」という表を園では作成しており、職員の階層別に職務のねらい、職務内容を具体的に記載しています。役職としては主任、副主任、リーダーとなっています。ただし、個別の階層についての研修計画は特に策定されてはいません。研修を受けた職員は研修の内容、それによって得られた成果、感想などを提出しています。園長はこれらの研修報告書を見ながら、研修内容を評価し、次年度の計画に活かしています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

 園長は個々の職員の知識・技術水準、資格の取得状況を把握しています。新人職員に対するOJTは実施していません。法人や園が実施する園内研修では、感染症対策、安全対策、リトミック、嘔吐、エピペン(アナフィラキシー補助治療剤)などのテーマ別研修を今年度は実施しました。外部研修でも虐待予防研修など多くの研修に職員が参加しており、参加した職員は研修報告書を提出し、内容や、どのようにそれが自分の実務に役に立ったかの感想を記録しています。このように、外部研修については情報を提供し、職員の希望に沿って研修に参加できるようにしています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:c】

 実習生は現在来てはいません。大学や専門学校には声をかけていますが、なかなか応募がなく、知り合いの先生にもお願いはしています。実習生の受け入れマニュアルは作成していません。今後、実習生の受け入れのための体制を作っていく予定です。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:c】

 ホームページでは保育理念、保育方針、保育内容、施設概要などについて紹介しています。ただし、地域への取り組み状況や、苦情・相談の体制や内容については特に公表はしていません。第三者評価はまだ園が新しいこともあってその結果は公表はできません。法人自体は会社概要でその歴史を述べていますが2019年までの歴史しか述べていないため、本園の設立に至った経緯は触れてません。今年度は新型コロナのため印刷物をケアプラザや地区センターなどの地域の主だった施設に配布することができませんでした。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

 「職員の役職に関する職務内容」という一覧表の中に職員の役割や業務内容は明確に記載されています。特に、職務内容については詳細に記載されています。園における経理に関しては、本部からの監査は今年度は実施していませんが、来年度は実施する予定となっています。本部では公認会計士、弁護士、社会保険労務士といった専門家が入っており、監査を実施しています。その中で、法人として改革しなければならないことがあれば、指摘を受けてそれを実施しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 事業計画では、保護者・地域とその他の事業ということで、育児相談・出前保育(公園で地域の親子と一緒に遊ぶ)、お祭り遊び(地域の未就学児の親子を招待)、離乳食講習会、運動会(地域の未就園児の親子を招待)など、多彩な事業が計画されています。ただし、今年度は新型コロナの影響もあって、地域での活動はできていません。しかし、町内会のお祭りとか行政の地域での子どもに対する活動についてのチラシなどは玄関に置いて、保護者に自由に取ってもらっています。また、南区の子育て支援拠点「はぐはぐの樹」についてもその活動を掲示して利用を推奨しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

 現在、ボランティアの受け入れ態勢はできておらず、マニュアルも作成されていません。地域の中学校、小学校とのボランティアに関しての接触はできていません。今後の課題としています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

 横浜市こども青少年局、市内の保育園、南区園長会などの関係機関のリストは作成されています。特に児童相談所とは連携が取れていて、相談内容については職員会議で報告し、共有しています。ただし、関連医療機関、児童相談所、療育センターなどの情報も整理しておくことが望まれます。関係機関として区の保健師会や児童相談所、園長会とはネットワークができていて、必要な取り組みを行うことができます。近隣の保育園とは交流して問題を共有しています。虐待については虐待児へ取り組む要保護児童対策地域協議会に参加して情報交換しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

 近隣の保育園との情報交換をしていたり、運営委員会に民生委員が参加してくれており、そこでは地域の福祉、子育てニーズの情報を入手しています。南区園長会、南区保育園年長児交流、幼保小の連携事業等へ参加し、地域の福祉ニーズを把握しています。育児相談、離乳食の相談事業などを考えていますが、提供するスペースや会場を探しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:c】

 地域の子育ての不安や福祉へのニーズなどを感じていますが、具体的な地域貢献にかかわる事業や活動は実施できていません。また、コロナ禍で地域に出ていくことができず、計画策定もきちんと取り組むには至っていません。さらに、近隣との防災に関する対策などもこれからの課題と考えています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 保育理念に「『その子』をしっかりと見つめ『その子』の成長に喜びを感じます」を掲げ、一人ひとりの子どもを尊重した保育を実践しています。マニュアルとして全国保育士会の「人権擁護のためのセルフチェックリスト」横浜市の「よりよい保育のためのチェックリスト」を全職員に配付し、職員会議で具体的な事例を取り上げて周知しています。園内研修「今後の保育」や年度末の自己評価でも確認しています。外国籍の子どもや保護者に対しては、文化や習慣の違いを尊重し、お互いの文化を認め合いながら、日本の文化に徐々に慣れていけるように働きかけています。一時帰国した子どもから国の様子を皆に話してもらうなどの取り組みもしています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

 全国保育士会および横浜市のセルフチェックリストをマニュアルとして用い、職員会議や園内研修で取り上げ職員に周知しています。おむつ替えは外から見えない奥のおむつ台で行い、幼児トイレには仕切りがついています。着替えは棚で仕切られたコーナーや手作りの仕切りで囲った中で行っています。保育室はオープンな作りとなっていますが、子どもの状況に応じて仕切りを用いてプライベートスペースを作っています。保護者に対しては入園時に説明し、ホームページなど項目ごとに子どもの写真等を用いてよいか確認し、承諾書を取っています。今後は、着替えや排泄など具体的な保育場面のマニュアルに子どものプライバシーや羞恥心という視点での配慮事項を記載し、職員の意識化を高めていくことが期待されます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

 ホームページ、パンフレットで園の情報を提供しています。ホームページには、理念や方針、保育内容等とともに、イメージしやすいよう園内の写真を載せています。また、南区の保育園紹介の冊子に掲載したり、区役所に園紹介を掲示するなどしています。利用希望者等の問い合わせにはいつでも対応し、日程調整の上、1日1組限定で見学を受け入れています。見学は、園長がパンフレットを用いて園内を案内し、説明しています。外国籍等の利用者には、保育内容の写真を見せるなど工夫しています。パンフレットは、随時見直し、最新の園の様子が伝わるようにしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

 入園説明会で、入園のしおりと重要事項説明書を用いて園の方針や保育内容、注意事項、持ち物等を説明し、保護者の質問に答えて同意を得、署名・捺印してもらっています。説明に際しては、分かりやすいよう写真や実物を見せるなど工夫しています。外国籍の保護者の多くは日本語が分かる知人と一緒に来るなどしていますが、必要に応じて法人の職員に通訳を頼んだり、日本語が分かる家族や知人の電話での問い合わせに対応するなど、個別に丁寧に対応しています。入園前面談でも疑問点があれば丁寧に説明し、保護者の意向を聞いています。入園後に運営上の大きな変更がある場合には、クラス懇談会で説明し、同意書を取っています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

 転園などで保育所等を変更する場合には、引継書などは用意していませんが、移行先から要望があれば保護者の同意を得た上で、対応しています。転園時にはいつでも相談にのる旨を伝え、保護者から要望があれば、転園後の相談にものっています。小規模保育園からの入園に関しては、区の担当と連携して引継ぎをしています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 保育士は、日々の保育の中で、子どもの言葉や表情、反応などで満足度を把握しています。年2回のクラス懇談会、年1回の個人面談、日々の保護者との会話などを通して保護者の満足度を把握しています。クラス懇談会では担任だけでなく、園長も各クラスを回り、保護者と意見交換しています。把握した保護者の意見や要望は、職員会議で検討し、改善に向けて取り組んでいます。ただし、保護者アンケートは実施していませんので、保護者の満足度をデータとして把握するためにも、行事後などに実施していくことが期待されます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

 苦情解決責任者は園長、苦情受付担当者は副主任で、第三者委員1名設置しています。苦情解決の仕組みを重要事項説明書に掲載するとともに、玄関に掲示し、入園説明会で説明しています。アンケートは実施していませんが、玄関に意見箱を設置していて、毎年何件か要望を受付けています。意見・要望は保管していますが、ファイルし記録に残すことはしていませんので、今後は内容や対応等を記録として残していくことが期待されます。寄せられた意見・要望は個別に保護者に回答していますが、大きな苦情がないこともあり、公表した事例は今までありません。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

 第三者委員の氏名と連絡先を重要事項説明書と掲示で保護者に周知し、直接申し立てることができるようにしています。日々の会話や保育アプリ、懇談会、個人面談などで保護者の意見や要望を聞いていますが、自分から声を発しない保護者に向けてアンケートなど匿名で意見を言える場を用意していくことが期待されます。外部の相談窓口として横浜市福祉調整委員会のチラシを保護者に配付しています。保護者からの相談には事務室を用い、ガラス部分に布を貼って外から見えないようにするなど、プライバシーへの配慮もしています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

 苦情対応マニュアルを整備し、職員会議で読み合わせをしています。朝の送迎時には保育士は保護者とコミュニケーションを取り、保護者の声を引き出し、相談にのっています。保育アプリでも保護者の相談を受付けています。保護者から相談を受けた保育士は、必ず園長に報告し、対応について話し合っています。必要に応じて面談を設定し、内容によっては園長が対応することもあります。対応に時間がかかる場合でも、必ずその旨を伝え、迅速に対応することで保護者と相談しやすい関係を築くようにしています。現在までマニュアルの見直しはしていませんが、今後行っていく予定です。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

 リスクマネジメントの責任者は園長で、安全管理のリーダーを中心にして体制を整えています。事故対応、事故防止など安全管理に関するマニュアルを整備しています。事故やヒヤリハットは記録し、職員会議で取り上げて職員間で改善策について話し合っていますが、集計してデータ分析することはしていません。毎日安全チェック表を用いて安全点検しています。また、不審者対応訓練を年に数回実施しています。安全対策研修(ヒヤリハット研修)、救命救急研修、公園のリスク検討などの園内研修を実施しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 感染症対策の責任者は園長で、衛生管理のリーダーを中心にして、感染症対策を実施しています。感染症マニュアルがあり、外部研修などで新しい情報を得た時などに随時見直しをしています。衛生管理のリーダーが中心となって嘔吐処理や新型コロナウィルス感染症蔓延防止などの研修を実施しています。新型コロナウィルス感染症に対しては、受け入れ時の検温、手洗い・消毒の徹底、玄関での子どもの受け入れ、空気清浄機の設置などの対策を実施しています。感染症が発症した場合には、速やかに保育アプリと掲示で保護者に周知しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

 自衛消防団組織図、消防計画などを整備し、災害時の体制を整えています。近隣の職員が出勤するなど災害時に保育を継続するための体制は整えていますが、BCP(事業継続計画)としてまとめるまでには至っていません。月2回避難訓練を実施していて、大型避難訓練では広域避難場所への避難や引き取り訓練を実施しています。入居するビルのオーナーの協力を得て水害を想定した7階への垂直避難訓練もしています。保護者には保護者用アプリと伝言ダイヤルを用いて連絡する体制を整えています。自治会との連携は今後の課題となっています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

 保育に関しては運営規程、その他個別マニュアルが作成されていて、それに基づいて保育が実施されています。ただし、乳児の離乳食の介助方法の手順などの個々の手順書は各保育室に必要に応じて作成され、掲示されていますが整合性が取れていません。また、子どもの尊重、権利擁護に関しては現在全国保育士会が作成した「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を用いて職員に自覚を促していますが、プライバシー保護については職員は保育場面では意識して実行していますがマニュアル類が整備が不十分です。職員の研修も含めて今後の課題と考えられます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

 各種マニュアルは毎年、年度末に見直しを行っていますが文書の形で見直すようには規定されていないことから園の発足後2年間見直されていないマニュアルもあります。ただし職員会議や乳児会議、幼児会議の中で不都合があったりすると、その都度検討しています。保護者の意見や職員からの意見は見直しの時に検討していきます。今後、標準的なマニュアルを作成する中で、見直しの方法、時期などをきちんと明確化していくことが期待されます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

 指導計画策定の責任者は園長です、全体的な計画に基づいて年間指導計画、月間指導計画、週案、デイリープログラムが作成され、その期の終わりには、振り返りを行っています。また、クラス会議や乳児会議、幼児会議でも子どもの様子や状況が話し合われ、ここに主任、副主任、園長なども加わって話し合われることもあります。0,1,2歳児クラスの子どもには個別支援計画を作成しており、さらに配慮を要する子どもについては法人の運営する発達支援関係の機関の指導を受けています。また南区で行われた要配慮児の研修に職員が参加しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

 年間指導計画は年度末に、月間指導計画は毎月のクラス会議、幼児会議、乳児会議で話し合い、評価・見直しをして次の計画に反映しています。保護者に対しては懇談会や園だよりで説明しています。離乳食やトイレットトレーニングでは保護者との話し合いの中で保護者の了解のもとに進めています。指導計画の評価・見直しに当たってはクラス会議などで課題を明確にして改善に努めています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

 子どもの発達記録や生活状況は決められた書式で記録しています。入園後の成長記録は児童票、健康記録、経過記録などに記録されています。記録の内容や書き方に関しては園長と主任がチェックし、保育士に伝えます。情報共有の会議は、乳児会議、幼児会議の席で個々の子どもの状況を話し合う中で行われます。保護者との間では、スマホなどを介して、連絡が毎日行われていて、それが記録として残るようになっていますが、各種の会議や指導計画などと連動して記録していくように更なるICT化に取り組んでいく予定です。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

 個人情報保護規程に則り、子どもの記録は適切に管理されています。パソコンへのアクセスは常勤職員、主任、園長に限られ、それぞれがパスワードを持っていて情報を管理しています。また書類に関しては、個人情報の観点から、鍵のかかるロッカーに保存しています。記録の管理責任者は園長となっています。個人情報の取り扱いについて、保護者に対しては説明をし同意書をとっています。また、職員への周知は、入職時に本部の研修で行っています。また、毎年年度始めには、職員が必要な部分を取り出して、職員同士で読み上げたりして周知を図っています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

 全体的な計画は、児童憲章や児童福祉法、新保育所保育指針などの趣旨を踏まえ、保育理念や保育方針に基づき作成されています。全体的な計画には、年齢ごとの子どもの養護と教育の項目ごとのねらいや内容、配慮事項などが記載されています。健康支援や食育の推進、小学校との連携など、園の取り組みが具体的に記載されています。全体的な計画は、開園時に園長が法人他園の園長と相談して作成しました。全体的な計画は全職員に配付するとともに、クラスにも設置し、年度始めの職員会議で確認しています。ただし、園の実態と整合しないなど見直しが不十分な箇所も見られましたので、毎年評価、見直しをしていくことが期待されます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

 温湿度計を設置し、エアコン、加湿器付き空気清浄機を用いて、温・湿度の管理をしています。子どもの散歩中などには窓を開け、換気をしています。音については、ワンルームを仕切って用いているため構造上難しいですが、保育士や子どもの声が大きくなりすぎないよう意識して保育にあたっています。ただし、観察時には、子どもが落ち着かなくなると保育士の声も大きくなる場面が見受けられましたので、さらなる取り組みが期待されます。
 衛生管理マニュアル、清掃チェック表を用いて清掃、消毒を行っていて、園内は清潔に保たれています。子どもが落ち着かない時には、手作りの仕切りを使ってコーナーを設置したり、エレベーターホールで保育士と一対一で過ごすなどの工夫をしていますが、園としてはさらなる環境整備が必要ととらえています。子どもの体調が悪い時には事務室を用いています。食事の後には、清掃をしてから布団を敷き、2歳児以上はコットを用いています。手洗い場やトイレは、定期的に点検と清掃をしていて、安全で清潔に保たれています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

 保育士は、職員会議等で子ども一人ひとりの発達の様子や家庭の状況等を把握し、個々に合わせた対応をしています。保育士は、子どもの言葉や表情、仕草、反応などから子どもの気持ちを汲み取り、子どもに寄り添っています。幼児でも一人ずつ抱きしめたり、抱っこをしたりとスキンシップをたくさん取って信頼関係を築き、子どもが安心して自分の欲求や要求を表出できるようにしています。外国籍など言葉で自分の気持ちを表現することが苦手な子どもには、ジェスチャーや絵カードなどを併用しながら、平易な言葉でゆっくりと分かりやすく話しかけています。拒否や過度の注意喚起など、コミュニケーション能力の不足からくる子どもの行動も優しく受け止めて落ち着くまで見守り、子どもの気持ちを整理して代弁したり、なぜいけないかを子どもがわかるようにかみ砕いて説明したりし、友だちと一緒に園生活を楽しめるように支援しています。保育士の働きかけもあり、入園時は日本語が理解できなかった子どもたちも、自分の思いを少しずつ言葉で表現できるように育っています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

 保育室は子どもの生活の流れに沿って分かりやすい動線が設定されていて、毎日の繰り返しの中で着替えや手洗いなどの基本的な生活習慣が身に付くようになっています。乳児保育室は、おむつ替え・着替えのスペースと食事・遊びのスペースを棚で仕切って分け、視覚的にも分かりやすい環境構成となっています。
 保育士は、個々の子どもの状況を把握し、見守りや声かけ、やりやすいように並べたり、手助けをしたりしています。子どものやりたいという気持ちを大切に見守り、子どもができた時にはたくさん褒め、子どもが達成感を感じ、意欲を持って取り組めるようにしています。トイレットトレーニングは、1歳でトイレに座ってみることから始め、子どもの興味や発達状況を見ながら、保護者に声をかけて意向を確認し、進めています。子どもの生活リズムを考慮し、眠くなる子どもは午前や夕方横になる時間を作るなど個々に応じた対応をしています。家庭の考え方や生活習慣の違いを尊重し、園の考え方を丁寧に保護者に伝えながら、無理なく基本的生活習慣が身に付くように支援しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

 保育室には、子どもの年齢や興味にあわせたおもちゃや絵本が子どもの目線にあわせて置かれていて、子どもが自分で選んで遊べるようになっています。朝夕の自由遊びの時間には、コーナーを設定していますが、子どもの声を聞いて出すおもちゃを決めるなどしています。行事の出し物は子どもの関心や興味がある絵本などからテーマを選び、遊びの中に取り入れながら、少しずつ積み上げています。幼児は子どもたちと相談しながら内容や役を決めています。年齢にあわせて鬼ごっこやウノ、カード遊びなどゲーム性のある遊びを取り入れ、子どもたちがルールを学んだり、友だちと競い合う楽しさを感じられるようにしています。園庭はありませんが、雨でなければ毎日散歩に出かけ、身体を思いっきり動かしたり、季節の自然に触れたり、商店街で買い物をしたりしています。散歩では、保育士と子どもたちは積極的に挨拶をしていて、地域の人達も優しく応えてくれています。保育士は、子どもの主体性や自主性を育てることについての学習を重ね、声かけや環境作りをしていますが、製作などで画一的な場面もあり、課題としてとらえています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 0・1歳児は同じ保育室を用いていますが、0歳児はサークルで仕切られたカーペットが敷かれたスペースとなっていて、安全に落ち着いて過ごすことができます。定員3人の這い這いの子どもから歩くことができる子どもまでの月齢差の大きなクラスですが、必要に応じて非常勤の職員が入ることで、それぞれの生活リズムに合わせた対応ができるようにしています。離乳食の段階もそれぞれ異なりますが、子どものリズムにあわせて時間差で一対一で対応しています。離乳食の段階を進める時には、子どもの様子を見ながら保護者と相談し、家庭で試してもらってから進めています。月齢の低い子どもが午前睡をしている時には、歩ける子どもは1歳児と一緒に身体を動かして遊ぶなど柔軟に対応し、月齢に相応しい活動ができるようにしています。保育士は、子どもと目線を合わせて優しく話しかけ、子どもの表情や仕草、喃語などに応えていて、子どもたちも保育士に甘えています。おむつ替えは一対一で隅のおむつ台で行っています。保護者とは、保育アプリの個人ノートや朝夕の会話で密に情報交換しています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 日々の保育はデイリープログラムに沿って行われていて、毎日の繰り返しの中で子どもが生活の流れを理解し、主体的に活動できるようにしています。保育士は、子どもの遊ぶ様子を見守り、それぞれの子どもが自分の好きな遊びを楽しめるように、友だちとの距離を調整したり、おもちゃを足したり、遊び方のヒントを出したりしています。子どもの質問には丁寧に答え、言葉を覚え、興味の幅を広げられるように支援しています。
 公園では、安全面に配慮しながら自由に遊べる場所を設定し、子どもが自由に歩き回ったり、段差を登り降りしたり、枯葉を踏む音を楽しんだり、色々な色の葉を探したりと、個々の子どもが探索活動を楽しんでいる様子を確認することができました。散歩では、地域の人との触れ合いもあります。保育士は子ども同士の関係性を把握し、声をかけて動線を調整したり、他の遊びに誘ったりし、もめ事を未然に防げるように環境設定をしています。おもちゃの取り合いなどのもめ事の場面では、それぞれの気持ちを受け止めながら、お互いの気持ちを代弁して仲立ちをしています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 朝夕の自由遊びや散歩、朝の会など3・4・5歳児が合同で活動する時間が多くあり、年下の子どもが年上の子どもを見て真似をしたり、年上の子どもが年下の子どもをリードして世話をしたりする姿が見られます。夏場は3・4・5歳児で縦割りのグループ活動をしていて、5歳児が中心となって水族館ごっこなどの活動をしています。製作などはクラスごとに行い、年齢に相応しい活動をしています。3歳児は、リズム遊びや劇遊びなどを通し、友だちの存在を認め一緒に遊べるようにしています。4歳児は、必要に応じて保育士が仲立ちして友だちとの関係作りをし、一緒に活動する楽しさを感じられるようにしています。5歳児は、「自分のことは自分でする」「お話をきちんと聞く」「いいこと悪いことを考える」などのクラス目標を話し合って決め、基本的な生活習慣を確立し、子どもが集団の中で主体的に行動できるように支援しています。自分の目標を決めて皆の前で発表するなど、自分の気持ちを言葉で伝える取り組みもしています。保護者には、その日の活動を写真付きのドキュメンテーションとしてまとめて掲示し、伝えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

 園内はバリアフリーとなっていて、エレベーターや多目的トイレも整備しています。
現在、障がいがある子どもは在籍していませんが、外国籍を始めとして特別な配慮を要する子どもが多数在籍していて、それぞれの子どもの課題に応じた個別の目標と配慮を設定しています。保護者には、送迎時の会話や面接などで、子どもの様子を共有し、意向を確認しています。保育士は、絵カードや写真、身振り手振り、キーワードなど一人ひとりに合わせたコミュニケーション方法を探り、子どもが日本語でのコミュニケーションを習得できるように支援しています。子ども同士の関係性にも配慮し、必要に応じて間に入って言葉を足して仲立ちをするなどしています。法人の児童発達支援事業所の臨床心理士に子どもの様子を見てもらい、アドバイスをしてもらっています。昨年度までは、障がいに関する外部研修に参加したり、系列の専門機関による内部研修などを実施していましたが、今年度は障がい児がいないため行っていません。職員が安心して保育できるよう、系列の専門機関も活用してコミュニケーション支援の研修等を実施していくことが期待されます。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

 朝夕はコーナー遊びを設定し、子どもが落ち着いて好きな遊びができるようにしています。マットを敷いて子どもがゴロゴロできるようにしたり、仕切りを用いて個別のスペースを確保するなど、子どもの状況に応じてゆったりと過ごすことができるような環境設定をしています。5時を過ぎると2歳児も幼児と一緒に過ごし、6時半からは全クラスが合同で過ごしています。年度始めは2歳児、0・1歳児は別に過ごす等、子どもの発達状況にあわせて柔軟に対応しています。延長時間の子どもには、保護者の要望により軽食または夕食を提供しています。子どもの人数が少なくなると、保育士が個別に対応し、家庭的な雰囲気の中でその子どもの好きな遊びをして過ごしています。視診簿を用い、職員間で口頭でも引継ぎをし、保護者に子どもの状況が確実に伝わるようにしています。なお、指導計画やデイリープログラムには、保護者への確実な伝達が記載されているのみで、子どもへの配慮は記載されていませんので、子どもの生活の連続性を配慮した長時間保育の配慮事項を記載していくことが期待されます。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

 全体的な計画、年間指導計画に小学校との連携や就学への取り組みを記載しています。例年は定期的に小学校と交流していましたが、今年度は園で花を育てて咲かせ、小学校に持って行くことを通して、子どもが就学への期待を持てるようにしています。子どもの期待を高めるためにピアニカなど5歳児だけの特別な取り組みも用意しています。南区保育園年長児交流も今年度は駅伝ではなく、「駅deえきでん」として子どもたちの似顔絵とメッセージを駅に掲示してつながりました。園では就学を意識して、身支度や衛生面、椅子に座って話を聞くなど、基本的な生活習慣の自立に向けて取り組んでいます。年明けには5歳児は午睡をなくし、「学校ごっこ」として鉛筆で名前を書く練習などをしています。給食では、自分の食事を取ってトレイで運んだり、一人ずつ机に座って同じ方向を向いて食事するなどしています。コロナ禍での就学のため「黙食」の練習もしています。保護者には、クラス懇談会で全体的な説明をし、個人面談で個々の課題に沿った相談にのっています。幼保小連携事業では、小学校教諭とオンラインで情報交換しています。就学に際しては、保育所児童保育要録を作成し、口頭でも引継ぎをしています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

 子どもの健康管理に関するマニュアルがあり、事務室に置きいつでも確認できるようにしています。保育中のけがや体調悪化にについては、保護者に連絡をしてお迎えを頼み、翌朝にも経過確認をしています。入園時に既往症や予防接種などを保護者に健康調査票に記載してもらい、入園後は担任が確認して追記しています。毎朝の登園時には、検温をして保護者に子どもの体調について確認して視診簿に記録し、ミーティングで職員間で共有しています。園内にブレスチェックのポイントや嘔吐処理の手順などを掲示し、衛生係による嘔吐処理研修、安全係によるSIDS(乳幼児突然死症候群)などの園内研修を実施しています。保護者に対しては、入園時の説明会で園の健康に関する方針や取り組みを伝えています。ただし、SIDSについては、情報提供していませんので、今後取り組んでいく予定です。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

 年2回の内科健診と歯科健診、年1回の尿検査、毎月の身体測定を実施し、結果を「健康記録」に記録しています。保護者には、結果を「けんこうカード」に記載し、伝えています。保健計画を作成し、子どもの健康管理や手洗いなどの健康指導をしていますが、健康診断・歯科健診の結果を計画や保育に反映させるまでには至っていません。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

 アレルギー対応マニュアルを作成し、定期的に見直しています。食物アレルギーがある子どもには医師の記載した「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」を保護者に提出してもらい、それに基づき担任、栄養士、園長が保護者と面談をし、除去食を提供しています。解除する際にも面談をしています。保護者とは密に情報交換しアレルギー検査の結果などを共有しています。また、毎月保護者に献立表を確認してもらっています。アレルギー対応児一覧やクラスごとの対応手順を作成し、職員間で共有しています。エピペン(アナフィラキシー補助治療剤)の研修もしています。除去食提供にあたっては、別トレイ、食器、食札を用意し、給食職員から保育士へ確認しながら手渡しし、提供時にも担任間で確認しています。テーブルも別にして職員が一人付き、職員のエプロンも専用にしています。保護者には、入園時説明会で園の方針を伝えています。投薬が必要な子どもには、毎日「投薬依頼書」とともに持参してもらい、保護者から直接受け取って事務室で預かり、園長が担任と確認して対応しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

 食育計画を作成し、子どもが食を楽しみ、食への関心を高められるようにしています。コロナ禍のためクッキングは中止していますが、食育活動として季節の野菜を栽培し、調理してもらって給食で食べたり、野菜スタンプ等の製作をしたりしています。
 保育士は、「モグモグ」「美味しい」などと声をかけ、食べやすいように手を添えたり、隅に寄せたりしています。観察時にも保育士が「野菜を食べてえらいね」と声をかけると、それを聞いた周りの子どもたちも野菜を食べ出す様子を見ることができました。外国籍など文化や習慣の違いから、最初は給食が食べられない子どももいますが、量を減らしたり、一口でも食べるように声をかけていくことで、少しずつ食べられる食材が増えていき、卒園前には完食できるまでに育っています。白いご飯しか食べられない子どもには、カレーを別に盛り付けるなど工夫しています。日本の基本的な食事のマナーについても日々伝えていき、個々に合わせて柔軟に対応しています。保護者には、献立表や給食だより、サンプル展示で情報提供するとともに、懇談会や個人面談で食についての園の考え方を説明し、保護者の相談にのっています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

 給食日誌に残食を記録するとともに、給食会議でもクラスの様子や個々の子どもの喫食状況について話し合い、次回の味つけや食材の大きさなどを調整しています。献立は食材納入業者のメニューを基本にし、行事等の時には園独自のメニューを加えるなどしています。クリスマスや正月、ひな祭りなどの季節の行事食のほか、毎月の誕生会には盛り付けを工夫して特別感を演出するなどしています。山形などの郷土食も提供し、その県についての話を栄養士がするなどしています。栄養士は、子どもが食べる様子を見て回り、子どもから直接感想を聞いています。衛生管理マニュアルに給食室の衛生管理について記載し、それに基づき衛生管理を適切に行っています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

 乳児は毎日、幼児は必要に応じて保育アプリを用いて保護者と情報交換しています。朝夕の送迎時には保護者と会話をし、情報交換しています。幼児はその日の活動の様子をドキュメンテーションにまとめて玄関に掲示しています。乳児は、保育アプリに写真を載せることもあります。毎月園だよりを発行し、子どもの様子や月の行事、保育のねらいなどについて保護者に情報提供しています。年2回のクラス懇談会と年1回の個人面談を実施しています。お祭り遊びや運動会、生活発表会などの保護者参加行事を行い、保護者が園での子どもの様子を見る機会を作っています。コロナ禍のため保護者の参加が難しい時には、ビデオで見れるようにするなど工夫しています。保護者からの情報は、視診簿や個人記録に記録しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 朝夕の送迎時には、担任を始めとして職員は保護者とコミュニケーションを密に取って、子どもの様子をエピソードを交えて伝え、保護者の声を引き出しています。送迎時や保育アプリで保護者から相談を受けた保育士は、必ず園長・主任に報告し、対応いついて話し合っています。内容によっては個人面談を設定し、園長が対応することもあります。相談内容とその対応は個人記録に記録するとともに、職員会議でも共有し、皆が同じ対応ができるようにしています。面談では、子育てをする上での保護者の悩みを丁寧に聞き取り、子育てについてのアドバイスをしたり、予防接種の大切さについて説明したりと、一人ひとりの状況に応じたアドバイスをし、保護者が安心して子育てができるように支援しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

 虐待の定義や種類、見分け方などを記載した虐待対応マニュアルを整備しています。朝の受け入れ時には子どもや保護者の様子を観察し、気になる傷などがある場合には必ず保護者に確認しています。排泄時や着替え時などにも子どもの身体の様子を観察しています。気になる事例があった場合には、すぐに園長・主任に報告し、対応について話し合っています。虐待を発見した場合や虐待が疑われる場合には、南区こども家庭支援課や横浜市中央児童相談所に通告・連絡し、連携する体制が出来ています。職員会議で子どものケースを取り上げ、配慮や留意点について共有しています。職員は、南区等が主催する虐待に関する外部研修に参加し、園内研修で伝達しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

 指導計画や保育日誌には評価・反省の欄が設けられていて、日々の保育を振り返られるように定型化されています。
 保育士は、一人ひとりの子どもの心身の発達状況や意欲、活動に取り組む姿勢などを大切に保育をしていて、振り返りもその姿勢に沿ってなされています。振り返りの結果を基に会議等で話し合い、保育環境の見直しをするなどしています。また、保育士は、年に1回、自己評価表を用いて自己評価をしています。また、保育士の自己評価を参考に、園長が園の自己評価を作成しています。ただし、園の自己評価を基によりよい保育実践に向けて話し合うなどはしていません。今後は会議等で、自己評価結果を分析して課題を抽出し、質の向上に向けて園全体で取り組んでいかれることが期待されます。