社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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スターチャイルド《洋光台ナーサリー》

2022年03月30日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 特定非営利活動法人よこはま地域福祉研究センター

② 施設・事業所情報
名称 スターチャイルド《洋光台ナーサリー》 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 72(61) 名
所在地 235-0045
横浜市磯子区洋光台5-3-38
TEL 045-833-5650 ホームページ https://www.starchild.jp/nursery/yokodai/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2019年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) ヒューマンスターチャイルド株式会社
職員数
常勤職員:16 名
非常勤職員:6 名
専門職員
施設長:1 名
保育士:17 名
栄養士:1 名
調理員:3 名
施設・設備の概要
居室数:保育室6
設備等:園庭、給食室、乳児用・幼児用トイレ、多目的トイレ、沐浴室、調乳室、休憩室事務室兼医務室など

③ 理念・基本方針
【保育理念】子どもたちの無限の可能性を信じ、意欲を引き出し、伸ばす保育を実施します。
 【保育目標・方針】
(1) 良く考え、心身ともにたくましい子(自立と挑戦を支援します)
(2) 個性の豊かな子         (個性を尊重し長所を伸ばします)
(3) やさしさと思いやりのある子   (社会性=人と関わる力を身につけます)

④ 施設・事業所の特徴的な取組
・安心安全の提供(施設・設備・保育スキル・システム・訓練等)。
・養護と教育を一体化した保育の提供(子どもたちが安心して元気に毎日を過ごす場の提供)。
・自発的に伸びる保育(自発的な行動を実りある成長に結びつけるように保育環境の構築を工夫する)。
・肯定的な前向きな言葉がけ(否定語や禁止語は使わない)。
・スキンシップとコミュニケーションで伝わる保育。
・子どもの保護者に寄り添った施設であること。
・おいしく楽しく食べられる食事・食材へのこだわり。
・森の中をイメージした施設内、本物の木の感触に触れ五感を刺激する。
・互いに思いやりを持てる保育、愛されている自覚の持てる保育。
・規制の自立ができる人へ導く保育。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/05/17(契約日) ~2022/03/10(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ◆施設長を中心に職員間の話し合いにより共通認識を持って保育を行っています
毎日行われる昼礼は、クラス毎に一人ひとり子どもの状況を伝え、「昼礼記録」に健康、けが(部位、場所)、送迎変更、活動内容(制作、散歩)などの項目に詳細を記入して職員間で情報を共有しています。また、職員会議、カリキュラム会議などで様々な情報を得て、子どもの状況を共有しています。情報共有することで職員は子どもたちの様子を把握し、保護者とのコミュニケーションを図っています。
園は、職員が発言する機会を多く作り、気軽に意見が言え、話しやすい雰囲気を作ることを心掛けています。施設長は職員の意見の収集を心掛け、職員会議の前にすべての職員から意見を付箋に書いて提出してもらい、ここから必要な議題を提起して話し合っています。施設長は職員が自分の意見を表明し、反対の意見に対しても根拠や考えを聞く場をさらに積極的に作っていきたいと考えています。この取組や話しやすい環境を作ることで小さな疑問や不安を相談し合い、助言や意見交換などから職員間で共通認識を持つことで、理念の実現に向けた保育ができるよう努めています。

◆職員が講師をすることで充実した園内研修が実施されています
法人は、階層別の求められるスキルに応じた様々な研修を実施しています。コロナ禍によりオンライン研修も多数実施されています。
毎月実施される園内研修は、「子どもの病気と怪我」「ベビーマッサージ」「子どもが喜ぶ環境設定」「キッズアンガーマネジメント」「リトミック」「手遊び」など、職員が自分の得意分野について講師となり説明しています。職員は、講師となることで得意分野をより深め、自信を持つ機会となっています。常勤職員、非常勤職員とも参加しやすいように、2回に分けて実施するなど、参加しやすい環境を作っています。また、各クラスリーダー及び月担当職員で「歌遊びミーティング」「集団遊びミーティング」を毎月実施していて、保育をより豊かにする取組も実施しています。施設長は、職員が学びから得たものを実践につなげる根拠として、自信をもってやっていける保育にしたいと考えています。
改善を求められる点 ◆地域交流活動を通して園の存在を知らせる取組が期待されます
園は、育児講座、交流保育、園庭開放等の地域子育て支援プログラムを用意していましたが、コロナ禍で実施できませんでした。今年度、感染対策をして地域交流スペース(スタチャラウンジ)で「ベビーマッサージ」を実施しましたが、参加は1組でした。今後は、地域の関係機関・団体等と関係作りをしながら地域の具体的な福祉ニーズの把握につとめ、福祉ニーズ等に基づく活動を通して、地域に園の存在を知らせて行く取組が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
この度第三者評価を実施して下さるにあたり、丁寧に私共の保育、運営に関する事柄をヒアリングしてくださいまして、ありがとうございました。
常に法人の理念、方針に基づいた運営が行えているか、保育士保育指針を熟考し保育を展開しているか、必要分野における法律を把握、理解し遵守できているか等「行っているつもり」ではなく、それぞれの立場(職員・保護者等)からの率直な意見、評価をいただくことができる機会となり、様々な分野において今後園を運営していくにあたり良い学び、課題を得ることができて大変良い経験となりました。
これを機会に、課題点は見直し、改善に努め更に良い園にしていけるように努力いたします。
この園で保育を実践していくにあたり、法人の指導、見守りがあり、保護者の方々からの理解、協力を頂き、同じ方向を向いて保育を行う保育職員、食を支える栄養士とそれぞれの思い、日々の研鑽、そして心身の健康があっての運営であることにいつも感謝しています。
今後も正しい心理的安全性のある職場を目指し職員一人ひとりが自己肯定感をもって知識を高め自信をもって職場で輝けるように、また保護者のニーズに耳を傾け必要なことは応え、安心してお子様を預けていただける園として努力を重ねていきたいと思います。
コロナ禍ではありますが地域との連携も大切に運営していきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

理念、基本方針はパンフレットやホームページに掲載しています。保育理念は「スターチャイルドは、子どもたちの無限の可能性を信じ、意欲を引き出し、伸ばす保育を実践します」としており、園の使命や方向、考え方を読み取ることができます。保育方針では「自立と挑戦を支援します、個性を尊重し長所を伸ばします、人とかかわる力を身につけます」としており、職員の行動規範となるよう具体的な内容となっています。理念や基本方針は昼礼時に週2回職員で読み合わせを行い理解を深めています。入園説明会では保護者にこの理念を重要事項説明書で説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

磯子区の園長・校長会に参加しており、そこでは社会福祉事業全般を取り巻く課題や各種福祉計画の動向について説明を受けています。この地域では単身の高齢者が増加していて高齢者の問題が大きくなっているなどです。園の事業に関しては園の園児推移表を法人に提出しており、さらに法人からは保育コストや保育利用者の推移などのデータが提供されています。これらの情報は職員会議などで職員にも報告し、情報の共有を図っています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

施設長は経営環境、組織体制等様々な経営課題がある中で、現在の園の最大の課題は職員の人材確保と人材育成と考えています。職員が働き甲斐のある保育園であることで人材が定着すると考えており、施設長はそのために「心理的安全性」という言葉を重視しています。それは職員がなんでも気軽に意見が言え、話しやすい雰囲気を作ることであるということです。このための一つの方法が「付箋会議」で、職員会議の前にすべての職員が言いたいことを付箋に書いて、施設長に提出する仕組みです。これらを見て、施設長は必要な課題を提起して職員に話しかけています。ただし、園としての全体的な経営課題を明らかにしての取組はこれからです。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

園が開設されたのは3年前の2019年です。この時に中・長期計画を策定しました。長期計画は2024年を目標とした5年計画です。中期計画は3年間で、今年度はその3年目に当たります。ただし、具体的な計画が設置されているものの、5年の長期計画と中期計画の整合性は必ずしも取られてはいません。中期計画では「園庭の水はけ、砂場の整備」「行事への保護者参加」「地域活動、老人へのコミュニケーション、地域交流活動の参加」「幼稚園、保育園、小学校の連携と合同の活動参加」となっています。具体的な目標設定がされていますが、数値目標は設定されていません。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

単年度事業計画が策定されています。中期計画の一部が取り込まれていて、計画が具体的に示されています。計画では基本目標として6項目の事業目標が示されていて、その下に重点目標として「主な行事・地域交流会」「保護者との連携」など11項目の分野で目標が示されています。施設長はこの中で、地域支援活動を重視していて、その目標達成率を地域の代表者会議での行事参加の度合い、地域の支援連絡会での行事への子どもの参加度、園でのイベントで地域からの参加の度合いなど目標を立てて、取り組みを行おうと考えていましたが、コロナ禍で達成が厳しいと認識しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の実施状況については、職員会議にも諮っています。年度の初めに事業計画については運営委員会で発表し、保護者や職員に周知しています。職員会議では年度末にその評価を行っています。ただし、個々の事業項目まで正確に議論し、達成状況を把握しているわけではなく、より具体的な評価方法を確立していくことは今後の課題となっています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画の全体像は前年度と当年度の2名の保護者代表が参加している運営委員会で発表しています。また、個々の事業計画についてはその事業をスタートする際に、保護者に対してお知らせとして提示しています。計画の内容を分かりやすく説明し、実施状況を報告し、実施した結果の評価を保育園向けアプリで伝えています。また、3月の卒園式後の保護者懇談会でも説明しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

毎日の保育の記録は保育日誌に記載し、週案については専用のアプリで毎週振り返りを行って入力しています。月案についても同様に振り返りを行い、次の期の案の作成に活かしています。個別支援計画についても、その子どもの動きや特徴を保育園向けアプリで入力し、次期の計画を立てています。また、リーダーミーティング、カリキュラム会議等で保育の内容を討議し、質の向上に努めています。年度末には年間のカリキュラムを職員全員で振り返る会議を行って保育の質の評価分析を行っています。個々の事業についても職員の取り組んだことを職員会議で取り上げて次年度に活かしています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

年度末に職員全員でチェックリストによる園全体の自己評価を行っていますが、その中で職員全員が満足できる水準に達していない項目についてはその理由が記載されています。ただし、改善計画にまでは必ずしも至っていません。また、園全体として取り組むべき課題を整理し、次年度の改善計画を策定していくことが課題とされます。今回の第三者評価の自己評価表を職員一人ひとりが評価に取り組み、全員の職員の意見としてまとめました。このような取組みにより、今後園として職員の参画のもとで改善計画が策定されることが期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

設長の役割として、職務分掌表及び「職員区分の構成と定義」という一覧表で明記されています。施設長はその責任と役割を十分理解し、取り組んでいます。職員会議などでは園の方向性、あるいは職員のあるべき姿などを表明しています。また、保護者に対しては、「きらきらだより」という園の広報誌で毎月、園として取り組むべき課題や、施設長としてやりたいことを表明しています。たとえば、最近のものでは法人の保育理念である「子ども達の無限の可能性を信じ、意欲を引き出し、伸ばす保育」を再掲し、新たに取り組む姿勢を表明しています。主任は施設運営の一部を担ったり、施設長を補佐する役割が明記されており、施設長不在の時には施設長の代わりを担うことになっています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設長は法人による研修としてマネジメント研修を受講しており、その中で遵守すべき法令等については十分理解し、日常的な園の運営、経営ではそれを実践しています。また、職員に対しては、園内研修で施設長が講師となって「保育所における法律」などを実施しており、遵守すべき法令等については周知しています。さらに、環境への取り組みも積極的に行っており、製作では廃材を活用し、天然素材の利用、LED照明、エコキャップの収集などCO2排出抑制のための取り組みを実施しています。また昼礼時には職員に、新聞の記事の中から、時事問題を取り上げて社会人としてあるべき姿を説明するなどの取組を行っています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は、保育の質については常にチェックをしています。毎日書かれる日誌や、週案、月案について必ず目を通し、そこにコメントを記載し、職員に周知しています。また、リーダーミーティング、カリキュラム会議にも出席し、課題や改善案を議論しています。保育の質の向上に関しては、園内研修に特に力を入れています。自己研鑽、自己肯定感、新しいことへの積極的な取組を職員に求めて実施しています。付箋会議、ブレーンストーミングなど会議の持ち方にも工夫をしています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

施設長は職員の働きやすい環境づくりに力を注いでいます。残業時間や有給休暇の取得には常に注意を払っています。実際に残業時間は非常に少なく、さらに有給休暇もほとんどの職員が取っている状況からも働きやすい環境が作られています。また、働きやすい環境を作っていくのは職員の意識に関わることが多く、そのための自己啓発的な取り組み重要と考えています。業務の実効性を高めるために、カリキュラム会議、集団遊びミーティング、歌遊びミーティング、各行事反省会議などを設置しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人は保育者にとって必要な資質として協調性、使命感・責任感、健康、優しさと思いやり、発達の理解といった5項目の資質を挙げて育成しています。職員を施設長、主任、サブリーダー、ミドル職員、一般職員の職階を設定し、それぞれの職階に求められるスキルを明らかにしていて、それを達成するための研修も行われています。研修は、法人内の内部研修、外部研修ともに多彩に用意されています。今年度はオンラインによる研修を多くの職員が受講しました。人材の確保については法人がハローワークやインターネットによる採用活動を行っています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

期待する職員像としては「保育者マニュアル」の中に「職場理念」「望ましい保育者としての資質や態度」に詳しく示されています。また、職員の階層別に求められるスキル、職員の専門性や職務遂行能力が示されています。同時に職務内容が詳細に書かれており、職員は自分の将来を描くことができるようにキャリアパスが提示されています。職員の職務遂行能力、貢献度等はスキル考課シートが用意されており、10数項目について本人及び施設長が評価し、本部にあげています。さらに施設長は職員との面談を年に2回実施し、職員の能力や意向を把握するようにしています。職員の処遇はこのように把握した職員の意向や、能力によって実際に配置を決定しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員の労務管理の責任者は施設長となっていて、残業時間や有給休暇の取得状況については常にチェックし、職員との面談や会話の中から心身の状況を把握しています。職員は困ったときには施設長、主任に気軽に話を聴いてもらっています。福利厚生に関しては住宅手当、借り上げ社宅制度および法人が外部の福祉サービス提供事業者の会員になって様々なサービスを受けられるようになっています。休暇については、子どもを持つ職員が子どもの行事に参加できるなど特別な休暇を取ることができ、ワークライフバランスに配慮して職場の魅力づくりに取り組んでいます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は年初に、昨年度の振り返り、自己評価結果を基に目標シートを記入しています。目標設定では、目標を3項目ほど設定し、その内容、それを達成するための具体的な方法、時期等を記載し、施設長との面談で確認していきます。これらの目標をどの程度達成しているか、今後どのように達成していくかを自分自身でチェックし、中間期と年度末の半期ごとに振り返り、施設長と面談しています。これとは別に自己評価シートがあり、5段階評価で各項目をチェックし、自分自身の職員としての振り返りを行っています。これについても施設長との面談でお互いに確認しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

基本方針や計画の中に、「期待する職員像」を明示しています。職員区分表を作成し、職員の階層別に求められるスキルを社会力、専門技術能力、さらに各職階の職責・役割、職務内容を明らかにしています。そのレベルごとに必要とする研修、資格を明確にしています。毎月園内研修を実施しています。ここでは、職員が自分の得意分野について講師となって、他の職員に説明しています。このことにより、より深く自分の得意分野を深めていくことができます。さらに園内研修としてオンラインによる研修も実施し、これらは園の研修計画として年度初めに予定され職員の多くが参加しています。カリキュラムも実施後に見直し、次年度の計画に活かしています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

施設長は個々の職員の個別の知識、技術水準、資格の取得状況を把握しています。新任職員は4月から12月まで先輩職員がついて、指導するだけでなく悩みを聞いたり、問題点があれば主任に連絡し、園として解決するようにしています。職階別の研修は法人が実施しており、外部の研修も受講できるように、職員には情報提供がされています。法人では保育の専門的な技術を学んでもらうためにコロナ禍の今年度は、オンラインによる研修を多く実施しました。また、研修に参加するに当たっては職員配置表で無理のない受講ができるように配慮しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生受け入れのマニュアルが作成されています。この中には実習生を受け入れてから、オリエンテーション、実習・反省会、実習生評価方法等の手順が詳細に記載され、さらに秘密保持の誓約書をとる構成となっています。実習に当たっては実習計画書を作成し、スケジュールを決めています。実習が開始されると園から学校に電話などで実習状況を伝達しています。実習終了後は振り返りや学生の評価をし、成績表を学校側に送っています。実習生を指導する職員の研修の実施は今後の課題となっています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

ホームページでは保育理念、保育方針、保育内容などについて紹介しており、さらに地域に向かって地域子育てプログラム、一時保育などについて紹介しています。法人については財務情報をコンパクトにまとめたものをホームページ上に掲載しています。保護者からの相談や意見は回答し、本人に知らせるだけでなく、お知らせとして保護者に配布しています。地域に対しては、育児講座、交流保育、園庭開放などを紹介しているチラシを配布しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

事務マニュアルを整備し園での事務の仕事を標準化して職務権限等を明確化しています。園における事務、経理等の取引関係については法人からの直接的な監査が入り、公正な取引を行っています。法人には公認会計士が入っていて、年1回の監査を実施しています。また、公認会計士の指摘により、経営改善の取り組みを行っています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園の基本目標に「地域交流を深めていき関係機関との連携を求めていく」と明記しています。また、法人のホームページに、幼・保・小の連携、園の中には地域交流スペース「スタチャラウンジ」を併設と記載されています。社会資源利用に関しては、近隣公園、プレイパーク、子ども科学館の利用等など屋外活動で子どもたちの健やかな成長を促すことを推奨しています。企画していた七夕等の行事はコロナ禍により実施できませんでしたが、11月に5歳児が公園で近隣の保育園、小学校との秋さがしを目的とした合同活動ができました。今後「近隣の芝生で遊ぶ地域行事」への参加も予定しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティア受け入れ規程により、施設と地域交流の充実を図ることを目的とした受け入れの必要事項を明記しています。法人のホームページ、園の掲示に、未来の保育士を育むプロジェクトを目的とする「キラキラ保育士体験」を募集しています。以前、小学5年生の女子児童が保育士の見守りの下、鬼ごっこ、プールの外遊びに体験参加しました。保護者には事前に掲示板で周知し、活動の確認書、誓約書、同意書、感想文をファイルしています。今後、卒園生との関係にも繋げていきたい意向もあります。今年度は園からボランティア受け入れについて学校へ呼びかけたり保育士体験の募集をしましたが、コロナ禍の影響からか、参加はありませんでした。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

玄関の棚に育児支援センター園、区役所家庭支援課、地域子育て支援拠点「いそピヨ」等の育児支援機関の案内を設置しています。保護者向けのファイルで学童の保育、地域ケアプラザ、横浜市こども青少年局こども家庭課からのお知らせを常時閲覧することができます。事務室には、磯子区こども家庭支援課、運営委員会等の連絡先一覧表を掲示しています。今年度から、地域子育て支援拠点いそピヨ、磯子区社会福祉協議会、地域ケアプラザ、要保護児童対策地域協議会等の関係機関・団体に所属し、ネットワーク化に取り組んでいます。虐待について虐待対応マニュアルに関係機関を明記しています。虐待等権利侵害に関し、区役所、保健師との連携を図っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

年に1回運営委員会、2か月に1回区園長会、月に1回幼保小の地域交流会議があり、施設長が参加しています。毎年園では、育児講座、交流保育、園庭開放等の地域子育て支援プログラムを紹介しています。今年度は、コロナ禍の影響でベビーマッサージのみ地域交流スペース「スタチャラウンジ」で行われました。また、磯子区社会福祉協議会の依頼で、10月に地域の一人暮らしのお年寄りに園児35名が無記名で年賀状を制作し送りました。この年賀状のコピーが3月に近隣の子ども科学館に展示されます。今後も地域交流スペース「スタチャラウンジ」を活用しながら未就園児の保育の相談場所として応じていきたいとの意向があります。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

事業計画の重点目標の中に、地域子育て事業の実施(園庭開放、育児講座、交流保育)、栄養相談と明記しています。感染対策を行った地域交流スペース「スタチャラウンジ」において、11月に警察、区役所、地域の方々が来訪しパネルシアターを使った交通安全教室、12月には消防署による避難訓練を実施しました。その際、園からの呼びかけで近隣保育園の子どもたちが園庭に駐車した消防車を見学に来ました。今後、交流スペース「スタチャラウンジ」を使用することによる地域福祉ニーズに基づく積極的な取組に期待します。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもを尊重した基本姿勢は保育の業務マニュアルに明記しています。職員同士の会話、毎月行う会議での意見交換、保育指針見直すための研修等で倫理綱領を理解し、子どもを尊重した保育の提供に努めています。基本理念・基本方針のマニュアルでは、「噛みつき対応」の事例をあげています。子ども同士のもめごとには、子どもが互いを尊重する心を育てるために保育士がさりげなく介入し、職員間の会話、昼礼、月に1回の職員会議等で分析、対策に取り組んでいます。異文化への興味、関心を伸ばすために、3歳児以上の幼児を対象に月齢に応じたクラス編成で、月2回英語教室で外国籍の先生とふれあい活動を行っています。保護者には、お楽しみ会での発表で理解を図る取組をしています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー保護について保育士業務マニュアルに明記しています。4、5歳児の身長、体重の測定では、保育室の隅でパーテンションを設置、窓のブラインドを下ろし、男女児別に保育士が測定しています。プールの際も道路から見えないようにパーテンション等で目隠しをしています。トイレは個室で幼児はドアを閉め、保育士が前に立ち、他児から見えない環境としています。部屋の隅で2歳児の着替え、乳児のおむつ替えをします。子どものプライバシーを確保するための衝立もあります。外遊びでは、年齢がわからないよう園児全員が同じ色の帽子を被り、名前を呼ぶ時は近くで呼んでいます。保育士は保護者やほかの人の前で子どもの話をしない取組をしています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

園の玄関や区役所に園の紹介パネルを掲示しています。法人のパンフレットやホームページは簡潔な説明文と写真で構成、法人のブログでは、各園独自の行事内容と写真を記載しています。園の育児相談事業の日程が記載された洋光台地区支援事業のチラシは、地域の情報発信拠点「まちまど」に置いています。見学の対応は、希望者が多い時は3名1組で法人のパンフレットに沿ってコンセプトを伝えています。また、保育室はオープンスペースとなっていて、各クラスの状況、トイレ、洗面所、調理室、職員の様子も含めて確認しやすい造りになっています。今後園を知ってもらうために情報発信を工夫したいとの意向があります。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

保育の開始時間や保育内容について重要事項説明書で説明し、保護者の同意を得た上で同意書を提出してもらっています。保育内容の変更は、掲示したり、園だよりや保育園向けアプリで周知し対応しています。今年度はコロナ禍のため保護者一緒の行事は、園児1名につき大人1名のみの参加のお願いを法人より各保護者へ伝えました。今年度懇談会は実施できませんでしたが、保護者からの疑問や不安、話があればその都度対応しています。また配慮が必要な保護者には、ひらがなの文章に変え、会話には身振り手振りによる説明で理解を図っています。多様性があるためルール化は困難な状況ですが寄り添う工夫をしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育所等の変更にあたり、保育の継続性に配慮した手順と引継書を定めていませんが、保育所の利用が終了した後も子どもや保護者の相談に応じています。法人の「キラキラ保育士体験」や今後の園の行事等について、卒園生にも声をかけたいと考えています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の保育の中で、子どもの反応や笑顔、元気な様子、健康状態から子どもの満足を把握しています。保護者に対しては、法人で年に1回、保護者アンケートを実施しています。アンケート結果は、保護者に公開するとともに法人他園と比較分析し、職員で結果を共有し改善につなげています。アンケートの中で、保護者から指摘のあった点は、速やかに職員間で検討して改善に向けて努めています。園から独立した保護者会はありませんが、個人面談などで保護者の意見や困りごとを聞き取って利用者の満足につなげるよう努めています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の体制は整備されています。「苦情(要望)対応マニュアル」「入園のしおり(重要事項説明書)」に第三者委員とかながわ福祉サービス運営適正化委員会事務局の連絡先と仕組みを分かりやすく記載しています。保護者には、入園説明会前に「入園のしおり」を配布し、当日説明しています。事務室前に「苦情要望への対応」を掲示し、意見箱を置いています。意見箱への記入カードは匿名でも記入できるようになっています。苦情内容に関する検討内容や対応策については、保護者にフィードバックし、保護者の同意を得て、園だよりや園内掲示で知らせています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

「入園のしおり」に『ご家庭と保育園のより良い連携を目指して』に日々の送迎時や保育園向けアプリを通じてコミュニケーションを図り、意見・要望・質問がある時は、気軽に保育士または施設長に声をかけて欲しいと保護者に伝えています。また、苦情相談窓口として第三者委員及びかながわ福祉サービス運営適正化委員会事務局の連絡先を明記しています。衝立等を使って、相談しやすい、意見を述べやすいスペースを確保しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

保護者とのコミュニケーションを大事にし、保護者の様子の把握につとめています。保護者が意見を述べやすいように配慮し、保護者の意見を受け止め、必要に応じて相談し、改善に向けて話し合っています。保護者アンケートや懇談会、面談等で保護者から出された意見や相談内容は記録され、職員は昼礼や会議などで情報を共有しています。記録・報告の手順や対応策の検討は、苦情(要望)対応マニュアルに沿って行われています。マニュアルは定期的に見直しが行われ、カリキュラム会議などでマニュアルに関してクイズ形式で職員に質問をするなどして周知を図っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

施設長はリスクマネジメントに関する責任者として、事故発生事例の情報を収集し、園独自の「リスク管理マニュアル」を作成し、法人の「事故防止マニュアル」「事故対応マニュアル」「事故発生時対応マニュアル」と合わせて職員に周知を図っています。園での発生事例については、迅速に報告、分析し、昼礼等で改善策・再発防止策が検討され実施しています。発生事例をクラス・場所・時間・内容などで分析し、「園内ハザード」「おさんぽハザードマップ」を作成して職員に周知を図り事故防止に努めています。また、職員は、昼礼時に毎日のヒヤリハットを出し合い、安心・安全を脅かす事例の収集が積極的に行われリスク回避に役立てています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

「感染症マニュアル」「感染発生時対応マニュアル」が整備され、感染症や嘔吐処理に関する園内研修を実施して周知徹底しています。また、マニュアルには、感染症発症経過表もあり、感染発症の状況が分かり、保護者にも情報の周知ができています。現在のコロナ禍においても予防に取組んでいます。園内の消毒・清掃を時間で決めて定期的に行われ清潔な環境が保たれています。保護者には、「保健だより」で情報を提供しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

「安全管理・災害時対応(BCP)マニュアル」が整備され、災害への対応体制が整えられています。保護者には、入園の際、災害伝言ダイヤルの利用・操作方法の資料を配布して、非常時の子どもの安否確認の方法を説明しています。また、職員は民間警備会社のメールシステムを使って自らの安否確認を園に伝えることになっています。備蓄に関しては、食料や備品の備蓄リストを作成して整備しています。年間防災計画を作成し、様々な状況を想定した避難・消火訓練を年12回、不審者訓練を年2回実施し、職員の役割を明確にしています。また、コロナ禍のため、自治体などとの連携はできていませんが、磯子消防署に来園してもらい消火器を使用した避難訓練を実施してアドバイスをもらっています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

標準的な保育の実施方法として保育者マニュアルが作成されています。保育にかかわる保育者として基本的な考え方、保育の方法が示されていて、その中に「人権保育」があり、子どもの主体性を尊重する立場が具体的に書かれています。カリキュラム会議の中で職員の保育に関する悩みを相談する中で保育の内容について議論し、よりよい保育のあり方を職員の間で確認していくようにしています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

保育者マニュアルを始めとして感染症マニュアル、健康管理マニュアルなどについては、日常的にはリーダーミーティングあるいはカリキュラム会議で職員間で話し合っています。年度末には職員が話し合ってマニュアルの見直しています。見直しの結果は指導計画に反映しています。法人では、マニュアルの見直しを毎年1回実施しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

指導策定計画の責任者は施設長です。全体的な計画に基づいて年間指導計画、月間指導計画、週案が作られています。毎日の振り返り、週案の振り返りを行い、次期の計画が作られています。これらの指導計画は専用のソフトがあって、計画と振り返り、次期の計画作成と、手順が決められていて、適切なアセスメントが実施されるようになっています。乳児については個々の子どもの活動状況も記載され、振り返りも行われています。配慮を必要と判断される場合はリーダーミーティング、カリキュラム会議などで話し合っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画の見直しは、特に乳児の場合のトイレットトレーニングや離乳食あるいはアレルギー対応などについて、保護者意見や、家庭での状況を踏まえて進めており、これに従って計画作成しています。見直した結果は、主任や施設長にも報告され、関係する職員に周知されています。指導計画については保育士がクラス会議やリーダーミーティング、カリキュラム会議で議論し、その結果について園長、主任は確認しています。こうして保護者のニーズに対応して次の期の指導計画が作成されています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達記録は、入園時から卒園時まで一貫して発達記録表に記載され、必要な時はいつでも見ることができます。保育計画に基づいて日々の保育記録は電子データで記録され、週案や月間指導計画に沿って記録されています。記録する内容は、各年齢ごとに予め決められており、記録した結果は、毎週のクラス会議やリーダーミーティング、カリキュラム会議で討議され記録に残し、職員間で情報共有しています。常勤職員はコンピュータ上に記録された内容をいつでも把握できますが、非常勤職員に対してはリーダーミーティング、カリキュラム会議の会議録によって周知されています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

法人による個人情報保護方針が定められ、基本的に個人情報にかかわるデータは、電子データだけでなく書類についても法人が管理しています。個人情報管理台帳が作成されており、個人情報の種類ごとに管理番号が付与され、個人情報の内容、媒体、保存方法、廃棄方法などが決められています。園での情報管理の責任者は施設長となっています。法人はPマーク(個人情報保護マネジメントシステム)を取得しており、園に対してもその適用をしていて、法人による内部監査を実施しています。その一環として法人が作成した個人情報に関するテストを職員に実施し、その理解度を高めています。保護者に対しては入園時、進級時に説明しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は、児童福祉法、保育所保育指針などの趣旨をとらえ、法人理念、保育方針や目標、目指す子どもの姿などに基づいて編成しています。園は、法人の作成した計画を基に、子どもの発達過程を踏まえ、子どもの心身の発達や家庭及び地域性を考慮した園の特徴を加味して作成しています。全体的な計画は、1年間の連続性を持って子どもの発達を保障し、やりたいことを子どもが主体性を持ってできるよう作成しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

園舎の開口部は広く十分な採光が取られ、空気清浄機が設置され、室内の温度、湿度、換気などは、常に適切な状態が保たれています。保育室内外の設備や用具は、衛生管理につとめ、毎日時間を決めて消毒、清掃を行い清潔な環境を保っています。寝具は、2歳児からコットを使用し、0,1歳児が使用する布団の乾燥は年3回実施しています。職員は、子どもの発達や活動に応じて家具や遊具の配置を変えパーテーションを設け、子どもが落ち着いて安心して過ごせる環境を作っています。また、食事や睡眠のための生活空間を確保しています。年齢に応じて高さの違う手洗い場があり、トイレは清潔に管理され、子どもが利用しやすい動線となっています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は、会議や昼礼等で発達と発達過程、家庭環境から生じる一人ひとりの子どもの個人差などの状況を把握しています。子どもが安心して自分の気持ちを表現できるよう、否定語は使わず、子どもの気持ちを受け止めるよう配慮して対応しています。また、幼児に対しては信頼関係を築き、自分の気持ちを伝えられるように援助しています。自分を表現することが十分でない子どもの気持ちは、表情や仕草から汲み取って援助しています。職員は「差別禁止マニュアル」などを確認し、肯定的で安心できる優しい言葉かけをするよう努めています。施設長は、子どもの言動には理由があると考え、一緒に考え、肯定的に子どもの気持ちに寄り添った適切な言葉を選び、声をかけるよう職員に伝えています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの子どもの発達に合わせて、生活に必要な基本的な生活習慣が身につけられるように援助しています。保育士は、食事や排泄、着替えなどの生活場面で個々の子どもの発達状況に応じた対応をしています。保育士は、子どもの自分でやろうとする意欲を尊重して、気持ちを受け止め、子どもが自己肯定感を持てるよう援助しています。年齢や活動内容などに応じて、活動と休息のバランスが保たれるよう配慮しています。基本的な生活習慣の取得にあたって、一人ひとりの子どもを尊重した十分な対応ができるよう、職員の人数の配置と職員間の連携を作るよう配慮して対応しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

保育士は、子どもが年齢や発達に応じて自主的・自発的に主体的な活動ができるよう、子どもの様子や言葉などの発信から興味を持っていることを探り、環境を整え、遊びが展開できるよう援助しています。子どもがしたいことを一緒に考え、どうしたら良いか提案して、自発性が発揮できるよう援助しています。園庭や散歩などの戸外活動では身体を動かす遊びを取り入れ、室内ではリトミックやマットなど遊びの中で進んで身体を動かすことが出来るよう援助しています。また、幼児クラスは、外部の講師による体操教室を月2回実施しています。子どもたちが友だちと協力して制作したり、遊んだり、活動できるよう保育環境を整えています。近隣の公園ではリスや木の実、紅葉など四季に触れ、野菜栽培で成長を観察するなど自然に触れる機会を設けています。散歩時の交通ルールや地域の人との挨拶など日々の保育の中で社会的ルールや社会体験ができるよう援助しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

0歳児が長時間過ごすことに適した保育環境になるよう、子どもの発達や様子に合わせて環境を見直しています。子どもの情緒の安定を図りながら愛着関係を形成するとともに、発達に応じた活動ができるよう援助しています。保育士は、子どもの表情や態度、喃語などから思いを汲み取り、穏やかに話しかけ応答的な関わりができるよう努めています。つかまり立ちや歩行などの発達に合わせ、環境を整え援助しています。時には、高月齢児と低月齢児と分かれて活動することもあります。保護者とは、送迎時の会話や保育園向けアプリを使用して連携を図り、ドキュメンテーションで日々の様子を伝えています。離乳食に関しては、栄養士も関わり、個別に対応しています。子どもの成長に合わせ、興味や関心が持てるよう、指先を使う玩具など、子どもが自分から選べる環境を整えることが期待されます。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

ひとりの子どもの状況に応じて、自分でしようとする気持ちを大切に、共感しながら子どもの発達に合わせて対応しています。様々な経験、探索活動が十分できるよう、成長段階を見て環境の整備を行っています。子どもの自発的な活動ができるよう、一つだけでなく、色々な物を提供して遊びが展開するよう援助しています。子どもの自我の育ちを受け止め、否定語を使わず、子どもの意思や状況に応じた対応をしています。友だちとの関わりでは、子どもの気持ちに共感し、お互いの気持ちを代弁して、仲立ちするよう努めています。保護者とは保育園向けアプリを使用して情報を共有しています。トイレットトレーニングなどは、個別に保護者と連携を図って進めています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

3歳児の保育に関しては、子どもの興味を引き出し、好きな遊びができるよう環境を整えています。4歳児の保育に関しては、幼児期の終りまでに育ってほしい姿として”健康な心と体””自立心””協同性”などが求められ、子どもの成長と共にルールを守ることを友だちと一緒に楽しみながら取り組めるよう援助しています。5歳児の保育に関しては、しつけを目標の一つとしていて”片付ける””掃除をする””雑巾を絞る”などに取組み、地域の集まりでは友だちと協力して枯葉からミノムシを作る体験をしています。また、5歳児は園内の美化活動として”ゴミはゴミ箱””整理整頓”などのポスターを制作して、他のクラスの子どもたちにも活動を伝え、発表する機会を持ち、ポスターを園内に掲示しています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

園は、バリアフリー構造になっていて、多目的トイレを備えています。現在、障害のある子どもは在籍していないので、障害のある子どもに必要な個別の指導計画は作成しておらず、また、計画に基づいた保育も実施していません。しかし、配慮を要する子どもに関しては、職員を多く配置して個別の対応をしています。職員は、カリキュラム会議で対応を話し合い、情報を共有し、記録しています。子どもたちは、配慮の必要がある子どもを自然と受け止め、共に過ごしています。保護者とは、連携を図り園での生活に配慮しています。必要に応じて、磯子区役所の保健師や横浜市南部療育センターから相談や助言を受けています。職員は、外部研修や園内研修で必要な情報を得て、職員間で話し合い、情報を共有しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

それぞれの子どもの月間指導計画に1日の生活を見通した連続性に配慮した取組を示しています。子どもが不安なく安心して過ごせるよう配慮しています。好きなことをして楽しく遊んだり、静かにゆっくり身体を休めるなど子どもの状況に応じて、対応しています。雨の日など幼児の力が余っている時などは、安全を考慮して、合同の開始時間を遅らせるなどの配慮しています。子どもの在園時間に配慮した補食の提供を行っています。その際にはさみしさを感じさせないよう保育者が居るようにしています。子どもの状況についての引き継ぎは、昼礼ノートなどの書面の他、口頭でも申し送りをしています。必要と思われる伝達事項は、担任以外でも伝えられる体制をとっています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画や年間指導計画などに就学に関する内容を記載し、「アプローチカリキュラム(小学校に向けての円滑な接続計画、幼児期の終りまでに育ってほしい10の姿、幼保小連携、家庭との連携など)」を作成して就学を見通した計画に基づいて保育活動を実施しています。5歳児は、午睡をしない時間を使って習字、絵画、しつけ、ドリル等をする時間を設けるなど小学校以降の見通しを持てる機会を設けています。保護者には、子どもの就学に向けた活動をホワイトボードに記載して玄関に掲示して知らせています。就学に向けた小学校との連携は、小学校職員が子どもの様子を見るために来園することになっています。保育所児童保育要録は、担任が作成し、施設長、主任が確認しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康に関するマニュアルに基づいて一人ひとりの子ども健康状態を把握しています。子どもの体調悪化やけがなどについては、担任から施設長に報告され、必要に応じて保護者に電話で連絡しています。降園時に保護者へ伝達と降園後の対応を話し合い、翌朝確認しています。子どもの保健に関する「保健計画」は、毎日・毎月・随時行うものを季節毎に分けて記載しています。保育士は登園時に子どもの様子を観察し、毎朝の体温測定と保護者から保育園向けアプリや口頭で様子を聞いています。入園時に得た情報に基づいて既往歴等を把握し、保護者には半年ごとに確認し、新しく追記した情報は職員間で共有しています。園だより、保健だよりで保護者に子どもの健康に関する取組を伝えています。職員に乳幼児突然死症候群に関する研修を実施し、必要な取組を行っています。保護者に対しては、午睡時に対策として身体の向きを変えることを伝え、掲示で乳幼児突然死症候群に関する情報を伝えています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

年2回の健康診断と歯科健診が行われ、結果は健康台帳に記録され、職員はいつでも見ることが出来ます。保護者には結果を書面で知らせています。健康診断や歯科健診にあたり、子どもたちに、虫歯予防(子どもたちに乳歯の下に大切な永久歯がある)や体の話(丈夫な体、健康でいるための栄養など)を保育の中で伝えています。嘱託医とは常に連携を取っていて、何かあった時には相談したり、助言を受け、情報提供を受けたりしています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

「アレルギー対応ガイドライン」を基に、子どもの状況に応じて適切な対応をしています。食物アレルギーについては、医師の記入した「アレルギー疾患等生活管理指導表」を提出してもらい、除去食を提供しています。保護者とは、連携を図り、園での生活に配慮しています。食事の提供等において、テーブルやトレイ、食器が異なることを子どもたちに伝えています。職員は研修等で必要な知識・情報を得て、他の職員にも周知して情報を共有しています。保護者には、入園説明会などでアレルギー疾患や慢性疾患等についての園での取組の話をしています。現在は食物アレルギー除去食が解除され、食物アレルギーのある子どもは在籍していませが、対応ができる体制があります。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

子どもたちが、食に関する豊かな経験ができるよう、「年間食育計画」を作成し、「クッキング保育・食育計画表(お話のみ)」で具体的な食育活動を示し、幼児は毎月、2歳児は8月から年齢に応じて「食事のマナー」「旬の野菜を知る」「食べ物の(体の中での)行方」などに取組んでいます。食事は楽しく食べることを基本として個々の様子に合わせて食事の援助をしています。子どもの発達に合わせ、嚙む、飲み込むなどの状況によって声掛け援助しています。子どもたちが栽培した野菜を給食室で調理することで食べる意欲が増し、残食が減っています。また、保育士は食べられたことを褒め、食べる意欲を引き出すよう援助しています。食器や食具は年齢や発達に合わせたものを使用しています。保護者には、給食だよりや献立表で知らせる他、栄養士は、子どもが育てた野菜を提供したことを掲示で知らせています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

季節感を大切に旬の食材を使い、子どもの発達状況などを考慮して調理の工夫をしています。食材は安全性を重視し、納品後は適切な温度管理をして保管し、記録しています。栄養士は、給食会議や昼礼でクラス担任から子どもの食べる量や嗜好状況を聞き、残食記録と共に状況を把握しています。把握した内容は次に反映し、味付けや切り方、調理方法などを工夫しています。月1回の郷土料理や季節の行事を取り入れた献立を作成しています。栄養士は、給食時にクラスをまわって食事の様子を見たり、毎月の食育活動の日に子どもから話を聞いています。栄養士は、衛生管理に関する研修を受け、給食室は、「衛生管理マニュアル」に沿って適切に対応をしています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

登園時に家庭での様子を聞き、降園時にその日の子どもの様子を伝え、保護者と情報交換をしています。乳児クラスは保育園向けアプリを使用して毎日の家庭と園の連続性を考慮した情報交換をしています。クラス毎に色分けした掲示板を玄関前に用意して、必要に応じて保護者に情報提供を行っています。また、園だよりやクラスだより、保育園向けアプリで発信し、保護者に日常の保育の様子、園の取組や具体的な保育内容、目的を伝えています。ドキュメンテーションを導入して、毎日の保育の様子を写真で配信して伝え、子どもの成長を共有できるよう支援しています。個人面談など保護者との情報交換の内容を記録しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員は、毎日の送迎時に保護者に声掛けして、コミュニケーションを図り、日頃から保護者と信頼関係を築けるよう配慮しています。個人面談は、期間を設けて実施するほか、随時行っていて、気軽に声をかけられるよう配慮しています。職員は、保護者の忙しさと家庭での働きなどの状況を理解し、保護者の気持ちを受け止めてストレス軽減できるよう支援に努めています。相談を受けた職員が適切に対応できるよう、副主任・主任・施設長から助言が受けられる体制を整えています。職員は、報告・連絡・相談をしっかり行い職員間の共有ができていて、状況に応じて報告する役職が決められています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

職員は、虐待等権利侵害に関する研修を受け、「児童虐待対応マニュアル」の読み合わせをしています。マニュアルは、虐待の定義を記載し、具体的な対応手順をフローチャートで示していて職員に周知しています。虐待等権利侵害の兆候を見逃さないよう「人権擁護のためのセルフチェックリスト」「虐待予防のためのチェックシート」を用意しています。虐待等権利侵害があると感じた時は、速やかに保育所内で情報を共有し、適切に協議する体制が取られています。職員は、着替えの際に身体の観察を行い、また、言葉による暴力が示された時には、保護者と話す場面を多く持つよう心がけています。保健師など関係機関とは施設長が担当となって連携を図っています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

月間指導計画や週案などの指導計画や保育日誌などの記録は、振り返りを文章化できる書式になっており、自己評価は意図とした保育のねらいが達成されたか記入しています。保育の自己評価は、子どもの成長や意欲を大切に、結果だけでなく取り組む過程を重視しています。保育士は定期的に自己評価を行い、振り返りを次の計画に反映させています。保育士の自己評価をカリキュラム会議などで発表して互いの気づきにつなげ、学び合い、意識の向上になっています。また、自己評価に基づき、昼礼やクラス間で話し合い、保育の改善につなげています。