社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ココファン・ナーサリー矢向

2022年04月01日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 ココファン・ナーサリー矢向 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60(51名) 名
所在地 230-0001
神奈川県横浜市鶴見区矢向4-22-13
TEL 045-585-1045 ホームページ https://nursery.cocofump.co.jp/nursery_school/yakou
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2013年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社学研ココファン・ナーサリー
職員数
常勤職員:9 名
非常勤職員:8 名
専門職員
保育士:12 名
栄養士:3 名
調理員:1 名
看護師:1 名
施設・設備の概要
保育室:3
トイレ:幼児トイレ・多機能トイレ1 
調理室:厨房1
事務室:1
職員休憩室:1
沐浴室・調乳スペース:1
屋上多目的スペース:2

③ 理念・基本方針
保育理念
すべての人がゆたかに生きることを願い 今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します
保育方針
1.子どもの養護と教育を両輪とした、子ども主体の心と体の育ちの支援
2.子ども一人ひとりの認知・発達に応じた、個々の発達支援
3.地域社会のすべての子育て家庭に対する、様々な取り組みによる育児支援
保育目標(目指す子どもの姿)
1.基本的な生活習慣が確立した子
2.心も体も自立した子
3.自律した行動がとれる子
4.他人に対する思いやりと寛容な気持ちを抱き、援助ができる子

④ 施設・事業所の特徴的な取組
ココファン・ナーサリーの取り組み
1.子どもが本来持っている「育ちのチカラ」を伸ばします
2.子どもの主体的な活動を援助し、子どもの発達を促します
3.養護と教育の一体化を実践し、家庭と連携します

地域の特色
JR南武線矢向駅または尻手駅より徒歩7分位の住宅地の中にあります。家庭との連携を大切にし、子どもたち一人ひとりの個性に光を当て、子どもたちが本来持っている「育ちのチカラ」を伸ばしていきます。
「育ちのチカラ」を育む取り組みとして、学研の総合絵本を使った読み聞かせや、絵本・図鑑コーナーの設置、絵本の貸し出しなどを通して絵本を身近な生活の中に取り入れています。また学研の幼児教育カリキュラム(もじかずランド)(スポチャン教室)を通して、子どもの興味関心を大切にしながら、子どもの発達や成長に適した活動を行っています。その他、子どもたちと高齢者のふれあい、思いやりの心を育む多世代交流を大切にしています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/07/15(契約日) ~2022/03/23(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2016年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)子どもの気持ちに寄り添う保育

子どもの発達と発達過程、家庭環境などから生じる一人ひとりの子どもの個人差を充分に把握し、尊重することを大切にしています。「抱っこして」「絵本読んで」「眠いよ」といった子どもの欲求をできる限り受け取め、子どもの気持ちに寄り添った対応をすることを心がけています。ネガティブな言葉や否定的な言葉は使わず、肯定的な言葉遣いで話しかけています。配慮が必要な子どもを基準としたわかりやすい言葉かけをし、日々の保育の中で子どもの今の気持ちが、満たされるよう努めています。

2)保育士間のコミュニケーションとチームワークの良さ

園では、0,1,2歳児クラス、3歳児クラス、4,5歳児クラスの3つの保育室で安全性を確保しながら活動を行っています。活動内容によってはクラスを分けて行いますが、このクラス編成により、子どもたちは日常的に異年齢児の刺激を受けながら、一人ひとりに応じた発達や人間関係が自然に育まれています。保育士も担当クラスだけでなく、異年齢の子どもの様子を観察し、成長過程を学び、活動内容や状況を共有することができています。クラスを超えて子どもを見守り、意見交換を行うことで保育士間の信頼とチームワークの良さが築かれています。保育士は一人ひとりの子どもの特性や活動の様子を把握しており、降園時にはどの保護者にもその日の様子を丁寧に伝えることができています。園では一日一日の子どもの育ちを保護者と共有し、支援することを大切にして保育を行っています。保護者からは、何でも相談しやすく、安心して預けられると高い評価を受けています。

3)素材を生かし、創意工夫した給食提供

栄養士は、給食時に各クラスを見回り、子どもたちの喫食状況や量などをチェックしています。子どもが食べやすく、見た目も大切にした調理法や興味を引き出す工夫に努め、食べてみたい、また食べたいと思える給食づくりに徹しています。添加物を避け、旬の素材の味を天然だしのうま味で引き出すなど、安心・安全で美味しい給食提供をしています。伝統的な行事食も取り入れ、行事にまつわる意味や由来も分かりやすく説明しています。鯉のぼり型のハンバーグやクリスマスツリーに型どった給食は、見た目も楽しめ、子どもたちに大人気です。 
改善を求められる点 1)事業報告・事業計画は、具体的・段階的な改善策を策定

保育内容に関する職員の自己評価、保護者の行事後のアンケート、及び保育所の自己評価などは定期的に実施し、全体像を把握していますが、それぞれの評価結果から明らかになった課題を段階的に改善していく仕組みが十分ではありません。園全体の課題を明確にし、継続的に見直し、改善を繰り返しながら中長期ビジョンの目標達成に繋がる事業報告・事業計画の策定が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
この度は、第三者評価を受審いたしまして、保育所運営に関わる 様々な点や組織における振り返りをすることができました。第三者評価受審は2回目となりますが、初めての受審経験者が多く、全職員で「第三者評価」に一から取組、「自園の保育」「子ども主体の保育」とは何かを考え、園全体でより質の高い保育を実現するためには何をするべきか意識の向上に努めていきたいと思います。利用者アンケートを通じて頂いた貴重なご意見も真摯に受け止め、保護者の方に心から感謝をし、子どもに対する対応を統一化しに日における保育の質の向上のために職員一人一人の意識向上に努めてまいりたいです。これからも、皆様に安心してご利用いただける、地域に根付いた保育・運営を行ってまいります。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

理念や基本方針は、ホームページ、パンフレット、入園のしおりなどに明記しています。法人は職員の入職時に初任者研修を行い、理念、保育方針、保育に関わる職員としての心構えなどについて具体的に説明しています。また、園内研修を定期的に実施し、職員としての行動規範の理解を深めています。保護者には、資料配布、園内掲示、ブログなどを活用し、理念や基本方針に沿った取組について丁寧に説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

社会福祉事業全体の動向については、法人が一括して具体的に把握し、分析した情報は、毎月開催する「NS(ナーサリー)連絡全体会議」で周知しています。地域の福祉計画については、横浜市のホームページで人口統計情報の確認や鶴見区の園長会に出席し、計画の動向などについて法人エリア担当と協議しています。保育所利用者の推移、利用率の分析などもこのNS連絡会議で確認しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

経営環境やサービス内容について、法人のエリア地区姉妹園で具体的な課題や問題点を定期的に分析し、各園の運営状況を共有しています。協議された内容は、職員会議やミーティングで周知し、必要に応じて資料配布や課題解決に向けた取組を検討しています。職員への周知は更なる工夫が期待されます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

理念や基本方針の実現に向けた法人策定の中長期ビジョンがあります。園は法人が定めたフォームに3年の中長期ビジョンとして項目ごとに課題・改善目標を明記し、年度ごとの進状状況欄を設けています。それぞれの進捗状況を評価する仕組みを充実させるために、数値目標や具体的な成果の評価・見直しを事業報告・事業計画で評価を反映させ、中長期ビジョンの目標達成に繋げる体制が望まれます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

事業計画は、中長期ビジョンに沿った計画を作成しています。事業報告で明らかになった課題を抽出し、具体的な成果や数値目標の設定、実施、改善に繋がる一連のPDCAサイクルを十分にするために、今後は単年度の報告から次年度の計画に継続的な連携を持たせ、改善を繰り返しながら中長期ビジョンの目標に近づける仕組みづくりが望まれます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

指導計画は子どもの成長・発達を見て作成しており、行事計画においては、保護者アンケートの声や運営委員会での結果などを職員会議で検討して作成しています。その一方で園全体の保育の質に関する事業計画には、職員の参画はなく、園長中心に策定しています。策定された事業計画は職員に周知し、重要な課題・項目などについて説明をしています。園では今後、計画期間中の見直しや評価結果を改善に繋げる組織的な仕組みづくりを検討しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

保護者に関連する事業計画は、保護者会や運営委員会で説明しています。議事録は保護者閲覧用にファイルし、保護者は、いつでも確認することができます。また、園だよりや配布物などで計画の内容をわかりやすい説明に配慮していますが、更なる工夫が必要と考えています。           

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

指導計画や保育所としての自己点検・自己評価で明らかになった問題点や課題などを把握し、改善のための対策などを検討・実施しています。しかし、それぞれの評価を定期的に行い、その結果をPDCAサイクルの活用に連携させる仕組みづくりを今後期待します。園は、定期的に受審する第三者評価の結果なども活用し、保育所としての質の向上に繋げていきたいとしています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

保育所としての自己評価は文書化しており、職員会議などで周知しています。保育内容に関連する指導計画や行事計画などの項目については、職員参画で改善や見直しを行っています。園全体の評価や改善は園長とエリア担当で協議し、策定しており、今後は保育所として明らかになった課題の実施計画、見直しなど、園全体の改善策を職員の参画で策定する体制を整えることが期待されます。 

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、法人の方針に沿った園運営を行うことを職員会議や園内の文書で明確にし、周知しています。重要事項説明書やパンフレット、園だよりなどに園の責任者とする園長名を明記しています。職種における業務分担表を文書化し、職員の任務の意識づけと確認をしています。有事における権限委任などの役割分担を明確にしています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、利害関係者と適正な関係を保持しています。社内研修や外部の管理職研修などに参加し、責務・業務における法令遵守を学び、理解しています。職員は、社内研修や「eラーニング」で法令遵守について学んでいます。また、具体的な取組として、個人情報やハラスメントは年1回学習し、問題のある具体例などの情報は回覧方式で理解を深めています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は年に2回実施する職員の自己評価や期待役割面談などで、必要な助言や指導を個別に行っています。姉妹園の会議内容などについて職員に周知し、園状況を共有しています。また、必要に応じて意見交換を行い、具体的な改善策に反映しています。職員の教育、研修は、法人の方針に沿って実施しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

人事、労務、財務関連の分析は、法人中心に行われますが、人員配置、職員の働きやすい園環境の整備などは、法人のエリア担当と協議し、法人に報告しています。園運営の主な内容や方針について職員会議で周知しています。園長は一人ひとりのワークライフバランスに配慮した就業環境は、まだ十分ではないと考え、日常的に職員とのコミュニケーションを図り、職員の意見や意向の把握に努めています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

人材に対する基本的な考え方や人材確保・育成に関する方針は、法人が立てており、園では、法人の方針に沿った人員体制を整えています。法人のホームページには、求める人材、各施設の紹介、福利厚生などを記載した求人情報の紹介があります。法人内外の研修として階層別や専門分野別などの研修の機会を設け、職員のスキルアップを推奨しています。効率的な人材確保や定着までに繋がるためには、まだ十分ではない考え、人材採用には職員の母校や大学、専門学校などへ企業紹介として出向き、説明をしています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人の期待する人材像は「高いコミュニケーション能力、成功・達成させる信念、責任感」としています。法人としての人事基準が定められており、職員に周知していますが浸透度は高くありません。人事基準にもとづいて、専門性や職務遂行能力、職務に関する成果や貢献度などを評価し、処遇に反映しています。職員が自ら将来の姿を描けるように、個人面談や本人の自己評価・次年度の意向などを把握し、各職員に必要な研修や希望する研修の機会を設けています。年に1回、職務申告制度により、法人系列の他業種や異動の希望をする事ができます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員の心身の健康状態、就業状況、有給休暇取得状況や時間外労働などの勤怠状況を把握しています。園長は、日頃から職員とコミュニケーションをとり、会話の様子から個人的に相談を行うなど、総合的なメンタルケアに努め、いつでも相談できる職場環境に心掛けています。福利厚生の利用やワークライフバランスに配慮した取組を行い、職員のストレス軽減につなげています。人材や人員体制の具体的な計画は、法人エリア担当と協議して行っています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

組織として「期待する人材」を明確にし、期待役割シートや自己評価、職員アンケートなどで職員自身の役割と責任の認識を深め、更なる向上に繋げる育成に努めています。職員一人ひとりの評価結果や意向から目標を設定し、目標に向けた取組を行っています。進捗状況の確認のために中間段階や期末に面談を行い、必要な助言や指導をしますが、まだ十分ではなく、さらに一人ひとりの向上に向けた的確な取組が必要だとしています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

基本方針や計画の中に「期待する人材」を明示し、全職員に周知しています。職員に必要とされる専門技術や資格を明示し、研修や講習を計画的に実施しています。受講後は報告書を提出し、他の職員との共有化と自身の振り返りの場を設けています。法人のグループ会社が研修や教育に関してまとめており、研修内容やカリキュラムの見直しなどを行っています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員全員の知識・技術水準・専門資格などの取得状況を把握しています。職員の経験や習熟度に応じてクラス担任、副主任、園長らによるサポートが適切に行われています。階層別、職種別、テーマ別などの研修に参加できる機会を設けています。また、非正規職員にも研修に参加できる機会を設けています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

実習生育成に関する基本姿勢を明文化し、実習生受け入れのマニュアルを整備しています。事前にオリエンテーションを丁寧に行い、実習生の自信に繋がる効果的なプログラムを作成しています。進捗状況を学校側と確認をしながら進めています。2022年の1月・2月に実習生を受け入れる予定があります。受け入れは積極的に行っています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

ホームページや園のしおりなど情報媒体に保育所の理念・基本方針、保育内容などを公開していますが、予算、決算情報は、公開していません。保護者用の閲覧ファイルに事業計画・事業報告を公開しています。第三者評価は今年度2回目の受審をしています。苦情・相談については、重要事項説明書に苦情解決の体制、外部に相談できる第三者委員名、苦情解決の手順や結果報告に関して詳しく明記し、園内にも掲示しています。横浜市鶴見区こども家庭支援課や矢向地区センターで行われる区の子育てイベントにおいて、パンフレットや園の情報などを配布しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

事務、経理、取引に関するルールや職務分掌と権限・責任は運営規定に定めており、職員に周知しています。定期的に内部監査や外部の専門家による監査支援を実施しています。月末には、法人事務局に園経費を提出し、内容の確認を行っています。監査支援の結果や指摘事項にもとづいた経営改善を行っています。キャリアアップ導入制度により、処遇の見直しなどを改善しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画や中期計画に地域との関わりについて基本的な考え方を明記しています。玄関先には、保護者や子どもが活用できる社会資源や地域情報を提供しています。矢向地区センターで行われる区の子育てサロンで、未就学児向けの手遊び、乳児の離乳食相談など、定期的に協働参加していましたが、現在はコロナ禍のため、中止しています。近くの高齢者施設へ幼児たちが定期的に訪問し、敬老の日には、園児作の花束の壁掛けを贈呈していましたが、この取組もコロナ禍のため、現在は縮小し職員が代わりに届けています。コロナの状況が改善したら、再開する予定にしています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティア受け入れの基本姿勢を明文化しています。「実習生・ボランティア受け入れマニュアル」を策定しており、受け入れが確定した場合は、子どもや保護者に周知しています。学校教育の協力として、中学生の職場体験や小学生が作った「影絵」の披露に訪れています。ボランティアの要望があれば、できる限り受け入れをしていますが、コロナ禍のために状況に応じた対応を行っています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

関係機関や団体の連携は適切に行っています。特に配慮の必要な子どもの関係機関や連絡先、担当者、電話番号などのリストを作成しています。定期的にケース検討会、連絡協議会への参加や関係機関からの訪問により、保育現場の実情を共有しています。家庭での虐待などについては、横浜市鶴見区役所の担当者と定期的に情報交換を行い、必要に応じて適切な助言や指導を受ける体制ができています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

園長は鶴見区の園長連絡会、矢向地区子育てサロン関連の会議や運営委員会出席の民生委員・矢向地区センター職員などの参加により、地域の福祉ニーズや生活課題を把握しています。矢向地区センターで開催の子育てサロンでは、子育ての悩みなどの相談を受けています。現在はコロナ禍のため、積極的な活動は行えませんが、できる事を話しあい、取り組みたいとしています。コロナウイルス感染の状況により、地域向けに絵本の貸し出しなども積極的に行っていきたいとしています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

世代を超えた地域交流として高齢者施設に訪問し、話をしたり、昔遊びを教えてもらっています。また、敬老の日には、花束の壁掛けを贈っています。現在は、コロナ禍のため、訪問を控えていますが、高齢者施設職員と協議し、コロナ禍での交流を検討しています。今後は、地域住民との共助に繋がる工夫が期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもを尊重した保育についての基本姿勢は、運営ガイドラインの中の「子どもの人権」において明示されています。職員が共通の理解を持つために、副主任は資料を用いて研修を行っています。保育方針の中の「子どもの養護と教育を両輪とした、子ども主体の心と体の育ちを支援する」という姿勢で、年間・月・週と保育計画を立て、子どもの今の状況に応じた保育を心がけています。保護者に対し、食事に関しての文化や思想などを理解し、可能な限り対応を行うことを示しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

運営ガイドラインの中の「子どもの人権」において、子どものプライバシーを守るための規定があり、職員は遵守しています。日常的な保育の中で子どもが恥かしいと思ってしまう言葉や強制する言葉は、使わないように心がけています。職員は法人の研修に参加し、プライバシー保護について理解しています。衝立てを用意しておむつ替えをしたり、着替えをする時はカーテンを引き、他の人に見られないようにするなど子どもの羞恥心に配慮しています。入園時の説明で、園が保護者に対し子どものプライバシーを守ることを伝えています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

パンフレット、ホームページともに保育理念や保育方針、園の概要をわかりやすく載せています。保育の内容や保育園の特性等を紹介した資料やパンフレットを地域の子育て広場や区役所に提供しています。見学の希望者にはパンフレットを渡し、個別に丁寧な説明をしています。コロナ感染防止対策のため、4、5歳児の教室や廊下、屋上の見学が中心になりますが、できる限り見学者の質問に答えるように努めています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

入園が決まった子どもの保護者に対して、入園説明会を開催し「ココファン・ナーサリー矢向、生活の手引き(重要事項説明書含む)」を渡しています。外国籍の保護者がわかりやすいよう英文版や振り仮名をふるなど工夫した資料を用いて説明をしています。入園説明会後に保護者の同意を得た上で、その内容を書面で残しています。年2回の個人面談は、保護者の意向を十分に聴き取り、保育の具体的な内容や日常生活に関する事項、その他の留意事項等をわかりやすく説明しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育所の変更にあたり、転園先保育園と引き継ぎに関して、個人情報保護の観点より積極的には行っていませんが、必要に応じて転園先保育園と連絡を取り合うこともあります。卒園時には、子どもや保護者にいつでも気軽に遊びに来たり、どんな相談にも応じることを口頭で伝えています。また、必要に応じて文書化しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者との個別面談や保護者会において、利用者満足を把握しています。運動会や発表会など行事後には、必ず保護者アンケートを実施しています。職員がアンケートを集計し、法人への報告と職員会議で把握した結果を分析・検討しています。分析、検討の結果、園から保護者への知らせを手紙かインターネットのどちらか選べるよう改善しています。今年度より、行事以外の運営や園全体の満足度に関するアンケートにも取り組んでいます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の仕組みが確立しており、保護者へは、入園説明会や園の玄関に苦情解決フローチャートを掲示していますが、周知には課題もあります。重要事項説明書にも苦情・要望についての体制と手順を明確に説明しています。苦情・要望は、職員間で周知し改善を図り、保護者会や運営委員会で報告しています。保護者からの苦情には迅速に対応し、「苦情解決結果報告書」を保管しています。苦情相談内容にもとづき、保育の質の向上に関わる取組が行われています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

意見箱は園の玄関に設置し、いつでも意見を言いやすい環境を作っています。登降時には、保護者に気軽に声をかけてもらえるように心がけ、コミュニケ―ションをとるようにしています。その他に連絡帳、アンケート、電話での相談も受けています。職員室は玄関と隣接していて、園長や保育士と相談しやすいような環境に配慮しています。家庭の状況や子育て相談など保護者から多くの相談を受けています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

意見箱の設置、アンケートの実施等、保護者の意見を積極的に把握する取組を行っています。保護者からの相談や意見があった場合には、職員はできる限り迅速な対応を心がけています。その意見は職員間で共有し、保育の質の向上に役立てています。保護者会の中で、気付いた点がある際は、遠慮なく知らせてほしい旨を伝えています。保護者からの相談や意見に関しての対応マニュアルは、法人が定期的に見直しを行っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメントに関する職員の意識は高く、体制を整備しています。首から上のけがは、基本的に受診するようにしています。事故発生時の手順は、保護者に連絡して受診するかどうか確認し、職員が病院に連れて行くという手順を明確にし、周知しています。職員は運営ガイドラインの事故対応マニュアルを参考にして園内研修を行い、法人が定期的に見直しを行っています。週に1回、各クラスごとに事故防止チェックリストをもとに遊具や玩具、環境の安全点検を行い事故防止につなげています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症の予防策として、運営ガイドラインの感染症マニュアルをもとに園内研修を行い、周知徹底しています。コロナ感染防止のため、看護師を中心に入念な手洗いとうがいを指導しています。手洗い場に洗い方のポスターを掲示し、ペーパータオルを置いて衛生に配慮しています。月末は、感染予防チェック表で感染症の予防対策を確認しています。毎日、廊下や手すり、玩具を消毒しています。月に1回保健だよりを発行し、保護者へ情報提供をしています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害時のマニュアルがあり、災害時の対応体制が決められています。子どもたちの安全の確保に力を入れ、月に一回、避難訓練計画をもとに様々な災害を想定した訓練を実施しています。大雨による浸水を想定した訓練も行っています。保護者に対して防災伝言ダイヤル体験を行っています。保護者に配布している「生活の手引き」には、保育時間内非常事態について第一避難場所と広域避難場所が明記されています。備蓄リストを作成し、備蓄を整備しています。職員は防災点検業者の指導の下、消火器訓練を行っています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

運営ガイドラインの「保育の手引き」に標準的な保育の実施方法を文書化しています。職員は、研修の中で「保育の手引き」の読み合わせを行っています。保育の実施時の留意点や子ども・保護者のプライバシーへの配慮、業務手順など保育全般にわたって理解しています。各クラスの日誌、週案、月案、個人記録を振り返り、標準的な実施方法にもとづいて保育が行われているか確認しています。それぞれの子どもの個別性に対応し、臨機応変に保育内容や時間を変更しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

保育の標準的な実施方法を明記した「保育の手引き」は、法人が主体となり、同法人内の園長たちの意見を集めて見直しをしています。検証・見直しにあたり、全体的な計画・年間指導計画・月間指導計画などの内容が必要に応じて反映されています。毎月の職員会議の場で、月間指導計画のねらいや反省を話し合い、保育の質の向上を目指しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

アンケート、保護者会、個人面談、連絡帳や送迎時の会話の中から保護者のニーズや意向を把握しています。年2回の個人面談は、担任保育士だけでなく、必要な場合には栄養士も参加して、子どもの身体状況や生活状況の聞き取りをしています。園や地域の状況を踏まえた全体的な計画にもとづき指導計画を作成しています。指導計画をもとにした保育を実践し、振り返りや反省を行う仕組みが構築され、機能しています。配慮が必要な子どもの対応については、個別ケース事案として職員間での検討や横浜市東部地域療育センターと連携を取るなど適切な保育の提供を行っています。園は、一人ひとりの子どもの心身の状況や家庭環境を捉えていくことに今後も力を入れて取り組んでいきたいとしています。    

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

各クラスの職員は、指導計画の反省と評価をし、職員会議で報告しています。また、次の指導計画を発表しお互いに意見を出し合い保育の質の向上につなげています。年間指導計画は4期に分け、期ごとに評価と反省をしながら月案、週案を立てており、必要があれば見直しています。全ての指導計画を園長と副主任で確認しています。指導計画を変更する場合、お便りや玄関の掲示板に周知し、送迎時に保護者に口頭でも伝えるようにしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達状況や生活状況等は、園が定めた統一シートに記録しています。子どもの発達に関する経過記録は、0、1歳児は毎月、2歳児以降は年4回、健康や人間関係など30以上の発達過程に関する項目を詳しく記載しています。経過記録は、指導計画と連動し、系統的に保育活動が展開されています。記録内容や書き方を園長が確認し、職員に指導しています。記録ファイルを通じて、職員会議や毎日のミーティングの場で職員が共有し、周知しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

運営ガイドラインの中の「個人情報保護方針」により、子どもの記録の保管、個人データの安全管理、個人情報に関する組織の体制などを定めています。入園時に、保護者に対し個人情報の取り扱いについて説明し、「生活の手引き」に明記しています。個人情報に関する同意を得た上で、園での子どもの様子をブログで公開しており、保護者全員にIDとパスワードを伝えています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

保育理念、保育方針、保育目標は、法人共通の内容となっています。「すべての人が心ゆたかに生きることを願い、今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します」という理念をもとに園独自の目標を定め、毎年職員の意見を聞きながら全体的な計画をまとめています。園長を中心に保育に関わる職員全員で年度末に見直し、次の作成に活かしています。教育・養護・食育に関する項目は年齢別に計画を設定し、異年齢交流、長時間保育、健康支援、障害のある子どもへの配慮について考慮して作成しています。児童福祉法、子ども子育て支援法、その他関係法令を順守し、保育所保育指針及び全体的な計画に沿った乳幼児に必要な保育・教育を提供しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

生活にふさわしい場として子どもが居心地良く過ごせるように、清潔と整理整頓を心がけています。感染症対策のため、毎日、教室や廊下などの消毒を行っています。厚生労働省既定の温度、湿度を基準とし、換気に気を付け適切な環境の保持に努めています。子どもたちの午睡に使う布団は、定期的に乾燥しています。建物の構造上、子どもがくつろいだり、落ち着ける場所を確保することは難しいですが、ゆったりできるようなコーナーを設定するなど工夫をしています。手洗い場に洗い方のポスターを掲示し、ペーパータオルを置いて衛生に配慮しています。トイレは明るく、清潔で、ドアがあり、排泄に関する子どものプライバシーが守れる環境を整えています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達と発達過程、家庭環境等から生じる一人ひとりの子どもの個人差を充分に把握し、尊重することを大切にしています。「抱っこして」「絵本読んで」「眠いよ」といった子どもの欲求をできる限り受けとめ、子どもの気持ちに寄り添った対応をするよう心がけています。ネガティブな言葉や「ダメ」という言葉は使用せず、肯定的な言葉遣いで話しかけています。配慮が必要な子どもを基準としたわかりやすい言葉かけをし、日々の保育の中で子どもの気持ちが満たされるよう努めています。子どもが安心して自分の気持ちを表現できるように子どもの思いに耳を傾け、子どもの気持ちを汲み取っています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの子どもの発達に合わせて、生活に必要な基本的な生活習慣が身に付けられるよう配慮しています。手洗い場には、手洗いの仕方を伝えるポスターを掲示しています。トイレの入口の床にスリッパの絵を貼り、トイレから出た時にスリッパが揃えられるよう工夫しています。生活習慣を身に付けることの大切さについて、子どもが理解できるようにわかりやすく絵にして伝えています。着替えや身支度の際は、複数の保育士で対応し、子どものペースで行えるよう見守り、さりげなく援助しています。年齢に応じた声かけをすることによって、子どもが自分でやろうとする気持ちを尊重しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

危険なことを除いては、子どもが自ら行っていることを制止せずに見守り、子どもが自主性を発揮できるよう援助しています。天気の良い日は、近所の公園に散歩に出かけたり、短時間でも屋上で体を動かすようにしています。屋上は、三輪車遊び、鬼ごっこ、電車ごっこ、縄跳び、フラフープなどが楽しめる広さがあります。遊びを通して、友だちとの人間関係が育まれ、ルールを身につけていくよう配慮しています。貨物列車を見に行ったり、消防署へ消防車の見学など社会体験が得られる機会を設けています。リズム遊びでは、のびのびと体を動かし、虫や動物、電車などを表現し、豊かな感性を養うことを大切にしています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児が、長時間過ごすことに適した生活と遊びの環境を工夫しています。保育室は、異なる年齢の子どもが入れないようにサークルで囲み、乳児が安全に過ごせるよう配慮しています。0歳児が興味と関心を持つことのできる職員手作りの玩具があり、安全で丈夫な作りにしています。子どもの生育歴の違いに留意し、特定の保育士が応答的に関わることによって、子どもが安心するよう努めています。園と家庭が毎日記入する連絡帳を活用し、食事や睡眠、排せつ、園での様子、家庭での様子を伝え合っています。月1回、一人ひとりの子どもの発達に関する経過記録を作成し、発達過程に応じて必要な保育を行っています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

子どもが安心して遊びを中心とした自発的な活動ができるよう指導計画を作成しています。戸外に出た際は、公園で虫を探して楽しんだり、木の葉を集めて自然を感じる機会を頻繁に作っています。食育の一環として、珍しい野菜や果物に触れるなど養護と教育の一体的な保育の取組をしています。0~2歳児、3~5歳児とそれぞれ同じフロアに保育室があるので、異年齢交流を多く取り入れています。送迎時に保護者とコミュニケーションをとることで信頼関係を築き、保育に活かしています。職員は、子どもの自我を受け止めつつ関わっていくことを課題と考え、子ども一人ひとりの状況に合わせた関わりが持てるように努めています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

一日のタイムスケジュールを絵カードにし、可視化することによって子どもたちが理解しやすいよう工夫しています。楽しみながら数の数え方や文字を学ぶ学研独自の「もじかずランド」や礼儀や強い心と体を育てる「スポーツチャンバラ」、当番制でメダカのえさやりなどを保育活動に取り入れています。小学校以降の生活や学習の基盤の育成につながることに留意し、幼児期の生活を通して、創造的な思考や主体的な生活態度などの基礎を培うようにしています。発表会での劇や合奏では、個性を生かし友だちと協力してひとつのことをやり遂げる活動に取り組める環境を整えています。また、コロナ禍以前は、子どもたちの共同作品を持参して高齢者施設に訪問する機会がありました。 

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達過程や障害の状態を把握し、障害のある子どもが安心して生活できる環境整備を行っています。エレベーターが設置され2階・屋上の昇降に利用できます。月末には配慮が必要な子どもに個別の指導計画を作成し、園長、栄養士、担任保育士で話し合いを行います。必要に応じて個別対応や一日のタイムスケジュールを絵カードにし、可視化することによって子どもが理解しやすいよう工夫しています。職員は、配慮が必要な子どもと保護者をフォローする研修に参加しています。横浜市東部地域療育センターと連携を取り、専門的な助言を受けて適切な保育の提供を行っています。その内容は、職員間で共有し、保護者にも伝え共通認識を持つよう努めています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

一日の生活を見通して、その連続性に配慮し、子ども主体の計画性を持った取組をしています。延長保育の子どもに対し在園時間や生活のリズムに配慮して、米飯と汁物などの夕食を提供しています。延長保育の時間帯は、子どもが好きな遊びが好きなようにできるよう玩具を用意し保育士が見守ったり、絵本や紙芝居を読んで一緒に過ごしています。当日の子どもの状況や各クラスの活動についての職員間の引継ぎは、毎日行われる昼ミーティングで情報共有をしています。毎日の連絡帳や送り迎えの際に、保護者に子どもの様子を細かく伝え、家庭との連携が十分に取れるよう配慮しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

日々の保育において、進学に向けた取組をしています。楽しみながら数の数え方や文字を学ぶ学研独自の教材の「もじかずランド」や礼儀や強い心と体を育てるスポーツチャンバラなどを保育に取り入れています。子どもたち一人ひとりの個性を活かし、本来持っている「育ちのチカラ」を伸ばすことを目的としています。今年度の運動会を近隣小学校の体育館で開催し、小学校以降の生活について見通しが持てる機会となりました。個人面談で小学校入学についての説明とアドバイスをしています。コロナ感染防止対策のため、小学校教員と直接的な交流はしていませんが、電話などで連携を図っています。就学に向け、進学先の小学校へ子どもの育ち・発達の状況を記録した保育所児童保育要録を送付しています。小学校との連携、就学を見通した計画にもとづいて、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

健康管理に関するマニュアル、保健年間計画などに沿って、子どもの健康管理を行っています。朝の受け入れ時間帯に職員は、子どもの視診を行い、子どもの健康状態を把握しています。子どもの体調悪化の際は、まずは保護者に連絡をしています。また、毎日の昼ミーティングで、保育士は子どもの体調の様子を伝え合い、全職員が子どもの健康状態を把握しています。既往症、予防接種状況、健康診断結果を記載した「健康調査票」を活用し、子ども一人ひとりの健康状態を把握しています。職員は乳幼児突然死症候群に関する知識を習得し、午睡時にはタイマーをかけ、5~10分おきに子どもの呼吸・体勢などについてチェックしています。保護者には、入園前説明会や「生活の手引き」で啓発しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

嘱託医による健康診断・歯科健診を年2回実施しており、身長・体重の身体測定は職員が毎月行っています。健康診断には、嘱託医が訪問し、健康の状態を把握しています。嘱託医の協力のもと、歯磨き指導を行っています。健康診断や歯科健診、身体測定の結果を職員で共有し、保健年間計画や指導計画等に反映させ、子どもの心身の健康教育につなげています。健診がある日を事前に保護者にお知らせし、結果を当日に伝えるようにしています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに対しては、「保育所におけるアレルギーガイドライン」をもとに子どもの状況に応じた対応を行っています。食物アレルギーに関しては、入園面談時に保護者から個別に聞き取り、情報を得ています。医師の指示のもとに完全除去食を提供しています。定期的に保護者面談を行い、アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて適切な対応を取っています。提供の際にミスがないように、給食担当、複数の保育士で声をかけ合いチェックしています。保育室では、食事前に他の子どもにアレルギー食について伝え、理解を図る取組を行っています。お盆に名前を貼り、食器の色を変え、専用の台ふきんを使用するなど、事故が起きないよう配慮しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

子どもが楽しく落ち着いて食事がとれる環境づくりに工夫をしています。コロナ感染防止対策のため、個々の席に透明のパーテーションを使用しています。食べやすい形状にしたり、両手のマグカップや小さなスプーンを使用するなど一人ひとりの子どもの発達に合わせた食事の援助を行っています。無理せず、完食の達成感を感じられるよう食器の大きさや量を日々見直しています。栄養士は、保育士と連携し、野菜の栽培や調理実習を行い、食について関心を深めるための取組を行っています。子どもたちからのリクエストを献立に取り入れ、食べたいもの、食べられるものが少しでも多くなるよう援助しています。食育新聞を通して、園の食育に関する取組を保護者に伝えています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

喫食簿があり、各クラス担任が毎食、子どもたちの喫食状況や味付け、量をチェックしています。好き嫌いを把握し、残食が多い献立は、調理方法や味付けを変えるなど栄養士と情報を共有し、次の提供に活かしています。子どもにとって、食べやすい調理法を検討し、日々改善しています。栄養士は、給食の時間に保育室を回り、食事の様子をみて、一人ひとりに声をかけています。添加物を避け、天然だしを使用するなど安全な食事の提供を心がけています。咀嚼の発達を促すため、かみごたえのある根菜類、ヒジキ、昆布を食材として使用するよう努めています。季節の行事に合わせた献立になるよう配慮しています。鯉のぼりの形のハンバーグやクリスマスツリーの形に型どった給食を提供し、子どもたちには好評です。衛生管理の体制を確立し、マニュアルにもとづいた衛生管理が適切に行われています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

0、1、2歳児までは、毎日の排便、睡眠、食事の様子などの様子を連絡帳や登降園時に伝え、一人ひとりの発達過程を園と家庭で共有し連携をとっています。3歳児以上は、必要に応じた情報を交換しています。個々に必要な伝達がある場合は、連絡帳や口頭で伝えています。園の全体的な活動内容はブログ、玄関先(コロナ禍では玄関先のみ掲示)で周知しています。毎月配布するクラスだよりや懇談会、保育参加などで園の保育方針や保育内容の理解を深め、保護者と共に子どもの成長を育み、共有しています。保護者の相談内容は、必要に応じて記録し、職員間で共有しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の求める人材像には、高いコミュニケーション能力をあげています。園では、日常的に保育士間のコミュニケーションが円滑に行われており、各職員は、保護者全員を把握し、保護者のどんな相談も対応できる態勢を整えています。相談内容により、担当保育士、栄養士、看護師や園長などが対応しますが、その他、必要に応じて関係機関に連携する態勢も整えています。日常的に保護者の対応をスムーズに行い、安心して子育てがでる支援に努めています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

子どもの人権や虐待に関するガイドラインが策定されています。法人のガイドラインに沿ったマニュアルが整備され、日常的に虐待などの兆候を見逃さないように保護者や子どもの様子を観察し、注意を払っています。職員の理解を深めるために人権侵害における研修や自己評価などを実施し、虐待や人権侵害について継続的な意識付けを行っています。横浜市鶴見区こども家庭支援課、ヨコハマはぴねすぽっと「子ども虐待の防止」や鶴見区児童相談所などとの連携体制を整えています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

日常的に指導計画に沿った保育実践が行えたかどうかを記録などを通して保育士間で話し合っています。また、子どもの心の育ち、意欲や取り組む過程が、適切であったか総体的な自己評価を定期的に行っています。保育士の自己評価による課題を抽出し、保育の改善や専門性の向上に取り組んでいます。今後は更に保育士の自己評価から園全体における具体的で実行可能な改善・反映までのサイクルを構築し、園の質の向上に繋げる仕組みを期待します。