社会福祉法人 神奈川県匡済会 寿福祉センター保育所
第三者評価機関名 | 日本会計コンサルティング株式会社 |
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名称 | 社会福祉法人 神奈川県匡済会 寿福祉センター保育所 | 評価対象サービス | 2021 保育所版 |
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対象分野 | 認可保育所 | 定員 | 60 名 |
所在地 | 231-0026 横浜市中区寿町4-13-1 |
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TEL | 045-641-0275 | ホームページ | https://kyosaikai.jp/service/kotobuki-hoiku/ |
【施設・事業所の概要】 | |||
開設年月日 | 1968年07月01日 | ||
経営法人・設置主体(法人名等) | 社会福祉法人 神奈川県匡済会 | ||
職員数 |
常勤職員:14 名
非常勤職員:10 名
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専門職員 |
看護師:1 名
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施設・設備の概要 |
保育室:6
事務室:1
給食室:1
相談室:1
乳児幼児トイレ:1
大人トイレ:3
福祉トイレ:1
園庭:1
屋上スペース:1
地域支援室:1
多目的室:1
ホール:1
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(1)理念 法人 ・あらゆる人の尊厳を守り、常に人が人として文化的生活を営めるよう、その自立に向けた支援に努める 施設 ・児童憲章・児童福祉法、子どもの権利条約を守ります。 ・保育を必要とする子どもの健全な発達のために保育の専門家が養護と教育を行います。 ・保護者が安心して子どもを預け、ともに育ち合う保育所を目指します。 ・地域社会と連携して、すべての子育て家庭の支援を行います。 (2)保育目標 元気いっぱい・友達いっぱい・感動いっぱい *内容 ・元気いっぱい遊べる子ども ・自信をもって、自分を表現できる子ども ・思いやりと感謝の心を持つ子ども ・感性豊かな子ども (3)基本方針(保育姿勢) ・くつろいだ雰囲気の中で、遊びきる環境を整えます。 ・友だちとのふれあいや遊びを通して、好奇心・意欲・思いやりのある優しい心を育てます。 ・健康で丈夫な身体作りを心がけます。 ・食育・はだし・散歩・泥んこ遊び・伝承遊び・リズム運動など各年齢に合わせて行います。 ・職員全員で全ての園児をみます。 |
・開設当初から支援家庭や障がいを持った子ども、外国籍児を受け入れており、地域療育センター等の関係機関と連携を図りながらの障がい児保育は技術、知識の蓄積があり需要が多い。外国語の出来る職員配置等外国籍家庭の支援を行っている。 ・「ありのまま受け入れる」ことを大切にしているので集団の中においても一人一人に合わせた対応を心がけている。共に育ちあう中で、子どもたちも自然と「自分と違う個性」「多様性」を受け入れられるようになっている。 ・地域交流に力を入れており、地域の方々にも大切にされている保育所である。 |
評価実施期間 | 2021/06/01(契約日) ~2022/02/15(評価結果確定日) |
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受審回数(前回の受審時期) | 2 回(28年度) |
特に評価の高い点 | 1.子どもの特性と家庭環境について、「ありのままの姿を受けとめる」保育により、一人ひとりの豊かな感性と表現を育んでいます 保育所は、子どもの誕生から入園までの姿と家庭環境について、行政や関係機関からの情報及び保護者との面談で把握し、児童票等への記録により全職員に周知しています。入園後は送迎時の連絡や面談などの保護者とのコミュニケーションにより、子どもの生活リズムや習慣を把握し、家庭と連続した園の保育により子どもの成長を支えています。地域特性として外国籍の子どもが多く、保護者の生活習慣や価値観は個々に異なっており、育児だけでなく日本の生活習慣に戸惑う保護者も少なくありません。離乳食の進め方やトイレトレーニング、毎日の給食や地域交流など、保護者の意志を確認するために理解を得る説明には翻訳文書の用意や通訳を介するケースもあります。また、保護者や家庭支援としては、外国籍家庭支援団体や療育センターとの連携、不満や愚痴を言える関係づくり、絵本や着替えの貸出、沐浴の実施など、個々の問題に日常的に対応しています。毎日の保護者と職員間の連絡は、連絡帳に加えてインターネットによるコミュニケーションツールを使用し、送迎予定や子どもの状態等を共有しています。障がいや配慮を要する子どもも少なくなく、中部地域療育センターの巡回により個々の保育への助言を受けて職員の保育スキルを高めています。子どもの障がいや発育状況は様々で、職員は3対1や1対1の体制で安全を確保しつつ、登園から降園まで、自由遊びや散歩、リズム運動および排泄や清潔及び昼食やおやつ等、遊びと生活の場面で援助しています。子どもは障がいのあるなしに関係なく、同年齢の友だちだけでなく異年齢の子どもとも合同保育等で遊び、散歩での地域の人との出会いや自然との触れ合いなど、毎日、感動を得ながら身体と心を成長させています。 2.乳児期から幼児期の子どもたちの段階的な発育により、就学までに育って欲しい10の姿を明示して全職員で取り組んでいます 法人の基本理念である「あらゆる人の尊厳を守り常に人が人として文化的生活が営めるようその自立に向けた支援に努める」を、職員の「心からの思い」であり「行動の宣言」とクレドに示し、職員の保育姿勢としています。当園のしおりでは、子どもたちの育つ力を信じて、自信を持って巣立って行けるよう、一人ひとりを大切にした援助を通して未来へとつなげることを、保護者に伝えています。年度の「全体的な計画」では、保育理念に基づく目標に向けて、年齢クラス別の「リズム、散歩、椅子運び・雑巾がけ、伝承遊び」及び共通の「薄着・裸足、水・どろんこ」を示し、また、幼児クラス共通の「行事、地域交流」と、「園内の約束ごと」、「小学校との連携」を明示しています。それに基づく、年齢クラスごとの年間指導計画、保健計画、食育計画では、いずれも子どもの年齢に相応した成長を計画しています。さらには、イラスト入りの「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を備えて、保護者への説明にも活用しています。健康な心と体、自立心、協同性、道徳性・規範意識の芽生え、社会生活との関わり、思考力の芽生え、自然との関わり・生命尊重、数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚、言葉による伝え合い、豊かな感性と表現の10項目は、月の指導計画や個別指導の中で、段階的に育んでいます。園は、全職員で子ども全員の保育に努め、保護者には担任に限らずかかわり、インターネットによるコミュニケーションツールや送迎時及び個人面談にて、子どもができたこと、友だちとの協力など成長を伝え、子育ての悩みには思考の転換やポジティブな言葉づかい等を提案しています。また、卒園児には1年間のアルバムとお泊り会のDVDをプレゼントし、5歳までの成長を祝うとともに、卒園後の人としての自立を応援しています。 3.職員の質の向上に向けて、人材育成に真摯に取り組み、職員の教育・研修の機会を確保しています 保育所は、一人ひとりの人材育成に取り組んでいます。まず、新人育成については、ある程度の経験を積んだ先輩職員が、一定期間マンツーマンで新人の指導にあたるプリセプター制度により、一年間、指導役との1対1の指導を行っています。また、先輩職員は直接的な業務以外にも、悩みを一人で抱え込んでしまいがちな新人の一番身近な相談相手としての役割も果たします。加えて、新人の目標設定、振り返り、フィードバックを先輩職員、主任、所長、法人がそれぞれ行い、法人全体で新人育成に取り組んでいます。新人は様々な職員からフォローを受け、知識や技術の定着を目指します。こうした取り組みにより、人材の育成のみならず、新人の職場への定着を図っています。また、等級要件表に明示した求められる職員像に基づき、目標管理のための個人育成計画書を個人毎に策定しています。計画期間については、1年間の目標と、2~5年程度の中長期目標の両方を設定し、職員が将来像を描きやすいよう人材育成に取り組んでいます。計画の策定と進捗の確認にあたっては、半年に1回の面談を実施し、進捗管理を行っています。個人育成計画書に基づき、非常勤を含めた、すべての職員に法人主催の研修、外部研修への参加機会を確保しています。 |
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改善を求められる点 | 1.健康な心と体をつくる食育が、新型コロナウイルス感染防止のために妨げられていますが、子どもの楽しい食経験を増やすためのさらなる工夫に期待します 年齢別の「食事状況調査書」を使い、家庭での授乳や離乳食、食事の現状を保護者に記入してもらい、園での喫食状況を追記しながら更新しています。授乳や食事の様子、既往症の欄を設けて、食べ物や水分の嗜好、食器や使用具、家庭で気をつけていることや心配なことを把握しています。食物アレルギーについては児童健康台帳で把握内容を更新しています。医師からの「除去依頼書」の更新提供を求めて、個々の代替え食材や禁食に徹底するなど、一人ひとりの安全な食事を提供し、子どもたちの栄養管理に取り組んでいます。園の新型コロナウイルス感染防止対策では、子どもの食事の席は離し、話をしないことを決めて、職員はマスク着用の体制を取り、食育計画の園目標「卒園までに様々な食べ物を食べてみよう」では、食事時間とは別に、食べた食材の話やお絵かき等で食育を行っています。日本食に戸惑う外国籍の子どもには、毎日、一人ひとりに説明して喫食を支援しています。もう一つの目標の「楽しい雰囲気の中で食べよう」への取り組みでは、スイカ割やお泊り保育、七五三クッキーづくりなどは工夫や一部の変更で行なっています。また、園外保育でのお弁当は園庭で体験し、バイキング会食では、料理の選択など方法を変更しています。地域との交流会食は中止しましたが、オンラインの活用など、感染対策をしながらできること探しや工夫を行い、思い出につながるさらなる取組みが望まれます。 2.日々の活動の振り返りは定期的かつ随時で行っていますが、職員の日常的な提案など記録の習慣化のための書式作成が望まれます。 今回の調査において、保育サービスの質を保つために保育の全体的な計画や年間、月間の計画が策定されていることを確認してきました。また、それを実現する個々の保育士の育成にも個別の計画を立てたり、個別面談でフォローする等保育力向上のために取り組んでいることも確認出来ました。加えて、行事等の都度行っているアンケート調査結果を職員会議等で共有したり、改善の取組などを行っています。しかしながら、日常の保育での職員間の意見交換や振り返りおよび相互の提案などは、会議とは異なり記録されていない場合もありました。その取組を次に活かすためには、職員の提案や取組み成果などを他の職員に共有し、記録の習慣化も有効です。職員がポイントを明確に記録ができるよう工夫した書式の作成により、記録を取ることが習慣化され、必要に応じて記録をもとに振り返りが出来る状態にすることが期待されます。 3.それぞれの活動の基軸となる長期のビジョンの策定や到達点が確認できる中期経営計画の完成が待たれます 今回の調査では、コロナ禍でありながら、普段通りの保育活動の継続や、保護者や地域との連携を絶やさないように工夫している取り組みを確認してきました。それを実現出来る職員の教育体制と実施事項も確認してきました。そうした取り組みを今後も継続していくことが望まれます。そのためには、中長期的な視点での経営課題や、課題解決に向けた具体的なアクションを記載した計画の策定が有効です。コロナ禍の状況等環境変化が激しいため、保育所全体で一体感をもって事業計画に取り組む必要があります。そのために、保育所が行うべき重点事業やその背景について職員の理解を図ることが必要です。今後の目指す方向を明確にし、職員と共有していくために、中長期計画の策定が望まれます。さらに、中長期計画と単年度の事業計画を連動させたり、キャリアパスを整理して目指す職員像と現在行っている研修を連動させるなど、保育所が行っている様々な取り組みが中長期的に継続されることが期待されます。 |
新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中での第三者評価受審となり、ヒヤリング以外はオンラインや電話での対応にする等、ご配慮いただきました。ありがとうございました。施設長、主任はこの立場での第三者評価受審は初めてでしたが、毎回丁寧に対応して下さり、こちらの質問にも親身になってお答え下さり、多くの気づきと学びを得ることができました。今年は新卒者3名の他にも新しい職員もおり、第三者評価受審が初めての職員が多くいました。日本会計コンサルティングさんの始めの説明で「誰にも相談せずに自己評価に取り組んでください」とのことでしたが、保育士としての経験の浅い職員には理解が難しい文言や表現もあったのではないかと感じました。しかし、各自が真剣に項目ごとにじっくり考える機会を得たことは、理解を深めるきっかけになりこれからの当園の保育の質向上に大いに役立つものと思います。第三者の目で見て頂くことで当園の頑張っているところ、強みを再認識できたことは職員の励みになりますし、課題についても向上していくために貴重なアドバイスを頂きましたので、全職員で共有し「質の高い保育」の実現を目指しひとつひとつ真摯に取り組んでまいります。 保護者の皆様におかれましてはお忙しい中、アンケートにご協力いただき感謝申し上げます。また大変勇気づけられる評価をいただきこの結果を励みに精進してまいります。 |
詳細評価PDF |
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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 |
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【第三者評価結果:a】 保育所は、法人理念及び保育所の理念や目標、保育姿勢等を明文化し周知しています。周知の方法は主に、玄関、会議室、玄関ホールへの掲示です。加えて、パンフレットやホームページにも法人理念や保育所の理念を記載し、周知しています。また、職員へは、保育所の理念等を記載した「コンプライアンスカード」を常に携帯させています。さらに、毎月の職員会議において、コンプライアンスカードの読み合わせを行っています。新人職員については、法人本部で保育所理念に関する勉強会を実施しています。その他、利用者に対しては、入所面談の時に保育所のしおりを配布し、個別に説明しています。 |
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 |
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【第三者評価結果:a】 法人は、事業経営をとりまく環境と経営状況を把握・分析し、法人内各施設に共有しています。また、所長は「中区園長会」「ことぶき ゆめ会議」「寿プラザ地区地域防災会議」など、地域の会議体に出席しています。当該会議において、横浜市地域福祉保健計画の取り組み状況や地域の課題について情報収集し、事業経営を取り巻く環境を把握しています。加えて、法人は今年度外部専門機関に委託し、保育所の今後について調査・分析しました。具体的には、過去の利用者の住居分布や再開発等に人口推移などから、保育ニーズや10年20年後の利用者の推移を分析し、対応策を検討しました。今後は、分析結果を戦略策定に生かしていく考えです。 |
【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。 |
【第三者評価結果:b】 保育所は、経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めています。具体的には、事業計画において職員体制を課題として挙げ、新卒者採用を積極的に進めるなど、対応を図っています。また、毎月の法人内の所長会において、施設内における課題を報告し、法人全体で解決方法を検討しています。加えて、職員室への掲示や職員会議にて経営課題を配布するなど、積極的に保育所内での共有を図っています。 |
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 |
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【第三者評価結果:b】 保育所は、単年度事業計画に中長期的課題と解決方策を明記し、半年ごとに本部との進捗確認を行っています。また、法人内各施設から担当者を選出したプロジェクトチームを作り、法人としての「10年後のあるべき姿」の策定に取り組んでいます。今後は、保育理念や基本方針の実現に向けた現状分析と経営課題を明確化し、経営課題を解決するための中・長期計画の策定に期待します。 |
【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 |
【第三者評価結果:b】 保育所は、法人の事業計画をもとに事業計画を策定し、重点取り組み課題や、課題解決に向けた取り組み内容を記載しています。また、同事業計画には「今後の事業運営における中長期的課題と解決のための方策」を記載しています。しかし、中長期的課題と解決のための方策と単年度の重点取り組み課題の関連性に弱さがあります。今後は、中長期計画を踏まえた各年度の取り組みの検討を期待します。 |
【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 |
【第三者評価結果:b】 保育所は、事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しを組織的に行っています。具体的には、半期毎に所長、主任、副主任が進捗状況を確認し、法人役員に報告する機会を設けています。これにより、定期的に振り返りを行う体制を整えています。また、年度末に自己評価を実施し、結果を計画に反映することにより、評価と見直しに取り組んでいます。加えて、職員に対しては、計画の抜粋版を年度当初に文書で配布し、職員会議において進捗状況を確認しています。さらに、会議で出た意見を次の事業計画に反映するなど、職員への周知や参画を図っています。 |
【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。 |
【第三者評価結果:b】 保育所は、一年間の活動内容や事業内容を懇談会において、口頭で保護者へ説明し周知しています。また、年間の保育方針、保育内容、行事計画を年度初めや懇談会で書面を配布しています。なお、今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、懇談会は書面開催としています。送迎時に、書面を一人ずつ手渡ししながら口頭で説明しています。特に、行事計画は年度初めに保護者に配布するほか、園だよりに記載、インターネットによるコミュニケーションツールで配信し都度参加を促しています。ご家庭の状況に応じ、中国語の翻訳を添付するなど、すべての利用者に対して周知を図っています。 |
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 |
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【第三者評価結果:a】 保育所は、保育の質の向上に向けた取り組みを行っています。具体的には、年齢ごとに策定した年間指導計画、月間指導計画を月毎、期毎に振り返りを行い、計画の見直しを通じて、保育の質の向上を図っています。また、年1回自己評価を行うとともに、定期的に第三者評価を行い、評価結果を次年度以降の事業計画に反映し、組織的に改善に取り組んでいます。例えば、前回の第三者評価において、職員から挙がるヒヤリハットの報告件数が少ないとの結果を受け、ヒヤリハットの報告様式のサイズを小さくし、記載内容を簡単なものに変えました。その結果、報告件数が増えています。加えて、法人内の3園で意見交換を定期的に行い、課題の解決策を検討するなど、保育の質向上に向けた取り組みを行っています。 |
【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 |
【第三者評価結果:b】 保育所は、自己評価や第三者評価結果に基づき保育所として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施しています。具体的には、厚生労働省が策定した「保育所における自己評価ガイドライン」をもとに、法人独自の自己評価項目を作成し、年度末に全職員で自己評価を行っています。評価の集計結果や課題を整理し、次年度の事業計画に反映しています。また、職員に対して、職員会議において評価の集計結果や課題を周知しています。加えて、課題の改善策は所長と主任が策定し、改善状況を把握し、課題達成に向け、必要に応じ職員と面談や相談しています。 |
評価対象Ⅱ 組織の運営管理
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 |
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【第三者評価結果:a】 保育所は、職務分担表を作成し、役割と責任の範囲を職員に対して表明しています。また、「安全管理マニュアル」を作成し、「職務分担表」に所長の職務を明記しています。加えて、有事の役割、責任については事故対応マニュアル、防災組織編成、BCPの中で所長を統括責任者と明記しています。また、今回の評価時において実施した職員アンケートにおいても、所長の責任と役割の表明に関する項目では、肯定的な意見が多く、所長の役割と責任の範囲を職員へ表明できていることが確認されました。 |
【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 所長は、遵守すべき法令等を正しく理解するための取り組みを行っています。具体的には、法人内の所長向けのコンプライアンス研修や中区所長会主催のコンプライアンス研修を受講しています。加えて、外部機関が主催する「初任保育所長等研修」を受講し、保育制度の動向と関係法令などを学習しています。また、職員に対しては、入職時のオリエンテーションで個人情報保護、コンプライアンスについて研修を行っています。加えて、毎月の職員会議にて全職員が携帯しているコンプライアンスカードの読み合わせを行い、職員の理解向上に努めています。 |
【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:a】 所長は、保育の質の向上に意欲をもち、その取り組みに指導力を発揮しています。具体的には、保育日誌等の記録を確認、各クラスの運営状況を把握しています。把握した状況から、必要に応じて職員からの相談、保育の中で気づいたこと等助言を行っています。また、個人育成計画による個々の課題を設定し、必要な研修に参加できるよう促すとともに、毎月のミニ勉強会で学びを深め、保育士の個々の資質の向上に努めています。加えて、フロアリーダーを配置し、ミーティングを実施、行事や保育活動において意見を聞き、日々の保育の改善に取り組んでいます。 |
【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:b】 所長は、経営の改善や業務の実行性を高める取り組みに指導力を発揮しています。具体的には、半年ごとの人事評価時の職員との意見交換、日頃からの事務担当者との情報共有を通じて、業務実効性向上に向けた改善策を考え、対応しています。今年度は、残業の削減や有給取得率向上を目標に掲げ、働きやすい職場環境の整備に取り組んでいます。 |
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 |
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【第三者評価結果:a】 法人は、必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画を確立し、取り組みを実施しています。具体的には、学校訪問や保育所見学の開催、就職セミナーへの参加など積極的に採用活動を行い、今年度も3名採用するなど、必要に応じ新卒者を採用しています。また、人材の配置計画に基づいた法人内での異動制度や個別の育成計画の策定、プリセプター制度による新人職員の育成を通じて、保育士の人材の定着及び育成に取り組んでいます。特に、プリセプター制度では、ある程度の経験を積んだ先輩職員が、一定期間マンツーマンで新人の指導にあたります。1年間指導役として付く先輩職員は、成長段階を捉えて、1年間時間をかけて育成していきます。加えて、個別に策定した育成計画に基づき、年4回の新卒者研修をはじめ、中堅職員研修、リーダー研修、所長研修を実施し、人材育成に力を入れています。 |
【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。 |
【第三者評価結果:b】 法人は、総合的な人事管理を行っています。職員の成長を促すために保育所間の異動を行うなど、人員配置により保育の質の向上を図っています。また、法人が定める「等級要件表」に「求められる職員像」を明記し、所長が求められる職員像を基に半年に一度の評価、面談を行っています。評価結果をもとに、処遇の改善を行っています。 |
【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 |
【第三者評価結果:a】 保育所は、職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。具体的には、所長、主任、副主任が、有給申請表及び超過勤務表、業務日誌等から各職員の就業状況を把握しています。また、時短勤務やシフト調整など多様な働き方の推奨、有給取得日数の増加など、職員の意見を反映させて職場環境の改善に取り組んでいます。加えて、職員の健康状態は日々の健康チェック表、職員健康診断、ストレスチェックにより把握しています。年2回実施する面談などにおいても、職員からの相談に応じ、職員の心身の健康と安全の確保に努めています。その他、家賃補助、育児介護休暇、健康診断の項目増加、被服貸与等、福利厚生の充実についても、職員の意見を反映して、人材の定着や働きやすい職場づくりに取り組んでいます。 |
【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 所長は、職員一人ひとりの育成に向けた取り組みを行っています。具体的には、等級要件表に明示した求められる職員像に基づき、目標管理のための個人育成計画書を個人毎に策定しています。計画期間については、1年間の目標と、2~5年程度の中長期目標の両方を設定し、職員が将来像を描きやすいよう人材育成に取り組んでいます。また、計画には質的管理・業務・組織・人材・財務・危機管理を中心に記載し、能力の把握や職員の意識高揚を行っています。その他、計画の策定と進捗の確認にあたっては、半年に1回の面談を実施し、進捗管理を行っています。 |
【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 |
【第三者評価結果:b】 所長は、職員の教育・研修に関する年間の計画を策定し、教育・研修が実施しています。具体的には、等級要件表に明示した求められる職員像に基づき、年間の研修計画を策定しています。等級要件表や研修計画をもとに、受けるべき研修や、取得する資格、職員自ら望む研修・資格を記入した個人育成計画書を個人毎に策定し、計画に基づいて研修の受講や教育を行っています。また、職員が半年ごとに研修達成度の自己チェックを行い、定期的に計画の評価と見直しを行っています。 |
【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。 |
【第三者評価結果:a】 所長は、職員一人ひとりの教育・研修の機会を確保しています。具体的には、個人育成計画書に基づき、法人主催の研修、外部研修への参加機会を確保しています。非常勤を含めた、すべての職員に研修の受講機会があり、資格取得状況や技術水準を把握しつつ、一人ひとりの教育に取り組んでいます。また、新人育成については、プリセプター制度により、一年間、指導役との1対1の指導を行っています。加えて、目標設定、振り返り、フィードバックを担当者、主任、所長、法人がそれぞれ行い、法人全体で新人育成に取り組んでいます。 |
【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 |
【第三者評価結果:b】 保育所は、実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的に取り組んでいます。具体的には、実習生受け入れにあたってのマニュアルを整備し、マニュアルをもとにオリエンテーションを行い、実習生に対し実習にあたっての心構えや保育姿勢を伝えています。指導内容や実習プログラムについては、学校や実習生の要望と適性を確認し、所長が決めています。特に、学校との連絡調整については、対面で学校教員と打合せを行い、指導で必要なことや配慮事項について、確認しています。新型コロナウイルス感染拡大以降は、電話にて学校との連絡を行っています。また、保育所は外国籍児、障がい児を多く受け入れており、福祉関連の大学からの見学依頼も多くあります。加えて、学校側の希望に合わせて、見学する学生に施設長が講義を行っています。 |
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 |
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【第三者評価結果:b】 保育所は、運営の透明性を確保するための情報公開を行っています。具体的には、法人理念や基本方針、保育内容、自己評価、決算報告等をホームページに記載し、利用希望者や地域への情報提供を行っています。また、保育見学、中区民祭りでのパンフレットの配布を通じて、積極的に地域に向けて保育所を知ってもらう活動を行っています。加えて、保護者への苦情相談に関する情報提供について、玄関への掲示や入所時に配布する寿福祉センター保育所の栞に記載し、利用者への周知を図っています。その他、日々の保育やイベントの様子を所内に掲示し、写真付きでブログや専用のインターネットによるコミュニケーションツールに記載するなど、様々な方法で利用者に向けて積極的に情報提供を行っています。 |
【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 保育所は、公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取り組みを行っています。具体的には、会計事務所に委託して財務管理、経営管理を行うほか、内部監査を定期的に実施し、公正な経営に努めています。また、組織運営や事業推進に関しては外部専門機関に委託し、指導・助言を受けています。その他、事務・経理等に関わる規程類を印刷し整理したうえで職員休憩室に設置し、職員に周知しています。 |
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 保育所は、子どもと地域との交流を広げるための取り組みを行っています。具体的には、保育理念及び全体的な計画に地域との連携や行事などを通して地域と交流することを記載しています。加えて、毎月の指導計画には地域との交流や連携を取り入れ、積極的に地域と関係を構築するための取り組みを行っています。また、地域や関連団体のパンフレットやポスターを園舎外掲示板及び玄関ホールに掲示し、情報発信しています。その他、年に複数回の自治会行事や横浜市を拠点とするサッカーチーム主催のサッカー教室、運動会等行事への来賓招待、地域の親子向けに育児講座を実施し、地域との交流を図っています。しかし、今年度は新型コロナウイルス感染防止のため、実施できていません.。今後は、感染対策を図りつつ、地域との交流が広がる取組を推進してくことを期待します。 |
【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 |
【第三者評価結果:c】 保育所は、園独自のボランティア受け入れに関する姿勢を明文化していません。現在は、保育士会のボランティア向け冊子を基本姿勢とし、法人が作成したマニュアルをもとに、オリエンテーションを実施し、保育姿勢や注意事項等を説明しています。主に、地域の中学校、高校からの職業体験の受け入れに応じています。また、ボランティアの作業内容や作業場所については、所長や主任が確認し、個別の要望にあわせて決め、クラス担任に受け入れを指導しています。 |
【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 |
【第三者評価結果:b】 保育所は、保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携を行っています。具体的には、市の相談機関やワーキングマザーのためのカウンセリング等地域や関連団体のパンフレットやポスターを園舎外掲示板及び玄関ホールに掲示し、情報発信しています。また、保護者に了承をとって必要な情報を関係機関に提供するなど、保護者との橋渡し役として機能しています。加えて、中区医部会、児童相談所、療育センターなどの関連団体との情報交換会を年に複数回行い、協力関係を築いています。その他、虐待が疑われる子どもについては速やかに児童相談所及び行政と連携し対応をしています。 |
【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 保育所は、地域の福祉ニーズ等を把握するための取り組みを行っています。具体的には、寿ゆめ会議、寿プラザ地区地域防災会議、警察署協議会への出席を通して、地域や関連団体との情報交換を行い、地域の課題把握に努めています。特に、寿ゆめ会議については、横浜市土木事務所・福祉部署のほか、民生委員などが参加しています。同会議は地域の取り組みなどの情報共有、福祉計画に関する情報提供、保育に関する地域課題を伝える場となっています。また、横浜市の福祉・保健の拠点である地域ケアプラザと日頃から連携体制にあり、日ごろから地域の情報を共有し合っています。加えて、子育て相談を随時行うなど、地域の課題解決や相談に応じる体制を整えています。 |
【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 保育所は、地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動を行っています。具体的には、園舎に設置した「地域支援室」を利用し、地域の親子対象とした子育て講座や、高齢者対象とした交流事業を実施し、地域のデイサービス等の方々を招待しています。これにより、地域とのつながりを醸成するとともに、園児との触れ合いの機会を提供しています。また、ハロウィンの時期にあわせて周辺施設を訪問したり、早朝の広場で高齢者と一緒にラジオ体操に参加するなど、地域の活性化に取り組んでいます。現在は、新型コロナウイルス感染防止のため、地域のお祭りや季節の行事に園児の動画や音源、作品での参加協力をするなど、感染対策を行いつつ積極的に地域との連携を図っています。その他、所長は寿プラザ地区地域防災会議や警察署協議会に参加し、防災における連携体制の構築に取り組んでいます。 |
評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:b】 保育所は、全体的な計画において、子どもの人権を尊重した保育について明記し、子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取り組みを行っています。具体的には、入職時のオリエンテーションにて子どもの人権を尊重した関わり方を説明し、職員会議において保育姿勢等の定期的な読み合わせを実施するなど、職員が理解し、実践するための機会を設けています。また、毎年、人権研修を実施し、子どもの尊重、虐待防止、人権感覚を学習する機会を設けています。 |
【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。 |
【第三者評価結果:b】 保育所は、子どものプライバシー保護に配慮した保育を行っています。具体的には、全体的な計画において、子どもの尊重やプライバシー保護に関する内容を記載し、職員会議において確認を行うなど、職員のプライバシーに関する意識高揚を図っています。また、日常の保育活動においてもパーテーションや相談室、多目的室等を利用し、プライバシー保護に努めています。 |
【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。 |
【第三者評価結果:a】 保育所は、利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供しています。具体的には、パンフレットを行政の窓口に配置し、ホームページに保育の様子のブログや保育理念を記載しています。特に、パンフレットやブログについては、行事や日常の様子の写真を入れるなど、保育の様子を分かりやすく情報提供しています。中区の合同説明会での対応、見学者の希望は個別に日時を調整し時間制限を設けず丁寧に説明するなど、常に利用希望者に対して、必要な情報を提供しています。 |
【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。 |
【第三者評価結果:a】 保育所は、保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明しています。具体的には、入所決定後、入所面談を行っています。事前に発送した「児童表」「食事状況調査票」「健康に関する記録等」を用いて、子どもの状況の把握に努め、保護者の要望や子どもの状況を保育内容に反映できるよう取り組んでいます。また、面談時には保育所のしおり「重要事項説明書」を配布し、保護者一人ひとりに対して、個別で説明を行っています。ご家庭の状況に応じて中国語がわかる職員の同席や説明後の同意書の記入など、すべての保護者に対して説明責任を果たすとともに、保護者の同意を得た内容を書面で記録として残しています。加えて、特に配慮が必要な保護者へは、横浜市が作成した「事業を運営する際の留意事項」の手順通りに適切な説明を行っています。なお、保育の変更時にも同様の対応を行っています。 |
【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。 |
【第三者評価結果:c】 保育所は、転園にあたって、現時点では具体的な手順や説明の文書を定めておりません。現在は、必要に応じ電話で申し送りや文書の提供を行っています。なお、卒園児や保護者等がいつでも遊びに来たり、相談に来られるよう声掛けをしており、連絡があった際は個別に面談の時間を取り、主に所長が対応しています。今後は、転園や卒園時の保護者への説明において、書面でも伝える、記録を残して常に共有、引き継ぎができるよう整備しておくなど、保育の継続性に配慮したさらなる取り組みに期待します。 |
【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 保育所は、利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取り組みを行っています。具体的には、年度初めの懇談会、年2回の個人面談、保護者アンケート、ご意見箱、日ごろの保護者への声掛けを介して、保護者の要望を把握しています。把握した要望は、所長、主任、副主任が改善策を検討し、職員会議で共有するなど、要望に対する具体的な対応を行っています。例えば、事前アンケートにより同意を得て、インターネットによるコミュニケーションツールを介し写真を掲載しています。こうした情報提供の質の向上を図るなど、保護者の要望から満足度向上の取り組みを行っています。また、日ごろの保育において、子どもが満足して遊ぶことができる環境に配慮した保育を行っています。 |
【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 |
【第三者評価結果:a】 保育所は、苦情対応責任者は所長、苦情受付担当は主任、副主任とし、苦情解決の体制を構築しています。玄関への掲示、寿福祉センター保育所の栞に記載し、入所時に説明するなど、苦情解決の相談方法や手順を、保護者へ周知しています。特に、保育所の栞には、苦情解決の目的、職員体制、相談方法、解決までの流れを詳細に記載し、保護者が苦情解決までの具体的なイメージを想起できるよう心掛けています。苦情があった際には、特定の様式に記録し、職員会議で解決方法を含めて周知するなど、解決に向けた具体的な手順を定めています。 |
【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。 |
【第三者評価結果:b】 保育所は、保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知しています。具体的には、意見聴取の方法を玄関への掲示や寿福祉センター保育所の栞へ記載しています。加えて、個人面談、懇談会を開催して保護者の声を聞く機会を定期的に設けているほか、普段の送り迎えの際に保護者に対し、いつでも相談するよう声掛けをするなど、話しやすい雰囲気、相談しやすい環境づくりに努めています。また、今回の評価時において実施した保護者アンケートの「話しやすい雰囲気、態度であるかどうか」の問いにおいて、「満足」「どちらかといえば満足」が86%と、多数の保護者が保育所に意見を述べやすい環境であると感じていることが確認されました。 |
【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 |
【第三者評価結果:b】 保育所は、保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応しています。具体的には、個人面談、懇談会を開催して保護者の声を聞く機会を定期的に設け、把握した相談や意見は職員会議で共有し、早急な対応や新たな取組に繋げるなど、組織的な対応を行っています。また、直接言い出すことができない保護者に対しても、イベント時にアンケートを実施するなど、保護者の意見を積極的に把握しています。また、今回の評価時において実施した保護者アンケートの「保護者からの相談事への対応は」の問いにおいて、「満足」「どちらかといえば満足」が100%と、多数の保護者が保育所の相談対応に満足していることが確認できます。 |
【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 |
【第三者評価結果:b】 法人は、安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制を構築しています。具体的には、施設のリスクマネジメントの責任者を所長とするほか、法人本部にリスク管理担当者を設置し、リスクを管理する体制を整えています。また、保育所にリスクマネジメント委員会を設置し、4か月に1回、作成した安全点検表をもとに点検を実施し、クラスごとの「安全チェックリスト」で毎月施設内外の安全確認を行っています。加えて、ヒヤリハット、事故報告を職員会議で行い問題点や改善策の共有を図っています。 |
【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 法人は、感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取り組みを行っています。具体的には、施設の感染症対策責任者を所長とするほか、法人本部にリスク管理担当者を設置し、リスクを管理する体制を整えています。また、保育所は、感染症対策マニュアルを作成し、常に感染症に関する情報収集を行い、必要に応じてマニュアルを修正しています。感染症対策マニュアルは職員会議等で職員に周知され、所内研修で全職員が感染症の対応を確認しています。マニュアルに基づき、感染対策、感染が疑われる場合、感染症が発症した場合など、場面ごとに職員が対応しています。加えて、感染症が発症した場合は各クラスや玄関にて掲示する、インターネットによるコミュニケーションツールによる情報発信を行うなど、保護者への適切な情報提供に努めています。 |
【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 保育所は、災害時における子どもの安全確保のための取り組みを組織的に行っています。具体的には、防災ハンドブックやBCPマニュアルを作成しています。また、毎年度職員配置をもとに防災のための組織編制を見直し、マニュアル等に基づいて避難訓練を毎月、防災訓練を年1回実施しています。加えて、法人本部に消防職員OBを配置し防災体制や施設整備について指導を受けるなど、迅速な災害対応に向けた取り組みを組織的に行っています。その他、所長は寿プラザ地区地域防災会議や警察署協議会に参加し、防災における連携体制の構築に取り組んでいます。また、現在専門機関の指導のもと、災害対応のより詳細なマニュアル「すぐに動けるBCP」の作成に取り組んでおり、子どもの安全確保に取り組んでいます。 |
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。 |
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【第三者評価結果:a】 保育所は、保育について標準的な実施方法を文書化し保育を提供しています。具体的には、全体的な計画において、所内の約束事、各クラス、年齢ごとの保育内容、子どもの尊重やプライバシー保護に関する内容を記載し、実践しています。また、クラスリーダーにベテラン職員を配置し、全体的な計画をもとに後輩に指導し、保育の質の確保に取り組んでいます。また、保育に関するマニュアルを整備し、職員会議において共有、印刷したものを各クラスに配置するなど、マニュアルが実践される環境を整えています。 |
【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 |
【第三者評価結果:a】 保育所は、標準的な実施方法について見直しをする仕組みを確立しています。具体的には、全体的な計画は必ず毎年見直しをすることとし、年間指導計画、月間指導計画及び個別支援計画に反映しています。また、年間指導計画、月間指導計画及び個別支援計画は振り返りの機会を定期的に設けて、検証を行っています。振り返りの内容は、カリキュラム会議において共有、書面で全職員が把握できるようしています。加えて、全体的な計画や指導計画の評価、見直しにおいては、会議内で保護者の意見等も会議で発信し、検討の材料としています。 |
【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。 |
【第三者評価結果:a】 保育所は、アセスメントにもとづく指導計画を適切に策定しています。具体的には、指導計画は所長を責任者とし、担任が作成を担当し、所長、主任が必要に応じ助言をします。また、計画作成にあたっては、入所時の個別面談において生育や家庭の状況を把握し、作成しています。入所後は子どもの様子や保護者との日ごろのやり取りや相談の情報をもとに計画を作成しています。加えて、配慮が必要な子どもに対しては、専門機関と連携し、指導計画及び対応の検討をしています。その他、年間指導計画及び月間指導計画は振り返りの機会を定期的に設けて、検証を行っています。 |
【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。 |
【第三者評価結果:b】 保育所は、定期的に指導計画の評価・見直しを行っています。具体的には、年間指導計画、月間指導計画及び個別支援計画は振り返りの機会を定期的に設けています。振り返りの内容は、カリキュラム会議による周知と書面による共有で全職員が把握できるようになっています。また、計画の変更が必要な場合は、フロア会議や職員会議で検討しお知らせ等で保護者に周知することとしています。 |
【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。 |
【第三者評価結果:a】 保育所は、子どもに関する保育の実施状況の記録を適切に行い、職員間で共有しています。具体的には、入所前の成育歴などの状況を児童票、入所後の保育の様子は個人経過記録、身長体重、健康診断記録、予防接種、疾病等の健康発育状況は健康台帳に記載しています。情報の性質・区分ごとに集約して、統一の様式に記録しています。記録の仕方を統一し、個別配慮等が必要な内容は守秘義務を遵守するため、年度初めの職員会議で書き方や記録の取り扱いについて周知しています。随時、各記録の更新を行うとともに、更新した内容を、日々のミーティング、毎月のカリキュラム会議、職員会議において情報共有し、職員に必要な情報が共有されるように体制が整えられています。 |
【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。 |
【第三者評価結果:a】 保育所は、子どもに関する記録の管理体制が確立しています。具体的には、個人情報保護規程に個人情報の取得、適正な管理、第三者への提供の制限、本人関与の仕組みを定めています。保育所で作成したルールに基づき、個人情報ファイルは事務所内のカギ付きのキャビネットに収納するなど、情報を適正に管理しています。廃棄についても、専門の業者に依頼し、管理を徹底しています。また、記録管理責任者を所長とし、必要に応じて職員会議等で注意喚起を行っています。なお、保護者に対しては、入所時に個人情報の取り扱い方法などについて説明を行い、確認の署名をもらうことで、説明した経過を記録しています。 |
評価結果内容評価
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。 |
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【第三者評価結果:a】 全体的な計画は、法人の理念及び保育所の基本方針(保育姿勢)に基づき、児童憲章・児童の権利に関する条約、保育所保育指針及び全国保育士倫理綱領の趣旨をとらえて作成しています。また、作成にあたり、地域の特性を考慮した保護者支援や家庭支援、子どもの実態を踏まえた養護的事項を計画しています。各年齢クラスに関しては、担任の意見を参考に作成しています。加えて、計画は、毎月の職員会議やカリキュラム会議で協議している子どもの発達や成長の状況に照らして行い、上半期で取り組みを評価し、結果によっては下半期の見直しを行います。年度末の職員会議では、全職員の意見を集約して、次年度の計画を作成しています。 |
【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。 |
【第三者評価結果:a】 保育所の建物は3年前の改築にて自然光と外気を取り入れた設計がされ、温度・湿度は24時間システムで管理のもと各保育室の温度・湿度計に表示されています。また、抗ウイルス・抗菌・抗アレルギー及び脱臭効果がある自然素材の床材を使用し、裸足の保育が取り組まれています。加えて、所内の掛け時計には電気消費量が表示されエコロジーに配慮があり、湯水を使った温冷機のチューブ形状部分には子どもが手指や物を挟まないようフェンスを張って安全に配慮しています。その他、衛生管理としては、布団乾燥を年4回、害虫駆除を年5回以上実施し、日常生活では紫外線殺菌庫を活用して、保育で使用の品や身に付ける様々な物の殺菌消毒を行っています。また、子どもが個々に落ち着ける場所として、保育室ではパーテーションの利用や絵本棚の向きを工夫しています。保育室以外でも保育に使える部屋を複数用意して体調不良時にも使用しています。 |
【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 子どもの一人ひとりの発達や個性及び家庭環境等については、子ども家庭支援課等の関係機関からの情報及び保護者との入所前の面談でこれまでの成育状況や保育環境などを聞き取り、児童票等に記録しています。また、保護者と職員のインターネットによるコミュニケーションツールでの連絡や送迎時の対面及び保護者面談等でも情報把握に努めて、職員間で共有しています。職員は担任を問わず、保護者や子どもとコミュニケーションを図り、個々の子どもの成長の把握やコロナ禍での家庭環境の変化にともなう子どもの変化に着目しています。パンフレットに明示している通り、「一人一人のありのままの姿を受けとめる」ために、表現力が十分でない子の場合は気持ちを汲み取り、代弁して友だちとの仲立ちをしています。また、職員は、子どもに分かりやすい言葉や短い言葉の使用を心がけ、「走らないで!」等の非常時以外の使用禁止用語は一覧にしています。肯定的な置き換え言葉を入職時のオリエンテーションで周知しています。 |
【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 子どもの年齢に限らず発達に合わせて、着替えや排せつ及び食事等の基本的な生活習慣が身につくよう、子どもの意欲を見逃さず、できた事を一緒に喜び、達成感を育んでいます。また、一人ひとり専用のカゴや着替えの場所を設ける等、子どもにとって分かりやすい工夫をしています。加えて、午睡時間に眠れない、早めに起きた場合は無理強いせずに、体を休める事の大切さを伝え、静かに過ごしています。5歳児クラスは就学にむけて1月から午睡時間をなくしています。その他、3歳以上のクラスでは、運動の時は半そで・半ズボンなどの薄着で汗をかいたら着替えることの大切さ、手洗いの大切さ、給食では栄養の大切さを日々伝えています。また、リズム運動や散歩、裸足保育や外遊びでは体を動かす楽しさを伝えています。 |
【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。 |
【第三者評価結果:a】 保育室には、子どもが自分でおもちゃを選べるよう収納は2段程の低い棚や半透明な引き出しで中身がわかるように工夫しています。おもちゃは、1人で遊ぶものや友だちと一緒に遊ぶもの、ごっこ遊びのもの等を収納しています。また、年間指導計画の4半期を目安に、おもちゃを倉庫から入れ替え、子どもの身体機能や心を育んでいます。加えて、幼児クラスでは、糊やハサミ・塗り絵等を自由に使えるように収納し、4・5歳児は各自のお道具箱を自分でロッカーに自由に出し入れして自発的に活動しています。天気の良い日は散歩以外にも、庭・屋上・テラスの使用時間をクラス担任が話しあい、全クラスが戸外で遊べるように工夫し、複数クラスで一緒に遊ぶ機会も設けています。同日にコースを変えて散歩に出ることも多く、子どもが進んで体を動かす機会や自然と触れあう機会になっています。園庭での駆けっこや砂遊び、プランター栽培など、いろいろな戸外活動の時間を設けています。コロナ禍では散歩は自粛の必要もあり、地域の人に接しての社会体験が得られる機会は持てていません。また、雨天の時は、吹き抜けガラス天井で採光や空気の入れ替えが充分なホールで、運動やゲームなどの活動ができています。 |
【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。 |
【第三者評価結果:a】 0歳児の保育にあたっては愛着関係が築けるよう、抱っこやおんぶなど職員はスキンシップを多く取ることを心がけています。また、子どもが眠たい時にいつでも寝ることができるよう、0歳児クラスには赤ちゃんベッドを配置して、個々の子どもの生活リズムにあわせた保育を行っています。加えて、1歳児クラスのスペースは広く、ハイハイができるようにマットを敷いたスペースを設けたり、つかまり歩きができるよう柵を設置して、子どもの成長にあわせた環境づくりを工夫しています。その他、豊かな心を育てるべく、毎日季節の歌をうたい、絵本の読みきかせ、わらべうたやリズム遊びを取り入れています。子どもの表情から気持ちをくみ取ることを大切に、喃語には目を合わせて、微笑んで応えています。また、授乳は抱っこして行っています。職員はマスク着用のため、いずれの保育場面でも、豊かな表現や表情に努めています。保護者とは、毎日、専用インターネットによるコミュニケーションツールにて、子どもの睡眠や食事、排泄や機嫌などについて伝え、登降園時には情報の共有を図り子どもの生活の連続性に努めた保育を行っています。 |
【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。 |
【第三者評価結果:a】 1・2歳児の保育室は、場合によっては0歳児も合同で活動ができるよう、一体的に、オープンで使用できる構造になっています。また、朝夕の自由遊び以外にも庭など異年齢と触れ合える環境が整っています。加えて、遊びは与えるだけでなく、子どもが主体的に取り組めるように、おもちゃは興味を引くような配置を心がけ、発育にあわせて入れ替えています。その他、友だちとのトラブルが増えてくる時期ですが、止めてしまうのではなく色々な思いを経験できるよう見守り、タイミングをはかって仲立ちを行っています。また、保護者とは連絡帳でのやり取りに加えて、送迎時には顔を合わせてコミュニケーションをとり、保護者が話しやすい環境を作りながら子どもについて報告や話しあいを行います。所内の清掃等を行う保育補助職員は、子どもと顔を合わせて挨拶するなど、保育士とは異なる大人と関わる機会になっています。 |
【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。 |
【第三者評価結果:a】 3歳児以上になると、当番活動としてテーブル拭きや朝の会の進行をするなど、子どもが特別な役割を担って、みんなの前で発表する活動を取り入れています。4歳児は3歳児との合同保育での関わりの中で、簡単な応答などのやり取り、思いを共感できる場面などを経験しています。5歳児では、生活の中で自分の思いが通らないときの対処のしかた、相手の思いに気づいた時の反応などを、職員は見守りながら、必要に応じた援助や代弁を行っています。また、行事の看板等、一つの物をみんなで協力して作り上げる場面では、友だちと同じ目標に向かい、協力して達成感を味わうなどの経験が十分できるよう、計画的に取り組んでいます。子どもたちの発育の様子や協同して取り組んだ活動は、写真を廊下に掲示及び動画配信で保護者や卒園生、地域にも発信しています。 |
【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。 |
【第三者評価結果:b】 何らかの障がいをもつ子どもについては、毎日の様子を職員間で共有し、継続した話しあいにより個別支援計画を立てて支援しています。また、障がいがある子どもには担当職員が付添いながら、日常的にクラスの子どもたちと関わり、異年齢保育での交流も頻繁にもつことで、子ども同士の親近感および思いやりが自然に身に付いています。加えて、食事や午睡の時にも、特性に応じた支援を計画し実行しています。個々の状況に応じて、医療機関や専門機関との情報交換及び助言を得て、保育方法の点検や見直しを行います。今年度は、地域療育センターの巡回相談以外に個別の療育センタ―や民間支援施設の訪問事業が加わり、専門機関と家庭と保育所の連携した子どもへの援助が強化されています。その他、全ての職員が障がいのある子どもに対応できるよう、保育所では外部の研修や勉強会に参加して全職員で共有しています。今後は、保護者が障がいのある子どもの保育に理解を深めるよう、関連情報の配布等の取り組みが望まれます。 |
【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。 |
【第三者評価結果:a】 子どもの一日の生活を見通して、動きのある活動のあとには静かにする活動の時間を設けて、疲れが見られる時には早めに休むなど、動と静の配分に配慮しています。また、長時間保育の子どもが疲れすぎないよう、ゆったりと過ごせる場所として一部にクッションシートを敷いています。加えて、朝夕の自由遊び時間は異年齢合同の中でも、個々に好きな遊びをしながらおもちゃの貸し借りなど、子ども同士の関わりがあります。その他、異年齢の子どもの触れ合いは、合同で行う散歩やリズム運動などがあり、小さい子の世話をする気持ちや大きい子をまねる等で、育ち合う時間を設けています。また、おやつは、午睡から目覚めた15時と18時半から19時までの延長保育を利用の場合に提供して、手洗いやうがいも習慣づけています。保護者にはお迎えの際に、初めてできたことや遊び、午睡の有無や怪我、喫食など子どもの様子の報告に努めています。加えて、保育日誌や連絡ノートの記録を引き継ぎ、遅番職員から保護者に漏れなく伝えています。 |
【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。 |
【第三者評価結果:a】 子どもが小学校入学以降の生活に見通しが持てるように、通年であれば小学校の見学や一年生との交流を、5歳児クラスの年間指導計画に沿って複数回行います。しかし、コロナ禍のため、延期や中止を余儀なくされています。替わる行事としては、小学校で行う駅伝大会は絵画展示会に変更し、交流の機会は絵本での交流としました。なお、保護者への変更のお知らせは、外国籍の保護者が多いことに配慮して、翻訳書面および通訳ができる職員の対応を用意しています。また、学校への問合せや取次ぎ、学用品の準備についても、通訳など必要に応じて援助しています。加えて、担任の職員は、保護者には入学に関する話題から、随時に面談時間を設けて、個々の就学への問題を解消し、子どもの不安の払拭につなげています。その他、小学校教諭の保育所実習の要望がある場合は積極的に受け入れています。保育所児童保育要録を作成時は、担任だけでなく関わった職員の子どもの記録を集めて作成しています。 |
【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 保育所では健康マニュアルと年間保健計画を作成しており、それらに基づき健康観察や子どもの健康管理を適切に行っています。具体的には、毎朝、看護師が保護者からの情報や子どもの様子を把握しています。また、子どもがケガをした時や体調に変化がある時は保護者に伝え、その後の対応や状況を確認しています。加えて、既往歴や予防接種の情報は、入所時の面談に「児童健康台帳」の提出により把握しています。入所後は保護者からの追加情報および年度末には保護者の追記を求めますが、協力が得られないケースもあります。その他、保育所での子どもの健康管理や乳幼児突然死症候群(SIDS)に関する取り組みについて、保育所のしおりに記載して入所時に保護者に説明しています。また、毎月、保健便りを発行し、健康に関する情報を保護者に提供しています。SIDSに関しては、日々の午睡中に0歳児は5分おき、1歳児は10分おきに呼吸や身体の向きなどをチェックしています。また、新型コロナウイルス感染防止対策としては手指消毒の励行とともに、手が触れる手すり・椅子・テーブル・おもちゃなどは、保育の日課に定めて消毒しています。 |
【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。 |
【第三者評価結果:a】 保育所での嘱託医による健康診断と歯科検診は年2回行い、3歳児以上の尿検査及び3歳児の視聴覚検査は年1回行い、身長と体重は毎月測定しています。結果は「健康台帳」及び「成長のあと」に記録し、気になる子どもについては、全職員で周知しています。その他、健康診断と歯科検診の結果は保護者に配布し、必要に応じて担任や看護師から口頭で説明し、外国籍の保護者には通訳を介して報告しています。場合によっては、受診方法や保育所の嘱託医の紹介などの情報提供と医師への相談を勧めています。また、6月は虫歯予防デーにちなみ、子どもたちには絵本や歯ブラシを使って歯磨きの大切さを伝え、保護者には健康だよりで伝えています。加えて、子どもの各種健康診断については、保育所の年間行事計画として保護者に発信しており、重ねて、前月の保育所だよりでも予定として伝えています。 |
【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 アレルギーのある子どもには「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」に基づいて対応しています。食物アレルギーとは何か、食事の提供の方法、緊急時の対応等について記載されています。対象児童の保護者からは、かかりつけ医師の「除去依頼書」の提出を得て、代替食や禁食を徹底して昼食やおやつを提供しており、「除去依頼書」の有効期限が切れないうちに再受診することを保護者に求めています。また、毎月の献立表の食品成分表には、子どものアレルギー食品を職員と保護者が一緒にチェックの上で、保護者から確認の署名を得ています。加えて、対象児童に間違いなく昼食を提供するために、保育所ではテーブルを別にし、トレーには名前シールを張って、専用の食器を使用しています。その他、コロナ禍もあり、子どものアレルギーに関する外部研修は中止されていますす。しかし、「全職員で全ての子どもをみます」と保育姿勢を示す園として、職員会議では、アレルギーの知識及び食物アレルギーへの対応や手順について周知しています。今後は、職員の取り組み強化だけでなく、子どものアレルギー疾患に関する情報を子どもや保護者の理解につなげる取り組みが期待されます。 |
【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。 |
【第三者評価結果:a】 年間食育計画には「楽しい雰囲気の中で食べよう」と「卒園までに様々な食べ物を食べてみよう」を保育所の目標に、年齢別の計画を四半期ごとに立てています。1、2歳児から、野菜にさわる・洗うことやピーマンの種取り、とうもろこしの皮むきなど、五感を使って食材に親しんでいます。3歳児からは、トマトやにがうり等野菜の苗植えや栽培、クッキング保育でのこいのぼりクッキーづくり、お泊り保育でカレー作り等、卒園までの食育計画により、子どもたちは調理経験を楽しんでいます。加えて、七夕そうめんやカエル型のハンバーガー等、季節行事や祭りの会食や野外保育のお弁当では、食事を楽しむ経験を重ねています。また、毎月のテーマ「暑さに負けない食事」や「栄養の話」、「風邪の予防」や「おせち料理」等について、絵本や物語りにより食事の大切さを伝えています。その他、手づかみを経てスプーンやお箸が使えるよう指導し、食器は年齢に合った大きさのものを使用しています。3~5歳では食べる量を子ども自身が決め、食べられたらほめるなど、食べる意欲を育んでいます。また、毎日、給食サンプルを展示しているほか、毎月、献立表や給食だよりを配布し、保護者へ子どもの食に関する情報を伝えています。なお、本来は昼食時間には職員も一緒に会食して、子どもたちとその日の献立や食材の話、子どもの話を聞くなど、団らんを持っています。しかし、コロナ禍で会話を慎む状況では、音楽を流すことも控え、楽しい環境や雰囲気づくりは難しいと保育所では判断しています。今後は、新型コロナ感染防止対策の中で、できることを職員が出し合い、子どもたちにより多くの楽しい食事の体験を提供することが望まれます。 |
【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。 |
【第三者評価結果:b】 外国籍の子どもが初めての日本食に戸惑うことも多く、年齢ごとの「食事状況調査書」には面談時に保護者から家庭での様子及び今まで食べたことのある食材や宗教上の禁食などを聞き取って記しています。同書面には、保育所での個別対応や食物アレルギーの受診病院名を記入しています。また、1歳以上には食べ物の好き嫌い、食器や箸等の使用状況を記載し、献立やお代わり、おやつ、水やお茶類の個別対応に活用しています。加えて、栄養士は残食調査を行い、職員は、検食簿に食材・味・彩り・年齢に応じた調理法などを評価し、冷凍野菜の導入範囲や味のバラつきについても評価しています。その他、栄養士との給食会議で作成する献立には、日本の郷土料理や外国の家庭料理などを取り入れ、子どもには食材や由来、国の食習慣等を話して、興味をもって味わうよう努めています。また、月に2回同じ献立にすることで、調理法や調味料を工夫して、子どもたちが2回目で食べられるようになったと、達成感を味わっています。離乳食では、子どもの発達や月齢に合わせた計画により、とろみをつけたり、飲み込みやすい形状などを工夫しています。調理員は「衛生管理マニュアル」に基づいて業務にあたり、保育所は外部の衛生コンサルタントによる毎月のチェックを行って、調理委託先を評価しています。なお、保育所では、子どもが美味しく安心して食べることができる食の提供にむけて、調理員や栄養士が子どもたちの食事の様子を観察したり感想を聞く機会を設けることが必要と考えています。体調不良の時は、白湯を提供するなど配慮しています。 |
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 保育所と保護者の連絡は専用インターネットによるコミュニケーションツールを活用し、登園前に「家庭での様子」を保護者から送信しています。0~2歳児では毎日の子どもの様子、睡眠、排泄や食事などを、3~5歳児では体調変化などについて、保育中に配慮すべき点を職員間で共有しています。加えて、登所時には、さらに詳しく子どもの状態を確認して、状況を職員間で共有しています。また、全クラスのその日の保育の様子、写真、お知らせやお願い等は、保育所から専用インターネットによるコミュニケーションツールでの配信にて伝えています。その他、昨年度はコロナ禍、保護者懇談会を中止し、年度末には「保育所の運営についてのアンケート」を行い、保育所で、何ができるか、子どもたちと保護者の希望や意見を集めました。また、今年度の保護者懇談会中止にあたり承認を求める「保護者会休会承認書」では、形を変えて実施した夏祭りの報告及び例年どおり「卒園児への記念品やプレゼント」の実施を伝えています。その他、毎月発行している保育所だよりでは行事予定やお知らせ及び誕生会メニューや今月の歌等を紹介しています。幼児クラスだより・乳児クラスだよりでは、クラスごとのエピソードと月の誕生日の子どもの氏名を知らせています。保健だよりや給食だよりでも季節にちなんだ記事の記載により、保護者と保育所が子どもへ同じ目線で保育するように発信しています。 |
【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 保護者が気軽に話ができるよう、職員は登降園時には子どもの様子など積極的に対面で話をしています。また、全職員は、クラスを越えた挨拶や会話から、保護者とのコミニューケーションに努め、担任が不在時の対応とともに支援を要する個々の問題へのチーム対応に備えています。加えて、日程を設定した個人面談はもとより、日常的な保護者の希望及び子どもの様子によって面談しています。面談は就労時間等に合わせて調整しています。相談を受けた職員は、「個人面談記録」に記録し、所長や主任に報告します。相談内容によっては所長や主任が面談に同席し、食事に関する場合には栄養士が、医療や健康に関する質問には看護師等の専門職員が応じることもあります。中国籍の子どもが多く在籍していることもあり、中国語に対応できる職員が通訳と翻訳を行い、保護者へのお知らせには中国語を並べて記載しています。その他、職員会議やミーティングでは、ほかのクラスの職員からアドバイスを受けるなど、相談を受けた保育士が助言を受けられる体制が整っています。 |
【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。 |
【第三者評価結果:a】 「虐待等権利侵害とは何か」、「観察のポイント」、「発見した場合の対応について」等を記載した行政の人権研修の資料をマニュアルとして整備しています。また、保育所は虐待防止に向けて、早期発見・早期対応ができるよう、保育所内外の研修に参加した職員から職員会議で全職員に周知して備えています。加えて、朝の受け入れや衣類の着脱の時には、虐待の兆候を見逃さないよう子どもの様子を観察しています。職員が虐待などの権利侵害の可能性があると感じた場合は、所長や主任に報告し、職員間で情報を共有しています。経過観察や写真を撮る等で記録を残し、そのうえで、所長から中区こども家庭支援課に報告します。必要に応じて児童相談所と連携を取って支援する等の体制ができています。その他、所長は、地域の要保護対策協議会に出席し、情報及び対応事例等を収集しています。また、虐待が疑われる家庭の保護者には、保育所での子どもの様子を伝えながら、保護者の話を傾聴して育児や生活を労うことに努めています。必要に応じて、保育所から療育センターはじめ関係機関と連携して経過報告を行っています。 |
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。 |
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【第三者評価結果:a】 年間指導計画については、4半期ごとの反省を経て、年度末の職員会議では自己評価を報告しています。また、月間指導計画と個別支援計画はクラスごとに作成し、計画に沿った保育について保育日誌に「実践及び反省」を記しています。月間の指導については自己評価をクラス担任で話し合い、次月の月間指導計画を立てています。加えて、0~2歳児については、毎月、個別計画を立てており、前月の子どもの様子や保育士の援助・配慮及び家庭との連携を振り返っています。振り返り内容に基づいて、子どもの意欲や取り組みに等をねらいとして、月の養護・教育・異年齢の保育内容と援助と配慮について記載しています。その他、常勤職員は、個別の目標への振り返りを所長と話す機会が設けられています。個別目標は、クラス運営や自身のキャリアアップ、保護者対応など多岐に渡っています。非常勤職員も所長と年2回の面談より、保育の向上への役割等について話しています。また、職員の自己評価は集約して、年度の保育所の評価として職員会議で協議しています。所長と主任は、コロナ禍では全保育者での会議の機会が減っていることで互いの学び合い及び保育の改善や専門性の向上へにむけた取り組みが不足していると認識しています。 |