社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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この評価結果報告書は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、訪問調査に代わる手法で第三者評価を実施しております。
実施した評価手法は、詳細評価PDFにてご確認いただけます。

みやうち保育園

2022年04月28日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社ケアシステムズ

② 施設・事業所情報
名称 みやうち保育園 評価対象サービス 2021 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 70 名
所在地 211-0051
川崎市中原区宮内4-13-14
TEL 044-982-3266 ホームページ http://www.azamikai.or.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2014年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人あざみ会
職員数
常勤職員:21 名
非常勤職員:8 名
専門職員
看護師:1 名
施設・設備の概要
居室:7室
事務室:21.18㎡
ホール:1室855.19㎡
園庭:251.00㎡
屋上:175.00㎡ 
公園緑地:181㎡

③ 理念・基本方針
≪法人理念≫・安らぎと楽しさ、個性を引き出す保育・保護者が気軽に意見、要望を出せる保育・職員の資質の追及・より良い労働条件の保全保
≪保育理念≫・当保育園は児童福祉法に基づき、保育に欠ける乳幼児を保育することを目的とする児童福祉施設である。私たちは、児童憲章、児童権利宣言、保育所保育方針、保育士倫理要綱などに則って保育をします。従って、入所する乳幼児の最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することに最もふさわしいものになるよう、日々の努力を怠らない。
≪保育方針≫・子どもが健全、安全で情緒の安定した生活ができる環境及び自己を十分に発揮しながら活動できる環境を整え、五感 を育み、感受性豊かで健全な心身の発達を図る。・養護と教育が一体となって、人間性豊かな子どもを育成する。・家庭や地域社会との連携を図り、保護者の協力のもと、家庭教育の補完を行う。・地域における子育て支援のため、乳幼児などの保育に関する相談に応じ、助言を行うなどの社会的役割を果たす。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
例年、月に2回体操講師に来て頂き、幼児組が体操教室を行っています。
地域事業として、園庭開放(月曜日~金曜日 9時30分~11時30分)・絵本の貸し出し・移動動物園・夕涼み会、及び子育てサロン参加(親子で楽しめる、手遊び・ペープサート・製作など)を行っています。
今年度においても、コロナウイルス感染症予防の為、上記は見合わせとなっています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2021/11/27(契約日) ~2022/04/18(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(令和2年度)

⑥総評
特に評価の高い点 〇研修参加3か月後の成果を確認し保育への実践を仕組みとして取り組んでいる
研修計画に従って各階級別に、法人内研修及び外部研修への計画的な参加を進めている。研修参加後にはその都度報告書を提出する仕組みがあり、さらに研修参加3か月後には、研修内容がどの様に保育に反映できているかなど、研修の成果を確認できるように取り組んでいる。

〇働きやすい環境整備を目指している
園長が衛生推進者として、職員の労働環境が及ぼす体調不良への繋がりを見直しており、少しずつ書類作成時間確保へ繋げられるシフト体制を考えるなど、働きやすい環境整備を目指している。各リーダーへの書類作成進行状況の確認も行い、業務の軽減につなげている。法人として職員全員の定時退社と有給100%消化を目指しており、その実施に取り組んでいる。

〇一人ひとりの子どもの状況に応じた保育に努めている
子どもの状況については、各会議において内容確認を行い、日々の申し送りは連絡ボードで把握し、一人ひとりの姿を全職員が把握できるようにしている。乳児では、気持ちや思いをくみ取り代弁し、保護者とは連絡ノートを使用して日々の子どもの様子をやり取りし共有できるようにしている。幼児へは、自分の思いの伝え方や相手の思いに気を付けていける様に援助している。また言葉での伝え方を知らせ、必要な時には一人ひとりに合った個別対応を心がけている。
改善を求められる点 〇園としての中長期計画を示して園運営が行われることが期待される
中・長期の経営方針が今年度は法人より示され、園長会において説明された。事各園の代表職員へのオリエンテーション後、職員会議において、職員の待遇に関わる事柄を中心に報告され、職員への周知を図っている。園では中長期的なビジョンとして、職員が主体的に保育をすること、保護者が安心して預けられること、保育の説明ができることなどを目指しており、園長が口頭で伝えている。さらに計画として具体的に明示して園運営に取り組むことが期待される。

〇小学校との交流の再開に期待したい
就学に向けた取り組みとして、年長児クラスでは、人の話を聞く事の大切さや相手の思いを知ること、自分の思いの伝え方についてを朝の会・帰りの会で話し合う機会を多くもつなどの援助をしている。コロナ禍において、昨年度より小学校との年長児の交流は中止となっている。地域との交流では、年長児の作品展がWeb上で見ることができるなどの工夫も行われているとのことである。小学校との交流についても再開、または新しい交流の仕方についての検討などが期待される。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
2021年度第三者評価の結果報告を踏まえ、2022年度においては、日々の保育では、コロナウイルス感染症感染拡大状況を踏まえ、感染予防に努めながら、保育園周辺の戸外あそびを多く取り入れていきたいと思います。
また、行事においても、可能な限り出来る範囲での実施を考え、中止の場合には、代替えでの行える行事を行いたいと考えています。
職員の育成においては、第三者評価結果及び保護者から意見を職員会議時に全体で共有し、前年度の改善点・実施内容確認を各リーダーと計画を立ていきたいと思います。また職員とは、今後も年2回の面談を行い、目標をしっかりと確認し、計画的な研修参加を実施できるように考えています。

詳細評価PDF 詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

・法人理念、保育理念、保育方針、保育目標は明文化され、法人ホームページによって周知されている。
・全体的な計画に理念・方針を記載し、職員室に掲示して、職員の目に触れることで周知と理解、保育につながるように取り組んでいる。年度初めの会議では理念と方針について園長から伝えている。法人の研修では開始前に理念方針を確認することを習慣としている。
・保護者に向けては、新年度保護者懇談会で年間指導計画や行事計画、食育計画などを説明し、理念を具体化した形で伝えるようにしている。園のしおり(重要事項証明書)にも記載し、新年度保護者では変更点などがあれば伝えている。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

・川崎市及び中原区などの関係機関と連携を図ると共に、区の広報誌などを通して地域の福祉の動向確認を行っている。中原区役所で子どもの状況や新園の情報を得ることができる。1月半ばには来年の入園について区から説明があり、主任や、法人の事務員、事務長に共有している。園長会でも共有されている。
・定期的に保育のコスト分析や保育所利用者の推移、利用率などの分析にも取り組んでいる。
・社会福祉事業全体の動向について、法人や園長会で情報共有し、責任者会議で報告している。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

・理事会、園長会にて議題とし決定後、責任者会議及び職員会議にて職員へ周知している。
・各園の経営状況、職員体制、保育施設整備、保育内容などの経営課題については、理事会や園長会において検討し、必要な内容は職員会議で職員への周知を行うことにしている。
・経営課題解決の取り組みでは、給食について園長と監査が川崎市や中原区の栄養分析ルールに合致させ、コストシミュレーションを行った。結果、法人共通メニューから川崎市準拠メニューに変えることでコスト削減できることが判明し、今年度より実施されている。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・法人理念をもとに、前年度の事業報告の内容確認後、次年度事業計画を見直し予算計画を立てている。
・中・長期の経営方針が今年度示され、園長会において説明された。事務長からの各園の代表職員へのオリエンテーション後、職員会議において、職員の待遇に関わる事柄を中心に報告され、職員への周知を図っている。
・園長は中長期的なビジョンとして、「職員が主体的に保育にでき、保護者が安心して預けられ、保育の説明ができるように」を目指しており、口頭で伝えている。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

・中長期計画を踏まえた事業計画ではないが、年度初めの職員会議において事業計画について口頭で説明し、年度末に事業計画の振り返りを行い、計画の見直しを図っている。
・事業計画に沿って全体的な計画、年間保育計画、行事計画、食育計画、保健計画、研修計画などの各種運営計画を策定している。
・事業報告では事業計画の項目ごとの支出を明記し、その内訳と総括の報告がなされ、結果は確認できている。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

・新年度職員会議において、年間の保育方針や予算計画などを周知している。
・保育材料購入計画において、乳児、幼児での玩具・絵本などの購入は、リーダー会議を行い予算・購入方法・決定期限などを示し、具体的な内容については各クラスの希望を把握して決定している。
・毎年、前年度経費(行事を含む)の総括を実施して、当該年度の経費計画を立案している。年度末には前年度の事業計画についての振り返りを行っている。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

・事業計画書そのものを保護者に伝えることはないが、事業計画の中で、直接子ども・保護者に関わる事柄は、全体的な計画、年間指導計画に反映させており、その内容を保護者に伝えている。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

・職員及び保護者への第三者評価を毎年行い、課題についてはリーダー層と保護者の意見をもとに課題を主任と話し合っている。課題点は議事録に記し、達成時期については内容によって時期を定めて示している。
・年間2回の職員個人面談を行い、振り返りを行うと共に、次年度への見通しを持って保育にあたれるよう園として取り組んでいる。
・年間指導計画の評価をもとに「園児」「養護」「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」「食育」「個別」などの項目について個別に総括実施し、保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われている。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

・評価結果は、園長、主任、保育リーダーなど管理職が内容確認後、改善点の把握を行い、責任者会議にて改善計画の内容確認を行う流れとしている。
・また職員会議にて職員へ内容結果の報告を行った後、閲覧ができる様にファイリングしている。
・昨年度コロナ禍で行事が制限されたが、消毒や換気など感染リスクを軽減しながら、子どもの経験を増やし、保護者も保育に関わりながら保育の質の向上に向けた改善策を行っている。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

・職務分担表にて職務内容を明示し、園長から全職員の役割と責任について示されている。災害時分担表では責任と指示系統を明示している。
・経営・管理においては、新年度職員会議時に年度内の計画や方針の説明を職員に行うことで役割と責任を示している。
・職務分担表や災害時分担表、年度当初の職員会議やリーダー会議、責任者会議、乳児会議、幼児会議、給食会議、アレルギー会議、離乳食会議、非常勤会議などにおいて、具体的な日々の保育や園運営に関する方針を明確に示すことによって園長としての役割を示唆している。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・例年、法人内外研修に参加している。今年度の研修はコロナ禍で制限されているが、園長会などで新しい情報を得た際は職員に共有している。
・園長、主任、保育リーダーなどは、職員との日常的な関わりにおいてコンプライアンスの遵守を伝えるなど、具体的な取り組みを行っている。
・入職時には全職員に対し本社でオリエンテーション研修を実施し、社会人・保育者として守るべき法・規範・倫理などを説明し、周知徹底に努めている。またその後も内外部研修において、コンプライアンス遵守、特に人権尊重や個人情報保護に関する理解を深めるよう促している。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

・法人内および外部施設長(園長)研修・中原区園長会研修、園内研修などの参加によって保育士の資質・専門性の向上を図っていたが、今年度は、コロナ禍のため中止となっている。
・物的環境においては、落ち着いて机上遊びができるようになど、集中して遊べるスペースを確保するようにしている。また、保育士の配置については職員の経験年数を考慮し、各クラスの保育が円滑に回るような配置を心がけている。保育内容としては体を動かし、ルールのある遊びに取り組んだり、乳児においては1対1でのかかわりができるよう工夫している。
・園の自己評価については定期的に実施することも検討されたい。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・園長が衛生推進者として、職員の労働環境が及ぼす体調不良への影響から、書類作成時間確保へ繋げられるシフト体制を調整し、働きやすい環境整備を目指している。
・定数を満たしているが、職員不足が職員もある中、人員配置では各職員の経験年数を考慮して、各クラスの保育が円滑に運営できるよう配置を工夫している。
・毎月、経営の改善や業務の実効性を高めるため、園長自ら積極的に各責任者会議や活動に参画して業務の改善に向けて取り組みを進めている。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・採用については法人本部で実施しており、保育士フェアへ参加するなど、人材確保に積極的に取り組んでいる。園の意向を汲み、必要な人材像や人員体制などを考慮しながら、人材の確保と育成に関する方針を確立させ、計画性をもって採用活動に取り組んでいる。
・法人のホームページには、「『TOKYO働きやすい福祉の職場宣言』に登録し、フリー保育士3名を配置することで、職員全員の定時退社と有給100%消化を目指しています」と明示し、神奈川県でも準拠した取り組みを進めている。      

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

・法人理念・基本方針と合わせて、職員像についても入職時の新人研修で周知し、法人の目指す方向を示している。
・職員階級表や職務分担表によって総合的な人事管理をし、職員階級表や職務分担表を活用して適切な目標管理が出来るようにしている。人事基準は本部で決定し、結果は園長に伝えられ実行することになっている。
・職員の意向・処遇においては、職員階級別、職務分担表を活用しつつ個人面談を行い、内容確認と共に人事考課を行っている。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・職員が書類作成時間の確保できるようにシフトの体制を調整したり、各リーダーが書類作成の進行状況を確認することで、全体の業務負担の軽減に努めている。
・園長が衛生推進者として、職員の労働環境がおよぼす体調不良への影響を見直しており、書類作成時間の確保へつなげられるシフト体制を考えるなど、働きやすい環境整備を目指している。
・法人として職員全員の定時退社と有給100%消化を目指しており、その実施に取り組んでいる。
・法人として福利厚生が充実しているほか、職員から「意見交換がしやすい職場」「管理職との良好な関係により、悩みなどを相談しやすい」と働きやすい職場との評価がある。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・目標設定(個人別考課)シートは、園長と面談のもと、目標項目、目標水準、目標期限を記述し、職務階級に沿って個別面談を2回行い、観察記録ノートを設けて目標・改善点の確認を行っている。
・園長をはじめ主任やクラス担任が中心となり、保育のアドバイスを適宜実施し、先輩に相談しやすい環境を整えている。最終的な保育方針の決定については、園長指示のもと職員会議において周知に努めている。
・現在は川崎市への準拠だけでなく、あざみ会の職員としての育成・指導を行っている。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・事業計画には「職員指導を徹底し、社会人としてそして保育のプロとしての意識を育て、資質の向上を目指す。」と、そのための行動計画が記され、法人として職員の育成を図るための研修計画が策定されている。
・研修計画に従って各階級別、法人内研修の実施び外部研修の計画的参加を進めている。研修後は研修報告書を作成し、園長に提出している。研修参加の3か月後には、研修内容がどの様に保育にいかされたかを確認し、研修の成果を確認できるように努めている。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

・階級別および経験年数による、キャリアアップ研修・外部(川崎市・中原区)の研修参加を促し、職員が教育や研修の場に参加できるようシフト調整を含め支援して質の向上に努めている。
・新任職員をはじめ、職員の経験や習熟度に配慮した個別的なOJTに取り組んでおり、職員一人ひとりが、教育・研修の場に参加できるよう配慮している。
・研修参加後には報告書を提出することにしており、職員一人ひとりの研修成果を確認している。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

・例年は、実習希望校の担当職員との事前打ち合わせを行っているが、今年度は、コロナ禍で実習生の受入れは実施していない。
・中原区で「実習生の受け入れに当たって」という研修に基づき、現在の実習生の状況を把握し、さらに情報収集を進め、園の実習生受け入れマニュアルに反映させており、現状の実習生に合った受入れを目指した取り組みを行っている。
・担当職員によるオリエンテーションを実施し、個人情報の取り扱いをはじめ、園の概要や保育理念、保育の心得などの説明をしている。具体的な保育内容は、クラス担任が丁寧に伝えるようにしている。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

・法人のホームページや、中原区子育て情報ガイドおよび中原区ホームページに掲載して情報提供をしている。
・ホームページでは理念や目標、役員名簿、役員報酬規程、定款、財務報告、など法人として運営の透明性を確保する情報公開が進められている。また、昨年度よりブログを開始し、保育の様子をわかりやすく保護者や利用希望者等に伝えるように取り組んでおり、本格的な活用を目指している。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・法人として会計センターによる内部監査を定期的に実施しており、指導、助言のもとに事業経営・運営の適正性を担保している。
・業務全般に関する諸規定を整備し、透明性の高い適正な経営・運営のための取り組みに努めている。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・地域参加型行事については、保育園掲示版にて掲示、および中原区子育て情報ガイドに記載している。
・子どもと地域との交流に関する基本的な考え方については、事業計画において「地域の行事にも職員が参加し、積極的に地域との関係作りに育む。」「地域向けの行事や地域に開放できる場所は開放し、地域の子育て支援を積極的に行う。」と、基本的な考え方を示している。
・全体的な計画では、事業計画に基づいた、子育てサロンや保育体験、夕すずみ会、園庭解放、図書貸し出し、育児相談、一時預かりなど、例年通りの施策を示唆している。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

・例年、地域・各学校からの依頼にて、内容確認を行い実施日程調整を行っているが、今年度はコロナ禍のため、中原小学校2年生の担任職員から保育士の仕事への質問用紙を預かり回答することで対応している。
・地域はボランティア活動の盛んなエリアであり、ボランティア受け入れの基本姿勢を明示しており、積極的に受け入れることにしている。受け入れ時には個人情報の取扱いをはじめ、園概要や保育理念、保育の心得、子どもとの関わり方で留意する事項などを説明し、円滑な活動を支援している。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

・中原区作品展時に園のリーフレットを置いたり、また中原区子育て情報ガイドブックへ内容掲載して緊急一時保育の案内など情報提供を行っている。
・子ども・保護者が参加できたり、関わりのありそうな川崎市や中原区の資料や情報を収集しており、責任者会議・職員会議などにおいて情報共有を行い、個々のクラスからも保護者に情報提供できるよう努めていいる。
・園の機能や専門性は、通常の保育に支障のない範囲で地域に還元することに努めており、絵本の貸出しや園庭開放などを行っている。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・園長は、中原区幼稚園・保育園・小学校連携事業「園長・校長会」および、中原区認可保育園長・認定こども園長会へ出席し、保育および共通課題に対する情報共有を図り、地域ネットワークにおいて協働できるよう取り組んでいる。
・川崎市、中原区で行っている取り組みをそれぞれから聞いて、園での取り組みに結び付けている。
・地域ニーズとして、療育の必要な子どもたちのため関連施設と連携を取り、園で行うべきことを把握するなどして、地域のニーズに対応できる体制を整えている。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

・例年、地域への園庭開放および絵本の貸し出し、子育てサロンへの参加、地域参加型行事(移動動物園・夕涼み会)の計画、中原区子育て情報ガイドブックに情報を掲載している。
・区内の園長会や幼保会に出席や子育てサロンへ出張保育をして、地域の情報を収集し職員間で共有している。また、実習生やボランティア、職場体験などの受け入れを中原区子育て情報ガイドブックへ掲載して、地域への活動参加に寄与している。
・園外の掲示板にも園や地域の情報を貼り出しているが、子育て相談の認知を高めるためにも、範囲を広げて告知を行うことをも検討している。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・入職時、新人法人内研修にて学び、また、階級別研修および外部研修でも、子どもの人権・自己肯定感の重要性の周知に努め、理解を促している。
・法人の保育理念には「私たちは、児童憲章、児童権利宣言、保育所保育方針、保育士倫理要綱などに則って保育をします。」「入所する乳幼児の最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することに最もふさわしいものになるよう、日々の努力を怠らない。」と明記されており、常に振り返り意識できるように取り組んでいる。
・川崎市では子どもの権利条例が制定されており、自宅待機期間には川崎市児童虐待対応ハンドブックの内容を確認する自主的研修を実施し報告を行うなど、職員の理解が深まるように取り組んでいる。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

・入園時に重要事項説明書に基づいた個人情報の取り扱いについての説明を行い、個人情報の使用に係る同意書を受け取っている。
・各クラスでは、着替え時や身体測定時などプライバシー保護のためにカーテンを設置したり、おむつ交換は目に触れない別のスペースで行うなどの配慮をしている。
・事務所のガラスにシートを張り、外から顔が見えないようにするなど、事務所で保護者との相談の様子が他の保護者の目に触れないようプライバシーに配慮している。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

・ホームページで法人共通の情報を提供している。各園で実践している「あざみ会」の理念、方針、手作り給食、各園行事・教室紹介を写真・図・絵、動画などを使用して、園の特徴を伝えられるように作られている。
・現在各園のリンク先のメインフレームに新着情報が示されるが、「現在記事はありません」となり、それ以上の情報がわかりにくいので工夫が必要である。
・ホームページには、入園を希望する保護者向けの問合せフォームを設け、資料請求や園見学の希望を受け付けている。
・入園に関する電話の問い合わせにはいつでも対応している。コロナ禍での園見学は1名につき15~30分の対応とし、リーフレットで園の特色を伝え、質問にも丁寧に対応することを心がけている。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・例年は、入園時説明会においてパワーポイントを使い「園のしおり(=重要事項説明書)」を用いて説明をしている。
・今年度においては、コロナウイルス感染症予防のため、全体での入園説明会を控え、新入園児個人面談時に入園のしおり(重要事項説明書)を用いて個々(個別面談と合わせて)に説明した上で、同意書を交わすこととしている
・特に配慮が必要な保護者への説明は、担当・主任・園長が連携して対応するルールになっており、適正な説明、運用が図られている。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・転園時においては、保護者の同意のもとに転園先の園と連絡を取り合い、転園児の情報共有を行い、入園前健診および児童票を郵送している。
・転園先からの問い合わせがあれば、保育の継続性に必要で、かつ保護者の同意のもとで適切な範囲で引継ぎ情報(健康調査票)を提供し、利用終了後も保護者が子どもについて相談が可能である旨を伝えるようにしている。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・行事後のアンケートおよび個人面談を行い、満足度や個々の状況把握に努めている。その他、年に1度第三者評価を取り入れ、結果を分析し、利用者の満足につなげられるように見直しを行っている。
・入園時に重要事項説明書などで苦情解決制度や人権擁護について説明し、要望などは直接口頭で聞いている。
・日々の子どもの様子などから、子どもの満足についてクラス、職員で共有する取り組みがなされている。
・登降園時の保護者との会話、保護者会、個人面談、行事後のアンケートなどから、満足度や個々の状況把握に努めている。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

・園のしおりには苦情受付け体制や第三者委員を記載し、園玄関には意見箱を設置している。苦情解決制度については、苦情受付から解決に至るフローを説明し、入園時には口頭で伝えている。苦情解決実施要領を定め、苦情受付簿に記録し、その対応に関しては状況に応じて保護者に開示している。迅速な解決を目指し、曖昧にしないことを大切にしている。
・本部は系列園の苦情事例を園長会にて共有し、園長から職員に周知し、検討を行い、園だよりや掲示でフィードバックしている。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

・保護者からの相談は担任及び園長・主任が対応することが園のしおりに記載されており、周知に努めている。
・相談内容によっては担任以外にも、園長、主任、看護師や栄養士の専門職も保護者の相談に応じることを、入園時や保護者会などを通じて伝えている。
・保護者とのコミュニケーションを図り、気軽に声をかけてもらえるような関係作りに努めており、相談内容に応じて場所を設定しプライバシーに配慮している。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

・意見や問題点があった時には、緊急会議を行い迅速な解決に努めている。担任だけで判断できない場合にはリーダー、主任、園長への相談後、応答するルールとしている。
・保護者からの相談で即答が難しい時には、迎え時までに確認し返答するようにしている。
・意見箱は玄関入口横に設置している。
・保護者対応の基本については入職時の法人内研修で学び、組織として保護者の意見や要望を傾聴する姿勢を明示している。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

・事故報告書は、園児・環境・保育士・原因・対策を明確に記載して作成している。月ごとに発生時間と件数を集計し、職員会議で報告する取り組みも行っており、事故再発防止に努めている。
・事故報告作成後は看護師・主任・園長が内容を確認し、怪我報告書ファイルに綴じ、各職員が目を通して内容確認のためのサインを記入することで周知につなげている。
・毎月、ヒヤリハットの年齢別、場所などでの集計を行い共有し、事故の未然防止に取り組んでいる。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・保健マニュアルおよび川崎市保育の質ガイドブック・新しい生活様式に配慮した保育事例集・健康管理マニュアル・公立保育所食物アレルギー対応マニュアルの活用をし、感染症発生時は、保護者への掲示と共に職員への状況周知を行い、敏速な対応に努めている。
・現在コロナウイルス感染症予防のため、保育室のみならず、手すり・棚・電源スイッチ・机・椅子・固定遊具・玩具など感染源になりやすい箇所は、1日2回の次亜塩酸消毒を行い、チェックリストを作り確認できるようにしている。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

・災害リスクの高い浸水については垂直避難、それ以上の場合には隣の中学校に避難要請ができるよう安全確保をしている。
・消防計画及び洪水時の避難確保計画を作成しており、避難訓練の実施、「災害時お迎え者確認名簿」を使用した引き取り訓練、手順確認を行っている。消防計画や洪水時の避難確保計画は川崎市に提出して確認を得ている。
・今年度の食料備蓄は、3日間の園児80人分の整備をし、栄養士が年1回定期的な備品点検を実施している。
・保護者には入園時に災害時の対応体制を説明し、職員には定期的な訓練や災害時の対応マニュアルにて理解を促している。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

・保育についての標準的な実施方法は法人作成の統一マニュアルに文書化されており、保育・保健・食物アレルギーマニュアルなどが整備されている。マニュアルの改訂は昨年度からの課題となっており、現在取り組み中である。また、川崎市健康管理マニュアル・川崎市食物アレルギー対応マニュアルも活用し、提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立に取り組んでいる。園独自の散歩マニュアルを作成し活用している。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

・園長・主任・保育リーダー・クラスリーダーが内容検証会議を行い、必要性に応じて見直しを行っている。(年度末に1回)
・マニュアルについては法人の変更に合わせた見直しが行われている。園で作成している散歩マップは毎年更新を行っている。また新型コロナウイルス感染症の対応として昨年度より消毒のチェックリストを作成し、記録を行っている。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

・保育リーダー・主任・園長が各職員の人事考課を記入し、一人ひとりの能力の把握に努めている。また、日々の保育の中での課題を報告し、指導の共通性を図っている。                                         
・各階級別職務分担表を提示し、面談時に内容・目標・改善点確認を行っている。                              ・法人理念から年間指導計画に繋げ、月案・週案へと下ろし、子ども達のより良い成長に繋げるため、クラスリーダー・保育リーダーが常に保育の内容と課題・改善点を見直し、その後主任・園長に報告および会議を行い、全体に周知している。        
・年間指導計画を4期に分け各期ごとに評価反省を行い改善に努めている。
・支援困難家庭については、療育支援センターや区役所の保健センターと連携し、どの様な保育提供が必要か検討する体制としている。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・年間指導計画は、年度末に年1回、園長・主任・保育リーダー・クラスリーダーが今年度を振り返り、計画および子ども達の成長段階の状況確認と見直しの必要性を協議し立案している。内容変更を行う場合は、次年度のクラス担任および各職員へ新年度会議時に周知している。                                                                ・緊急に変更する場合は、責任者会議およびリーダー会議を行い職員へ周知する流れとしている。基本的に年度途中での変更は行わな
い様にしている。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・児童票、児童調査票、健康の記録に記載し、家庭状況および健康状態の把握に努めている。
・乳児においては、個別月案・日誌を作成し、書類作成後はクラスリーダー及び保育リーダーまたは主任が内容確認および添削を行い、内容最終確認は、園長とし捺印をしている。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・各書類別にファイリングし、施錠棚にて保管している。法人内外研修への参加および新年度会議・職員会議にて、個人情報管理の基本事項を周知している。
・記録書類の管理においては、各クラスリーダーおよび保育リーダー・主任・園長が把握し管理を行っている。
・個人情報の守秘義務については、新入園児説明時に園のしおりによって保護者に説明を行った後、重要事項説明書及び個人情報の使用に係る同意書に署名捺印のうえ提出を依頼している。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

・法人統一の全体的な計画を使用し、年度初めの会議(新年度準備の日)において全員で読み合わせを行い共通理解に取り組んでいる。
・年間指導計画は、全体的な計画から内容を下ろし、各クラスにおいて子どもの姿を踏まえながら作成し主任・園長が確認し全体で共有している。
・法人理念、保育方針などは入園のしおりに記載し、また、年間指導計画(ねらい・目標)は、4月の保護者会資料にも記載している。法人理念の貼り紙は各所に貼り、職員が意識しやすいようにしている。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

・園全体的に窓が多いため、園舎内は常に明るく日当たりも良い。コロナウイルス感染予防対策として、常に窓を開けて換気に努めている。
・0歳、1歳児クラスでは食事と遊びのスペースを分け生活リズムに合わせて過ごせるように配慮し、幼児クラスは活動内容に合わせて設定している。ホールも多く活用し身体を動かすようにしている。
・寝具においては0歳児は布団を使用し、1歳~5歳児はコットを使用して、毎週1回除菌清掃を行い衛生管理に努めている。(週1回天日干し、布団及び毛布は年2回布団乾燥業者に依頼。)
・トイレは、便座各箇所に仕切りを設置しプライバシー確保に努めている。園内清掃の用務員が園内の清掃を行っているが、職員も時間を作り、各保育室や各所の掃除、消毒を行ない感染予防に努めている。(園内、手摺・棚などは、1日2回消毒を実施)

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

・新入園児との面談の内容を職員間で共有し、また園児の状況においては、各会議時(クラス、リーダー、乳児、幼児会議)に内容確認を行い、子ども一人ひとりの姿を全職員が把握できるようにしている。日々の申し送りは連絡ボードで把握できるようにし、クラス日誌はシステム上に記録・保管されている。
・乳児においては、気持ちや思いを汲み取り代弁し、その都度必要な言葉を補うようにして言葉を引き出せるように配慮している。保護者とは連絡ノートを使用して日々の子どもの様子をやり取りし共有できるようにしている。
・幼児へは、子ども同士のトラブルの際、保育者が仲立ちとなり、自分自身の思いの伝え方や相手の思いに気を付けていける様にしている。また言葉での伝え方を知らせ、必要な時には一人ひとりに合った個別対応を心がけている。言葉づかいについては、やさしく子どもの気持ちを汲み取ることができるような声がけに配慮している。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

・生活の中で、身の回りのことを各自が楽しんで習慣化できるように、自発的な行動を見守りながら、それが難しい時には、次の行動に繋がるよう促すことを大切にしている。また、流れの行動説明を確認しながら行動の切り替えに繋げている。各クラスの子どもたちの体調や様子を見ながら週案をたて、無理なく活動や生活ができるように配慮している。また、子どもや天気などその日の状態によって臨機応変に活動を変更している。
・0歳児後半より、自分でやってみたい気持ちを汲み取り、着替えなど手伝いながら援助をはじめている。1歳になると興味が広がり、気持ちを尊重しながら対応している。2歳児クラスでは食事、言葉など自立が始まる頃より様子をみながら、トイレトレーニングをはじめ保護者と相談し伝えあいながら進めている。食具の持ち方などについても家庭と共有している。
・年長児は年明けから昼寝時間を少なくしており、就学に備えている。昼寝時間についての保護者の希望には、子どもの状況、活動の様子などを伝えながら園での対応について説明している。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

・コロナ禍においては、感染症状況を考慮しながら、園庭遊び及び園周辺の等々力広場・催し物広場・フロンターレ公園・多摩川緑地などで十分に体を動かすように設定している。なるべく広い公園へ出かけ、他園や人との接触がないように配慮している。
・地域交流として移動動物園・夕涼み会開催、表現活動の一環としては、年長児が区の作品展に参加し、子ども達同士協力して作品作りを行っている。(※コロナ禍のため中止、Web上での展示会への変更などの対応)
・園庭遊びでは、感染予防に努め、クラスごとに時間差で順に遊ぶ様に配慮している。砂場、鉄棒、ままごとハウスで遊んだり、栽培活動や水遊びなど季節の遊びも楽しむことができている。
・感染状況が落ち着き始めた12月のクリスマス会からは、乳児・幼児分かれホールでの合同クリスマスマス会を行うことができている。今後も感染状況に応じて開催できる行事は感染対策を考慮した上で、子ども達が楽しめる機会を十分に計画する予定がある。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・入園当初は月齢差に配慮し、個々に合わせた対応を行うように努めている。一人ひとりの発達に合わせた活動内容にしたり、設定遊びを行なっている。天気の良くない日や体調のすぐれない子どもがいる時は室内で過ごすことが多く、ホールで体を動かしたり、保育室でも玩具を入れ替えて設定したり、コーナー遊び・机上遊びを少人数で行なったりなどの工夫をしている。
・遊びと食事のスペースを分け、また睡眠時間も一人ひとりのリズムに合わせて対応し午前や午後にも必要に応じて眠れるように配慮し、少しずつ保育園での生活時間に合わせることができるように援助している。
・家庭との連絡は連絡ノートや登降園時の口頭でのやりとりで子どもの様子を聞き、適切な対応ができるようにしている。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・子ども同士の関りも多くなるため、危険のないように見守り子どもの状況を把握できるように努めている。自分の思いを伝えられない年齢でもあるため、気持ちを受け止め仲立ちして仲良く遊べるように援助している。かみつき、ひっかきなどがあった場合には謝罪とともにその状況や対応、経過についても詳しく保護者に伝え、職員間でも共有し再発防止に取り組んでいる。
・必要に応じてクラス会議を行ない、個々の状況を確認し合って一人ひとりに見合った対応の仕方を見直している。また、個々に合わせた援助の仕方や度合いを職員間で共有して同じ対応ができるようにしている。
・家庭との連携を密にするために連絡ノートや登降園時の口頭でのやりとりで子どもの様子を聞き、適切な対応ができるようにしている。また、必要時には保護者と個人面談を行ない、子どもの家庭状況を確認したり、園での様子を丁寧に知らせたりしている。
・2021年11月からは試験的にブログで保育の様子や給食を掲載して、園での様子や取り組みを家庭と更に共有できるように取り組んでおり、次年度からは本格的な運用を目指している。ブログの写真は保護者からも好評を得ている。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・3歳児の遊びでは、子ども達同士の関わりを見ながら思いの伝え方や遊びの展開が難しい時には、保育者が仲立ちとなるようにしている。
・4歳児では、子ども達自身の遊びの自発性を大切にし、保育者が見守りながら遊びのルールなどを知らせている。
・5歳児においては、子ども達同士の言葉のやり取りや発想を大切にし、そこからどのような遊びに展開できるか保育者も必要に応じて促している。また人の話を聞く事の大切さや相手の思いを知ること、自分の思いの伝え方などを朝の会・帰りの会などでその日の出来事を交えて、話し合う機会を多くもつ様にしている。尚、小学校入学前に、小学校と聞き取り面談を実施し、連携を図っている。
・サッカーや鬼ごっこなどルールのある遊びを行い、保育士も参加し皆で楽しめるようにしている。コロナ禍においては異年齢での活動は制限しており、朝夕の合同保育時間では一緒に遊ぶ姿も見られている。運動会は園庭で幼児のみクラスごとに実施、発表会もクラス単位で実施し、夏祭りは規模を縮小して行うことができている。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・障害のある子どもの受け入れを可能としており、また配慮が必要な子どもの保育においても個別指導計画を作成し対応可能な体制である。園内はバリアフリーでありユニバーサルトイレの設備もある。
・保護者とは定期的に個人面談を行ない、支援施設からの情報を共有したり、園での姿を伝え、成長や発達を全員で把握し、園全体で見守れるようにしている。
・発達支援や障害児保育などの園外研修を受講する機会をがあり、コロナ禍においてはWebでも受講している。支援の必要な園児に対しては、療育センター及び市・区役所関連職員との連携を行い、成長を支援している。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・朝夕の延長保育時間での合同時には、個々の遊びが保障できるように環境や玩具を整え、じっくり遊びこめるように配慮している。人数が少なくなると乳児・幼児合同で、18時半以降は補食(ビスケットなど)を提供している。異年齢で過ごすため、玩具や絵本、設定に工夫をしながら、一人ひとりとゆったりと関わり寂しくならないように配慮している。
・受け入れ前に登園前の様子を確認し、受け渡し時には園での姿を丁寧にお伝えするように心がけている。保護者に伝える内容が担任から伝えた方が良い場合は、遅番や早番などシフトを確認し、なるべく担任が対応できるようにしている。(シフト変更を行い対応することもある。)

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

・就学を見通した計画に基づく保育内容については、指導計画に沿って取り入れるようにしている。年長児クラスでは、人の話を聞く事の大切さや相手の思いを知ること、自分の思いの伝え方についてを、朝の会・帰りの会で話し合う機会を多くもつなどの援助をしている。
・コロナ禍において、昨年度より小学校との交流は中止している。担任と小学校とのやり取りは手紙やWebで継続して行っており、情報を得るようにしている。
・年長児の保護者会においては、例年小学校児童コーディネーターに来園を依頼し、小学校入学に向けての準備と学校生活の説明を行ってもらう機会を設けている。(今年度は例年通りに小学校へ来園依頼をしたが都合がつかなかったため、就学に向けた取り組みについて保育者より、保護者会で小学校への準備などを丁寧に説明する場を設けた。)

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・法人の保健マニュアルを使用しているが現在、改訂の準備をすすめている。併せて、川崎市公営保育園の健康管理マニュアルも活用し、園児の健康管理を行っている。
・園児の状態変化の報告を受ければ、職員間での情報交換を必ず行い、保護者へのお知らせは原則微細な事まで漏れのないよう、記録(保健日誌・保育日誌・けが報告書など)に残し確認を行っている。日々の園児の情報に関しては、出席簿と連絡ボードを用いて確認し、職員会議の際には、全職員が園児の健康情報を共有できるよう、議事録は会議に参加できなかった職員も必ず確認を行っている。
・園内で計測した各種保健データは、家庭連絡カードを用いて保護者に伝達し、またこのカードを用いて、保護者から予防接種や乳幼児健診に関する情報を入手している。
・保護者への健康教育は保健だよりを通して情報提供し、必要であれば対面での個別指導も行っている。SIDS予防については入園時に説明している。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

・歯科検診・健康診断双方に置いて、単なる受診勧告に留まらず、医師から得た子細な情報も保護者に伝達する様に心がけている。また、受診を要す園児に関しては、必ず担当職員に直接伝達し、受診の有無の確認まで行っている。また、生活変容(食生活・皮膚のケアなど)が必要とされる場合は、必要時、直接保護者と対話しながら、無理のない促しを行っている。
・健康診断などの予定は年間予定表にも掲載されているので、事前に心配なことなどがあれば相談できることを保護者に伝えている。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・法人・川崎市・厚生労働省のマニュアルに則り、食物アレルギーに関しては原則発症の確認が家庭で行われるように、保護者への説明・指導を行っている。アレルギーの疑いが園内で確認された際は速やかに、体調の確認を行うと共に、保護者へ連絡をし、今後の対応についてマニュアルに沿って粛々と協議を行っている。
・職員は各種勉強会を通じ、アレルギーの理解を深める機会が与えられ、また喘息やアトピー性皮膚炎の疑いのある園児などへのケアは、保健従事者が必要時指導を行っている。
・食物アレルギー児は別テーブルで食事を行い、原則専属職員が介助し、他の園児が接触することのないよう、観察・指導を行っている。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・食育年間計画を作成し、目標に沿って年齢ごとに子どもたちに食事の楽しみや食事のマナーを伝えている。季節ごとの行事食では盛り付けや型抜きなどの工夫によって楽しく食べることができるように工夫し、また食事からも季節を感じられるように配慮している。
・栄養士が巡回する際には、食具の持ち方や離乳食の進み具合なども確認し離乳食会議、喫食簿、ヒアリングなどにより改善に努めている。好き嫌いへの対応では、食べやすいように食材を刻んだり和えたりなどの工夫をしている。また、促しはするが食事時間がストレスにならないように楽しく食べることを大切にしている。
・コロナ禍においては、調理活動は中止しているが、野菜についての話をしたり、栽培活動などを通して食材を身近に感じ食に興味を持つことができるように援助している。
・保護者に向けては給食だよりで季節の食について伝えたり、給食の写真をブログに掲載したり、また離乳食に関する悩みなどは個別に相談に応じるなどの対応も行っている。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

・川崎市公立保育園の献立を基本に献立を作成し、化学調味料を使わない国産の食材を中心に、郷土料理、行事食などを取り入れ季節を感じられるような献立の工夫をしている。3月には年長児のリクエスト給食を行い、子どもが選んだ好きな献立を提供する日を設けている。当日は栄養士が箸袋を作ってお祝いするなど、子ども達の思い出に残るような取り組みを行っている。
・配膳や下膳の際に栄養士が巡回を行い、子どもたちの食事の様子を確認している。食べづらさがある場合にはすぐに修正し、今後の献立作成に生かしている。喫食簿を毎日記入し、献立の調整を図っており、食材の形や大きさ硬さを、調理職員や保育士と相談し、各月齢に合わせて適切に提供できるように取り組んでいる。
・川崎市「保育園給食の手引き」に基づいて、衛生管理に取り組んで調理を実施している。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

・乳児クラスは口頭と連絡ノートによって登降園時に保護者と家庭及び園での様子を共有し、幼児クラスは視診と口頭によって共有している。また幼児クラスでは、クラスの活動の様子や写真、連絡事項などを連絡ボードに掲示して周知している。それぞれの家庭状況などは、希望により個別面談を行っており、個別面談記録に内容を記載し保管している。
・コロナ禍のため、懇談会は中止となりプリントで内容を周知した。保育参加は人数制限を設けて行う予定であったが中止とした。毎月、クラスだより、園だより、給食だより、保健だよりを発行し、園での取り組みや子どもの様子を詳しく伝えており、保護者の理解を得られるように努めている。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

・個人面談は全員ができるように案内を配布し、保護者の希望日・希望時間を確認して面談を行っている。期間の中で都合のつかない家庭へは別日を設けて実施するよう配慮している。相談内容に応じて、担任だけでなく園長や主任が同席したり助言をするなどの体制がある。
・今年度もコロナ禍のため、希望者のみ個人面談を行った。個人面談を行う際は、事前に園からお伝えする内容を記入し、園長確認を行っている。面談後は家庭からの内容を記録し全職員が見られるようにファイリングしており、その中で重要性のあることは会議などで職員へ知らせ、内容を共有している。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

・登園時には視診によって子どもの健康状態を確認し、保育中は着替え時などに、身体などにアザや打ち身などがないかをさりげなく確認し、日頃より虐待などの早期発見・早期対応に努めている。
・市や区からの園児状況確認があった場合には、保育園での状況を伝えている。その後も継続的な保護者と園児の関わりと環境に目を配り、状況により市・区に連絡をしている。
・年度始めの職員会議において、子どもの人権について話をし、保育内で注意すること、保護者対応時に気をつけること、プライバシーや人権などを確認すると共に、川崎市子どもの権利条例の内容確認を行い、川崎市の子どもの育成に努めている。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

・クラス会議および職員会議時などへの報告を通し、相談・評価・改善点の見直しを行う機会を設けている。
・職員一人ひとりの自己評価は、年度末に行い法人に提出している。
・保育の振り返りは、日誌、月、期ごとに行っており、指導計画に沿った保育が実施されているかを確認し、課題や改善の必要がある場合にはその内容をクラス会議で共有し個人ではなく全体で考え、保育の質の向上に向けて取り組んでいる。