社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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小学館アカデミー かみおおおか保育園

2023年01月20日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 学研データサービス

② 施設・事業所情報
名称 小学館アカデミー かみおおおか保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 54 名
所在地 233-0001
横浜市港南区上大岡東1-3-18
TEL 045-842-0751 ホームページ https://www.shopro.co.jp/hoiku/shisetsu/kamioooka/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2012年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社 小学館集英社プロダクション
職員数
常勤職員:17 名
非常勤職員:7 名
専門職員
保育士:18 名
栄養士:3 名
看護師:1 名
調理員:2 名
用務員:1 名
施設・設備の概要
居室数:保育室4室、調理室、事務室、
    シャワー室、トイレ
設備等:園庭、屋上テラス、エレベーター

③ 理念・基本方針
保育理念:あったかい心を持つ子どもに育てる
基本方針:「思いやり」の気持ちを大切にします。
     「生きる力」を大切にします。
     「主体性」を大切にします。
     「好奇心」が伸びる環境を大切にします。
     「経験」「体験」を大切にします。
     一人ひとりの「得意」を大切にします。
     「ことば」の美しさ、楽しさを大切にします。
     「地域の関わり」を大切にします。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
 小学館アカデミーかみおおおか保育園は、横浜市営地下鉄・京急本線の上大岡駅から徒歩1分ほどのところにある1~5歳児対象の認可保育所です。2012年4月に開設しました。上大岡駅は、横浜駅まで電車で約15分ほどの場所に位置し、交通の便が良く、駅前には商店街や商業施設が立ち並んでいます。
 園内のエントランスには、保護者や見学者に向けて、工夫されたさまざまなお知らせ等が掲示されています。各保育室の前には、今年度から導入したドキュメンテーションを活用し、子どもたちの様子がわかる写真を掲示することで、保育の様子をよりイメージしやすくなるような工夫がされています。
 保育は法人独自の保育プログラムと連動させた全体的な計画を基に実践しており、5歳児になると法人独自の入学準備プログラムを基に小学校への準備を進めていきます。子どもたちが「たのしい、すき、おもしろい」を自ら感じてもらえるような保育活動に取り組み、子ども一人ひとりが興味のある活動に集中して遊びこめるような環境を作っています。また、園内には充実した絵本が取り揃えられており、「小学館ライブラリー」にはたくさんの絵本が並んでいます。職員は「おすすめの絵本」を選んで紹介し、子どもたちが自ら手に取りやすい環境にするなど、園全体が一丸となってさまざまな工夫をしながら保育を行っています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/05/18(契約日) ~2022/12/14(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 7 回(2019年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ◆ ドキュメンテーションを活用したOJT研修により、保育力を高めています
 全体的な計画に法人独自の保育プログラムを取り入れ、標準的な保育を実施するように努めています。実施状況については毎月振り返りを行い、半期と年度末の年2回、年間指導計画を検証し、評価しています。抽出した課題をテーマにOJT研修を計画し、そのうえでチームで実践を行い、標準的な実施方法を学んでいます。OJT研修は期間をあけて1つのテーマを2回行っており、PDCAサイクルによる改善と効果の実態を確認することができています。実践した内容は画像やイラスト、コメントによるドキュメンテーションを活用しながら繰り返し検証するとともに、参加した職員のコメントをまとめて成果を評価し、保育力の向上につなげています。

◆ 子どもたちが食事を楽しめるよう、さまざまな工夫をしています
 食べることへの興味や関心を引き出すために、積極的に食育活動に取り組んでいます。食事の際には子どもが自ら進んで食べられるような声がけや、食事を楽しめるような雰囲気作りを大切にしています。季節感を考慮し、暦や行事に合わせたメニューの作成に努めています。毎月お誕生日会にはケーキを提供するほか、七夕、お月見、お正月などの暦に合わせた献立や、絵本に出てくる食事を再現した絵本給食、子どもたちの希望に応じるリクエスト給食を実施しています。今年度は「かながわの特産・名産料理」と名付けて、しゅうまいや相模原のかんこ焼き、伊勢原の豆腐を使ったメニューなど、子どもたちが食事を楽しめるような工夫をしています。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 この度、第三者評価を受審し、保護者の皆様のアンケートや職員の自己評価票から、現在の保育ニーズや業務管理のあり方を再認識しました。 評価結果での課題は、今後のより良い保育を実践する上での具体的な示唆となり、改善点を来年度や中期・長期的な事業計画の中に活かせるように取り組んでいきたいと思います。また、受審結果を受け評価された点については、その評価に甘んじることなく、継続できるよう努力し、今後も職員一同さらなる「保育サービスの向上と質の確保」に努めていきたいと思います。
 保護者の皆様には今回の受審にあたり、アンケート調査にご協力を頂き感謝いたします。ありがとうございました。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

 法人は理念と保育方針の実現に向けた法人独自の保育プログラムをホームページ及びパンフレットや園のしおりに記し、目ざす子どもの姿を示しています。職層別の「求められる職員像」では行動規範の項目で半期ごとに自己評価を行い、法人独自の保育プログラムの取り組みを確認しています。職員会議では理念と保育方針を唱和して周知の継続性を図っています。園の玄関には理念と保育方針を掲示して全ての来園者の周知に努め、見学時及び入園説明会や保護者会では、法人独自の保育プログラムをわかりやすく解説した資料で説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

 地域の認可・認証保育所の園長会では、子どもに関する社会福祉事業全体の動向及び障害児支援や地域子育て支援など、関連する福祉事業の計画について、動向や実態を把握しています。また、法人が月次で開催している運営事務局連絡会では、各園の園長が出席し、利用状況や利用者像、潜在ニーズについて園の再編も視野に入れて分析しています。園の予算と収支実績は「園施設実績表」で管理し、コロナ禍での利用率と費目別コスト変動を把握し、保育へ実効性のある使途に取り組んでいます。今後、取り組み背景などは職員に十分周知する機会が望まれます。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

 園長は、月次の運営事務局連絡会での経営環境や保育事例の検討により、共有すべき課題や問題点は園の会議や委員会の議題として挙げ、職員間で討議します。例えば、世の中の置き去り事例について討議した際には、園の安全委員会で保育中の人数確認を強化しました。散歩中はポイントごとに付き添っている職員全員で人数確認を行い、散歩日誌を記入しています。そのほか、主任を中心に各クラスからの希望を集めて、「手遊び」など実効性の高い園内研修などを計画しています。園長は、法人主催の研修参加から園の組織体制を見直し、情報の共有強化に取り組んでいます。これらの取り組みはさらに職員への周知が望まれます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

 園は保育理念、方針、目標に向けた重要項目ごとの具体的な取り組みを記載した中期事業計画書の策定に着手して、今年度の取り組み実行の担当を決めて内容を明示しています。しかし、事業計画の期間の定めなどは未完成の状態です。中・長期計画は、保育理念や基本方針の実現に向けた具体的目標及び園の経営について、期間を決めて達成する指標でもあり、職員の認識だけでなく、関係機関や保護者にも周知すべきものです。今後の完成が望まれます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

 単年度事業計画では、「保育の資質向上」「安全な施設環境」「近隣・地域との交流」を園の重点項目として、法人独自の保育プログラムを毎月の月案や週案に組み入れること、ヒヤリハットの全職員への共有を徹底することなど、具体的な取り組み内容ごとに担当を中心に推進しています。行事計画は行事の在り方を再検討し、参加する保護者数も計画しています。「園施設実績表」では予算と実績を管理して、年度末にはふり返り委員会にて実施状況を評価しています。今後は中・長期計画の連動の中で作成することをお勧めします。連動した中・長期計画の完成が望まれます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

 事業計画の具体的な取り組み内容の策定にあたり、園長は職員面談を通じて職員の課題や意見を集めています。昼打ち合わせや職員会議では、主任を中心に各計画の進捗を確認し、年度末にはふり返り委員会にて実施状況を評価しています。事業計画は、前年度の評価結果にもとづき、年度初めには、園全体で取り組みたいテーマや目標を出し合い、新年度の事業計画を策定しています。策定した事業計画は職員会議で職員全員に周知していますが、園のリーダー層は、新人職員が理解できるように、わかりやすい周知の工夫が必要と考えています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

 事業計画の主な内容は、各クラス代表の保護者で構成する運営委員会で説明しています。事業計画では1年の保育目標・園のテーマとともにクラス目標をクラスごとに策定し、保護者会で説明します。コロナ禍で保護者会中止の場合にも、園全体及びクラスごとの保護者会資料を配付して、送迎時にはクラス担任から口頭で説明し、周知に努めています。また、クラス目標は各保育室に掲示しています。毎月発行の園だよりでは、園長の挨拶とともに各クラス担任からの言葉と月のクラスのテーマを伝え、保護者の保育への理解と参加に努めています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

 保育指導計画の実行を振り返り、評価を次の計画に反映して保育の質の向上に向けた組織的なPDCAサイクルを実践しています。保育ドキュメンテーションにより保育場面を共有し、評価を行います。クラス及び個別指導計画のねらいに向けた保育内容をクラス担当が自己評価・反省し、主任と園長のチェック体制を備えています。園長はじめ全職員は職層別の自己評価を半期ごとに行い、第三者評価は定期的に受審して、評価結果を職員会議で周知しています。また、行事についても委員会が職員アンケートを実施し次年度の計画につなげています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

 年度末に実施する園の自己評価では、保育理念、子どもの発達援助、保護者支援、組織的基盤と総合評価からなる設問ごとの取り組み評価をまとめて年度の課題を明文化して職員に共有しています。職員会議やリーダー会議等で改善対策や計画を策定して職員間で共有しています。子ども自身が主体的に遊びに取り組める環境整備に関する課題では、各保育室のレイアウトの見直しなどクラスごとの改善計画を実行し、職員会議での討議では計画の見直しも行います。職員研修の充実及び地域交流の課題については、年度を越えて改善に取り組む計画です。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

 法人は「こどもの専門家としての行動目標」を職層別に作成し、職務分掌を定めています。園長は、事業計画や全体的な計画などで園の方針と取り組みを示し、職員会議や園長面談で園長の役割を表明しています。園だよりでは、園長名で園の姿勢や保育の取り組みを保護者に伝えています。有事について園長を危機管理責任者とした事業継続計画を策定し、緊急連絡網は掲示し、不在時の代理者も定めています。また、さまざまな想定での避難訓練と防犯訓練を毎月計画どおりに行い、園全体での危機管理の指導にあたっています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 園長には「保育所保育指針を職員に指導・表現できる」ことを法人から求められ、保育園運営における関連法令に関して、運営事務局連絡会が開催するマネジメント研修にて、法令を正しく把握・認識することと最新情報についても学んでいます。法令は児童福祉分野だけでなく、消費者保護関連、雇用・労働や防災、環境への配慮なども遵守し安全・安心に努めています。園は保育所保育指針や児童憲章、倫理規定などを整備し、園長は職員会議や園内研修などの場で、議題やテーマに応じて遵守すべき法令や規定に触れて周知に努めています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

 園長は、「全体的な計画」に基づく保育・保健・食育・行事・リトミックなどの年間指導計画から保育の質の現状を分析しています。保育指導計画や個別保育指導計画からも課題を抽出し、乳児や幼児会議、リーダー会議などで職員の意見を把握し、改善への取り組みを指導しています。場合により、保護者の相談や説明に対応しています。保育の質の向上のために、園長と主任、主任と各リーダーの体制を構築し、情報共有や指示の実効性を高めています。園内研修の充実と外部研修の活用も推進しています。今後はさらなる職員への周知が望まれます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

 園長は、園の経営の改善及び業務の実効性を高めるために、園の新組織体制にて現状を分析しています。また、主任やフリー保育士と連携して、職員業務の効率化、有給休暇の取得、研修参加などを支援することで働きやすい環境に努め、保育理念・方針の実現に取り組んでいます。園長は職員に園の経営や運営状況を伝えて、経営改善や業務の実効性への意識を喚起しています。夜の職員会議を午睡時間に変更、パート職員の勤務形態の見直し、職員配置の見直しなど働きやすい環境整備に努めています。さらには、職員の理解への促進が望まれます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

 法人は、年次に応じて必須の育成研修、推薦・任意の海外研修、キャリア研修、エキスパート研修など、テキストとオンラインで研修を計画・実施しています。園は受講を支援し、受講者は園の報告会で自ら実践に生かした点を発表しています。ホームページには、多様な研修による各種職員の教育とキャリアアップ形成を紹介し、法人独自の保育プログラムの説明でも必要な人材や役割を伝えています。また、オンラインの園の見学会や体験会、テーマ別セミナーや個別相談を予定し人材確保を図っています。さらには、採用活動の職員周知が望まれます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

 法人は職層ごとの「求められる職員像」を専門性・社会人性・人間性・経営性で示し、子どもの専門家としての行動目標として研修で伝えています。また、求められる栄養士像、看護師像では年次による業務を示しています。いずれも、職員育成の基準として、職員が自ら将来像を描くことができる総合的な仕組みを備えています。園長面談では、職層ごとの「自己評価表」と「個人能力向上シート」を使い、人事考課と職員ごとの目標管理によりステップアップを支援しています。さらに、職員への総合的な支援の仕組みの説明が望まれます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

 園長が責任者となり、シフト表・有給休暇管理表・残業申請書での職員の労務管理を行い、職員面談では、「職員面談票」で勤務や意向を確認しています。職員の心身の健康・安全確保のため、毎日体温チェックを行い、残業や有給休暇、夏休みの取得を促しています。また、法人の電話相談窓口、メールや面談でのメンタルヘルスカウンセリング、産業医の健康相談室を職員に伝えています。産休や育休制度の利用及び会員制福利厚生サービスの利用など、ワークライフバランスに配慮しています。さらには、職員への説明と周知の機会が必要です。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 「求められる職員像」は、一般・主任・園長及び、栄養士や看護師、事務職のほか、法人独自の保育プログラムを実践する保育士のあるべき姿を示しています。園長による職員面談では職種・職層・年次別の「個人能力向上シート」と「自己評価表」を使い、職員ごとの目標と課題と課題解決について話し合います。職員は毎月の目標設定を振り返り、半期と期末には園長が目標達成を確認し、OJT研修の受講など、助言を行います。職員が前向きに取り組めるよう助言の際は言葉づかいに配慮しています。職員とは、育成についてさらなる対話が望まれます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 法人は、職層・職種ごとの行動目標と連動した「求められる職員像」を明示しています。職員には年次ごとの育成研修を計画し、入社5年目以上の職員には各種アドバンス研修を計画してキャリア形成の機会を提供しています。園長面談では、職員ごとの目標に向けた資格取得も支援しています。毎年の園の自己評価では課題を分析し、園内研修計画を見直しています。運営事務局連絡会では法人の系列園の自己評価結果及び園長の討議から研修を見直し、エキスパート研修やキャリアデザイン研修を充実させて、職員の意欲向上を図っています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

 園は、園長面談にて職員ごとの知識・技術・資格取得などを把握しています。法人や園内の研修及び外部研修の受講は、フリー保育士によるシフト調整などの支援体制があります。新任職員には配属前研修と年次ごとの育成研修を備えてキャリアアップを図っています。5年目以降に受講できるキャリアデザインや外部研修の受講では、終了証や専門マイスターなどを取得する仕組みがあります。また、園内のOJT研修は、理由と実践者・見学者を特定して計画し、同計画で2回行うことで、PDCAサイクルでの改善が確認でき、研修成果を得ています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

 法人が策定の「施設運営の手引き」では、実習生の受け入れ意義や基本的な考え方を明示し、担当者、受け入れ手順、実習終了日の反省会・実習日誌の郵送、助言指導の書き方など詳細に記しています。実習生の学校側とは打ち合わせで、専門職種に応じた実習プログラムを作成しています。実習生の受け入れに際し、受け入れクラス責任者には、実習計画や指導ポイント及び実習生の体調チェックや誓約書への同意について主任が指導しています。法人の運営事務局と連携し、受け入れから実習期間中の連絡など、適切に実行しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

 ホームページでは、理念や方針はじめ、事業計画や報告、保育や研修内容なども開示して運営の透明性を確保しています。園のパンフレットはダウンロードできるようになっており、入園及び見学の問い合わせには電話番号を掲載し、横浜市の青少年の総合ポータルサイトにもリンクしています。第三者評価の受審結果及び苦情・相談の体制についても開示しています。園の保育理念・方針と取り組みは、園のパンフレットや地域の育児サイト、情報誌などに掲載して広く伝えています。理念・方針・目標と法人独自の保育プログラムは、掲示や資料配布で来園者に伝えています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

 関連法令に基づく園の運営に関するルールなどは、法人が策定する「施設運営の手引き」コンプライアンス編に記載され、「職務分担表」では職務分掌と権限や責任の記載があり、事務室に掲示して円滑な施設運営が取り組まれています。経理業務については、月末に園長が予算管理簿をチェックして、当年度の施設実績表に数字を記載しています。横浜市の指導監査を毎年受けており、指摘があった事項については、法人の施設担当者と対策を協議し、改善を速やかに報告することを実行しています。さらには、職員への周知及び意見交換が望まれます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 法人は基本方針に「地域との関わり」を大切にすることを掲げ、施設運営の手引きには「社会見学の基本姿勢」などを示し、「全体的な計画」でも記しています。横浜市、港南区、地域の子育て関連情報は、園に資料などを掲示して必要に応じた利用を推めています。そのほか、園の「お散歩マップ」も掲示しています。コロナ禍でボランティアは受け入れ中止ですが体制は整っています。近隣園との「一緒に遊ぼう会」では、4、5歳児の交流や合同避難訓練、就学校別グループ交流などを年間で計画しています。また、カブトムシの飼育などで交流しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

 「施設運営の手引き心得編」では、ボランティア受け入れの基本的な考え方として、意義、受け入れ手順など、地域の学校教育への協力などを明記しています。受け入れ時に配付する「ボランティアの心得」には、笑顔と挨拶、時間厳守、個人情報の取扱い、1日の流れなどの記載があります。受け入れ職員には、活動前の見学と資料説明について研修を行っています。コロナ禍で受け入れは中止していますが、要請があった場合には活動方法を工夫して受け入れるなど、保育現場の体験から保育の仕事の意義を感じてもらえるように、体制を整えています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

 園の重要事項説明書には、嘱託医や警察・消防署、苦情相談窓口などの連絡先と感染症発症時の医師の意見書を掲載しています。発達の気になる子ども及び虐待が疑われる場合の関係機関として、園はよこはま港南地域療育センター、横浜市南部療育センター、横浜市南部児童相談所などの連絡先一覧を掲示しています。要保護児童については、家庭の事情も含めて職員間で情報共有して、関係機関とは「一緒に遊ぼう会」のオンライン会議や定期的な連絡により経過観察の報告と助言を得ています。保護者の相談には必要な関係機関を取次いでいます。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 園は法人の運営連絡協議会や港南区の地域園長会を通して、地域の福祉ニーズや生活の課題を把握しています。年3回ほど開催の運営委員会は、クラス代表の保護者と園からは法人担当者1人と園長と主任2人が出席し、保護者の質問や意見及び職員からの意見を持ち寄って、子育てにおいての保育ニーズや生活課題を把握・分析しています。地域交流や子育て支援行事などはコロナ禍で中止ですが、民生委員を務める運営委員から地域福祉の事例を聞く機会も設けています。また、園は問い合わせや見学時などに随時の子育て相談に応じ、相談事業の再開の体制を備えています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

 地域の子どもの育成や取り巻く環境への支援など地域貢献活動としては、コロナ禍、随時の子育て相談と港南区の「子ども家庭相談」や区内の各種子育て支援事業のチラシを配布しています。地域情報誌「あのね」には、子育て情報として給食やおやつレシピを掲載しています。建物外壁には「保育園に遊びに来ませんか」の看板を掲示していますが、園行事への地域の方の招待も現在は中止しています。地域園長会を通して防犯対策を共有し、日常的に近隣保育園との関係づくりに努めています。公益的な活動については、さらなる職員協議が望まれます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 法人の基本方針に「主体性を大切にします」と掲げ、「子どもが自分で考え自分から行動できる力を育てる」ことを今年度の園の保育目標として、各クラスでは沿った目標を設定しています。職員は育成研修やOJT研修で学びを深め、子どもを尊重した保育に標準的に取り組んでいます。また、子どもの基本的人権や性差、文化の違いを払拭し、相互の認め合いをはぐくんでおり、職員は半期ごとに自己評価の結果を園長との面談で評価します。子どもを尊重した保育の実践を、法人独自の保育プログラムの資料を使って保護者に説明し、周知しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

 「施設運営の手引き」コンプライアンス編には、子どものプライバシーの尊重と保護について規程と業務マニュアルを備え、全職員に研修を実施し、自己評価で年2回確認します。入園時には、個人情報等の取扱い等について(個人情報等の取扱い・写真等取扱いの協力・写真販売・緊急伝言システム)、保護者の同意を得ています。園では、保育室での着替え時は間仕切りを使い、オムツ台や幼児用トイレの扉の設置、水遊びやシャワー時の目隠しの設備など、保育中の子どものプライバシーに配慮した環境について、入園のしおりで説明しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

 園の基本方針や保育の内容は、ホームページで公開するほか、園のパンフレットを港南区のこども家庭支援課に置いてもらっています。また、港南区の子育て情報誌「ぎゅっと」「港南ラウンジニュース」「あのね」「はっち」等に掲載しています。パンフレットは画像や図を多用して、利用希望者が園の活動をわかりやすいように工夫しています。見学希望者には、個別に対応し、園の玄関で説明をしています。見学者には園内の写真やエントランスの掲示物、給食のホワイトボード、ドキュメンテーションを見学してもらい、写真やパンフレットを使って、子どもたちの活動や園での決まりを説明しています。見学担当者は園長で、保護者の質問にも答えます。地域情報誌は毎年見直しを行って、掲載されている情報が最新であるかどうかを確認しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

 保護者への配付資料は児童票、健康記録、食事の様子、入園前の生活状況(1・2)等です。園では入園説明会を開く前に園医による健診を受け、診断結果を持参してもらうように保護者に依頼しています。入園前の説明会では、重要事項の説明を動画で行います。重要事項説明書の中に「利用の開始及び終了に関する事項」を記載しています。説明会は、子どもも同行してもらうようにしています。きょうだいが入園している場合には、保護者の希望に応じて日程調整します。個人情報等の取扱い等についての同意書、それに関する説明書のほか、保育の開始や保育内容の変更をする場合は事前に保護者に書面で説明します。特に配慮が必要な保護者に関しては、年度初めに職員間で情報共有し、説明の際には保護者の特性に合わせた工夫をしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

 園を利用する子どもが、2歳児クラスから3歳児クラスの進級時に転園することがあります。転園は保護者の転居や、幼稚園へ移ることで生じます。園では保育の継続性に配慮し、必要に応じて転園先と連携できるようにしています。保護者には、クラスを担当する職員が、転園する子どもにメッセージカードを送るほか、いつでも連絡ができることを連絡帳や手紙で保護者に説明しています。転園後も、子どもと保護者がいっしょに来園し、職員と交流しています。今後は転園児や卒園児が来園してくれるようなイベントを企画し、相談したいと思ったときに来園したり、連絡したりできるような取り組みを行いたいと園は考えています。なお、転園する際、他園とのやりとりは過去に発生していますが、引き継ぎ文書は作成していません。今後は作成することが望ましいでしょう。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 今年度は一人ひとりが楽しめるよう、運動会の競技は子どもの意見を集めて決定しました。日常の保育でも子どもの意見や希望を日案や週案に採用し、振り返りで満足度を把握しています。保護者向けには意見箱を設置し、保護者参加の行事アンケートには行事以外の意見欄を設け、園への意見や要望を集め満足度の把握しています。個人面談では相談がほとんどですが、保護者会では質問や要望のほか、懇談中の意見交換などを記録し、満足度を把握しています。要望や意見に応じ、その場での回答や、リーダー会議で対策や改善を図ったうえで保護者に回答を行います。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

 重要事項説明書には、苦情相談について園内窓口と解決責任者、法人解決窓口、受付方法、第三者委員を連絡先とともに記載して、保護者には入園前に配付し、保護者会でも説明します。園内には苦情解決の体制図を掲示しています。保護者には、クラスの運営委員による意見や要望の収集、意見箱の設置、匿名でのアンケートや第三者評価など苦情を申し出しやすい場を設けています。苦情対応はプライバシーに配慮し、本人への回答を原則に、必要に応じて保育業務支援システムまたは掲示でも公開します。また、内容により再発防止シートを作成し、職員の協議で対策を講じています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

 入園時の保護者説明会では、保護者の意見や要望の受付け窓口について、担任と責任者と法人の苦情解決窓口、第三者委員などの選択肢を設けて、口頭や電話、手紙やメールなど方法も選べることを説明しています。また、「苦情解決の仕組み規定」を園の玄関に掲示し周知しています。保護者が相談しやすい時間帯に、意見を述べやすいよう、相談室にて安心して話せる環境を提供し、面談内容は面談書に記録します。「施設運営の手引き」心得・コンプライアンス編には「保護者と話をする時」が記載され、保護者対応研修の資料に使用しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

 求められる職員像には、聴く力・伝える力・相手の立場を尊重などが記載されています。また、「施設運営の手引き」心得編には、「挨拶や言葉づかい」「保護者と話をする時」の考え方と留意事項などを示し、育成研修を実施しています。職員は、保護者が相談や意見を述べやすいように真摯な姿勢で積極的に把握します。保護者からの相談や苦情は危機対応マニュアルに沿って、解決に時間を要する場合はその旨を伝えて迅速に対応します。改善の取り組みにより保育の質の向上につなげて、必要に応じて業務の手引きやチェック表などの改訂を検討も行います。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

 法人の「安全管理・危機対応マニュアル」では園長を責任者に、事故・苦情・虐待・不審者・災害をリスクとして、有事対応と平時の予防対策を明示しています。法人のリスクマネジメント研修は全職員が受講し、園の重点項目「安全な施設環境の確保」に取り組んでいます。園では安全委員会を設置して、事故分析を再発防止につなげ、事例検討やヒヤリハットの共有で発生予防に取り組んでいます。また、職員会議では「こどもと自分を守る30秒の誓い」を唱え、「事故リスク軽減のための実施度チェックリスト」を使い、安全環境を確保しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 感染症対応マニュアルに基づき園長を責任者に管理体制を整備して、育成研修で全職員に周知しています。年間保健指導計画では、月の目標として手洗いの励行を子どもには教材を使い指導しています。園だよりでは看護職員が保護者向けに感染症予防対策を伝えています。園は新型コロナウイルス感染症予防対策には横浜市に準じて取り組み、園内の消毒箇所の追加や方法を変更して実施を確認しています。感染症発生の場合は、掲示と保育業務支援システムの「安心伝言板」で保護者にはタイムリーに周知するよう努めています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

 園は、危機対応マニュアル及びBCP(事業継続計画)を備えています。BCPでは、基本方針に基づき、ハザードマップから想定する災害発生時の対応・他園との連携・地域貢献について、園長を危機管理責任者として計画しています。子どもと保護者の安否確認と緊急連絡は保育支援システムで行い、職員の安否確認方法と緊急連絡先は、ファイルにまとめて平時から職員に周知しています。食量や備蓄は、リストで栄養士が管理しています。年間避難訓練計画の策定と実施では、消防署や警察と連携し、想定別の訓練を行っています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

 保育の標準的な取り組みは、パンフレット、入園のしおり、重要事項説明書に明文化しています。子どもの人権の尊重、プライバシーの保護、権利擁護の姿勢は、「施設運営の手引き」心得・コンプライアンス編及び「個人情報等の取扱い等について」に示し、職員への周知徹底は全職員受講の育成研修を実施しています。園の標準的な保育としては、法人独自の保育プログラムを「全体的な計画」において全職員で取り組んでいます。実践は子ども一人ひとりに応じて柔軟な対応となっているか、園の自己評価と第三者評価の受審により確認しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

 法人独自の保育プログラムによる園の標準的な実施状況は毎月振り返り、半期と年度末には年間指導計画を検証し評価を行います。抽出した課題をテーマにOJT研修を計画しチームで実践を行い、参加者が標準的な実施方法を学んでいます。1つのテーマで期間をおいて2回行うOJT研修では、PDCAサイクルによる改善と効果の実態を確認しています。実践は画像とイラストや説明文によるドキュメンテーションで繰り返し検証でき、参加者のコメントをまとめてOJT研修の成果を評価しています。今後は多くの職員の参加の機会が期待されます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

 全体的な計画に基づき、指導計画が作成されています。指導計画の内容はクラス内で話し合って決めています。2名の主任が乳児、幼児をそれぞれ担当し、指導しています。内容を確認した後、園長が責任者として承認しています。令和4年度からは年間カリキュラム、月案を保育業務支援システムで作成しています。計画の作成にあたっては、保護者の意向把握を行い、他のスタッフの意見も踏まえています。日々取り交わす連絡帳での交流や、定期面談、希望に合わせて行う話し合いで、子どもと保護者のニーズを把握し、個別の指導計画の中に反映しています。その月の4週目に職員会議を行う時に保育を振り返り、翌月の活動内容を決めています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

 指導計画の見直しは、主任2人、リーダー層の職員、園長、担当職員が話し合いながら行います。議題はほかの職員からも提出されるので内容を検討し、計画案に反映しています。日ごろからリーダーが職員の意見を収集し、昼打ち合わせや職員会議で共有しています。クラス会議、リーダー会議、園長主任会議、給食会議、職員会議が会議体ですが、会議に参加しなかった職員が議事録を読み、不明な点があれば、クラス内で確認します。月ごとに振り返りを行い、反省点や改善点は次の指導計画を作成する際に生かしています。運営委員会の評価の内容や、保護者の意見は職員会議で実施可能かどうかを検討し、改善できるものは改善して、保育の質の向上につながるように努めています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

 子どもの育ちや生活環境等は、児童票・健康調査記録・身体測定記録に記録し、把握しています。担当職員は入園説明会の面談で身体の健診の結果、予防接種の様子、成育歴等の書面を見てチェックをしたうえで、面談の時に話す内容を決めています。子どもの生活状況は年度が替わる時や、保護者からの報告があった時に、連絡先の紙と児童表を渡して更新しています。園長・主任、リーダー、副リーダー、各担当の役割、伝達の方法は組織図を使い、明確にしています。記録する職員によって差が生じないように、あらかじめ記入のポイントを主任が職員に指導しています。0~2歳児は2人の職員が担任をしているので、クラス内でも話し合いを行い、記録の作成の仕方を確認し合っています。また、クラスでの打ち合わせで目標を決める時に、振り返りとともに情報共有しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

 法人の「保管期限リスト」に、基本の考え方、分類、各園にて年度末以降に行うこと、廃棄処分、過去の文書の整理について規定しています。子どもの記録の保管、保存、管理、情報提供については「施設運営の手引き」を基に対応しています。令和3年度には資料付きで「個人に関する情報について」という個人情報に関する動画を配信し、職員全員が園内研修を受けました。保護者からの提出を受けた個人情報に関する同意書は、在園者全員分をファイリングし、保管しています。保護者から情報の取扱いに関する条件付けがあった場合は、事務所の特定の場所に注意事項として掲示しています。記録管理の責任者は園長です。園長は、入園前の面談時に重要事項説明とともに、動画を使って個人情報の取扱いについて、保護者に説明しています。入園前の説明会で主任が新任職員に、個人情報の取扱いについて指導しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

 全体的な計画は法人が児童憲章、児童の権利に関する条約、児童福祉法、保育所保育指針に基づいて作成しています。園では法人が作成した全体的な計画を配付して、職員全員が基礎となる項目、養護、教育、食を営む力のそれぞれに意見を書き加え、年齢ごとに園独自の保育目標とテーマを設けます。保育目標とテーマは年度ごとに決めています。その後、園長がまとめて全体的な計画を完成させます。園の運営時間は7時~20時ですが、朝は7時過ぎから登園が始まり、降園の送迎は17時から18時半までの利用者が7割を占めています。延長保育の利用者は10人程度です。また、この地域は交通の便が良く、商業施設も多い、暮らしやすい街です。園は駅から近く、電車通勤してフルタイムで働く保護者の利便性に寄与しています。全体的な計画は、このような園の保育時間や地域の実態なども考慮して作成されています。なお、毎年、前年度の職員の振り返りを評価し、新年度設定したテーマを基に作成しています。昨年度はコロナ禍の影響で保護者会の開催ができなかったので、面談と日常の交流で得た情報を加味して、今年度の計画を作成しました。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

 保育室は、エアコン、空気清浄機、加湿器を設置して、空調、換気を行い、温度や湿度等の調整をしています。窓の遮光はスクリーンを貼ったり、テープを貼ったりして行うほか、毎日の掃除と消毒は法人の「施設運営の手引き①」にしたがって行っています。昼、午睡後にトイレ汚れを確認し、水回りには特に気を配りながら、衛生チェック表で管理しています。保育所内外の設備は、給食担当がごみ捨てをする際に確認したり、園外は事務職員が清掃したりしています。家具、ドア、玩具、寝具も、衛生管理チェック表に基づいて定期的に消毒しています。保育室内はゴザを敷いたスペース、コーナー遊びのスペース等、成長段階に合わせた環境設定を行い、子どもたちの発達状態に合わせて、室内のレイアウトを随時見直しています。食事の際には4人席の真ん中に衝立を設置し、午睡時には子どもの頭が交互になるようにコット(簡易ベッド)を設置しています。子どもが午睡するコットは、個人が1週間連続で使用し、週末に清拭消毒しています。玩具は大型の玩具殺菌庫を使って、昼食の時間帯に毎日消毒しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

 子どもたち一人ひとりが安心して気持ちを表現できるように、職員は応答的な触れ合いや言葉がけを行っています。職員、クラス担任、主任、看護師は昼打ち合わせノート、共有ノートの申し送り事項、保育日誌、延長保育日誌で子どもの育ちについて情報共有しています。子どもたちが遊ぶときにも、職員が積極的にかかわります。職員と子どもが一対一になると、その子どもも自分自身の欲求を表現する姿が見られます。必要に応じて、子どもと距離感を持って接したり、落ち着ける環境を作ったりしています。子どもが興奮しているときは、クールダウンするために、廊下を散歩したり、テラスに一緒に行ったりします。子どもが話す内容に共感し、言葉を押し付けずに、その子どもの表現を大切にするようにしています。子どもへの言葉遣いはていねいな言葉を使うようにしていますが、威圧的な言葉遣いを職員がした場合には、園長が個別に指導しています。職員は子ども一人ひとりのペースを大切にしながら、せかす言葉や制止する言葉を使わないようにしています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

 職員は子ども一人ひとりの違いに配慮しながら、保育をするよう努めています。0歳児は生活リズムが崩れやすいので、体力を保てない子どもは、午前睡にし、子どもの成長に合わせて対応しています。1歳児になると体力がついてくるので、子ども一人ひとりの状態を見ながら遊びを楽しみます。生活の切り替え時には、子どもたちがついて来られないこともあるので、職員を配置するとともに、主任もフォローに入ります。職員はその子どもが納得するまでやりたいことに付き合い、状況に合わせて子どもの動作を援助しています。また、各家庭の生活の状況に合わせ、それぞれの家庭のライフスタイルを考慮しながら支援できるようにしています。日々の活動では、静と動のバランスを大切にしています。計画活動自体も運動や、机上遊び、静かな遊びも含めて時間帯を決めて、体操をしたりトンネルを運動したり、ゆったり運動をしたりした後、昼食を摂るようにします。午後は静かに園庭やテラスなどで遊ぶ、子どもたちが自分で選んだ遊びをする等しています。職員は子どもたちの生活リズムや、在園時間が異なることを踏まえ、活動と休憩のバランスを保つようにしています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

 1歳児の保育環境は、両側から遊べる棚を置くほか、絵本を読めるスペースを作ったり、気に入ったおもちゃで遊んだり、棚・敷き物で空間を仕切ったりするなど、安全面にも配慮しながら活動できるようにしています。2、3歳児もサーキット遊びやリズムあそびなどで楽しんでいます。雨の日に外に出られないときは、4、5歳児の仕切りを取って、広いスペースで遊ぶこともあります。子どもたちは集団生活の中で、職員や周りの子どもたちから認められる体験を重ねながら、自信をもって活動できるようにしています。鬼ごっこや体操、ゲームなど、子どもが楽しんで取り組めるような内容を指導計画に取り入れ、体を動かす体験ができるような環境を作っています。どんぐり拾いや草花、砂遊びのほか、運動会の思い出を自由に描いたり、折ったとんぼを画用紙に貼ったり、図鑑を使って秋の絵を描いたりして、各年齢の製作物は壁面に飾っています。職員は子ども同士がお互いにかかわりを深められたり、楽しさをともに味わったりできるような活動を取り入れています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 0歳児は育ちの差が大きく、感染症にかかりやすい時期でもあるので、できるだけ保育室で過ごし、安心できる環境の中で好きなことをしながら過ごせるようにしています。職員は子ども一人ひとりの成育歴を把握したうえで、看護師や栄養士と連携しながら、子どもが快適に過ごせるように配慮しています。子どもの喃語にはゆっくり、笑顔を見せながら、応答的な触れ合いや話しかけを行うようにしています。また、見る、触れる、探索するなど、身近な環境に興味をもてるような生活と遊びができるようにしています。音が鳴るもの、布、ブロック等の玩具は、形、色、大きさ等を子どもの育ちに応じて選定しています。ゆったりした雰囲気の中で、子どもたちが一人ひとりのペースで過ごせるように家具を配置したり、玩具を置いたりして環境を整えています。降園時には保護者にその日の活動や子どもの様子を伝えるとともに、連絡帳、面談の中では子育ての相談に乗るなど、ていねいな対応を心がけながら、家庭と連携しています。保育室壁面の掲示物をきっかけに会話が弾むこともあります。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 3歳児未満の保育では、個別指導計画を基に、子ども一人ひとりが集中して遊びこめるようなスペースを作り、玩具をそろえています。1歳児は型はめパズル、手作りのマグネットリング、ブロック、おままごとなどを好み、2歳児はピースパズル、ブロック、おままごと、チェーリング等を好みますが、電車の線路をつなげて電車を走らせたり、絵本を読んだりすることが好きな子どももいます。職員は子どもが見る、聞く、触るなどの経験が十分できるように保育計画を作成しています。職員との人間関係だけでなく、友だちとの関係への認識が強くなってくるので、子どもたちが楽しく遊べるように、真ん中に入っていっしょにゲームをしながら、かかわり方を教えていきます。好きな友だちと遊べず、気持ちが落ち着かない時には、ほかに興味をもてるような遊びに誘導します。2歳児以上の子どもは、徐々にメンバーを固定したグループを作るようになり、ままごとや鬼ごっこなどで友だちと遊んでいます。職員は子どもたちの育ちに合わせて、ルールのある遊びを取り入れていくようにしています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 園では法人独自の保育プログラムを通して、健康・コミュニケーション、言葉、表現について独自の取り組みを行っています。カテゴリーごとにテーマがあるので、それぞれの活動を組み合わせていく形をとっています。3歳児は、遊びの中に入れてもらえない子どもに寄り添って、集団遊びに入っていけるようにします。職員は子ども同士の人間関係を把握したうえでの、子ども一人ひとりに合わせた配慮が必要だと考えています。4歳児には、夏祭りの行事等を子どもたちが中心になって計画し、行事を実施できたという達成感が得られるようにしています。魚釣りや盆踊りなどのイベントは各クラスで取り組み、0歳児を除いては全年齢が楽しめるようにしています。5歳児は法人独自の入学準備プログラムを11月から始めています。職員は子ども同士のかかわりを見守りながら、一人遊びも大切にするとともに、子どもの状況をに合わせて対応していくようにしています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 配慮が必要な子どもの心身の状況については、保護者と定期的に情報交換し、保育所での生活に配慮できるようにしています。保護者が子どもの体や心の状態を心配していたり、指摘された子どもの特性に戸惑ったりしている時は、気持ちを受け止めながら相談に乗ります。よこはま港南地域療育センター等と連携して情報を受け取り、様子を見ながら保育に配慮しています。職員は、子どもがクラスの子どもたちといっしょに活動しながら、生活の流れを身につけていけるように介助します。保育の記録は、クラスを担当する複数の職員が記入し、子どもの成長については職員会議で共有しています。障がいに関する研修には、担当クラスの担任を中心に参加しています。クラスの計画は配置人数や子どもの様子を見ながら調整しています。療育センターや自治体の心理士から相談や助言を受けて、障がいのある子どもの家庭との連携に力を入れています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 現在、長時間保育の利用者は、10名以下となっています。重要事項説明書の同意書では、保育時間が長い子どもや、保護者の急な仕事で発生した延長保育の対応として、補食及び夕食を提供することになっています。延長保育を利用する保護者には、朝、子どもが登園した際の視診の結果、その日の活動、ほかの申し送り事項を記録した「健康チェック及び生活記録」をもとに、夕方の担当職員が保護者や日常の様子を伝えるようにしています。保護者からの要望があれば、当日でも可能な限り延長保育を受け付けます。活動内容は、子どもの発達やその日の状態に合わせて決めています。実施した保育は、子どもの降園時間、クラス、名前、サービスを受けたかどうかのチェック、補食、夕食、降園時間を長時間保育日誌に記載しています。備考には主な活動、子どもの様子、評価と反省を書いています。職員は、子どものリクエストを聞いて、個々のスペースで机上遊びに取り組んだり、絵本の読み聞かせをしたりして、敷物を敷いた空間で過ごしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

 保育所児童保育要録は年長クラスの担任が作成し、施設長が承認して、就学先に送付しています。園では5歳児のために、独自の教材を使って小学校生活に必要なマナーやルール、学習の基礎を学ぶ法人独自の入学準備プログラムを取り入れています。5歳児の保護者会や面談では、小学校以降の子どもの生活について説明する機会を設けています。保護者からの質問や相談にもクラス担当職員が対応して、不安が残らないようにしています。就学先の小学校教員とクラス担当職員が、電話で意見交換するとともに、情報共有しています。以前は小学校の担当教師が来園することもありましたが、コロナ禍の影響のため、現在は中止しています。子どもたちが小学校に進学し、校長との面談の後、問い合わせが来ることもあります。現在は小学校訪問できないため、子どもたちは小学校紹介の動画を見るほか、小学校の体育館を借りて運動会の練習で何回か訪問する際に、小学校の雰囲気を味わっています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

 法人が作成している「施設運営の手引き②」に、子どもたちの健康管理や、日常保育で注意しなければならないことを記載しています。保健年間計画は前年度の計画や、入園している子どもの状況を把握したうえで、看護士とクラス担当職員が作成しています。看護師は0歳児クラスを中心に各クラスを巡回し、子どもたちの様子を観察します。毎月発行している保健だより等で、保育の方針や取り組みを伝えています。子どもの体調悪化やけがが発生した場合には、すぐに保護者に連絡して様子を伝えています。対応後の子どもの様子についても確認し、職員間で共有しています。ケーススタディとして共有が必要だと感じた内容については、職員会議で共有します。また、関連する事例を看護師が職員会議で伝えることもあります。港南区からの感染情報等のお知らせは、閲覧書類ファイルに書類を入れて置き、職員全員で閲覧しています。園内で感染者が出たときには、玄関の乳児・幼児の掲示板で感染状況を知らせています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

 身体計測は毎月、歯科健診、全園児検診は年2回、尿検査、視聴覚検査は年1回実施しています。健診前の連絡は保育業務支援システム内のアプリで行い、質問があるときは、保護者から質問を募っています。質問内容は看護師がチェックし、保護者に回答しています。まとめた質問と回答は、職員会議で看護師から報告され、職員が情報共有して園での活動に生かされています。担当職員は保育中に子どもの健康状態や、気になることがあった場合は、看護師に相談します。保護者に通知する必要があると判断した場合には、園長、主任、看護師、担当職員が話し合いをしたうえで、手紙を出して通院依頼をします。通院先については、保護者からの相談があれば対応します。現在に至るまで、検診結果について連携し、医療に結びつけるようなケースは発生していませんが、嘱託医のアドバイスを受けて、保護者と子どもの状況について話し合うことがあります。定期健診の結果と歯科検診の結果は、当日または翌日に保護者に通知し、情報共有しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

 保育所におけるアレルギー対応マニュアル「施設運営の手引き①」を基に、アレルギー疾患のある子どもへの対応を行っています。園では、保護者への情報提供や理解を得るための取り組みとして、入園説明会や保護者会でアレルギー対応について説明を行っています。入園前の保護者との面談で、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」「生活管理指導表」のほか、医師の診断書を確認し、入園後の食事や生活について必要な配慮を行うようにしています。その後、クラスや職員会議で、職員全員がアレルギー疾患情報やその子どもの健康状態を把握し、看護師を中心に対処するとともに、関係書類は看護師が管理します。保護者とは、生活管理指導表が変更になった時や、病院に行った時など、節目節目で園長、栄養士、看護師が面談して面談報告書に記載し、情報共有しています。日々の送迎、遠足、園内行事など、子どもが口に食物を入れるような機会がある時には、保護者に事前連絡をして持ち込みをしないようにしてもらっています。アレルギー研修は、年度初めと年度終わり、または新しい情報が出た際に、看護師と栄養士が行っています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

 年齢ごとの食育計画書を基に、子どもたちが育てた収穫物(なす、えだまめ、きゅうり、とうもろこし)などを調理し、食材への興味や食べる意欲をはぐくんでいます。旬の食材や季節感のある食材(鮭などの魚類、きのこ類、夏野菜、冬野菜)をメニューに使用し、それらを使った食育活動も行っています。保護者に食事を提供して、子どもたちの食事の状況を知ってもらう試食会は、コロナ禍の影響で令和4年度は行っていません。保護者とは、入園時の面談の際に給食への取り組みについて伝え、入園後の保育の中で子どもたちの様子を伝えることで、連携を図っています。食事に関する相談が保護者からあった場合には、日々の送迎時や、保育業務支援システムのアプリで質問に答えています。栄養士は担当職員からの伝達を受けて、保護者と直接話をしたり、担当職員を通して保護者に伝えてもらったりしています。職員はそれぞれの子どもの育ちや食欲に応じて、給与量を調整しています。また、子どもたちの年齢に合わせた食事の介助、声掛けをしています。子どもが苦手な食材は、無理強いせずに、少しずつ味に慣れるように調理法や切り方を工夫しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

 栄養士は子どもたちの要望や嗜好に合わせたメニューを作成するように努めています。メニューはサイクルにして実施し、栄養士は子どもたちの残食の内容を確認します。1回目のメニューで残食が想定以上だった場合には、給食会議で改善点を職員と検討し、次回の調理の際に味付けを変えたり、小さく切ったり、短冊や千切りにしたりするなど、工夫しています。主菜と副菜の味付けは基本的に薄味にしていますが、おかずの味にメリハリをつけ、食べ終わった時に満足感を感じるようにしています。また、季節感を考慮し、暦や行事に合わせて食事を提供しています。七夕や毎月のお誕生日会でのケーキ、絵本の中で出てくる食事を再現した絵本給食、子どもたちの要望に応えるリクエスト給食のほか、「かながわの特産・名産料理」も提供しています。シュウマイ、相模原のかんこ焼き、伊勢原の豆腐を使ったメニュー、厚木市豚肉のバーガー等のメニューも実施し、子どもたちが食事を楽しめるように工夫をしています。栄養士は2、3日に1回程度、子どもたちの食事の様子を見に行くようにしています。特に、年齢によってカトラリーがどの程度使えているかどうかを確認しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

 職員は日々の送迎の際に保護者に子どもの様子を伝えるほか、相談や面談等の希望があった場合には、随時時間を取り対応しています。今年度から利用し始めた保育業務支援システムの連絡機能アプリを使うことで、保護者との連絡をより取りやすくなりました。保育の意図や保育内容については、園だよりの中で、養護、教育の二つのテーマを設け、各クラスの目標や先月の様子を知らせています。保護者会と面談は通常、年2回行う予定にしています。今年度は1度目を5月から6月に実施しましたが、2回目はコロナ禍の影響に配慮しながら、1月から2月に実施する予定です。現在は感染予防対策として、保護者の園内への立ち入りは制限しているため、保育参観の開催が難しく、ビデオ配信等で子どもたちの様子を伝える工夫をしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 「施設運営の手引き②」に基づいて、保護者とのコミュニケーションを取り、連絡帳、日々の送迎を通して保護者との信頼関係を築けるように努めています。法人では苦情解決に関して専用メールボックスを設定し、保護者の要望や質問を受け付けることができるようにしています。現在はコロナ禍により、園では保護者との触れ合いが減る傾向がありますが、保護者から相談しやすい体制を取れるように努めているため、直接口頭で伝える保護者もいます。相談内容によっては、職員が記録を取り、個人面談記録に記録します。相談内容に即答できない場合は、先輩職員や主任、園長に相談して対応します。今年度はコロナ禍により、保護者会も書面での伝達となりましたが、例年は各クラスから1名ずつ選出されている運営委員会を年3回実施し、保育方針や行事の方向性を伝えています。保護者に声をかけるときは就業状況を考慮し、運営委員会の開催時には、必要に応じて子どもに補食を提供して、保護者の負担が減らせるように努めています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

 「施設運営の手引き」「危機管理マニュアル」を基に、虐待等への取り組みを行っています。職員は子どもが登園した際、子どもの体の様子を視診し、気になる点があった場合にはクラスの職員で情報共有し、主任に報告します。園長は、虐待など、子どもの権利侵害の可能性がある時には、中部児童相談所や港南区の子ども家庭支援課を通して、保健師と連携します。また、子どもと向き合うことや、就業環境に不安を感じているような保護者には、見守りながら相談しやすいような声かけをするように努めています。職員は、自分が現在向き合っている状況が虐待にあたるかどうかを考えられるように、「よりよい保育のためのチェックリスト」(横浜市版)を使って、確認できるようにしています。また、定期的に開催している運営委員会では、虐待への対応を検討する必要もあると考えています。現在は、外部・園内研修ともに十分な実施状況とは言えないので、今後は虐待に関する研修や港南区の子ども家庭支援課からの情報の共有も行い、保護者に伝えることが必要だと考えています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

 職員はそれぞれの職務と経歴を基に、自己評価内容が記載されている個人能力向上シートに中期、期末の評価を4段階から選んで書き込みます。評価表は表裏で構成されており、表面には個人の目標に対する課題、課題を解決するためにすべきことを書いたうえで、毎月の目標と振り返りのほか、当年度に受けた研修内容と振り返りについて記入します。半年後、期末の振り返りには、2名の主任と園長が確認し、コメントを記入したうえで捺印しています。職員は自己評価を行うことによって、自分が1年間行った保育を振り返り、次年度の目標や今後自分が行う保育の改善点について検討します。職員は園長のコメントから、自分の知らない文言や概念を知ることで、保育に関する見識を広げていきます。職員はクラス担任同士の打ち合わせや、今年度から導入し始めたドキュメンテーションを活用して、自分のクラスの保育や、保護者とのかかわりについて話し合います。個人の研修以外にもOJT研修やドキュメンテーション研修を通して、各職員が自分の保育を振り返るきっかけとなっています。