社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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銀河

2023年03月22日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 公益社団法人神奈川県介護福祉士会

② 施設・事業所情報
名称 銀河 評価対象サービス 2022~ 障害者・児福祉サービス版
対象分野 生活介護 定員 40 名
所在地 252-0223
相模原市中央区松が丘1-23-2
TEL 042-851-3675 ホームページ http://www.sagamihara-shafuku.or.jp/ginga/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2015年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人相模原市社会福祉事業団
職員数
常勤職員:13 名
非常勤職員:11 名
専門職員
サービス管理責任者:2 名
社会福祉士:4 名
介護福祉士:10 名
施設・設備の概要
活動室4:静養室2,保健室
:相談室、ホール
:会議室、バルコニー

③ 理念・基本方針
◇法人の基本理念
 人にやさしい そして すべての人びとのための 社会づくりを目指します
◇事業所の運営方針
 一人ひとりの個性を尊重し、「今日も楽しかった」の笑顔を大切にすることをコンセ
プトに、毎日を楽しく過ごせるよう支援を行います。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
〇知的障害の方を中心に、身体障害や精神障害、発達障害、自閉症の方など、さまざまな障害を持つ利用者を受け入れている。言葉での意思表示が難しい方たちが多い中、利用者が自律・自立し、ニーズに沿った楽しい生活を送ることができるよう、職員は一人ひとりにしっかり向き合って支援している。利用者の思いを様々な方法で確認し、個別支援計画や手順書に反映しているが、職員は、重度の障害があり、思うように自分を表現できない利用者への支援がこれでいいのだろうかと常に悩みながら対応している。
〇「今日も楽しかった」と利用者に感じてもらえるよう、複数の活動プログラムを用意している。利用者は朝のミーティングで、その日の活動を自分で選んでいる。ホワイトボードの今日の活動欄に、自分のマグネットの名札を貼って、その日の活動を決めている。休憩時間も、好きな音楽を聴いたり、職員と会話を楽しんだり、横になってリラックスしたりして、自由に過ごしている。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2022/09/01(契約日) ~2023/02/08(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ◇事業所の特色や努力、工夫していること、事業所が課題と考えていること等
〇法人が市の政策パートナーとして位置付けられ、「さがみはら障害者プラン」を受けて事業を展開している。銀河は開設8年目の生活介護事業所で、知的障害の方を中心とした重度の障害者40名の日中活動を支援している。
〇事業所の開設にあたっては、市の施設の閉鎖による移行者も決まっていて、利用者の特性も分かっていたことから、設計段階から職員の声を反映して建設している。地域の木材を多く使用したり、トイレ内の配置を工夫している。また、建物の周りに、ゴムチップで歩きやすいさんぽ路を作っている。木材を多く使用した館内は、あたたかみのある雰囲気を醸し出している。
〇利用者は、刺しゅうやビーズ、音楽、体操、園芸、買物、散歩、ドライブなど、複数の活動プログラムに取り組んでいる。また、月1回、希望のものを選んで参加するマイチョイスに取り組んだり、レッツミュージックとして音楽活動、エクササイズとして、ヨガ、体操を行っている。集団での活動が苦手な利用者は個室を使用し、コロナ禍の密を避けるため、2階のホールも活動室として活用している。
〇職員は、利用者が自分でできること、できないことを把握し、できることは見守り、できないところを支援している。全職員が統一した支援を提供できるよう、非常勤職員の出勤簿のわきに支援方法の指示を記載した書面や、日々の出来事などの申し送り事項を記載した書面を置き、支援方法を確認してから、勤務につくようにしている。
〇定員40名中12~13名の利用者は、言語でのコミュニケーションが可能である。その他の利用者には、ジェスチャーや筆談、写真での確認など、様々な手段でコミュニケーションを取るようにしている。意思表示の困難な利用者には、表情などを職員が読み取るようにしたり、家族から普段の様子を聞き取り、支援に反映している。様々な手段を用い、コミュニケーションを図ることで、利用者に笑顔が見られるよう努めている。
〇利用者の歩行状態の維持を目的にして、近くの公園の1周、公園の半周、事業所の建物の周りのさんぽ路1周など、その方に応じた歩く活動を行っている。利用者の平均年齢が40歳近くになり、筋力の低下も見られるため、身体を動かす活動を取り入れている。
〇給食は隣接する松が丘園の厨房で作っている。温かいものは温かく、冷たいものは冷たい状態で提供している。食形態は常食、刻み食、3分の1量、ご飯100グラムなどがある。お正月やこどもの日、七夕、クリスマスなど、行事食を提供して、利用者に喜んでもらっている。食事や排泄、移動動作などに介助が必要な利用者には、写真入りの手順書を作成して支援している。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 当事業所では、初めて第三者評価を受審しました。
 評価票の作成には職員が取り組んだことで、現在実施している事業の内容を振り返る機会となりました。また、根拠となる規程や計画等の位置づけを改めて確認することができました。細かく自己評価をすることで、不足していることやさらなる取り組みが必要なことが分かりました。
 今後、評価結果を踏まえて見直しを行い、利用者にとってサービスがより良いものになるよう取り組んでまいります。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

法人の基本理念は、ホームページやパンフレットに記載して、周知を図っている。年度の初日には、全職員が参加する職員会議を開催して、今年度の方針などを説明している。新規採用の職員に対しては、法人と事業所それぞれで新任職員研修を実施して、法人の基本理念や事業所の運営方針についても説明している。また、常勤の職員には、年度初めに所属目標を周知する際に、法人の基本理念や基本目標を明記した資料を配布している。職員はそれらを踏まえ、個人目標を設定している。利用者や家族には、サービス利用開始時に、パンフレットにより、法人の理念や事業所の運営方針を説明している。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

「さがみはら障害者プラン」に、法人が「障害福祉推進の中核的組織」として位置付けられ、市の政策パートナーとして事業を展開している。市の担当課とは、年1~2回、意見交換会を開催し、施設長も参加して、福祉施策の動向と内容を把握し、法人の事業計画に反映している。また、市障害福祉事業所協会に所属して、年7~8回開催される会議に施設長が参加して、市内の障害福祉事業所と連携するとともに、共通課題の協議や情報交換、研修会の開催、市への要望書提出などを行っている。社会福祉事業全体の動向について把握に努めている。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

市の障害者プランを受け、法人全体で5年間の経営計画や事業計画を策定している。各所属長と常務理事で構成する経営調整会議を月1回開催して、施設長が参加して組織の整備や職員体制、人材育成などについて課題を抽出、分析し、事業運営に反映している。内容は職員会議などで職員に説明、周知している。法人全体で人員の確保が深刻な課題としてあげられ、新年度採用の他に、中途採用などの働きかけが必要な状況としている。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人全体で、5年間の中期計画「経営計画」を策定している。法人が「さがみはら障害者プラン」において中核的組織と位置付けられていることから、その役割や機能を十分に踏まえた計画としている。計画の作成にあたっては、各所属長が参加する他、次期を担う所長補佐クラスの職員も参加している。法人の基本理念の実現に向けて、計画は「基本構想」「基本計画」「実施計画」の3部構成として、事業別に各年度に達成する指標を定め、年度ごとに評価を行っている。事業所では、①共生、②信頼、③専門、④創造、⑤自立の中から、②信頼を取り上げ、利用数の指標を具体的にあげている。必要に応じて、経営計画の修正や指標の見直しを行っている。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

単年度の事業計画は、中期計画「経営計画」を踏まえて策定している。事業計画は、事業の概要や単年度の重点目標、事業内容について、具体的な内容としている。事業計画には、年度の重点目標を設定し、重点的に取り組む内容を明記している。また、経営計画の事業別実施計画で示す指標となる数値目標については、各事業所が毎月「月報」を作成して、進捗状況を法人に報告している。月報には、利用人数や収入の状況を記載する他、実施した行事の内容や参加人数なども記載している。事業計画は、半期、年間で実績の評価を行っている。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業計画は、11~12月頃より、職員の声を聴き、職員会議で内容を検討して策定している。事業計画書及び収支予算書は、法人全体の事業を冊子にまとめている。策定した事業計画は、職員会議で重点目標や事業内容を説明し、職員に周知している。事業の実施状況は、月報を作成し、法人に報告するとともに、職員会議でも前月の内容を職員に報告し、共有している。また、定期的に評価を行い、次年度の事業計画に反映している。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

年2回、家族報告会を開催していたが、コロナ禍により、現在は開催できていない。半年ごとに、要望などを書面で聴き取っている。その他、利用者の活動の様子をDVDにまとめ、希望者に無料で提供している。DVDは、30弱の家族に提供している。年度初めの最初の利用日に、年間行事予定を配り、年度の事業予定を、利用者や家族に周知している。毎月配布する「ぎんがのよていひょう」は、ひらがなやイラストを取り入れて、利用者がわかりやすいよう工夫している。また、年3回、広報誌「銀河たより」を発行し、活動の様子を伝えている。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

年1回、10~11月に、利用者及び家族に対して満足度調査を実施している。満足度調査の結果は、法人の広報誌「こもれび」に掲載する他、第三者委員にも報告している。満足度調査であがった意見や希望に対して改善を行うことで、提供する福祉サービスの質の向上を図っている。また、「指定障害福祉サービス事業所等自己点検シート」に取り組み、事業所の自己点検を行っている。事業所の現状を見直し、さらなるサービスの質の向上を図るため、今年度、第三者評価を受審している。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

第三者評価では、職員が分担して自己評価に取り組むことで、職員個々が事業所の現状を確認する機会となっている。また、評価結果は今後の改善につなげていきたいと考えている。「指定障害福祉サービス事業所等自己点検シート」による事業所の課題については、順次改善に向けて取り組んでいる。事業所として、やらなければいけないことを明確にして、取り組みをすすめている。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

法人の「人事評価実施要綱」で、階層ごとに職員の役割や人事評価の役割を明確にしている。「人事評価実施要綱」の冊子は常勤職員に配布している。また、施設長と課長補佐で、事業所の事務分担表を作成し、施設長の役割と合わせて職員の役割を示して、年度初めの職員会議で周知している。所属目標を設定し、事業所の取り組みの方針を明確にして、職員会議の場で、資料配布と説明で周知を図っている。職員会議では、日々の振り返りや検討を行うとともに、施設長の考えや方針などを伝える時間を設けている。施設長不在時は課長補佐に、課長補佐も不在の時は主査に、権限を委譲している。災害発生時の役割なども決めている。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人全体で、「コンプライアンス推進に向けた行動指針」と「職員倫理綱領」を整え、職員としての行動規範を明確にしている。行動指針や倫理綱領は、館内入口や事務室、各活動室に掲示している。年4回、常勤職員を対象とした法人全体の研修会でも、コンプライアンスに関する研修を行い、職員の意識の啓発に取り組んでいる。法人本部や各事業所で、法令改正の情報を収集する他、市障害福祉事業所協会の集まりに施設長が参加して、市内事業所との情報交換を行っている。収集した情報は、法人の経営調整会議や事業所の職員会議などで、周知、共有を図っている。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

サービス満足度調査や支援計画の面談、家族報告会などの意見を把握し、課題抽出や分析を行い、サービスの質の現状を把握している。職員会議で課題の改善に向けた取り組みを話し合い、職員へ具体的な指示を行うとともに、職員からの意見を十分に反映して、改善に取り組んでいる。事務室が2階にあり、利用者の活動室は1階のため、朝、送迎車の到着時は、施設長も1階に降り、受け入れ時の利用者の様子を確認している。また、午前と午後の2回、各活動室を回り、活動の様子を確認している。利用者のできる部分は、職員が過剰に介助しないよう、職員に指導している。施設内研修は、不定期な開催になるが、年1~2回、記録の書き方などの研修を行っている。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

安定した経営に向けて、法人全体で人事や労務管理、分析を行い、経営の改善に取り組んでいる。人員配置は、業務を円滑に進めることができるよう所属長が検討、提案し、法人と協議している。事業所に限らず人員不足は深刻な問題となっている。事務状況は、事業所ごとに予算管理を行っており、月報などで状況を分析している。課題や検討事項が生じたときは、職員会議で改善や体制について検討して実践している。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

職員の採用は、募集から採用までを法人の総務課が担当し、ホームページや市の広報誌、学校、ハローワーク、人材紹介会社などを活用して求人活動を行っている。法人に、外部の学識経験者も参加する採用委員会を置き、応募者の最終的な面接を行っている。また、採用にあたっては、半日の現場実習を設け、各事業所が協力している。職員不足は深刻な問題で、市障害福祉事業所協会の集まりや役員会でも、一番の話題になることが多い。新任の職員は、4月上旬に、3日間の新任研修を受ける他、法人内の福祉研修センターを活用して、1年かけて基礎研修Ⅰを受講している。中途採用の職員も途中から基礎研修Ⅰを受講している。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人で「人材育成方針・研修計画」を策定し、各階層における「求められる職員像」を明確にしている。人事基準は「人事評価実施要綱」で定め、職員に周知している。評価制度は「役割基準書」で定義や責任、役割を定め、統一した評価基準をもとに評価している。常勤の職員は、年度初めに自己の目標を設定し、「目標管理シート」にて自己評価を行い、年3回の課長補佐との面談を行っている。施設長との面談では、意向調査を実施している。面談の結果は、本人の自己評価とともに、施設長と課長補佐の評価を法人に提出している。職員の意向は、目標管理における面談や意向調査により把握し、人事や職場改善に反映している。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

有給休暇の取得状況や時間外労働については、法人本部が集約して管理するとともに、施設長が事業所職員の就業状況を把握している。有給休暇の取得は、職員によって差があり、またコロナ禍で計画通りには取得できないため、施設長が状況を把握して、職員に声掛けするようにしている。また、就業時間内に業務が終わるよう、職員の配置や業務の割り振りを工夫している。メンタル面のケアとして、月1回、臨床心理士を招いて、職場における悩みやプライベートに関することなど、誰でも自由に相談できる「なんでも相談室」を設けている。「なんでも相談室」は、職員が利用しやすいよう、夕方以降の時間に行っている。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

各職員が年間の個人目標を設定している。目標達成に向けた具体的な取り組み方法や実施時期、達成基準を定め、目標設定時と半期の振り返り時、期末の年3回、課長補佐との個人面談を実施して、進捗状況の振り返りや次の目標設定につなげている。面談時には、「目標管理シート」に状況をまとめている。法人の「人材育成方針・研修計画」で、階層別の「求められる職員像」を明確にしている。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人で「人材育成方針・研修計画」を策定し、計画的に研修を実施している。人材育成方針では、求められる職員像や人材育成の基本的な考え方を明示している。また、階層別に到達目標や到達水準の目安を明確にしている。法人が実施する全体研修の他、法人が運営する福祉研修センターの研修を活用している。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

外部研修はオンラインでの研修が多かったが、現在は、集合での研修が増えている。外部研修の情報は職員に発信し、研修への参加を促している。また、受講しやすいよう職員配置などの配慮を行っている。外部研修への参加者は最終的に施設長と課長補佐で人選している。外部研修参加後は、研修報告書を提出し、必要に応じて、伝達研修を行っている。新任職員は、1年間、職場内に指導担当を配置してOJT(職務を通じての指導)を行う他、法人が運営する福祉研修センターの基礎研修Ⅰを1年かけて受講する体制を整えている。契約職員については、経験のある職員とペアを組んで勤務できるよう配慮している。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

サービス管理責任者を担当として、実習生の受け入れを行っている。コロナ禍においても、可能な限り受け入れを行い、障害福祉の現場を知ってもらう機会を作っている。実習生に対しては、「実習受け入れのしおり」などの書面をもとにオリエンテーションを行い、実習期間中に適宜必要な指導を行っている。大学や専門学校などの実習生を、年間7~8名受け入れている。現場の職員にとっても、質問に答えるなど、勉強の機会にもなり、また、次の世代を育成する使命もあることから、今後も積極的に実習生を受け入れていく予定である。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人のホームページに、事業計画や事業報告、予算、決算などを掲載して、運営の透明性を確保する情報の公開を行っている。また、法人内事業所の第三者評価結果も公表している。苦情解決体制や第三者委員名、行政窓口なども示している。法人の広報誌「こもれび」を発行し、関係機関や地域に配布している。事業所の広報誌「銀河だより」は家族に配布し、活動内容を知らせている。また、年1回、利用者代表2名や家族代表者、地区社会福祉協議会、地域の自治会などで構成する運営協議会を開催して、事業の説明や意見聴取を行っている。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

事務、経理における職務の権限や責任、役割などは、法人の運営規程に明記して職員に周知している。半年に1回、法人の総務課の経理担当が契約関係や帳簿類の確認を行っている。また、月1回、法人の総務課の担当職員が財務状況を確認している。結果は職員に周知し、指摘に基づき改善しているが、事業所では現在特に問題はあがっていない。また、何かあれば、顧問弁護士や社会保険労務士に相談できる体制を整えている。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

コロナ禍前は、地域のボランティア団体との交流を行っていたが、現在は限られた交流になっている。また、近隣の大学や地域の保育園との交流も行っていたが、現在は中止している。年1回、法人全体の「松が丘園祭」の開催時には、地域の住宅に招待状などをポスティングして、地域交流を図っていたが、これも現在、中止している。コロナへの対応として、利用者が散歩で外出する際は、グループに分かれて出かけるようにしている。コロナの状況を確認しながら、地域との交流を再開していきたいと考えている。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティア担当職員が受け入れ担当として、ボランティアの受け入れを行っている。イベントでボランティアを受け入れる際には、事前に内容の説明や注意事項を伝え、守秘義務など、適切な関わりができるよう配慮している。利用者と関わる場合は、利用者の特性や配慮してほしいことを説明して、円滑なコミュニケーションが図れるようにしている。コロナ禍で積極的な受け入れはできないが、花壇の植え替えや散髪のボランティアの受け入れは継続している。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

グループホームやヘルパー事業所など、利用者に関わる関係機関とは適宜情報を共有するとともに、サービス担当者会議の機会を設けている。また、利用者のモニタリングにあたっては、併用事業所に対面もしくは電話にてヒアリングを行っている。利用者の支援課題については、支援の方向性を確認し、役割を分担して支援している。内容は、その都度職員間で共有している。外部の事業所との会議には、サービス管理責任者や担当職員が参加している。各利用者の支援課題や必要な社会資源は、個別の把握に努めて支援している。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人に運営協議会を置き、地域の代表者や、利用者や利用者家族の代表者、関係機関から意見を聴取して、地域の福祉ニーズの把握に努めている。法人内に基幹相談支援センターがあり、また、自立支援協議会の事務局機能を担って、地域の関係機関との連繋を図っている。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人として、障害者フリースペース事業「まつカフェ」を実施して、障害のある方が、自分自身に合った時間の過ごし方を見つけるための支援を行っている。市障害福祉事業所協会を通して、福祉避難所の協定を、市と事業所が結んでいる。また、法人の防災への取り組みを地域の方に周知し、協力体制を構築する取り組みを始めている。法人として、職員を地域や学校、企業などへ研修講師として派遣し、地域の福祉力アップにつなげる取り組みを行っている。事業所からは、強度行動障害の研修会に、サービス管理責任者がファシリテーターとして参加している。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者を尊重した福祉サービスの提供は、「職員倫理綱領」や「コンプライアンス推進に向けた行動指針」に明示し、事業所内に掲示している。人権の配慮に関する研修を年複数回行い、周知に努めている。法人全体で、虐待防止研修や年2回の職員セルフチェックリストにより、人権意識を高める取り組みを行っている。また、危機管理委員会で意見交換を行い啓発を図っている。意思疎通が難しい利用者に対しては、表情や雰囲気、家族からの情報、ケース記録の確認など、多角的に思いを汲み取るようにしている。家族の高齢化も進み、新しい制度の紹介は難しさもあるが、多くの情報を伝える努力をしている。事業所だけでは解決できないことは、関係機関と連携して解決を図っている。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人で「個人情報保護規程」を整え、個人情報の取り扱いについての基本事項を定めている。利用契約時には、個人情報の提供について同意を得て、必要な情報の提供を行っている。契約の更新時にも再確認している。職員は、利用者の個人情報は「聞かれても言わない」ことを共通理解している。プライバシーの保護や虐待の防止など、マニュアルを整備し、適切な対応が取れるようにしている。個人情報を含む書類やパソコン内のデータは、規程に基づき破棄や処理を行っている。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

事業所の見学は随時受け入れ、また、利用希望者の実習も希望に沿うよう配慮している。事業所の紹介は、パンフレットと併せて、事業所の紹介映像(DVD)を用意し、事業所の特徴や館内の様子をわかりやすく紹介している。月間予定表はひらがなや絵を使用し、利用者が分かりやすい工夫をしている。利用者とのコミュニケーションは、個々の特性に合わせて、伝達の仕方(手話やイラスト、写真、ひらがななど)を工夫している。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

サービス利用の開始時は、ふりがな付きの「利用契約書」や「重要事項説明書」を作成し、口頭で説明を行い契約している。その他、持ち物や給食申し込みの資料を準備している。契約更新手続きでは、図も使い、手続き方法が分かりやすくなるよう工夫している。意思決定が困難な重度の障害の利用者の対応は、本人へのアプローチ以外に、家族や支援者と十分に協議を重ねたうえでサービス提供を行っている。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

サービス利用を終了し他事業所へ移行する際は、サービス担当者会議への出席や移行先事業所の職員との個別の協議により、利用者がスムーズに移行できるように取り組んでいる。移行先の事業所に赴いて直接職員に伝えたり、活動の様子を見てもらったりして、サービス利用の継続性に配慮している。利用者や家族の同意がある時には、個別支援計画の開示を行っている。契約終了後の相談は、サービス管理責任者が対応している。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

年1回、利用者の満足度調査を実施している。満足度調査の結果は、職員間で共有し、希望や要望の実現に向けた話し合いを行っている。「給食のメニューの文字が小さくて読みにくい」という声に対しては、文字の大きさを改善している。また、「コロナ禍でもイベントをやりたい」という声に対しては、活動班ごとにイベントを行っている。年2回の家族報告会では、活動の様子を報告し、事業所への意見を聴いている。現在コロナ禍で開催できないため、活動の様子を収めたDVDを希望者に配布している。半年ごとのモニタリングと個別支援計画作成の面談時に、家族や利用者から意見や要望を聴いている。利用者や家族が何でも言える環境作りに努めている。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

「苦情解決規程」及び「苦情解決事務取扱要領」を整備している。苦情解決の仕組みは重要事項説明書に明示し、契約時に説明している。また、事業所の他にも苦情の申し立てや相談ができる機関を記載している。事業所内に、かながわ福祉サービス運営適正化委員会のポスターを掲示し、事業所の苦情受付担当者や苦情解決責任者名を示している。また、弁護士や大学教授、学識経験者で構成する第三者委員会を設置している。年1回、委員会を開催し、職員への助言を行っている。玄関の横に「ご意見箱」を設置しているが、利用はほとんどない。利用者や家族は直接話をしてくることが多い。また、月1回、オンブズマンが事業所を訪問している。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

連絡帳や電話、ご意見箱、家族報告会、送迎時などで、利用者の思いを確認している。利用者が話しやすい環境を整え、いつでも個別の相談に対応できるよう相談室を設けている。家族が来所すると、落ち着かない利用者もいるため、隣接する松が丘園で家族の相談を受けることもある。また、送迎車利用の利用者の様子が普段と異なる場合は、担当者が送迎車に同乗して、直接家族に話を聴くこともある。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

連絡帳や電話、ご意見箱、家族報告会、送迎時などで、利用者の思いを確認している。利用者の意見や要望に対して「ご意見・ご要望受付マニュアル」を整備し、対応の手順を定めている。利用者の意見や要望は、事業所全体で共有して改善に努めている。また、月1回、オンブズマンが来所し、利用者の思いを第三者の立場で聴き取っている。オンブズマンを通して要望や改善点などが伝えられた場合は、現場の職員だけで対応するのではなく、事業所全体で内容を共有し改善に努めている。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

法人に危機管理委員会を置き、「災害対策」「交通事故防止」「虐待防止」「感染症」の各委員会を設置して、必要な対策の検討と体制の整備を行っている。事故発生時の対応や手順はマニュアルを整え、速やかに責任者に報告するとともに必要な対応を迅速に行っている。事故報告書の作成を義務付け、法人全体で情報を共有するとともに、今後の対策については職員全員に周知、徹底している。法人研修として、虐待防止、交通事故防止などについて定期的に研修を実施している。事業所が市の福祉避難所として指定されていることから、災害時用の食料(40人分3日間)や水、発電機、トイレ、医薬品などの緊急対応物品を備蓄している。安全対策として、送迎車を運転する職員は採用時に運転免許教習所での安全運転講習を受講している。適性検査などを通して、個人の運転の傾向を知ることで、安全運転につなげている。全送迎車にはドライブレコーダー、バックモニター、コーナーセンサーを設置している。交通事故の対策に力を入れ、毎月、交通安全の動画やドライブレコーダーの映像の視聴や、交通法規、置き去りなしの研修を行っている。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症対策マニュアルを整え、インフルエンザやノロウイルス、新型コロナウイルスなどの予防と対応策を定めている。新型コロナウイルスの対策では、感染対策チェックリストの作成や、コロナ対策基本方針を定め、市や行政の対応に沿って進めている。感染の予防として、室内の換気に注意し、手指やテーブル、椅子、送迎車の消毒などを行っている。法人の常勤職員全員に対して感染症の研修を実施し、予防や対策に関する情報共有やデスカッションを行っている。非常勤職員には研修内容を詳しく伝え、周知を図っている。職員は随時セルフチェックを行い、体調が悪いときは休むように自己管理を徹底し、感染予防に関する意識の強化を図っている。玄関には検温タブレットや消毒薬を設置し、熱があったり体調が悪い利用者は別室で様子を見ることにしている。昼食を摂る部屋も密を避けるために集団を避け、ホールを利用するなどの対策をとっている。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

市の福祉避難所として指定されている。年2回の総合防災訓練は、隣接する松が丘園や消防署などと連携して実施している。火災や地震を想定した月1回の避難訓練では、災害時の職員の対応を実践的に行っている。トイレ介助中や日中活動中など、場面に応じた対応をマニュアルに定めている。避難場所は事業所の前にある淵野辺公園としている。訓練の成果として、利用者が机の下にもぐるのがうまくなってきているなどの効果が出ている。災害時用の食料や水、発電機、トイレ、医薬品などを備蓄している。地域との連携は、関連施設の松が丘園と合同で行っている。消防計画、BCP(事業継続計画)、福祉避難所のマニュアルを作成している。 

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

標準的な福祉サービスの提供については、利用契約書及び重要事項説明書に明示している。サービスの提供にあたっては、個別支援計画書を作成し、半年ごとに定期的に見直す他、必要に応じて、随時モニタリングを行っている。担当職員やサービス管理責任者が個別支援計画の検討会を開催し、アセスメントやモニタリングを行っている。また、食事や排泄、移動動作などに介助が必要な利用者には、写真入りの手順書を作成して支援している。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

半年に1回、または必要に応じて、個別支援計画について見直し(モニタリング)を実施している。モニタリングでは、関係機関や家族からも聴き取りを行い、利用者の支援につなげている。個別支援計画書の内容は、利用者や家族との面談で説明して同意を得、実際の支援につなげている。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

年1回、統一した書式を用いて、利用者のアセスメントを実施している。アセスメント表には、利用者の日常生活動作や介助・援助上の課題など、本人や家族の具体的なニーズを明記している。職員が家族や保護者と面談し、部門を横断した様々な職種による関連機関と情報を共有し、利用者の希望や強みを把握して個別支援計画に反映している。グループホームで暮らす身体障害のある男性のケースでは、本人が好きな活動を選択することで体力が回復し、座位を保つことができるようになっている。当初は短期の計画で取り組み、細かい支援を行ったことで体力の回復につながっている。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

毎月月次評価を行い、その評価を元に半年に1回、個別支援計画の見直しを行っている。常勤職員や担当職員、サービス管理責任者が個別支援計画の検討会を開催することで、より多くの意見を収集し、情報共有を図り、見直しに反映している。個別支援計画の見直しに合わせて、グループホームやヘルパー事業所などの関係機関と情報を共有している。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

統一した書式を使用して毎日、利用者の活動の様子を記録している。書式には支援計画の内容が記載されており、計画と照らし合わせながら記録できるようにしている。事業所内のパソコンで、利用者全員のケース記録を閲覧することができる。印刷したケース記録は、利用者のケースファイルに綴じて保管し、職員がいつでも確認ができるようにしている。毎日夕方に、30分程度の振り返りの時間を設けている。当日の利用者の様子や、支援について検討が必要な点などについて話し合い、情報共有をしている。非常勤職員に伝達が必要なことは文書で残し、情報共有を図っている。記録の書き方は、新人職員には施設長やサービス管理責任者が書き方をチェックして教育をすることにしている。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

利用者ごとの個人ファイルに、ケース記録を保存している。個人ファイルは、鍵付きのキャビネットに保管している。個人情報の取り扱いについては、利用契約時に個人情報保護規程や重要事項説明書にて説明している。外部への情報提供については、個人情報提供同意書で同意を得て提供している。記録類の管理責任者は、サービス管理責任者としている。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

「今日も楽しかった」と感じてもらえるよう、刺しゅうやビーズ、音楽、体操、園芸、買物、散歩、ドライブなど、複数の活動プログラムを用意している。利用者は朝のミーティングで、その日の活動を自分で選んでいる。ホワイトボードの今日の活動欄に、自分のマグネットの名札を貼って、その日の活動を決めている。休憩時間も、好きな音楽を聴いたり、職員と会話を楽しんだり、横になってリラックスしたりして、自由に過ごしている。健康面に配慮が必要な利用者には、本人にも困った顔や普通の顔、にこにこ顔などのマークを選んでもらい、今日の健康状態を意識してもらっている。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

利用者の権利擁護についてはマニュアルを整備し、「職員倫理綱領」にも明示している。法人全体で、個人の尊厳や人権の尊重、自己選択、自己決定、専門性の向上をテーマにした研修会を定期的に開催している。また、全職員が「セルフチェックリスト」により、自己の支援を振り返り、気になったことや改善点などを記入して、権利侵害につながらないよう努めている。権利侵害の発生時は、現場職員からリーダーへ報告し、事実確認後、リーダーが上司に報告し、さらに法人本部に報告する流れを決めている。また、記録を残すこととしている。これまで、権利侵害にあてはまる事例は発生していない。身体拘束に関しては、「身体拘束等適正化指針」を作成し、緊急やむを得ず実施する場合の対応や手順、記録の方法を定め、職員に周知している。パニック状態になり、他害につながる可能性のある利用者への対応は、身体拘束の3原則に基づいて事前に家族に説明して同意を得るようにしている。クールダウンして落ち着いてから、利用者の話を聞くこととしている。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員は、利用者が自分でできること、できないことを把握し、できることは見守り、できないところを支援している。全職員が統一した支援を提供できるよう、非常勤職員の出勤簿のわきに支援方法の指示を記載した書面や、日々の出来事などの申し送り事項を記載した書面を置き、支援方法を確認してから、勤務につくようにしている。自分の荷物の整理が難しい利用者には、連絡帳の置き場やバッグの置き場などを文字で示して、自分で置いてから朝のミーティングに参加するなど、利用者が自分でできることを増やすよう支援している。繰り返し働きかけることで、時間がかかっても自分でロッカーに片付けられるようになっている。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

定員40名中12~13名の利用者は、言語でのコミュニケーションが可能である。その他の利用者には、ジェスチャーや筆談、写真での確認など、様々な手段でコミュニケーションを取るようにしている。会話でのコミュニケーションが取れる方同士ではトラブルが起きることもあり、相性を考え座席の配置を工夫したりしている。また事前にこの話は本人の前でしない方がいいことなどを伝え、会話の内容などに配慮している。視覚障害者にはクローズドクエスチョン(閉じた質問)をはさんだり、聴覚障害者にはジェスチャーや写真でのコミュニケーションをとりながら支援している。意思表示の困難な利用者には、表情などを職員が読み取るようにしたり、家族から普段の様子を聞き取り、支援に反映している。様々な手段を用い、コミュニケーションを図ることで、利用者に笑顔が見られるよう努めている。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

相談室でのあらたまった相談は少なく、毎日の活動の中で「○○へ行きたい」「○○が食べたい」など、職員に話すことが多い。利用者の希望は、活動プログラムに組み込んだり、外食に行ったりして、できるだけ実現できるようにしている。以前は成人を迎えた利用者に対して、全体で祝う会を開催したりしていたが、コロナ禍以降はホールに集まっての行事は中止にしている。毎日の帰りの会では、一日の振り返りを行い、本日行ったことや楽しかったこと、頑張ったことなど、自分の思いを話す機会を設けている。利用者から家族のことで話が出た時は、1対1でゆっくり話を聞くようにしている。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:b】

アセスメントにより個人票を作成し、何ができて、何を支援していくかを個別支援計画書に記載している。活動内容は本人の希望を優先している。個別支援計画は半年ごとに見直しを行っている。見直しの際は、利用者本人の希望や意見、家族の思いなどを確認し、見直しの会議で内容を決定している。利用者からは、楽しいことをやりたい、銀河で漢字を練習したいなど、思い思いの希望や意見がある。それらを計画書に落とし込み、内容を更新している。月1回のマイチョイスでは、複数の活動の中から、利用者が自分で活動を選択している。ヨガでは、和やかな雰囲気の中でリラックスして取り組んでいる。講師も利用者をよく理解して、その方に合ったヨガを行っている。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

知的障害や身体障害、精神障害、発達障害、重複障害、高次脳機能障害など、様々な障害がある方が利用している。そのため、利用者個々の特性に合った支援をどのように行うか、職員は個別支援計画書や手順書を確認しながら、支援にあたっている。急に活動室から飛び出たり、人を突き飛ばしたりする方は、言葉で言えない分、手が出てしまったりするため、何が引き金になって起こったのか原因を見極めていくようにしている。年度初めには、行動に課題のある方について、アセスメントシートから行動を予測し、背景に何があるか、今どのような対応をしているかなど、担当者やサービス管理責任者が話し合いの場を設けている。医療との連携も踏まえて検討している。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

給食は隣接する松が丘園の厨房で作っている。温かいものは温かく、冷たいものは冷たい状態で提供している。食形態は常食、刻み食、3分の1量、ご飯100グラムなどがある。嚥下状態が低下している方は、揚げ物を煮物に替えたり、あんかけのあんを多めにするなどの対応をしている。アレルギーのある方には、献立ができると、栄養士が禁止食材に赤のマーカーで印をして家族に確認してもらい、家族がさらに危険と思われる食材に違う色のマーカーで印をつけている。それをもとに、栄養士と事業所の職員で代替え食の検討を行っている。お正月やこどもの日、七夕、クリスマスなど、行事食を提供して、利用者に喜んでもらっている。排泄に関しては、利用者の半数に何らかの介助が必要である。おむつ使用者は、保健室のベッドで交換している。食事や排泄、移動動作などに介助が必要な利用者には、写真入りの手順書を作成して支援している。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

建物に木材を多く使用し、温かみのある、明るい雰囲気を作っている。個室を備え、集団の中では不安定になる方は、落ち着いたスペースとして活用している。年1回、活動内容や給食、設備についてなど、家族にアンケートを実施している。設備については、スペースがゆったりしていて、設備が整っているという意見が多くあがっている。てんかんのある方などの安全確保のため、机の角などの危険な箇所には保護カバーを付けている。館内は、利用者が帰った後、職員が清掃や消毒を行っている。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:b】

理学療法士や作業療法士の専門職は配置していない。隣接する松が丘園には看護師が常駐しており、必要時には相談をしている。グループホームから通う利用者の歩行状態の低下に対して、グループホームの職員と検討し、訪問リハを受けるようになったケースがある。利用者は靴を適切なものに替え、歩行訓練を行っている。事業所でも、活動の中で散歩などの歩く活動を取り入れている。また、利用者の歩行状態の維持を目的にして、近くの公園の1周、公園の半周、事業所の建物の周りのさんぽ路1周など、その方に応じ歩く活動を取り入れている。利用者の平均年齢が40歳近くになり、筋力の低下も見られるため、身体を動かす活動を取り入れている。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

連絡帳を活用して、家族に家での様子を記入してもらっている。また送迎時には、家族から直接食事の様子や、排泄の具合などを聴いている。利用者は朝、自宅で検温している。利用中に体調に変化があった場合は、家族に連絡し、発熱のある場合は別室で休んでもらっている。てんかんのある方には、個別のマニュアルを作成し、対応方法やかかりつけの病院などを職員が把握している。月1回、医師による健康相談を実施している。また、年1回、健康診断を行っている。日中活動では身体を動かす活動を取り入れ、健康の維持、増進に取り組んでいる。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:非該当】

"
生活介護事業所で、医療的ケアは行っていないことから、非該当とする。"

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

事業所の前に大きな公園があり、散歩コースとなっている。市立博物館もあり、館内見学に行き、利用者が楽しんでいる。また、宇宙科学研究所に見学に行くなど、近隣には公共の建物が数多くある。ただし、コロナ禍以前のようには外出ができていない。また、法人のお祭りでは、模擬店を出したりブラスバンドに来てもらったり、地域の方たちとの交流を持つことができていた。館内で作品展を行い、作品は地域のアート展に出品したりしている。コロナ禍のため、事業所内の活動が主になっている。密を避けるため、ホールも活動室として活用している。学習面では、自閉症の方がノートのマス目をすべて埋めるのが好きで、漢字でマスを埋めて漢字練習を行っている。また、ビーズ刺しゅうを行っている方もいる。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

家庭から通所されている方が全体の3分の2、グループホームから通所されている方が3分の1の割合となっている。家庭からの通所者のうち、若い家族は、早くから本人をグループホームで自立させたいと希望するケースがある。グループホームへの移行を希望する方には、グループホームの職員と連携し、支援内容や配慮点などの情報を提供している。相談支援事業所とも連携し、検討する体制を整えている。移行にあたっては、グループホームの職員に日中活動の様子を見てもらい、対応方法などを確認してもらっている。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

送迎時のコミュニケーションや連絡帳の確認、電話連絡などで、家族と連携している。年2回、家族報告会を開催して、利用者の活動の様子を報告していたが、コロナ禍で開催できないため、活動の様子をDVDにまとめ、希望者に配布している。また、個別支援計画のモニタリングでは、利用者や家族に聴き取りを行い、次の計画につなげている。家族の思いや希望を受け入れ、利用者のより良い生活につながるよう連携している。家族からは、夫が倒れたらどうしようなど具体的な相談などもある。新しいサービスの情報を提供することもある。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

"
障害者の生活介護事業所のため、評価外とする。"

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

"
障害者の生活介護事業所のため、評価外とする。"

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

"
障害者の生活介護事業所のため、評価外とする。"

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

"
障害者の生活介護事業所のため、評価外とする。"