社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

けやぐ

2023年03月22日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 公益社団法人神奈川県介護福祉士会
評価対象事業所名 けやぐ
評価対象種別サービス 障害者グループホーム
設立年月日 2010年08月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人翔の会
③ 理念・基本方針 ◇法人の基本理念
 誰もが地域で暮らせるために
 [大切にしたいこと]
 1.一人ひとりをかけがえのない存在として尊重します。
 2.本人を中心として寄り添う支援を行います。
◇法人の運営方針
 ・利用者本人を中心とし、本人の意向を尊重した支援を行います。
 ・利用者の人格と性差を尊重した介助を行います。
 ・利用者の権利擁護とサービスの向上を目指して、事故と虐待を防止し、利用者の権利を守ります。
 ・ソーシャルインクルージョンの理念に基づき、全ての人が地域の中で互いの生き方を尊重し合い、交じり合って生活ができる共生社会をめざします。その実現のため多職種他機関との連携を大切にします。
 ・職員のキャリアアップに努め、職員研修の充実を図ります。
 ・職員が安心して働き続けられる職場作りを目指します。
 ・適切な財務管理と会計処理システムに努め、信頼性の高い効果的・効率的な経済体制を確立します。
 ・サービスの質の向上のため、リスクマネージメントの充実やコンプライアンスの徹底、情報公開による透明性の確保を図ります。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 〇ホームの利用者は、自分で考えた自分の望む生活、目的をもった生活を送っている。職員は利用者一人ひとりの考えを大事にして、日常生活を支援している。簿記の検定試験を受けたい、文字の練習をしたい、歩行訓練をしたいなど、一人ひとりのニーズや目標を大事にして、相談にのり、希望がかなえられるよう支援している。
〇ホームでは、基本的に自分の生活の仕方は自分で決めるようにしている。4人の利用者は自立度も高く、それぞれの日中活動場所も異なり、自分の都合の良い時間に食事をするなど、自由に生活を送っている。自分でできることは本人に任せ、支援が必要な場合は、相談に応じて、職員が支援している。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2022年08月01日
終了:2023年02月08日(評価結果確定日)
受審回数:1回( 年度)
⑥ 総評
◇ 特長や今後期待される点
◇事業所の特色や努力、工夫していること、事業所が課題と考えていること等
〇法人内の11ケ所のグループホームを、3つの事業に分け、けやぐ事業の4ケ所のグループホームのひとつとして、「けやぐ」がある。
〇ホームは住宅街の中にあり、2階建ての一般住宅を改修した住居に、40~60歳代の男性利用者4人が暮らしている。利用者には、知的や身体的な部分に障害があるが、日常生活はほぼ自立しており、本人の望む本人らしい地域生活を送っている。
〇平日の日中は、1人が生活介護事業所に、2人が就労継続支援B型事業所に通い、1人は一般企業で働いている。一般企業で就労している利用者は、自転車で自力で通勤している。
〇職員は利用者一人ひとりの個性を大切にし、本人の望む生活を確認しながら、支援にあたっている。利用者は職員と相談し、それぞれ自分の目標を立てて生活を送っている。
〇職員は、利用者が目標に向って生活を送る姿を見守っている。生活の場だからこそ見られる表情や行動をニコリホット(利用者のプラス面)として受け止め、日々の生活を支援している。
〇法人の栄養士が献立表を作成し、それをもとに世話人が調理して食事を提供している。洗濯は入浴後に自分で行い、自室の掃除も基本的に自分で行っているが、支援が必要な利用者には、夜勤の職員が声を掛けて手伝うこともある。
〇ホームは一般住宅を改修した住居で室内外に階段や段差がある。現在、利用者は皆自立した生活を送ることができているが、60歳代の利用者もおり、身体が思うように動かなくなった時の対応に課題があると考えている。
⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント 今回、第三者評価を受審して、利用者支援の理念や活動について努力している点やがんばっている点がみえた一方で、取り組みが不足している点や課題になっている点もみえました。具体的には、地域との交流や発信、重度の利用者への発信やコミュニケーション、そして、今後、課題になってくる高齢化、重度化への対応をどうしていくか、考えさせられました。今の支援を充実させていくとともに、利用者の皆さんの将来の支援も考えながら、日々、精進していく姿勢を大切にしたいと思います。
詳細評価PDF
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・法人の理念や運営方針は、ホームページや事業計画書に記載し、4月の法人の全体研修や月1回開催するグループホーム全体の会議の中で、職員に説明して周知を図っている。
・法人の理念や運営方針を具現化するため、主任会議や等級別会議を定期的に開催して、その等級の職員にとって何が必要かを自分たちで考え、日頃の活動内容の振り返りを行っている。
・コロナ禍で定期的に開催することができていないが、年1~2回、けやぐ事業の4グループホーム全体で、利用者ご家族懇談会を開催し、法人の理念や運営方針についても説明している。
・けやぐ事業の4グループホームには、重い障害を抱える利用者も生活しているため、利用者への理念や運営方針の説明には工夫が必要と考えている。今後の課題としている。
Ⅰ-2 経営状況の把握

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・法人内の各事業所が、月次の活動報告書や収支報告書を作成して、月1回、課長以上が参加する「月次決算会議」の場で、報告や現状把握を行っている。
・また、「月次決算会議」の後に「分析会議」を開催し、毎月1部門を取り上げて、昨年度同月との比較や人件費、利用者数の推移など細かな分析を行っている。グループホームについては11月に詳細を分析している。
・コロナ禍により、会議はオンラインでの開催になることが多く、各事業の把握や詳細の分析には限界もある。
Ⅰ-3 事業計画の策定

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・法人が関わる分野は多岐にわたり、それぞれ制度や報酬の改定もまちまちなため、以前策定していた中・長期計画は、現在あえて策定していない。ただし、法人の施設長会議や企画・調整会議にて中・長期のビジョンを検討し、利用者の高齢化や重度化への対応、医療的ケアなど、単年度の事業計画に内容を反映している。
・単年度の事業計画は、利用者のニーズや職員の意見を聴きとり、施設長がまとめ、理事会にて策定している。利用者ご家族懇談会や広報誌を通じて内容を周知するとともに、評価、見直しを行っている。ただし、利用者のニーズや入退居の対応などで、計画通りにすすめるのは難しいと感じている。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・法人全体で、人権研修や虐待防止研修、身体拘束防止研修を開催し、提供する福祉サービスの質の向上に取り組んでいる。人権研修では、意思決定支援の取り組みを発表し、研修会には利用者も参加してコメントしている。
・法人内の各事業所で、利用者の「ニコリホット(利用者の良いところを見つけ出す取り組み)」事例を集め、主任会議で内容を集約している。
・法人全体で利用者アンケートを実施し、昨年度全体を分析し、今年度の全体研修の場で報告した。来年度、利用者の声をどう現場に活かすか検討している。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・施設長と管理者である課長が、ホームの運営管理に一緒に取り組んでいる。管理者の役割と責任については、月1回開催するグループホーム全体の会議の中で、施設長が表明している。
・活動面の取り組みには特に問題はないが、経営面の取り組みは制度の改正などで、すり合わせがうまくできていないと感じている。
・施設長不在時の対応や、有事の際の施設長の役割については、文書にまとめ、職員に周知している。
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・法人全体で、常勤及び非常勤職員の確保、育成、研修計画を立て、ホームも法人本部と連携して取り組んでいる。
・グループホームでの職員育成の課題として、一人職場になることが多いことでOJT(実務を通しての指導)ができにくいことがあり、グループホーム全体の課題と捉えている。
・非常勤職員や夜勤者の確保が難しい現実がある。実習生の受け入れは行っていない。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・法人の運営状況をホームページに記載して、運営の透明性の確保に努めている。
・また、法人のマニュアルに沿って、年1回、管理職の職員が法人内の他事業所の金銭面の管理状況を確認し、年2回、災害などリスクに関わる事項を、法人内の他事業所のスタッフが確認している。総務の職員も週1回、ホームを巡回して金銭の管理が適正に行われているか確認している。
・地域に向けたホームの情報発信については弱いと感じており、具体的な改善方法の検討については今後の課題としている。
Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・利用者個人は、地域の人が管理する畑に出掛け、昼食を一緒に摂ったりして交流しているが、ホームとしての地域活動は弱いと感じている。ボランティアの受け入れも現在行っていないため、今後は利用者の余暇活動の支援などで受け入れができればと考えている。
・地域の自立支援協議会や行政とのネットワーク、連絡会には参加している。地域の防災訓練には利用者は参加していないので、今後どのように関わっていくか課題としている。

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・法人が開催する本人中心の支援のグループワークに、ホームの職員も参加して、利用者を尊重する支援のあり方を勉強している。また、法人全体で人権研修に積極的に取り組み、全職員が研修会に参加している。
・利用者からの立替金を適正に管理するため、立替金は鍵の掛かる部屋で保管している。外部からの訪問者をチェックできるよう、利用者のプライバシーの侵害に配慮しながら、玄関に防犯カメラを設置している。
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・グループホームは利用者数も少ないことから、福祉サービスの提供に関する説明と同意は、一人ひとり時間をかけて個別に行っている。ホームではコミュニケーションがとれる利用者が生活を送っているので、内容の理解も特に問題はない。
・利用希望者の見学や体験利用は行っているが、地域や公共施設などに、グループホームのパンフレットなどは置いていない。グループホームは「家」であり、利用人数にも限りがあることから、今後もパンフレットなどを置く予定はない。
Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・法人全体で利用者アンケートを実施しているが、毎年はできていない。また、本人が参画する場は設定していないので、利用者の会など、今後は利用者が参画できる場を作っていきたいと考えている。
・ホームの利用者は、これまでチャレンジしたことがないことには取り組んでいない。意思決定支援の取り組みの中で、新しいことへのチャレンジを促すことができたらと考えている。
Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・苦情解決の仕組みは玄関に掲示しているので、利用者にわかりやすい説明書や記入カードなどの配布は行っていない。グループホーム全体では、判断能力の低下した利用者も多いが、ホームの利用者の判断能力に問題はないため、やかりやすい説明書などは特に必要ないと考えている。
・利用者の意見や希望は、直接、担当職員に話してくることがほとんどである。
Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・法人全体でリスクマネジメントマニュアルを整え、安心・安全な福祉サービスの提供に備えている。グループホームは一人職場のため、職員一人ひとりに同じように周知できているか、また、非常勤の職員がマニュアル通り取り組めるか課題もある。
・コロナ禍でスタッフの確保が厳しく、管理的職員も現場に入ることが多い。統一した対応方法の周知、実践に取り組むことができない現実がある。
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・ケアマニュアルを整え、利用者個々の支援にあたっているが、グループホームは一人職場のため、どうしても支援のあり方にばらつきが出ることがある。現在、全グループホームをオンラインで結び、支援方法の共有や活動の確認、打ち合わせなどを行うことができるよう取り組んでいる。非常勤の職員は、複数のグループホームを兼務していることも多いため、夜間の支援方法の確認なども行えるようにしていきたいと考えている。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・コロナ禍により、家族や後見人の聴き取りや説明が、電話や手紙になることも多いが、サービス管理責任者が利用者一人ひとりの個別支援計画を作成している。
・個別支援計画の作成にあたっては、利用者本人の声やニーズを、面談や日々の関わりの中で確認している。作成した事業計画は本人に説明し、同意を得ている。
・個別支援計画は、半年に1回、定期的に見直しを行う他、利用者の状態に変化があった時は、随時見直すようにしている。
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・記録類は、パソコンに打ち込む書類と手書きの書類がある。パソコンはパスワードで管理し、手書きの書類は、必要に応じて、保管場所に施錠している。文書類の管理責任者を施設長としている。
・職員は入職時に、「個人情報の取り扱いに関する誓約書」を提出し、利用者や家族からは、契約時に「個人情報使用同意書」に、同意のサインをもらっている。
A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・法人全体で、権利擁護に関するマニュアルを整備し、年1回、全職員を対象に研修会を開催している。
・ホームでは、基本的に自分の生活の仕方は自分で決めるようにしている。4人の利用者は自立度が高く、それぞれの日中活動場所も異なり、自分の都合の良い時間に食事をするなど、自由に生活している。自分でできることは本人に任せ、支援が必要な場合は、相談に応じて、職員が支援している。簿記検定試験を受けたい利用者は、部屋に勉強机を入れ、試験に向けた勉強をしている。
・職員は日々の生活の中で、本人の思いを聴き出すよう努め、話し合いの機会を設けている。利用者は自ら、職員に話しかけてきたり、相談をしてくる。運動のため歩きたいという利用者は、週1回時間を決めて、ヘルパーを利用して散歩をしている。
A-1-(2)権利侵害の防止等

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・権利擁護のマニュアルの整備や研修会を開催する他、就業規則にも権利侵害の防止について記載している。職員は利用者の年齢にふさわしい言葉を使い、姓で呼び掛け、禁止語や命令語は使わないようにして、職員間で意識して関わっている。
・利用者宛ての手紙は本人に手渡し、職員が開封しないようにしている。身体拘束について、職員は法人の全体研修を受け、やむを得ない場合の対応についても理解を深めている。
・部屋の鍵は自分で掛ける利用者もいるが、掛けない利用者もいる。鍵がついていなかった部屋に、後から鍵を付けたが、本人はほとんど使用していない。職員はノック、声掛けをしてから、必ず入室している。
A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・法人の栄養士が献立表を作成し、それをもとに世話人が調理をして食事を提供している。洗濯は入浴後に自分で洗濯機をまわし、自分の部屋に干している。自室の掃除は基本的に自分で行うが、支援の必要な利用者には、夜勤の職員が声を掛けて手伝うことがある。衣類整理も自分で行い、身だしなみも自分で気を付けている。
・金銭管理については、利用者と話し合い、利用者の1人はすべて自己管理している。利用者3人は、給与は本部の自分の通帳に入金して、普段の買物などの費用はホームが立て替えて、月ごとに精算する仕組みとしている。
・体調が悪いときは、近くの内科や皮膚科、泌尿器科、眼科に、一人で通院したり、職員が付き添って通院している。
・余暇時間に、図書館から本を借りてきて読んでいる利用者がいる。昔やっていた将棋をやりたいとの希望があり、将棋ができる所を探している利用者もいる。
A-2-(2)日常的な生活支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・利用者の日常生活は、自律・自立を基本と考えて支援している。利用者のやりたいことや思いを大切にして支援している。生活の目的を達成するため、図書館や牧場、公園など、地域の社会資源を活用している。就労支援事業所や一般企業への就職を考えている利用者のために、職員が一緒に考え、目的が達成できるよう支援している。
A-2-(3)生活環境

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・住宅街の中の一般住宅をホームとしている。利用者は、ほぼ自立して日常生活を送っている。1階にはキッチンやリビング、浴室、脱衣室、トイレと、利用者の居室が1部屋ある。2階には3部屋の居室とトイレがある。
・室内には、スプリンクラーや防災装置、また、玄関に防犯カメラを設置している。トイレのドアに明かり取りの小さい窓があり、トイレでの緊急対応に備えている。
・玄関までは階段があり、現在は皆自立しているが、身体的に難しくなってきたときが課題であると考えている。近くには公園もあり、散歩に出かける利用者もいる。また、周囲が平坦地であるため、職場まで自転車で通っている利用者もいる。
A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・ホームには、機能訓練の専門職は配置していない。職員は意識して、ラジオ体操を一緒に行ったり、できるだけ身体を動かすようにしている。日中活動先の看護師から、歩き方や身体を動かすことのアドバイスを受けた利用者は、帰宅後の歩行訓練を希望し、職員と相談して、週1回、ヘルパーの付き添いで、近所を散歩している。
A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・毎日の検温や、必要な人の血圧測定や排せつの状況を確認し、記録している。職員は毎日、利用者の顔色や動きで、健康状態をチェックしているが、体調が悪いときは、本人から訴えてくることが多い。てんかん発作のある利用者は、本人からも「今日は体調が変だから気をつける」と自分でも意識している。
・体調に変化があった場合は、利用者本人と相談し、このまま様子を見るか、受診するかを決めている。病院への受診は職員が付き添い、家族にも連絡している。
・現在、服薬している利用者が3人いて、1人は薬を自己管理し、他の2人は職員が薬を管理している。薬はリビングの鍵のかかるキャビネットで保管し、服用時には、日付や名前を確認して服用してもらっている。薬の空き袋はまとめて、飲み終わったことを確認してから破棄している。・
・60歳以上の利用者が2人生活しているので、今後も健康状態に配慮していく必要があると考えている。法人全体で医療的ケアの研修会を開催している。
A-2-(6)社会参加、学習支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・地域の自治会に入っており、情報は回覧が回ってくる。町内の掃除を日曜日にしましょうという連絡があり、ホームとして参加している。地域の行事としてのお祭りなどは行われていない。
図書館を活用している利用者がいる。近隣に体育館があるが、ニーズがないため利用したことはない。利用者からゲームセンターに行きたいという希望があり、本人と相談し、どこへ行くか検討中である。
・コロナ禍前は、年末年始にヘルパーとレストランに行ったりしていたが、現在は中止している。字の読み書きができない利用者から、読み書きの練習をしたいとの希望があり、職員と一緒に練習している。簿記検定試験を受ける利用者は、母親の試験会場までので送り迎えで、近く受験する予定である。
A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・グループホームで生活をしていることが、すでに地域生活の支援と考えている。日中活動の中でも、一般企業への就職希望のある利用者には、就労支援事業所への移行、一般企業への移行と、ステップを踏みながら支援している。
A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

・コロナ禍の中、利用者の生活の様子や健康状態など、家族への連絡は、基本的に管理者が電話で報告している。利用者が体調不良の場合は、本人にこのまま様子を見るか、受診するかを確認した後に、当日の職員が家族に連絡している。
・年1~2回利用者ご家族懇談会を開催し、家族と交流していたが、現在はコロナ禍で開催できていない。そのため、電話での連絡を密にしている。
・年2回、個別支援計画の作成時には、家族に来てもらい、本人を含めて今後の計画を作成している。家族との関係が深く、年末年始に自宅に帰る利用者もいるが、成年後見制度を利用している利用者もいる。立替金のある利用者の家族には、支出の状況を毎月報告している。

評価後のコメント<別紙3>

利用者調査概要 利用者調査総合結果
利用者総数:4名
アンケート調査対象:4名
ヒアリング調査対象:1名
◇アンケート調査結果
 4人の利用者にアンケートを実施した。利用者は全員自分でアンケート票に記入していた。
 利用者からは、職員の言葉遣いや利用者同士のトラブルに対する職員の対応、不満や苦情の受け止めなどに満足しているとの回答があった。

◇ヒアリング調査結果
 訪問調査時、日中活動先から帰宅した利用者に、リビングにてヒアリングを行った。利用者からは次のような感想を聴くことができた。
・自分で入りたいと思い、ここに決めた。人の手を借りないで生活したいと思っている。
・職員は姓で呼んでくれる。
・職員はやさしくしてくれる。体調が悪い時はすぐに対応してくれる。
・持病があるので薬を飲んで、自分でも気を付けている。
・検定試験を受けるため勉強している。今後、何かに役立つと思う。
・平日は、日中活動場所で封筒入れなどを行っている。
・リハビリのため、ヘルパーと一緒に散歩に行っている。