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境町パイナップル保育園

2024年02月15日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 境町パイナップル保育園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 90 名
所在地 〒210-0838
川崎市川崎区境町11-9
TEL 044-222-8686 ホームページ https://shafuku-doujinkai.or.jp/facility/nursery-school/sakaicho-pineapple
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2016年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 同塵会
職員数
常勤職員:23 名
非常勤職員:13 名
専門職員
保育士:28 名
看護師:2 名
子育て支援員:1 名
施設・設備の概要
居室:0歳児室
居室:1歳児室
居室:2歳児室
居室:3歳児室
居室:4歳児室
居室:5歳児室
居室:一時保育室
設備:調理室
設備:調乳室
設備:遊戯室
設備:医務室
設備:事務室
設備:職員更衣室
設備:トイレ
設備:ホール
設備:エレベーター
設備:園庭

③ 理念・基本方針
<保育理念>
1.児童福祉法に基づき、人権や主体性を尊重し、自ら伸びゆく可能性を信じて、お子様のために誠意の限りを尽くします。
2.子どもが現在をもっともよく生き、一生を通じて学び続ける姿勢を持ち、幸せな人生を送るための土台を築いていきます。

<基本方針>
1.当園は、全ての子どもが健やかに成長するために、適切な環境を等しく提供することを目指します。
2.当園は、保育・教育の提供に当たり、利用する子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進するため、子どもの意志及び人格を尊重して保育・教育を提供するよう努めます。
3.当園は、子どもの家庭及び地域との結び付きを重視した運営を行うとともにその支援を行い、都道府県、市町村、小学校、他の特定教育・保育施設等、地域子ども・子育て支援事業をおこなうもの、他の児童福祉施設その他の学校又は、保健医療センターサービス若しくは福祉サービスを提供するものと密接な連携に努めます。

<保育目標>
1. 基本的な生活習慣を身につけ、心身ともに健康な子ども
2. いろいろなことに興味や関心をもち、主体的に遊び、意欲的に取り組む子ども
3. 豊かな心をもち、自分も友だちも大切にできる子ども
4. 自律心や社会性を身につけ、平和を愛する心をもつ子ども

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<境町パイナップル保育園の特徴的な取組> (基本情報Ⅰ-3の記載事項)
●モンテッソーリ教育の一部取り入れ(異年齢保育・英語・モンテ教材提示)
●養護老人ホーム フェニックスとの交流(併設)
●健康な体づくり(毎日の散歩・幼児年齢にあったうんどう遊び・食育)
●障害児保育・一時保育
●地域支援(園庭開放・育児相談)

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/06/30(契約日) ~2024/01/31(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2018年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【境町パイナップル保育園の概要】
●境町パイナップル保育園は、社会福祉法人同塵会(以下、法人という)が運営する認可保育所です。法人の設立は昭和41年にまで遡り、翌42年には特別養護老人ホームを横浜市で最初に運営を行い、横浜市港南区に「特別養護老人ホーム芙蓉苑」を開設しました。以降、グループホーム・横浜市地域ケアプラザ・認可保育所等を複数運営し、主に横浜市・川崎市を中心に地域福祉社会の創造に向けて貢献しています。

●境町パイナップル保育園は、JR川崎駅よりバス約5分、「さつき橋」下車徒歩約2分の場所に位置しています。保育園は、法人が運営する「特別養護老人ホーム境町フェニックス」と合築され、玄関は別々ですが双方の行き来が可能な造りとなっており、保育園と特別養護老人ホームの中間に設けられたそれぞれのホールは、パーテーションを外すと一つの大きなホールになるよう設計されており、高齢者との異世代交流が行われ、10月には合同でハロウィンフェスティバルを開催する等、活発に活動が行われています。

●境町パイナップル保育園周辺は、産業道路につながる101号線、交通量の多い第一京浜道路がありますが、車道と歩道の分離は整備及び舗装され、歩道幅も広く安全は確保されており安心です。地理的に比較的大きな公園が点在し天気の良い日は、子どもたちは散歩に出かけています。園の立地は、鶴見川と多摩川の間に位置し海にも近い為、毎月の災害避難訓練と共に地域町内会と共同で避難訓練も実施し、合築の特別養護老人ホームとの協力体制も確立し、災害時に高潮が心配される場合は、園舎の2階または鉄筋5階建の特別養護老人ホームでの垂直避難を可能としています。

◇特長や今後期待される点
1.【高齢者施設との活発な交流】
境町パイナップル保育園の園舎は、特別養護老人ホーム境町フェニックスと合築であり1階は廊下でつながり、両施設の中間には共同のホールがあり、合同イベントや老人ホームへの訪問等、日常的に交流しています。福祉の分野では子どもと高齢者との交流は双方にとって極めて有効であると言われています。子どもにとっては高齢者と触れ合うことで先人の智慧を実際に教えてもらうことができ、同時に、高齢者が身近にいることで、自然と手助けをしたり、思いやりの心が育まれています。

2.【一人ひとりを大切にする丁寧な保育を目指して】
重要事項説明書の「保育方針・特徴」欄には「楽しい園生活」「命を大切にする保育」「一人ひとりを大切にする保育」と記載されています。これらを実現するために、園ではクッキング活動や毎日の散歩(健康な体作り)、異年齢保育(豊かな人間関係)、運動あそび(安全な運動の楽しみ方)等、様々な活動を通じて子どもたちの五感や非認知能力の向上を目指しカリキュラムにも工夫を取り入れています。

3.【モンテッソーリ教育と英語教育を取り入れた保育の実践】
境町パイナップル保育園では、モンテッソーリ教育を通して、命の営みや自然の美しさ、心の安定、数や文字への理解を深めています。モンテッソーリの理念に沿った教育を行っているものの、形式に捉われることなくその本質を保育に生かし、子どもの成長をサポートしています。また、英語教育では楽しく学びながら子どもたちの英語への興味・関心を深めるよう取組み、境町パイナップル保育園では5歳児クラス全員が楽しく英語を学んでいます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 境町パイナップル保育園

≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取組の感想≫

園長、主任及び各部署(看護・栄養士・クラス担当)の職員の話を傾聴していただきありがとうございました。丁寧な聞き取りと保育への理解、まとめもしっかりしていただきました。

私たちは、あれもこれも不十分と思っておりましたが、客観的に見ていただき、取組んでいると判断していただいた所もあり、安堵いたしました。保育を進めながら地域支援や地域交流等のボリュウムが、職員にあまり負担がかかってもと思っていたところでしたので良かったです。

第三者評価を受けたことにより、職員の意識が少し変わったように思います。理念、事業計画、利用者支援、適切な保育の大切さ等、再確認しました。非常勤も含めてグループ討議、共通認識が持てました。適切なアドバイスありがとうございました。

≪評価後取組んだ事として≫

1. 保育の質、保育士の質について考える機会を作りました。
2. 保育事務時間の簡素化、効率化等、今後、継続的に行ってまいります。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

境町パイナップル保育園は、社会福祉法人同塵会(以下、法人という)が運営しています。法人本部は、横浜市営地下鉄下永谷駅から徒歩5分程度の特別養護老人ホーム芙蓉苑の中にあり、福祉(高齢)・医療からスタートした法人です。法人は現在、認可保育所8園を展開し、保育理念は法人系列全園で共通としています。保育方針は各園の地域性、特徴に合わせてそれぞれ定めています。境町パイナップル保育園では理念の実現に向けて方針を定め、職員に周知徹底し、保護者等にも知らせるよう継続的に取組んでいます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

事業環境の状況把握については、川崎市・川崎区からの情報や公私立園長会議等を通じて把握しています。把握した情報は法人系列8園の園長会議で報告・共有し、園の運営に役立てています。人件費の比率を減らすため、新人職員の採用を促進するよう努めています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

法人の保育事業に関しては、従来、法人本部は費用負担しない形で展開していましたが、保育事業を円滑に進めるために保育費用の中から法人本部経費を正式に捻出し、経営全般を見られる体制を備えました。職員に関してはワーク・ライフ・バランスの観点から、サービス残業がないように、各職員の平均残業時間の見える化等を進め、職員に不公平感が発生しないよう体制づくりに努めています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人系列8保育園として、また境町パイナップル保育園として5ヶ年の中期計画を立てています。大規模改修・改築についてはこの中期計画には含めず、法人の長期計画として考慮しています。保育園として見える将来は中期であり、その実現に向けて計画を実施しています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

単年度の事業計画としては、全体的な計画及び年間指導計画と、園運営及び地域を中心とする園の事業計画の二本立てとなっています。全体的な計画及び年間指導計画は具体的な内容となっていますが、事業計画のうち地域に関するものについては、地域に向けた給食の試食会実施・卒園児の行事等への招待等の取組を行っています。事業計画作成後は法人本部に提出し承認を受けています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業計画(中期計画、単年度計画)での全体的な計画は、年間指導計画・クラス別年間指導計画に展開し、その年間指導計画は月案・週案に展開され、日・週・月・期単位でチェックを行い、組織的に実施しています。保育の実施段階における指導では、例えば鉄棒については危険な高さがハッキリ分かるようテープを貼って示す等、具体的な取組を行い、全職員に周知し共通認識を図っています。他にも首から上のケガをした場合は、保護者にコドモン(保育業務支援アプリ)で写真を送信した上で、電話で通院等の判断を確認しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

事業計画については、主な内容は保護者懇談会等で説明し、詳細は行事予定として展開し保護者に配付・説明を行っています。行事については積極的に保護者の参加を促し、事業計画をより深く理解してもらえるよう努めています。配慮が必要な保護者に対しては、分かりやすく説明するようにしています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

保育の質については、期初に年間指導計画を立て(P)、年間を通じた計画の実施(D)、期中の日・週・月・期単位で見直し(C)、期末に反省・振り返りを行い、次期計画への組み込み(A)を着実に実施しています。保育園自体の評価は法人独自の評価シート(5段階評価)を用いて行っています。行事後は保護者アンケートを実施し、アンケート結果は保育の質の向上に役立てています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

保育園の自己評価結果については、園として分析・検討して課題を抽出し、改善策を策定して実施しています。非常勤職員へも主に担当クラスのリーダー経由で改善策や取組等、必要に応じて伝えています。また、年数回、非常勤会議を開いて園の方針等に関する説明や保護者の意見等を伝え、同時に非常勤職員からの意見も聞く機会としています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長の役割・責任については、職務分掌表及び園長業務一覧表で明確にしています。併せて期初の職員会議でも説明し理解を促しています。対外的には園だよりで園の方針と併せて園長の責任について表明しています。園の運営に関わるBCP(事業継続計画)にも方向性を示しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法令については遵守することを大前提としています。特に保育に関する法令については研修等にも参加し、深く理解するよう努めています。また、川崎市や川崎区からの指導・伝達についても遵守しています。
保育以外の法令で理解が難しい場合には、法人本部の専門家及び外部の法律の専門家や社会保険労務士に相談できる体制が構築されています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は保育の質の向上に強い意欲を持ち、現状の課題を正しく把握・分析しています。園内及び法人内に具体的体制を備え、職員の意見を取り入れながら研修等を実施しています。園長は様々な形で保育現場に関与し、クラスにも時折入り保育の実践指導も行っています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長は法人系列8園の園長で構成される園長会を通じて経営に参画し、自園のみならず系列全園に関わる人事、労務、財務に関与しています。また、自園については経営計画を含む事業計画を策定・実施しています。人材の確保や配置についても計画を策定し、組織体制を強化する等、自ら率先して業務改善に取組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

福祉人材の確保については計画を策定し、法人と相談の上、実施しています。法人でも福祉人材の採用活動を行っていますが、絶対的な保育士の不足状況もあり、必ずしも計画通りに採用が進んでいないという側面もあります。必要な福祉人材の確保については今後も継続的に求人を行っていく予定です。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

人事管理に関しては、俸給テーブル表はありますが、資格要件イコール期待する職員像については、現在、法人系列8園でまとめている最中です。職員の体験研修として、法人系列園間で交換して実施しています。待遇面では週休二日制の実施を実現しています。系列8園の園長で接遇の5原則をはじめとする教育計画を策定・実施しています。法人では系列保育園を集約する担当者を置き、保育園の運営を円滑に進めていく予定でいます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

就業状況については職員の意見を聞いています。全職員を対象とした面談を8月と12月に設定し、就業状況や意向について確認しています。8月には、次年度にクラス担当としての打診及び希望等、次年度についての意向を確認し、12月は意向に変化がないか再確認しています。職員の精神的な悩み相談に関しては、法人でストレスチェックを実施し、個別面談を行っています。これらを基に、ワーク・ライフ・バランスに配慮した人事管理を心がけています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員一人ひとりの育成については、法人として2日間の新人研修を行い、入職2~3年目にもフォローアップ研修を行っています。外部研修についても、案内の届いた講座やキャリアアップ研修の参加希望を適宜、募っています。Zoomによるインクルーシブ研修については、複数受講しています。職員一人ひとりの育成については、組織として「期待する職員像」を明確にし、各職員の目標管理のための仕組み構築が求められます。設定された目標(目標項目、目標水準、目標期限)については、年度当初・期末に面接を行う等、目標達成度の確認も期待いたします。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

職員の教育計画に関しては、個人別研修計画を策定しています。Zoomによるオンライン研修については、出席可能な職員に受講を促しています。受講については、職員間で偏りが出ないよう平準化を心掛けています。モンテッソーリの講師の講義は全員が受ける方向で調整し、研修の画像も借り受け、受講できなかった職員へのフォローも行っています。保育所が目指す保育を実施するために、基本方針や計画の中に「期待する職員像」を明示することをはじめ、園が定めた目標とその目標達成に向けた事業計画と職員の研修計画が整合していることが期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

前述のとおり、園では個人別研修計画を策定し、個別の職員の知識、技術水準や受講実績等を把握しています。計画に基づき外部研修への参加を促す等、一人ひとりが平等に教育・研修を受けられるよう配慮しています。新任職員へは個別にOJTを実施しています。さらに、階層別研修、職種別研修、テーマ別研修等の機会を確保し、職員の職務や必要とする知識・技術水準に応じた教育・研修の実施を期待します。また、研修成果の評価・分析を行い、職員間での学び合いと共に、次の研修計画に反映すると尚良いでしょう。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生の受入れ担当は主任であり、主任は受入れの為の指導者研修を受けています。実習生受入れマニュアルを完備し、それに基づき研修・育成を行っています。実習の内容については、学生の所属する学校の依頼内容に沿って、個別に対応しています。コロナ禍以前は保育や教育系の短期大学、専門学校やYMCAスクール等からの実習生を受入れていました。園の近所に住んでいる学生が来たこともあります。但し、アフターコロナ以降は受入れを行っておらず、取組再開に向けて準備を進めています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

情報の公開については、経営主体が社会福祉法人である為、法人のホームページに財務諸表や現況報告書等を公開しています。第三者評価結果はかながわ福祉サービス第三者評価推進機構やWAMNETのホームページを通じて公表し、誰でも閲覧可能となっています。園の保育理念や運営方針は重要事項説明書に明記しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

保育所運営における経理・取引については、一定金額以上は入札を行い、反社会的勢力とは一切の取引を行わないよう定めています。法人は保育所の他、高齢者施設を多数展開しており、傘下の各施設に対し法人による内部監査を行っています。経理業務については、会計事務所の支援を受けており、会計士に相談できる体制が確立していると同時に、社会保険労務士や弁護士からも必要に応じてアドバイスを受けることができます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

地域との関係については、まず、園が特別養護老人ホームとの合築であることが挙げられます。地域の高齢者の方々が入所している高齢者施設との密接な交流が、地域との関わりの最たるものになっています。また町内会にも加入し、園の七夕祭りの際に町内会役員の庭の笹をいただく等、良好な関係を維持しています。地域のお祭り等にも参加する等、様々な形で地域との交流が図られています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアの受入れについては、現在は中断しており、受入れ再開を検討中です。合築の特別養護老人ホームフェニックスとは、ハロウィーン等のイベントを共同で開催し、入居している高齢者に喜んでいただくと共に、両施設の中間に設置されているホールでは共同イベントを開催しています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の社会資源(各種病院・交番・消防署・地域療育センター・児童相談所等)のリストを完備し、必要時にはスムーズに連絡が取れる体制になっています。また、幼保小連携の活動に参加したり、養育が難しい保護者のケース等、関係機関と連携を取りながら適切に対応しています。被虐待児に対する要保護児童対策地域協議会への参画や児童相談所等との連携も十分図っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

園の苦情解決制度における第三者委員は医師、弁護士であり、同じ人物が、合築の特養施設の第三者委員も兼任し、権利について園で話をしていただく機会も設けています。地域の福祉ニーズに関しては、布製ボール、折り紙等を地域の方からいただいたり、園児が制作した折り紙作品等を特別養護老人ホームの入居者へプレゼントする等、交流を図っています。今後、園が有する機能を地域へ還元したり、地域住民に対する相談事業等、主体的に地域の福祉ニーズ等を把握する取組に期待いたします。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の福祉ニーズに基づく公益的な事業としては、年2回、町内会・特養・保育園合同の防災訓練を実施しています。保育園の周辺は海抜が低く高潮等の災害のおそれがある為、2歳児の卒園児を受け入れている近隣の小規模保育園も一緒に、合築の特養(鉄筋5階建)への垂直避難訓練を行っています。また、保育所の役割や取組を日頃から地域へ知らせるための情報提供等の取組をしていくと尚良いでしょう。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもを尊重した保育に関しては、現在、系列8園共通の倫理規定を策定中であり、その倫理規定に沿った保育を実践するよう検討中です。基本的人権の尊重についても勉強会を実施し、保育現場での実践状況について把握・評価に取組んでいます。特に性差や文化の違い、出自や国籍等の様々な違いについて互いを尊重する心を持ち、固定的な対応をしないよう、職員は日々の保育に当たっています。子どもを尊重した保育についての基本姿勢を明示し、組織内で共通理解を図るよう取組に期待いたします。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシーに関わることについては、慎重に配慮しています。重要事項説明書にも、「個人情報保護法、法人が定める個人情報保護を遵守いたします。」と明記しています。小学校入学の際に保育所児童保育要録を提出することで学校側に情報を開示する以外は、個人情報に関する書類は鍵のかかる書庫に厳重に保管しています。保育の場では着替えの際には屏風を使用し、プールには屋根を取り付け、ラップタオルを着用する等、プライバシー保護に配慮しています。また、「禁止事項」として「当園の園児等が特定できるような写真や動画を許可なくSNSなどに掲載することは禁止します。」と明記しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

保育園への入園希望者に対する保育所選択に必要な情報の提供については、川崎区作成の保育所案内や自園のホームぺージで概略を把握してもらっています。さらに情報が必要な場合は個別に資料を送付したり、実際に来園して見学してもらう等、丁寧な対応を心掛けています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

保育の開始・変更に関して、新入園児については2月に行う入園保護者説明会で周知し、在園児の保護者へはクラス懇談会等で適宜説明するようにしています。コロナ禍の際は希望者のみ動画等を活用して説明する工夫を行っています。さらに、保育の開始時だけではなく、重要事項を記した文書の内容に関する変更や保護者等の就労状況による保育時間の変更、延長保育の利用等にあたっても事前の説明が必要です。また、進級時(年度替わり)や子どもの発達や生活の節目に配慮して設定した期間ごとの保育内容、一人ひとりの子どもの状況に応じた個別的な対応の変更等についても、説明することが求められます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育所等の変更後の継続的な対応については、変更先で情報を希望する場合は保護者の許可を得て情報の伝達を行う可能性もあります。途中で転園した場合の相談等は、原則、園長の許可を得て行います。卒園等で保育所の利用が終了した後の相談等については園長の責任で行うことはありますが、相談方法や担当者等の案内文書は特に作成していませんので、書面等で伝えると尚良いでしょう。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者満足については、子どもについては日々の保育の中で保育士が把握するよう努めています。園では常に子どもの気持ちに寄り添った保育を行っています。例えば、遠足に行った時の思い出を絵に描くような場合でも、描きたくないという子どもに強制することはしていません。保護者については、アンケートを実施し、意見を聞き、満足度の把握に努めています。保護者会はありませんが、園主催の保護者懇談会等で満足度を確認しています。把握した利用者満足については園で検討し、課題が出た場合は具体的な改善を行うよう努めています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決については重要事項説明書に記載の通り、園だけでなく、法人本部も相談窓口となり担当者名も明記しています。その他、第三者委員の設置、苦情解決の仕組み・チャート図の掲示、意見箱の設置等、保護者に分かりやすく周知しています。苦情を受けた場合は経緯を記録・保管し、解決策等はフィードバックし、公表も行っています。苦情は、貴重な意見と捉え、改善を通じて保育の質の向上に役立てるよう取組んでいます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

園への意見・相談については、担任に限らず誰にしてもよいことを保護者に伝え、文書も作成しています。園内には相談室も用意されており、周囲を気にせず安心して相談や意見を述べられるような環境を整備しています。面談については、保護者の都合に合わせ、適宜実施しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

保護者からの意見については、全職員で共有し、事実関係を確認し報告・連絡・相談を綿密に行いながら園全体で解決するよう体制を構築しています。園長は、登降園の時間帯にはなるべく出て、保護者と一緒に話す機会を作るよう努めています。登降園時は、時間的に集中することが多く、「担任に会えなかった」「子どもの園での様子を知りたかった」といった保護者の不満がないよう、園長が隙間を埋めることで未然に防ぐよう努めています。今回実施したアンケートでは、「園長先生はじめ全ての先生が子どもの名前を覚えてくれている」「玄関のところに先生たちがいて何かあった時に話しやすい」「担任以外の先生も積極的に話しかけてくれる」と言った意見がありました。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

リスクマネジメントの責任者は園長ですが、環境委員を置いてヒヤリハットや事故報告の確認をし、園内で危険な箇所を発見した場合は、信頼できる修繕業者に依頼して速やかに修繕を行っています。園舎面積607.25㎡・園庭は347.45㎡と広大ですが、常に清潔を保つよう心掛けています。清掃は、週4日専門業者に依頼し、週1日は職員が担当しています。今後、事故発生時の事例を基に職員参画の下、発生要因を分析し、改善策・再発防止策を検討・実施する等の取組に期待すると共に、事故防止策等の安全確保策の実施状況や実効性について、定期的に評価・見直しが望まれます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症予防に関しては従来からしっかり対応していましたが、コロナ禍を経て、管理体制が一層強化されています。看護師も在籍している為、看護師を中心として管理体制を整備し、マニュアルを完備し、様々な感染症への発生時の対応方法や予防対策も取れるようになりました。コロナ禍の時期には、園全体で対応について統一を図り、感染症予防等に対する勉強会も毎年実施し、園全体で安全対策に力を入れています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

災害時の対応については、地域町内会との関係も良好で共同での避難訓練も行っており、合築の特養との協力体制も確立できています。地理的に多摩川河口が近く海抜も低い為、川の氾濫・東京湾の高潮等が予想される災害として挙げられます。従って、災害時には建物内の垂直移動が重要であり、備蓄品も2階の大収納庫に保管しています。非常食については、園児は順次帰宅することを加味し定員数等に捉われず、食べやすい物、すぐ食べられる物等を選んでいます。水タンクも設置しており、十分な量を確保できています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

保育についての標準的な実施方法として業務マニュアルを整備し、職員に統一・徹底を図っています。園内の実施方法が統一され、どの職員も同じ対応ができるよう取組んでいます。新入職員に対しても研修を行い、日々の保育の中で標準的な実施方法が身に付けられるよう指導しています。子ども一人ひとりの発達や状況等を踏まえた標準化を図り、職員の違い等による保育の水準や内容の差異を極力なくし、一定の水準、内容を常に実現することを目指し、業務マニュアルに沿い、一定の水準・内容を保ち、個々の子どもの個別性に着目した対応をさらに行っていかれることを期待します。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

標準的な実施方法(業務マニュアル)については、年度末に必ず確認し、必要があれば改訂しています。今のところ特に大きな変更はありませんが、必ずチェックは行っています。標準的な実施方法は定期的に現状を検証し、必要な見直しを組織的な仕組みで定め、仕組みの下、見直しを実施していかれることを期待します。また、職員や保護者からの意見や提案等に基づき、指導計画の状況を踏まえて行うと尚良いでしょう。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

年間指導計画・月間指導計画は必要に応じて、看護師等の他職種を交えた形でアセスメントを行い、策定しています。指導計画は、全体的な計画を年次・月次・年齢別にそれぞれ展開し策定しています。策定に当たっては、利用者である保護者・子どもの希望も組み入れるよう配慮しています。計画の振り返りは日・週・月・期ごとの単位でそれぞれ実施しています。支援困難ケースについても検討の上、保育を提供しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画の見直しについては、前項の通り日・週・月・期の単位で定期的に行い、できるだけ職員、保護者・子どもの希望に沿えるよう配慮しています。指導計画の見直し・変更があった場合は、全ての関係者に周知するようにしています。各期末日に結果を評価し、以降に反映させています。緊急に修正が必要になった場合は、職員会議に諮り決定しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達状況等は健康台帳に記録しています。指導計画に沿った保育が実施されているかどうかは、日誌や月報等で確認できる体制となっています。記入方法については、記録要領を作成し職員に指導を行い、記入者による差異が生じないよう努めています。必要な情報については、職員会議を通じて共有しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

子どもに関する記録の保管・廃棄等については規定通り実施しています。個人情報の漏洩がないよう、文書は鍵のかかる書庫・ロッカーに保管し職員に周知しています。書庫・ロッカーの鍵は管理者である園長が厳重に管理しています。これらの保管状況(個人情報の取扱い)について、保護者にも周知しています。廃棄の日時も明確になっています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画については児童憲章や関連法令に則り園の保育理念等に基づいて、子どもの発達状況、地域の特性等を加味し、保育に関わる職員が参画して作成しています。定期的に反省・評価を行い、次の作成に生かしています。現在、系列8園で基本部分を共有する全体的な計画の作成に取組んでいます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

境町パイナップル保育園の園舎は室内の温湿度・換気・採光・音等に十分配慮された環境であり、生活に相応しい場となっています。子どもたちが寛げるスペースや食事・睡眠等を取るスペース、トイレ等、どこも明るく清潔に整備されています。また、保育室内、廊下、園庭は伸び伸びと広く充実しており、高齢者施設と合築された建物の中にある為、防犯性にも優れています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

子ども一人ひとりの発達を尊重し、個人差に配慮し、子どもが安心して自分の気持ちを表現できる体制があります。園舎一階は南側に乳児の保育室、北側に広い廊下があり、玄関脇には合築の特養と一緒に使用できる広いホールを有しています。二階には幼児の保育室の他、広い遊戯室がある等、子どもたちは保育室以外でも様々な遊びを楽しむことができます。日々の保育は基本的に子ども一人ひとりを受容する体制で進めています。子どもに対しては、分かりやすい言葉を選び、急かさず穏やかに、無理に制止することのないよう、常に子どもの気持ちに寄り添って対応しています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本的な生活習慣を身に付ける環境について、例えば、排泄では、個々の子どものタイミングや体力を考慮した上で、自分でやろう・やりたいという気持ちが芽生えるのを待ち適切なタイミングを見計らって実施しています。無理にやらせるのではなく、やる気の芽生え・必要性が理解できるようになるのを待って子ども中心で働きかけを行っています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

子どもが主体的に活動する例として、園で取組んでいるモンテッソーリ教育が挙げられます。モンテッソーリのエクササイズは指導者が来園し、担任が付く形で4歳以上児が週2回行っています。各年齢の定員18名を9名ずつの2グループに分けて1回90分程行います。エクササイズ中は指導を受け、子どもたちは芋虫つくりや単語並べ・パズル等、各々自分の好きなモンテッソーリの時間を過ごしています。通常の保育においても、何かを強要することなく、子どもたちの興味・関心に任せ、子どもから質問があった時のみ教え援助するようにしています。体操や子ども同士の共同作業、社会的ルールの習得等、子どもたちが様々な体験をできるよう取組んでいます。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

大規模園で園児数が多い為、0歳児はなるべく単独で過ごす時間を多く取るようにし、安心して担当保育士と過ごせるよう配慮しています。未熟な乳児の健康と安全を確保し、応答的に関わる保育士等との関わりによって生理的な欲求の充足や情緒の安定を図りながら愛着関係を形成しています。また、探索活動や遊びにより主体的に生きていく基盤を培っています。送迎時は保護者と密に連携を図り、子どもの様子等を伝えています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳未満児の保育は愛着関係を大切にし、コミュニケーションが取れている保育士を中心に子どもが自分の居場所と認識できるよう様々に配慮しています。年度初めは担任やクラスの変更があり、子どもが慣れるまで、特に信頼関係を育むよう保育に当たっています。また、小集団での保育となるよう、時間差で色々な遊びをする取組をしています。特に支援の必要な子どもについては少人数の方が落ち着いて過ごせる為、子どもの特性に合わせた柔軟な保育を心掛けています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

集団の中で、3歳児は安定しながら遊びを中心とした活動に取組めるよう環境と整え、4歳児は集団の中で自分の力を発揮しながら友だちと楽しむ、5歳児は個々の個性を生かしながら友だちと協力できることを目指して、保育士等が適切に関わっています。年齢に応じた遊びを通して集団生活に馴染めるよう指導しています。3歳から就学前までの保育については、各年齢の発達的特徴を踏まえ、一人ひとりの子どもの育ちに合わせて基本的な生活習慣の定着が図られるよう支援すると共に、友だちや他の人々との関わりが深まるよう、また、ものごとへの関心・興味が高まるよう配慮しています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

建物、設備については、バリアフリーであり障害に応じた環境整備に配慮されています。障害のある子どもについては、個別の指導計画を作成し、画一的な取組ではなく、仲良しの子どもと一緒に過ごせるようにする等、その子に合った方法を探りながら、個別に支援するようにしています。職員は月2回程、心理士の話を聞く機会を設け、コミュニケーションを取るのが苦手な子どもと心の通わせる工夫等、必要な知識や情報の習得に努めています。また、地域療育センターの巡回相談も受け保育に生かしています。該当児の保護者へは密に連携を図り、情報を共有し共通認識を持つよう努めています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

長時間の保育園生活に配慮し、一日の中で動の時間と静の時間を意識して持つよう努めています。静の時間ではゆったりと落ち着いて過ごすことができる環境作りに配慮しています。また、合同保育時の異年齢で過ごす時間についても、体力差や遊び方の違いにも気を付け、職員間の引継ぎの際には今までの過ごし方についても伝え、継続的に配慮できるようにしています。体調等の健康面については観察記録を付け、気になる点は記載して、職員間で共有しています。延長保育については午後6時30分を超えると人数が少ないですが、補食としておにぎりやうどん等、軽食を提供しています。午後7時を過ぎる場合は、しっかりとした食事を提供しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

小学校との連携については、コロナ禍の際は控えていた年長児の小学校見学等、徐々に再開しています。また、就学先の小学校の教員に来園してもらい、入学予定の子どもについて話をする機会を設けています。年長児の担任は、保育所児童保育要録を作成し、就学先の小学校に提供しています。保護者に対しては、就学への不安の軽減や、見通しが持てるようにしています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

看護師は、子どもの保健に関してクラス担任と相談の上、保健計画を策定し子ども一人ひとりが発育・発達に適した生活が送れるよう援助しています。子どもの健康管理については、看護師が確認しています。また、保育中の子どもの体調悪化やケガ等についても看護師が保護者に説明を行い、事後の確認をしています。保護者から、家庭での生活状況、既往症や予防接種歴等の情報は個別に記録しています。SIDS(乳幼児突然死症候群)については、0歳児は5分ごと、1歳児は10分ごとにブレスチェックを行っており、保護者へも危険性の周知をしています。現在、SIDSに関するブレスチェックの記録をコドモン(保育所業務支援アプリ)で確認できるようにする等、展開を検討中です。今後、情報共有について期待されます。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断・歯科健診はそれぞれ年2回実施しています。健診の結果については健康台帳に記入し、コドモンで各保護者に通知し、再診が必要とされたケースについては、個別に通院を促しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

アレルギーについては、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」に沿い、子どもの状況に応じて適切な対応を行っています。アレルギーを持つ子どもについては、教育委員会へ6か月ごとに改善の様子等を報告し、除去食の提供等、変更点を確認・実施しています。職員に対してはアレルギーに関する研修を行い、アレルギーに関しての知識や技術の習得を促しています。子どもたちにはアレルギー疾患について、分かりやすく知らせています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

子どもたちが食事を楽しみ、食に関心を持って豊かな体験ができるよう、環境づくり及び様々な取組を行っています。個々の発達や食欲に応じた食事量にして、子どもたちが無理せず、落ち着いて食事ができるよう配慮しています。「残さず全部食べた」という達成感により、食に対する前向きな気持ちを育むことを大切にしつつ、子どもたちの食事の量や食べ方等について、極端に褒めるようなことはせず、残してしまった場合でも言い方を考慮するようにしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

子どもの嗜好、喫食状況等を把握し、献立や調理方法等を工夫し、子どもにとっておいしい食事となるよう改善に努めています。旬の物や季節感のある食材を使ったり、行事食を提供する等、季節感のある献立となるよう工夫しています。また、様々な食文化等に関心を持つことができるよう、食事内容や行事等の内容に配慮しています。当園の給食は美味しいと子ども、保護者から好評です。今回の利用者家族アンケートでも、給食の献立内容や子どもが給食を楽しんでいるかとの設問に対して「満足」「概ね満足」という回答がほぼ100%となっています(無回答1件あり)。子どもの発育状況に応じた献立作りで、残食状況から好き嫌いも把握しながら、衛生的な環境の中で準備し、提供しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

家庭との連携については連絡帳やコドモンを使って情報提供し、様々な形で保護者と子どもの成長を共有できるよう努め、家庭の状況についても必要に応じ記録しています。連絡帳は現在手書きで記入していますが、来年度からはコドモンを活用する予定です。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者とは日々、コミュニケーションを取り、保護者からの相談にも積極的に応じています。保育所としての特性を十分生かした保育を行い、保護者からの相談は適切に記録し、対応する保育士は適切に助言が受けられる体制になっています。子育てに悩んでいたり、苦手意識を持つ保護者に対してはこまめにコミュニケーションを取るよう努めています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

虐待等権利侵害の兆候については、見逃さないよう状況の把握に努めています。兆候に気付いた際は園全体で速やかに共有し、保護者を見守り、援助し、必要に応じ中央児童相談所に連絡して連携会議等で協議しています。地域については自治会長に協力を仰ぐこともあります。園で虐待等権利侵害に関するマニュアルがあり、職員は虐待等が起きていないか常に注意し、子どもに被害が及ばないよう対応するスキルが身に付くよう指導しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

保育士等の自己評価については、独自の評価シートがあり、職員はそのシートを活用して期初に個人別目標を設定し、中間時期に園長と面談を行う中で進捗状況を双方で確認し、期末に一年間の成果・評価・反省・課題の抽出を行い、次年度の目標設定につなげています。保育士等の保育実践の振り返り(自己評価)は、保育士等が個別に行うだけではなく、職員相互の話し合い等を通じて行い、一人では気づけなかった保育の良さや課題の確認につなげると尚良いでしょう。こうした学び合いや協働の基盤を作ることも大切です。また、保育士等が行う保育実践の振り返り(自己評価)を保育所全体の自己評価につなげ、組織的・継続的に保育の質の向上に向けた取組を行っていかれることを期待します。