社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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第1松風園

2024年03月05日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 公益社団法人神奈川県介護福祉士会

② 施設・事業所情報
名称 児童発達支援センター第1松風園 評価対象サービス 2022~ 障害者・児福祉サービス版
対象分野 児童発達支援センター 定員 30(40) 名
所在地 242-0005
大和市西鶴間2-24-1
TEL 046-274-2426 ホームページ http://www.oak.or.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1977年05月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人大和しらかし会
職員数
常勤職員:19 名
非常勤職員:20 名
専門職員
児童指導員:4 名
保育士:21 名
看護師:3 名
栄養士:1 名
臨床心理士:1 名
理学療法士:1 名
作業療法士:1 名
嘱託医:7 名
施設・設備の概要
活動室:7
医務室:
調理室:
トイレ:

③ 理念・基本方針
<基本理念>
障害を有していてもそれぞれの人権は尊重されなければなりません。さらに、人として社会の中で自立した生活を送るため、また地域の成員として、また、共に生きるものとして障害を有するもの自身やその家族、地域、行政それぞれが相互にその役割と責任を理解し協力し合い、心を合わせて支援する体制が必要です。当園が長期にわたり大和市における療育の拠点として支援に当たってきた足跡と使命を継承し、新たなサービスの提供主体として、大和しらかし会を設立し、地域社会の中で暮らし、家族とともに歩み、自らが望む生活を営むことができることを願い、障害を有するもの自身とその家族、地域、行政との協働の拠点となることを基本理念として掲げます。
<基本方針>
①家族との相互協力により心身ともに健やかに育成されるよう支援します。
②一人一人に内在する特性の理解を深め、個々の持つ能力を引き出すよう支援します。
③基本的生活習慣の自立、集団生活における社会性、環境適応性を持てるよう支援します。
また、これらの方針を促進するために
(1) 交流の場、療育の場、活力の場として充実した在宅支援サービスの提供を行います。
(2) 多様なサービスを総合的に捉え、利用者が望むサービスに対して創意工夫した提供体制を整えます。
を基本目標とします。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
○3歳から6歳までの知的・身体障害児40名が通園している。言葉が話せる子どもは5名程度であり、その他の子どもは絵カードや具体物、写真などを使い、自分の意思を表出してもらうよう支援している。子どもがなぜ泣いているのか、好きな物が欲しくて泣いているのか、初めての物が怖くて泣いているのかなど、子どもの泣き方をよく見て支援している。何を要求しているのかをクレーン行動(他人の手を取って物を指したり、取らせたりしようとする行為)で示せるように支援し、次の段階では自分で指をさして要求できるよう、段階を追って自分で考えていることを何らかの方法で表出できるよう支援している。
○法人の理念にあるように、家族への支援も重要と捉え、家族と園が一緒に子育てをしている。年3回、個別支援計画立案の前のアンケート調査、その後の個人面談などで、子どもの状況やニーズなどを話し合い、家族とともに今後の目標を決めている。家族の相談は随時対応し、家庭での困りごとに対しては「おうち支援」(家庭訪問)を実施して、職員が家庭で課題になっている場面(入浴の場面など)の助言を行っている。保護者の勉強会として、心理士による自閉症療育講座、地域生活支援公開講座などを行っている。クラス懇談会、おしゃべり相談会(ご家族同士で子育てに関する課題を出し合い、いっしょに考える機会)、教材作り、先輩パパの話を聞く会なども行っている。またきょうだい児支援として、あそぼう会、映画鑑賞会、松フェスなど、きょうだい児にも障害を理解してもらう場を提供している。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/06/26(契約日) ~2024/02/09(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 5 回(2020年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ◇事業所の特色や努力、工夫していること、事業所が課題と考えていること等
○児童発達支援センター第1松風園は、大和市障害福祉センター松風園の1階にあり、市の指定管理者として地域における中核的な支援機関の役割を担い、障害のある子どもや発達に課題のある子ども、医療的ケアが必要な子どもの支援を行っている。
○心身の状況や生活習慣の中で、子どもの望む生活を理解し、一人ひとりが自律、自立できるよう個別支援計画を作成して支援している。入園時に紙パンツを使用している子どもには、トイレでの排泄に向け、長時間かけて、スモールステップ(目標を細かく分け、簡単な内容から少しずつ達成していくこと)の段階を踏んで支援している。何かを行うときは構造化や絵カードなどを使用した手順書を用い、子どもが自分でできるよう支援している。
○子どもたち一人ひとりの意思の表出はどの程度か、理解はどの程度か、対人関係はどうかなど現状を細かく評価し、個別支援計画に落とし込み、それぞれの目標に沿ってコミュニケーションを取っている。視線や表情、動作、クレーン動作を見逃さず、具体物やコミュニケーションカード、ジェスチャー、ビックマック(音声出力会話補助装置、押すとハーイという音声が出る)、声掛けなど、子どもの状況に合わせてコミュニケーションを取っている。
○さまざまなツールを使って子どもとのコミュニケーションを図り、子どもたちが自分でやりたいこと、欲しいものを自分で表出できるよう、意思決定を支援している。新入園の子どもは週1回、それ以外の子どもは月1~2回、「親子通園日」を設け、家庭での生活や食事、排泄などの方法、園での方法などを保護者と職員が共有し、子どもにとってより良い方法を考えている。
○個別支援計画は4~5月、6~9月、10~3月の3期に分けて作成や見直しを行っている。子どもの状況に合わせ、職員と一対一の時間を定期的に設け、手順書に沿って服を着る、おもちゃで遊び使い方を理解するなど、一緒に取り組む学習を行っている。一対一での学習ができるようになると、2~3人のグループでの取り組みを行い、風船や楽器、身体を使う遊びをしながら、「待つ」ことができるようになるなど、個々の個別支援計画に沿って取り組んでいる。自由遊びの時間は、レゴで遊んだり、プットイン(物をどこかの中に入れること)をしたり、一人で遊べない子どもは職員と一緒に遊んでいる。
○子どもたちには、大声や他害、自傷、不安定、パニックなどの不適応行動がある。一人ひとりの行動を把握し、どのような行動があるのか、その子どもが困っているときはどんなときか、どの時間帯に起きるのか、心の中では何が起こっているのか、どうなってほしいかなどを、ケース会議で共有している。子どもの表面の行動だけを見るのではなく、心の中の本人が困っていることに目を向けて支援している。パニックになってしまった時には、クールダウンできるスペースで心を落ち着かせ、通常の生活に戻れるよう支援している。
○機能訓練や生活訓練は、理学療法士や作業療法士と連携を取りながら支援している。理学療法士により、歩行や横転による寝返り、身体を大きく動かすなどの練習を行っている。また、作業療法士により、クレヨンやスプーンの持ち方、道具の使い方などの練習を行っている。座位保持が困難な子どもは保護者と相談の上、姿勢保持のため座位保持椅子を特注して使用している。
○看護師が常駐し、子どもたちの体温や体調(元気、吐き気、咳、鼻水、下痢、腹痛など)の視診、聴診を行い、保護者が記入し、毎朝提出している「健康チェック表」の確認も行っている。体調の変化時には、電話や連絡帳により家族に状態を伝えている。てんかんがある子どもや、胃ろう、経管栄養、気管切開の子どもなどの受診の際は、必要に応じて家族に同行し、医師の説明や「看護処置指示書」を受けて支援を行っている。
○重度の障害児への支援について、職員の意識は高く、悩みもあるが学ぶことが多い。悩みを一人でため込むことなく、職員全員で考えて課題を解決している。職員間のチームワークは良好で、子どもたちも安心して職員に身を委ねている。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
自己評価結果表を作成するにあたり、「事業所で取り組んでいることを沢山アピールしてください」と言われ、日頃行っている支援を振り返りました。第三者評価を受け、実際取り組んでいることに対してa評価をいただき大変嬉しく思っています。b評価については課題を明確にし、職員一同よりよい支援提供に向けて取り組んでいきたいと思います。今回、第三者評価にて事業所の取り組みについてアピールした職員は皆、初めての経験でした。私達の話を温かく聞いていただき、とても励みになりました。これからも事業所の持つ強みを生かして頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

基本理念や基本方針は、ホームページに掲載する他、事業所の玄関正面に掲示し、周知を図っている。また、事業計画書にも記載し、全体職員会議の場で、改めて職員に説明している。家族には、利用開始にあたって、重要事項説明書や通園のしおりにより、理念や基本方針に沿って、具体的にどのようにサービスを提供していくかを説明している。年度初めの2日目に、通園のしおりの説明会を開催して、継続して利用する家族にも説明している。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

市内の児童発達支援事業所連絡会や、関係機関の連絡会に園長が参加し、社会福祉事業全体の動向を把握するよう努めている。また、月1回、法人内の事業所の管理者が参加する運営会議の場で、各事業所の状況や経営状況を把握している。利用率の低下などを話し合うこともある。具体的な対応を行うため、部門会議を開催し、児童部門においては、年長児童の就学後の放課後等デイサービスの利用などを話し合っている。運営会議の内容は、職員会議で職員に周知している。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

月1回開催する運営会議で、各事業所の課題や問題点を抽出し、現状分析を行っている。内容は、理事会や職員会議で周知している。月1回、法人全体の安全衛生委員会を開催して、施設設備の改善を行っている。また、人材の育成に関しては、2ケ月に1回、法人全体の人財育成コアチームで、「人財育成実施要綱」(マニュアル)作りなどを行っている。職員には「人財育成コアチーム通信」で内容を報告している。常勤及び非常勤職員との定期面談では、面談事前シートを用い、改善点を確認している。また、ブレインストーミング(アイデアを自由に出し合う発想法)などにより、職員から多くの意見を聞くことができるよう工夫している。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

指定管理者制度の下での事業運営であるため、時宜によっては数年の範囲での目標になりがちではあるが、毎年度の事業計画に、短期目標と長期目標を定めている。児童発達支援センターの中核的な機能のあり方について、地域における役割や責任を果たすことを目的としたビジョンとしている。長期目標に目指すべき姿を、短期目標に3年後のビジョンを示し、事業計画に具体策をあげている。短期目標や長期目標は、運営会議で内容を検討している。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

短期及び長期目標を踏まえ、実行可能な単年度の事業計画を策定している。事業計画は、単なる行事計画ではなく、実施状況の評価を行える内容としている。また、運営会議で事業計画書とは別に、予算における数値目標を掲げ、成果が確認できるようにして、どこの部門にどういう課題があるかを確認している。法人全体で問題点に取り組むことで、風通しの良い職場作りを目指している。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

12月から1月にかけて、職員会議で職員がチームに分かれ、ブレーンストーミング(アイデアを生み出す「集団発想法」の手法)を行い、職員の意見を集約して、事業計画に反映している。2月に園長が重点的な取り組みを立てて事業計画をまとめ、3月の理事会に諮っている。事業計画の内容は、3月末の全体職員会議で職員に説明している。利用率などの数値目標は、運営会議で進捗状況を確認して、半年ごとに職員会議で報告している。事業内容に課題が生じた時は、運営会議で内容を検討し、職員会議での検討を加えて対応している。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

4月の初め、通園のしおりの説明会にて、年間予定表を用いて、家族に説明している。月1回、家族会を開催する他、園だより「第1松風園だより」を発行して、子どもたちの活動の様子を家族に伝えている。「第1松風園だより」は、ホームページでも閲覧できるようにしている。事業計画は事業所の玄関にも置き、家族がいつでも閲覧できるようにしている。月1回の家族会の資料は、外国籍の家族もいることから、英語、スペイン語、中国語のものも用意している。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

子どもたちの個別支援計画は、年3回、4~5月、6~9月、10~3月に作成している。計画の作成に合わせて、家族との個人面談も年3回行い、個別支援計画の同意を得ている。家族からは家庭での基本的な生活習慣などを聴き取り、計画に反映している。計画の作成にあたっては、児童発達支援管理責任者の他、保育士や児童指導員、専門職、嘱託医、看護師などによる観察、分析、評価を行い、カンファレンスを通して、一人ひとりの障害特性に応じた計画となるよう努めている。年1回、職員による「自己評価」と家族による「事業所評価」をもとに、園全体の「自己評価」に取り組み、評価結果はホームページにも掲載している。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

園全体の「自己評価」は、家族の「事業所評価」の内容も組み込み、サービス提供側との齟齬を確認して、改善に向けた取り組みにつなげている。個別支援計画の作成においても、検討会議を開催する他、家族からの意見を踏まえて課題を抽出し、職員間で内容を共有して改善を図っている。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

管理規程を整備して、管理者の役割と責任を明確にしている。各事業所に、「事務分担表」を含め、閲覧用規程集を置き、職員がいつでも内容を確認できるよう配慮している。管理者としての責務などは、統括園長と園長が職員会議や法人全体職員会議に出席して表明している。また、有事を想定して、「危機管理対応マニュアル」や「リスクマネジメントマニュアル」、「防災マニュアル」を整え、管理者の役割と責任を示している。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

統括園長や園長が、遵守すべき法令を理解するため、BCPや虐待、身体拘束などの研修会に積極的に参加している。また、県の知的障害福祉協会の総務委員や人権委員を法人内の園長が担い、速やかに情報を入手して対応する体制を整えている。「法令遵守規程」も整備している。法令などの遵守で課題が明確になった時は、諸規程の改廃を行い、理事会で報告するとともに、職員会議で内容を職員に周知している。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

統括園長や園長が運営会議に参加して、提供するサービスの質の向上について検討している。改善に伴う具体的な取り組みについては、職員会議やクラスリーダー会議に諮り、検討している。職員には意向調査を実施し、朝夕の打合せや職員会議で状況を共有して、職員の意見を反映する仕組みを設けている。第2松風園と合同の安全衛生委員会や、各事業所の虐待防止委員会や身体拘束適正化委員会を、月1回、定期的に開催して、質の向上に取り組んでいる。職員の教育や研修参加の充実を図り、自己研修の意欲を高めるために、自主研修補助の制度を設けている。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

統括園長や園長が運営会議に参加して、経営状況などを分析して、必要に応じて部会を設置し、人事や労務、財務について分析、検討を行っている。職場環境の整備については、安全衛生委員会に提起して、改善に向けた取り組みを行っている。必要な会議や委員会を開き、統括園長や園長も参加して、職員の意識の統一を図っている。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

職員の採用担当を統括事務長とし、統括園長と園長・統括事務長が面接を行っている。福祉人材の確保・計画は、市に提出する「指定管理企画書」に、「職員採用の考え方」や「求める人材」、「人材育成の考え方」を明記して、計画に基づいた人材の雇用や育成に取り組んでいる。採用にあたっては、ホームページや求人広告、ハローワークなどを活用している。現在、基準の人数は満たしているが、職員の産休や病欠、中途退職者があると、人材確保に多くの労力がさかれる現実がある。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

採用職員基準や人事考課において、期待する職員像を示している。また、「人事考課の手引き」により、昇格や昇給の基準を定めている。運営委員会で、職員の処遇水準の検討を行い、職員に意向調査を実施して、改善や見直しを行っている。職員自ら将来の姿の見える化に取り組み、令和2年度から職員の常勤化や勤務時間の短縮を実行している。職員の常勤化は、同一労働同一賃金を目指して3段階で取り組み、嘱託職員の多くが常勤職員に替わっている。また、勤務時間をこれまでの8時間から7.45時間に短縮するなど、働き方改革を進めている。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

園長との定期的な個別面談を行う他、必要に応じて、随時面談する体制を整え、職員の就業に関する意見や意向の把握、確認に努めている。希望者は統括園長や統括事務長と個別面談ができる仕組みも作っている。また、10月に職員の「ストレスチェック」を行い、看護師を中心に職員のメンタル面のチェックを行い、状況に応じて専門機関につなげている。事業計画の策定や人員配置など、職員の意向や意見を反映し、誕生日休暇の創設や永続勤務者に対する休暇の付与、空気清浄機の設置、送迎者の増車の取り組みなどの提案を具体的に反映している。送迎車の増車は、基本マイクロバスを2台運行しているが、医療的ケアが必要な子ども1名の送迎のために専用の送迎車を1台増車している。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

採用職員基準や人事考課において、期待する職員像を示している。園長と職員1名を研修担当とし、外部研修の参加や内部研修を企画している。外部研修は、階層別または職員の経験やスキルに合わせ、参加者を決めている。研修後は研修報告を提出している。研修報告書はファイルし、職員がいつでも内容を確認できるように事務所に置いている。内容によって、研修報告会を行っている。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

内部研修は、研修担当の園長及び職員や、法人が企画している。内部研修では、法人による虐待防止研修会(人権研修)を年2回開催している。また、自主研修補助制度を設け、職員が参加を希望する研修会の参加費などを補助する仕組みや、株式会社Lean on Meと契約し、special Learningで動画視聴できるようにし、職員が参加したい研修を選び、学ぶことができる仕組みを設けている。外部研修の内容は、研修報告会にて、職員全体が周知するよう取り組んでいる。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員が年1回は外部研修に参加できるようにしている。資格一覧表を作成し、意向調査における面談などを通して、職員の研修参加の希望を聞いている。新人職員は、臨床心理士による勉強会に参加して学びを深めている。階層別、職種別研修は、神奈川県社会福祉協議会が主催する研修会など、外部団体が開催する研修会に積極的に参加している。本年度より、株式会社Lean on Meと契約し、special Learningで動画視聴を用い、障害のある方を支援するうえで必要となる知識を学ぶことができるインターネット動画を活用している。新人職員対するOJTは、日々行っている。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生指導担当職員を置き、実習生の受け入れを行っている。指導要領に基づき、学校との日程調整や健康状況の把握、実習前のオリエンテーションを行っている。今年度は、保育実習を中心に7~8校から10人程度の実習生を受け入れている。実習生の受け入れは、人材育成のひとつとして受け止め、担当の職員も積極的に対応している。後進の指導を使命として受け止め、今後も実習生の受け入れは前向きに捉えていきたいと考えている。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

事業報告書や事業計画書、収支の状況などをホームページに掲載して、運営の透明性を確保する情報の公開に努めている。また、活動内容は必要に応じて更新している。年2回、地域の福祉団体や家族会、人権擁護委員などで構成する運営協議会を開催して、事業内容や苦情、相談の状況を説明している。また、年3回程度、「会報しらかし」を発行し、家族に配布する他、ホームページへの掲載や事業所の玄関に掲示している。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

経理規程を整備し、管理規程や業務分担表と併せて、権限や責任を明確にして職員に周知している。経理伝票は複数でチェックし、新規業者や新規物品の購入の際は稟議書などでチェックしている。一定額以上の支出に関しては、理事長の決済の上、実行している。財務管理を外部税理士に委託して、アドバイスを受けて経営の改善を行っている。市の指定管理事業所であるため、定期的に、市の監査を受けている。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

基本理念に地域との関わりを明記し、社会資源や地域の情報は、掲示板で知らせるようにしている。最近では、地域の情報として「だれもが一緒に遊べる遊具の体験会」のお知らせを配布した。交流保育(なかよし交流)などで地域交流を促進し、生活の場の広がりや地域の中で生活していくための経験になるよう取り組んでいる。週1回、親子通園を行い、研修室を使用して保護者が食事を摂れるよう取り組んでいる。なかよし交流は、今年度後期のみ4回、開催している。コロナ禍により、「松風園まつり」の開催を中止しており、今年度は10月に「松フェス」を利用者を中心にして開催している。地域に開かれた施設として、地域住民を招待する事業を展開していく予定である。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアの受入要綱を整備して、園長及びボランティア担当の職員が受け入れを行っている。オリエンテーション時に研修を行い、ボランティア活動が活発に行われるよう、環境を整備している。和泉短期大学のふれあい体験や音楽療法支援のボランティアが活動している。コロナ禍で受け入れを中止しているが、小学校の教員教育の社会体験研修も受け入れている。社会体験研修には、夏休みの期間、7名ほどの教員が参加している。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

関係機関の住所録を作成し、必要に応じて、有効活用している。県内公立障害児者通園施設・通園事業等連絡協議会、市の関係機関、児童発達支援事業所、放課後等デイサービス、特別支援学校など、さまざまな機関と連携して、情報を共有し、地域の問題解決を目指している。その他、児童相談所や県総合療育相談センター、巡回リハなどとも連携している。地域の保育園や幼稚園、小学校、特別支援学校に通う子どものニーズを把握し、日中一時支援事業などの利用を家族に呼びかけている。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

月1回、運営会議を開催し、法人内事業所との連携を深める中、地域の福祉ニーズを把握する取り組みを進めている。また、運営協議会から提案された課題は、その都度検討して、実施の可否を決めている。自立支援協議会(児童部会)では、就学している保護者の子どもの居場所がないなどの問題について話し合っている。各関係機関が開催する会議に参加して、問題の解決に取り組んでいる。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

事業計画に具体的な地域貢献活動を明記し、自閉症療育講座や地域生活支援公開講座、臨床心理士による勉強会などを開催している。また、小学校の教員に対する講演も行っている。地域の社会福祉法人と連携して、災害時の連絡体制を強化し、事業所の防災意識の向上や、災害対策として、防災備品や防災保存食の備蓄に努めている。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

「人権マニュアル」や「苦情解決に関する規程」を整えている。玄関入り口正面に理念や基本方針を掲示し、利用者や家族、来訪者が確認できるようにしている。人権擁護は法人の基本理念であり、「人権マニュアル」に明示している。年1回、人権研修を顧問弁護士を講師に全職員参加で開催している。新採用の職員は、神奈川県知的障害福祉協会主催の人権研修に参加している。中堅職員に対しては、外部研修への参加を推奨している。令和5年度からは年1回のオンライン学習(Lean on Me)も加えて実施している。人権に関する事案が報道された時には、朝夕の申し送りで速やかに報告し、また、直近の職員会議で資料を配付し注意喚起を行い、人権擁護に関する意識の周知徹底を図るようにしている。苦情解決の第三者委員は大和市人権擁護委員を選任して対応している。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

「人権マニュアル」や「個人情報保護規程」を整備して、全職員に周知している。個別支援計画書など個人情報の記載があるものは、家族に個別に手渡すようにしている。個人情報に関する書類は、必要最低限の情報を外部に持ち出す以外は、園内のみで使用している。体調変化により看護師が対応する場合は、医務室やトイレなど、極力、遮断した空間で対応するよう心がけている。園だよりなど、個人情報が記載されている配布物については、配布範囲に配慮している。実習生の受け入れ時には、実習前のオリエンテーションにて、園内で知り得た個人情報を外部にもらさないという誓約書を提出してもらっている。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

玄関正面に理念及び基本方針を掲示し、事業所の概要を記載したパンフレットを、玄関脇のカウンターに常備している。パンフレットはカラー印刷で、わかりやすいものになるよう工夫している。また、第1松風園入り口前に、契約書や重要事項説明書を掲示している。ホームページにて、園の取り組みの内容をわかりやすく記載し、情報提供を行っている。ホームページは定期的に内容を更新している。行政及び市内の相談事業所や児童関係事業所に情報提供を行い、利用希望者には来所してもらい、1時間以上時間をとって、相談に応じている。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

年3回、個別支援計画を作成している。作成時は個人面談を行い、定期的に立案、評価を家族とともに行う仕組みができている。また、「おうち支援日」として、全家庭を年に1~2回、担任が訪問し、家庭での取り組みの状況を確認、把握して支援している。4月に新しく利用を開始した家庭を対象に、1日4時間、親子通園を週1回実施している。親子通園を通し、家族の意見が反映できるようにしている。子どもとの関わり方を確認することで、家族の不安解消につなげている。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

サービスの継続性を考慮し、相談支援事業所と連携して、移行先に引き継ぎを行っている。契約書にサービス終了後の援助を明記し、相談方法や担当者についても説明している。移行先の事業所や学校を訪問して支援を行っている。年長児は、引き継ぎ資料「子どもに関する調査書」を作成し教育委員会や学校に情報を提供している。1年生になった6月には、担任の先生と教育委員会と連携を取り、移行後の支援を行っている。子どもの情報提供は、必要最低限のものとし、資料提供は家族の同意を得て行っている。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

毎月、家族会を開催して、家族との意見交換を行っている。外国籍の家族に対しては、英語やスペイン語、中国語の書面を用意して情報を提供している。その他、年3回のクラスごとのおしゃべり相談会や個人面談、家族の勉強会、父親を対象とした参観日、先輩の親御さんの話を聞く会など、情報の共有と意見交換の場を積極的に作っている。親の会主催で「園に対する意見・要望」を受ける場も設けている。また、きょうだい児を園に招いて「あそぼう会」を実施し、きょうだい児に理解してもらい、知ってもらい、身近に感じてもらう取り組みを行っている。また、大和中ロータリークラブ主催で映画館を貸し切り、きょうだい児と家族を対象にした映画鑑賞会の招待を受け参加している。園での活動が家庭でもできるよう、「おうち支援日」として家庭訪問を行い、家族と連携を取りながら支援している。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

「苦情解決に関する規程」を整備し、事務室入り口の廊下に、苦情解決の仕組みを掲示している。苦情受付担当者名、苦情解決責任者名、苦情解決第三者委員名、かながわ福祉サービス運営適正化委員会の連絡先とともに、苦情の申し立てのポスターを掲示し、周知を図っている。玄関に意見箱も設置している。匿名での意見や、郵送による意見も受け付けている。サービス内容や職員の対応について、意見や要望、苦情があった場合には、適切に対応できるようにしている。親の会のそよかぜ会で「園に対する意見・要望」を聞く場があり、意見や要望が提出できるようになっている。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

「通園のしおり」にて、意見や要望の受け付けについて周知している。家庭や園での状況は、連絡帳で共有している。また、必要に応じて、電話で情報を交換している。朝夕の送迎時、家族と直接会話できる機会を活用して、意見や相談などを聞いている。障害を持つきょうだいがいることへの理解など、きょうだい児の支援も重要な課題と捉えている。家族から、より意見や相談が述べやすく、それぞれの課題に対応するため、相談支援事業所に相談支援専門員を配置している。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

家族からの相談や意見は、随時受け付けている。相談の際は、面談室や空いている部屋を使用するなど、相談場所に配慮し傾聴している。意見箱は玄関脇に設置している。郵送での受け付けも周知している。受け付けた意見や要望について記録し、担当職員により検討を行い、迅速な対応に努めている。家族からの意見は個別支援計画などに反映し、また、「通園のしおり」を更新したりしている。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

事故防止マニュアルや危機管理対応マニュアル、不審者侵入時の危機対応マニュアル、個人情報保護規程、医療的ケアマニュアル、感染症マニュアルBCP(感染症業務継続計画)を作成し、さまざまな緊急事態に備えている。事故やヒヤリハットが発生した場合は、マニュアルに基づいて速やかに対応するとともに、夕方の引き継ぎなどで職員に周知している。安全衛生委員会では、毎月、危険予知訓練レポートを作成し、想定できる事故や実際の事故の検証を行い、改善を図っている。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

感染症マニュアルを作成し、保健担当者会議や職員会議などで周知している。感染症対策委員会を中心に、職員の責任と役割を明確にした管理体制を整えている。感染症対策のための勉強会も開催している。新型コロナウイルス対策のため、健康チェック表への記入は5類になった現在も継続し、子どもの健康の把握に努めている。登園時に看護師による視診や聴診を行い、身体状況を観察している。感染症が発生した場合は、感染症マニュアルに沿って迅速に対応している。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

災害時緊急マニュアルを整備して事務室内に置き、いつでも内容を確認できるようにしている。「大和市障害福祉センター松風園消防計画」に、火災や震災など緊急事態発生時の防火、防災や避難方法、及び内外への連絡方法を記載している。緊急時の連絡方法として、ジャクエツメール(緊急時などのメール配信)を導入し、一斉送信する取り組みを行っている。非常災害対策計画を整備し、警戒宣言発令までの対応や、支援中に地震が起きた場合、送迎車乗車時に地震が起きた場合についての対応を明示している。防災訓練計画により、避難訓練や消火訓練、通報訓練を行っている。送迎時における避難訓練も、事故や地震を想定し、年2回実施している。車の扉が開けられない、けが人への対応、通報の方法など、具体的な訓練を行っている。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

標準的な実施方法は、「通園のしおり」に文書化し、職員に配布している。「通園のしおり」は職員会議開催時に各自持参し、読み合わせを行い、職員の理解と周知徹底の取り組みを行っている。また、個別支援計画検討会議などを通して確認している。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

年3回、個別支援計画を作成し、必要に応じて、見直しを行っている。子どもたちに今やるべきことを考え、スモールステップ(目標を細かく分け、簡単な内容から少しずつ達成していくこと)での支援を心がけている。自立に向けた取り組みを共有できるように、家族の願いや要望を受けている。社会適応の視点から、社会性や遊び、コミュニケーション(表出や理解)について、随時、家族から詳しい聞き取りやアンケートを行っている。また、園での行動観察や発達検査により、評価と見直しを行い、支援の向上に努めている。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

個別支援計画の策定に関し、児童発達支援管理責任者を配置している。アセスメントは関係する全職員、及び家族や相談支援事業所の相談員に必要に応じて参画してもらい実施している。具体的なニーズを明示し、支援方法についても明示している。策定した内容の確認は、親子通園日や日々の支援の中で行っている。医療的なケアを必要とする子どもや肢体不自由の子どもに対して、専任の看護師を2名配置している。医療的ケア児も肢体不自由児も週5日、受け入れを行っている。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

個別支援計画の見直しは、事業計画の「支援の方針」に文書化している。一人ひとりに合わせ、半年でできる目標や身体拘束(シートベルト)の見直しなどを行っている。送迎時の状況によって、緊急に対応を変更する場合を想定し、利用契約書や重要事項説明書に対応方法を明記している。家族には担任から情報を伝え、専門職が入っての支援検討会議を開催している。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

身体状況や生活状況などは、ブルーオーシャンアプリ(障害者支援事業所の記録管理)により、デジタル化し統一した書式で記録している。全職員がIDをいれ、共有できるようにしている。記録についての指導は、毎月の記録をもとに児童発達支援管理責任者が行っている。ケース会議、支援検討会議、個別支援計画検討会議を通して、記録を的確に行っている。会議録や懇談会録の回覧により、職員間で情報を共有している。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

「大和市個人情報保護条例」に基づき、個人情報の保護を遵守し、平成19年、「社会福祉法人大和しらかし会が保有する大和市障害福祉センター松風園の管理に関する業務の個人情報の保護に関する規程」を作成し、職員の個人情報保護についての意識化を図り、文書などの管理を適切に行うよう取り組んでいる。平成27年施行の「社会福祉法人大和しらかし会個人情報保護規程」により、法人が保有する個人情報の取り扱いについての基本的事項を定めている。管理運営規程や利用契約書、就業規則、雇用契約書などに、守秘義務について定めている。関係書類及びパソコンは各自で保管せず、鍵の掛かる書庫に保管している。鍵の管理は園長が行い、個人情報が安全に管理されるよう努めている。ケース検討会、事例検討会、緊急時に利用する協力病院や嘱託医による健診、教育委員会など関係機関への情報提供については、保護者と「施設サービスに係わる情報提供同意書」の締結を行い、書面で提出する文書などは、事前に家族から同意を得て、必要最低限の情報提供に努めている。記録や引き継ぎ、行事への参加文書などは個人情報保護の重要性を念頭に入れて取り組んでいる。ホームページや不特定多数が閲覧できる内容の配布物には、個人が特定されないようにイニシャル、または無記名で掲載している。作品展など外部での対応も同様に配慮している。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

3歳から6歳までの知的・身体障害児30名が通園している。言葉が話せる子どもは5名程度であり、その他の子どもは絵カードや具体物、写真などを使い、自分の意思を表出してもらうよう支援している。子どもがなぜ泣いているのか、好きな物が欲しくて泣いているのか、初めての物が怖くて泣いているのかなど、子どもの泣き方をよく見て支援している。何を要求しているのかをクレーン行動(他人の手を取って物を指したり、取らせたりしようとする行為)で示せるように支援し、次の段階では自分で要求できるよう、段階を追って自分で考えていることを何らかの方法で表出できるよう支援している。「おうち支援」では、保護者の困り感に対して構造化や助言をしている。例えば、保護者と一緒に買物に行き、すべての陳列棚を必ず触って回る子どもには、最初に今日は牛乳とジャガイモを買うことを絵カードで示し、その場に行って持ってくることを約束するなど、本人が納得できるよう支援している。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

人権の擁護については、マニュアルや就業規則に明記している。月1回、虐待防止委員会を開催し、虐待の芽を摘むことができるよう心掛けている。身体拘束適正化委員会では、身体拘束について職員の理解を深めている。また、通園のため長時間バスに乗る子どもに胸ベルトなどを着用する場合は、保護者と話し合い、状況を記録している。職員は、朝夕の打ち合わせやケース会議などで話し合い、人権への意識を共有している。ヒヤリハット報告書には細かな事項まで記入し、毎日、終礼の時に報告している。園庭で起きた場合は環境整備、点検対策を、人と人とで起きた場合は人員配置の検討を、物の破損の場合は片付けや修繕を行い、迅速に解決するよう努めている。事故やヒヤリハット報告の集計を園長が行い、分析結果を事業報告書に掲載している。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

心身の状況や生活習慣の中で、子どもの望む生活を理解し、一人ひとりが自律、自立できるよう個別支援計画を作成して支援している。入園時に紙パンツを使用している子どもには、保護者と相談の上、布パンツ使用の計画を立てている。布パンツを触る、紙パンツの上からはく、布パンツを短時間はく、布で排泄したら気持ちが悪いなどを体験し、トイレでの排泄に向け、長時間かけて、スモールステップ(目標を細かく分け、簡単な内容から少しずつ達成していくこと)の段階を踏んで支援している。トイレで排泄ができた時には、子どもだけでなく、職員や保護者も大きな感動を味わっている。何かを行うときは構造化や絵カードなどを使用した手順書を用い、子どもが自分でできるよう支援している。個別支援計画で、見守る場面や支援する場面を明確にして、職員が共有して支援を行っている。食事についてすべて介助を受けていた子どもが、スプーンにおかずを載せると、自分の手でスプーンを職員と一緒に握ることができるようになるなど、職員の喜びにもつながっている。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもたち一人ひとりの意思の表出はどの程度か、理解はどの程度か、対人関係はどうかなど現状を細かく評価し、個別支援計画に落とし込み、それぞれの目標に沿ってコミュニケーションを取っている。視線や表情、動作、クレーン動作を見逃さず、具体物やコミュニケーションカード、ジェスチャー、ビックマック(音声出力会話補助装置、押すとハーイという音声が出る)、声掛けなど、子どもの状況に合わせてコミュニケーションを取っている。意思の発信の取り組みとして、どちらのおもちゃが欲しいかなど、カードや具体物を使用しながら選択する練習を行っている。個々に絵カードを腰につけ、持っている子どももいる。絵カードなどはすべて職員の手作りであり、作ることも楽しみのひとつであるという。絵カードは保護者も園と同じ物を作り、家庭でも同様にコミュニケーションを取っている保護者もいる。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

さまざまなツールを使って子どもとのコミュニケーションを図り、子どもたちが自分でやりたいこと、欲しいものを自分で表出できるよう、意思決定を支援している。新入園の子どもは週1回、それ以外の子どもは月1~2回、「親子通園日」を設け、家庭での生活や食事、排泄などの方法、園での方法などを保護者と職員が共有し、子どもにとってより良い方法を考えている。家ではやらないがこんなことができるなど、子どもの可能性を改めて見直す保護者も多くいる。家族からの相談は主に担任が受けているが、内容により園長や看護師が対応している。主に就学のこと、きょうだいとの関係などの相談が多くある。子どもが生活の中で意思を表出できるよう支援していることは、家族も理解して協力体制ができている。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画は4~5月、6~9月、10~3月の3期に分けて作成や見直しを行っている。子どもの状況に合わせ、職員と一対一の時間を定期的に設け、手順書に沿って服を着る、おもちゃで遊び使い方を理解するなど、一緒に取り組む学習を行っている。一対一での学習ができるようになると、2~3人のグループでの取り組みを行い、風船や楽器、身体を使う遊びをしながら、「待つ」ことができるようになるなど、個々の個別支援計画に沿って取り組んでいる。自由遊びの時間は、レゴで遊んだり、プットイン(物をどこかの中に入れること)をしたり、一人で遊べない子どもは職員と一緒に遊んでいる。個別支援計画は、クラス会議や個別支援計画会議で、子どもの発達に応じて支援内容の見直し、修正を行っている。その日の子どもの様子は毎日の終礼で振り返り、今日はこんなことができたなど報告している。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもたちには、大声や他害、自傷、不安定、パニックなどの不適応行動がある。一人ひとりの行動を把握し、どのような行動があるのか、その子どもが困っているときはどんなときか、どの時間帯に起きるのか、心の中では何が起こっているのか、どうなってほしいかなどを、ケース会議で共有している。子どもの表面の行動だけを見るのではなく、心の中の本人が困っていることに目を向けて支援している。音や他の子どもの声が嫌な時などに不適応行動が見られるため、その原因を取り除く対応をして、満足できるよう支援している。パニックになってしまった時には、クールダウンできるスペースで心を落ち着かせ、通常の生活に戻れるよう支援している。法人内に心理士がおり、毎年発達検査等を行い、個別支援計画に反映している。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

入園時には、家族や栄養士、理学療法士、担当職員などで話し合い、家庭での生活状況を聞いて、園で同じように対応している。園での食事は、普通食、ミキサー食など、その子どもに応じた食事を提供している。胃ろうや経管栄養、気管切開の子どももいる。アレルギーのある子どもには、代替食を提供している。食への興味や嗜好に配慮して、無理強いせず提供している。排泄は、チェック表を家族に渡し、家庭でも使ってもらっている。園ではチェック表によりトイレトレーニングを行っている。家庭生活での入浴については「おうち支援」の中で、困りごとについて家族にアドバイスをしている。理学療法士と、座位保持や、椅子、装具の調整を定期的に行っている家族もいる。身体障害児のクラスは多くの介助が必要であるが、子どものできる可能性を見つけながら支援を行っている。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

建物内の窓は2重になっており、階段やエレベーターは危険防止のため施錠している。また、子どもたちに怪我のないよう、環境を整えている。コロナ禍では、換気をするため窓やドアを開けておくと、子どもたちが出ていってしまうため、換気ができるドアを職員が作り、鍵を付けて危険を回避している。園内の清掃は業者委託で朝夕行い、清潔を保っている。園庭は広く、プールや大小の滑り台などがあり、天気の良い日は子どもたちが園庭で自転車や砂遊びをしている。砂場はカバーが掛けられ、猫除けの音の出る装置を置いて清潔にしている。園内の破損個所などは、ヒヤリハットや口頭での報告を受けてすぐに対応している。安全衛生委員会の月ごとの会議の中で、安全について話し合いを行っている。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

機能訓練や生活訓練は、理学療法士や作業療法士と連携を取りながら支援している。理学療法士により、歩行や横転による寝返り、身体を大きく動かすなどの練習を行っている。また、作業療法士により、クレヨンやスプーンの持ち方、道具の使い方などの練習を行っている。座位保持が困難な子どもは保護者と相談の上、姿勢保持のため座位保持椅子を特注して使用している。座位保持椅子は、主に県立総合療育相談センターの理学療法士と打ち合わせて業者に依頼し、園の理学療法士が実際に座った状態を確認し、調整を行っている。机に手を置き身体を支える、あぐら座位で骨盤の安定を図るなど、身体の状況を見ながら訓練を行っている。特別支援計画書と個別支援計画書は連動して作成している。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

看護師が常駐し、子どもたちの体温や体調(元気、吐き気、咳、鼻水、下痢、腹痛など)の視診、聴診を行い、保護者が記入し、毎朝提出している「健康チェック表」の確認も行っている。体調の変化時には、電話や連絡帳により家族に状態を伝えている。また、てんかん発作など緊急の場合は、すぐに家族に連絡し、様子を観察するか受診するか、状態を伝えている。医師の指示書により、その日の薬を毎日持参してもらい、看護師が職員とダブルチェックを行って、食後に薬を服用してもらっている。家族には通園のしおりで、受診の目安や感染症の対応について説明している。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:a】

てんかんがある子どもや、胃ろう、経管栄養、気管切開の子どもなどの受診の際は、家族に同行し、医師の説明や「看護処置指示書」を受けて支援を行っている。食事なども、できるだけ口から摂取ができるよう、指示書に従い、最初は口から食べてもらい、その後注入という流れで、食べることを忘れないよう支援している。園内で体調変化があった場合は、「緊急時対応一覧」により、一人ひとりの手順書に基づき対応している。緊急時対応には、園内や送迎車内での対応方法を明記している。定期的に医療的ケア会議を行い、担当者や看護師、理学療法士、作業療法士が参加して、体調変化時の対応などについて話し合い、共有している。卵、小麦、乳製品、魚などのアレルギーのある子どもには、代替食で対応し、万が一の場合に備えて薬も預かっている。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

コロナ禍前には、近隣の保育園との交流保育を実施しており、今年度から再開の予定である。また、イオンの会場や個人の画廊などで作品展を行い、季節の貼り絵や絵画などを展示して、松風園を知ってもらうよう取り組んでいる。機能訓練の成果を報告することを目的に運動あそび発表会を行い、家族と一緒に体を動かす時間も設けている。音楽療法士や卒園児の母親のボランティアによる音楽療法を行い、いろいろな楽器に触ったり、音を出すなどして楽しんでいる。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

就学前の子どもに対し、担任や園長、教育委員、学校の教員などと話し合う機会を設け、教育委員会の協力のもと、学校見学も行っている。「引継ぎ資料」として、基本的生活習慣(食事や排泄など)やコミュニケーション、社会性、学習面の情報を提供し、卒園後も混乱のないよう移行先と連携をとっている。また、就学後は教育委員会からの依頼を受け、移行支援としてフォローアップ訪問を行っている。歩き散歩(パパ編)を企画したり、バス遠足で公園に行き、社会資源を活用する経験をしたり、大和中ロータリークラブさんのご招待による映画観賞会にて映画館を貸し切り、両親やきょうだい児も一緒に映画を鑑賞したりして、社会で自立するための支援を行っている。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の理念にあるように、家族への支援も重要と捉え、家族と園が一緒に子育てをしている。年3回、個別支援計画立案の前のアンケート調査、その後の個人面談などで、子どもの状況やニーズなどを話し合い、家族とともに今後の目標を決めている。家族の相談は随時対応し、家庭での困りごとに対しては「おうち支援」を実施して、職員が家庭で課題になっている場面(入浴の場面など)の助言を行っている。保護者の勉強会として、心理士による自閉症療育講座、地域生活支援公開講座などを行っている。クラス懇談会、おしゃべり相談会(ご家族同士で子育てに関する課題を出し合い、いっしょに考える機会)、教材作り、先輩パパの話を聞く会なども行っている。またきょうだい児支援として、あそぼう会、映画鑑賞会、松フェスなど、きょうだい児にも障害を理解してもらう場を提供している。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

行動観察により、子どもが今どのような行動ができるかを確認している。毎年、子どもの発達検査を心理士により行っている。障害手帳更新の際は、児童相談所の心理士も発達検査を行っている。発達検査や家族からの情報をもとに、個別支援計画を作成している。個別やグループによる活動の中で、社会性やコミュニケーションスキルを育むことができるよう支援している。幼稚園や保育園に通っている子どもの情報を共有し、小学校や特別支援学校に入学した子どもは関係機関と連携を取りながら支援している。卒園後の放課後等デイサービス、日中一時支援事業などの利用や勉強会の呼びかけも行っている。

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

児童発達支援センターのため、評価外とする。

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

児童発達支援センターのため、評価外とする。

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

児童発達支援センターのため、評価外とする。