社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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障がい者支援施設 虹の家

2024年03月18日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 公益社団法人神奈川県介護福祉士会

② 施設・事業所情報
名称 障がい者支援施設 虹の家 評価対象サービス 2022~ 障害者・児福祉サービス版
対象分野 生活介護, 短期入所, 障害者支援施設(施設入所支援+日中活動事業) 定員 60 名
所在地 252-0335
相模原市南区下溝4410
TEL 042-777-0111 ホームページ http://www.fukushimura.or.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1992年06月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人相模福祉村
職員数
常勤職員:45 名
非常勤職員:39 名
専門職員
介護福祉士:11 名
調理師:4 名
看護師:2 名
栄養士:1 名
施設・設備の概要
居室:30
食堂:
浴室:
訓練室:
医務室:
相談室:
多目的ホール:

③ 理念・基本方針
<法人理念> 相模福祉村を「わが街の文化」に!
相模福祉村のことについて「どこにあるの?」と問われる。私たちはそのつど禅問答よろしく「あなたの心の中にありませんか?」と反問する。私たちの機関紙を『青い鳥』と名づけた由来は、あのチルチル・ミチルの世界にしか住まないかもしれない『幸せの青い鳥』を、この世界で探し求めたいというひとつの願いをこめて名づけたものです。現実の世の中に、幻想にしか住まない『青い鳥』など存在するはずなどないのは自明の理です。だが、一歩翻って私たちが自分の胸にそっと手をあてて考えたときに、自分の幸せと共に他人の幸せを願わない人はいません。他人の幸せを願う…その瞬間にこそ、『青い鳥』が住んでいるのではないでしょうか?私たちには、そんな風に思えてなりません。相模福祉村はそんな意味を込めて「あなたの心の中にありませんか?」とお尋ねしているのです。いつの日か、「介護」が明るい話題になるように。いつの日か、近所の子供たちが当たり前にように「障がい」を抱える子と手を取り合えるように。いつの日か、「子育て」が地域のものとなるように。いつの日か、「虐待」や「孤独死」や「貧困」が新聞記事から外れるように。だからこそ、私
たちは現状に踏みとどまってはいけない。たとえ姿が見えなくても、『幸せの青い鳥』は、すぐそこにいるのだと信じて…

④ 施設・事業所の特徴的な取組
○法人の理念に「相模福祉村を『わが街の文化』に!」を掲げている。施設長と職員が、毎日早朝から施設周辺の清掃活動を行い、利用者が職員と一緒に、施設周辺や公園、道保川沿いの遊歩道、最寄り駅などの清掃活動を行う他、公園の花壇作りを行っている。また、地域に法人の広報誌「福祉村だより」の配布を兼ねて防犯パトロールを実施している。コロナ禍で各交流イベントが中止になっていたが、今年度より、事業所のイベント(夏まつり、文化祭など)による交流を再開し、また、地域のイベントに参加したりして、地域の方々との触れ合いを深めている。商店街の一角にある地域サロン「レインボーサロン」では、収穫した野菜や鶏卵、自主製品などの販売を利用者と職員が行っている。「レインボーサロン」は、地域の憩いの場としても活用してもらっている。2月からは、高齢者の買物支援も行う予定である。地域とのつながりをとても大切にして、今後も地域に向けた取り組みを進めていく予定である。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/10/18(契約日) ~2024/02/20(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 5 回(2020年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ◇事業所の特色や努力、工夫していること、事業所が課題と考えていること等
○障がい者支援施設虹の家は、重い知的障がいのある方を中心にした60名の利用者の日々の生活を支援している。利用者の高齢化や重度化が進行し、同一法人内の高齢者施設に研修に出向いたり、介護技術の講師を依頼したりしている。また、日中活動事業として、生活介護や短期入所、日中一時支援、相談支援などを地域の方に提供している。施設を開設して30年が経過し、2年後の建て替えに向けて準備を進めている。
○利用者は男性棟と女性棟に分かれ、2人部屋で生活を送っている。利用者の特性に合わせ、社会自立支援と生活自立支援のグループで、日中活動を行っている。社会自立支援のグループは、広大な敷地を活用して、野菜事業や花壇事業、鶏事業などに携わっている。生活自立支援のグループでは、歩行や外気浴、音楽をかけながらの運動、絵画やビーズ通しなどの作業を行っている。
○日々の生活の中で、「傾聴」「共感」「受容」などに気を配りながら、信頼関係を築いている。言葉での対応が難しい場合は、筆談や絵カード、写真を活用したり、表情や声のトーン、手振りや指差し、視線などで本人のサインを読み取るようにしている。利用者の特性に応じた個別の対応は、職員間で共有している。
○個別支援計画は、心身の状況や生活習慣、本人の意向や将来の希望などを確認して作成している。利用者自身が持っている能力(ストレングス)を引き出す支援を心掛け、入所前にできていたことが入所後に途切れることがないよう支援している。入所前には経験しなかったショッピングモールへの外出、流行りの服などの情報を提供し、利用者が自分の意思で選択できるよう支援している。マイナス面より常にプラス面をみて、できたことを賞賛して、本人の意欲につなげている。
○日々の活動は、活動内容を記載したホワイトボードを使用し、利用者自身に選択してもらっている。毎月開催する当事者委員会「みんなの会」や「悩み相談窓口」「オンブズマン」などで利用者の声を聞く他、担当者が居室などに出向き、ゆっくりと話を聞くことにしている。利用者の思いを大切に受け止め、真摯に向き合うようにしている。
○年2回、利用者アンケートを実施し、利用者の声を聞き、サービス管理責任者が中心になって個別支援計画を作成している。アンケートでの確認が難しい利用者には、視覚カードなどを使用し本人の思いや意向を汲み取っている。利用者の状態の変化や思いに応じて、再アセスメントし、サービス担当者会議で変化に応じた支援計画を作成している。
○利用者の排泄や食事、入浴の介助は、個別の詳細な支援方法を決めて、職員間で統一した支援を提供している。嗜好調査の結果や「みんなの会」の意見は、食事のメニューなど、生活しやすいように利用者の声を反映している。本人の希望や、保健給食委員会で嚥下力を協議し、食事形態を選んで提供している。イベント食を提供し、月1回の選択メニューでは写真を提示して、利用者の楽しみにつなげている。入浴はその日の体調などを職員間で情報を共有して、事故を防止している。排泄に支援が必要な利用者は、排泄量などを確認して、水分摂取量などを調整している。おむつ交換時は、カーテンなどでプライバシーに配慮している。職員は、生活支援の中で気づいたことを「気づきノート」に記載し、本人の情報を共有している。
◇独自項目への取り組み
○事業所におけるサービスの質の向上のためのシステムを確認する「発展的評価項目」に取り組んでいる。「地域と共生し地域のコミュニティの場となる」ことをテーマに、取り組みの過程をPDCA(計画、実施、反省、課題の検証)に分け、実践を振り返っている。また、事業所が次の取り組みを計画する「課題抽出項目」では、「利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている」の項目に対して、今後の具体的な取り組み内容を決めている。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
法人の理念に基づき、事業計画書に運営目標、部門目標を策定しています。毎月の運営、経営会議において、事業の進捗状況を確認することで今後の取り組みの見直しや方向性の再確認を継続的に行ってまいります。
 ご利用されている皆様の要望、意思決定を尊重し、悩み相談窓口や利用者の会「みんなの会」でのご意見や要望について実現を図っていきます。また、地域の方々との交流を積極的に図り、利用者の理解を深めると共に虹の家へ多くの地域の方々がお越しいただく機会を作り、施設のことを幅広く知って頂けるよう見える化にも努めていき、共生社会の実現に向けて推進を図ってまいります。
 今後も社会福祉法第24条に規定されている社会福祉法人相模福祉村虹の家として求められている事業の推進に努めてまいります。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

ホームページや事業計画書、パンフレットに理念や基本方針を記載して広く周知している。事業計画書は全職員に配布して、年度当初に職員向けに説明会を開催して、読み合わせを行い、全職員が目標に向けて同じ方向性を持って取り組んでいけるようにしている。ユニホームにも理念を記載し、また、玄関にも掲示して、常に職員の目に入るところに理念がある状況にしている。コロナ禍で昨年までは中止していたが、5月に事業計画書説明会を開催し、あらためて家族に理念を説明している。不参加の家族には、事業計画書を郵送している。また、年度当初の利用者の自治会「みんなの会」で、年間のイベントなどとともに、利用者に理念を説明している。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

施設長が各協議会に参加する他、月1回開催する法人の経営会議に出席して、社会福祉事業全体の動向を把握するよう努めている。経営会議では、コストの分析や稼働率についても、毎月確認している。経営面の現状確認を行い、節電や節水、補助金の確認・申請など、取り組めることは早急に対応している。経営会議の議事録や報酬改訂に向けた行政の資料は、共有サーバーにて職員が閲覧できるようにしている。また、福祉新聞や月刊福祉、シルバー新報などを置き、職員が閲覧できるようにしている。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

事業報告書で抽出された課題については、事業計画書に事業目標として反映し、事業計画書職員説明会の場で、職員に周知している。事業目標の取り組み状況の確認や今後の取り組みについては運営会議で、経営面の現状確認や分析に関しては経営会議で進めている。月1回開催する施設の運営会議には、施設長や課長、事務長、係長、主任、副主任、各部門長が参加している。法人の経営会議には、法人内各事業所の施設長や課長が参加している。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

市のさがみはら障がい者プランの計画を受けて、法人の6つの取り組みに基づき、施設の事業目標を立てて、中・長期的なビジョンを明確にしている。中・長期的なビジョンは、2024年度までの4ケ年計画としている。基本方針は毎年更新して、職員全体に周知している。事業計画書には職務分掌を明記して、職員が具体的に何をなすべきか分かるようにしている。会議に参加する職員は、必ず事業計画書を持参して参加している。また、事業報告書に年度の成果を数値化して、見直しを行っている。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

中・長期的なビジョンに基づき、事業計画書に具体化した事業目標を立てている。今年度は、①理念の浸透と社会福祉法人の使命と実践、②コンプライアンスの徹底と専門性の高い人材教育、③障がい者支援の「質の向上」と「尊厳ある対応」、④稼働率の向上と無駄な出費の軽減、⑤感染対策や災害時支援体制の強化、の5つの項目について、具体的な取り組みを記載して、職員に周知している。稼働率やコストの数値目標も具体的に明記して、事業報告書に評価結果を記載している。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業報告書により次年度に向けた課題を明確にして、翌年の事業計画に反映している。各委員会などで職員の声を聞き取り、月1回開催する運営会議の場で内容をまとめ、事業計画を策定している。事業計画書には、年間の取り組みの内容を詳細に記載し、進捗状況については、運営会議の場で確認している。年度当初には、事業計画書説明会を実施して、内容の周知を図っている。会議や委員会に参加する職員は、必ず事業計画書を持参して参加している。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

コロナ禍で開催を中止していた、家族への事業計画書説明会を、今年度は5月に再開している。郵送を希望する家族には、事業計画書を郵送している。利用者には、当事者委員会の「みんなの会」で、口頭で説明するとともに、読みやすくルビを振った書面を掲示している。月1回、家族には利用者の生活の状況を電話などで報告している。利用者の体調不良時には、その都度、連絡している。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

利用者の個別支援計画は、策定会議やモニタリング、サービス担当者会議の開催まで、サービス管理責任者がPDCAサイクルに基づいて調整している。個別支援計画の定期的な見直しは6ケ月に1回行い、利用者全員のモニタリングが重ならないように、月毎に振り分けている。また、利用者の状況に応じて、随時見直しを行っている。施設全体で市の「自己点検シート」に取り組む他、職員が「チャレンジシート」にて自己評価を行い、年2回の人事考課に臨んでいる。第三者評価も定期的に受審し、提供する福祉サービスの質の向上に向けた取り組みを組織的に行っている。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

抽出された課題は、障がい者虐待・身体拘束防止委員会や、高齢者サポート委員会、防災・感染予防対策委員会、安全衛生委員会、リスクマネジメント委員会、マニュアル委員会、保健給食委員会、意思決定支援委員会、みんなの会(当事者委員会)など、内容によって各委員会に振り分け、原因の分析と改善策を検討している。常勤の職員が一人最低2つの委員会に属するようにしている。また、改善策はその効果を検証するよう取り組んでいる。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

施設長の役割と責任に関しては、ホームページや事業計画書の職務分掌などで明確化している。また、法人の広報誌「福祉村だより」を毎月発行する他、年2~3回、施設の広報誌「虹の家なないろたより」を発行し、公民館や病院、行政などに広く配布して、施設を知ってもらう取り組みを行っている。災害時における権限を含めた体制については、BCP(事業継続計画)に明確化している。職員には災害時の勤務アンケートを実施して、災害発生時の職員の動きを確認し、体制を整えている。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設長が市の社会福祉法人経営者協議会などに参加し、また、月1回開催する法人の経営会議に出席して、遵守すべき法令などを正しく理解するよう努めている。入手した情報は、朝・夕礼の場で職員に発信し、職員に情報を伝え、関連資料を掲示している。事業計画書に、施設内及び施設外の研修予定を掲載して、研修担当者を中心にして、参加者を調整している。監査法人による定期的なアドバイスも受けている。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長が各会議や委員会に出席して、状況の把握や進捗状況を確認して、具体的な取り組みを提案している。また、マネジメントレビューを実施して、定期的に事業目標を評価、分析し、質の向上に向けた取り組みにつなげている。施設長が利用者の活動の場に足を運び、利用者の声を聞くとともに、職員の心身の状況も確認するようにしている。職員との面談では、職員の意見を聞き取り、アドバイスを適切に行っている。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

マネジメントレビューを実施して、定期的に事業目標を評価し、経営の改善や業務の実効性を高めるための分析を行っている。職員が働きやすい環境作りとして、休憩時間の確保や年間休日108日を実施している。有給休暇の取得状況についても留意している。現在利用している職員はいないが、法人内に保育所も整備している。職員は常にホスピタリティマインド(相手を思うあたたかい心)を意識して行動するようにしている。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

職員の募集は、法人の人材担当と各事業所で、ホームページや学校、求人サイトなどを活用して行っている。法人の理念に沿った人材育成を行うため、法人の研修計画に基づき、全職員が組織人スタンス研修から学ぶよう取り組んでいる。人材育成に関しては事業計画書に基づいて進め、定期的に職員面談を行うことで、職員個々の意向や現状を確認している。新人職員に対しては、独り立ちするまでは役職者が付き、チェックシートを用いて、月1回話し合いの場を設けている。課題をそのままにせず、次につながる指導を行っている。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

「人事考課制度マニュアル」を整え、人事基準を明確化して職員に示している。事業計画書の職務分掌により、職員個々の職務を明確にし、年2回、人事考課を行い、等級ごとの職務が実施できているか、職員が個々の目標を設定した「チャレンジシート」の進捗状況の確認を含めて評価している。また、職員との面談により、意向や意見を確認して、改善に向けた取り組みを行っている。職員には、ストレスチェックも実施している。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

定期的に健康診断やストレスチェックを行うとともに、施設内にハラスメント受付ポスターを掲示している。役職者は、ハラスメント研修を受講している。職員が働きやすい職場作りとして、あじさいメイツや福利協会などの福利厚生に加入し、法人全体でも新年会を開催したりしている。また、年間休日108日の実施や長期休暇(ゴールデンウィーク、夏季、冬季)の取得、企業内保育所の設置などを行っている。SNS(インスタグラム、ブログ)により、利用者や職員の日常を発信することで、組織の魅力を高めることにつなげたり、人材確保につなげている。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「人事考課制度マニュアル」に基づき、職員一人ひとりが「チャレンジシート」にて、自己成長を図るために目標を設定している。職員は、事業目標や部門目標を踏まえ、個人目標を立てている。事業計画書には、法人が期待する職員像も示している。また、6ケ月に1回、定期的に面談を行い、「チャレンジシート」に記載した職員個々の目標の進捗状況を確認して、今後期待する点を伝え、目標達成に向けて取り組みを進めている。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

事業計画書に、法人研修や施設内研修、施設外研修の計画を記載し、職員一人ひとりの等級基準などを踏まえて、研修会の参加者を決めている。コロナ禍では、施設外研修はオンラインを利用する研修が多かったため、施設内研修を中心にして分野別に企画、開催している。施設内研修は今年度も毎月複数回企画して、職員のレベルアップに努めている。施設内研修に参加した職員は、内部研修においても研修報告書を提出し、施設長や課長、係長などを評価担当者として、有効性の評価を行っている。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

事業計画書に、法人研修や施設内研修、施設外研修の計画を記載し、人材の育成のために様々な研修を行っている。職員資格一覧表により、職員の専門資格の取得状況を把握している。職員に実務者研修の受講を積極的に勧め、今年度も5~6名の職員が介護福祉士の国家試験にチャレンジする予定である。外国人の技能実習生の受け入れも行っている。また、職員育成計画に基づき、OJTによる育成を進めている。研修の参加は、職員の希望も確認している。施設外研修の情報は、職員に適宜発信して、参加の申し出のあった職員が参加できるよう調整している。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

主任を担当として、実習生の受け入れを行っている。実習生の受け入れは、開かれた施設として積極的に行っている。実習生受け入れマニュアルを整備し、事前にオリエンテーションを行い、実習期間内における実習生の目標を確認した上で指導を行っている。6~7月、2~3月を中心に、保育士を目指す学生を主として、年間20名ほどの実習生を受け入れている。職員も前向きに指導にあたり、いろいろな人に施設を見てもらい、知ってもらいたいことから、実習生の受け入れはもっと増やしていきたいと考えている。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

開かれた施設を目指し、ホームページや広報誌に、理念や基本方針などを掲載して、施設の役割を知ってもらう機会を多く作り、運営の透明性を確保する情報の公開を行っている。また、苦情の報告書を玄関に掲示して、対応した結果を公開している。法人の広報誌「福祉村だより」を毎月発行し、自治会と連携して、地域に広く配布している。また、今年度は法人設立40周年のため、「40周年記念誌」を発行して、地域に配布している。毎月のオンブズマンの受け入れや、施設見学の随時受け入れなどを行い、開かれた施設としての取り組みを進めている。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

事業計画書に職務分掌を細かく記載して、事務や経理、取引などを職員全体に周知している。社会保険労務士や会計士、監査法人が入り、定期的に経営や業務の実効性の向上に励み、分析を行っている。毎月、会計指導を受け、内容を法人本部に報告している。人事や経理、労務に関しては、法人本部が一括して行えるよう、取り組みを進めている。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

事業計画書に、地域とのつながりを掲げている。利用者が職員と一緒に、施設周辺や公園、道保川沿いの遊歩道、最寄り駅などの清掃活動を行う他、公園の花壇作りを行っている。また、地域に法人の広報誌「福祉村だより」の配布を兼ねて防犯パトロールを実施している。コロナ禍で各交流イベントが中止になっていたが、今年度より、事業所のイベント(夏まつり、文化祭など)による交流を再開し、また、地域のイベントに参加したりして、地域の方々との触れ合いを深めている。商店街の一角にある地域サロン「レインボーサロン」では、収穫した野菜や鶏卵、自主製品などの販売を利用者と職員が行っている。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティア受け入れマニュアルを整え、受け入れの基本姿勢や内容などを明記し、マニュアルに沿って対応している。現在、草刈りや清掃、洗濯物たたみなどのボランティアが活動している。今年度の文化祭には、50名のボランティアを募集したが、100名近くのボランティアの参加があった。コロナ禍で受け入れを控えていたが、近隣中学校や教職員の職場体験も受け入れている。ボランティアの受け入れは再開しており、地域のボランティアセンターと連絡を取り、イベントの開催時には協力を依頼している。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

市の事業所協会や地区社会福祉協議会、防災協会など、地域の関係機関の定期的な連絡会には、施設長と課長が参加して、連携を図ることができるよう取り組んでいる。連絡会の内容は、朝礼や夕礼の場で、職員に周知している。資料は事務室内に掲示するとともに、登録団体の一覧をリスト化している。地元の自治会とは常に連携し、集まりには課長が参加している。特別支援学校や地域の福祉団体、消防署とのつながりも深めている。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

市の事業所協会や地区社会福祉協議会、防災協会などの連絡会や、自治会の行事などに参加して、地域の情報収集を図っている。朝の清掃活動で地域を回り、野菜や鶏卵、自主製品の販売などを行っていることから、地域の状況やニーズをつかめる位置にいる。地域には一人暮らしの高齢者も多く、区の社会福祉協議会からの依頼で、2月から買物支援を行う予定である。買物支援では、施設の車両とドライバーを提供する予定である。地域との関わりは、利用者が社会経験を積む機会となり、同時に地域の方々に施設を知ってもらう機会として大切にしている。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

事業計画書に基づき、地域の美化活動や自治会の防犯パトロールを定期的に行っている。施設長と職員が、毎日早朝から施設周辺の清掃活動を行う他、公園の花壇作りに取り組んでいる。また、近くの道保川沿いの遊歩道の清掃も、利用者と一緒に行っている。商店街の一角にある地域サロン「レインボーサロン」では、収穫した野菜や鶏卵、利用者の自主製品などの販売を行うとともに、地域の憩いの場としても活用してもらっている。2月からは、高齢者の買物支援も行う予定である。また、福祉避難所としての役割も担っており、非常食も3日分備蓄している。地域とのつながりをとても大切にして、今後も地域に向けた取り組みを進めていく予定である。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の尊重に関しては、事業計画書や倫理綱領、行動規範に明示し、年度初めに、全職員で事業計画書の読み合わせを行っている。基本的に利用者は「お客様」とし、接遇を大事に考えて支援している。不適切な支援防止のため、2ケ月に1回、障がい者虐待・身体拘束防止委員会を開催し、啓蒙活動を行っている。ポスターを作成したり、施設内をラウンドしたり、職員アンケートを実施したりしている。支援の中で、職員の対応で良かったこと、利用者がほほえましい優しい行動をしたことなどを「気づきノート」に記載し、プラス面も評価して記録に残している。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

事業計画書に、倫理綱領や行動規範を明記し、年度の初めに、全職員で読み合わせを行っている。利用者の居室に入室するときは必ずノックをしてから入り、衣服の着替えはカーテンを閉めるなど配慮している。また、失禁があった時には、すぐにパーテーションを使用して、他の利用者から見えないよう工夫している。トイレや入浴などの介助は、必ず同性の職員が支援している。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

パンフレットや広報誌「福祉村だより」「虹の家なないろたより」を、社会福祉協議会や公民館、特別支援学校などに置き、情報を提供している。また、ホームページでも、施設の情報や生活の様子を紹介している。パンフレットなどの写真使用については、事前に利用者や家族から同意を得ている。電話での相談も親身に対応し、見学者や相談者には、相談員が丁寧に説明して対応している。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

サービスの利用開始時には、本人や家族、後見人に、サービス内容や利用料金などを重要事項説明書で説明して、理解納得の上、契約書を交わしている。利用者には、ルビを振った説明書を用意し、実際に施設内を案内しながら説明している。生活上の約束事や1日のスケジュールなどを繰り返し説明して、施設での生活に慣れていってもらっている。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者から一人暮らしの希望が出たり、利用者アンケートで地域で暮らしたいという希望があった時は、自分のことを自分でできるように練習したりして、段階を踏んで地域移行の支援を行っている。これまでに、同一法人内のグループホームや他法人のグループホームに移行した利用者がいる。これまでの落ち着いた生活を継続できるよう、生活や活動の状況などを移行先に伝えている。移行後に、再び施設に戻ってきた利用者もおり、元気で施設で生活している。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

年2回、職員の聞き取りで利用者アンケートを実施している。活動の中では何が好きか、食べたいものや食べたくないものは何かなど、写真も用いて、聞き取りを行っている。利用者の会「みんなの会」では、委員長や副委員長、書記を自分たちで選び、職員はオブザーバーとして参加している。「みんなの会」では、イベントの内容について、意見を出し合ったりしている。言葉での意思表出が難しい方には、ドライブや食事、活動などの写真を見てもらい、表情や身振りで利用者の思いを確認するようにしている。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決責任者を施設長、窓口担当者を副主任として、苦情に対応している。第三者委員も2名置いている。正面玄関や支援室前の廊下に、苦情解決の仕組みを分かりやすく掲示している。家族には、重要事項説明書で苦情解決の仕組みを説明し、理解してもらっている。また、直接苦情や意見が言いにくい人のために「悩み受付箱」の利用があり、設置している。地域の方からの相談や苦情については、解決までの内容を、施設内にも掲示している。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

利用者が意見を述べやすいよう「みんなの会」を定期的に開催している。また、職員は常に利用者に声掛けするよう心掛けている。役職者も施設内をラウンドして「何かありますか」など、利用者に声掛けしている。利用者がいつでも思っていることを言える雰囲気作りをしている。利用者は直接、担当職員や相談員、サービス管理責任者など、話しやすい職員に話をしてくることが多い。利用者からは「隣りの部屋がうるさい」「外出したい」「○○を食べたい」などの声が多い。施設内に「悩み受付箱」を心のよりどころとして設置している。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

利用者からは「○○へ行きたい」「○○を食べたい」などの相談が多いが、時には「隣りの部屋の人がうるさいので困っている」などの相談もある。事実を確認したうえ、居室変更をするなど、できるだけ早く困りごとを改善するようにしている。落ち着いて話すことができる相談室や本人の居室で話を聞いている。また、外出の希望に関しては、付き添いの職員を調整して支援している。食事の希望は、栄養士と相談し、献立に反映して満足してもらっている。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメント委員会を置き、毎月、施設内の危険箇所の把握や、改善に向けた話し合いを行い、実行している。日中は施錠していないため、外に防犯上のカメラを設置している。また、利用者の高齢化が進んでいるため、危険箇所には手すりやガードを取り付けて事故を防止している。テレビにガードを取り付けたり、デイルームのスロープを滑らない床材に替えたり、浴室内に滑り止めマットを敷くなど、事故防止に努めている。リスクマネジメント委員会により、常時施設内のK・Y(危険予知)活動を行い、全職員が危険回避を意識しながら行動している。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

防災・感染予防対策委員会を置き、マニュアルを整備している。感染症のポスターを作成して、利用者や職員へ注意喚起し、研修も開催している。迅速に対応できるように消毒薬や手袋、エプロン、ごみ袋など、感染症発生時の備品を用意している。マニュアルには、新型コロナウィルスやインフルエンザウィルス、ノロウィルスなど、様々な感染症の対応を記載している。施設内での職員研修では、防護服の着用、汚物処理の仕方などを行っている。感染症発生時の個別対応や、終息後の今後の対策など、防災・感染予防対策委員会で検討し、感染症の予防に努めている。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

防災・感染予防対策委員会を置き、また、自衛消防隊を組織している。災害時におけるBCP訓練では、テント張り、初動消火マニュアルに沿った初動消火訓練などを行っている。利用者の避難訓練は年2回、火災や地震を想定して実施し、消防署と連携して、消火器訓練や煙ハウス訓練なども行っている。また、麻溝地区防災協議会との連携も図っている。施設内には、停電時のための自家発電装置を備えている。備蓄品として、3日分の非常食や飲料水を保管し、管理責任者を栄養士としている。  

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

マニュアル委員会により、感染症マニュアルや防災マニュアル、食事・排せつ・入浴・着替えなどの支援マニュアルを整備している。また、個別支援計画書策定手順書も整えて、手順書を使った施設内研修を行っている。個別支援計画は、それぞれの障がい特性や個性に配慮して策定し、支援員は日々の支援に反映させている。また、感染症や防災マニュアルに沿った支援を提供して、利用者は安全で安心な生活を送っている。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

マニュアル委員会は、各フロアの職員や役職者で構成し、月1回委員会を開催して、感染症予防や防災、支援マニュアルなど、すべてのマニュアルの内容を見直し、修正している。利用者の日常生活の支援は、理念や人権擁護、プライバシー保護、利用者主体などを基本に置き、支援マニュアルとして、食事、排せつ、入浴、着替えなどの標準的支援方法を定めている。マニュアルをもとに、利用者一人ひとりの個性や特性に配慮した個別支援計画を策定して、その人らしい生活を送ることができるよう支援している。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

アセスメント調査1、2を用いて、利用者の個別支援計画を策定している。「利用者の生活・行動等に関するアセスメント調査1」では、ADL、衛生、家族、社会生活、活動、交流、問題などをアセスメントしている。「利用者の生活・行動等に関するアセスメント調査2」では、意思伝達、理解、文字、余暇、問題行動面での特記、本人の意向、家族の意向などをアセスメントしている。利用者本人をよく理解し、個別支援計画の策定につなげている。サービス管理責任者が策定会議を開催し、利用者本人や担当者、看護師、栄養士などが参加して、個別支援計画を策定している。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

サービス管理責任者が中心となり、年2回を基本とし、モニタリングを行っている。利用者に現在の生活を楽しんでもらいたい、満足してもらいたいため、「○○へ出かけたい」「○○がしたい」「○○が欲しい」など、利用者の思いを聞き取り、すぐに実行できることを、できるだけ早く叶えられるよう計画を見直している。病院から退院して歩行ができなくなった時など、利用者の状況に合わせて、随時モニタリングを行い、計画を見直している。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

ICT化に取り組み、支援記録システムを導入して多くの書類をデジタル化している。アセスメントシートや個別支援計画書、実施記録、会議録などをパソコンに入力し、各部署での共有をスムーズに行っている。一方、紙ベースでの「気づきノート」など、利用者に対する優しい行動や思いやり、職員の支援時の心温まる声掛けなど「人」の温かさが表れた記録も残している。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

書類の管理責任者を施設長としている。法人として、文書管理規程を設け、それに沿って記録類の管理を行っている。また、利用者の個人情報に関する記録は、個人情報管理規程に基づいて管理している。職員に対しては、倫理要領や行動規範に、個人情報の保護を示している。利用者のケースファイルは、職員室に保管している。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

年2回、利用者アンケートを実施し、利用者の声を聞き、サービス管理責任者が中心になって個別支援計画を作成している。アンケートでの確認が難しい利用者には、視覚カードなどを使用し本人の思いや意向を汲み取っている。利用者の状態の変化や思いに応じて、再アセスメントし、サービス担当者会議で変化に応じた支援計画を作成している。月1回開催する「みんなの会」では、利用者が会長や副会長、書記を選び、生活上のルールや行事の内容などを話し合っている。嗜好品や服の購入は、個別支援での外出やインターネットの通販で、利用者自身が好みの物を選択して購入している。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

事業計画書に、権利擁護に対する取り組みを記載し、全職員で読み合せを行っている。新聞やニュ-スに権利侵害の事件が出た時には、その都度、朝・夕の引継ぎ時に、職員間で内容を確認している。利用者には「みんなの会」で周知している。また、外部の権利擁護研修や、施設内研修で再確認している。職員が自己点検チェックシートに取り組み、結果は、2ケ月に1回開催する障がい者虐待・身体拘束防止委員会で集計し、職員室内に掲示したり、パソコンで閲覧できようにしている。マニュアルは、1、2階の職員室でいつでも閲覧できるようにしている。日々の支援では、同性介助やおむつ交換時のプライバシーの確保、利用者の居室への入室時のノックなど、徹底した対応を行っている。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画は、心身の状況や生活習慣、本人の意向や将来の希望などを確認して作成している。利用者自身が持っている能力(ストレングス)を引き出す支援を心掛け、入所前にできていたことが入所後に途切れることがないよう支援している。入所前には経験しなかったショッピングモールへの外出、流行りの服などの情報を提供し、利用者が自分の意思で選択できるよう支援している。マイナス面より常にプラス面をみて、できたことを賞賛して、本人の意欲につなげている。「気づきノート」から、新たな能力に気づくこともあり、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)で見直しを行い、自立につなげている。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の生活の中で、「傾聴」「共感」「受容」などに気を配りながら、信頼関係を築いている。言葉での対応が難しい場合は、筆談や絵カード、写真を活用したり、表情や声のトーン、手振りや指差し、視線などで本人のサインを読み取るようにしている。利用者の特性に応じた個別の対応は、職員間で共有している。利用者からの相談は、落ち着いた環境(場所、相手)を選んで、対応できるよう配慮している。周りに聞こえないよう、筆談でやり取りする場合もある。また、月1回のオンブズマンの来所時は、相談室だけではなく、利用者の活動場所にて話を聞いている。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の活動は、活動内容を記載したホワイトボードを使用し、利用者自身に選択してもらっている。毎月開催する当事者委員会「みんなの会」や「悩み相談窓口」「オンブズマン」などで利用者の声を聞く他、担当者が居室などに出向き、ゆっくりと話を聞くことにしている。相談窓口には、男女1名ずつの職員を配置し、相談しやすい環境を整えている。利用者からの相談内容は、職員間で検討し、結果を利用者に伝えたり、内容によってはサービス担当者会議で本人や多職種と協議し、個別支援計画につなげている。利用者の思いを大切に受け止め、真摯に向き合うようにしている。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画に基づき、利用者は施設周辺の散歩や、野菜・花の栽培、烏骨鶏・アローカナなどの鶏の飼育、福祉ショップやイベントでの自主製品や野菜、卵の販売を行っている。重度高齢の利用者にはiPadを使用し、リトミック(音楽的効果の他・想像力・注意力・集中力・思考力を引き出す)で機能維持の支援に取り組んでいる。活動の選択は、毎朝、活動内容をホワイトボード(絵カードや写真を使用)で説明し、利用者に選択してもらっている。日々の活動の他、利用者の希望を募り、バーべキューや外出などを企画、実施している。外出は利用者の希望を聞き、少人数でミュ-ジアムや水族館、牧場などに出かけている。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の半数に、てんかんの既往があり、統一した支援を提供できるようにしている。利用者の高齢化が進み、高齢者の介助方法など、同一法人内の高齢者施設に研修に出向いたり、介護技術の講師を依頼したりしている。個人の介助方法は、朝・夕の引継ぎや支援記録システムで共有している。また、嚥下が困難な利用者については、医療を含む多職種と連携し、食事形態や食事介助方法、摂食機能などを検証しながら支援している。施設外研修に参加した職員は、施設内研修にて内容を伝達している。医療の基礎知識は施設内研修やマニュアルの読み合せで習得し、利用者の状況に応じて、多職種による支援を提供している。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者の排泄や食事、入浴の介助は、個別の詳細な支援方法を決めて、職員間で統一した支援を提供している。嗜好調査の結果や「みんなの会」の意見は、食事のメニューなど、生活しやすいよう利用者の声を反映している。本人の希望や、保健給食委員会で嚥下力を協議し、食形態を選んで提供している。イベント食を提供し、月1回の選択メニューでは写真を提示して、利用者の楽しみにつなげている。入浴はその日の体調などを職員間で情報を共有して、事故を防止している。排泄に支援が必要な利用者は、排泄量などを確認して、水分摂取量などを調整している。おむつ交換時は、カーテンなどでプライバシーに配慮している。職員は、生活支援の中で気づいたことを「気づきノート」に記載し、本人の情報を共有している。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

安全管理マニュアルを整え、月1回、日常点検表でチェックし、修繕が必要な箇所は迅速に対応している。利用者の居室の清掃は、週1回、居室清掃確認表で確認して、職員がフォローしている。日常の施設内の清掃は職員が担い、浴槽清掃と害虫駆除は業者に委託している。感染症対策として、日に3回、手すりを中心に職員が消毒をしている。居室は快適な空調とコーナーガードや手すりの設置で、怪我や転倒を防止している。また、行動面で、他利用者に影響与えるような場合は、一時的に静かな部屋で落ち着いてもらうようにしている。居室は2人部屋で「利用者の相性」について棟会議で話し合いを行っている。居室変更の調整もある。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

本人の意向や心身の状況を把握し、本人を含めた多職種との話し合いで、機能訓練や生活訓練を行っている。利用者の心身状況の変化や本人の意向を受けて、支援の見直しを行っている。機能訓練は、大きな目標より、実現可能な目標を決めて、利用者の達成感やモチベーションを高め、次のステップへとつなげている。また、声かけにおいても、「ここまで、歩けると、お気に入りの喫茶店に行けますね」など、本人の楽しみや意欲を引き出せるような声かけを工夫している。また、病院や理学療法士との連携を取り、歩行訓練なども実施している。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

年2回健康診断を実施する他、1日3回の検温と月1回の体重測定、必要に応じて血圧や酸素飽和度のチェックを行っている。体温の平均値を把握しておくことで、体調の変化に気づく目安としている。自ら体調不良を訴えることができない利用者については、支援マニュアル・健康管理を参考に「表情、声、しぐさ」など、いつもと違う点に気づくよう留意している。健康診断で再検査となった場合は、主治医の説明を本人と一緒に聞き、家族へ報告している。受診の結果や身体の変化は、朝・夕礼で引継ぎ、支援記録システムで共有している。緊急時対応マニュアルを職員室や宿直室に置き、迅速に対応できるようにしている。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:a】

薬は医務室の施錠できる棚で管理している。与薬時は2人の職員で対応し、ダブルチェックをし、空き袋は、専用の袋に入れている。通院記録や薬の変更内容は、支援記録システムに入力して情報を共有している。利用者の体調不良や怪我は、医務課や医療機関と連携して対応している。アレルギー食の対応は、本人のテーブル席に、ラップの上に名前を書いて、職員が直接配膳している。新型コロナウィルスなどの感染時には、エリアで区切り、防護服で対応している。医務研修に関しては、年2回の研修を実施している。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

レインボーサロンで、自主製品や野菜の販売、接客を行う他、育てた花をプランターへ植え替え、近隣の病院や公園などに届けている。また、月1回、近隣に広報誌を配布する時は、防犯パトロールのベストを着用して回ることで防犯活動の一助としている。利用者は、販売時の接客や金銭の授受などで社会生活を学習している。手紙を書きたい利用者とは、一緒に宛名書きの練習をすることもある。個別支援計画書には、利用者の「身体を動かしたい」「自主製品の販売をしたい」などの希望は、ご本人の意向として記載している。利用者の体調や希望を聞いて、その日の具体的な活動を選択してもらっている。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者アンケートや意向調査で、本人の希望を確認している。両親が高齢となり、自宅へ戻るという選択は厳しくなっており、グループホームや医療的サポートのある場への移行となっている。グループホームへ移行の際は、自立した生活を目指し、そのために取り組むことを本人と確認しながら準備している。相談員と連携し、社会資源などの情報を提供して、本人の不利益につながらないよう配慮している。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

年1回、家族との面談を実施し、意見交換を行っている。また、利用者や家族の意向をふまえ、帰宅や面会の支援をしている。帰宅時には、連絡帳に写真を添え、利用者の日々の様子を伝えている。帰宅が難しい利用者は、毎月、家族や後見人あて、電話で生活の様子などを報告している。コロナ禍も落ち着いてきたことから、施設の行事に家族を招待し、利用者と楽しんでもらっている。利用者の急変時は、事故初期対応マニュアルに沿って家族に連絡している。現在、利用者の半数程に成年後見人が選任されており、今後も成年後見制度の活用についてアドバイスしていく予定である。スムーズな後見制度の活用を、法人全体で後押ししている。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

障がい者の施設入所支援、生活介護の事業所のため評価外とする。

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

障がい者の施設入所支援、生活介護の事業所のため評価外とする。

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

障がい者の施設入所支援、生活介護の事業所のため評価外とする。

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

障がい者の施設入所支援、生活介護の事業所のため評価外とする。