横浜市天神ホーム
第三者評価機関名 | 特定非営利活動法人よこはま地域福祉研究センター |
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名称 | 横浜市天神ホーム | 評価対象サービス | 2022~ 高齢者福祉サービス版 |
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対象分野 | 特別養護老人ホーム | 定員 | 入所78名 ショートステイ2名 名 |
所在地 | 232-0024 横浜市南区浦舟町3-46 |
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TEL | 045-251-5906 | ホームページ | https://yoko-fukushi.or.jp/facility/tenjin/ |
【施設・事業所の概要】 | |||
開設年月日 | 1974年09月01日 | ||
経営法人・設置主体(法人名等) | 社会福祉法人 横浜社会福祉協会 | ||
職員数 |
常勤職員:40 名
非常勤職員:11 名
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専門職員 |
施設長:1 名
生活相談員:3 名
介護職員:33 名
介護支援専門員:3 名
看護師:5 名
管理栄養士:2 名
機能訓練指導員(看護師兼務):1 名
事務員:1 名
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施設・設備の概要 |
居室数:60室
設備等:食堂・浴室(一般浴・機械浴・個浴)・機能訓練室・医務室・職員休憩室・宿直室など
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法人理念「福祉の追求」 ・ご利用者幸福の追求・・・私たちはご利用者を尊重し、生命、自由、プライバシー、個々人の人格権を守ります。そしてQOLの向上に根差した、真の満足を追求します。 ・地域貢献の追求・・・地域に開き、地域に赴き、地域の声を聴く。私たちは常に地域に寄り添い、真の地域貢献を追求します。 ・職員幸福、職務環境の追求・・・法人は職員を支え、学び努力する姿勢を応援し、職員の自己実現が可能な職務環境を追求します。 ・今を、未来を支える福祉の追求・・・私たちは常に自分たちの在り方を見直し、地域が求める福祉に対応できる組織であるため、改善を続けます。そして、より良い福祉の実現を目指し、挑戦を続けます。 この法人理念のもと、私たち天神ホームは、「お一人おひとりを大切に。在宅生活の延長を」をモットーに、『お一人おひとりの生き方を大切に』『目的を持った生活を大切に』『ご家族や他の人とのふれあいの機会を大切に』という3つの大切の実現を目指していきます。 |
横浜市天神ホームは横浜市南区の浦舟複合福祉施設ビルの4、5階にあります。横浜市の指定管理者の施設で、法人は地域ケアプラザ、障害者施設、就労支援施設等を運営しています。従来型の施設ではありますが、居室は個室と二人部屋で構成されており、二人部屋でも居室の入り口とは別に扉と壁が設置されていてプライバシーに配慮した環境となっています。フロアは2つのユニットに分かれており少人数での個別ケアが実施されています。環境への配慮のほか、食事に関しても家庭的で季節感のある工夫を凝らした食事を提供し、選択食や出前など利用者が選ぶ、決めることも楽しみとなる取り組みがあります。 半数以上の職員が10~20年勤務しており、介護職員、看護師、管理栄養士、生活相談員、介護支援専門員がそれぞれの専門性を活かしたチームケアに取り組んでいます。勤務年数が少ない職員からの意見・提案もケアに取り入れるなど、働きやすい職場環境が作られています。また、記録のICT化と見守り支援システムを導入し、ケアの質の向上と業務の負担軽減につなげています。 |
評価実施期間 | 2023/11/07(契約日) ~2024/03/19(評価結果確定日) |
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受審回数(前回の受審時期) | 4 回(2019年度) |
特長や今後期待される点 | ◆職員目線での職務改善が働きやすい環境をつくり職員が定着しています 上司との面談において就労状況や勤務についての意向を確認し、日勤専従など生活スタイルに合わせた勤務形態で勤務することができます。研修で習得したことを実際のケアで提案、ケアの質の向上につなげるなど職員のモチベーションが高まる職場環境ができています。また、職員が努力したいポイントと上司が評価したいポイントの目線を合わせる目標支援制度があり、キャリアアップにつながっています。育児の先輩からの声をガイドブックにして産休や育休の申請、助成金の申請等、分かりやすくしています。介護記録ソフトや見守り支援システムの導入は業務の負担軽減になっています。希望に沿った勤務形態や意見・提案のしやすさ、職員目線での職務環境の改善等が職員の定着につながっています。 ◆多職種の連携・協力体制があり、チームケアが機能しています 施設独自の褥瘡発症予測・評価表(ブレーデンスケール)で褥瘡リスクのある利用者を把握し、栄養アセスメントで利用者の栄養状態を把握、職員で共有しています。終末期ケアにおいても、自分の口から食べる楽しみを最期まで得られるよう介護職員、看護師、管理栄養士、生活相談員、介護支援専門員の専門職が連携しています。排泄についても排泄用品の業者との連携で利用者個々に適した排泄用品を使用しています。機能訓練についても機能訓練指導員と介護職員が連携して生活リハビリを行っています。介護記録ソフトの導入で記録が一元化されたことで利用者の体調変化等、情報の共有化が図れています。施設サービス計画書は多職種が連携して作成し、利用者の対応や介助に専門職が応援に入ることもあります。職員アンケートには多職種の協力体制ができているとの意見が散見できました。 ◆施設の現状を理解してもらうためにも、家族とのつながりがもてる工夫が望まれます 利用者の体調の変化等がある場合は生活相談員から家族に報告しています。施設サービス計画書の見直し・作成のときは本人・家族に意向を確認し、サービス内容を説明しています。家族宛てにお便りを発送していましたが、現在は、お便りは作成していません。面会は感染予防のため面会室で行っており、家族会もなく入所のときの見学も行えていない方もいます。施設の現状等を理解してもらうためにも家族とつながりがもてるよう、さらなる工夫が望まれます。 |
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今回の受審で5回目の受審となりました。はじめての神奈川県版での受審となりました。過去の4回と違い、自己評価の「共通評価基準」の項目が多くなっており、職員一人一人がこの項目を理解することの重要性を認識しました。現場職員は「内容評価」項目に軸足を置きがちであるので「共通評価」項目を適切に把握して業務を行っていくことが求められていることを理解させていただきました。 前回はコロナ禍の前に受審をしました。コロナ禍を経験してその間に提供してきたサービスがコロナ禍前と大きく変化してしまったことを受審して改めて整理する良い機会となりました。 また、前回受審時の評価点や改善点に対して改善できているのかできていないのか。評価点はさらに良くすることができているのかなどの確認の場としても活用させていただきました。 ご家族や関係者の皆様にはアンケート調査にご協力をいただき誠にありがとうございました。なかなか伺うことができないご意見をいただきました。これからの施設運営に役立て、皆様に信頼される施設を目指してまいります。 |
詳細評価PDF |
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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 |
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【第三者評価結果:b】 法人の理念・基本方針はパンフレットやホームページに明記されており、利用者の幸福の追求を第一に考え、職員の幸福、未来の福祉の追求にも触れており法人の福祉に対する取り組みの姿勢が読み取れるものとなっています。職員に対しては入職時の面接や新人研修で説明しています。利用者や家族に対しては施設の見学時や利用契約時にパンフレット等を用いて説明しています。今後利用者や職員に対する周知状況の確認と、継続的に周知していくことが期待されます。 |
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 |
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【第三者評価結果:a】 社会福祉事業全体の動向については、法人からの情報や法人内の施設長会議等を通じて法人全体で把握することを心がけています。また、施設長は神奈川県・横浜市の社会福祉協議会の高齢者部会に参加し情報を収集しています。施設長は南区社会福祉協議会の監事を務めており、理事会や評議員会に参加し、地域のニーズ把握にも努めています。法人は入所施設6施設の他、地域ケアプラザ、障害施設等幅広く運営しており、幅広い情報の収集ができています。法人内入所施設の施設長会議を2ヶ月に1度開催し、各施設の利用状況やコスト等について情報交換をしています。 |
【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。 |
【第三者評価結果:a】 法人内で年に4回理事長・事務長・経理課長・事業部長、コンサルティング会社の担当者を含めた「事業部会」を開催しています。「事業部会」では利用率やコストの分析等事業運営や経営状況の分析を行い、課題や問題点を明らかにしています。そこで抽出された課題については施設長から職員に対し職員会議等で説明し、課題があげられた各部署を中心に改善策を検討し、課題解決に向けて取り組んでいます。課題や改善策について法人内の施設でも共有し、他の施設の課題解決にも活かされています。 |
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 |
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【第三者評価結果:a】 施設は横浜市の指定管理者制度の公募により5年間の指定を受ける指定管理者施設(以下指定管理施設)となっており、行政と民間事業者が双方向のコミュニケーションを通じて、それぞれのノウハウや経営資源を最適な形で組み合わせることにより市民サービス向上と地域活性化を図るといった指定管理者よる共創推進を目的としています。5年毎の指定管理者の選考の際に5年間の事業計画の策定が求められており、その内容は「サービスの質の向上による市民の健全で安らかな生活への寄与」「職員の定着」「ICTの導入」「BCP策定」等様々な課題の解決に向けた具体的な取り組み等となっています。その計画を中・長期計画とし、5年に1回見直し、再策定をしています。 |
【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 |
【第三者評価結果:b】 法人の中・長期計画に基づいた法人としての事業計画が理事長より示され、その計画を踏まえた施設としての単年度の事業計画を施設長が中心となり策定しています。施設長は事業計画策定までに職員会議や日々の業務の中で各部署・職員に意見を聞き取り事業計画の内容に反映するよう努めています。事業計画の内容は職員体制や身体拘束廃止・認知症への取り組み・看取り介護への取り組み・近隣他機関との連携・地域団体との連携等となっています。職員に対しては事業計画の内容から「今年度の注力項目」を書面にまとめ分かりやすく周知する他、パソコンのシステムで確認できるようになっています。今後、数値目標の設定等により評価が行える内容の事業計画が期待されます。 |
【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 |
【第三者評価結果:b】 毎年12月下旬に法人から法人の事業計画が発表され、施設毎の事業計画、収支予算書作成を指示されます。その際に作成期限、作成方法等の説明が行われます。施設長は各部署からの意見や次年度の予定(行事予定、必要物品等)等を確認し、1月には事業計画、2月には収支予算書の作成を行います。事業計画の職員への周知は職員会議で書面にて配布する他、施設内のパソコンのシステムで確認できるようにしています。事業計画の実施状況は職員会議等で確認し、変更の必要性があれば都度見直し・修正を行っていますが記録はしていません。今後事業計画策定にあたり、職員の参画や評価を実施した記録等の作成が期待されます。 |
【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。 |
【第三者評価結果:b】 事業計画は施設入り口にファイルし誰でも閲覧可能な状態となっており、利用者の家族には事業計画書が閲覧できることを説明していますが、利用者や家族に対し事業計画の説明をする機会はなく、分かりやすく説明するための資料の作成や配布も行われていません。今後利用者や家族の事業計画の策定への参加を促すため、分かりやすい資料の作成や事業計画の内容の説明・周知の機会をもつことが期待されます。 |
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 |
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【第三者評価結果:b】 事業計画の実施状況は、事業計画を基に各部署・各委員会で立てた計画や目標の達成状況等の確認により評価しています。その評価を基に次年度の事業計画の策定や課題の抽出を行う仕組みとなっています。施設としての自己評価は実施されていませんが、指定管理施設であるため指定管理期間に1回第三者評価を受審し、その結果・内容を職員会議で共有・分析しています。今後更なる福祉サービスの質の向上に向けた定期的な施設としての自己評価を実施することが期待されます。 |
【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 |
【第三者評価結果:b】 第三者評価の結果は職員会議の他、パソコンの情報共有システムや書面での回覧により職員に周知しています。第三者評価の結果から各部署・各委員会が課題を抽出し職員会議で共有化を図る仕組みとなっています。職員会議等で課題について改善策や改善計画を検討・実施していますが、内容は文書化されていません。今後評価結果を分析・検討し改善策や改善計画策定について文書化されることが期待されます。 |
評価対象Ⅱ 組織の運営管理
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 |
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【第三者評価結果:a】 施設長は施設運営の責任者とされています。年度の事業運営の方針や取り組むべき課題等は年度はじめの職員会議にて施設長から職員に周知しています。施設長の役割や責任を含む職務分掌は法人の服務規程に明記されており、職員に対しては文書や職員会議等にて周知しています。服務規程には施設長不在時の権限委任等も明記され、職員はいつでも書面にて確認できるようになっています。 |
【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 施設長は介護保険法、個人情報保護、人事労務、財務、リスクマネジメント、ハラスメント等遵守すべき法令等の把握・理解のため、法人からの情報や横浜市からのメール配信情報の確認や関連法令についての研修に参加しています。また、横浜市社会福祉協議会の高齢福祉部会への参加等により新しい情報の把握に努めています。倫理や法令遵守については法人が実施する研修において職員にも周知しています。 |
【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:a】 施設長は職員会議や各部署、各委員会からの報告、日々の業務の確認や職員との対話等によりサービス実施の現状について確認・評価・分析をしています。今年度は職員の業務負担軽減に注力し、職員の意見も参考に業務内容・方法の改善に取り組んでいます。介護記録等のICT化や利用者の行動・体調を確認するための支援システムを導入し業務負担の軽減が図られています。新入職員からキャリアに合わせた様々な研修を計画し、職員の知識や技術向上を図っています。職員が負担なく受講できるよう集合研修の他オンライン動画研修も導入しています。 |
【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:a】 施設長は毎月財務諸表を作成し、事業活動収入、人件費、事務費、事業費等の確認・分析を行い法人へ報告をしています。業務遂行上の必要人数等を確認し、収支との兼ね合いを確認し職員配置を行っています。業務遂行にあたり職員の意見も積極的に取り入れ、ICT化や福祉機器の導入等により働きやすい環境整備に努めています。法人内の入所施設の施設長で構成される「入所施設部会」では理事長・各施設の施設長がそれぞれの施設の経営状況や課題を報告しています。他施設の取組を参考にし相互に業務改善を図っています。 |
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 |
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【第三者評価結果:a】 職員の配置に関する計画は事業計画に定めており、各年度の事業計画において専門職(有資格者)を含め配置の必要人数等を明記しています。人材育成については、等級や職種別に計画している「メディパスアカデミー研修計画」や施設内のOJT、施設内研修等において職員の育成が計画的に実施されています。人材の採用については必要な職種や人数等を施設長が法人に報告し、法人の人事課がハローワークや民間の求人媒体、法人のホームページやSNSを活用し行っています。 |
【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 法人の設定する「目標支援制度」・キャリアパスにより、職種や等級毎に求められる役割や知識・技術等「期待する職員像」が明記されています。法人の服務規程に採用・配置・異動・昇進・給与・賞与等が定められ、職員には入職時に書面を配布し説明しています。人事考課については「考課制度」と職員個人が課題を定め目標を設定し、上司・施設長と定期的な面談で達成度を確認する「目標支援制度」により実施しています。定期的な面談においては職員の業務に対する意向確認も行い、意向に沿った業務にあたることができるよう配慮しています。また、キャリアパス制度により、職員が目指すキャリアに達するためにどのような知識や技術が必要かが明確になっています。 |
【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 |
【第三者評価結果:a】 労務管理に関する責任者は施設長としています。職員の就業状況の確認や意向については施設長や上司との面談において確認をしています。施設長と主任は有給の取得や時間外労働についても把握し、職員の意向に沿ったシフト作成をしています。毎年職員には健康診断やメンタルヘルスチェックを行うほか、施設長や上司との定期的な面談や日々の会話の中で心身の状況について把握しています。法人内には相談窓口の設置をしており職員にも周知しています。職場のICT化や福祉機器の導入、日勤専従での正職員制度等働きやすい環境作りに努めています。 |
【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 法人の定めるキャリアパスには職種や等級ごとに必要な知識・技術・資格等が明記されています。職員は前年度の振り返りから目標を決定し、年度の中間・年度末に目標評価シートにて自己評価を行った後、直属の上司と目標の達成状況を確認しています。その後上司の直属の上司が評価内容を精査し人事考課も踏まえ法人の調整会議で判定を行います。目標の達成状況や年末に周知される次年度の法人の目標設定を踏まえ、職員は次年度の目標設定をしています。 |
【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 |
【第三者評価結果:a】 法人の「目標支援制度マニュアル」に期待する職員像や職員に必要とされる専門技術や専門資格が明記されています。法人の年間研修計画の他、施設内研修等により教育・研修が実施されています。集合研修の他、オンライン研修や動画視聴研修等様々な形態の研修を実施しています。研修受講者は研修報告書を提出し、他の職員に周知の必要があれば伝達研修や資料の回覧も行っています。研修計画は職員の受けたい内容や研修に対する意見を収集し毎年見直しをしています。 |
【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。 |
【第三者評価結果:b】 職員の経験や専門資格の取得状況については入職時に確認し、入職後の資格取得についても把握しています。新入職員に対しては同じ部署の先輩が3ヶ月を基本としたOJTにあたり業務の指導にあたっています。各実務を経験した半年後にはフォローアップ研修にて振り返りを行いモチベーションの向上を図っています。法人の年間研修や施設内研修では階層別・職種別・各テーマに沿った研修等を計画し、集合研修・オンライン研修・動画視聴研修等にて職員が受講しやすい体制としています。今後外部研修の情報の周知、受講をすすめることにより更なる職員の知識・技術向上が期待されます。 |
【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 |
【第三者評価結果:a】 「実習生受け入れマニュアル」を整備し、介護福祉士指導者研修の受講をした職員が指導にあたっています。現在介護専門学校が減少し、実習生も少なくなっており、看護学校・大学等からの実習生や横浜市の教員の研修が主となっています。高齢者施設のため看護学生に対しても基本的には介護に関する実習を実施し、実習期間の中で1日は施設の看護師が指導にあたる体制となっています。実習内容やプログラムについては受け入れ時に学校の指導者・実習生とオリエンテーションを行いプログラムを構成しています。実習期間中にも学校の指導者と連絡をとり、実習の進捗状況を伝える等連携しています。 |
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 |
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【第三者評価結果:b】 ホームページには法人の理念や基本方針、事業計画・事業報告・個人情報保護に対する取り組み・入退所指針等が公開されています。横浜市の指定管理者として市のホームページに事業計画と予算書が公開されていますが、今年度分を含めた数年分は掲載されていません。苦情・相談の体制については利用者家族に対しては重要事項説明書にて説明するとともに施設玄関に施設の苦情受付担当者・苦情解決責任者・第三者委員の指名・連絡先を明示しています。現在地域に向けた広報誌等の発行はしていないため、今後は施設が行っている活動等を説明した広報誌の発行や、毎年度の事業計画・事業報告・予算決算情報、第三者評価の受審結果の公表等、地域の福祉ニーズに向けての情報発信等が期待されます。 |
【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 法人の経理規程に事務・経理・取引に関する内容が規定されています。法人の服務規程に職務分掌と権限・責任が明記され、どちらも入職時や職員会議等で職員には周知されています。法人内の施設には定期的に事務長・経理課長・事務部長による内部監査を実施しています。また、法人には毎年、法人内施設には不定期に監査法人による監査が実施されています。内部監査・外部監査とも受審後には財務管理・経理管理・組織運営等に関する助言を受け、経営改善に向けた取り組みを行っています。 |
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:b】 地域との関わり方について、法人の理念「地域貢献の追及」として「地域に開き、地域に赴き、地域の声を聴く。私たちは常に地域に寄り添い、真の地域貢献を追求します。」と明記してしています。近隣の学校の運動会や保育園のお茶会、大鷲神社の酉の市や夏祭りなどに参加していましたがコロナ禍で地域交流が行えない状況になりました。今年度は浦舟納涼祭が再開され、地域の人々と施設の利用者が参加しました。また、利用者の外出も難しい状況が続いていますが、今年度から面会に来た家族と共に外出し、近隣の散歩や大岡川の花見などに出かけています。 |
【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 |
【第三者評価結果:b】 「ボランティア活動運営マニュアル」「ボランティアの皆さんへ」「~活動にあたってのお願い~」「職員向けボランティア受け入れに関するマニュアル」を整備して、目的や活動内容、手続き、登録、事前説明などを詳細に記し、ボランティアと職員が協力し合って地域と交流を深め、利用者のQOLや生活を豊かにするために努めるとしています。クラブ活動の指導や各種レクリエーションの実施等のボランティアを受け入れていましたが、コロナ禍で途絶えていて、再開を検討しています。学校教育への協力として、中学生の職業体験の受け入れや福祉委員会などと交流をしています。また、事業計画に学校教育への協力を明文化しています。状況によりますが、ボランティア受け入れが再開されることを期待します。 |
【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 |
【第三者評価結果:b】 施設として必要な社会資源として、地域の関係機関等(行政や地域関係機関、病院、警察署、消防署、医療・福祉施設、地域ケアプラザなど)のリストや資料を作成して事務室に常備し、職員に周知して活用しています。施設長は南区社会福祉協議会に出席して地域の問題について話し合い、また、生活相談員や看護師など各職種の職員もそれぞれ関係機関と連携を図って取り組んでいます。 |
【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 施設は、南区社会福祉協議会や浦舟地域ケアプラザ、各種福祉団体で構成されている複合福祉施設にあり、それらの団体と必要に応じて交流や連携、団体主催の会合等に参加して地域の福祉ニーズ等の把握に努めています。法人は4つの地域ケアプラザを運営していて、地域の情報等を収集しています。また、生活相談員は地域の居宅介護支援事業所の介護支援専門員等と日常的に関わりを持ち、在宅サービスの提供等を通して、地域の課題の把握に努めています。 |
【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。 |
【第三者評価結果:b】 コロナ禍で地域の活動ができない状況ですが、生活相談員と居宅の介護支援専門員とで情報交換をして連携を図っています。また、地域ケアプラザ主催の福祉保健研修センターで実施された介護体験の講座で職員が体験を話したり、職業訓練校で介護の講師を務めるなど貢献しています。同一施設内、他の法人施設と一緒に「納涼祭」を実施して地域の人々の参加を募っています。大規模災害時の地域の要援護者のうち、体育館などでの避難に支障がある方の避難場所として「福祉避難場所」の役割を果たすことになっていて、その場合の必要物品や食料、水などの備蓄をしています。 |
評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 法人理念の第1項目に「ご利用者幸福の追求」として「私たちはご利用者を尊重し、生命、自由、プライバシイー、個々人の人格権を守ります。そしてQOLの向上に根差した、真の満足を追求します」と明示し、各部署に掲示して職員に周知を図っています。服務規程や施設運営規程においても利用者を尊重した福祉サービスの提供に努めることを職員の基本に定めています。職員には、倫理及び法令遵守に関する研修、高齢者虐待予防研修、拘束廃止研修等の様々な研修の機会を得て、利用者の尊重や基本的人権への配慮について理解できるよう取組んでいます。また、利用者本人調査などで、直接利用者から聴取したり、主任が把握した内容などを基に常に会議で話し合うように努めています。 |
【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 「プライバシー保護に関するマニュアル」を整備しています。また、「入浴介助・清拭マニュアル」「排泄介助マニュアル」には、羞恥心への配慮やそれぞれの場面で利用者の思いに配慮し、プライバシーを尊重して介助を行うよう、職員の行動手順等を示しています。職員には、研修等を通じて理解が図られるよう取組んでいます。居室の入り口や浴室の出入り口にカーテンをするなどプライバシーを守れるよう設備等の工夫をしています。利用者や家族には、契約時に契約書・重要事項説明書に基づいて説明を行っています。 |
【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。 |
【第三者評価結果:a】 理念や基本方針、施設の特性等を記載したパンフレットを入所申し込みセンターに据え置いています。居宅の介護支援専門員から情報提供の依頼もあります。パンフレットは、理念の他、事業内容、くらしの設備、施設案内図等を写真や図を用いて誰でもわかるような内容にしています。現在、入所希望は230名ほどで、毎月4~5名の利用希望者が来所しています。入所希望者にはおよそ40分かけて生活相談員がパンフレットを用いて説明し、相談にも対応しています。また、施設パンフレットの送付を希望した場合、料金表や概要をまとめたものを一緒に送付しています。ショートステイを利用することで体験入所を可能としています。情報提供は適宜見直しをしています。 |
【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。 |
【第三者評価結果:a】 サービスの開始時の前に生活相談員が訪問して、利用契約書及び重要事項説明書、料金表等を用いてサービス内容を丁寧に分かりやすく説明し、書面で同意を得ています。サービス内容の変更時は家族に書面を送付して説明を行い、同意を得ています。サービス内容は利用者や家族関係者の意見を聴取して、希望が反映できるケアプランを作成して同意を得ています。意思決定が困難な利用者に関しては、医師や看護師の意見を参考に、家族の意向に沿って対応するようにしています。 |
【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者の状態の変化が生じた場合など、福祉サービスの内容の変更は、継続性を考慮しながら、変化にあったサービスへと変更を行っています。変更の際は、利用者、家族、関係者への説明、同意を得たうえで行っています。コロナ禍で面会制限等が続いたためか、在宅介護に移行するケースもあり、円滑に在宅復帰できるよう、次に担当する居宅介護支援専門員や訪問看護に情報とサマリーを提供し、家族には、介護や看護指導、環境整備に協力しています。また、病状の悪化で長期入院や医療対応のための療養型への入院などでの退所は、書面や口頭で情報提供しています。 |
【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 利用者満足度調査を年1回実施しています。施設の快適さ、食事、入浴、排泄、余暇・生活の自由度、健康管理・機能回復、職員の対応、施設への要望等の項目に関して、生活相談員が利用者一人ひとりから聞き取りを行っています。利用者からの意見を集約し、課題や検討項目を抽出して会議等で話し合いをして、業務改善につなげています。また、管理栄養士も、年1回嗜好調査を実施して、より良い食事提供に役立てています。利用者会や家族会は設置していません。 |
【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 |
【第三者評価結果:b】 「苦情解決に関する規程」が定められ、苦情受付担当者、苦情解決責任者、第三者委員を設置して苦情解決の仕組みを整備しています。苦情解決の仕組みとして「『苦情申出窓口』の設置について」を玄関ホールに掲示し、受付担当者は相談員、解決責任者は施設長、第三者委員の氏名と連絡先を示していますが、重要事項説明書には、第三者委員の氏名・連絡先の明記がありません。苦情内容について、受付と解決を図った案件についての苦情対応経過は記録に残しており、個人情報に配慮したうえで事業報告書で公表しています。また、法人内の他施設の苦情等を各施設で共有できる仕組みになっていて、サービスの質の向上に向けた取組が行われています。 |
【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。 |
【第三者評価結果:b】 利用者や家族が相談したり意見を述べたりする際に、複数の方法や相手を選べることを重要事項説明書(苦情相談窓口、行政機関その他の苦情・相談窓口の氏名・連絡先)で周知していますが、第三者委員の氏名・連絡先の記載がありません。利用者・家族等とは日頃から関係性を構築しており、何かあった時は直接職員に意見を伝えることができるよう配慮しています。また、相談室を使用して利用者や家族等が意見を述べやすい環境を整備して意見の聴取に努めています。 |
【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 |
【第三者評価結果:b】 生活相談員は、日頃から居室やフロアをまわり、利用者からの意見の聴取に努めています。また、他の職員が受けた意見で解決が難しい場合などは、生活相談員に報告され、改めて利用者と話を聴くように配慮しています。事務室前に「御意見・苦情受付箱」をメモと共に設置しています。利用者満足度調査を年1回実施し、施設への要望等の項目に関して、生活相談員が利用者一人ひとりから聞き取りを行っています。相談や意見を受けた際の記録の方法や報告の手順、対応策の検討等は「苦情解決に関する規程」に基づいて対応しています。検討に時間がかかる場合は、その都度経過を報告して、迅速な対応を行っています。定期的な見直しはこれからとなっています。 |
【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 |
【第三者評価結果:b】 介護事故発生防止の指針を定め、それに基づく「介護事故防止・対応マニュアル」を定めています。マニュアルは、介護事故防止の基本事項や体制を規程し、管理者や管理者補佐、リスクマネージャー等を明確にして、事故発生時の対応や報告手順を定めています。新人及び全職員に向けて、安全確保・事故防止に関する研修を実施しています。2か月に1回、施設長、相談員、介護員、看護師、栄養士などの各職種の職員が参加する事故防止対策委員会を設置し、マニュアルの見直し、事故事例の収集、事故分析、改善策などの検討を行っています。また、過去の介護事故を検証して、環境要因を考え、以後の介護事故防止に役立てるよう取り組んでいます。ヒヤリハットの事例収集は、職員の危険への気付きを促す意味でも必要です。今後は、事故が起きる前のヒヤリハット収集の取組を期待します。 |
【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 「感染症及び食中毒の予防及び蔓延防止マニュアル」を整備し、マニュアルに沿って感染対策に取組んでいます。感染症・食中毒予防や安全確保に関する施設内研修を行っています。新型コロナの影響により施設運営に様々な面で大幅な支障が生じ、現在もコロナ禍前の運営には戻っていない状況です。施設は、これを教訓に、専門家と一緒に感染症への対応のBCP(事業継続計画)を作成し、平常時の対応や感染症発生後の様々な感染拡大レベルに応じての対応ができるよう取り組んでいます。また、各職種の職員が参加する感染症対策委員会を3か月に1回開催して、感染症の予防に努めています。マニュアルは、法改正などに合わせてその都度見直しています。 |
【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 地震・風水害・新型感染症発生時の業務継続計画(BCP計画)を専門家と協議しながら作成しています。それを基に様々な災害が発生した場合の職員の行動マニュアルが示されており、利用者・職員の安全を確認したうえで業務を復旧し地域の要望に応える介護サービスの提供を続ける取組を実施しています。様々な災害や感染症にあわせたシミュレーション訓練を実施し、実施結果を記録して、訓練の振り返りを行っています。また、職員には、一斉通報システムを導入して、地震時の職員の安否確認・参集確認の訓練も実施し、「大規模災害発生時の初期行動マニュアル」を配布しています。栄養士は担当者として、食料や備品類等のリストを作成し、備蓄を整備しています。防災訓練は、複合ビルの防災センターが全体の統括として、自衛消防組織が設置され、他団体と共同で消防訓練等を実施しています。 |
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。 |
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【第三者評価結果:a】 標準的な実施方法は、各種マニュアルに記載しています。介護職員の業務マニュアルは様々な場面に応じた20種類のマニュアルに分かれ、具体的な内容となっていて、職員の業務の標準化を図ってサービスを提供しています。また、入浴・排泄介助、食事、居室などそれぞれの場面で、利用者の尊重、プライバシー保護や権利擁護に関わる姿勢を具体的に明示しています。職員には、各委員会の議事録を回覧して状況を周知し、研修を実施して周知徹底を図っています。施設サービス計画に沿った適切なサービスが提供されているかについては、モニタリングを実施して確認しています。 |
【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 |
【第三者評価結果:a】 標準的な業務マニュアルの変更は、必要が生じた場合にその該当部署で見直し、修正をしたマニュアルを職員会議や各種の委員会開催時に提案して決定しています。各種の委員会では、マニュアルの見直しを定期的に検討しています。その際には、委員会職員は他の職員から広く意見を求め多くの職員の意見を反映するよう努めています。また、感染症など法令の改正や新たな発生でサービスの提供を見直しをする際には、職員はすぐに集まって各部署間で連携を図って対応しています。 |
【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な福祉サービス実施計画を適切に策定している。 |
【第三者評価結果:a】 入所時の利用者の状況を確認し、利用者や家族の意向を把握・分析し、必要なサービスを明確にするアセスメントを実施しています。介護支援専門員は施設サービス計画の責任者として、プランの原案を作成し、サービス担当者会議を開催して介護職員、看護師、生活相談員、管理栄養士等の多職種が連携して施設サービス計画を策定しています。また、必要に応じて嘱託医や歯科医師、歯科衛生士などから意見や助言を参考にしています。施設サービス計画の作成にあたっては、利用者や家族の希望を事前に聴取して反映するように努めています。「モニタリング総括表」では、短期目標の実施状況と達成度などを記載して、目標に対する評価を行っています。モニタリングを用いて施設サービス計画の見直しを行っています。 |
【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に福祉サービス実施計画の評価・見直しを行っている。 |
【第三者評価結果:a】 施設サービス計画書作成にあたって、アセスメントの課題分析を行い、ニーズを抽出して目標を設定し、原案を担当者会議で検討して利用者・家族の同意を得て計画を交付する手順を定めています。また、交付後は、モニタリングをし、アセスメントにつなげるPDCAサイクルになっています。施設サービス計画は、6か月に1回、定期的に見直していますが、初回は3か月で見直しをする丁寧な対応をしています。入院など状況の変化があった場合や変化が生じた場合はその都度見直しを行っています。介護記録ソフトを使用して施設サービス計画を作成していて、長期目標、短期目標、サービスニーズ、サービス内容を記載しています。各部署の職員は閲覧、確認できるようになっており、各職員には周知しています。 |
【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。 |
【第三者評価結果:a】 介護員の記録、看護師の記録などと分かれていた様式を介護記録ソフトを使用して実施情報を記録することで、それぞれの記録が一元化され、サービスの実施状況の確認が容易になっています。職員は出勤したらソフトを確認することになっていて、各職員が利用者の情報を把握しやすく、確認したい項目を容易に抽出でき、必要な情報を得ることができています。記録の記入はタブレットもしくはPCで行っています。タブレットを使用することで、持ち歩き、その場で記入でき業務の削減に役立っています。また、ケアカルテなどの記録の研修を実施し、文章の表現方法、文言の使い方などを施設長や相談員が会議で伝え、理解を図っています。 |
【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。 |
【第三者評価結果:a】 個人情報取扱指針(特定個人情報以外)等で利用者の記録の保管、保存、廃棄、情報の提供に関する規定を定め、個人情報の不適切な利用や漏えいに対する対策と対応方法などを規定する管理体制になっています。個人情報に対する基本方針や利用者の個人情報の利用目的等は玄関の掲示板に掲示して利用者等に周知しています。また、入所契約時に契約書及び重要事項説明書で説明し同意を得ています。指定管理施設ということで横浜市から個人情報取扱実地調査も実施しています。全職員には、職員研修を実施し、個人情報保護に関して理解と遵守を図っています。 |
評価結果内容評価
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。 |
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【第三者評価結果:a】 利用者・家族の意向、生活習慣等は入所時の面談で聞き取りをしています。感染症予防で活動は休止していますが、歌声・歌謡・朗読・体操等のクラブがあります。また、DVD鑑賞や食事・おやつレクリエーションのほか、塗り絵、計算ドリルなどの個別の活動をおこなっています。居室は一人部屋と二人部屋があり、二人部屋も壁で仕切られており個室に近い環境となっていて、他者の視線を気にせず利用者個々にあった生活をしています。食事、起床時間等は概ね決められていますが、利用者の心身の状況、本人の希望に柔軟に対応しています。 |
【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。 |
【第三者評価結果:評価外(特養、通所、養護・軽費)】 |
【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。 |
【第三者評価結果:評価外(特養、通所、訪問)】 |
【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。 |
【第三者評価結果:b】 日常のケアの際に利用者への声かけを行い、何気ない日常の会話の中から利用者の思いや希望を把握するよう努めています。聴力に障害のある利用者とは、ホワイトボードを利用して筆談でコミュニケーションとっています。生活相談員による利用者満足度調査を実施し、利用者一人ひとりから食事、入浴、排泄、余暇活動、職員の対応等について丁寧に聞き取りをしています。日常でも、居室担当者を定め利用者にも説明し、希望や心配事などを話しやすくする工夫をしています。入所期間が長い利用者もいることから慣れあいになっていると思われるところもありますが、利用者の呼び方は統一しており、認知症の方への対応は安心感を持ってもらえるよう接しています。 |
【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。 |
【第三者評価結果:a】 身体拘束適正化委員会では自主点検表に基づいてチェックを行い、身体拘束は行わないケアを継続しています。高齢者虐待防止・身体拘束廃止マニュアルが整備され、施設内研修では身体拘束廃止の取り組みについて、身体拘束を行ってはいけない理由、やむを得ない3つの要件、事例を挙げています。研修では、身体拘束適正化委員会の重要性についても学んでいます。利用者、家族には契約のときに身体拘束は行わないことを説明しています。 |
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。 |
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【第三者評価結果:a】 居室、食堂、デイルームともに広く、天井も高さがあり開放的な空間になっています。施設内は清潔で室温も適切に管理され、LEDライトで明るい雰囲気が保たれています。食堂に配置されているテーブルは隣のテーブルとの間に十分なスペースがあります。デイルームにはソファーが設置されており、ゆったりと過ごすことができます。従来型の施設ですが、個室が40室、二人部屋が20室で、二人部屋の仕切りに壁が設置されており、個室のような環境設定がされています。「お一人おひとりを大切に、在宅生活の延長を」施設の理念として掲げており、家族写真や仏壇、歌手のポスター、好きな映画のポスターなど馴染みのものを持ち込んでもらい、利用者のこれまでの生活を尊重した過ごし方ができるように配慮しています。 |
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 入浴支援については、利用者のADLに合わせて安全で快適な入浴ができるよう支援しています。一般浴、個浴、機械浴があり、浴室と脱衣室は広く十分なスペースがあります。入浴の可否を判断するのは看護師で、食事量や検温などのバイタル測定、健康チェックを行って必要な場合は入浴はせず清拭に代えています。入浴の拒否がある場合は日を改めて促しています。皮膚疾患等により毎日入浴が必要な場合、利用者が希望する場合は入浴の回数を増やすなど個別に対応しています。利用者の身体状況、自立度、意向に合わせて入浴形態を検討し、介助や見守りを行っています。また、入浴介助や誘導にあたってはマニュアルに沿ってプライバシーへの配慮も徹底しています。 |
【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。 |
【第三者評価結果:a】 排泄の支援は、自立排泄、トイレ誘導、ポータブルトイレ使用、オムツ使用があり、夜間のみトイレ誘導やポータブルトイレ使用、オムツ使用という場合もあります。アセスメントで把握した利用者のADL等に応じ、排泄マニュアルに沿って排泄の支援方法を決めています。簡単に装着できる尿取りパットを使用して排泄の自立を支援し、便秘の方にはヨーグルトや乳製品を提供して自然な排泄を促しています。排泄用品の業者の協力を得て尿量チェックを行い、利用者個々に適した尿取りパットを使用しています。また、呼吸や心拍数、体動を測定し、睡眠状態が把握できる見守りシステムの導入で、利用者の睡眠状態に応じて夜間のトイレ誘導やオムツ交換を行い睡眠の妨げにならないよう配慮しています。排泄支援の方法について、排泄用品の業者と定期的に研修を実施しています。 |
【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者の心身の状況や意向を踏まえ可能な限り歩行できるよう支援しています。歩行状態が不安定な利用者でも安易に車いすで移動介助をすることはなく、職員の手引き歩行や肘置き部分に握るレバーが付いた歩行器を使用して移動の自立に向けた働きかけをしています。ベッドから車いすへの移乗についてはL字型の介助バーを使用し、スライディングボードも使用しています。移乗時の転倒防止事故を防ぐためにセンサーを設置するなど安全にも配慮しています。車いすは自走用と介助用があり、車いすから立ち上がる際は自動でブレーキが掛かるリクライニングの車いすも使用しています。見守り支援システムでベッド上での利用者の体動等を把握することができ、ナースコールを使用できる方も多く、移動・移乗の自立と安全確保に取り組んでいます。 |
【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。 |
【第三者評価結果:a】 行事食、選択食、お好み食などがあり、利用者の生活の中で食事は大きな比重を占め、楽しみとなる食事を「潤いのある施設つくり」のための重要な位置づけとして取り組んでいます。新年会の餅つきや寒い冬の鍋パーティーで季節感を感じてもらい、旬の食材や味を活かした家庭的な食事を提供しています。希望の出前をとるお好み食では利用者全員に聞き取りをして寿司や中華料理などの出前をとっています。お誕生会献立やおやつレクリエーション、世界の料理など工夫を凝らした献立もあり、利用者の出身地の郷土料理はご当地グルメと題して提供しています。食器は家庭的な雰囲気を感じられるものを使用し、主食や副食を盛り付ける際は視力に障害のある方でも見やすいよう黒い茶碗を使用し、食材の彩りにも配慮をしています。テーブルやイスは高さ調節ができるものを使用しています。施設の管理栄養士のほか、調理を依頼している業者にも管理栄養士が在籍しており、衛生管理も適切に行われています。 |
【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者の状況や嚥下能力により常食、一口大、軟菜食、ミキサー食、ゼリー食を提供しています。主食も米飯、おにぎり、粥、パン、パン粥、麺類と選ぶことができます。加齢に伴い食事摂食・嚥下機能、認知機能が低下しても、最期まで自分の口から食べる楽しみを得られるよう管理栄養士、看護師、介護士等の専門職が連携しています。嚥下機能については歯科医師の評価を受け、食事形態や介助等の指示を受けています。食事、水分の摂取量を把握し、3ヵ月に1回は体重を測り利用者一人ひとりの栄養状態を把握しています。また、身長、体重、BMI、食事摂取量等をアセスメント・モニタリングして、低栄養のリスクのある方の評価を行っています。低栄養リスクのある利用者は本人、家族の意向等を聞いて栄養補助食品の提供や利用者が食べたいもの、家族が持参したものを食べてもらうなど、最期まで口から食べられるよう支援しています。管理栄養士は栄養ケアマネジメントを行い、各職種と連携して食事摂取、嚥下機能、食事形態に配慮した栄養ケア計画を作成しています。食事の時間は利用者個人のペースに合わせて早目に配膳したり、起床時間に合わせて提供するなど柔軟に対応しています。食事のときの姿勢にも配慮し、握りやすいスプーンの使用や、すくい易い形をした食器の使用で食事の自立を促し、利用者の心身の状況に合わせた食事の提供を行っています。 |
【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。 |
【第三者評価結果:a】 食後、就寝前の歯みがきは自立している利用者は少なく、介護職員は歯科医師、歯科衛生士から口腔ケアについての技術的助言と指導を受け、利用者の口腔機能の維持に努めています。唾液の分泌を促すために昼食前にラジオ体操、口腔体操を実施するよう歯科医師、歯科衛生士から助言があり、実施しています。咀嚼・嚥下機能の評価は歯科医師が実施し、食事形態の変更等の指示を受けています。口腔衛生管理体制についての計画書は介護主任が作成しており、口腔ケアの実施目標は実施場所や実施時期など具体的な方策が策定されています。口腔ケアの実施方法等について歯科医師による研修もあり、利用者個別の状況に応じた口腔ケアの実施に取り組んでいます。 |
【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。 |
【第三者評価結果:a】 褥瘡対策のための指針が整備されており、褥瘡発生予防・対策に取り組んでいます。入所時に褥瘡の状況等を確認し、「褥瘡に関するスクリーニング・ケア計画書」を作成しています。褥瘡の有無、危険因子の評価は、褥瘡ブレーデンスケールを参考にして作成した施設独自のもので、褥瘡の深さ、大きさ、浸出液、炎症反応・感染状況、壊死組織の有無等を点数化して評価しています。点数が18点以下の利用者を褥瘡ハイリスク者としています。褥瘡ハイリスク者と褥瘡に関するスクリーニング・ケア計画書で危険因子と評価された利用者全員を対象に、施設長、看護師、介護副主任、管理栄養士、生活相談員が委員を努める褥瘡予防委員会で対応方法等を検討しています。血行不良等、褥瘡の発生や悪化が懸念される場合は医師に相談し、早期に医療機関の受診につなげています。褥瘡発生が懸念される場合は食事摂取状況の確認をしたり、エアマット等の使用で発生の予防に努めています。 |
【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:非該当(利用者の状況により)】 |
【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 看護師が機能訓練指導員として担当しています。利用者、家族の意向を取り入れ、日常生活の中で利用者の心身の状況に応じた歩行訓練、トイレでの立ち上がり、つかまり立ち、ベッド等への移乗のときの立位保持などを行っています。座ってできるおしぼりたたみの手伝いや体操等のレクリエーションへの参加も促し、可能な限り体を動かすよう取り組んでいます。体操のボランティアはコロナ禍で休止しており、介護職員が生活リハビリを実施しています。物忘れなど認知症が懸念される症状がみられたときは、加齢によるものか、認知症によるものなのか医師に相談をし、指示を受けています。コロナ禍で体操等のボランティアの受け入れは休止しており、生活リハビリが主になっています。利用者個別の身体状況等に応じた機能訓練・介護予防が期待されます。 |
【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。 |
【第三者評価結果:a】 入所時に利用者の日常生活動作、認知症高齢者の自立度を把握しています。アセスメントでは認知症の状況や症状に起因する行動等も把握しています。利用者の介助をする際は必ず声かけをして、何をするか伝えてから介助を行っています。入浴、排泄の介助に拒否がある場合は日にちや時間をずらすなど利用者のペースに合わせた対応を行っています。徘徊がある場合は他利用者との接触事故等に注意しながら、安心感を持ってもらえるよう付き添い、傾聴しています。また、暑さや寒さ、生活音や話し声などを不快に感じている可能性もあると考えフロアの環境にも配慮しています。認知症ケアについての内部研修を実施し、認知症の利用者とコミュニケーションをとるときは、心理面への配慮、価値観や考え方、生活習慣を受容し、自尊心を尊重するよう心がけています。 |
【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者の体調の変化に気づいたときの対応は、誤嚥、転倒、発熱、嘔吐、意識消失等、体調変化ごとにマニュアル化しています。マニュアルは各ユニットに置いて、職員がいつでも確認できるようにしています。日々の利用者のバイタル、食事量等、健康に関する記録は介護記録ソフトに記録をし、職員は出勤時に確認をしています。見守り支援システムの導入により利用者の体調変化にも気づきやすくなり、夜間は看護師と生活相談員がオンコールに対応しています。全ての薬は医務室で管理し、一日分を看護師が準備、別の看護師がチェックをしています。感染症や食中毒等、利用者の体調変化の対応、医療との連携についての内部研修を実施して迅速に対応できる体制が確立しています。 |
【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 施設としての看取り介護に関する指針があり、入所時に看取りに対する施設の考え方、方針を指針に基づいて説明しています。また、延命処置、胃ろう、看取り場所についての意向も確認し、「緊急時における延命処置希望確認書」「胃ろう・看取りに関する確認書」に署名してもらい、老衰や疾病により終末期と判断されたときには再度意向を確認しています。マニュアルにはターミナルケアの理念、目的、定義が明記されており、「最期のときまで心安らかに、穏やかに過ごせるよう日々、一刻を大切に見守り、援助する」としています。施設で終末期ケアを行う際は本人・家族の意向が明確であること、施設で終末期を迎えることが最も良いと明確になった場合等、終末期ケアの条件を明確にしています。終末期ケアに関する内部研修があり、職員の精神的ケアについても研修を実施しています。 |
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。 |
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【第三者評価結果:b】 利用者の体調等に変化があったときは家族に電話で報告をしています。定期的には、施設サービス計画書、栄養ケア計画書の見直しのときに利用者の様子が分かるよう報告をしています。利用者から要望があった場合にも電話やメールで報告をしています。毎週面会に来られる家族もいますが、遠方で面会に来られない家族には手紙で利用者の様子を知らせています。家族から相談を受けたときや連絡した内容は記録ソフトに記録してます。家族アンケートでは体調変化時の報告等、職員の対応に対して満足、どちらかといえば満足と回答した方が多く高い満足度が得られています。コロナ禍の影響もあって施設の現状を把握しにくいと思われますが、家族とのつながりがもてるよう更なる工夫、取り組みに期待します。 |
【A20】A-5-(1)-① 安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:非該当(特養、通所、養護・軽費)】 |