社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ポポラー横浜和田町園

2024年04月19日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社ミライ・シア

② 施設・事業所情報
名称 ポポラー横浜和田町園 評価対象サービス 2022~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60 名
所在地 240-0044
横浜市保土ケ谷区仏向町845-15 シティテラス横濱和田町エアーズコート1階
TEL 045-340-4030 ホームページ https://rabi-popo.com
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2016年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社タスク・フォースミテラ
職員数
常勤職員:9 名
非常勤職員:5 名
専門職員
保育士:11 名
施設・設備の概要
保育室:4室
調理室:1室
事務室:1室
トイレ:2か所
園庭:あり

③ 理念・基本方針
保育理念:色んな事に興味を持ち、自発的に取り組めるような積極的な子。自然に親しみ、自然と命を大事にする子。自立に向け努力と忍耐力を持って何事にも頑張る子の育成を目指し、個々の未来の可能性を実現出来るような体力と基礎的能力を培います。
基本方針:縦割り保育を採用し、幅広い年齢のお友達が一緒になって楽しめるシステムで感受性・想像性・思いやりを伸ばします。
年齢の違ういろんなお友達とふれずことこそが、子ども達の人間性の基礎を作る事に繋がると大事にしています。
子ども達の「生きる力」や「がんばる力」をはぐくむ人間教育という視点をもち、日々子ども達と関わっています。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
2~5歳児の縦割り保育の実施。生活を共にすることで、お友達に対しての思いやりの心や、自らやってみようとする自立の気持ちを育んでいきたいと考えている。
近隣に公園が多く、日々の戸外活動では公園までしっかりと歩き身体をたくさん動かすことを大事としている。
園の前に小学校が有、交流が行われることもある。何かあった際にはすぐに避難も出来るので、立地的にも安心して通って頂くことが出来る。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/10/01(契約日) ~2024/02/19(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(平成29年度年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1.縦割り保育を実施することで幅広い年齢層との交流ができています
園では2~5歳児の縦割り保育を行っています。縦割り保育では、年長児は年少児への思いやりの心が育ち、年少児は年長児への憧れが生まれています。5歳児では、当番活動を取り入れ、保育士の手伝いや年少児のお世話を行っています。誰かのために役立つことで社会性を育むことができています。また、給食時間には3、4、5歳児は4~5人のグループで一緒に食事をしています。3歳児はまだ野菜嫌いの子どもが多いですが、年長児が野菜を食べている様子を見て、真似をして少しずつ食べるようになっています。縦割り保育の中では、色々な年齢の子どもたちが協力して生活することにより、自然と人間性や社会性を身につけることができると考えています。

2.園の特徴を明確に打ち出し、保護者から高い支持を得ています
保育園が乱立している中、園の特徴を明確に打ち出して他園との差別化を図っています。上述の縦割り保育をはじめ、代表的なイベントであるキャンプには在園児のみならず、卒園児も参加できます。関東エリアの園児が1か所に集まる大運動会には約2000人もの参加があります。今回の利用者調査では回答した保護者のほぼ全員が「満足」以上と回答していることからも、高い支持を得ていることがうかがえました。

3.子どもの様子や表情を保護者に更に詳しく伝えたいと考えています
保育士は、保護者には毎日保育レポートアプリを通じて、子どもの様子を伝えています。また、降園時には口頭で丁寧に伝えるようにしています。その際には、玄関の掲示板に当日のカリキュラム内容を写真に撮り掲示することで、視覚的に分かりやすくしています。園としては、更に子どもが生き生きと活動している写真を掲示し、保護者との情報共有に役立てることも考えています。玄関には既にテレビモニターの設置状況を考慮し、それを活用することも視野に入れた取り組みに期待します。

4.理念等の実現に向けた園の中長期計画を策定することが望まれます
ホームページに法人の理念や明確な他社との違いを掲載し、目指していることを広く発信しています。しかし、それをどのように実現していくかを示す園の中長期計画が策定されていませんでした。一方で保育園を取り巻く環境についての情報収集はよくできており、系列園の全保護者を対象としたアンケートの実施や、職員からは毎月個人報告書を提出してもらい意向を把握しています。また、全国で事業を展開していることから業界の情報も十分に把握できています。これらの情報から課題を抽出し、中長期計画を策定することが望まれます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
この度第三社評価を受審し、今後やらなければいけない事がとても明確になりました。事業計画の作成や実習生の受け入れ、地域交流など出来ていない所は素直に受け止め、早急に改善できるところから着手していきたいと思います。
子ども達の自立を大事にする保育理念が明確になっている事や、食事に関してなどポポラーの良い所というのも評価頂き、園の特色としてもっと強化をし打ちだしていきたいと考えております。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

法人の経営理念、保育園としての保育理念などについて、職員の採用時研修でしっかりと学ぶ機会を設けています。そして毎月1回エリアの園長が集まり、事業の進捗状況を確認する中で理念等に触れています。その内容を営業所会議で各園の職員に浸透させるしくみとなっています。保護者に向けては入園時に案内をし、重要事項説明書に加えてオリジナルで作成しているDVDを視聴してもらい園の方針について理解を促しています。日頃の様子をブログで発信もしており、保護者が活動内容を知ることができるようになっています。玄関には保育理念を掲示しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

本部が中心となり、業界動向などの情報収集を行っています。定期的に取締役からの話しを聞く機会が設けられており、法人の置かれている状況や方向性について職員に共有しています。全国に保育事業を展開していることもあり、広く情報が入手しやすい環境にもあるといえます。園の運営にかかるコストや園児数の推移等については、毎月の施設長会議で確認をしています。しかし、地域の動向等について計画的に情報収集できているかという点においては十分とはいえない状況でした。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

昨年度から経営陣が代わり、経営環境や保育現場の状況、職員体制、財務状況など様々な点において分析が進められています。それらの内容は毎月の施設長会議で経営陣から園長に共有しています。4か月に1回は本社のある大阪に集まり、代表から話しを聞く機会もあります。これらの内容は営業所会議で職員に落とし込みを行い、全体で経営課題を把握できています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

法人の経営理念や保育理念は明確に示していますが、それらを実現するための中長期計画は策定されていませんでした。経営陣が代わり、法人としての中長期計画は検討しているということでしたので、その内容を反映した園の中長期計画も今後検討していくことが望まれます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

事業計画の基本フォーマットは法人で用意しており、それに沿って各園の内容に合わせて園長が作成しています。保育方針及び保育目標から園児の処遇、健康管理、安全管理などの項目が示されています。しかし、中長期計画がそもそもないためその内容を踏まえたものとなっておらず、また毎年ほぼ同じ内容となっているため当該年度に何を具体的に取り組むのかなどがわかりづらくなっています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:c】

事業計画は法人所定のフォーマットに園長が単独で作成しており、その過程に職員がかかわることはないということです。また、計画そのものは職員に周知されることはなく、年度途中に振り返る機会は設けられていませんでした。事業計画が形式的なものだけにならないよう、職員の参画と定期的な振り返りの機会を設けるなどの取り組みが望まれます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

事業計画を保護者に配布したり説明する機会はこれまでになかったということです。園が1年間を通して何を目的とし、また何を目標として取り組んでいくかを保護者に説明し、時には保護者からの意見を聞く機会を設けるなどの取り組みが望まれます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

施設長会議、営業所会議が毎月開かれ、日々においては午睡時間帯に約30分のミーティングを開き、保育内容や子どもの様子などを確認しています。行事が終了した際には反省会を開き、職員間で話し合っています。保育の月案は毎月25日までに各クラスで作成し、園長に提出することになっています。そこで園長が内容を確認し、適宜指導をしています。この流れを通じて保育の質を向上を図っています。職員の自己評価を3か月に1回実施し、できていないところがあれば園長と個人面談を行い確認することで改善をしています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

営業所会議で現状の課題点について話し合う場を定期的に設けています。そして、その内容を議事録に残して全体で共有しています。しかし、改善について計画的に取り組めているかという点ではできておらず、例えば期間を定めて取り組むなど、今後の検討課題としています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

経営層の役割については職責職務規程に示されているほか、チーフマニュアルが作成されています。マニュアルには、例えば園長の仕事として5領域が示されているなど、その役割について姿勢や実務の内容を確認することができます。園長は毎月開かれる本部の会議に参加して法人の運営状況等を把握し、それを職員に共有しながら運営をリードしています。園長不在時に備えサブチーフが置かれ、業務を明確にして適切に対応できる体制となっています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもを育てる側も育てる、と法人で考え、入社前の研修やブラッシュアップ研修において社会人として、教育者としての部分を重点的に研修・指導しています。また、コンプライアンスプロジェクトが発足されて、今後の取り組み強化をしているところです。本部の現地指導及び自己のセルフチェックの機会も設けています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

毎月の営業所会議での報告や月案の内容を確認し、園長は保育の取り組み状況を把握しています。また、毎日のミーティングにも参加することで子どもたちや保護者の情報共有を行い、報連相を心がけるよう職員に伝えています。質の向上を図るために園内研修の年間計画を立て、実施しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園の運営状況については毎月の施設長会議で確認し、必要な話し合いが行われています。人員配置については自園のみならず、エリア内の園の状況も共有し、必要であれば期中の人事異動も行っています。営業所会議では課題について話し合い、主に行事や保護者対応については園長が、保育については主任が、それぞれ中心となって対応するようにしています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

人財部が中心となり、職員の採用を行っています。外部の人材会社と提携して保育士資格の取得を目指す人向けの勉強会を主催し、法人の理念に共感し、実践できる人材を採用できるようにしています。採用プロセスは、まず面接を行い、次に研修を受けてもらい内定という流れでしたが、今年度途中から見直し、面接後に内定を出し、その後研修を受ける流れにしています。面接は本部とリモートで実施しています。積極的に人員確保に努めていますが、苦戦しているということでした。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

経営理念に職員に期待することが示されていますが、具体的にどのようなステップを踏んで育成を図るかを示すキャリアパスは作成されていませんでした。昇格等についての基準も明確にはなっておらず、今後の課題といえます。個人別の評価シートが役職者には用意されており、年間の課題設定をして評価する仕組みがあります。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

有給休暇の取得状況については独自に管理表を作成して管理し、希望通りに休みが取れるように配慮しています。書類作成などの事務時間を確保するために、保育時間中に可能な範囲で抜けられるようにすることで残業をしないで済むようにもしています。定期的に個人面談をして、健康状態や今後の働き方などを話せる場を設けて職員の希望の把握に努めています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

個人報告書を毎月作成、提出し、職員一人ひとりの育成状況を把握するしくみがあります。必要に応じて園長との個人面談も行っています。園では年間目標に向けての月目標を作成し、自分のロッカーに貼って日々意識するようにしています。そして年度末に達成状況を面談で確認しています。ただし、目標に関しては各自で設定するようになっており、明確な水準は定められていませんでした。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

階層別に必須とされるⅠ種研修、任意で受けることができるⅡ種研修の2種類の研修計画が法人として作成されています。また、年間の園内研修計画を立てて取り組んでもいます。このような内部、外部の研修に、日常のOJTを加えた研修により職員育成をしています。ただし、定期的な内容の見直しなどは行われておらず、現在は新しい研修制度の作成に向けて検討が行われています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

新入職員が入った際には指導担当者を配置して教育に当たっています。園内研修は毎月実施していますが、外部研修に参加を希望する職員が少なく、今年度はあまり受講できていない状況でした。また、職員の職務や必要とする知識・技術水準に応じた教育・研修を十分にできておらず、課題となっています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:c】

過去には実習生の受け入れ実績がありますが、ここ数年は取り組みがなく中断してしまっている状況です。受け入れのマニュアルは整備されており、園長又は主任が対応することとなっています。今後は取り組んでいき、採用にもつなげていきたいと考えています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

ホームページには理念や沿革、保育の特長などが示されています。ブログを定期的に更新し、日々の園の様子もわかるようになっています。第三者評価は定期的に受審し、今回が2回目となります。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

事務や必要書類が整備されているかを、エリアのグループリーダーが各園を巡回時にチェックし、また、本部による抜き打ち検査も年1回は必須で行われ、正しく金銭管理がされているかを確認しています。園内においては現金の扱いは園長と主任で確認することとしています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

行政や地域からのお知らせ等は積極的に保護者に共有し、必要に応じて持ち帰れるように資料を置いています。ハロウィンやイベントの際には近隣のお店に協力してもらうなど、交流の機会を設けています。消防署からは年1回、避難訓練に参加してもらっています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

ボランティアに関してのマニュアル等は特に用意されておらず、また受け入れの実績もこれまでにはありません。卒園児が数多くいる小学校がすぐ近くにあり、小学校との連携は適宜図るようにしています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

行政や子ども家庭支援センター、医療機関など、状況に応じて各関係機関と連携する体制ができています。区内の園長会に参加して情報交換したり、法人内の系列園とも定期的に連絡を取り合うなど、必要な情報収集をしています。保幼少のネットワークでは子どもに関する地域の情報を交換しています。療育の必要がある子どもがいた場合には療育センターと連携しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

近くの小学校には多くの卒園児が就学するため、交流を図っています。たとえば、年長児の様子を見学しに来園してもらうことがあります。利用希望者の見学があった際には子育て相談に応じています。運営委員会を開催していますが、民生委員との意見交換はできておらず、今後の課題としています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:c】

これまで地域に向けた公益的な活動は行われていないため、今後に向けて行政の行う「赤ちゃん教室」の講師を務めたり、近隣園との交流をしていくなど、地域の福祉ニーズに貢献できるよう取り組んでいくことを検討しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもを尊重した保育の実施についてはマニュアルに記載してあり、研修等を通じて職員に指導しています。人権等への配慮については、チェックシートを用いて職員一人ひとりが意識できるようにしています。組織的に確認するしくみがあり、職員に浸透しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

子どものプライバシー保護についてもマニュアルにその旨が記載されており、研修等で学ぶほか、会議の中で重要性について話し合いする場を設け、理解を深める体制があります。日常の保育においては、たとえばオムツ交換の場所を周りから見えないよう配慮し、年長児になると着替えの際は男女を意識するよう、裸にならないようにするなどしています。保護者からの相談があった場合には空いている保育室を使って、周囲に聞かれない場所で落ち着いて話すことができるようにしています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

ホームページには会社概要から保育園のこと、特長などを掲載し利用希望者等に情報を提供しています。利用を希望する人には必ず園見学を勧め、その際には特長だけでなく、よくないこともしっかりと伝えることで保護者の選択に必要な情報提供となっています。DVDによる映像での紹介もしています。見学時は園長が対応することとし、基本は1組のみにして個別の質問にも答えられるように配慮しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

入園説明会を開き、入園のしおりと重要事項説明書を使って入園後の過ごし方等について説明しています。個別にも面談を行い、疑問や不安に応えています。制度内容等に変更があった場合には行政とも連絡を取り合い、正しい情報を伝えるようにしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人として卒園後も運動会やキャンプに参加できる体制となっており、園とは継続的な関係性が築けるようになっています。また卒園児の多くが通う小学校がすぐ近くにあることから、小学校とは継続的に交流をしています。下校時に子どもたちが保育園を訪れることもあるということです。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

年2回の保護者会や、希望に応じでの個人面談など、保護者からの要望を聞く機会を設けています。意見に対しては職員間で検討し、必要に応じて改善に努めています。今年度は法人として系列園の全保護者を対象としたアンケートも実施しており、満足度を高める姿勢がうかがえます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決制度については、入園時に重要事項説明書に記載の内容を保護者に説明しています。園の入り口には担当者の名前も掲示しています。第三者委員に民生委員2人を配置しています。保護者からの意見や要望があった場合、その内容を掲示して周知することもあります。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

保護者からは園に意見を言いやすいよう、日頃の送迎時の会話を大切にしています。そして相談があった際には個別に対応するようにしています。場所は空いている保育室を使い、周囲の人に聞かれないよう配慮しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

保護者からの意見や相談について、園内で判断することが難しい場合には本部に報告し、指示を受けることとなっています。系列園での出来事を施設長会議などで共有し、各園でも統一した対応ができるようにしています。エリア、本部と段階的に対応する体制が整っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

事故発生時の対応マニュアルなど一通り作成されており、園内研修で読み合わせをするなどして職員の対応力を高めています。系列園で起きた事故等についても営業所会議で共有しています。ヒヤリハットを作成していますが、以前は件数が少なかったこともあり、今年度は意識して作成するよう園長が職員に促したことで増加しています。そしてミーティングの中で話し合い、全体で共有しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

コロナ禍以降、インフルエンザなど感染症についての対応策を園内研修で学び、適切に対応できるように努めています。マニュアルも用意されており、必要に応じた見直しも行われています。もし感染症が発生した場合には受付に掲示して保護者に周知し、必要な情報を提供しています。ノロウイルス対策として、職員は嘔吐物の処理練習を定期的に行っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

災害発生時の対応体制を各クラスに掲示して、毎月の避難訓練や消火訓練の際に確認し、万が一に備えています。消防署の人に来てもらい、通報訓練も行っています。不審者対応の訓練も行い、いざという時の合言葉も決めています。災害発生に備えて食料の備蓄を3日分、準備しています。なお、園のある建物の上階はマンションとなっていますが、管理組合等との連携は今のところないということでした。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

法人共通の保育マニュアルが作成されており、園内研修ではこのマニュアルを使い職員が理解し、実践できるようにしています。最近では新人向けにマニュアルに関するテストを実施して、理解しているかどうかを確認しています。日常的に職員が使っているかについては、まだ十分ではないところがあるため、浸透させるための工夫が望まれます。また、園長向けのチームマニュアルも用意されており、法人として求めていることが明確に示されています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

マニュアルについては園内研修のみならず、法人内研修でも使用しており、定期的に保育内容を確認し見直しをする体制となっています。しかしこれまでに修正はあまり行われていなかったため、来年度に向けては再度見直しの検討をする機会を設けることとしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は本部で作成したものをふまえ、各園の状況に合わせて内容を検討し、毎年作成しています。個別の指導計画は保護者と話し合いのうえ、作成しています。支援困難ケースに対応として、療育センターと連携することもあります。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

月案や週・日案は各クラスで作成して園長、主任が確認し、適宜必要なアドバイスをしています。評価は毎月行い、翌月の月案に反映しています。途中で見直しをすることは少ないということです。たとえば、想定よりも発達の遅れがみれた場合には、内容を見直しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

入園時に保護者に所定の書類に子どもの情報を記入し、提出してもらっています。そして日々の子どもの様子を記録し、職員間で漏れなく共有するよう努めています。毎日の午睡時間帯に行っているミーティングだけでなく、年度途中での入園児がいた場合には細かい情報共有を行っています。現在は手書きによる書類が中心ですが、法人オリジナルのシステムができたのに伴い、今後は徐々に移行していく予定です。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

子どもに関する書類の管理については、マニュアルにそのルール等が示されています。入職時に全社員に対して個人情報の取り扱いに関する説明をし、保護者にも入園時に説明し同意を得ています。個人情報を含む書類は鍵付きの書庫に入れて保管し、データに関してはパスワードの設定などで流出を防いでいます。なお、USBメモリーの使用は禁止しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

法人は、児童憲章や児童福祉法、保育所保育指針等の趣旨を捉え、保育理念、方針に基づいて土台となる全体的な計画を作成しています。当園ではその計画を基にして、園としての目標を立て、地域的な現状を踏まえた上で全体的な計画になるように編成しています。次年度の計画作成にあたっては、園長が中心となり全職員が関わって行うミーティングでの話し合いを重ねて決定しています。しかし、計画の定期的な見直しや修正が十分に行えているとは言えず、今後は評価、修正の時期を明確に決めていきたいとのことです。改善に向けた取り組みに期待します。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

室内にはエアコン、扇風機、加湿器等を設置し、保育士は適切な温度や湿度が保てるように定期的に確認しています。午睡用の寝具については、年に1回専門業者が布団消毒を行うようにしています。家具等の破損や玩具の故障箇所ついては、毎日「施設安全点検チェック表」を用いて点検しています。また、日頃から室内には不要な物を置かないような配置にしているため、いつでも子どもに目が届く環境を心がけています。床の素材はクッションフロアを取り入れているので、子どもが安全に快適に過ごせるように配慮しています。今後は更に子どもの視点に立った環境作りを検討しており、期待しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育士は、入園時に保護者が提出する「入所児童家庭調査書」「健康管理カード」や個人面談からの情報、入園後に接する子どもとの関わりや観察から、子ども一人ひとりを把握しています。子どもの気持ちを大切にし、寄り添い、共感したり、代弁したりしています。子どものわがままや甘えとも思えるような言動に対しても、子どもの気持ちに沿って適切に対応するようにしています。現在、定期的に保育士間で「子どもへの声かけは適性に行われているか」等をチェックし振り返りや話し合いを行っていますが、時に保育士の心に余裕がない場合には十分にできているとは言えない状況です。更なる配慮が必要と考えています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもが基本的な生活習慣を身につけるためには、保育士は子ども一人ひとりの発達に合わせた支援を行うようにしています。食事面では食具の使い方(手掴み、スプーンやフォーク、箸)等は個々の発達を見て無理のないように進めています。排泄面ではまずトイレに座ることから始め、定期的に声かけや促しを行い、一人ひとりの排尿感覚に合わせて対応しています。その際には、子どもの挑戦しようとする気持ちを大切にし、出来た時には十分に褒めて自信に繋げています。また、手洗いや歯磨き等の生活習慣については、保育士がDVDで手洗い方法を説明したり、紙芝居や手作り玩具で歯磨き指導を行う等分かりやすく説明しています。継続が望まれます。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

天気が良い日には積極的に戸外で遊ぶことを大切にしています。「おさんぽマップ」を作成し、子どもの年齢、その日の活動や目的に応じて散歩コースを選択しています。近隣の公園では、遊具だけでなく「鬼ごっこ」や「だるまさんがころんだ」等で身体を動かしたり、虫取りや落ち葉拾いで季節の変化を感じることができています。散歩の行き帰りには近隣の人たちに挨拶をしています。園内では2歳から5歳児はオープンフロアで縦割り保育を実施しているため、小さい子どもへの思いやりの心や大きい子どもへの憧れが自然と育まれています。自由遊びではコーナー保育を取り入れ、ブロック、おままごと、パズル、粘土等子どもは自主的に遊んでいます。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児は一人ひとりの様子を保育レポートアプリや口頭でのやり取りを通じて、保護者との情報共有を密にしています。保育士は子どもとの関わりの中で、表情や様子を感じ取り、ゆったりとした言葉かけやスキンシップをとりながら安定した絆を築いています。子どもが愛着関係持ちながら安心して、生活や遊びが展開できるように保育士は配慮し、安全にハイハイやつかまり立ちができる環境の整備も行っています。保護者には、実際に誕生日会や保護者参観で生活の様子を観る機会を作っています。また、食事の様子等の写真を玄関の受付に定期的に掲示して、保護者とのコミュニケーションを図っています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

保育士は1,2歳児が自らやろうという気持ち、意欲を尊重しながら見守るようにしたいます。思い通りにできず、自信を失いがちな場面でも見守り、できた時には十分に褒めています。園では同年齢の子ども同士だけでなく、年上の子どもとの関わりを通して憧れを持ち、「真似してみたい、やってみたい」という気持ちも大切にした環境設定にも努めています。1、2歳児では自我の芽生える時期でもあり、玩具の取り合いやたたく、噛みつく等の行為には注意しています。言葉で自分の気持ちが十分に伝えられない時は、保育士が仲立ちをしています。子どもの状況によっては保護者との連携を図り、得られた情報は保育士間で共有し、保育に活かしています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

3,4,5歳児での合同保育を行っていますが、それぞれの年齢の成長段階やねらいを保育士が正しく理解し、子どもに関わっていくことを大切にしています。3歳児では個人遊びが中心ですが、ゲーム遊びを行いながら少しずつ集団活動ができるように取り組んでいます。4歳児では、友だち同士での遊びの中でも、まだ言葉では十分に伝えきれない場面が見られるため、保育士が関わりながら、遊びの中でルール作りを取り入れています。5歳児では、保育士の見守りのもと、集団活動の中での子どもたちによる自主的な活動を行うようにしています。例えば、お互いに話し合いでクリスマス会での配役決めをしています。また、当番活動では2人ずつ順番に朝夕の挨拶、片付けの声かけ等を行っています。継続的な取り組みを期待します。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

環境面では、園内はバリアフリーになっており、玄関には車いす用スロープを整備してあります。障がいのある子どもに対しては、個別の指導計画を作成しています。普段は他の子どもと一緒に保育を行っていますが、状況によっては一人になることができるように、保育士は部屋の中に個別用の机や玩具を用意して、対応しています。園としては保護者と定期的に面談を行っており、友だちとの関わり等積極的に伝えています。子どもが通っている療育センターとは連携を取り、保育士が療育センターに見学に行ったり、園に来所した場合にはアドバイスを受けています。今後は障がいのある子どもへの声かけの際に、写真やイラストを用いる等の取り組みを考えているところです。期待しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

園での開園時間は7時から20時です。1日の生活を見通して、その連続性に配慮した取り組みを心がけています。延長保育では毎日10名くらいの子どもが乳児室を使用し、異年齢の子どもが一緒に過ごしています。日頃から縦割り保育を実践しているため、子ども同士の関わりの中で穏やかに過ごすことができています。子どもは元気のある日は体操をしたり、疲れた日は絵本を読んだり、ブロック遊びをする等子どもの自主性に任せています。1日の子どもの生活の様子は保育士間で引継ぎを行い、お迎えの際に保護者に伝えています。今後は子どもの状況を考慮した更なる工夫の必要性を感じており、取り組みの継続が望まれます。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画の中の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿10項目」を確認し、5歳児への保育計画に取り入れ実践しています。その際には、特に手先を使う作業や集中して物事に取り組むことができるようなカリキュラムを提供しています。小学校との関わりでは、例えば、園の向かい側にある小学校の体育館で月に1回、4,5歳児対象に紙飛行機大会を開催しているので、子どもたちは参加し交流を図っています。保護者には12月の個人面談の際に小学校生活に向けた説明を行っています。小学校教員とは電話で情報交換をしています。「保育所児童保育要録」の作成は園長が行い、保育士が確認するようにしています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康管理に関するマニュアルと保健計画表があります。それに基づき、登園時に子どもの様子(家庭での体温、食事量、排泄、連絡事項等)を保育レポートアプリや口頭で確認しています。保護者からの情報は保育士間で共有し、その後の保育内容に活かしています。保育の中で子どもの様子に変化が見られた場合は、お迎え時に保護者に直接伝えるようにしています。保育の中で子どもの様子に変化が見られた場合は、お迎え時に保護者に直接伝えるようにしています。乳幼児突然死症候群については、保育士は4月に研修を行っています。保護者には入園前の説明や園だよりで伝えています。子どもの午睡時には全園児の呼吸、寝ている姿勢をチェックしています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

園では年2回の健康診断、歯科検診を行い、結果は「健康記録」「歯科検診表」に記録し保護者に渡しています。「健康記録」には、身体記録、健康診断記録、医師への質問、医師からの返答等の項目があり、保護者との連携を図ることができています。また、「歯科検診表」では歯科医所見の結果によっては保護者に歯科医への受診を勧めています。毎日の保育の中では、保育士がDVDを使用して正しい手洗い方法を行ったり、虫歯予防の紙芝居を見せたり、動物の手作り玩具を使用して歯磨き方法を見せる等、衛生指導に力を入れて取り組んでいます。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

現在アレルギー疾患の子どもは2名在籍しています。入園時提出の「健康管理カード」や面接で、アレルギー疾患については把握し、医師からの指示書の提出をお願いしています。除去食に関しては、毎月の献立表の中で保護者に事前確認を行ってから提供するようにいます。アレルギー疾患の子どもへの対応については、食事室の壁に顔写真を貼り、登園時には赤いバンダナを着用してもらう等して保育士間で共有しています。給食提供時には、2名の保育士が確認の上、最初に他の子どもとは別テーブルに食事を運んでいます。現在、保育士への専門的な研修や他の子どもと保護者へのアレルギー等に関する説明が更に必要と考えています。今後に期待します。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

園では年間の食育計画を作成し、行事食や郷土料理等の食に関する豊かな経験ができるように取り組んでいます。計画では、0歳から5歳児までの発達に合わせた食事の支援を適切に行っています。普通食の献立表の他に、離乳食専用の献立表を作成し、初期、中期、後期と分けて提供しています。食器は陶器を使用し、日頃から物を大切にする心を養っています。食が細い子どもに対しては、まずは完食できる喜びを実感できるように食事量を配慮しています。給食時には、3,4,5歳児は4~5人グループで一緒に食事をしているため、年少児は年長児の真似をして苦手な野菜を食べることができるようになっています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:b】

毎月1回給食会議を実施しています。園長等の常勤職員や調理員が参加し、子どもの喫食状況や食育に関する情報共有を行っています。喫食状況では毎日の残食量を確認しています。その上で、献立内容の味付け、素材の大きさや固さについて保育士からの意見を取り入れることで、その後の調理に活かしています。調理員は給食時には各クラスでの子どもの様子を見たり、話を聞いたりしています。また、家庭での食に関する興味関心を引き出すために、「旬の食べ物紹介や利用したレシピ」等の記事を載せ、園だよりで配布しています。園では衛生管理の体制は確立しており、調理員は「衛生管理表」に基づき、衛生面や事故防止に努めています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育レポートアプリを活用し、日常的な情報交換を行っていますが、登降園時には保護者との会話の時間を努めて取るようにしています。保育士は子どもの様子を一言でも口頭で伝えることで、保護者に安心してもらえるように配慮しています。また、園での様子は当日のカリキュラム内容を写真に撮り掲示して知らせています。毎月の園だよりでは、その月の目標、誕生日の子ども紹介、行事予定、お知らせとお願い等が記載してあります。尚、年2回の保護者会や保育参観、11月に法人で実施したアンケート調査では、保護者からの意見等を聴く機会を設けており、結果は保育の現場で活かしています。今後の継続が望まれます。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育士は日頃から、保護者が相談しやすい状況で話ができるような雰囲気づくりに努めています。そのため、信頼関係の構築を大切にしています。相談を受ける場所はプライバシーに配慮し、1歳児の部屋を使用しています。園での生活や友だち関係等の相談では、園長、主任、担当保育士が対応しています。相談内容は記録し、保育士間で共有できるようになっています。尚、契約時に苦情・相談窓口に関しては保護者に伝え、内容によっては、法人や第三者委員への相談もできることを説明しています。しかし、第三者委員等への相談ついては、今回の第三者評価アンケートで、保護者から「園からわかりやすく伝えてもらっていない」という結果が多くみられたため、今後の対応が望まれます。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

家庭での子どもの権利侵害の兆候を見逃さないように健康観察等で身体状況の確認を行い、早期発見できるようにしています。また、保護者には普段から声かけを行い、保護者の表情や様子の変化等にも注意を払うようにしています。権利侵害の早期発見や発見した場合の対応についてのマニュアルを整備しています。毎年5月には職員全員参加で虐待防止に関する研修を行っています。また、子どもの状態や行動から、虐待等権利侵害が疑われる場合には、行政や児童相談所等の関係機関と連携を図る体制は確立できています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

保育士は指導計画の中では、子どもの心の育ちや意欲、取り組む過程等を考慮して作成するようにしています。計画に沿って実施したのとの評価・振り返りについては、日毎、週毎、月毎において、保育の内容やその連続性、子どもへの関わりが適切であったか等を確認しながら、自己評価しています。そして、園長は3ヶ月に1度保育士と面談を行い、本人の「自己チェックリスト」を振り返りながら課題の改善や専門性の向上について話し合っています。その後、保育士との面談結果から園全体の課題を抽出し、話し合いを行いながら園を自己評価し、次年度の計画作成に活かしています。