社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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シニアフォレスト横浜戸塚

2024年04月25日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 シニアフォレスト横浜戸塚 評価対象サービス 2022~ 高齢者福祉サービス版
対象分野 特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム) 定員 60(利用人数:60名) 名
所在地 245-0066
横浜市戸塚区俣野町461
TEL 045-852-6300 ホームページ https://www.medicalcare-group.com
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2014年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社メディカルケアシステムズ
職員数
常勤職員:11 名
非常勤職員:24 名
専門職員
看護師:2 名
准看護師:3 名
生活相談員:2 名
介護支援専門員:1 名
介護福祉士:7 名
機能訓練指導員:1 名
施設・設備の概要
居室:60室
浴室:4
トイレ(共用):2
エレベーター:1

③ 理念・基本方針
施設理念:笑顔の追求

企業理念:当社に関わる方々の幸せを切に願い希望を明日へつなぎます。
常に医療介護のあるべき姿を追い求め、入居者様、ご家族様に安らぎと満足を提供し、人々の幸福を祈りつつ共に行けてゆくことで広く社会に貢献します。
この存在意義のもと、医療介護業務に従事する者としての使命を自覚し、施設内外問わず他者に対しては常に敬意を払い、誠実に全ての業務に取り組み、例外なく心のこもった快適なサービスを提供することを至上命題とします。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
介護:60名の入居者様に対し、看護・介護職員の比率2:1(介護常勤換算)を目指し、ゆとりある介護体制で、きめ細やかなケアを提供しています。

看護:医療連携体制の充実。24時間体制のクリニックからの訪問診療を2週間に1度行う他、皮膚科や眼科の訪問診療体制も整えています。また、近隣総合病院等の医療機関と連携体制もとり、入居者様の健康管理をバックアップしています。

上質:トータルコーディネート。高級感溢れる外観から、内装に至るまでまでトータル設計し統一感のある施設となっています。お洒落な外観と落ち着きのあるモダンな内装、緑の多い庭も備え、住み心地の良い生活環境を整えています。

食事:健康を支える美味しい料理。栄養士による栄養バランスの良い美味しい食事を提供しています。手打ちそばやにぎり寿司の実演イベント等も企画し、食事を楽しんで頂ける工夫をしています。

行事:季節を感じられるお花見や祭り等の季節行事を始め、ピアノ演奏やアニマルセラピー、毎月開催されるお誕生日会や観光地巡り等を用意しています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2023/08/10(契約日) ~2024/04/17(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2015年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 1)多彩なイベントや行事を開催をしています
施設では毎月1日に入居者の誕生日を祝う誕生会を開催しています。誕生会では通常のメニューとは違うお祝いにふさわしいメニューを栄養士が考え提供しています。また、正月や節分、お花見、七夕、納涼会、敬老会、運動会、クリスマス会等の季節毎の祝賀会や行事の他、そば打ちやにぎり寿司の実演イベント、アニマルセラピー、ピアノの演奏会等も行っています。外出にも力を入れており、利用者の希望による近隣での買い物や外食もしています。家族も参加して利用者とともに東京湾クルーズ船での食事会を行いました。コロナ禍のため行動に制限があり、ここ数年の外出は思うように実施できていませんが、これからも利用者・家族とも楽しめるイベントを計画しています。

2)利用者の状況に合わせて機能訓練や介護予防に取り組んでいます
利用者の日々の生活の中で不活発とならないように支援をしています。映像や職員が指導しての毎日の体操、及びボールや風船、ゲームを使用し体を動かして、認知機能の低下の予防に努めています。機能訓練指導員による利用者個別の運動機能評価を行い、必要な運動や個別のレクリエーションを検討し、機能訓練計画書を作成して実施しています。散歩など屋外に出たい希望があれば職員が付き添い近隣を歩き、季節感を感じて気分転換を図るなど、リラクゼーションも合わせた運動の機会確保に努めています。

3)重度化・終末期ケアを受入れて支援しています
施設での看取りについては「終末期医療・重度化した場合における看取りの指針」により対応を明確にして受入れています。入居時に利用者・家族に説明し、書面により同意を得ています。実際に終末期となった場合にはその時の意向を改めて確認し、利用者・家族に寄り添った対応をしています。看取りに関するマニュアルを整備して研修等で職員に周知しています。看取り介護を行う際は終末期ケアカンファレンスを行い、医師・看護師等医療職とも連携した万全な体制の中、落ち着いて生活できるよう対応しています。

4)5S活動によるサービスレベルの向上が期待されます
法人では5S活動を行っており、倉庫や書庫は整理整頓が行き届いています。しかし、作業トレーの設置場所が不明確であったり、文書の整理整頓に不十分な面もあり、5Sの達成レベルはまだまだ伸びしろがある状況です。より良い福祉サービスの実現に向けて5S活動を活用していくことが期待されます。

5)人材育成を担保する仕組みづくりが望まれます
職員の能力別の評価や昇進についての仕組みが定められておらず、個人の能力や業務結果が評価に反映しない状況です。勤務年数や年齢等の要素が重視される評価システムで、業務に対する個人のモチベーションをどのように維持するのか大きな課題です。望まれる職員像を実現するための、スキルや経験の工程表(スキルマップ)を明確にし、人事評価により成長を支援していく仕組みづくりが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回、施設開設10年目を迎える年度で第三者評価を受けさせて頂きました。
評価を受けさせて頂くにあたり、事前準備から全部所で話し合いを行い一つ一つの項目評価に対し意見を集めていきました。
評価をすることで、今までの私たちの仕事、ご利用者様への支援を見直すきっかけにもなりました。
ご利用者様への支援方法はもちろん、掲げている企業理念や施設の強みでもある5S活動。今後も今以上に理念浸透、5S強化に励んでいこうと評価会議でも多く声があがりました。
小さな気づきをこぼさず拾い続ける事が、すべての方の幸せにつながると願っております。
これからも、施設の強みの一つでもあります外出レクの企画も増やしていきたいと思っております。
今回の評価で取り組みが足りていないと分かった事に対し改善しサービス向上に努めて笑顔、笑い声の多い施設を目指していきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

利用者、その家族、スタッフ、地域など事業所に関わる方々の幸福を祈り、共に生きていくという企業理念のもと、施設の理念を「笑顔の追求」としています。スタッフ全員に理念が記載されたカード(クレドカード)を配付し、スタッフはいつでも理念を確認できる状況です。今後、理念「笑顔の追求」を、具体的にどう行動に結びつけていくのかを明確にする取組が期待されます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

法人内の他の施設の状況について共有していますが、社会福祉事業全体の動向や地域の各種福祉計画の策定動向の内容などの把握分析までには至っていません。法人で行っているコスト分析や利用率などの分析は定期的に共有されています。コスト面では使える経費のなかで、共有された情報をどう活用していくかを課題と捉えています。施設を取り巻く環境を社会福祉事業全体などの大きな視点で見つめ、施設でなにができるか考えるといった取組が期待されます。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

設備の問題点は情報共有システムで報告しており、管理職が速やかに法人と連絡をとって対応しています。1階のエアコン、玄関のライトなど10年以上使用しているため、改善が指摘されています。職員体制などの変動もPC上で動くスプレッドシートにより把握して、勤務スケジュールを柔軟に変更しています。身近の問題に対しては課題を明確にして取組を進めています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

中・長期計画作成は法人で行っており、今年度や過去の計画・報告書を施設で確認することができませんでした。計画の管理についても法人で実施していますが、事業所運営を進める上で計画の確認は不可欠です。中・長期計画を策定し、法人と事業所で共有して計画に基づく運営が望まれます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

通常、単年度計画は中・長期計画に基づいて事業所において作成されています。しかし、単年度計画も法人が作成しているため、事業所としての課題や目標の抽出はされておらず、現場の意見や工夫が単年度計画に反映されていないため、サービスの向上に繋がりづらい状況があります。事業所管理者、職員も参画しての単年度計画の作成が望まれます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:c】

単年度計画を確認することができません。福祉サービス向上のために、PDCAサイクル(計画ー実行ー検証ー改善アクション)を遂行するには、計画が不可欠です。法人が作成した計画を事業所と共有することが望まれます。計画プロセスの確立を行い、PDCAサイクルが的確に働く仕組みを構築することが望まれます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

事業計画書作成、管理は法人で行っており、事業所との共有が十分ではない状況です。より良いサービスを提供するために、法人と事業所が事業計画を共有し、利用者等へどのように周知を図るか協議することが望まれます。事業所ではアセスメントに基づいた福祉サービス実施計画を立案し、実施しています。法人の事業計画は財務とも結びついているなど、利用者へのサービス提供について法人の方針と事業所での実際の利用者支援の両面から事業計画を策定し、利用者等に周知していくことが望まれます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

福祉サービスの向上に向けて計画を立て、取り組んでいますが、実施結果の評価が十分できていない状況です。カンファレンスを通じて実施内容を確認する仕組みはできており、事故報告のケースでは、事故の原因追及、対策までは行われていても、対策の有効性の確認を行っていないケースが見られます。対策の計画・実行の後、効果の測定まで徹底して行うことが期待されます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

個人記録から課題をみつけ、情報共有システムの個人ページに記載することで、職員間の課題共有が図られています。課題に対してカンファレンスで対策を検討し、改善策を実施していますが、改善策への評価や改善状況の評価が十分ではない状況です。歩行機使用での転倒ケースの場合は、車いすの使用を促すといった取組が実施され、情報共有システムの個人に記録し、共有されていますが、改善策の評価までは触れられていません。車いすの使用を始めて何日間事故が再発しなかった、といったデータに基づく効果の測定が望まれます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

ケア業務マニュアルに管理者の責任と役割が記載されています。ケア業務マニュアルは職員閲覧が可能ですが、書庫に保管されており、すぐに確認できる状態になっていません。職員がすぐに手にとることができる場所に保管することが期待されます。管理者としての役割や責任について表明はしていますが、施設長に着任して間もないこともあり、職員の周知、理解には課題があります。また、有事の際の施設長の役割と責任および不在時の権限委任についても明確化されることが望まれます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員に対して法人のコンプライアンス研修により、遵守する法令について学んでいます。施設長は利害関係者とは適正な関係を保持することを理解し、業務にあたっていますが、幅広い分野について配慮することや、施設内部で職員への遵守すべき法令等の周知や具体的な取組を行うまでに至っていません。管理者としてコンプライアンスについて再確認の上、職員に対して法令遵守についての理解を図る具体的な取組が期待されます。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

サービス担当者会議などで上がった課題を情報共有システムを通じて職員で共有するなど、福祉サービスの向上に取り組める環境を作っています。また、施設長はフロアミーティングに参加し、意見の聞き取りを通して支援内容の改善に取り組むように努めています。しかし、具体的な改善提案について確認できず、課題となっています。管理者として指導力を発揮した具体的な取組が期待されます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

毎日職員人数を業務分担表により確認し、常勤職員と確認しながら業務の振り分けを行っています。現状として、事務職員、看護師、介護士それぞれに職務分担表が分かれています。施設長はそれぞれの業務分担表により調節を行っていますが、組織としての効率の向上を図る仕組みづくりが望まれます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

人材確保は法人主導で組織的に行われていますが、職員への理解につながる周知が期待されます。オンラインで共同で使えるスプレッドシートにより事業所の人員体制を法人に毎日報告しており、スプレッドシートを参照しながら法人は専門職の配置等を計画しています。福祉人材確保は人材紹介会社を活用しています。資格がない人でも、入職後に資格支援制度を使い資格を取得できる仕組みがあります。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

戸塚理念という形で事業所の理念や期待する職員像を明確にしています。人事基準はあるものの、職員の専門性や職務能力よりも勤務年数により横並びで昇進して行く状況です。施設長は職員と一対一の面談を行い、業務で困っていることなど、職員の意向・意見を聞き取っていますが、短期的な対応に留まっており、職員の処遇に応じた人事的な管理には至っていません。キャリアマップを明確にして、職員が将来の姿を自ら描いていくことがことができる体制づくりが望まれます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

個人面談により職員の心身の健康、意向や意見を聞き取っています。勤怠管理システムにより職員の有給や残業の取得状況を確認し、過剰に時間外労働が増えないように確認しています。施設の人員体制については、法人での管理となっており、事業所として必要な職員数が確保できていない状況にあります。法人と連携し、引き続き人員体制の充実を図っていくことが望まれます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

年度当初に施設目標の『笑顔の追求』の実現に向けて、個人別にレクリエーションや季節行事の計画案について聞き取りを行っています。しかし、目標水準、目標期限などについて明確な内容になっていないため、適切な進捗状況の確認や年度末の評価が十分できていません。具体的で、評価可能、期限が明確な目標設定が期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

職員に必要とされる専門技術や専門資格がキャリアプラン等により明示されていません。年間職員研修計画に基づき、研修を実施しています。新人職員、外国人技能実習生それぞれに適した勉強会を行っています。特に外国人技能実習性に対しては、日本語の研修も行っています。職員のスキル獲得目標が明確にわかるように、キャリアプランの提示が望まれます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

スプレッドシートにより、資格取得者の状況、研修参加者の記録が行われています。資格未取得の職員に対しては、資格取得の意思を確認したうえで、法人主催の介護福祉士取得研修に派遣しています。その他施設内で研修、勉強会の実施計画をしていますが、人員不足により計画どおりに開催ができていない状況にあります。フロアミーティング内などで時間を確保し、職員への教育・研修の場を設けることが望まれます。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

外国人技能実習生の受入れを行っています。技能実習生には面談を行い、研修、実技の内容を調整しながら業務にあたってもらい、課題の把握も行っています。しかし、技能実習生の研修育成の指針やマニュアルは確認できませんでした。従来の実習生も含めて、教育・育成の基本姿勢を明確にし、必要な体制を整備していくことが期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:c】

施設の理念や基本方針はホームページで確認できます。パンフレットでは、「2:1以上の介護体制」や医療連携の充実など5つのコンセプトを紹介しています。重要事項説明書に苦情に対応する窓口、第三者評価の実施状況を記載しています。事業計画や事業報告、予算、決算に関しても情報公開されることが期待されます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

業務マニュアル内で経理、取引等に関するルールが示されており、担当職員は確認することができます。事務、経理、取引等の監査は年4回行われています。行政による監査も行われており、公正な経営・運営のための取組を行っています。監査の指摘事項により改善を行う仕組みがありますが、今年度の指摘事項はありませんでした。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

事業所理念である「笑顔の追求」の為に地域との関わりを持つとしています。地域のお囃子保存会の演奏をボランティアでお祝い事の際に披露してもらうなど、利用者と地域との交流を広める取組をしています。利用者の買い物支援も希望があれば行っています。より多く地域情報を収集して地域への働きかけを拡大し、利用者と地域の関わりの機会を提供していくことが期待されます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

ボランティアの受入れをしていますが、受入れの手順や事前説明内容などを文書化したマニュアル整備がされていません。地域の中学校の職場体験の受入れでは、教員と事前に話し合い、体験日の流れを決め、学校側と施設側の意見を取り入れて、介護業務からレクリエーションまでの支援に参加できるよう上手に工夫しています。今後はボランティア等の受入れの基本姿勢を示し、受入れ手順や説明をまとめたマニュアル整備など体制を整えていくことが期待されます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

関係機関や緊急時連絡先はリスト化して掲示されており、職員は確認できるようになっています。関係機関とは日常的に情報交換を行って連携を図っています。より良い福祉サービスを提供するため、関係機関等と協働し、地域の共通課題に対して解決に向け取り組む姿勢が望まれます。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域中学校や幼稚園のボランティア活動の受入れ等を実施していますが、地域の福祉ニーズ把握のための取組としては十分ではありません。関係機関・団体を明確にして、各種会合に参加したうえで、地域の福祉ニーズや生活課題等の把握を行っていくことが期待されます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:c】

関係機関・団体等の地域コミュニティが明確になっていない状態で、具体的な事業・活動計画を提示することができていません。地域の福祉ニーズを把握できていないため、地域ニーズを意識した活動には繋がっていません。戸塚理念において地域の笑顔の追求を掲げています。具体的にどう行動することで理念を実現していけるか、事業所全体で話し合い、実行可能な計画をたてて、理念を実現する活動を推進していくことが期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員に対して入職時に行う研修の中で、法人作成の資料「介護職員の倫理研修」を用いて、倫理の基本や社会人・介護職員として人を尊重し接すること、価値観や生活歴の違いによる対応等を学ぶ機会をもっています。倫理研修については毎年研修も行っていますが、職員全員に行き届いていないことが課題と考えています。今後は計画的な倫理研修を行い、さらに職員全員で倫理を意識したサービスにあたることが期待されます。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

入浴や排泄等介助にあたる際の手順書を作成しています。それぞれの手順書は利用者の尊重、プライバシーに配慮した内容となっており、手順書に基づいた介助を実施しています。掃除やごみ捨て等で利用者の居室に入る際には必ず声をかけ、望まない場合には時間や日にちをずらす等の対応をしています。また、やむを得ず手順書の内容からはずれた支援を行う際には関係者でカンファレンスを開催し支援の方法の見直しをしています。プライバシー保護の内容や取組について利用者や家族に周知しており、評価を得ています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

見学希望者に対しては随時受け付け、パンフレット等を用いて会社の概要や理念、施設のサービス内容や利用者本位の姿勢等を説明した上で、施設内の見学をしています。パンフレットについては変更の必要がある際には見直し、法人により修正しています。パンフレットは見やすい色彩で写真も多く使用されていますが、施設の平面図等の掲載はありません。入居希望者に施設全体の様子が分かるような内容となることが期待されます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

施設入居契約時にはパンフレットや重要事項説明書、契約書でサービス内容や利用料金を説明し、書面で同意を得ています。入居前の事前面談に施設長・ケアマネジャーが自宅等を訪問し、利用者や家族の意向を踏まえてケアプランを作成しています。介護認定の更新やケアプランの変更時には、可能な限り家族に施設でのサービス担当者会議に参加してもらい、意見を聞き取っています。来所が難しい場合には電話で意見や希望を聞き取る等をして、意向の確認をしています。利用者の意向確認が難しい場合には表情や態度、家族からの話を聞いて判断しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

施設の移行があった場合は、個人情報保護に配慮し、利用者・家族の同意を得た上でアセスメントシートや法人で定めている情報提供書や支援内容・留意事項等の書面を家族から移行先の施設に渡すようにしています。施設の移行等でサービスが終了した後も施設長・相談員・ケアマネジャーに相談できる体制としていますが、明確な規程はなく、家族に対して文書での周知はしていません。今後サービス終了後も相談できる窓口を家族に周知することが望まれます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:c】

利用者や家族の意向、要望については、日々の支援や家族の面談時、電話等の連絡で確認しています。年2回家族や施設職員が話し合う運営懇談会も実施し、その際にもサービスについての意見等を確認しています。利用者満足を確認するためのアンケート等は実施していないため、利用者満足についての分析や検討も実施されていません。今後はサービスの質の向上に向け、定期的な満足度調査等を実施し、把握した結果について検討し具体的な改善をしていくことが期待されます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

苦情解決の仕組みについては、入居契約時に重要事項説明書記載の苦情解決について説明しています。重要事項説明書には施設、神奈川県国民健康保険団体連合会介護苦情相談課、横浜市健康福祉局高齢施設課、社団法人全国有料老人ホーム協会の連絡先が記載されています。施設担当者の氏名等を施設内に掲示しています。重要事項説明書の施設連絡先には担当者の記載はなく、第三者委員についても触れていません。今後施設の担当者の氏名や第三者委員について、書面で周知することが望まれます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

施設内には苦情相談担当者の掲示をしていますが、介護職員や看護師等施設の職員の中から相手を自由に選べること等は周知していません。個別に相談があった場合にはロビーや居室等他者から目につきにくい場所を設定し、相談しやすい環境として配慮しています。利用者や家族がより相談や意見を述べやすいよう、複数の中から相手を自由に選択できること等を周知することが望まれます。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

利用者の意見は、介護職・事務職を問わず、日々傾聴することを心がけており、法人作成の「苦情・相談対応マニュアル」に沿って対応しています。言語化することが難しい利用者については表情や行動から汲み取るようにしています。意見は施設のシステムで職員全員に周知し、職員個々に確認したかが分かる仕組みとなっています。意見によりサービスや共有環境の整備が必要な場合には、施設内でカンファレンスを実施して決定しています。家族の意見は電話や面会時等に確認し、利用者の意見と同様に対応しています。利用者・家族に対して定期的なアンケートを実施する等、積極的に意見を把握する取組が望まれます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

月に1回事故防止委員会を開催し、施設内での事故やヒヤリハット等危険に対する内容を報告・検討しています。事故発生時やヒヤリハットがあった場合は、委員会の開催の他に職員内でカンファレンスを実施し、事故の原因や危険の要因について検討・対応しています。これまでもリビング等共用部分での車いすやシルバーカーの置き場所、居室内でのシルバーカーの保管位置等迅速に対応しています。対応の内容は施設のシステムで共有し、職員は把握できるようになっています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

介護・看護・相談員・ケアマネジャーから構成される感染予防委員会を設置し、定期的に開催しています。感染症や食中毒等の予防、発生時の対応について「感染予防委員会運用マニュアル」「衛生管理マニュアル」を作成し、毎年研修も実施しています。感染症発生等の行政からの情報も確認し、迅速に対応しています。感染症の発生や疑いがある場合には検査や対応する職員の防護服の着用等、マニュアルに沿った対応をし、拡大防止に努めています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

地震・火災等に対応についてのマニュアルを作成しています。年2回防災訓練を計画し、1回は夜間想定での訓練を日中に実施しています。AEDの使用方法についても確認しています。年1回は地域の消防署の協力により緊急通報訓練を行っています。食料・水・おむつ等の生活用品を備蓄品として管理・保管し、リストを作成しています。施設外への避難訓練は行っていません。以前は水消火器を使用して消火訓練も実施していました。地域との連携は進んでいないため、災害発生時には地域との連携を図り、避難等について協力を得られる体制構築が望まれます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

提供する福祉サービスは業務マニュアル等により文書化されています。内容は講習会、勉強会により周知徹底する仕組みになっています。また、基本介助については常勤職員から非常勤職員への指導により教育されています。指導後の基本介護の実践にあたっての確認は仕組みとしては定められていません。PDCAのCheckについて改善が望まれます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

利用者の状態に変化が見られた際には速やかに他の部署を集め、カンファレンスを開催し、サービス内容を検討する仕組みとなっています。変更内容は情報共有システムにより職員間で共有しています。観察期間が設定されており、問題があれば再度カンファレンスを開催して、支援内容の再調整をします。標準的な実施方法についてのPDCAサイクルが回る仕組みがあります。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な福祉サービス実施計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

福祉サービス実施計画策定はケアマネジャーにより行われています。入居時にアセスメントを行い、入居後の生活を観察しています。生活状況に変化がみられた場合にはケアカルテによりアセスメントの変更について検討し、必要があれば変更しています。変更については多職種の職員合議により行われています。変更が計画どおり実施されているか確認する仕組みが構築されています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に福祉サービス実施計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

定期的な福祉サービス実施計画の見直しを行うほか、利用者の状態変化に応じてカンファレンスを開き、計画の変更をしています。状態の変化についての記録を確認したうえで、ケアマネジャーを中心として、他部署の職員も召集してカンファレンスを開催し、支援内容の見直しを実施します。変更された計画は利用者家族の確認を得る仕組みとなっています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

個別支援内容は情報共有システムで確認できるようになっており、ケアプランに沿った支援が実施されています。定期的にモニタリング評価が行われ、決定事項は全職員が常に確認できる仕組みとなっています。サービスの実施状況は記録され、全員が共有できています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

施設長が記録管理の責任者となっており、利用者の記録が適切に管理される体制があります。職員に対しては勉強会や個人情報保護研修を実施し、記録の外部への漏洩が発生しないように徹底しています。写真撮影などにも注意を払い、施設外に持ち出さないことを徹底しています。利用者家族には契約時に情報管理規定の読み合わせをし、個人情報の取扱について説明しています。引き続き、研修等により、職員が個人情報保護管理規定を理解、遵守していくことが期待されます。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

利用者個々の暮らしに対する意向を入居前の面談で確認し、その後は生活の支援の中で傾聴を心がけ、利用者本人のしたいこと等の希望を把握できるように配慮しています。利用者の希望を聞き取った場合は、カンファレンス等で職員で共有し、どのような活動が適切か検討しています。毎日午前中はリビングで体操を行い、午後は映画やコンサートの上映や、折り紙、オセロ、運動、お菓子作り等フリーのレクリエーションを実施していますが、参加は強制ではありません。毎日予定通りにできておらず、プログラムが増やせていないことを施設では課題としていますが、できる限り利用者が楽しみを持って過ごせるように心がけています。また、施設の業務を手伝うことを楽しみにしている利用者もあり、タオルやおしぼりをたたんでもらっています。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:評価外(特養、通所、養護・軽費)】

評価外

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:評価外(特養、通所、訪問)】

評価外

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:b】

入職時に法人で行う研修の中で「接遇マナー」について職員に説明し、挨拶や会話、優しく伝える表情・雰囲気つくり等の重要性を周知しています。日常生活の支援の中で会話を心がけ、利用者の思いや希望を聞き取り把握できるよう配慮しています。利用者が職員に希望を伝えやすいように入浴や排泄介助時、居室で個別に話を聞くことも心がけています。職員体制に余裕をもたせ、近所の散歩やコンビニエンスストアでの買い物等個別の希望にも対応しています。研修で学んでいるものの「ちょっと待って」「立たないで」等威圧的な対応となってしまうことが見受けられるため、今後更に研修等で接遇について徹底し、職員全員がよりよいコミュニケーションの方法を身に着け、利用者の信頼を得ていくことに取り組んでいこうと考えています。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利擁護に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:c】

施設長・相談員・ケアマネジャー・介護職員・看護師で構成される「身体拘束・虐待防止委員会」を定期的に開催し、身体拘束・虐待についての理解を深めることや、実際の支援についてそれらに当らないか、対応は適切か等を振り返っています。家族から職員の言葉が乱暴だと指摘があり、会話や接遇について再確認を行い、改善したことがあります。緊急時等やむを得ず身体拘束をする場合には、施設長・ケアマネジャーが状況や利用者の心身状態を確認し、家族にも同意を得たうえで行っています。その際拘束介助の要件や、拘束期間の想定もしています。法人作成の身体拘束・虐待防止マニュアルはありますが、定期的な研修は行われていません。今後身体拘束・虐待防止について定期的な研修開催の他、身体拘束や虐待以外の権利擁護全般について学習・理解する機会を持つことが望まれます。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:a】

施設はLED照明や落ち着いた雰囲気の壁紙、レクリエーションで利用者・職員が共同で作成した季節ごとの飾りや折り紙、書道作品等を飾り、季節感を感じる雰囲気があります。フロアごとに共用部分の壁紙の雰囲気を変えることで、入浴等でフロアを移動した際に自分の居室があるフロアとは違うところだと認識できる配慮をしています。共用部分の室温も夏は26℃・冬は25℃と設定していますが、天候や気候により利用者の意見を聞きつつ快適に過ごせる環境となるよう配慮しています。利用者の居室はそれぞれが望む環境となっています。家庭で使用していた家具やテレビを配置したり、家族の支援により固定電話やインターネット環境を整備し、パソコンやプリンター、スマートフォン等を使用している利用者もいます。希望にはできる限り沿い、自宅と変わらずくつろいで過ごせる環境となるよう心がけています。

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

浴室は3ヶ所設置しており、一般浴・中間浴・特別浴と利用者の身体状況に応じた形態で入浴できる体制となっています。基本的には週2回の設定です。料金が発生するものの、希望や必要度に応じて増回することが可能で、利用者・家族と相談しています。また、入浴日や時間は利用者の希望や状況に応じて柔軟に対応しています。入浴拒否の強い利用者に対しては時間をあけたり対応する職員を変更する等し、利用者本人の意向に沿いつつ身体保清を保つことができるよう対応しています。季節ごとに入浴剤を変えるなど気分よく入浴できる環境を作っています。入浴動作が自立している利用者に対しても必ず介護者がつき、見守りを行ないながら必要時には介助ができるようにしています。排泄の失敗等シャワー浴が必要な場合にはすぐに対応し、その際羞恥心や利用者本人の気持ちに配慮しています。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者それぞれの排泄についてはタブレットを使用した情報共有システムに記録し、職員全員が確認できるようになっています。排泄において介助が必要な利用者に対しては、利用者本人の訴え時にすぐ対応しています。自ら排泄意思を訴えられない利用者については、表情や行動、排泄パターンからトイレでの排泄が可能となるよう対応しています。排泄の失敗が発生しないよう日中と夜間でトイレ介助・リハビリパンツ・おむつ等の対応を変えることもしていますが、全員に自然な形での排泄に向けた対応ができていないことが課題と施設では考えています。入居時おむつだった利用者が家族や本人の希望でトイレでの排泄ができるようになったケースもあります。トイレは環境整備専門の職員が定期的に、または汚染の際に掃除し、いつも清潔に保っています。排泄介助の方法が適切かどうかをカンファレンス等で検討し、必要があれば対応を変更しています。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の身体状況は本人の希望を踏まえ、機能訓練指導員、介護職員、看護師、ケアマネジャーが検討し、できる限り自力で移動できる手段を提案しています。福祉機器や福祉用具についても、必要となれば利用者・家族と相談し、業者と連携して杖、歩行器、シルバーカー、車いす、リクライニング車いす等を速やかに用意しています。身体状況の変化や利用者・家族の希望があれば、カンファレンスを行い使用する福祉用具等の変更をしています。施設内はバリアフリーとなっていますが、リビング等共用部分を利用する際に廊下等に福祉用具を置くことで、移動の妨げになることがあります。移動の妨げや転倒の危険とならないよう、福祉用具の置き場の検討が望まれます。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

食事は委託の調理業者により施設内で調理をしています。献立も調理業者が1ヶ月毎にメニューを作り施設内に掲示しています。食事は基本的にリビングで摂ることとしていますが、胃瘻の利用者は経口摂取できない気持ちを配慮し、居室で注入をしています。食事の環境は音や光に配慮し、落ち着いて食べられるようにしています。調理業者による衛生管理体制が確立され、調理職員の健康管理や、食材の管理、調理はマニュアルに沿って行われています。メニューはアレルギーがある場合は代替え食の提供をすることとしていますが、希望による選択メニューには対応していません。決められたメニューの中にも選択メニューを設ける等、食事を楽しむ工夫が期待されます。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

食事は委託の調理業者がメニューの作成から調理までを行っています。食事の形態は利用者の状況に合わせ、常食、一口大、刻み、極刻み、とろみ等形態を変えています。食器、環境にも配慮しています。食事前には口腔体操を行い、咀嚼・嚥下機能の維持や自力での食事摂取が継続できるよう努めています。現在対象者はいませんがアレルギー対応もしています。外食の希望があれば、施設のイベントとして計画し、和食レストラン等に行くこともしています。毎月1日はその月の誕生者を祝う誕生会とし、通常と違うメニューを用意し、お品書きも添えて雰囲気に配慮しています。さらに、利用者の栄養状態に合わせた栄養ケア計画の作成や、誕生会等には当事者の意見も踏まえたメニューの提供等、利用者の楽しみや意欲向上を図る取組が期待されます。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

毎食後の歯磨きやうがい、義歯の洗浄・保管は利用者の状況に応じて必要な支援を行っています。義歯の管理が必要な場合には、ケースに名前を付け他者のものと混同しないよう注意しています。自身で歯磨き等管理が可能な場合は自立を促すためにも継続してもらい、介助が必要な場合には声かけ等により自分でできることをしてもらっています。口腔ケアの実施状況や内容はタブレットで記録をしています。毎週木曜日には歯科医の訪問があります。定期的な状態確認や、希望する利用者が相談できる体制となっており、必要時には歯科受診につなげています。口腔内のチェックについて、介助が必要な利用者については確認していますが、自立度の高い利用者については把握が期待されます。利用者全員の口腔ケア、口腔内チェックや記録の仕組み作りが期待されます。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

褥瘡対応についてのマニュアルを整備し、褥瘡予防の方法等についての研修を毎年実施する等、褥瘡予防や発生時の対応、介助方法等について学んでいます。褥瘡発生者がいる場合には看護師を中心とした相談員・ケアマネジャー・施設長・介護職員から構成される「褥瘡委員会」が毎月開催され、処置やエアマット等福祉用具の利用について検討しています。利用者の褥瘡についてはタブレットの記録や会議等で周知し、画像を主治医に送り対応策の指示を受ける等、早い改善に向けた取組を行っています。今後、褥瘡委員会を定期的に開催し、利用者の発生時のみでなく、より深く知識を学び、予防に取り組むことが期待されます。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:非該当(利用者の状況により)】

非該当

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:a】

入居時や状態変化時のアセスメントにより心身状況を確認し、利用者・家族の意向を踏まえ、日々の生活の中でできる限り不活発とならないよう支援をしています。入居者全員に対しては映像や職員が指導しての毎日の体操や、ボールや風船、ゲームを使用して体を動かし、体を動かすことで認知機能の低下や予防に努めています。利用者個別の対応は、機能訓練指導員による運動機能の評価を行い、必要な運動や個別のレクリエーションを検討したうえで機能訓練計画書を作成して実施し、定期的な評価をしています。散歩等屋外に出たい希望があれば職員が付き添って近隣を歩き、運動に加えて季節感を感じたり気分転換を図るなどリラクゼーションも合わせた運動の機会確保に努めています。必要があれば訪問マッサージの紹介等もしています。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

入居前の面談は相談員・ケアマネジャーが訪問し生活歴や利用者本人の日常生活、趣味等についての能力確認等アセスメントを実施しています。アセスメントの情報を施設内での会議で周知し、利用者・家族が不安なく安全に生活できるようケアプランを作成し、利用者・家族に同意を得ています。日中・夜間や状況により精神状態が不安定となる利用者については、個々の状態に応じて環境設定やマンツーマンでの対応等を行い、その状況をカンファレンスで周知し、精神状態の変化が少なくなるように支援の方法を検討しています。認知症については研修を行い、認知症の種類や発生の原因、予防等について学んでいます。精神状態の変化や不穏となる利用者に対応してはいますが、職員体制の薄い時間帯での対応方法が今後の課題と施設では考えています。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の体調変化時には速やかに看護師、主治医に連絡がつくようになっており、緊急対応がとれる体制となっています。体調変化については利用者の疾患や通常時の血圧、体温を確認して記録し、どのように変化しているか正確な情報を伝えられるよう「緊急搬送マニュアル」を整備しています。けがや火傷、感染症等についても学んでいます。利用者が使用している薬剤についての情報は記録で管理され職員に周知しています。副作用等については確認しきれていない部分があります。救急救命についての研修は実施していますが、体調変化時の対応については周知しきれていない状況です。今後、救急救命のみでなく、体調変化時等の対応について研修を実施し、どの職員でも同じ対応ができるよう研修やマニュアルの作成等が望まれます。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

施設での看取りについては入居契約時に家族の意向を確認し、法人が規程している「終末期についての指針」について説明を行い、書面にて同意を得ています。実際に看取りの段階となった時点で再度家族に意向を確認し、変更があればその時の意向に沿って支援することとしています。終末期の判断は主治医が行い、予後について家族に説明をしています。施設では終末期を迎えた利用者の居室は少なくとも1時間ごとに訪室し、状態を確認・記録しています。その際体位交換や水分補給、口腔ケアを実施する他、可能な限り好きな音楽を流したり、環境整備、趣味を継続できるように配慮し、対応しています。これまで看取りのケースは多くありませんが、今後、看取りについての研修を定期的に実施し、施設全体で対応できる知識や技術の習得が望まれます。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

家族への連絡は毎月生活状況や身体状況、イベント等の報告を電話やメール等で行っています。心身状況の変化がみられた場合はその都度家族に連絡・報告をしています。家族からの相談は面会時や電話、メール等、確実に伝わる方法で随時対応しています。時間をとり直接相談したい要望があれば時間を設定し、話をしやすい場所を確保して対応しています。主に居室での面談ですが、利用者と別に話をしたい場合には施設内に場所を設定し、相談内容は記録し、職員で共有しています。要望については極力対応しており、外出希望があった際には柔軟に計画をたてています。家族を含めた東京湾クルーズ船での食事会などを実施しています。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:非該当(特養、通所、養護・軽費)】

評価外