社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ぶどうの実第2さぎぬま園

2024年11月15日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 ぶどうの実第2さぎぬま園 評価対象サービス 2024~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60(59) 名
所在地 〒216-0004
川崎市宮前区鷺沼2-6-5
TEL 044-860-3315 ホームページ https://budou-ki.co.jp/index.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2018年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社 ぶどうの木
職員数
常勤職員:18 名
非常勤職員:10 名
専門職員
保育士:22 名
看護師:1 名
管理栄養士:1 名
栄養士:1 名
調理師:2 名
施設・設備の概要
居室:0.1歳児室
居室:2.3.4.5歳児室
設備:調理室
設備:調乳室
設備:ほふく室
設備:事務室兼医務室
設備:トイレ
設備:園庭

③ 理念・基本方針
<理念>
『シアワセな未来を創るひとを育てる』
・ひとが「シアワセ」であるとは、ひととひとのつながりや広がりがうまくいくことを基盤にします。だとすれば、シアワセな未来を創る”ひと”を育てるとは、ひととひとが豊かにつながり合うという肥沃な土壌があってこそ、一人ひとりが大切にされ、成長の根を育み、希望の種を宿すことが可能になるのです。こうした土壌の中から、子どもたちは、やがて自ら希望を切り拓き、ひとと共生し、社会に貢献する”ひと”として、芽吹いていくのだと私たちは信じています。『シアワセな未来を創るひとを育てる』ことこそがぶどうの木のコアパーパス(社会的存在意義)だと考えています。

育つ・育てる・育ちあう保育の実践をめざします 
子ども自身がよりよく生きようとする意志を持つ主体的な《育つ》存在であることを大切に、ゆるぎない愛情と責任感のある養育者として《育てる》の実践を展開し、子ども同士・スタッフと親・親同士が支え合い、助け合って《育ちあい》の関わり合いを大切にする保育を目指します。

<保育目標>
●一人ひとりを大切にする子ども主体の保育

<基本方針>
●一人ひとりを大切にする子ども主体の保育を実践するため私たちは3つの基本姿勢を大切に責任感のある保育者を目指します。

1.勇気づけの保育 
いきいきとした肯定的で効果的なコミュニケーションを通して、子どもとの信頼関係を築きながら、建設的な見方で子どもの長所や能力に注目し、ひとの役に立っていることを感じさせていきます。そして、結果よりプロセスと努力を認めて、失敗を恐れずに前向きにチャレンジするやる気を引き出します。そして、気さくで、ほかの人に関心や思いやりを示し、生き方が積極的で、人生の可能性に肯定的で、しかも熱意と自信に満ちた人間として、活気に満ち充実した人生を築いていける基になる成長の根っこをはぐくむために、責任感ある保育者として『勇気づけの保育』をしていきます。

2.裁かない保育
子どもの現象的な好ましくない言動に振り回されて、困った子、悪い子という良い悪いという二者択一的な観点で子どもを捉えません。子どもをありのままに肯定された存在として受け入れ、行動の裏にある肯定的な意図や動機を理解しながら、統合的な観点で関わります。そのために、共感的に子どもの立場を理解できる感受性を持った責任感ある保育者として、子どもの人格と行為を分け、決め付け・押し付けをして子どもを『裁かない保育』をしていきます。

3.見守る保育
やるべきことが決められ、指示されるだけの生活は、子どもの意欲や自信を奪い、失敗を恐れ、依存心の強い子どもになっていきます。そこで、子どもたちの育つ力を信頼し引き出すために、指示・命令・禁止・許可をできるだけ避け、子ども自身の失敗や成功の体験を通して、子どもたち自身が感じ取り・気づき・考えることや友達とのトラブルや課題を子どもたちが自ら解決し行動する・伝え合う・協力することを援助します。そのために、観察し傾聴し誘導し引き下がれる柔軟性にあふれた責任感ある保育者として子どもを『見守る保育』をしていきます。         

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<ぶどうの実第2さぎぬま園の特徴的な取組>
1.「おもしろくなきゃぶどうじゃない!」常に子どもを真ん中にし、子ども主体で保育を創る時、大人主体が問われます。慣例や規則ばかりに縛られることなく、子どもの「今」そして「未来」を見据えて子ども一人ひとりの輝く瞬間を大切にしたいと考えています。そのためには、子どもだけでなく大人も一緒におもしろがれるそんな保育を実践したいと願っています
2.「子どもの豊かなマインドを育む多彩な保育カリキュラム」法人6園の年長児と学童の子どもが中心となって自分の「したい」を仕事にしてまちづくりプロジェクトを行っています。
3.社会に貢献できるひとを育てるという想いから子どもたち自身が海外に住む里子の支援や今自分たちに出来るSDGsの活動に参画し継続的に取組んでいます。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/06/03(契約日) ~2024/11/11(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【ぶどうの実第2さぎぬま園の概要】 
●ぶどうの実第2さぎぬま園(以下、当園という。)は、株式会社ぶどうの木(以下、法人という。)の運営です。法人は、川崎市で6園の認可保育園と学童保育を運営し、理念『シアワセな未来を創るひとを育てる』に基づき、子どもたち一人ひとりの成長を丁寧に育む保育を提供しています。大きな粒のぶどうの実がたわわになったぶどうの房が、大地に強く根を張ったぶどうの木に支えられるように、それぞれの子どもの個別ニーズと家庭のニーズにきめ細かく対応し、柔軟な保育サービスを提供すると共に、地域に根差したトータルな子育て支援を目指しています。

●当園は、東急田園都市線「鷺沼駅」から徒歩11分程の閑静な住宅地の中に位置しています。道路を挟んで法人系列園の「鷺沼園」があり、行事や普段の保育の中でも交流する環境が整えられています。園舎は、鉄骨造り2階建で、木の温もりが感じられ、日差しが差し込み、明るい空間が広がっています。園庭や屋上園庭も有しています。

●当園の定員は60名、0歳~5歳児までの保育を実施し、現在59名の園児が在園しています。保育目標「一人ひとりを大切にする子ども主体の保育」を掲げ、年齢に関係なく好きなこと・得意なことが楽しめるように環境設定を工夫しています。職員は、「みんな違ってみんないい」をモットーに、子どものありのままの姿を大切にし、法人の異年齢保育「ごちゃドバ(楽しい事がドバドバ出てくる)」を実践し、「毎日楽しくてしかたない!」と子どもたちが輝ける保育を目指し、園長をはじめ、職員の笑顔が輝く保育園です。

◇特長や今後期待される点
1.【子ども主体の保育】
当園では、「子どもが中心」を視点に、毎日の保育活動を実践しています。子どもの成長段階に合わせた年齢区分を設定(種の時期:0歳~1歳半 芽の時期:1歳半~3歳 苗の時期:3歳~6歳)し、成長の根を育むために4つのポイント「安心感」・「達成感」・「自尊心」・「共感」を大切にした保育実践です。低年齢児期は、安心して生活し、楽しく過ごせるよう、保育士は子どもの仕草や表情をキャッチし、一人ひとりにやさしく丁寧に関わっています。幼児期では、年齢別保育と異年齢保育「ごちゃドバ」を組み合わせた保育を実践し、「子どもが楽しく遊べていたか、満足していたか」を振り返りのポイントとしています。職員は常に子どもの思いを聴き、子どもの気持ちに寄り添った保育実践ができるよう努めています。調査日に3歳児が「プランボード」(遊びたいコーナーを選択)で迷っていた時、保育士は傍でそっと見守り、その子の表情を見極めて声掛けをし、子どもが自分から遊びを決定した時は、笑顔が溢れ、遊びのコーナーへ駆けていきました。また、「お迎えボード」を設置し、降園時間を子どものマークで表示し、子ども自身で時間を意識して、遊び・片づけ・身支度等、一日の見通しが持てるようにしています。当園の子どもたちは、保育士を「○○さん」、園長は「ママ先生」と呼び、先生という立場からの大人目線で子どもを見るのではない、「大人と子どものフラットな関係」作りが成されています。「みんな違ってみんないい」をモットーに、「頑張らない保育」・「楽しい保育」を目指し、職員と子どもたちで保育を楽しんでいます。
今回の利用者(保護者)アンケートでも「子どもの自主性を尊重」、「子ども第1に考えている」、「一人ひとりを丁寧に見ている」、「子どもがやりたい事を実現」、「理念通りの保育を実践」等々の意見が多く寄せられ、満足の回答率94%と高い評価を得ています。

2.【多彩な保育プログラム】
法人では「生きる力の土台を育む保育の柱」として、セカンドステップ(米国NPO開発プログラム)や、レインボータウン「まちをつくっちゃおうプロジェクト」を幼児教育に導入しています。また、海外(ネパール、フィリピン、スリランカ)の里子3名に支援を行い、多様な文化を学ぶ機会を提供しています。当園では、4歳児からセカンドステップに取組み、子どもたちのトラブルをパペット(指人形)で分かりやすく表現し、その時々の感情を子どもに問いながら、「相互の理解」・「問題解決」・「怒りの扱い」について学び、社会適応力を高めています。年長児は、レインボータウンで自分の「好きなこと、やりたいこと」を仕事にし、「達成感」や「役に立つ自分」を実感できるよう取組んでいます。調査日は、幼児クラスのプロジェクト保育「忍者」が始動し、至る所に「忍者」の影があり、子どもたちは、昨日作った「おだんご」の数が減り(19個から16個に)、巻物の手紙を発見し、「3個ないよー!」、「何か書いてある」、「もしかして忍者がいる?」等々、驚きと興奮でワクワクが止まりません。また、その後の活動(忍者に入門、修行、絵巻をゲット等)につながり、今後の展開が楽しみです。その他「ハッピーDAY」(親子の運動遊びの会)、「ハートフルDAY」(子どもの楽しい姿を披露)等に取組み、楽しい保育を展開しています。

3.【食育の推進】
給食を『ぶどうの愛情ごはん』と称し、食育に力を入れています。献立は、味覚の形成時期の子どもたちに「ダシの味が分かる子どもに育てたい」との思いから、和食を中心としたメニューです。ダシは、3種類(煮干し、鰹節、昆布)から丁寧に取っています。お米は、分つき米(秋田、山形)を採用しています。各年齢の食育活動に応じて、子どもたちに体験(食材に触れる、菜園活動で野菜の生長を感じる、クッキング等)を通し、食を身近に感じられるよう取組んでいます。今年度は「ぶどうのカレー」がメニューに加えられ好評であり、和をベースとした「カレー」仕立てで、野菜をダシで煮、トロミは玉葱を蒸してペースト状にしたものと米粉(小麦アレルギー児への配慮)&カレー粉で調理されています。クッキングでは、子どもたちが育てた夏野菜(トマト、ピーマン、ナス、キュウリ、バジル等)を基に、子どもたちの要望に応えてピザ作りをしています。年長児は親子でピザを作り、試食会を楽しんでいます。また、レインボータウンの取組で、子どもの要求「ケーキ屋さんをやりたい」に応えて、栄養士が子どもと一緒に対話しながら、計画・実行しています。その他、梅ジュース、味噌作り等、食文化を伝える取組もしています。今回の利用者(保護者)アンケートでも満足回答率85%という高い評価を得ています。

4.【人材確保・育成・定着への取組】
事業経営上の課題として、人材の確保・育成・定着を挙げています。この課題は当園に限らず、保育園運営上に共通するものと思われます。園長は、一人ひとりの職員とのコミュニケーションを図ると共に、ワーク・ライフ・バランスに配慮した取組を行っています。ICT化を図り、残業要因となる事務作業は、勤務時間内で処理できるよう配慮しています。また、有給休暇が取りやすく、急な休みにも対応できるような職員体制に努めています。当園の定員は60名ですが、常勤18名、非常勤10名が配置され、支援が必要な子どもに1対1で寄り添う保育ができています。職員は「やりたい保育ができて楽しい!!」と笑顔です。子どもと職員はもとより、保護者とも「みんなで子育て」をモットーに、フラットでオープンな関係作りが成されています。今後も「ぶどうの保育は楽しい~働きたい」と思われるよう「ぶどうの木のブランディング化」に向けた取組に期待します。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 ぶどうの実第2さぎぬま園  
         
≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取組の感想≫
開園して7年目を迎え、今回の受審は初めてとなります。
開園時0歳で入園した子どもたちの卒園を見送ることができて、保育のエビデンスとして自分たちの保育を振り返ると同時に、この度の第三者評価という客観的視点で見直しができたことは、私にとってもチームにとっても、大きな気づきと学びの機会になりました。

総合評価の中に、「毎日が楽しくてしかたない!」と子どもたちが輝ける保育を目指し、園をはじめ、職員の笑顔が輝く保育園です。という記述があり、とても嬉しくて励まされました。
「シアワセな未来を創るひとを育てる」という、ぶどうの木の存在意義を体現するのは、子どもを真ん中にして、職員や保護者みんなの輝く笑顔だと思います。
そして、一人ひとりの子どもや職員、保護者も含めて肯定的に受け止められ、ありのままに包み込まれたぶどうの実であり続けることが、何よりも大切な使命でもあると思っています。そのためには、決して現状に満足することなく、振り返り、改善して、さらにより良くしていこうという前向きなマインドとモチベーションを持ち続けて運営していきたいと思います。

今回の受審を通して、改めて自園の課題や良いところを発見することができました。目からウロコのように深い気づきも得ることができました。そんな有意義なディスカッションの機会を与えていただいた評価者の方々に心より感謝申し上げます。

≪評価後取組みたいこととして≫
1.小学校の連携の強化

2.地域との交流

3.総合的な人材育成のしくみと人事管理体制

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

理念、基本方針については、法人で確立され、法人系列全園で周知されています。理念や基本方針は、ホームページ、入園のしおり等に掲載されています。保育理念は「シアワセな未来を創るひとを育てる」と端的なフレーズですが、内容を分かりやすくするための注釈が添えられ、社会的な存在意義と捉えています。同様に基本方針「勇気づけの保育」・「裁かない保育」・「見守る保育」にも注釈が添えられ、保育者としての行動規範になっています。理念や方針、保育目標、大切にしたいことを全職員に周知し、保護者に対しても「共育て」の視点で共有していく旨を入園時面談、保護者会等で説明し、理解してもらうよう努めています。今回の利用者(保護者)アンケートでは、0歳児は100%、総合的にも73%と高い周知が窺えます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

事業経営の把握・分析は、主として法人が担っています。園長は、法人園長会議、川崎市公私立園長会、宮前区園長会等に出席し、社会福祉事業の動向や国・川崎市や区からの情報を入手し、把握しています。当園が立地する地域の動向やニーズの変化、課題等については、地域の保護者との対話を通して把握し、内容は法人内で共有しています。経営状況及び保育にかかるコスト分析は、事務スタッフや法人顧問の税理士と行い、保育所利用率については、宮前区の担当者と常に情報を共有しています。今後も利用者ニーズの把握に努め、事業経営を取り巻く環境の把握・分析を継続して取組んでいただきたいと思います。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

法人本部で経営環境や保育内容、組織体制や設備の整備、職員体制、人材育成、財務状況等の現状分析に基づき、具体的な課題を明らかにし、改善に向けて取組んでいます。内容については、毎月の法人園長会「ぶどうの会」で共有しています。園としての経営上の課題として「人材確保・育成・定着」、「ぶどうの木のブランディングの確立」、「事業継承を見据えた園長・主任・リーダー層の人材育成」、「職員の働き方支援の確立」を挙げています。これらの課題については、法人本部と園で十分な情報共有を図り、取組んで行かれることを期待します。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人のビジョンを基に、保育指針やガイドラインを反映した中・長期的なビジョンを策定しています。
内容は、保育理念や基本方針を踏まえ、保育目標の実現に向けて「保育環境」、「保育実践」、「スタッフ育成」、「保護者支援」を柱に実現可能な目標を掲げて取組んでいます。また、年度末の振り返りや必要な時期の振り返りを踏まえて、次年度の計画内容を確認し、目標の達成に向けて、計画的な事業実施に取組んでいます。保育業務は数値目標化が難しいものの、今までの保育や運営の気持ちを変わらず将来まで持ち続けたいと考えています。職員(当園ではスタッフと呼称)一人ひとりの保育の振り返りを大切にし、生き生きと働ける風通しの良い職場作りを目指しています。具体的に職員へ周知し評価していくことを今後の課題としています。課題の解決・改善に向けた計画的な取組に期待します。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

当園では、中・長期計画として策定されている全体的な計画に基づき、単年度計画として「年次計画」(当園の年間指導計画の表記)が策定されています。各年齢の養護と教育を踏まえた視点から、保育目標、保育内容(環境を含む)、食育、健康・安全、家庭との連携、及び各年齢の「年間テーマ」を盛り込む等、園の独自性も反映しています。さらに、年間を通して実行可能な計画となるよう、具体的に「月次計画」・「週次計画」に下ろし、計画・実行し、実施後は評価・反省し、次期につなげる仕組み作りができています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

園の事業計画として、全体的な計画、年次計画が挙げられます。事業計画は、中・長期計画及び昨年度の事業計画の振り返りを念頭に、次年度の計画を策定しています。各年齢の指導計画は、職員会議等で話し合い、周知から見直しまで行っています。計画の実施後のみならず、実施期間内に状況を把握し、評価・反省を行い、見直していくように期間や手順を定めていかれることを期待します。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

園の事業計画については、保護者に年度初めに「2024年度 行事のねらいと内容」として配信(キッズリー)し、丁寧に説明し、理解を促しています。中でも保護者参加の行事については、具体的な内容を配付や掲示、口頭等で分かりやすく保護者に伝え、理解を得ています。保護者への周知を図るための情報提供として、ホームページ、タブレット配信、園内掲示のお知らせ、園だより等を発行し、保護者との連携を図っています。また、インスタグラムも活用し、日頃の子どもたちの活動の様子をタイムリーに伝え、理解を得ています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

保育の質の向上に向けて、PDCAサイクルに基づき、各年齢の年次指導計画に沿った「月次計画」・「週次計画」等の振り返りが記載され、組織的・計画的に行われています。指導計画等には、振り返りと次への展望を記入する評価・反省欄があり、PDCAサイクルが行えるようになっています。また、年1回保育所の自己評価と保育士の自己評価を実施しています。今年度、初めて第三者評価を受審し、全職員で保育の振り返り、取組む中での気づきを得ています。評価結果を基に、職員間で保育の質の向上に向けた取組を計画しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

毎年、川崎市の指導監査を受け、指摘事項については職員に周知し、改善に向けた取組をしています。保育計画では、毎月の「月次計画」の振り返りを行い、課題を明確にして次期に生かすようにしています。行事の実施後は、保護者アンケートを集約し職員間で課題の共有化を図り、次回に向けて計画的に取組んでいます。今回、第三者評価を受審し、評価結果で取組むべき課題が発生した場合、職員や保護者に周知を図ると共に、改善計画を策定して実施するよう計画しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

管理運営規定に園長の職務職責が定められており、園長は自らの役割と責任を自覚して、法人の方針を受け、園の保育方針を職員会議で説明しています。具体的には、全体的な計画策定、保育の計画全般、組織図(防災)等に関する取組を明確にしています。当園の職務分掌で明文化され、職員への周知が図られています。園内で園長不在時の権限委譲も周知し、職員は理解しています。有事発生時の連絡体制等、保護者向けには、重要事項説明書で入園時に説明を行うと共に、園だよりを活用し周知を図っています。また、土曜日についても、重要事項説明書の「責任者の選任」で「当日担当する正規職員の中で最も上席の職員を責任者とする」と明記し、保護者に理解を得ています。毎月の園だよりでも、園長としての意見や想いを発信しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人の運営規定や就業規則、個人情報保護規定に、園長が遵守すべき法令等に関する記載があり、理解を深めています。また、園長は法人園長会、宮前区園長会、園長研修等で川崎市や区と情報共有し、法令遵守や経営に関する情報を得ています。内容については、職員会議・園内研修時に職員に周知し、知識の共有化を図っています。守秘義務に関しては、職員と誓約書を交わし、内容についても理解しています。保護者には、重要事項説明書で丁寧に説明して、個人情報保護の観点から、「個人情報使用同意書」に署名、捺印をもらい理解を得ています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は日頃から保育現場を観察・参加し、相談やアドバイスを行う等、保育の質の向上に意欲を持って取組んでいます。3つの基本姿勢「勇気づけの保育」・「裁かない保育」・「見守る保育」を念頭に、指導計画や日誌等の確認を通して現状や課題を把握し、主任と共有し、改善に向けた取組が実践できるようにしています。必要に応じて個別に指導・面談を行うこともあります。また、毎月の職員会議やクラス会議等を通して、職員が意見を述べられる環境を整え、意見を聞き、保育の質の向上に取組んでいます。職員の意欲・維持向上については、キャリアアップ研修等への参加を促すと共に、習得した資格に応じて処遇改善を行っています。外部研修には、全職員が均等に受講できるよう体制作りを行い、各職種の質の向上を図っています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、経営の改善や業務の実効性の向上に向けて、園における人員体制や業務内容、財務状況等の現状分析を行っています。園の事務スタッフと共に、事業計画に基づく職員体制や環境整備、保育の財務管理等の改善に努め、人員配置や有給休暇の取得、時間外労働等に偏りが出ないよう取組んでいます。財務状況では、会計士からのアドバイスも受け、自らも経営会議に参加しています。働きやすい職場環境になるように、組織(経験数、実績、本人の意向)を考慮して組織表を作成し、一人ひとりが役割を認識し、目的を持った行動につなげています。また、保育業務アプリ(キッズリー)を取り入れ、ワーク・ライフ・バランスを考えた保育業務の軽減を図っています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人で必要な福祉人材の確保・人員体制に関する基本的な考え方や、方針は確立しています。運営規程に明記し、採用案を法人内で検討し実行しています。法人の人事担当が、各園の勤務体制を基に人事体制の具体的な計画を策定すると共に、人材採用メディアサイト登録等々、採用活動を行っています。また、ホームページやインスタグラムで保育士の仕事内容を分かりやすく伝えると共に、待遇面についても細かく記載されています。採用後は、入社時研修やOJT等、育成に努めています。当園の現状は、常勤職員の平均年齢が43.5歳、平均在職期間が5年という現状です。引き続き職員の定着につながるように、長く働いていたいと思える環境作りへの取組に期待します。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念・基本方針に基づき、「期待する職員像等」を業務マニュアルに記載し、明確にしています。人事基準(採用、配置、異動、昇進・昇格等)を就業規則と賃金規定に明示し、職員に周知を図ると共に、人事基準に基づいて職員の専門性や職務遂行能力、職務に関する貢献度を評価しています。園長は職員との面談や年度末総括(職員の自己評価結果)を把握し、課題の改善策を園内研修や職員会議で検討しています。クラス配置については、職員の意向や職務遂行能力、OJT等を総合的に判断して決めています。キャリアアップ制度及び法人の待遇により、職員が、自ら将来の姿を描くことができるような総合的な仕組み作りに取組んでいます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

人事労務管理に関しては、園長と事務スタッフの協力の下、職員の出退勤、超過勤務、休暇取得状況を管理し、休暇取得と仕事の進捗状況の双方のバランスを確認・実施しています。保育業務ではICT化を図り、保育事務の軽減につながっています。また、残業要因となる事務作業は、勤務時間内で処理するようにする等、ワーク・ライフ・バランスに配慮しています。園長は、日頃から職員とのコミュニケーションを図り、オープンでフラットな関係作りに努めると共に、個別面談を通して職員の意向等を把握し、必要に応じて相談対応しながら、働きやすい職場環境の整備に努めています。今回の利用者(保護者)アンケートに「園長先生含め、職員皆さんが笑顔で働いている。」と意見もあり、働きやすい職場であることが窺えます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

組織として「期待する職員像」を掲げて、職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っています。園長は、職員との対話や面談等を通して、一人ひとりの得意分野を把握し、助言を行い育成に努めています。職員の目標設定や目標達成度については、法人共通「自己目標シート」を基に、年度当初や年度末にアセスメントを行い、確認・把握をしています。また、必要に応じて職員面談を実施し、職員とのコミュニケーションを図ることが、人材育成の要として位置付けています。引き続き、職員一人ひとりの育成に向けて取組んでいただきたいと思います。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人の理念・基本方針を基に、保育者の目指す姿「期待する職員像」を明示し、職員の教育・研修に関する基本方針や計画を策定し、実施しています。法人主催の研修の他、川崎市や宮前区の研修に職員が参加し、知識や技術の取得に努めています。園外研修に参加する場合は、就業時間内に行くことができるように体制作りが成されています。研修後は、職員会議等で報告の機会を設け、知識や情報の共有を図り、園内研修として生かしています。当園の研修計画は、年度ごとに職員の受講実績等を勘案し、策定しています。職員の能力アップを図ることにより、園全体のレベルアップにつながるように努めています。今後も継続した人材育成に期待します。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員一人ひとりの専門資格の取得状況や知識・技術水準等は、入社時及びその後の研修受講履歴で把握しています。法人の等級表「職位別の研修計画」に基づいて、職員は各職位に応じた研修を受講することにより、キャリアアップにつなげています。新入職員へのOJTについては、法人の育成マニュアルがあり、入社時研修(法人合同)後は、指導担当者が付いて実務に慣れるようにしています。役所等の公的機関が実施する外部研修(神奈川県、川崎市、宮前区主催)の情報は、全職員に周知し参加を促しています。各研修で得た内容は、職員間で情報共有しています。全職員が習熟度に配慮した研修(新任、中堅、主任、園長)に参加し、スキルの向上に努めています。非常勤職員も含め、職員一人ひとりに研修の機会が確保されるよう取組んでいます。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成に関する基本姿勢は明文化され、実習生受入れマニュアルを整備しています。実習生受入れ担当は園長・主任とし、養成校との連携を図り、実習生に事前オリエンテーションを行い、目的、責任実習の有無等を打ち合わせ、実習生本人の希望が叶うよう調整しています。実習期間中は毎日、担当保育士と振り返り、具体的に指導を行うと共に、学校の担当者による巡回指導と連携を図り、実習を進めています。実習最終日には、園長を含め関わった職員と反省会を設け、全体の振り返りを行っています。全職員は、実習生、ボランティア、職業体験等の学生に対して、後輩育成の観点から指導、助言、相談を行う姿勢を持ち、対応する旨を申し合わせています。保護者には、園だよりや園内掲示にて周知し、理解を促しています。今年度、専門学校等からの実習の受け入れを積極的に実施しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人や園のホームページ、SNS等に、理念、基本方針、保育の内容等を公開しています。また、入園のしおり・重要事項説明書・リーフレット等でも情報を提供しています。法人が株式会社であることから、財務に関わる公表はしていませんが、保護者には、入園面談等で運営内容を伝えています。園の苦情・相談体制等は、玄関に掲示して公表すると共に意見箱を設置し、いつでも意見が述べられるようにしています。園舎入口の掲示板には、行事案内や園だより等を掲示して情報を提供しています。また、地域に向けた活動やイベント等は、宮前区保育園・幼稚園 地域子育て支援情報誌「あ~そ~ぼっ」に内容を記載しています。今回の第三者評価の受審結果は、公表していく予定です。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人経理規定等に基づき、事務、経理、取引、契約等の業務に関するルールを明記し、規定に沿って業務遂行しています。当園の決算については、事務担当が拠点ごとの収支計算分析表を作成し、毎年、川崎市の行政監査を受け、結果を法人に報告しています。また、法人の顧問である専門家に定期的な確認を依頼しています。税理士が、毎月の経理処理データを精査し、社会保険労務士が社会保険関係を確認する等、公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域との関わり方について、基本的な考え方を全体的な計画に盛り込み、「子育ての社会化」・「みんなで子育て」をキーワードに、地域に根差した子育て支援に取組むと記載しています。当園は開園から7年目ですが、コロナ禍の影響もあり、子どもと地域との交流が制限されていました。市や地域等から提供される資料等については、保護者に通知し、できる限り取組むように努めています。子どもたちも散歩時には、近隣の方と挨拶や会話を交わし、関わりを持っています。今年度、「ぶどうチャンネル」(地域の保護者用のイベント情報等)を開設し、地域のニーズに応える体制作りをしています。今後の取組に期待します。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にしていますが、開園よりボランティア受入れの機会(コロナ禍もあり)が、ほとんどありませんでした。ボランティア活動は、地域社会と保育園をつなぐ柱の一つとして考えており、大切な交流と位置付けています。アフターコロナになり、地域の小学校からの職場見学・中学校の職業体験・高校生のインターンシップ・専門学校等からの受入れを積極的に行うよう努めています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

事故発生時等に受診ができる病院・医院や緊急時の消防署、警察署等は職員に周知しています。保護者には、入園のしおり・重要事項説明書を配布し、周知を図っています。特別な配慮の必要な子どもの保育及び健康観察については、園医や保健師(宮前区役所地域みまもり支援センター)、川崎西部地域療育センターの指導やアドバイスを受け、職員間で共有し保育に生かしています。家庭内等での虐待等権利侵害が疑われる子どもへの対応については、要保護児童対策地域協議会への参加、川崎市中部児童相談所等、関係機関と連携を図るようにしています。職員への周知も個人情報に配慮しながら行っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

園見学や子育て相談等の際に、地域の方々の声を聞き、保育園の専門的な知識や技術を生かし、子育てに関する相談に応じる等、子育てに必要な支援を行っています。園長は、宮前区園長会、私立保育園長会、幼保小連絡会、子育て支援会議等に出席し、地域の情報収集や情報交換を図り、福祉ニーズを把握しています。5歳児担当保育士は、幼保小連携の活動に参加し、子育て支援のニーズの把握に努めています。また、法人では「ぶどうの木子育て支援事業部会」を設置し、多様な相談に応じる体制を整えています。当園の第三者委員は、地域で連携している子育て支え合いネットワーク「満」(地域で子育て支援を展開するNPO)の代表でもあり、支援ケースの相談に応じる等の連携が図られています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

把握した地域ニーズに基づいて、園としてでき得ることに取組んでいます。宮前区子育てイベント開催時には、保育士が出張して遊びの提供をしたり、子育て相談に応じたり等、近隣保育園や区役所と協働して取組んでいます。地域との防災対策、備品の備えや支援については、協定は結んでいませんが、園児の安全を確保した上で、地域住民への協力体制を検討しています。引き続き、地域の福祉ニーズに基づく公益的な事業・活動に取組む体制でいます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

当園の全体的な計画に、理念・方針・保育目標及び保育実践についての配慮や取組が詳細に記載され、全職員が共有し、子どもを尊重した保育の実践に向けて取組んでいます。中でも保育目標「一人ひとりを大切にする子ども主体の保育」のポイントとして、「勇気づけの保育」・「裁かない保育」・「見守る保育」の手立てが分かりやすく記載されています。職員は、常に子どもの思いを聞き、子どもの思いに寄り添った保育の実践を心がけ、その日の保育日誌等で振り返りを行っています。毎月の職員会議では、各クラスの子どもへの配慮すべきことを話し合い、全職員で情報を共有しています。当園のモットー「みんな違ってみんないい」である多様性や、インクルーシブ保育を実践しています。取組の1つに海外(ネパール、フィリピン、スリランカ)の里子3名に支援を行い、多様な文化を学ぶ機会を提供しています。また、セカンドステップ(米国NPO開発プログラム)を幼児教育に導入し、「相互の理解」・「問題解決」・「怒りの扱い」について学び、社会適応力を高める取組を実践しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー保護については、法人の職員就業規則、個人情報保護規定に個人情報に関する職員の守るべき姿勢を定めています。職員とは職務遂行する守秘義務について誓約書を交わすと共に、入社時研修を実施しています。保護者とは、重要事項説明書で園における個人情報の内容・保護方針を明記し、同意を得ています。同様に、ホームページ・SNS等の写真掲載についても詳しく「入園のしおり」に記載し、保護者の同意を得ています。子どものプライバシー保護については、日々の保育の中で常にプライバシーに配慮した対応(オムツ交換・着替え・シャワー等)を心がけています。子ども・保護者に関する書類等は、鍵付きの書棚にて厳重に保管・管理しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用希望者に対する保育所選択に必要な情報提供については、当園の入園案内やホームページを用いて園紹介を行い、利用希望者に見てもらえるようにしています。園のホームページでは、理念・基本方針・園の特色・保育内容等を写真付で紹介すると共に、SNSのインスタグラムを活用し、子どもたちの活動の様子を分かりやすく紹介しています。電話での問い合わせには、園長・主任がいつでも対応し、見学は希望に合わせて日程を調整しています。利用希望者からの見学の際は、個別に随時対応し、丁寧に説明しています。毎年、入園案内「入園のしおり」等を法人・園で見直し、最新の内容を提供するように努めています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

新入園児に関しては、保育開始前に入園面談を実施し、「重要事項説明書」・「入園のしおり」を基に、保育内容や留意事項等を分かりやすく説明し、保護者と利用契約書を交わしています。入園後に大幅な変更があった際には、再度、重要事項説明書を取り交わします。保育内容が変更される場合には、その都度、キッズリー(連絡アプリ)や園内掲示等で内容を伝え、理解してもらえるように努めています。要支援保護者に対する説明に関しては、支援内容に応じて個別に対応することにしています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

途中で転園した子どもの情報については、個人情報であるため基本的に情報提供や保育の引き継ぎは行わず、保護者に行ってもらっています。養育困難ケースや障害児、児童相談所ケース、 区の保健師絡みケースについては、区役所を通して行う場合はあります。年長児(5歳児)については、保育所児童保育要録を作成し各小学校へ提出し、必要に応じて電話対応も行っています。卒園児に関しては継続性を持ち、担任及び主任が窓口となり、いつでも相談ができる旨は口頭で伝えています。また、手紙を出して「OB会」を開催する等、保育の継続性に配慮した対応を行っています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育目標「一人ひとりを大切にする子ども主体の保育」の下、日々の保育の中で子どもの表情、遊びへの意欲等を観察すると共に、子どもの話を聞きながら、子ども自身の満足を把握するように努めています。保護者については、園児の様子を口頭やキッズリーで伝え、安心感や満足度を感じ取り、柔軟に対応するようにしています。毎回、園行事後に保護者アンケートを実施し、満足度を把握すると共に、課題があれば全職員で改善策を検討し、結果を保護者へ伝えています。保護者懇談会は年3回、法人の利用者アンケートは年1回実施しています。また、園と保護者・保護者同士の交流の場(ぶどうサークル)を設け、定期的に保育等について自由に話し合い、改善につなげています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の仕組みを法令に従い適切に整備し、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員(2名)を設置しています。園内にも苦情解決の体制を説明した資料を掲示しています。保護者には、重要事項説明書に苦情解決の仕組みを掲載し、入園時に説明し周知を図っています。玄関先には意見箱を設置し、いつでも意見が述べやすいようにしています。受付けた苦情については、苦情内容と解決に向けた園の方針を掲示する等、保護者全員に周知を図っています。これまでの相談内容等は記録し、保管・管理しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者が相談や意見を述べやすい環境に関しては、面接、電話、書面、メール、意見箱の利用等で、いつでも受付けることを入園時に伝えています。重要事項説明書に、苦情相談窓口について記載し、園内にも掲示し周知を図っています。玄関先には意見箱を設置しています。日頃から、キッズリーでの情報交換や送迎時等の声がけで信頼関係を築き、話しやすい雰囲気作りをしています。相談や意見があった場合、園長は保育士から報告を受け、保護者から知り得た情報を共有しています。相談の際には保護者の就労時間等に配慮し、日時や場所を調整し、プライバシーに配慮して、相談しやすい雰囲気作りに努めています。また、意見を伝えてくれたことへの謝意や、改善に向けて取組むことを伝えています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

入園のしおりの中で「保育園と保護者との連携」について、日常的にもフラットでオープンな相互のコミュニケーションの積み重ねを大切にしたいと記載してあるように、職員は、毎日の送迎時や連絡帳等で保護者との信頼関係の構築に努め、保護者が相談しやすく意見を述べやすいよう配慮しています。また、キッズリー、懇談会、アンケート、個人面談、意見箱等、保護者の意見を積極的に把握する機会・取組を行っています。保護者からの相談や意見を受けた場合は、担任と主任で対応し、園長に報告すると共に全職員が情報を共有できるように会議等で周知を図っています。園長は事実確認を行い、適切かつ迅速に改善に向けて取組み、改善結果を提案者に伝えるようにしています。継続的なフォローが必要な場合については、経過は記録に残しています。保護者からの相談・意見は保育の質の向上や運営の改善に生かすよう心がけています。今後は、相談を受けた際の記録の方法・手順、対応策等について分かりやすく定めたマニュアルの整備が必要と思われます。組織的に対応できるよう期待します。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメントに関しては、責任者は園長であり、園長不在時は主任と定め、災害時、地震、子どものケガ、行方不明等状況別に職員体制を敷いています。年間避難訓練計画を作成し、毎月、火災・地震・不審者対策の訓練を実施し、反省点を生かして見直しや改善につなげています。また、事故報告は勿論、事故に至らないヒヤリハット事案についても職員会議で共有し、対応方法等を検討しています。危険個所の確認(室内、園外)、毎日の安全点検、行政からの通知等を職員で共有しています。職員の研修(救急法・SIDS・誘拐防止・交通安全・防犯訓練等)を毎年受け、園内研修の題材として取り上げる等、日々の安全管理に生かしています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

国が策定した「保育所における感染症対策ガイドライン」に則り、感染症対応マニュアルを作成しています。登園停止基準や保育中に感染症等の疑いが生じた場合の対応について、「入園のしおり」に明示し保護者に説明しています。園内での感染症発生時は、速やかに全職員に伝えて蔓延防止策を講じ、保護者には園内掲示、保育アプリ等で周知を図っています。また、サーベイランスで川崎市における感染症情報を入手し、職員間で共有すると共に、保護者にも保健だよりで知らせ注意喚起を行っています。7月「保健だより」(当園の看護師作成)では、プールで注意したい感染症、夏に多い感染症、熱中症予防と看護の方法等を掲載し、保護者に啓蒙しています。アフターコロナになっても引き続き感染対策を行い、子どもの安全確保の取組を行っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

法人として防災対策のための「検討チーム」(防災委員会)を設け、組織的な取組を継続し、災害時の対応体制を定めています。園としては、年間消防計画、災害時の対応マニュアルを作成し、災害時の対応体制や災害発生時の初動対応を定めています。毎月、災害発生を想定した避難訓練を実施し、反省点も含め記録に残し、次回の訓練に反映させています。定期的に消防署にも報告しています。園長・主任の下、防災委員が責任者として備蓄品(食糧・水・おむつ等)のリストを作成し、備蓄品の整理や管理、保管場所の整備を行っています。重要事項説明書では、「非常災害対策」として、避難場所等の必要項目を明記し、保護者に周知すると共に、保護者への引き渡し訓練も実施しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

法人の基本方針や運営規定、保育の実施方法に関する各種マニュアルがあり、保育の標準的な実施方法と子どもを尊重した保育やプライバシー保護、権利擁護に関わる職員としての姿勢を明示しています。保育の標準的実施方法としては、全体的な計画を基に「年次計画」を作成し、保育指導計画、行事計画、食育計画等に沿った保育活動を行っています。標準的で一定水準の保育ができているかについては、各クラスの指導計画の評価欄や保育日誌等を基に、保育士の自己評価について職員間でPDCAを実施しています。当園では、異年齢保育「ごちゃドバ」を実施しており、標準的な実施方法の土台があり、それを基に年齢に合わせた保育を実践しています。保育計画については、画一的な保育実践ではなく、子どもの興味関心に基づいて作成し、子どもを主体とした保育活動を取り入れています。また、その時々に応じた子どもの姿を受け止めて見直しを図っています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

保育の標準的な実施方法の見直しについての時期やその方法は、各会議(乳児・幼児会議、リーダー会議、職員会議等)で定期的に実施しています。毎月のカリキュラム会議では、各年齢のカリキュラムに応じた保育実践を振り返る中で、職員同士の気づきを伝え合い、指導計画の内容に反映させる等、保育の標準的な実施方法の検証・見直しにつなげています。また、保育実践が画一的なものになっていないかをPDCAで検証しています。さらに、行事後に行う保護者アンケートや個人面談等を通じて、保護者の意向や提案を把握し、各種マニュアルの見直しに反映できるようにしています。マニュアル等については、原則、1年間の実施を踏まえ、年度末に見直し、確認するようにしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

指導計画は、全体的な計画の具体化を図って、「年次計画」や「月次計画」を作成しています。指導計画は、各年齢に応じてクラス担任が責任者として作成し、園長・主任が確認し適切に作成しています。0歳~2歳児クラスまでは、個別指導計画を作成しており、計画作成時は、担当者によるアセスメントの協議を実施しています。また、必要に応じて栄養士や看護師等の専門職の意見・アドバイスを受け、総合的に判断した指導計画を策定しています。法人系列6園の年長児と学童が中心となり、自分たちのまちをつくる活動(まちをつくっちゃおうプロジェクト)も、検証・評価の視点でアセスメントの取組としています。支援困難ケースの場合は、川崎西部療育センターや担当保健師(宮前区役所地域みまもり支援センター)と連携して保育を実施しています。保護者参加の行事等については、行事後にアンケートを取り、反省も含め課題点等を職員会議で話し合い、次に生かせるように記録に残しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画の評価・見直しについては、各年齢のカリキュラムの自己評価を基に、定期的(期・月・週・日)に振り返りを行い、次の計画の作成につなげています。具体的には「月次計画」は、クラス内で振り返りを行いながら、意見交換を行い、評価・反省欄を記載して次月の計画作成に生かしています。指導計画作成ポイントとして、季節・子どもの発達・保護者のニーズや社会情勢に合わせて、職員会議で話し合っています。指導計画の見直しでは、子どもたちの様子を良く観察し、「子ども主体の保育、子どものやりたいことができ楽しめているか等」をポイントとしています。個別指導計画は、柔軟に変更や見直しを行い、子どもの発達状況に合わせて、適切な保育につなげています。見直しによる指導計画の変更内容は、保育アプリ上で確認し、職員間で共有できています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもに関する保育の実施状況の記録は、保育アプリ内の発達記録に記載して保管しています。記録内容は主任が確認し、園長がチェックを行い、職員会議(乳児・幼児・全体)で情報を共有しています。また、書き方に差異が生じないよう、個別に指導を行っています。0歳~2歳児までは「月次計画」に応じた個別指導計画が適切に作成され、保育の実践が記録を通して確認できました。保育に関する記録等は、クラウド上で職員が確認できます。毎日のミーティングや各会議の開催時に加え、コンピューターネットワークを通じて、園内の情報を共有する仕組みが整備されています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

法人の「個人情報保護規定」により、子どもに関する記録の取扱いを定めています。守秘義務の定義
や目的については、新入社員研修時に説明し、職員と個人情報の遵守に関して、守秘義務誓約書を交わしています。利用者の個人情報については、入園時に「重要事項説明書」にて保護者に説明し、理解を得て利用契約書を交わしています。園長は、記録管理の責任者として書類等の管理を行い、過去の書類も含めて鍵がかかる書庫に保管しています。書類は持ち出し禁止、保育アプリの取扱いは園内としています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は、児童憲章、保育所保育指針等の趣旨を踏まえ、法人本部で作成され、「ぶどうの木が掲げる保育の考え方」として、保育施設の運営方針、保育理念・方針・目標及び保育の方法等が細かく記載されています。当園では、その内容を基に、各指導計画や行事等を計画・実施し、定期的に評価・反省を行っています。全体的な計画は、年度末に法人園長会議等で、子どもの成長・発達、保護者、地域の実態等について話し合い、次年度の計画に反映しています。全体的な計画には、法人全体としての保育の視点が項目ごとに分かりやすく明記されていますので、それに当園の特徴や地域の実態等を考慮し、加味すれば尚良いでしょう。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

当園の「業務・場所分担表」に保育環境を整備する担当者を明記し、園舎内外の美化活動に努めています。また、「衛生管理マニュアル」を整備し、掃除チェック表を基に、毎日、朝・夕に職員が交代で清掃を行い、園内を清潔に保っています。保育室の採光・温度・湿度等、常に適切な状態に保持し、子どもたちが心地良く過ごせるようにしています。各クラスの温度・湿度は、毎日、確認して保健日誌に記入しています。保育室内や玩具等、子どもたちが触れる部分の衛生管理を徹底(遊具用殺菌庫の活用)して行い、感染症予防対策に取組むと共に、「安全点検チェックリスト」を基に、玩具や用具に破損等がないかを確認し、安全面の配慮をしています。トイレや手洗い場は、明るく清潔で、子どもが使いやすい設備となっています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育目標「一人ひとりを大切にする子ども主体の保育」を掲げ、子ども一人ひとりの発達段階を見極め、個人差を十分に把握し、子どもを尊重した保育を行っています。また、「みんな違ってみんないい」をモットーに、年齢を区切らず、誰かと比べたり、決めつけたりせずに、一人ひとりのありのままを大切にしています。子どもに対する言動・対応・援助の仕方等についても、園内研修等で学び合い共通認識を図っています。職員は常に子どもの気持ちに寄り添い、否定的な言葉は使わないよう、保育士の自己満足での保育は行なわないよう心がけています。今回の利用者(保護者)アンケートでも「一人ひとりの個性を尊重」、「子ども中心の保育」、「子どもが満足」等々の意見が多く寄せられ、一人ひとりの子どもに応じた丁寧な保育の実施が窺われます。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本的な生活習慣の習得については、一人ひとりの子どもの発達に合わせて、子どもの主体性「自分でやろう、自分でやりたい気持ち」を尊重し、子どもの要求を満たしつつ援助を行っています。常に子どもの姿を観察し、職員間で情報交換し、子どもにとってやりやすく、分かりやすい方法・手順等を検討・工夫して援助につなげています。職員は、子どもの気持ちを理解し、手洗い、着替え、食事等、保育士の補助がなくても一人でできるように援助し、自発性から自立心の芽生えを支援しています。排泄面では、個人差があることを十分に理解し、一人ひとりの発達状況に応じて、保護者の考え方を尊重し、キッズリーで状況を伝える等、連携して進めています。また、個別カリキュラムに基づき、子どもが理解しやすい言葉や日々の生活の流れ(導線を意識)を通し、無理なく基本的な生活習慣が身に着くように取組んでいます。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画に「保育環境」としての配慮が記載され、子どもが自主的・自発的に生活と遊びができる環境として「流れる」保育・「待たせない」保育・自主的な遊びの展開(豊かな玩具と保育素材によるコーナー設置)を進めています。子どもにとって保育室は「第2の生活の場」と捉え、家庭的な雰囲気に配慮し、年齢や発達に合わせて環境を整え、子どもが自分で選んで遊べるコーナー(プランボードで選択)や「お迎えボード」を設置し、子どもが自分で一日の流れを選択・確認できるようにしています。職員は、子どもの成長に合わせて絵本や玩具等を見直し、入れ替えを行い、遊びが発展・展開していくよう工夫しています。幼児クラスでは、グループ活動や異年齢保育の中で「サークルタイム」を取り入れ、友だちと一緒にルールを決めて遊んだり、友だちの意見を取り入れながら、協同して遊ぶ姿が多く見られます。また、戸外遊びも重視し、園庭・散歩を楽しんでいます。散歩コースも多く、身近な自然に触れ、地域の方と挨拶を交わし、交通ルールを学ぶ等、子どもたちは様々な活動を体験しています。保育者は、常に子どもたちがやりたいことを聞き、実現できるように一緒に考えて取組んでいます。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

乳児保育(0歳児)では、個人差に十分配慮し、日々の子どもの状況に応じて動と静の活動を取り入れ、安全・衛生面に十分配慮した玩具や手作り遊具等、見る・聞く・触れる経験が十分に楽しめる環境作りを工夫しています。保育者は、0歳児が安心・安定できるよう、やさしく丁寧にゆったりと関わり、愛着関係の構築に努めています。また、一人ひとりの生活リズムや発達状況に応じた個別指導計画とクラスの指導計画を作成し、子どもの心身の発達に関する情報を担任間で共有し、保育を実践しています。保護者とは、子どもの様子を分かりやすくキッズリーに記載して伝えると共に、送迎時等の会話を通して、情報を共有し、信頼関係の構築に努めています。今回の利用者(保護者)アンケート年齢別(0歳児)でも、項目「保育室・園庭の環境」や「職員の対応」等、満足回答率100%の結果であり、子どもの状態に応じた丁寧な保育の実施が窺われます。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画の中に、3歳未満児(1・2歳児)を「自我の誕生・拡大期」と位置付け、「年次指導計画」を基に、月のカリキュラムに養護と教育の両面から、一人ひとりの発達状況を把握し、子どもの状況に応じた保育を実施しています。子どもの自我の育ちを受け止め、「待つこと」・「見守ること」を基本に、子どもが自分の力で取組もうとする気持ちを尊重し、寄り添う保育を心がけています。子ども同士のトラブルやかんしゃく等に対しては、子どもの気持ちに寄り添いながら代弁して仲介し、友だちと楽しく遊んだり、気持ち良く過ごせたりするように努めています。保護者とは、キッズリー、登降園時の会話等を通して密にコミュニケーションを取り、連携を図っています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上児の保育では、各年齢の指導計画を作成し、子どもの発達を見据えて保育を行っています。年齢別保育と共に、法人の異年齢保育「ごちゃドバ」も実施し、各担任間で子どもたちの状況を討議、検討、確認しながら、遊びの構成を考え遊びの幅が広がるよう環境設定しています。3歳児は「実際に見て、まねて、同じように体験する」を基本に、集団の中で興味・関心の広がりに注目し、友だちとの遊びを楽しめるよう保育者が関わっています。4歳児では、子どもが主体的に選べる環境設定や題材を用意し、自分から楽しんで取組めるようにしています。また、「セカンドステップ」を導入し、問題解決への能力を培う取組を進めています。5歳児では、法人のプロジェクト保育「レインボータウン」への参加を通して、一人ひとりの個性を認め主体的に楽しめる環境作りや、集団の中で自分の意見が言えることを大切にしています。職員は、子どもの発想や考えを大切にし、子どもが意見を出し合い、子ども主体でクラス運営ができるように配慮しながら、保育実践につなげています。保護者には、園での活動内容をキッズリー、クラスだより、インスタグラム等で伝え、家庭での子どもの成長に応じた対応を促すようにしています。年長児(5歳児)については保育所児童保育要録を作成し、小学校へ郵送すると共に、小学校からの聞き取りに丁寧に対応し、申し送りを行う等、就学に向けての取組を行っています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

障害のある子どものための環境整備では、園舎内はバリアフリー・ユニバーサルトイレ仕様になっています。障害認定を受けた子どもや支援が必要な子どもについては、クラスの指導計画と関連付けた個別指導計画を作成し、記録しています。また、障害のある子どもに応じて、個別対応できるよう職員配置に工夫しています。該当児の保護者とは情報交換を密に行い、支援に生かしています。定期的に川崎西部地域療育センターや嘱託医、川崎市の発達相談員等、専門機関と連携を取り、相談、助言が受けられる体制を整えています。支援が必要な子どもの情報は、会議時等に職員間で対応の仕方等について確認し合い、子どもへの配慮や見通しを持った保育ができるよう共通認識を図っています。また、法人で障害児保育の事業部会「マオポポ」があり、各園の担当職員が定期的に勉強会を開いています。職員は、障害児保育に関する研修を受講し、必要な情報を得るようにしています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画に「長時間保育」を掲げ、年齢に応じた休息時間や1日の活動に「動と静」の時間を設けるように配慮しています。子どもの状況や登園時間に合わせたリズムが作れるように、子どもの体調・状態に応じた個別対応を心がけています。当園では、子どもが「プランボード」で遊びたいコーナーを選んで遊んだり、年齢の枠を超えた異年齢保育「ごちゃドバ(ごちゃまぜだと楽しい事がドバドバでてくる)」を展開し、子どもたちが無理なく楽しめる環境作りを工夫しています。延長保育時には、家庭的な雰囲気の中で、一人ひとりに寄り添う保育を心がけ、子どもに配慮した食事・おやつを提供しています。保護者とは、キッズリーや口頭等で、連携を図っています。職員間では、口頭、ミーティング、引き継ぎノート等で、朝夕の引き継ぎを適切に行い、情報共有を図っています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画「就学に向けて」の欄に、小学校との連携・就学を見通した保育に関する取組を位置づけ、近隣保育園との年長児交流会、保育者と小学校教諭との情報交換事業に参加しています。年長児カリキュラムを作成し、それに基づいて保育を進めています。その中で、一人ひとりの生活習慣の見直しを確認しながら、入学への期待が持てるように配慮しています。また、日頃から、散歩や避難訓練(第1避難場所:川崎市立鷺沼小学校)等を通して、小学校との連携を図っています。子どもたちが就学する小学校には、保育所児童保育要録を作成して送り、併せて電話等で情報を提供しています。保護者とは、個人面談(11月)を予定しています。今後も保護者に就学前に身につけて欲しい生活習慣等を伝え、小学校以降の生活について見通しが持てるように取組んでいかれることを期待します。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの健康管理については、川崎市の「健康管理マニュアル」に沿って行い、入園時の面談や健康台帳、児童票等で子ども一人ひとりの心身の健康状態を把握しています。日々の保育の中では、朝の受入れ時に保護者に子どもの健康状態を確認し、職員間で情報共有しています。看護師が年間保健計画を作成し、各クラスはそれに基づいて手洗い指導、園児の健康増進、感染症予防等の取組を行っています。また、毎月「保健だより」を発行し、子どもの健康に関する取組や情報を発信しています。感染症に関しては、「入園のしおり」にて、園の方針を保護者に伝えています。SIDS(乳幼児突然死症候群)予防のため、睡眠チェックを0歳児は5分ごと、1・2歳児は10分ごと、幼児クラスは30分ごとに行い、うつぶせ寝はしないように職員間で周知しています。保護者にも入園前説明会で説明し注意喚起しています。川崎市感染症情報発信システム(サーベイランス)に子どもの体調を入力し、感染症が発生した場合には、保護者に周知し感染防止対策を図っています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

川崎市の「健康管理マニュアル」に基づき、定期的に嘱託医による健康診断・歯科健診を実施し、結果は、健康台帳に記載し保管しています。健診結果は、看護師、クラス担任、園長、主任で情報共有しています。保護者には、歯科健診は紙面、健康診断は「すこやか手帳」に記入し、確認してもらうと共に、場合によっては通院を勧めています。通院が必要な家庭については、結果・経過確認を行い、フォローを含め連携を密に取り合っています。また、月1回の身体測定の結果も保護者に知らせています。健診で配慮が必要な事項が見られたケースは、個別カリキュラムを見直し、家庭と連携して取組んでいます。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに対しては、厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」を基に、子どもの状況に応じた適切な対応を行っています。「入園のしおり」に記載し、入園説明会時には、アレルギー対応を行っていることを保護者へ伝え、該当児には除去食を提供しています。アレルギー児の保護者とは、毎月、担任、栄養士と献立表を基に、提供食を確認する等、適切な対応ができるようにしています。除去献立により調理し、関係職員がダブルチェックできる「確認表」を用い、誤食を防いでいます。食事の提供時は、個別の机・トレイ・食器を区別し、名札を付けて提供する等、チェック体制を十分に整え対応しています。除去食の継続・変更・解除等については、保護者が主治医の指示の下、川崎市健康管理委員会の承認を得るため、保育園を通して書類を提出しています。職員は、アレルギーについての最新情報を得るため、外部研修にも積極的に参加し、知り得た情報を職員間で共有し、認識の統一を図っています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画の項目「食育」に『ぶどうの愛情ごはん』と称し、厚生労働省「楽しく食べる子どもに~保育所における食育に関する指針」を基に、3つの子ども像「食べる楽しさを共有できるこども」・「食に興味を持てるこども」・「体験、経験を通して学べるこども」を掲げて取組んでいます。具体的には。各年齢の「年次計画」・「月次計画」に下ろし、食材に触れて形、硬さ、匂い等を感じたり、子どもたちに菜園活動(野菜の種まき、水やり、収穫)やクッキング体験を通し、食を身近に感じられるように取組んでいます。また、年齢に応じて食べられる量を把握し、各クラスの担任が個々に合わせた対応をしています。食器や食具も年齢に応じて配慮し、子どもの育ちに合わせて箸の使用も開始しています。0歳児クラスでは、離乳食を提供し、食材の形状、固形物の柔らかさの度合い等、家庭と連絡を取り合い、子どもの発達や個々の咀嚼に合わせて次段階へ移行しています。保護者には、献立表や毎日の食事内容をキッズリーで配信し、園の食事の理解につなげています。今回の利用者(保護者)アンケートでは、満足回答率85%という高い評価を得ています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

法人では、味覚の形成時期の子どもたちに「ダシの味が分かる子どもに育てたい」との想いで、和食を基本に栄養士が法人系列園持ち回りで献立を作成しています。毎月の献立(法人統一)には、旬の食材を使用し、季節、行事食、栄養価等、工夫を凝らし、見た目も楽しく、おいしく、安心して食べることのできる食事を提供しています。子どもの発達段階に応じて、自発的に食べられるように、食材の大きさ・硬さ等を調節しています。栄養士が各年齢の食事の様子を見回る等、日常的に交流が図られています。献立には、給食会議(月1回)や法人の栄養士会議(年3回)の内容を反映させています。給食日誌には、毎日の残食、検食等を記録し、献立・調理の工夫につなげています。衛生管理体制は、給食衛生管理マニュアルを基本とし、徹底した衛生管理を行っています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの生活を充実させるために、丁寧に家庭と連絡を取り合っています。クラス担任だけではなく、早番・遅番保育士とも漏れのないよう引き継ぎ、情報を共有しています。保護者とは、0歳児~2歳児までは個別にキッズリーで情報交換を行い、3歳以上児についても日々の活動の様子を「クラス投稿」で配信しています。登降園の際には、口頭でも子どもたちの様子等を伝え、家庭との連携を図っています。7・8月は、「ドキュメンテーション2024 夏真っ盛り!とびっきり楽しい夏ならではを一緒に発見しにいこう☆」と題し、各年齢のねらいと子どもたちの楽しい活動の様子を写真・コメントで、分かりやすく伝えています。また、保育参観や個人面談を通し、保育の意図を伝え、理解を深めています。行事では、年齢に合った活動を取り入れて、子どもの成長の喜びを保護者と共感できるよう努めています。個人面談の内容は必ず記録し、その後の家庭支援や保育に生かしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

当園の「入園のしおり」の中に「保育園と保護者との連携について」を明示し、「みんなで子育て」をモットーに、相互に信頼し合える関係の構築が大切としています。職員は日々、保護者とコミュニケーションを図り、信頼関係を築けるような関わりを意識して行っています。保護者から相談を受けた際は、保護者の気持ちを受け止めて、まずは担任が対応し、内容により主任・園長が対応するように体制を敷いています。面談室は、プライバシーに配慮して設定し、保護者が安心して相談できるようにしています。相談内容は記録し保管しています。他職員へは職員会議時等にその内容を報告し、共通認識を図っています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

「虐待防止マニュアル」に基づきチェックリストを備えて、家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めています。当園では、日頃から「気づき」を大切にし、保護者とオープンでフラットな人間関係をベースとしたコミュニケーションを図っています。登園時の親子の表情や会話、保育中に身体のあざ等の確認(着替え、シャワー等)を行い、不審なケガやあざ等があれば、写真に記録しています。また、食事の様子や洗濯物等、身の回りのことを注意深く観察するようにしています。虐待の疑いがある場合は、宮前区こども家庭支援課や川崎市中部児童相談所等に、通告・連絡の体制を整えています。地域の民生委員・児童委員、主任児童委員と顔合わせし、連携が取れるようにしています。職員は、外部研修への参加や園内研修を通して、専門知識や技能を深め確認し合う等、指導・育成への取組も行っています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

保育実践の振り返り(保育士の自己評価)については、「年次計画」に基づき「月次計画」、「週次計画」を策定し、月末・週末に振り返り見直しをしています。日々の保育の振り返りから、課題について職員会議で話し合い、保育目標に向けた保育展開ができるよう、環境や援助の方法等を見直し、保育の向上につなげています。職員は法人統一の「自己目標シート」を使用し、園長との面談を通して自己目標を設定、進捗状況を確認しながら自己評価後に再度、面談にて助言・指導を受け、自己の課題を確認・振り返り、次の目標につなげています。園長は、職員の希望や意向を把握し、各階層別に期待業務を明文化し、行事分担表に担当を決めて責任を明確にしています。職員の自己評価を基に、毎年「保育園の自己評価」を行い、保育の質の向上につなげています。