社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ナーサリールームベリーベアー宮崎台

2024年11月28日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社プレパレーション

② 施設・事業所情報
名称 ナーサリールームベリーベアー宮崎台 評価対象サービス 2024~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60 名
所在地 216-0033
神奈川県川崎市宮前区宮崎3−13−27
TEL 044-750-9800 ホームページ https://ness-corpo.co.jp/nursery/miyazakidai/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2018年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社ネス・コーポレーション
職員数
常勤職員:18 名
非常勤職員:1 名
専門職員
保育士 :14 名
看護師:1 名
栄養士:1 名
調理師:2 名
用務:1 名
施設・設備の概要
保育室:6室
更衣室:1室
事務室:1室
調乳室:1室
園庭:なし

③ 理念・基本方針
【保育理念】
・子どもの生命の保持と人格の尊重
・子どもが主体的に取り組める保育園
・職員が心身ともに健康に過ごせる職場環境

【保育方針】
・子どもの思いをあたたかく受け止め、心の安定と信頼関係を深めながら、ていねいに関わり、健やかな心身と豊かな人間性、社会性を持った子どもを育てる。 十分に養護のゆきとどいた、安心してのびのび遊べるあたたかい環境の中で、子どもが主体的に取り組めるように援助しながら、将来をたくましく生き抜くバランスの取れた心と体づくりをする。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
・施設・事業所の特徴的な取り組 株式会社ネス・コーポレーション(以下、法人という)は、主に保育園(事業所内保育施設を含む)とベビーシッターを中心に現在、東京都と神奈川県川崎市に事業を展開しています。法人系列全園で定められた「保育方針」をベースに、園の地域性を加味しながら職員一人ひとりの努力と共に保育方針に沿った統一あるサービスを提供しています。法人では、昨年度・今年度に亘り、注目できる点は保育所保育指針の展開が挙げられます。保育所保育指針の骨子は、養護(保育主体)と教育(幼稚園教育主体)の一体的取り組みで、保育園、幼稚園、こども園が同じスタンスで子どもを教育・育成していくことにありますが、法人ではいち早く、要項改訂の背景を各園に説明を行い、冊子を配付する等、主体的な展開を率先して図っている点が今回、特に目立ちました。指針は全国一律に示され、改訂には必ずねらいがあることを踏まえ、法人として早々と展開の方向性を示し、体系化に取り組むことが重要であり、特に、今回の改訂が単に「保育園」に止まらない点を考えた時、他に先駆けて体系化する・各園に対して方向性を示すことは、保育の世界に新しい概念を構築するスタートであり、他の手本となる取り組みと言えます。指針の真意を早く実現することで他保育園の範になっていかれることを期待しています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/05/28(契約日) ~2024/11/15(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2020年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 ・さまざまな食育体験を通じて食べることを楽しみ大切にする気持ちを育てています
 園では保育士と調理員が協力して、クラス別の食育指導計画と食育活動計画書を立案し、それに沿った多様な指導や活動をおこなっています。食事を作ってくれる人への感謝の気持ちを育てたり、食事の際に姿勢を整え、正しい食具の持ち方を学んだりするマナーに関する食育も、丁寧に計画に盛り込まれています。また、野菜の栽培や魚の解体ショー、クッキング保育を通じて、食材の匂いや味、感触を知る機会を多く設けています。夏には、トマトやなす、とうもろこし、オクラの栽培に挑戦しましたが、暑さで失敗してしまったこともありました。しかし、「どうして失敗してしまったのか」をこどもたちと一緒に考え、「次はこうしてみよう」といった改善策を見出すことで、こどもたちが主体的に考える力を育んでいます。食育の様子は、園だよりや給食だよりを通じて保護者にも伝え、家庭での食に対する関心も高められるよう努めています。

・こども年齢に合わせた絵本を数多く揃えており親子で楽しめる環境が整っています
 園内にはさまざまな絵本が充実しており、これを通じて親子の会話が広がり、絵本に親しむ姿がより多く見られるようになりました。保育室内には、乳児向けにリズムや色、形を楽しめる絵本を、幼児向けに動物や植物の図鑑やストーリーを楽しむ絵本を豊富に取り揃えています。特に5歳児クラスでは、時計や科学に関する本、複雑なストーリーを楽しむ絵本を用意しており、こども一人ひとりの興味や関心に応じて自由に選ぶことができます。こどもたちはさまざまなテーマの絵本を通じて知識を広げ、想像力を育んでおり、「また明日続きを読もう」「この本を借りて、家でも読もう」という声が聞かれます。園の玄関には地域の方や園の親子が一緒に楽しめる絵本貸し出しコーナーを設置しており、保護者からも感謝の言葉が寄せられています。今後も継続的な実施が期待されます。

・職員が働きやすい職場づくりがおこなわれています
 施設長は日頃から、職員には「お互い様」の気持ちを持って働きましょうと声をかけています。体調が優れない時には遠慮なく休めるよう配慮しており、職員からは体調不良時に「気持ち良く休ませてもらえる」との声が多くあり、全職員が「お互い様」の気持ちで協力しあう体制を築いています。保育に対する悩みなども相談しやすく、働きやすい環境づくりに努めています。ワーク・ライフ・バランスに配慮して、職員の定着や保育内容の充実に繋げています。

・保育の質を維持するための仕組み作りが期待されます
 園では職員が働きやすい環境を整えていることから、職員の定着率がよく共通意識のもと保育がおこなわれています。今後、新たな職員を迎えた時のために園の方針や実践方法など明文化しておくことが望まれます。保育の質を維持しつつ円滑に業務を進められるような体制作りが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 第三者から見ていただくと、違った観点で園を見直すきっかけとなりました。よりよい保育とは何かをこれからも一生懸命考えていきたいと思います。特に保護者様からの温かいコメントが職員の大きな励みとなりました。今後も子どもたちのために良い関係を築いていけるよう努力したいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

保育理念・保育基本方針は、入園のしおりや園のホームページにて周知しています。職員には年度初めに2024年度保育園経営事業計画において、園の目指す方向性「待つ保育を基本に、こどもを見守り・サポートする保育」を伝えています。保護者には入園のしおりに沿って説明しており、懇談会や園だよりを通じて周知しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

法人本部が社会福祉事業や地域の動向について、情報を把握・分析し園長会議にて情報共有しています。園長は宮前区の園長会や研修会において園が必要とされている福祉ニーズを把握し、職員には都度報告し共有しています。園の利用者の推移・利用率などは法人本部が管理しており、園と情報共有しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

川崎市の未就学児の減少に伴い、地域の子育て親子に園の雰囲気や取り組みを理解していただくため、絵本の貸し出し・夏まつりに招待などの活動を積極的におこなっています。経営課題であるコスト削減については、法人本部が備品や保育教材の購入先を姉妹園で統一するなど改善に向けた具体的な取り組みがおこなわれています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人本部では5か年計画を策定し、保育理念・保育基本方針の実現に向けたビジョンを明確にしています、年度末には設長会議にて収支報告を共有し、各園の現状と取り組むべき課題を共有しています。園では園児獲得のため園の周知に向けて、地域の子育て親子が参加していただけるイベントを実施しいています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

単年度計画は法人本部が策定した5か年計画を踏まえて、具体的な計画を作成しています。園では地域の子育て親子から選ばれる園づくりとして、さまざまな子育て支援に取り組んでいます。保育内容については、カリキュラムの充実や保護者のニーズを踏まえた活動の検討など「進んで活動する子ども」を目標に保育を組み立てています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業計画は年度末に評価と見直しをおこなっています。園の自己評価は職員が個々に「保育所における自己評価」にて理解度・保育姿勢・自己研鑽について振返りをおこない、職員会議で話し合いのうえ次年度の事業計画に反映させています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

保護者への事業計画の周知・報告は運営委員会を通しておこない、議事録は保育施設向けICTシステムにデータとして格納しています。保護者には年度初めに年間行事予定と、日々の保育内容や園だより・クラスだよりなど保育施設向けICTシステムにて周知し、いつでも確認していただけるようにしています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

年間指導計画は1年を4期に分けて保育の振り返りをおこない、自己評価と課題を施設長と共有しています。施設長は必要に応じて面談をおこない、目標の見直しや課題への取り組みについて助言や指導し、保育の質の向上に向けた取り組み体制を確立しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

園の課題と具体的な改善策は事業計画で明文化しています。取り組むべき改善策を明確にしており、2024年度は「保育の質の向上」を目標に日々の保育に取り組んでいます。職員は順番に終業時間前30分間の勉強タイムを設け、ピアノの練習や保育の専門書を読むなど、各自が取り組んでいます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

施設長は法人本部と連携を図り、園の経営・管理に努めており、資料を回覧して職員と情報共有しています。職務分担表にて施設長の役割や責任を明確にしており、防火管理者・安全衛生推進者の札を掲示し保護者に周知しています。災害や事故など有事の際に備えて、職員の緊急時役割分担表を事務所や保育室に掲示し意識付けしています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

施設長は遵守すべき法令など十分理解し、法人本部と連携して取引業者との適正な関係を保持しています。行政関係者とは施設長が窓口となり適正な運営に努めています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は保育日誌や週案などで日々の保育を確認しています。保育室の巡回は主に主任がおこない、把握したこどもや職員の様子は施設長と情報共有し連携を図っています。職員が保育についての悩みや相談にはいつでも応じており、主任・副主任と連携しサポート体制を整えています。川崎市内の姉妹園3園と合同で新卒職員の研修や講習会を実施しており、知識・技術の取得の機会を確保しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

人事・労務・財務に関することは法人本部と連携を図っており、施設長会議では経営の改善や業務の実効性に向けた取り組みを共有しています。施設長は職員が働きやすい環境整備に取り組んでおり、日頃から職員に「お互い様」の気持ちを持って働きましょうと声を掛けています。職員が気持ちよく働ける・休める職場づくりに尽力しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人本部が人材確保と育成計画を主導し、保育士養成校の訪問やさまざまな媒体を活用しての求人活動をおこなっています。施設長はオンラインを活用して園の紹介をおこない、園の案内や保育体験の受け入れなど法人本部と連携しています。採用後は入社前研修を実施するなど、人材育成計画を確立しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人本部では社内規程「ベリーベアーブック」にて期待する職員像を具体的に示し、職員は理解しています。職員は評価シートにて自身の保育を振返り、施設長との面談で目標達成に向けた助言や指導を受けています。施設長は法人本部の担当者と情報を共有し、職員の評価シート結果・貢献度・能力など鑑みて組織的に人事管理をおこなっています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

職員の就労状況や意向を把握して勤務表の作成をしています。職員アンケートでは「急な体調不良の時に気持ち良く休むことができる」との声があり、施設長が日頃から伝えている職場では「お互い様」の気持ちで働くことを実践しています。保育に必要な準備など作業が多い時などは、職員間で連携し勤務時間内で終えるよう協力関係が築けています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は目標シートにより自身の取り組むべき目標を設定し、日々の保育に努めています。施設長は職員との定期的な面談では、目標達成に向けた進捗の確認や今後取り組むべき課題を明確にし、職員の意欲向上を図りながら一人ひとりの育成に努めています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人本部では社内研修カレンダーにて年間の研修計画を周知しています。園では研修カレンダーを職員に周知し計画的に研修に参加できる体制を整えています。同一の研修に対して希望者が重複した時には、経験年数の浅い職員を優先して受講するよう配慮しています。また、川崎市内の姉妹園と合同研修やわらべうた講習会を実施しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

園では職員の資格、研修受講歴を把握・管理しており、一人ひとりに教育・研修の機会を確保しています。新任職員には看護師から、嘔吐処理法や救急法など実践的な研修を受けています。研修の受講後は、研修会・講習会の記録を作成し、研修内容や感想を職員間で共有しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

園では実習生の受け入れは採用の窓口の一つと捉えており、保育士養成校との顔合わせに参加しています。実習に際しては学校と連携して実習目的に沿ったカリキュラムの調整など、受け入れ体制を整備しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

園の保育理念・保育方針・保育目標は入園のしおりや園のホームページで公開しています。保護者には入園のしおりにて保育所の概要や意見・ご要望の申し出窓口や第三者委員の連絡先を周知しています。運営委員会の議事録は保育施設向けICTシステムにデータとして格納し、いつでも確認できるよう情報を公開しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

園の運営は経理・取り引きに関することは法人本部がおこない、保育現場全体の管理は施設長がおこなうなど連携を図り運営しています。法人本部の担当者は定期的に園を巡回して書類などの確認をしています。行政による監査では、指摘事項があった場合は、速やかに職員と共有し改善策を検討しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園では絵本の貸し出しや夏まつりなど通じて地域の子育て親子との交流を広げています。また、宮前区民祭ではブースを出展し、大型絵本や大型ブロックを持ち込み園での保育を体験してもらっています。川崎市の姉妹園3園で、姉妹園のフロアを利用しフルート演奏会や茶道体験会を合同開催しています。保護者には親子で利用できる近隣の施設などの情報提供をしています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

法人本部ではボランティア受け入れに関するマニュアルを整備しており、園では受け入れの基本姿勢を理解しています。ボランティア受け入れマニュアルには、事前に留意事項・個人情報・守秘義務の取扱いに関する説明をすることを明記しています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

緊急を要することが多い、嘱託医・消防署・警察署の連絡先は一覧にして、事務所に目立つ場所に掲示しています。毎月の避難訓練はあらゆる事態を想定し訓練しており、消防署から水消化器を借りて取扱い手順の確認をしています。また、地域の担当保健師・児童相談所・療育センターと情報交換をおこない連携を図っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

施設長は宮前区の園長会や幼保小連携会議などで地域の情報を収集し、具体的な地域の特性や生活課題を把握しています。第三者委員は地域の主任児童委員に委嘱しており、運営委員会では地域の福祉ニーズなど情報提供いただいています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

園では地域とのつながりを大切に考え、絵本の貸し出しやクリスマスリースを作る会など地域の親子が気軽に園に遊び来てもらえるイベントを実施しています。宮前区「こどもフェスタ」には職員が参加し、大型ブロックで一緒に遊ぶなど保育を体験していただいています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園では保育目標「進んで活動する子ども」と掲げており、自分で考えて活動する・自分で遊びを見つけ工夫するなどこどもを尊重した保育をおこなっています。公立保育園の職員の出前講座「こどもを尊重する」では講義やワークショップをおこない、こどもを尊重した保育の学びを深めています。園ではこども一人ひとりを尊重し、靴箱やロッカーなどマークを使用せず名札表示としています。こどもは名札から文字に興味をもち自然にお友達の名前が読めるようになっています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:a】

職員は入社時に就業規則・職務規程にてプライバシー保護について理解して保育に努めています。こどもの着替えやおむつ交換時にはパーティションを用いて、人目に触れないよう配慮しています。水遊びをおこなう際は、ブルーシートを使用して外から見えないよう、安全面に配慮しています。保護者には入園時にプライバシー保護に対する、園の取り組みを説明しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

園見学は随時受け付けており、見学時には園の雰囲気を感じ取っていただきたいと考えています。見学の際はパンフレットを渡し、できる限り園児がいる時間帯に来ていただき、こどもの表情や職員との関わりを見ていただいています。見学後には質疑応答の時間を十分にとり、時には育児相談に応じるなど園を理解していただけるよう努めています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

保育の開始前は、入園説明会と個人面談をおこなっています。個人面談では、こどもの成長過程や生活状況を把握し園での生活がスムーズに進められるよう配慮しています。必要に応じて、栄養士・看護師が同席し情報共有しています。重要事項説明書に関する同意、個人情報の取扱いなどについての同意は書面で確認しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者より転園の申し出があった際は、川崎市で定められている手順に沿って、こどもの保育の継続性に配慮しています。卒園したこどもたちに夏祭り・運動会への招待をおこなっており、園では卒園児の参加は大歓迎の方針で多くのこどもが参加してくれています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の保育ではこどもの言葉や表情を観察し、保育者・看護師・栄養士と専門的な視点から話し合いの場を持ち、こどもの気持ちを優先した保育に努めています。保護者には、行事後にアンケート調査を実施しており、アンケート結果から職員会議で話し合いをおこない次年度計画に反映させています。保護者の声が聞けるアンケート調査は重要視しており、保育施設向けICTシステムを活用することで保護者への負担軽減に配慮しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

入園のしおり「園の運営に関するご意見・ご要望について」にて、苦情受付担当者・苦情解決責任者・第三者委員の設置を明記して保護者に周知し、園内に連絡先など掲示しています。保護者からの意見や要望の申し出があった際は苦情記録簿にて管理しており、職員と共有し法人本部と連携を図り対応に努めています。さらに、法人本部では施設長会議において姉妹園と情報共有し改善に向けた取り組み体制を整備しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

入園のしおりに「保育所と保護者の連絡について」を明記しており、入園説明会にて説明しています。保護者が意見や相談を申し出しやすいよう、連絡帳・アンケート・意見箱・第三者委員など複数の受付け体制と、玄関には職員紹介・カリキュラム講師紹介を掲示し相談相手を選択できるよう環境を整えています。保護者とはコミュニケーションが図りやすいよう、事務所のドアはいつでも開放しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

保護者からの相談や要望については迅速に対応できるよう、連携体制を整備しています。園では相談内容に対して、施設長・保育士・栄養士・看護師との連携が図れており、全職員で改善策を検討しています。こどもが保育中の体調不良時には基本的には看護師から保護者に連絡をするなど、組織的に対応しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

園では年間の安全計画を立て、こどもへの安全指導をおこなっています。お散歩マップにはこどもが遊んでいる公園の写真を貼り保護者にお知らせしています。散歩に出かける際の点呼は、出発時と帰園時には必ず設長または看護師による複数人で確認をしています。AEDの取扱い研修は毎年おこない、消防署管轄の救命救急法も職員が順番に受講できるよう調整しいています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「感染症マニュアル」を整備し、職員は共通理解しています。こどもの登園時には検温と視診をおこなっており、発疹など見逃さないようにしています。保護者には入園のしおりにて、感染症に関する園の対応を説明しています。保健だよりでは、衛生に関することや、季節に合わせた過し方など情報発信し、玄関には園内での感染症の発生状況や川崎市の発生状況など掲示し注意喚起しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

法人本部では姉妹園共通のマニュアルとBCPを整備しており、園独自に災害マニュアルを作成し、園内には避難経路と緊急時役割担当票を掲示しています。保護者には入園のしおりにて、緊急時における対応方法・非常災害対策を説明しており、災害時の避難場所や連絡方法を明記しています。毎年、保護者の協力を得て、引き取り訓練や災害伝言ダイヤルの操作方法を確認しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

法人本部では保育マニュアルにもとづき、新任職員研修を実施しています。さらに、「子どもを中心に保育の実践を考える」「川崎市事故防止マニュアル」などの各種マニュアルは職員共通理解のうえ保育に努めています。園では公立保育園の出前講座を活用し、こどもの人権擁護の研修とワークショップをおこない理解を深めています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

職員はいつでも保育マニュアルを確認できる環境にあり、共通理解のもと保育に取り組んでいます。職員は昼礼などで、日中のこどもの様子を共有し、機嫌が悪い・落ち着かないなどの情報から午睡後の様子を気にかけるなど、こども一人ひとりに合わせた保育に努めています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

指導計画は担任がこどもの成長や興味関心、クラスの状況などを踏まえて全体的な計画にもとづき年間指導計画・月案・週案・日案に落とし込んで作成し、施設長が確認しています。食育計画は年間目標「食べることを楽しみ大切にする子ども」を立て指導計画と連動させています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

年間指導計画はこどもの様子やクラスの状況を踏まえ、1年を見通した目標を定めて立案しています。園では0歳児は毎月、1歳児以上は3か月ごとに発達記録を作成し、こどもの姿から保育の評価・反省をおこなっています。見直しによって変更した指導計画は全職員で情報共有しています。保護者には1ヶ月カレンダーにて、保育内容や行事を周知しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

こどもの発達状況や生活状況は、保育施設向けICTシステムに園児の個人記録に入力し、施設長が確認しています。記録する際は、こどもの課題とその後の様子を記録しますが主観ではなく根拠にもとづき肯定的な言葉に言い換えて記録するようにしています。職員の早番から遅番へは「申し送り事項」にて共有し、保護者への伝達漏れがないよう努めています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報保護に関する規定にもとづき、こどもに関する記録や個人が特定できる書類は鍵付きの書庫にて管理しています。職員は入職時に個人情報に関する研修を受けており、守秘義務の誓約書を提出しています。保護者には入園のしおりにて、個人情報の取扱いを説明し同意書を交わしています。行事などで保護者が撮影した写真や動画の取扱いについては注意喚起しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、保育所保育指針などの趣旨を捉えて法人本部が作成しています。園では、その計画をもとに各クラスの年間指導計画を立案しています。保育理念は、こどもの生命の保持と人権の尊重を第一に考えています。さらに、保育目標として「すすんで活動するこども」を掲げ、さまざまな計画を策定し保育を組み立てています。計画策定の際には、保育士だけでなく、施設長や主任、副主任もともに参画しており、各職員の意見を大切にしながらより良い内容にしています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

園内は木目の床や壁、棚などを用いており、木のぬくもりを感じる温かい雰囲気です。職員は、こどもの活動に合わせて室内の温度調節や換気をおこない、こどもが快適に過ごせる環境を整えています。安全対策として、乳児クラスの床はやわらかいクッションシートで覆われており、転倒などの衝撃を軽減しています。また体調不良のこどもがいる時には、保育室内の一部を休息室にするなど、状況に応じて臨機応変に対応し、こどもが落ち着ける空間を整えています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

こどもの発達は担任間で十分に話し合い、発達記録を保育施設向けICTシステムに入力して管理しています。配慮が必要なこどもの様子や家庭状況に変化があった場合などは、必要に応じて職員会議で周知し、多角的に分析し捉えるようにしています。保育士はこどもに積極的に話しかけ、こどもから言葉を引き出すように努めています。特に、こどもに言葉の力がつくよう応答的な関わりを心掛け、大きな声を張り上げることなくゆっくり穏やかに話し、こどもが理解できるようにしています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

生活に必要な基本的生活習慣を身につけられるよう、こども一人ひとりの成長段階を把握し、成功体験を大切にしながら、少しずつ自分でできることを増やしています。トイレトレーニングは基本的に園が主導しておこない、タイミングを見て家庭でも取り組んでもらえるよう声をかけています。睡眠や食事の大切さについては、保育士だけでなく、看護師や調理師がこどもに話す機会を持ち、わかりやすく丁寧に伝えています。また、保護者には園だよりなどで情報を提供し、こどもの基本的な生活習慣の習得に関心を持ってもらうよう働きかけています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

こどもが好きな遊びを十分に楽しめるよう、さまざまな種類の玩具を充分な数用意しています。特に幼児クラスでは、さまざまな形のパーツを組み合わせて工夫して作り上げる玩具や、ごっこ遊びや見立て遊びができる玩具を揃え、創造性や表現力を育んでいます。戸外遊びでは、思い切り体を動かせる公園で追いかけっこや探索をしてのびのびと遊んでいます。また、どんぐりなどの木の実や昆虫に触れる機会も多く、こどもたちが周囲のさまざまな環境に主体的に関わることができる環境が整っています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

保育士との愛着関係を大切にし、ゆったりとした雰囲気の中で、あたたかなコミュニケーションを持つよう心掛けています。また、日々のこどもの様子や成長した姿を保護者と共有することで、こどもの発達に関心を持ち、親子の愛着関係がより深まるよう促しています。食事については、咀嚼や嚥下の発達、好き嫌いに配慮し、楽しく食事を進められるよう工夫しています。家庭でも同じ形状の食事ができるよう、保護者に園での状況を詳しく説明し、理解を得るよう努めています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

こどもの発達や年齢に合った絵本や玩具を数多く揃え、いつでも好きな玩具を取り出せる場所に配置しています。これらの玩具は定期的に見直しを行い、発達年齢や興味に合ったものかを確認しています。また、保育士はこども同士の関わりを見守りながら、必要な場面で仲立ちをし、一人ひとりの主張を受け止めることを大切にしています。このような保育士の働きかけにより、こどもたちは少しずつ友だちとの関わり方を知り、自分の気持ちや意見を表現する力を育んでいます。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

活動のはじまりから「こども会議」を開き、こどもたちが主体的に活動に参加できるようにしています。この経験を通じて、こども同士でそれぞれの特技や好きなことを活かした役割分担が自然に決まるようになりました。時には喧嘩や言い合いなどのトラブルが起こることもありますが、保育士が必要に応じて助言や仲裁を行うことで、こどもたち自身が解決する力が育っています。さらに、こどもの興味や好奇心を広げるために、保育士はさまざまな遊びを紹介したり、行事を企画したりして、こどもたちの探求心を引き出しています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

全てのこどもが安心して生活し、共に成長し合える環境を整えています。配慮の必要なこどもに対して、毎月個別指導計画を作成し、支援方法の検討・実践を行っています。また、職員間での情報共有や保護者との連携をこまめにおこなうことで、配慮が必要なこどもが安全に過ごせるよう努めています。園内にはエレベーターが設置されており、廊下も十分な広さを確保しているため、急な怪我や病気の際にも安心して対応できる環境が整っています。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

園で長時間過ごすこどもの心身の負担を考慮し、特に夕方は自由に好きな遊びをしたり、寝転んで過ごしたりしてリラックスできる環境を整えています。また、広々とした空間で異年齢のこどもたちが関わりを楽しめるようにしています。こどもの人数が少ない時間帯は、不安になったり心細くなったりすることもあるため、保育者がスキンシップをとり、気持ちを受け止めています。こどもの1日の様子や伝達事項は、申し送り表に記入したり、口頭で伝達し合ったりして、担当保育士が漏れなく保護者に情報共有しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

近隣の保育園とともに、年長児間交流や川崎市主催の保育まつりに参加し、こどもが就学に期待を持てるようにしています。また、就学に向けて、自分の持ち物の管理や食事のマナーなどの生活習慣が無理なく身につくよう取り組んでおり、困ったことがあった時には言葉で伝えるなど、心の安定や成長も促しています。幼保小連携会議では、園での活動で得られたこどもの生活力や経験を伝え、幼児期の教育と児童期の教育が円滑に接続するよう意見交換を重ねています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

こどもの健康状態や既往歴などの情報は入園時の提出書類と入園面談で把握し、特に重要な情報は職員会議などで周知しています。また、日々のこどもの健康状態やけがの状況は昼礼で共有し、職員間で対応方法を統一するよう心掛けています。こどもの午睡時間には、設定された一定の間隔で呼吸や顔色の確認をおこない、乳幼児突然死症候群(SIDS)予防に努めています。さらに、保護者に対しても園での取り組みを紹介したりポスターを掲示したりして、SIDS予防への意識を高めています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断や歯科検診を定期的に実施し、こどもの健康状態を把握しています。その結果は健康診断記録表と歯科健康診査票に記載し、職員間で共有するとともに、すみやかに保護者に伝えています。また、地域での感染症の発生状況や予防策について、園医からのアドバイスも保護者に伝えています。さらに、看護師が企画し、歯磨きの仕方や鼻のかみ方、プライベートゾーンについてお話をする時間を設けています。これにより、こどもたちが健康に関心を持ち、自分の体を大切にする習慣を身につけられるようにしています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

食物アレルギーの取り扱いは、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」及び川崎市が策定した「川崎市保育施設における食物アレルギー対応マニュアル」に従っています。アレルギー疾患を持つこどもの情報は、定期的に実施する面談で保護者から聞き取り、職員全員に周知しています。アレルギー対応の食事は、異なる色の盆と皿を使用して提供し、席を個別に設定したり、保育士が近くについて見守ったりして誤食を予防し、こどもたちが安心して食事を楽しめる環境を整えています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

年間食育計画は、保育士と調理担当者が協力して作成し、その計画にもとづいてさまざまな食育活動をおこなっています。食べるときの姿勢や持ち方などのマナーを学ぶ食育のほかに、クッキーづくりやおにぎりづくりなどのクッキング保育も積極的に取り入れています。特に魚の解体ショーはこどもたちに人気で、魚の図鑑を用いて魚の身体の仕組みを知り、実際に解体している様子を見ることで、食の大切さや楽しさを実感するとともに、食材への理解や関心を深めています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

毎月の献立は法人本部が立てた共通のものを使用しています。食材は旬のものを選び、定期的に日本の郷土料理を献立に盛り込むことで、こどもたちが地域の食文化や伝統に触れる機会を設けています。特に離乳食については、こども一人ひとりの咀嚼や嚥下の発達状況やその日の体調に応じて、食材を細かく刻んだり、柔らかくしたりするなどの個別対応をおこなっています。こどもの喫食状況は、担任をはじめ、調理員や施設長が把握し、月に一回実施される給食会議で情報を共有し、検討すべき点を話し合っています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

日々の保育の様子は、個別の連絡帳で伝えるほか、保育施設向けICTシステムを通じて写真や動画を配信し、活動によってはドキュメンテーションとして掲示しています。また、登降園時の会話を通じてこどもの様子を伝え、保護者との信頼関係を築いています。職員はこどもを全員で育てる意識を持ち、担任だけでなく、用務員や調理員も保護者と挨拶したり、こどもの様子を伝えたりしてコミュニケーションをとっています。保護者との会話で得られた情報は、必要に応じて職員間で共有し、保育に活かしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者が安心してこどもを預けられるよう、こどもが喜んで通う保育園を目指しています。職員は日々の保育の様子を丁寧に保護者に伝えることで、成長を喜び合ったり、互いに情報を共有したりしながら信頼関係を築いています。また、保護者が気軽に相談できる体制を整えており、必要に応じて担任以外にも看護師、調理員が対応することがあります。一緒に話し合いながらより良い方法を探し出す方針で面談をおこなっています。相談内容によっては、区の保育総合支援担当者や児童相談所と情報を共有し、適切な支援につながるよう連携しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

入園前の家庭での様子は、保護者が記入する児童票と入園前面談で把握しています。日頃から保護者やこどもの身体面、精神面に変化がないかを観察しており、気になる様子が見られた際には職員間で慎重に話し合い、問題の把握に努めています。必要に応じて、児童相談所や区の担当部所と情報共有を行い、連携を図っています。また、職員は法人本部が開催する虐待防止に関する研修に参加するほか、園内でもこどもの「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を用いて学ぶ機会を設けています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

職員の自己評価は年に4回実施し、それをもとに施設長との面談を行っています。職員自身が感じている自己評価と、施設長の評価との間にずれがある場合、それを見直しながら、より良い保育を目指すきっかけを作っています。また、さまざまな研修には職員が自主的に参加できるよう働きかけ、学びを深められるようサポートしています。今後は、他の保育園の公開保育に参加する予定です。さまざまな園の保育方法を知ることで、改めて自園の保育を振り返る貴重な機会にしたいと考えています。