社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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港南台保育センター

2024年11月28日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 港南台保育センター 評価対象サービス 2024~ 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 50 名
所在地 〒234-0054
横浜市港南区港南台3丁目23番8号
TEL 045-832-9190 ホームページ
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1977年11月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社港南台保育センター
職員数
常勤職員:8 名
非常勤職員:12 名
専門職員
保育士:15 名
栄養士:1 名
調理師:1 名
看護師:2 名
臨床心理士:1 名
社会福祉士:1 名
子育て支援員:1 名
幼稚園教諭:12 名
小学校教諭:1 名
弁護士:1 名
施設・設備の概要
居室:0歳児室(調乳室含む)
居室:1.2歳児室
居室:3~5歳児室
設備:調理室
設備:医務室兼事務室
設備:職員休憩室
設備:乳児用トイレ
設備:幼児用トイレ
設備:多目的トイレ
設備:園庭

③ 理念・基本方針
<理念>
子どもの尊厳を保育の基礎に置き、子どもの状況や発達過程を踏まえた環境を通して、養護及び教育を一体的に行います。

<基本方針>
●真に自立した、人を愛し人のために生きられる人間を育てることを保育の目標とします。
そのために、子ども一人ひとりの特性を尊重し、子どもが当施設で安心して自ら学ぶ力や育つ力を伸ばせるような環境作りや働きかけを行うことを目指します。
●当施設を利用する子どもの家庭を支えることを通して、子どもの健やかな発達の支援を目指します。また、そのために諸機関・施設との緊密な連携に努めます。さらに、地域から信頼される誠実な運営を目指します。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<港南台保育センターの特徴的な取組>
1.知的発達と身体発達のために毎日継続した取り組み(教育基礎)を行っています。また、獲得した知識を実生活で生かす活動を取り入れています。
2.外遊びは、子どもの身体的発達にも自然と触れ合うためにも毎日行っています。
3.子どもが楽しみながら、自然に行える形で「読み聞かせ」と「50音カード」を毎日行っています。
4.健康な体を作るために体に良い食材で作る給食とおやつを提供しています。
5.英語教室(1歳児~)、音楽教室(2歳児~)、美術教室(3歳児~)専門の講師がカリキュラムに基づいて行っています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2024/04/07(契約日) ~2024/11/19(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特長や今後期待される点 【港南台保育センターの概要】 
●港南台保育センター(以下、当園という。)は昭和52年11月1日に認可外保育園「港南台キリスト教会付属保育センター」として近隣の方への奉仕を目的に、港南台キリスト教会の牧師が開設しました。その後、平成9年10月1日に横浜保育室へと移行し、令和4年4月1日には認可保育園へと移行し、現在の場所に新築整備されました。

●当園はJR根岸線「港南台駅」から徒歩8分、分かりやすい道なりにあり、住宅街に囲まれた環境の中、2階建ての園舎は認可時に新築整備された新しさがあり、佇まいも周囲に溶け込んだ雰囲気があります。入口から玄関は広く優しいアプローチのため、ベビーカーもスムーズに入ることができます。全体的に掲示物が少ないので煩雑さがなくすっきりと快く、整理整頓が行き届いています。園舎内は、十分な採光により明るい保育室が整備されています。

●キリスト教精神の下、毎日のお祈り、賛美歌を歌う他、行事としても「イースター(復活祭)」、11月には「収穫感謝祭」で秋の味覚を楽しみ、12月の「クリスマス(生誕祭)」は盛大に楽しむ等、キリスト教の大切な行事を祝い、文化・慣習に従った活動を通して、子どもたちへ道徳的な教え・知恵を分かち合っています。

◇特長や今後期待される点
1.【教育基礎の取組について】
子どもたちの知的・身体の発達には、毎日継続した取組が大切だと考え、教育基礎(言語・数・自然・音楽・制作)及び体育を年齢により到達度を変えながら、日々の保育に展開しています。毎日の教育基礎の総合として、当園では様々な活動(緑陰・一泊保育・運動会・栄養指導等)を実施しています(緑陰・一泊保育は4歳児以上)。毎回、大きなテーマを決め、それに沿った活動を数日かけて行います。例えば、緑陰の「カレー作り」では、実際に買い物に行き材料を購入したり、野菜を切って調理することを通して、お金や物の流通、野菜(植物)の成長、雨や太陽の役割、火の役割や身体に良い食べ物、季節・天候、気温の変化、道具について等、様々なことを総合的に学びます。毎日、保育室の中で行っている教育基礎を、子どもたちが実際の活動を通して学ぶことができるよう配慮しています。

2.【戸外活動の重視について】
教育基礎の一環として自然と親しみ、自然物を見ることを大事にしています。探索活動以外にも体力維持向上を目的として近隣の公園を活用しています。中でも毎週水曜日の野外活動日では給食担当が作ったお弁当を戸外で食べる機会を設けて自然の中で過ごす時間を長く取っています。また、子どもは裸足での生活により体幹、感覚を養っています。

3.【食育について】
健康な体作りは体に良い食材を摂取することである理念から、市販品、添加物、化学調味料は使用しない献立としています。子どもたちの将来を考えた食事に対する食材選択感をしっかりと持っています。献立は、1か月重ならないよう作成されており、子どものリクエスト給食も取り入れる等、楽しみのある美味しい食事を提供するよう配慮しています。

4.【サービス向上・利便性に向けた取組について】
利用者に選ばれる保育園になるべく、保護者の日々の持ち物を軽減する取組を行っています。オムツの無償化、布団は卒園まで概ね管理する等、利便性を追求しています。同時に保育者の業務軽減にもつながることを理解し、園長は柔軟でかつ大局的な考え方で推進を図っています。

5.【労務環境について】
ワーク・ライフ・バランスが重要視される昨今ですが、職員のモチベーションと職業意識の高さに依存されている状況が見受けられます。有給休暇、休憩、残業等が取得し易く、適合した平等的な運用が成されることを期待しています。

6.【ICTの活用について】
国及び神奈川県をはじめ、保育の質の向上に向けた取組として保育者の業務環境の改善の必要性からICTの活用を推進しています。業務経営上の課題にもあるように「膨大な事務処理」の解消や、保護者のITリテラシーも高いことから、職員の不慣れさを鑑みても導入の検討は必要と考えます。簡易な機能から導入を段階的に計画的に進めることが望ましいと思われます。また、ホームページは作成中とのことですが、完成版でなくとも早急に公開し不具合、不都合を都度修正しながら運用を進め、活用されることを期待しています。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名 港南台保育センター                

≪第三者評価を受審した感想・自己評価での取組の感想≫
第三者評価を受審し、センターの理念や方針について、改めて意味や掲げた思いを職員に伝えることができました。職員からは、自己評価の話し合いの場で意見を聞くことができました。
 
職員一同、初めての受審で戸惑いがありましたが、評価調査者の方が丁寧に対応してくださり、気づけなかった良い点や改善すべき点を気づかせてくれました。

保護者の方には、お忙しい中、アンケートにご協力をいただき感謝しております。
良い点はこれからも続けていかれるように、改善点やご意見は運営に反映させていけるようにしていきます。

第三者評価の取組を活かすと共に、施設長として自己研鑽に努めて参ります。
また、センターに集う人の幸せを願い、より良い保育を目指していきたいと思います。

≪評価後取組んだこととして≫
1.保育ウェブを使って、子どもと職員がアイデアを出し合い保育を充実させていくこと

2.重要事項説明書に記載しているセンターからのお願い事項を徹底すること

3.災害用伝言ダイヤルを利用すること

詳細評価PDF 詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

保育理念(目的)、基本方針(運営方針)は、「重要事項説明書」に記載し各方面に周知努力しています。保護者は入園時、職員には入職時に日々の保育への結びつきを関連付けて説明しています。園長のしっかりとした思いは職員に十分に伝わっており、職員の定着につながっていると思われます。今後は保護者に向けても周知・浸透する取組が為されることを期待しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

区園長会、市・区、近隣である鶴見区の動向、他園の状況等を積極的に情報収集または入手しています。子育て支援事業にて保護者の動向の把握、助産師による育児・発達相談等も実施して地域交流を行っています。今後は、収集及び入手した情報の分析と課題化を図り、職員間で共有されると尚良いでしょう。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

運営委員会を年6回開催し、議事録も作成して今後の展開に生かしています。委員会でのコメント等は課題化し、運営に生かすべく取組んでいます。また、会計士(委託)とは綿密に情報・状況の共有、意見交換を頻繁に行っています。今後は、現場としての課題については職員と取組む仕組みを構築していくよう期待しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

中・長期計画は園長が策定しています。園長は、「選ばれる園」として明確なビジョンを持ち、情報収集等に努め、積極的に取組んでいます。計画内の園の課題については、時期と数値の設定を図ることにより現実味のある計画が具現化されるでしょう。今後はこれらを評価及び見直しをする機会を仕組み化していかれることを期待します。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

当園の中・長期計画を基本とした単年度事業計画は園長が作成しています。予算書及び職員の採用、配置及び児童数の目算をして策定すると尚良いでしょう。策定した単年度計画は監事である会計士と共有しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

単年度の事業計画は職員の意向が盛り込まれた内容になっており、年度末に振り返り、見直しとフォローアップは都度、園長が行っています。今後は、検討経緯等の記録と計画性を明確にしていくことで、実現に向けた一体感をさらに高めていかれることを期待しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

保護者には入園時の重要事項説明と関係する事業(年間行事計画)について丁寧に説明しています。今後は、継続園児の保護者向けに当年度の運営等の説明の機会、または年度内に発生する変更の周知方法等を検討されることを期待します。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 保育の質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

PDCAサイクルは日々各クラスの保育日誌を振り返り、園長が確認しています。問題の大小に関わらず一連の流れとフォローアップ体制ができています。また、タイムリーな改善に努めるべく迅速な行動に移す等、途切れないように取組んでいます。クラスの自己評価は保護者にも掲示しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき保育所として取組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

評価結果は職員間で共有を図り、園長が取りまとめています。課題はトライ&エラーしながら継続することを大事にし、「やってみる」の精神で取組んでいます。今後は、子どもの趣向にも配慮され相互認識の下、計画性と記録を残すことを期待します。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 施設長は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

役割分担表により園長以下の業務について、「職務分担表」にて明確にし、各職員にも役割について周知しています。「危機管理対応マニュアル」には園長不在時の職務権限委任の記載及び有事時の人員体制と指揮系統の取りまとめをしています。保護者にも周知浸透に取組まれることが期待されます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

コンプライアンスの考え方は、単に法令を遵守するだけではなく、市民や社会からの要請に全力で応えていくという姿勢が示されています。園長は、施設長研修、区の園長会等で研鑽に努めています。市または区からの通達及び周知を現行規定・基準に取り込むべく会計士、社労士とも意識を合わせています。また、必要な情報について都度、職員と共有を図っています。その中でも環境に対する取組は将来の子どもへの影響を鑑みて重点課題としています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 保育の質の向上に意欲をもちその取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、全体的な計画を基準に、毎日の保育の様子、子どもとの関わり方等を観察、または保育日誌で確認し、状況に応じて助言・指導を行い、振り返りを実施しています。職員個人については自己評価による振り返りによる課題化、及び園長との相互の意見を尊重した保育運営を心がけています。研鑽の1つとしての研修では職員自身が希望する研修、園として本人の課題、職責に応じた研修等、受講機会を設けています。人的・物的の充足のみならず心的余裕のある業務環境の実現に向けて取組まれることを期待しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

経営の課題・改善については、緊密な関係である会計士と連携・共有を図り、検討の上、課題化された内容を職員と共に実施に向けて取組んでいます。社労士とも連携しながら働き易い環境についての人的配置、家庭環境への配慮が為されていますが、職場環境として、休憩の取り易さ、日々の配置の計画性、適当性等の見直しを図り、さらに職員が意欲的に働ける環境整備に期待しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

採用に関する中・長期計画はハローワークと新卒者を主軸としています。保育養成校等にはパンフレット、求人票を送っています。昨今は学生数の減少により人材紹介会社からの採用が増加しています。園の人材育成方針として、人には得手不得手があり不得手を克服するのではなく得手を伸ばす考えの下、育成に取組んでいます。このような取組が離職率の低さに表れていると考えられます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

当園としての「期待する職員像」については都度、職員個々に話をしています。子どもへの関わり方、自分らしさを特に大事に考えて指導しています。昇給は年度で見直していますが人事考課等の評価基準が用意されていません。今後は、「目標管理シート」等を活用して評価基準を明確にし、職員と共有されることが期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

園長は、職員個々の背景を鑑みながら超過勤務時間や有給休暇取得状況を把握した上で、必要に応じて業務の見直しや超過勤務の削減、休暇の取得を促す等、ワーク・ライフ・バランスに配慮した取組を心がけています。毎日の職員の様子、声かけ等、コミュニケーションを図り、必要に応じて個別面談を都度、実施しています。今後は、職員の有給休暇取得のバラつきや、残業の多寡が見られますので、平準化ができるよう指導していかれることを期待しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員とは年度内2回の面談を自己評価表の内容を踏まえて実施しています。当園としての求める職員像は面談の機会以外にも業務内で都度、指導しています。職員には基本的人権を基本として業務履行に努めるよう指導しています。今後は、職員個々の目標または貢献したいことと園の認識を合わせるよう、「目標管理シート」等を活用し年度初、年度中、年度末に状況を相互に確認する等、テーマを明確にし、個々のモチベーションを高めていかれることを期待しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

市または区等の研修についてはキャリアアップ研修等、必要に応じて受講を職員に促しています。また、職員自らが受講したい研修については希望を叶えるよう調整しています。今後は、当園として必要と考える研修かつ責務に適応した研修の受講を計画的に促し、各職員に園が求めている職員像の理解が相乗するよう期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

OJTは配属のクラス担任がメンター役を担い、実践面のフォロー等を担当しています。可能な限り年齢の近い職員をメンター役にできるよう考えています。また、当園としての必要な研修は職員を特定して促すよう考えていますが、日々の配置が優先されているため研修機会の確保に苦慮しています。また、職員が希望する研修については可能な限り受講できるように配慮しています。今後は、年間の研修を計画化できること、見通しの持てる育成につながることを期待いたします。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:c】

実習生の受入れは、次世代の福祉人材育成の機会とは捉えていますが、現状では実績・予定共に無い為、今後、検討されることを期待します。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

運営状況については、市運営サイトである「えんさがしサポート」、園探しサイト「えんみっけ」で公開しています。また、市施設に配架はしていませんが、リーフレットを備え地域へ向けた公知の一助となっています。保護者の園への要望等については、年度末に園の自己評価に取組内容を記載して公開しています。今後は、ホームページを活用され広く園の公知がされることを期待しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

出納については園長が記帳し、主任の確認後、全体の会計事務について委託の会計士により適時確認がされています。運営委員会も定期的に開催する等、運営の透明性に尽力しています。また、契約事務は、過去慣例による取引実績のある業者を基本としています。今後は、各種管理規定を策定することで運営のし易さ、信頼度の高い運営が図られることを期待しています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 子どもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

当園の基本的な考え方は「子育て支援を行う施設」であることと捉え、「助産師による各種子育て相談」、「交流保育」、「育児講座」等に取組み、地域支援にも貢献しています。七夕等地域の行事にも積極的に参加しています。開設時の思いでもある「近隣の子どものために」を礎とし、脈々と継承されていることは学ぶべき面であり良い点です。今後は、インターン含めボランティアの受入れを体制化し、より地域に向けてのアピールしていくことで認知も広がり、浸透が図られていくことを期待しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

ボランティアの受入れは、地域貢献の機会とは捉えていますが、予定や実績がない現状において、今後、検討されることを期待しています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

区のこども家庭支援課、地域療育センター、児童相談所、園医、学校、警察署、消防署等の関係機関は電話番号をリスト化し事務所に掲示して、直ぐに連絡ができるよう整備しています。要保護児童のカンファレンス、区園長会、子育て連絡会議等への参加、関係機関とは必要に応じて連携を図り、共通の問題に対して解決に向けて協働し、情報交換を行う等、取組を行っています。今後は、関係機関の特性を生かして子ども、保護者の状況に適した支援ができることを期待しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

園長は、区園長会、子育て連絡会議等に出席し、地域の情報収集や情報交換を図り、福祉ニーズを把握しています。見学、子育て支援事業等の実施により地域の保護者の保育相談にも応じる等、支援を行っています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

子育て支援事業等、地域の保育ニーズに応えています。また、絵本の貸し出し、港南区の区花である「ひまわり」の苗の配布等、地域との関わりを大事にしています。非常時には避難所として地域の方を受入れられるよう、現在準備を進めています。地域支援を視野に入れた防災備蓄品も順次購入しています。有事での社会資源としての保育園の役割について、町内会等の地域コミュニティと連携しながら、さらなる取組に期待しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

横浜市研修サポーター派遣を活用して職員には「わたしという環境」について考えてもらい、記述して研修を実践しています。法人の方針について見直しも行い、現代に適合した内容になるよう努めています。また、人権擁護のセルフチェックを年1回実施し振り返り及び確認を実施しています。外国籍の保護者には市のサポーターを活用して説明の理解が深められるよう努力しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した保育が行われている。

【第三者評価結果:b】

子どものプライバシー保護に関しては「子どもの権利擁護マニュアル」を基本に、配慮事項等について「保育の手順書」に記載し共通理解が図られています。業務内容も、常にプライバシーに配慮した対応(オムツ交換・着替え・水遊び等)を心がけていますが、マニュアル化がされていません。幼児にはプライベートゾーンについての指導も行っています。今後は、行事等で撮影した写真や動画の取り扱いに関する注意事項を「重要事項説明書」に明記し、さらには行事開催時にも保護者に周知されると尚良いでしょう。同時にマニュアルの整備にも取組まれることで保護者の安心感につながることが期待されます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用希望者に対する保育園選択に必要な情報は「えんさがしサポート」、「えんみっけ」で施設の概要・保育の内容・園の特色等が紹介されています。保育園の見学は個別対応を基本に随時、実施しています。丁寧な説明を心がけ、時には育児相談を含め1時間程度かけて説明しています。今後は、ホームページも活用して多様な園紹介ができることを期待しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

保育の開始時の説明と同意については、年度初に「重要事項説明書」を配付して周知しています。施設の概要・職員体制・保育計画・利用、留意事項について案内しています。保護者とは個別面談を実施した際に不明点等について分かりやすく説明しています。今後は、全体を対象とした統一した説明の機会を設けることが期待されます。その際、不参加の保護者に対しては参加への導線の検討等に取組まれることを期待しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

転園による引き継ぎ書類は、基本提供していません。要保護児童対策地域協議会の対象児童については、区役所や担当機関と相談して対応しています。年長児(5歳児)は、保育所児童保育要録を作成し、就学先の小学校へ提出しています。また、必要に応じて電話対応も行っています。卒園後の相談窓口及び担当者は設置していませんが、転園児または卒園児やその保護者が困った時等には、いつでも相談できる旨は口頭で伝えています。今後は、相談方法や担当者について記載した文書の作成が望まれます。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 子ども満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の保育の中で子どもの表情、言動、関わり等から、子どもが興味を示し、形にする等、子どもの発想を大事にし、子どもの意見、そして楽しめているか、気持ち良く過ごせているかを把握するよう努めています。保護者とは面談を通じて収集した意見・相談等を職員会議で改善課題として検討しています。送迎時の声がけや会話からの気付きも参考にしています。このような活動から期待される保育園像を園長はじめ全職員で思いを一つに取組んでいます。面談は希望があれば実施する姿勢ですが、今後は、行事後のアンケート等を活用され保護者が意見、相談のし易い環境、手段を多岐に用意することを期待します。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決責任者を園長、苦情受付担当者は主任保育士とし、第三者委員を2名設置して、苦情解決の体制を整備しています。また、「重要事項説明書」にも明記し、玄関に掲示して保護者に周知しています。さらに、玄関に意見箱を設置し投函できるようにしています。保護者から寄せられた苦情・相談・意見等は速やかに検討に着手し、申出人に迅速に回答することを心がけています。公表については秘匿性を考慮して現在行っていません。今後は、手続・手順はフロー図を用いる等、分かり易さに取組むことや些細な事案も記録を残し、職員間で共有することが望まれます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者が相談や意見をする環境としては、対面、電話、意見箱にて随時受付けることを「重要事項説明書」に明記して案内すると共に、意見箱については設置場所についても伝えています。また、苦情相談窓口についても「重要事項説明書」への記載、玄関での掲示を行い、周知をしています。日頃から、連絡帳での情報交換や送迎時等での声がけで保護者と信頼関係を築き、話しやすい雰囲気作りをしています。相談や意見があった場合、園長は保育士から報告を受け、保護者から知り得た情報を職員間で共有しています。相談内容や保護者の様子に応じて、担任の他、主任、園長が対応しています。子どもへの対応等引き継ぎが必要な内容、長期に渡るものについては、進捗の報告をしています。プライバシーに配慮した話し易い環境として事務所奥を遮蔽して安心して相談できる環境を用意しています。また、日々の細かな要望、相談、苦情等は、職員間で共有し、対応を検討し改善に努めており、今後は、経過についても記録されることを期待しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

職員は、保護者と良好な関係を築くよう、送迎時の会話・傾聴を大切にしています。送迎時には積極的に子どもの様子を伝え合う等、保護者とのコミュニケーションを図り、意見・相談が述べやすいよう配慮しています。保護者からの相談や意見を受けた場合は、職員個人の判断で返答するのではなく、園長、主任、担任等に報告・相談した上で、適切かつ迅速に改善に向けて取組み、園の総意とした改善結果を申出者に伝えるようにしています。相談内容によっては市・区の協力や支援が必要となる場合もあり、時間を要する場合もあります。この場合は経過状況を申出人に説明することで理解を得られています。今後は、一連の流れ等を文書化またはフローチャート等を活用し保護者、職員に周知することで明確な流れと手順の共通認識が図れることを期待しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

園長をリスクマネジメントの責任者とし、園長不在時は主任と定め、事故・災害時における訓練を計画的に行っています。安全計画(避難訓練、防犯訓練、救急訓練)、危機管理マニュアル等の見直し、全職員への周知及び職員体制を敷いています。これら安全計画から園内外のハード面の安全点検や保育等ソフト面の安全点検(散歩、遊び、ブレスチェック)等のマニュアルを見直し、ハザードマップを都度見直すと共に、事故報告書での状況分析と原因究明を行い、改善策・再発防止策を検討・実施しています。事故に至らないヒヤリハット事案についても、全職員で共有し、対応方法等を含め記録に残しています。毎日の安全点検は、朝の清掃時に衛生管理も含めて行い、また、毎月安全点検表に基づいて園庭遊具(鉄棒、滑り台)の点検もしています。研修については適宜受講して知見を深めています。防災訓練についても火災・地震の避難、及び不審者対応について実施しています。今後は、セキュリティ会社と連携した不審者訓練、園庭遊具については定期的に専門業者の点検も実施されると尚良いでしょう。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「健康管理マニュアル」に則り、「感染症対応マニュアル」を作成しています。嘔吐処理や衛生管理における手順書やマニュアルも策定し、また感染症の予防や発生時における子どもの安全確保に取組んでいます。毎年度、感染症予防研修会等の研修を受講し園内でフィードバック研修を行っています。また、看護師からの衛生面や感染症に関する情報提供、指導を得、職員間で共有し対応しています。園内での感染症発生時は、速やかに全職員に伝えて蔓延防止策を講じ、看護師から指導を受けて実施しています。保護者には、個人の特定につながらない範囲で、当園玄関ホワイトボードを活用して状況を掲示しています。また、園医に協力を仰ぎ予防接種の啓発とお願いを保護者にしています。一方で基本は子どもの免疫力向上が大きな要因と考え、野菜の摂取量を増やす等、基礎体力を向上する取組を行っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

防災計画及び災害時のマニュアル(火災・地震)を作成し、消防署と連携した消防設備点検を実施しています。毎月の消火訓練、通報・点呼・報告の防災訓練等、災害発生を想定して実施しています。これら実施後には反省点も含め記録に残し、次回の訓練に反映させています。備蓄品である水や食糧(アレルギー対応食も含む)については栄養士がリスト化及び管理を行い、園長が確認及び把握しています。今後、電話等が使えないケースも想定し災害伝言ダイヤルの活用、AEDの自園化も検討されることを期待しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

保育の標準的な実施方法に関するマニュアルは、デイリープログラム、保育マニュアルとして用意しています。園長は、保育日誌、指導計画等を確認すると共に、日々の保育の状況を考察し、標準的な実施方法に基づいた保育が実践されているかを確認しています。標準的で一定水準の保育ができているかについては、各年齢の指導計画の評価欄や保育日誌等で確認し、都度見直し、検討をしています。保育計画については、画一的な保育ではなく、子ども個々の興味や関心に考慮して作成し、子どもを主体とした保育に取組んでいます。また、その時々に応じた子どもの姿を受け止め、見直しを図っています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

標準的な実施方法についてはクラス単位での話し合いにより見直しを図っています。日々の保育内容については、各クラスの指導計画や保育日誌を確認し、振り返り、保育内容に反映させています。また、毎年度末には各種マニュアルの検証・振り返りを職員で協議し、必要に応じて内容を更新しています。年度末には保育園の自己評価を実施し、年間を通した保育の取組や課題について分析・評価を行い、次年度の保育計画に反映させる仕組みを構築しています。今後は、保護者の意見等を取り入れる手段等を検討されることを期待しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく指導計画を適切に作成している。

【第三者評価結果:a】

指導計画は、各担任が全体的な計画を基本に作成し、園長を責任者とし確認しています。各クラス担任が年度初めに年間計画の素案を提案し、ねらいの達成に向けてより具体的な内容を記載した月間指導計画を作成しています。個別指導計画は、クラス内での振り返りや話し合いを基にクラス担任が作成し、園長の承認で確定しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に指導計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画は子どもの主体性を基本に毎年度末に評価・見直しを行い、次の計画の作成につなげています。月間指導計画は、クラス内で振り返りを行いながら意見交換を行い、評価欄に記載をし次月の計画作成に生かす等、PDCAサイクルによる継続的な取組を実施しています。個別指導計画は、柔軟に変更や見直しを行い、子どもの発達状況に合わせて、適切な保育につなげています。計画の緊急的な変更は、園長主導で行い、全職員に周知を図り、保護者にはクラスだより等で伝え、周知・理解を促しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

子どもの発達、生活状況等については、連絡帳、個人記録、保育日誌に記録しています。日々のブリーフィングを実施し、記録を残し出席できない職員とも情報共有をしています。個別指導計画に基づいた保育の実施状況の検証は、保育日誌、個人記録の他、経過記録、月間指導計画で確認できるようにしています。今後はこれらの記録や全体的な計画、連絡帳等について、「記録要領」のような、表記方法についてのマニュアル化を期待致します。記録の書き方に差異が生じないよう指導を行っていかれると尚良いでしょう。また、ICTの導入の進捗を図り、業務効率化への検討も期待しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

標準的な文書保管年限が規定され、適切に保管、廃棄が行われています。個人情報に関する書 類等は、鍵付き書庫に保管・管理しています。尚、書類の閲覧場所は原則事務室内としています。全職員対象の個人情報に関する職員研修は、入職時に実施しています。保護者には個人情報の取り扱いについて「重要事項説明書」に記載及び説明を行い、同意を得、必要に応じて関係機関と情報共有をしています。職員とは守秘義務誓約書を締結し意識を高めてコンプライアンスに取組んでいます。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、児童憲章、保育所保育指針等の趣旨を踏まえ、保育理念(目的)、保育方針(運営方針)、保育目標に基づき、当園の特徴、地域の実態等を考慮し職員と園長で協力して作成しています。各クラスの指導計画や行事等は全体的な計画に沿って展開しています。全体的な計画の見直しについては年度末に、園長主導で各職員も参画して行い、各クラスの指導計画に反映させています。子どもの成長・発達、保護者、地域の実態等については都度職員で話し合い、年度末に評価を行い、次年度の計画に反映しています。子どもの最善の利益を守り、適切な保育の実践、子どもの主体的な活動に向けた話し合いを進めています。発達成長に気になる点がある子どもについては職員と該当保護者で意識して取組んでいます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

各保育室の採光・温度・湿度等は適切な状態に保持し、毎朝の衛生管理により子どもたちが心地良く過ごせるよう心がけています。アフターコロナも保育室内や玩具等、子どもたちが触れる部分の衛生管理を徹底して行い、看護師指導で感染症予防対策に取組んでいます。安全点検は定期的に行い、子どもたちが安全に過ごせるように配慮しています。職員は、保育室の環境に配慮し、一人ひとりの子どもが、落ちつけるようなスペースを作り、関わる職員を変える等、工夫しています。戸外遊びが充実しており、今回の利用者(保護者)アンケートにも外遊びが充実しているとの声が寄せられています。今後は、長時間の保育を鑑み、家庭的にリラックスできる環境作りをさらに工夫されることを期待しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

入園時の保護者面談では一人ひとりの子どもの発達や家庭での過ごし方等を丁寧に聞き取り、個人差を十分に配慮した保育になるよう全職員で情報を共有し、保育の見直しを図り取組んでいます。子どもの欲求、寄り添い方、声がけの仕方、支援の仕方による達成感の獲得等、意見交換を図り、その後の保育に生かしています。保育者は、常に子どもの思いを汲み取り代弁する等、子どもに寄り添った応答的な関わりを心がけています。例えば、食事のお手伝いをしたい気持ち等、大事にしています。このような子どもに対する言動・対応・援助の仕方等については人権擁護チェックシート(セルフチェックシート)での気づき、または園内研修で振り返り、学び合い、当園としての統一認識を図っています。子どもに分かりやすい言葉遣いを心がけ、否定的な言葉は使わない、保育者の自己満足での保育は行わない等を心得、保育に当たっています。また、子どもの主体性を大事にし、自分で考える習慣を養うよう、日々取組んでいます。また、保育者が先走りしないように心がけ、子どもの自立を促すよう見守る姿勢も大事にしています。今後は、日々忙しくしている状況を鑑み、余裕が持てる職場環境構築の一考を期待します。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

基本的な生活習慣の習得については、一人ひとりの子どもの発達に合わせて、励ましたり、褒めたりしながら援助し、見通しを持った生活としての時間管理を少しずつ身に付けられるよう、取組んでいます。保育者は「待つ」姿勢を心がけ、必要なタイミングで子どもへの働きかけを行い、自分から「やってみよう」と思えるように導く支援をしています。常に子どもの姿を観察し、職員間で情報を交換し、子どもにとって取組み易く、分かり易い方法・手順等を検討及び工夫して援助につなげています。特に、挨拶については必要性、必要な場面を理解させて実践しています。例えば、「こんにちは」と「こんばんは」等、間違って使うことが習慣化しないように努めています。子どもの排泄面では、個人差があることを十分に理解し、家庭でのリズムにも配慮して取組んでいます、その他、一人ひとりの睡眠、食事、友だちとの関係等の発達成長状況や、成長過程で必要な行動、保護者の考え方等も尊重し、連絡帳等で状況を共有する等、家庭と連携を図り進めています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

当園では、四季を通じて戸外遊びを重視して実践しています。体いっぱい使って楽しんでいます。戸外では自然に興味を抱ける工夫や、公園での他園児と玩具・遊具等を共有するためにルールを遵守する等、活動を通して社会性を学習しています。特に、幼児期は一人遊びから集団遊びへと移行していく中でのルール順守等への援助をしています。室内では、子どもが主体的に遊びを選べるよう玩具の位置に配慮し、取り出し易く工夫して自由に遊べるように用意にしています。また、コーナーを活用して遊び込みができる環境設定も構築しています。子どもの発達や年齢に合わせて、絵本や玩具、手作り玩具等を見直し、入れ換えを行い、子どもたちの遊びに興味、発展できるように工夫しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

ベテラン保育士、看護師を配置、連携して乳児保育を展開しています。子どもが当園での生活が習慣化できるように養護を基本に、気持ち良く過ごせるように室内温度・湿度等、環境への配慮も大事にして保育に当たっています。玩具は都度見直しをしながら子どもの興味・関心、発達に適合していることを確認しています。食の面では栄養士との連携を大事にし、栄養士の日々の巡回、必要があれば保育士と面談する等、状況の把握に努めています。子どもの状況は連絡帳、お迎え時の伝達で日々の保育内容、子どもの様子を保護者と共有し適切なコミュニケーションに取組んでいます。

【A7】A-1-(2)-⑥ 3歳未満児(1・2歳児)の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳未満児(1歳・2歳児)の保育では、年間指導計画を基本に、月のカリキュラムに養護と教育の両面から、一人ひとりの発達状況を把握し、子どもの状況に応じた保育を実施しています。日案については日々の状況を話し合い、振り返りを実施して子どもとの関わり方に生かしています。子どもが自由に探索活動を楽しめるよう戸外、園庭、菜園では探検的に遊んでいます。そのために環境整備に努め、危険が無いよう点検を行い、保育者間で声をかけ合う等、子どもを見守る体制を整えています。子どもが興味を持ったことを保育者も一緒に楽しみ、気持ちに共感するように努めています。年齢的に自我の芽生え期にあり、友だちとのトラブルがあった場合は保育者が仲立ちとなり、双方の話をしっかり聞いて代弁する等、解決に向かうように援助しています。保護者にはトラブル等の事実を伝え、互いの子どもの育ちの理解を促しています。日頃の子どもの様子は連絡帳、登降園時の会話、個人面談等を通して保護者とコミュニケーションを取り、連携を図っています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上児の保育では、各年齢に応じて「一つひとつをつなげられるように」指導計画を作成し、担任間で子どもたちの状況を討議・検討・確認しながら遊びの構成を考え、遊びの幅が広がるよう環境設定に努めています。探検的な活動から興味・関心が持てるように動線も考え配慮しています。一人ひとりの生活習慣の自立に向けた援助の他に、自発的な興味が持てる、または集団の中で興味・関心の広がりから友だちとの遊びを楽しみ、一緒にできた喜びを享受できるように保育者が関わっています。行事では、各学年のテーマを達成することが子どもたちのレベルアップへとつながり、協調性を養い、互いを認め合うことができる保育に取組んでいます。水曜日の野外活動日は、給食担当が作ったランチを戸外で味わう機会となっています。就学に向けて「ひらがなテキストの活用」、「鉛筆の持ち方」等を担任と書道教室講師が正しく指導しています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

現在、障害児は在園していませんが、「重要事項説明書」には当園の障害児に対する姿勢について記載しています。過去には在園していた時期があり、障害児への関わりも大事にしています。支援が必要な子どもに対しては特別視しない等、自然に対処することに理解を深めています。理解が乏しい場合は都度、向き合って話し合い、専門機関と連携して相互認識を高めています。個別指導計画は、クラスの指導計画と関連付けて作成し記録しています。子どもに応じて、個別対応できるよう職員配置を工夫しています。担当職員は、保護者と連携(連絡帳、会話、面談)し、支援の方向性を確認し、適切な支援が行えるよう親子のサポートに努めています。職員は、障害児保育についての研修を受講し、必要な情報を得、子どもの状況に合わせた適切な支援が行えるようアドバイスを保育に生かしています。今後、障害児の受入れをする場合に備え、準備・体制等の一層の整備を期待します。

【A10】A-1-(2)-⑨ それぞれの子どもの在園時間を考慮した環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

在園時間の長い子どもには、朝夕の時間帯は通常とは異なる雰囲気であるため、子どもの様子には十分配慮しスキンシップを多くして、ゆったり関わり、やりたいこと、その子が過ごしたい状況を優先するよう配慮しています。特に、降園時間帯は子どもの人数が少しずつ減っていくことで寂しくなる気持ちを受け止めてあげるように配慮しています。また、空気感を家庭に合わせる工夫にも取組んでいます。また、休息時間や1日の活動に「動と静」の時間を設けるよう配慮しています。このように子どもの状況や登降園時間に合わせたリズム作り、子どもの体調・状態・家庭背景に応じた個別対応にも心がけています。年齢の異なる子どもへの配慮も十分に行いながら、異年齢保育等を実施することで年長児が年少児をお世話したり、手助けをしたりすることで相手を思いやる気持ちを養うことにつながる等、工夫しています。特に、乳児についてはクラス単位で落ち着ける環境に配慮しています。保護者とは、連絡帳や会話等で、連携を図っています。職員間では、口頭、ミーティング、クラスノート等で朝夕の引き継ぎを適切に行い、情報共有を図っています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画の中に、小学校との連携・就学を見通した保育に関する取組を位置づけ、それに基づいた保育を実践しています。就学までに必要な「所作」等の習得を子ども・保護者に伝え、取組んでいます。幼保小連携事業には積極的に参加して、小学校のオリエンテーション、ドッジボール大会、お手紙交換等、近隣園及び小学校との交流を年4回参加しています。このような体験を通して就学に向けて子どもがイメージを作ることで就学がスムーズになるように努めています。子どもたちの就学先には、保育所児童保育要録を作成して送り、併せて面談、電話等で情報を提供しています。保護者には、各小学校の視察、面談等を実施して情報を共有しています。また、就学前だけの取組ではなく、小学校以降の生活について見通しが持てるよう取組に配慮しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもの健康管理、園医については、「重要事項説明書」に記載しています。入園時に「児童健康台帳」の提出をお願いして詳細をヒアリングし職員間で共有しています。毎月の身体測定で成長曲線を著しく外れる場合は保護者と連携して改善に努めています。保護者とは連絡帳の記録で成長状況を共有しています。横浜市の保健だより「すくすく」を季節ごとに配付し健康に関する情報を保護者と共有しています。朝の受入時には視診及び子どもの健康状態を保護者から確認し、日々の保育の中では子どもの様子を見ながら体調を確認し、職員間で情報共有を図り、日誌に記録しています。感染症を含む健康管理に関しては、「重要事項説明書」に、園の方針を保護者に伝えています。乳幼児突然死症候群(SIDS)に関しては、さらに理解を深めるために啓蒙に努め、入園時の説明とポスターの掲示等に取組まれることを期待しています。0歳児から1歳児までの記録はありますが、2歳児以上についての記録は義務ではありませんが、観察は必要ですので記録を残すことを勧めます。また、職員は、これら安全衛生に関する研修に毎年参加し、必要な情報の習得に努め、保護者にもフィードバックする取組を期待します。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科健診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

定期的に嘱託医による健康診断・歯科健診を実施し、結果は、児童票、連絡帳に記録して卒園まで活用及び保管しています。健診結果は、全職員及び保護者で情報を共有しています。身体測定結果についても同様に記録し、保護者が確認できるようにしています。年1回、3歳児視聴覚検査、3歳・4歳・5歳児の尿検査を実施しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

アレルギー疾患のある子どもに対しては、「食物アレルギー対応マニュアル」、「アレルギー児の給食マニュアル」を基本に、より適切な対応を行っています。除去食等が必要な場合は、医療機関受診後の診断結果と、「アレルギー除去食依頼書」等の書類を保護者に提出してもらい、個別に対応しています。次月の献立・除去食は、給食会議で園長、栄養士、担当保育士で確認し、保護者とも状況を共有しています。食事提供時は、テーブルの個別化を図り、アレルギー児専用トレイ・専用食器を使用しています。また、配膳時には、配膳者と調理員で献立を確認し、保育室では職員2名でダブルチェック後、他児の配膳前に配膳し、誤配や誤食防止につなげています。職員は、最新情報を得るためにアレルギー研修に積極的に参加し、知り得た情報を園内研修等で伝え、職員間で知識の共有を図り、対応について周知しています。今後は、他児に対してアレルギーに関する理解を促し、食事の内容、仕方が異なることの理解が深まるよう取組んでいかれることを期待しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食は大事な事業の一つとして力を入れて取組んでいます。全体的な計画及び各年齢の年間指導計画にも位置付け、計画に基づいて食事がより楽しめるように取組んでいます。子どもが食に対する興味・関心が持てるように栽培活動、食材の形、硬さ、匂い等を実際に感じ、季節食、行事食、お楽しみ給食等により楽しみが持てるように工夫し、栄養士の日々巡回で子どもの状況を把握することに努めています。子どもには献立の説明をし、マナー、食事と健康のつながり等、食育に取組んでいます。また、リクエスト給食は自主性を育む特徴的な取組になっています。献立は同月内で重複がなく、バラエティーに富んでいます。また、粉末イワシ出汁を使い、市販調味料は使わずに調理をしています。日本食文化を大事にする基本的な食生活の習慣化にも取組み、全量摂取を目標にして残食も少なく、規定時間内でおかわりもできるようにしています。食器についてはダイヤセラムの強化磁器を使用することで心地良い感触、重厚感、また扱いによっては壊れること等の学習につながっています。献立表の配付によりレシピを問い合わせる保護者もあり、家庭での食育につなげるよう、日々のサンプル(写真でも)の提示、栄養士発信の「給食だより」による情報共有等に取組まれると尚良いでしょう。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

毎月の献立には、旬の食材を使用し、季節、行事食、お楽しみ給食等を取り入れ、また、栄養士の日々のクラス巡回により子どもの趣向、喫食状況、好き嫌い等を観察・把握し、おいしく、安心して食べることのできる食事を提供しています。米は鳥取県・山形県、生協、「手をつなぐ会」及び地元業者の調達による生産者の見える食材調達に努め、総合食品卸業者に頼ることなく自前調達を基本にしています。子どもの発達段階に応じて、自発的に食べられるように、食材の大きさ・硬さ、食器、食具等を調節しています。衛生管理体制は、保健・衛生管理マニュアルを基本とし、調理業務全般について徹底した衛生管理を行い。定期的な研修を受講して研鑽に努めています。給食室が閉鎖的にならないように「見える給食室」とすることで子どもに興味・関心を抱かせ、また、調理業務をしながら子どもの様子が眺められることで食事以外でも給食業務の参考になっています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者とは送迎時の会話または連絡帳により日々の子どもの様子を伝えています。その他、園だより、クラスだより、保健だよりで保育内容、情報を発信し、園の様子、子どもの様子や、成長を保護者と共有しています。会話での応対も大事な情報共有であり、送迎時には積極的に声かけを行っています。また、必要に応じて面談を実施する等、コミュニケーションを図り、保護者との信頼関係を築いています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者には常日頃から「相談はいつでもしてください」と伝えています。そのため意見、相談、報告等に対しては丁寧に傾聴し、信頼関係を築けるよう保護者に寄り添った取組に努めています。保護者から相談等を受けた際は、保護者の気持ちを受け止め、担任、園長と情報共有して迅速に対応し、返答するよう体制を整えています。子どもの様子の変化や、家庭の状況により見守りが必要とされる場合は、記録を残す他に、関係機関への報告、職員間で情報の共有等、「報・連・相」の体制を取っています。また、相談内容によっては、園長の助言や一緒に立ち会って話を聞く等、保育者が一人で抱え込まないように支援しています。面談についてプライバシーに配慮した環境を用意して相談しやすい環境を提供しています。手順についてもフロー化して分かり易くするよう、検討していかれることを望みます。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

「虐待防止マニュアル」、「児童虐待ハンドブック」、「子ども虐待対応連携の手引き」等、早期発見のためのツールを備え、家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めています。登降園時の親子の様子、表情や会話、容姿の状況に気を配り、保育中は身体のあざ等は着替え時に確認し、家庭環境の背景等を職員間で認識を合わせ、共有して配慮しています。虐待が明らかになった場合は、区のこども家庭支援課または児童相談所、必要に応じて警察等に、通告・連絡の体制を整えています。見守りの必要な家庭には、特に、保護者の言動や子どもの様子、身なり等を観察し、不適切な養育状況が未然に防げるよう留意し職員共通で理解しています。また、子育て支援事業にも取組む等、未然防止への対応にも努めています。指導の状況に変化の見られない場合には面談を促す等、家庭の様子を把握すると共に保護者の気持ちを受け止め、心の安定を図るよう支援しています。職員は、事例検討会、区役所派遣による虐待防止研修の受講をする等、研鑽を深めています。今後は、対応のフローをまとめる等、スキームを明確にすることで迷わない対応が可能になることや、確認手法を基準化し、日々の子どもの様子の変化に気付けるよう、職員の識見を向上させることも有効な取組になりますので期待しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

保育実践の振り返りは、保育士自己評価及び日々、月、年を単位にクラス単位で振り返り・見直しを実施し保育の質の向上を目指しています。職員自身または他クラスの評価を参考に、気づいた課題を次年度につなげています。全体的な振り返りについては年度末に行い、職員会議で振り返りから園の課題化として次年度の年間指導計画や月間指導計画に生かしています。各クラスの子どもの心身の育ちについても取り上げ、職員間で共有し、適切な援助につなげています。