社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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フランボワーズ上溝

2026年01月16日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 株式会社フィールズ
評価対象事業所名 フランボワーズ上溝
評価対象種別サービス 共同生活援助(障害者グループホーム)
設立年月日 2006年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
③ 理念・基本方針 法人の理念として、①ソーシャルインクルージョン(共生社会)②先駆的で開拓的な事業を掲げています。フランボワーズ上溝は重度の利用者が多く生活するグループホームです。利用者一人ひとりが、その人らしく生活できる事を大切にしています。利用者自身が持っている力を最大限活用できるよう、適切なアセスメント基に支援を考えています。そのためには、職員一人ひとりが利用者の障がい特性を理解し、特性に合わせた支援を考えていくことが重要だと考えています。支援を提供する際には、利用者の人権を尊重し、同性介助を原則とし、プライバシーに配慮しています。また、利用者のライフステージに合わせて、ニーズも多様化していきます。その時々で必要となる支援を考えています。
職員が働きやすい環境となるよう、設備面を整えるなど、人材の募集・育成にも注力しています。

④ 施設・事業所の特徴的な取組 1階が男性フロア、2階が女性フロアと男女で分かれています。誕生日などは対象者がいるフロアへ希望性で行き、みんなでお祝いをしています。また、誕生日はリクエストメニューで事前に聞き取りをして、利用者の好きなメニューを提供しています。デザートのケーキも2~3種類の中から選び、好きなケーキを提供しています。
玄関前の花壇は、園芸の仕事をしている利用者が管理を行い、季節に合わせて花を植えています。
利用者の高齢化が進んでおり、訪問医や訪問看護といった医療と連携しながら利用者の健康面をサポートしています。高齢化に伴って、食事形態も利用者の嚥下機能に応じて提供する体制を整えています。また今年度より、常勤の看護師を生活支援員と兼務で配置することにより、持病のある方や急な体調不良などにも迅速に対応し、利用者が安全に過ごせる環境を維持しています。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2025年05月08日
終了:2026年01月08日(評価結果確定日)
受審回数:2回(2021年度)
⑥ 総評
◆ 特長や今後期待される点
1)リスクマネジメント体制の強化に取り組んでいます
利用者の高齢化が進み、想定外の行動や事故についても意識しています。大きな事故のリスクが高くなっているため、日々の職員の気づき(ヒヤリハット)が 重要になってきています。ヒヤリハットの重要性を職員会議で共有し、職員がヒヤリハット事例を積極的に上げ、事例を増やし職員の「ヒヤリハット意識」を高める環境づくりを行っています。

2)権利擁護、虐待防止、身体拘束ゼロの取り組みを強化しています
職員会議で3ヶ月に1回、虐待防止委員会を定期的に開催し、対策の協議と意見交換を行っています。また、毎月「虐待防止セルフチェック」を実施し、自身の支援の振り返りを欠かさず実施しています。日々の支援の中で「疑問に思う点」「グレーゾーンではないか」と思われる事柄を共有する意見交換の場としています。今後は虐待に関する研修を増やし、受講レポートの共有を通じて、職員全体の意識と専門性の向上に注力していく方針でいます。

3)利用者と家族の意見を集約し、双方の願いを実現しています
職員は、利用者からの相談や要望を深く受け止め、自己決定を尊重しています。同時に家族の思いにも寄り添うために、日頃から丁寧に情報を提供し信頼関係を築いています。利用者と家族の意見が異なる場合でも、職員は一方に偏ることなく、双方に対話を行うことでそれぞれの思いを受け止めて、両者の合意点を見出す支援を行っています。

4)地域との交流・連携が期待されます
地域情報を把握し、地域活動への参加やボランティアなどの受入れの実現に向け検討を行っています。ホーム行事への協力を仰ぐなどして地域交流を図ることが期待されます。今後、地域連携推進会議の活用も期待されます。

5)非常災害用の備蓄品の整備が期待されます
非常災害用の飲食料品、備品等の備蓄を見直し、賞味期限などを明記した備蓄品リストを作成、保管場所を整備し管理すると共に、職員にも周知することが期待されます。
⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント アンケートにご協力いただいたご利用者・ご家族の皆様ありがとうございました。
日々の業務の中で、自事業所の取り組んでいる事を振り返る良い機会になりました。
不十分な部分については早急に取り組み、より良い事業所作りに励んでいきたいと思います。
詳細評価PDF
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

運営法人の理念・基本方針は法人のホームページで公表しており、法人の使命や目指す方向、考え方を読み取ることができます。常勤、非常勤に関わらず採用時の研修で説明を受けています。理念・基本方針を事務室に掲示し周知を図ると共に、年に1回職員会議で確認をしています。事業所の基本方針は、事業計画に記載し、職員会議で説明しています。

◆評価機関からのコメント

理念・基本方針について、年に1回職員会議で確認し合っています。今後は、職員全員への確実な浸透を図るため、再確認の機会を半期に1回は持ち、周知を図ることが期待されます。
Ⅰ-2 経営状況の把握

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

毎月作成の月次試算表、収支予実対比表で、ホームの収支状況、利用者動向、稼働率などを検討し、経営状況を把握しています。職員会議で主に収入面や稼働率などを職員へ知らせています。

◆評価機関からのコメント

ホームの経営状況は一部の職員のみが把握している状況にあるので、今後は全体で共有できる形・仕組みづくりが期待されます。
Ⅰ-3 事業計画の策定

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

事業計画は、管理者が素案を作成し、常勤職員と事業計画作成打ち合わせ会議で協議し、前年度を振り返り、ホームとしての目標、課題を設定し作成しています。事業計画は職員会議で読み合わせ確認し、職員の理解を得ています。半期に1度見直しを図っています。

◆評価機関からのコメント

事業計画の作成にあたっては、非常勤職員の意見なども聞く機会を設けて協議し、作成することが期待されます。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

課題が生じた時には、その対応について会議などで話をし、方針を決めると共に見直しも行っています。日常の支援業務に漏れが無いよう、勤務帯ごと利用者個々に応じた支援を記した勤務のマニュアルを作成し活用しています。福祉サービスの向上に向け、毎年「自己チェック点検シート」を活用し、自己評価を実施すると共に、定期的に第三者評価を受審しています。

◆評価機関からのコメント

「自己評価点検シート」で年に1回自己評価を実施すると共に、第三者評価を定期的に受審しています。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

管理者の役割と責任については、職務権限規程、運営規程に明記し、また、有事における管理者の役割を明確にしています。職員の現状把握に努め、日々のコミュニケーションを大切にし、意見や提案、相談をしやすい環境づくりに努めています。また、判断が必要な場面では迅速に行うように努め、職員へ周知しています。常勤職員と年2回面談を行っています。法令遵守の研修を受講し、職員会議で2次研修を行っています。

◆評価機関からのコメント

現在常勤職員との面談を年2回実施していますが、今後は3回にしていくことや非常勤職員との個別面談にも取り組むことを検討しています。全職員と面談しコミュニケーションを図り意見や要望、提案を受入れ、更に風通しのいい、職員の働きやすい職場環境づくりに努めています。
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

採用活動は、常勤は本部、非常勤はホームで行っています。人材の確保は難しい状況ですが、ホームの人員体制は確保しています。常勤、非常勤問わず入社時に本部で入社時研修を受講し、ホームに配属後ベテラン職員による約1ヶ月のOJT(実務を通じたトレーニング)を実施し、勤務に入るようにしています。また、研修案内は、各職員にメールで送り希望を聞くようにし、受講につなげています。常勤職員が希望する研修についてはシフト調整を行い受講できるようにしています。



◆評価機関からのコメント

福祉人材の確保は困難な社会状況にありますが、現在のところホームの人員体制は確保しています。利用者の高齢化に伴い、介助度も上がり職員への負荷も増してくると予測しています。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

法人はホームページで理念・基本方針、ビジョンなどを明示し、事業状況、事業計画、事業報告、決算情報を適切に公開、第三者評価受審、苦情処理を公表しています。ホームの運営状況は、毎月法人のグループホーム部会へ報告をしています。また、訪問看護や訪問リハビリ、訪問理美容、往診医、家族、後見人等の来訪があり、ホームが外部の第三者の目に触れるようになっています。

◆評価機関からのコメント

地域へ向けて、理念や基本方針、ホームで行っている活動などを説明した印刷物などの発行が期待されます。
Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

自治会には加入していますが、交流と言える活動は未実施のため、今後地域活動への参加やボランティアの受入れを検討していくことにしています。


◆評価機関からのコメント

地域活動への参加とボランティア受入れの実現に向け検討し、地域交流を図ることが期待されます。また、地域連携推進会議の活用も期待されます。
Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

毎年、「職員倫理行動綱領マニュアル」について職員会議で読み合わせを行い、利用者の人権尊重について職員間で確認をしています。「人権擁護セルフチェックリスト」で自己チェックを実施し振り返りを行っています。利用者の支援に当たっては人権を尊重し、同性介助を原則とし、プライバシーに配慮しています。成年後見制度について家族へ説明すると共に成年後見についての研修も案内しています。

◆評価機関からのコメント

利用者を尊重した理念や基本方針、ミッション、職員行動指針、期待する人材像、職員倫理行動綱領と職員倫理行動マニュアルなどを明示、記載した「職員ハンドブック」を全職員が所持しています。共通の理解を持つ取組を行っています。
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

利用希望者に対してホームページやWAM NETで情報提供しています。見学や利用希望者には随時日程調整を行い見学の対応をし、ホームの状況などを説明しています。また、ホームに空き室がある場合は体験入居も実施しています。利用契約時には、管理者が重要事項説明書やサービス利用契約書を明示し、本人・家族と読み合わせ、分かりやすく説明、質疑応答し同意を得ています。

◆評価機関からのコメント

ホームの選択に必要な情報は、法人のホームページに理念や基本方針、実施する福祉サービスの内容を紹介しています。ホームページは、文章、イラスト、写真、図表などをカラーで表記しており、誰でもが見やすく分かりやすい内容になっています。また、WAM NETの「障害福祉サービス等検索」からも事業所の詳細情報を得ることができます。
Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

利用者とは日々の生活の中でコミュニケーションを取りながら満足度について確認していますが、具体的な満足度調査や利用者懇談会の実施には至っていません。誕生日はリクエストメニューで事前に聞き取りをし、利用者の好きなメニューを提供しています。フロアは、1階は男性、2階は女性と別れていますが、対象者のいるフロアへ行き皆で祝っています。年1回家族会を開催し意見や要望を聞くようにしています。

◆評価機関からのコメント

利用者アンケートや利用者懇談会などを検討し、実施することが期待されます。
Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

苦情解決マニュアルを整備し、苦情解決体制について重要事項説明書や利用契約書に明記し、本人・家族に説明しています。玄関ホールの目に付くところに「苦情受付ポスター」を掲示し、周知しています。また、「苦情受付ポスト」を玄関ホールに設置しています。利用者からの意見や相談には利用者の居室で個別に対応しています。

◆評価機関からのコメント

玄関ホールにカラー刷りの苦情受付ポスター 「困った時には・・・」を掲示しています。苦情受付担当者、苦情解決委員を分かりやすく明記しています。
Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

事故を始めとした各種緊急時対応マニュアルを整備し、職員に周知しています。毎月開催の管理者会議で法人のリスクマネジメント委員会より、ヒヤリハット・インシデントの報告があり共有しています。ホームでは毎月の職員会議でヒヤリハットを共有し、要因分析と改善策・再発防止策の検討・実施を行っています。年3回、自衛防災訓練を実施すると共に、年2回、法人合同防災訓練に参加し非常災害に備えています。

◆評価機関からのコメント

非常災害用の飲・食料品、備品等の備蓄を見直し、備蓄品リストを作成し管理することが期待されます。
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

「県央福祉会職員倫理行動マニュアル」と「県央福祉会職員ハンドブック」に法人が期待する職員像を明文化しています。アセスメント・個別支援計画では、利用者の意向を尊重し、生活課題とニーズを明確化しています。勤務時間に沿った全体の支援の流れを明文化しています。個人別の細かな支援方法も記載し、どの職員も一貫した支援が提供できる仕組みを構築しています。



◆評価機関からのコメント

勤務時間に沿った全体の支援を明文化することで、職員は自信を持って一貫した支援を提供することができています。支援上の課題が生じた場合は、全職員で協議し、利用者の意見を大切にした支援内容に随時改訂しています。この変更は文書と口頭で全職員に周知し、質の高い支援を維持する体制を構築しています。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

アセスメント・個別支援計画は、法人の統一した書式を使用しています。利用者主体の支援を確立するため、アセスメントでは生活課題とニーズを多角的に把握します。そのうえで、個別支援計画では、利用者の意向を最大限に尊重した具体的な目標と支援内容を明確化しています。計画の策定と実践においては、多職種の専門的な意見を集約し、チームとして方向性を統一しています。

◆評価機関からのコメント

管理者は、高齢化に伴う心身の変化を的確に捉えることが最重要課題と認識しています。家族が望む「本人が楽しめること」「健康で長生きできること」を実現するため、医療との連携を行いながら本人の意向も丁寧に聴取しています。職員が、利用者の行動パターンや言動の変化を日頃から記録・共有することで、必要な支援を継続的に提供できる体制を構築しています。
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

職員は記録ソフトを用い、利用者の様子を日々詳細に記録しています。これにより、職員全体で利用者一人ひとりの状況を正確に把握できる体制を構築しています。また、この情報を基に、必要に応じて職員会議で情報を共有・協議し、支援の課題を早期に特定し、現状に合わせた最適な支援を提供しています。

◆評価機関からのコメント

管理者の指示に基づき、全ての支援記録は表現を統一し、事実に即した透明性の高い記録を作成しています。現場支援を優先する職員には柔軟な対応を図り、紙に記録したものを他の職員が代行できる体制を整備しています。職員の働きやすさを実現し、利用者への関わりに注力できる環境を構築しています。
A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

利用者への人権尊重の徹底のため「県央福祉会職員倫理行動マニュアル」の読み合わせを定期的に行い、職員全員の意識の統一を図っています。利用者の意思決定を大前提とし、支援のあり方を決めています。職員は、その決定を尊重した見守りの体制を構築し、必要に応じて専門的な助言を提供します。



◆評価機関からのコメント

自己決定の尊重を徹底するうえで「利用者が意思表示をしやすいよう選択肢を狭める」「漠然とした内容は焦点を絞る」「明確な時間を示して伝える」などの工夫をしています。様子を見ながら「これもどうですか」と別の選択肢を提示するなど、職員が柔軟に対応しています。利用者が主体的に意思決定できる環境を整え、質の高い生活実現につなげています。
A-1-(2)権利侵害の防止等

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

虐待防止の取組として、3ヶ月に1回の虐待防止委員会を定期的に開催し、対策の協議と意見交換を行っています。また、毎月虐待防止セルフチェックを実施し、自身の支援の振り返りを欠かさず実施しています。今後は虐待に関する研修を増やし、受講レポートの共有を通じて、職員全体の意識と専門性の向上に注力していく方針です。



◆評価機関からのコメント

虐待防止委員会では具体的な事例を「自分事」として捉え、全員で意見交換を行います。日常では、管理者が職員の声かけに耳を傾け、利用者を尊重したコミュニケーションを行えるように支援しています。ヒヤリハット事例を積極的にあげることを今年度の目標としています。事例を増やすことで職員の「ヒヤリハット意識」を高め、結果として虐待を未然に防ぐ意識の向上を狙う取組を推進しています。
A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

個別支援計画に基づき、利用者の意向と主体性を尊重する支援を行っています。できることは利用者自身が行うことを原則としています。職員は、各々の個別性を深く理解し、対話を行いながら的確にサポートすることを目指しています。管理者は、本当に必要な支援なのか判断できる職員の能力を養いたいと考えています。

◆評価機関からのコメント

職員は、利用者一人ひとりの心身の状態や生活上の課題を深く理解したうえで支援しています。利用者との対話を大切にし、表情や体調を丁寧に確認することで、変化を見逃さないよう努めています。必要な支援の見極めは難しく、職員全体で詳細な記録を共有し、その状況判断を積み重ねることで、支援の質の向上を図りたいと考えています。
A-2-(2)日常的な生活支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

職員は、利用者一人ひとりの生活・心身の状況を把握し、支援を提供しています。日中の活動へのスムーズな移行支援を行うために、行き先や荷物を個別のカレンダーやメモ書きで貼り出し、職員が視覚的に共有できるようにしています。職員の作業効率を高めると共に、利用者の自立した行動と尊厳ある生活を支える工夫を行っています。

◆評価機関からのコメント

利用者ができることを尊重し、主体性を大切にしています。食事のメニュー書き、食器の下膳やタオルたたみなど、利用者自身の力を活かす支援を行っています。洗濯物も可能な部分は利用者が行い、職員は見守っています。掃除が苦手な利用者には週末に時間をとり、職員と一緒に行う支援を提供しています。日々の活動を通じて、自立に向けた生活力の向上を図っています。
A-2-(3)生活環境

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

テレビ故障や空調のトラブルを即座に改善し、快適に過ごせるよう配慮しています。利用者がリビングに集い、利用者同士のコミュニケーションを育む環境を構築しています。支援の必要に応じて、介護保険を利用した介護ベッド導入を行い、また、職員と利用者の声を受けて食材配達業者を変更するなど、利用者の生活に寄り添った柔軟な対応を徹底しています。

◆評価機関からのコメント

職員は、日頃の対話と傾聴を通じ、利用者との間に信頼関係と安心感を築いています。その結果、生活上の相談や要望を気軽に相談される関係性を実現しています。居室は利用者の好みのものを備え付けることで、個人の居心地の良さを最優先する環境づくりを徹底しています。
A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

訪問リハビリや言語聴覚士による専門的なリハビリを実施しています。専門的な意見は、個別支援計画に反映し、日々の支援へ職員全体で共有しています。特に現在の課題である嚥下に対しては、食事の形態や見守り方法などに対し、専門的視点からアドバイスを得ています。日々改善を重ね、安全で豊かな食生活の支援に努めています。

◆評価機関からのコメント

管理者は、利用者の高齢化に伴い、嚥下が現在の課題と捉えています。言語聴覚士の専門的アドバイスを核とした支援を行っています。食事介助は、利用者が食事への関心が途切れた様子を見極めて実施しています。「むせ込み」を防ぎつつ「噛むこと」も重視しています。職員も安心して支援できるよう、安全と自立を両立する支援に注力しています。
A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

常勤の看護師配置により、日常的な健康状態の判断が迅速になり、専門性の高い支援を実現しています。通院にも看護師が同行し、医師の指導を正確かつ迅速に理解することで、日々の支援に直結しています。往診医との緊密な連携により、緊急事態にも速やかに対応できる体制を整え、利用者の健康維持に努めています。

◆評価機関からのコメント

利用者の体調は、検温・食事の様子・歩行・日々の様子との相違など、職員が丁寧に確認しています。利用者の状態変化に気づいた場合は、車いすを導入するなど無理のない支援を行っています。服薬管理においては、服薬カレンダーに加え、勤務に沿った詳細な支援表を作成・共有することで、安全で確実な支援を徹底しています。
A-2-(6)社会参加、学習支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

利用者は、日中は通所施設で活動するため、ホームでは心身ともにほっとできる環境を整えることを大切にしています。また、利用者の希望には柔軟に対応しています。ガイドヘルパーと連携し、買い物や散歩を日常的に楽しんでいます。昨年好評だったカラオケなどの社会的な活動も、今年も計画し、地域との関わりを広げる予定です。

◆評価機関からのコメント

利用者の高齢化に伴い、通所施設での活動が負担となった際は、職員が通所先と連携し、現在の体調に合った事業所に変更する支援を実施しています。本人の負担を軽減し、心地よく過ごせるよう配慮しています。また、ホットプレートを使っての調理は、利用者から「またやりたい」と声が上がる人気の活動となっています。日常における工夫を通じ、生活意欲の維持と利用者同士のつながりを深める活動にも努めています。
A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

事業所では、自治会に加入し、地域に根差すことを目指しています。現在、利用者の状況から自治会行事への参加は難しいと判断していますが、今後も連携を図れるように社会参加の機会を模索しています。一人暮らしを希望する利用者に対しては、必要な生活スキルを明確にし、その習得に向けた個別支援を行っています。

◆評価機関からのコメント

ホームでは、住民とのつながりや地域の助け合いを重視し、地域に根差すことを目指しています。地域での生活を希望する利用者に対しては、地域で安心して過ごせるように課題を明確化しています。段階的アプローチで、自立への意欲がわくよう配慮しています。家族も含めた丁寧な調整と前向きな支援を継続して行い、地域生活の実現を図っています。
A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

事業所では、家族会の実施や、連絡帳・電話・メールによる日々の情報交換を密に行っています。利用者の入所年数が長期化していること加え、家族が高齢化していること、経済的な問題など、家族の抱える様々な心配や不安を理解し、きめ細やかな連携を通じて「安心」に代わるよう努めています。



◆評価機関からのコメント

週末に帰宅しない利用者が多いため事業所では、日頃の様子を随時伝え、家族が安心できるよう努めています。家族の高齢化でホームに来所が難しいケースでは、職員が利用者と一緒に帰省をするなどの個別対応を実施しています。家族の状況にも柔軟に対応し、交流の機会を継続的に創出することで、家族関係の維持・強化を行っています。

利用者調査結果<別紙3>

利用者調査概要 利用者調査総合結果
利用者総数:14名
アンケート調査対象:7名
ヒアリング調査対象:1名
①  アンケートで評価の高い内容と %
・あなたは、グループホームでは自分のペースで過ごしていますか。 過ごしている 92%

②  アンケートで評価の低い内容と %
・自由に外出したり、友達に会いに行ったりできますか。 自由にできる 8%

③ 調査全体でとらえた利用者の状況
 (障害特性や利用者の背景や表情等も含め記述)
利用者は、ホームでの生活を好意的に捉えています。職員との会話や食事に満足し、大切にされていると感じています。家族との旅行を楽しみにしており、母親と洋服の準備をしたいという具体的な希望があります。一方で、「みんなが私のことをどう思っているか」について心配し、周囲からの評価や人間関係に対して不安を抱いています。職員は、利用者の揺れ動く感情を言語によるコミュニケーションを通じて丹念に拾い上げ、肯定的な感情はさらに深め、否定的な感情は緩和へと導き、気持ちに寄り添う丁寧な支援を実施しています。