社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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マリーゴールド

2026年01月29日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 株式会社フィールズ
評価対象事業所名 マリーゴールド
評価対象種別サービス 共同生活援助(障害者グループホーム)
設立年月日 2012年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
③ 理念・基本方針 【県央福祉会の理念】
1.障がい児・者、高齢者のノーマライゼーションの実現から「ソーシャル・インクルージョン」(共生社会)を目指します。
2.社会・福祉・介護ニーズに応えるべく先駆的で開拓的な事業を展開します。

【県央福祉会の基本方針】
1.人権の尊重とサービスの質の向上を図ります。
2.インフォームドコンセント及びエンパワーメントを大切にした利用者さん主体の支援を行います。
3.地域との共生をめざします。
4.ニーズの多様化・複雑化に対応して行きます。
5.社会的ルールの遵守(コンプライアンス)の徹底を図ります。
6.説明責任(アカウンタビリティー)の徹底を図ります。
7.人材の確保・育成のための研修体制の充実と、適切な人事・労務管理を実践します。
8.柔軟で行動力のある組織統治(ガバナンス)の確立をめざします。
9.財政基盤の安定化に努めます。
10.国際化への対応に取り組みます。
11.社会貢献活動に積極的に取り組みます。
上記の当法人の理念・基本方針を念頭に、理事長からたびたび話の出る「明るく、楽しく、元気に」を職員が実践し、利用者さんにも実感してもらうよう取り組んでいます。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 相模大野駅からバスで10分ほどにある、主に知的障がいがある利用者向けのグループホームです。20代から80代の計14名が在籍しています。14名中12名が2012年にマリーゴールドが開所してからの利用者になります。
マリーゴールドは重度の利用者が多く、グループホームとしては自立を目指した生活を目指すところが本来ですが、利用者の障がい特性から、自立よりも日々を穏やかに過ごすことに重きを置き、日々の支援を行っています。
身体障がいがあるなど特に重度の利用者については、ヘルパーも入浴や生活の支援に入り、利用者が安定して過ごせる体制を整えています。
また、言葉でのコミュニケーションが難しい利用者もいることから、文字盤やカードなどを使用して、なるべく正確にコミュニケーションを取れるよう配慮しています。
同じ建物に同じ法人が運営する生活介護事業者があります。利用者同士の直接的な交流はありませんが、職員が不足した場合のヘルプや、同事業所にいる看護師に健康観察・保健指導を受け、支援体制・医療の両面でサポートを得ています。
すべての利用者は生活介護事業所または就労継続B型の事業所で日中過ごしており、土日は自宅へ帰ったり、ガイドヘルパーを利用したりするなどして過ごしています。これらの事業所・家族との連携を大切にし、必要に応じて日々の支援の見直しを行いながら日々穏やかに過ごせるよう努めています。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2025年05月08日
終了:2026年01月23日(評価結果確定日)
受審回数:3回(2022年度)
⑥ 総評
◆ 特長や今後期待される点
1)利用者本位の支援サービスを実践しています
障がい支援区分の高い利用者が大半を占め、言葉でのコミュニケーションが難しい面がありますが、利用者本人や家族などからの要望や思いを丁寧に理解・確認するよう努めています。一人ひとりの障がい特性・身体の状況について医療機関、通所先事業所、ヘルパーとの調整を図っています。個別支援マニュアル(重度障害支援手順書)を作成し、利用者本位の適切な支援サービスを実践しています。ホームの開設以来の利用者が多く、家族との信頼関係も深まっています。日々の安心・安全な生活に配慮し、穏やかに過ごせることを主眼に支援しています。

2)利用者への人権尊重・権利擁護を徹底しています
管理者をはじめ職員は、利用者への人権尊重・権利擁護について高い意識を持ち、日々の支援サービスの提供に努めています。虐待を疑われる行為がないか「虐待防止セルフチェック」により日々の支援の振り返りを定期的に行い、虐待防止に取り組んでいます。利用者一人ひとりの障がい特性・身体の状況についてしっかり把握し、言葉でのコミュニケーションの難しい利用者には文字盤やカードなどを利用して適切なコミュニケーションに努めています。利用者の人権や権利擁護を柱に置き安心・安全な支援を提供しています。

3)支援する職員間のチームワーク・信頼関係を醸成しています
ホームの運営や支援に関する情報共有や職員間の情報共有の場として職員会議を実施しています。毎月常勤職員が参加し、3ヶ月ごとに非常勤職員にも参加を呼びかけ、充実した話し合いの場が持てるよう取り組んでいます。また年1回、夜勤務者や遠方に住む職員も含めて全員が出席する「スーパー職員会議」を開催しています。利用者の支援方法などに関する情報共有を図り、利用者に対し質の高い支援を目指すと共に、チームとしての職員同士の信頼関係の醸成にも努め、職員の定着化につなげています。

4)研修を通じた職員全体の支援サービスの質の向上に取り組んでいます
年度事業計画の中で職員の教育の強化を掲げており、強度行動障害研修は非常勤を含めた全職員が受講し専門知識の習得に努めています。人事異動に伴い人員体制を整備し、業務分担の見直しや職員に対するOJT、地域にある同一法人の事業所間で協力して行う職員研修の実施を通じて、さらに支援サービスの質の向上を目指していくことを期待します。

5)地域との関わり・交流に取り組むことが期待されます
併設している生活介護事業所で定期的に実施しているマルシェに利用者や職員が参加し、地域住民と交流する機会がありますが、地域との交流は少ない状況です。自治会が主催する避難訓練に参加するなど自治会の活動を通じて地域とのつながりを広げていくことを期待します。
⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント 今回、第三者評価を受審させていただいたことは、事業所内の点検と、職員の仕事の振り返りを行う良い機会となり、またそれが正しいか事業所外の方に判断いただく、貴重な機会ともなりました。
今回の評価内容を踏まえ、改めて業務内容の改善などに取り組み、次に第三者評価を行った際に利用者さん・職員からの評価や業務への成果がより良くなったと思えるようにしていきたいと思います。
詳細評価PDF
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

法人が策定した理念・基本方針に沿った支援を行っている。マリーゴールドとして独自の理念や方針は特に作成していない。法人の理念などについて事業所に掲示している。法人のホームページにも掲載しており家族などに敢えて説明はしていない。

◆評価機関からのコメント

法人が策定した理念と基本方針に基づき、事業所として一貫した支援を実施しています。職員は、この明確な理念と方向性を深く理解し、日々の業務に活かしています。法人理念の実践状況は、業績評価や面談を通じて定期的に確認し、理念に基づいた質の高い福祉サービスの提供を徹底しています。
Ⅰ-2 経営状況の把握

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

毎月、法人よりマリーゴールドの収支状況、利用率などの経営状況資料が還元されており、その内容を確認している。経営状況を踏まえて、年度の予算作成と中間期での補正予算策定も行い、適切な予算執行を実施している。

◆評価機関からのコメント

退職などによる人員の補充が厳しい状況が続いていますが、法人本部と連携して適切な人員配置を行い、安定した収支の確保に努め、支援面でも運営面でも利用者が安心して過ごせるよう取り組んでいます。
Ⅰ-3 事業計画の策定

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

年度の事業計画書を作成し、重点課題を明確にして取り組んでいる。上半期・下半期ごとに事業計画の進捗状況について振り返りを行い、見直した結果を翌期の計画に反映している。

◆評価機関からのコメント

本部事業部会が設定した目標に基づき事業計画書を作成し、重点目標として①人材の確保・収益、②リスクマネジメント体制の強化、③職員の定期健康診断の100%受診の取組、④権利擁護、虐待防止、身体拘束ゼロの取組の強化、⑤職員の教育の強化を掲げています。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

利用者に対する支援における課題などについては職員間で共有することは常日頃心がけている。支援の見直しについては月一回の職員会議だけでなく、必要に応じて都度行っている。

◆評価機関からのコメント

利用者の支援状況などについては職員会議で丁寧に情報共有しています。権利擁護、虐待防止の取組強化として事業所内研修や「虐待防止セルフチェック」を活用し、職員の虐待防止に対する意識の向上を図り、安心安全な環境づくりやサービスの質の向上に取り組んでいます。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

管理者としての責任は認識しており、職員も現在の組織体系を理解し、職員会議を中心に報連相も的確に行われている。一方で、有事の際の権限については、ある程度の把握はあるものの明確な形は示していないので、今後役割分担を明確化することについて検討する。

◆評価機関からのコメント

退職などによる欠員のタイムリーな人員補充が難しい環境下、働きやすい職場環境づくりや職員の定着化に注力しています。管理者は、職員に大きな負荷がかからないようシフト体制を率先してカバーして事業所の適切な運営に注力しています。利用者や常勤職員を中心に管理者としての信頼を得ています。4月から男性職員が増員となったことから、夜間や有事などの際の権限を含めて、職員の役割分担を見直していく方針です。
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

人材確保について、法人の事務局とも連携を取りながら適宜進めている。業務マニュアルを作成し、法人が用意した虐待などに関する動画の視聴や研修を通じて職員に必要な知識の習得に努めている。

◆評価機関からのコメント

人材確保について外部環境が厳しい状況ですが、重点課題として採用窓口である法人本部と連携して取り組んでいます。法人の研修プログラムや利用者一人ひとりの障がい特性に合わせた業務マニュアルを活用して職員の知識・支援技術の向上に努めています。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

法人からの指示を踏まえ、第三者評価の適切な受審や事業所情報の市のホームページへの掲載などを行っている。マリーゴールドの活動に特化した印刷物や広報誌などの外部への配布は行っていない。

◆評価機関からのコメント

苦情・相談体制は管理者と世話人が対応窓口となり、第三者委員も立てており、利用者にも重要事項説明書などで明示し説明しています。事業所の利用者の受け入れは満室となっており、パンフレットなどの印刷物は作成していません。
Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

併設している生活介護事業所(未来わかまつ)で定期的にマルシェを開催しており、そこに職員・利用者が参加して地域住民と交流を図っている。事業所はグループホームということで、地域との直接的な交流する機会は少なく、外部のボランティアなどの受け入れはしていない。

◆評価機関からのコメント

地域住民との連携・協力について、地域との交流を図ることを運営規程や事業計画で定めています。障がい支援区分の高い利用者が大半で職員体制も余裕がなく地域との交流が課題となっています。自治会の避難訓練などのイベントへの職員・利用者の参加を通じて地域とのつながりを図っていくことを期待します。職員には社会貢献活動を通じて福祉に対する意識を醸成していくよう促しています。
Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

利用者の要望は、本人や家族に確認し、利用者の人権を尊重しながら取り組んでいる。

◆評価機関からのコメント

利用者の家族とは良好な関係を保ち、調整しながら、一人ひとりの利用者への支援を行っています。利用者の希望を取り入れコンサートに付き添うなど、利用者の想いや本人が希望することの実現に柔軟に努めています。
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

ホームの見学希望は以前より増加している。ホームでの生活などの説明を行い、場合によっては体験入居も行っている。言葉でのコミュニケーションが取りづらい利用者には文字盤やカードで指差しでの意思疎通を図るなどしている。

◆評価機関からのコメント

個別支援計画など福祉サービスの内容について利用者一人ひとりにわかりやすく説明して理解を得るよう努めています。重要事項説明書は、利用者にもできる限りわかりやすいように平易な言葉を用い、漢字にはルビを振り、ホームでの生活やルールなどを説明しています。
Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

利用者満足度の調査はここ最近行っていないので、調査の実施は今後の課題の1つと考えている。本人や家族に話を伺うことを心がけ、改善すべき内容があれば即座に検討・実施している。

◆評価機関からのコメント

常日頃の利用者とのコミュニケーションや利用者・家族などとの話し合う機会を通じてホームでの生活の満足度が向上するよう努めています。ホームでのトラブルの発生もなくなってきており、安心・安全な環境を提供しています。
Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

苦情がある場合の連絡先の表示や意見ボックスの設置は法人の決まりに沿って行っているが、事業所で意見ボックスなどによる苦情の受付をした事例は無い。ホームに対する要望・意見などは利用者から直接職員に申し出ることが多く、職員は真摯に話を聞いて対応するようにしている。

◆評価機関からのコメント

相談・苦情については、重要事項説明書などに明記しており、入居時に利用者・家族に説明しています。利用者の障がい特性について理解し生活ぶりを見守りながら支援しています。利用者からの相談について誠実に対応するよう努め、利用者から信頼されるよう心がけています。
Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

災害時の安否確認の訓練については年2回実施している。感染症などの対応はホーム内に掲示し、即座に対応できるようにしている。

◆評価機関からのコメント

感染症の発生時についての手順について定めており職員に周知しています。災害時の利用者および職員の安否確認方法を定めています。休日の職員体制が課題となっています。利用者の高齢化が進み、土日をホームで過ごす利用者が多くなったことについて検討していくことが望まれます。
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

午後4時から翌日午前10時までの時程に沿った支援マニュアルや一人ひとりの障がい特性に合わせて個別に「重度障害者支援手順書」を作成している。ケガや事故・緊急時の対応マニュアルなどについて常に確認できるよう事務所内に掲示している。常勤職員は非常勤職員にも意見を求め、随時マニュアルの改訂や追加をして利用者の状態に即した支援に努めている。

◆評価機関からのコメント

ホーム共通の支援マニュアルや利用者の個別支援計画に沿った個別のサービス提供手順書を作成し、注意すべき症状や援助方法の留意事項、具体的な支援手順を明文化しています。マニュアルは配付、掲示、職員会議での伝達などにより共有し、どの職員でも同じ支援ができるようにしています。ホームでは職員間で話しやすい雰囲気を醸成しており、互いの支援方法やうまく対応できた事例について、常に意見や情報交換をしながら支援の方法を見直し、適切な支援を行っています。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

入居時には、家族から入居申込書および基礎調査表の提出を得て、個別支援計画アセスメント表を用いて、生育歴や生活の状況、身体状況や障がいの状況、投薬内容や通院している医療機関、経済状況、本人や家族の希望について詳細に把握して個別支援計画を作成している。医療的な面で課題があれば、医師・看護師や歯科医からケアの方法について助言を得ている。個別支援計画の変更にあたっては、家族からの意見も得て、通所先での様子や状況を把握し、必要に応じてカンファレンスを実施して計画に反映している。

◆評価機関からのコメント

個別支援計画の作成時には家族の意向だけでなく、必ず利用者本人の気持ちをジェスチャーや表情から汲み取っています。計画の長期目標は3年、短期目標は1年の期間で設定しています。半年または年に1度、計画の実施状況のモニタリングを実施しています。心身の状況に大きな変化があった場合には随時計画を変更しています。障がい支援区分が5~6と重度の利用者が大半であるため、自立を目指した生活よりも日々穏やかに過ごすことに重点を置いています。計画の内容は変更の都度、本人に説明し、職員間では出勤時に全職員が必ず目を通す「連絡ノート」と口頭での申し送り、職員会議により情報共有しています。通所先をはじめ関係機関とも連携して適切にアセスメントを行い、個別支援計画を策定しています。個別支援計画書の「課題解決のための本人の役割」欄に自立支援を意識して「利用者自身がコミュニケーションを楽しむ」など日頃の生活の中で取り組んでいる内容について記載することが期待されます。
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

業務日誌に業務内容を記録し職員間で情報共有し、支援の振り返りができるようにしている。朝、夜、日中の日誌があり、個別欄には、起床・就寝時間、通所先に出発した時間・帰所した時間、食事の摂取量、入浴時間のほか、利用者の様子として身体の状況、どんな話をしていたか、食事の様子、ホームで過ごしているときの様子や服薬などを記録している。服薬については朝・夜・就寝前に別途「服薬チェック表」をつけている。日誌の特記事項にヒヤリハットや異変などの記載があった場合には、「連絡ノート」に転記し職員に周知すると共に、職員会議で議題として取り上げている。個別の支援手順書の中には情緒の安定度についてのチェック欄を設けて記録している。「モニタリング結果記録」を作成し、半年または年に一度、計画に沿って支援ができていたか、家族との話し合い、振り返り、支援目標、支援実施状況、本人の取組状況、今後の課題、計画変更の必要性について記載している。

◆評価機関からのコメント

サービスの実施内容は業務日誌に適切に記録しています。支援の振り返りができるよう、業務日誌の様式を工夫しています。日誌の特記事項に記載したヒヤリハットや利用者の異変などを「連絡ノート」に転記し、全職員に周知し、職員会議でも取り上げ、注意喚起を徹底し事故防止に努めています。
A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

自ら意見を表明できる利用者には家族から意見を聴く前に、本人に「何をしたいのか」「どれが良いか」を根気強く話しかけ、必ず利用者が選択するように心がけている。理解が難しい利用者には家族から要望を聞くほか、「どの音楽が聴きたいか」「散歩はどこに行きたいか」「朝ご飯の飲み物やパンに付けるジャムはどれにするか」など本人に問いかけ、小さなことでもジェスチャーや指差し、表情から利用者の意思を読み取るよう努めている。職員同士で協力して意思を推し量ることもあるが、年齢を重ねることで思いや考え、障がいや病気によって「この方はこうだから」と決めつけないように注意している。

◆評価機関からのコメント

職員は「ホームは利用者の家である」との考えに基づき、本人の意見を一番に尊重するように努めています。意思決定や言葉での意思の表出が難しい方が多い中で、職員は真摯に利用者に寄り添い、ジェスチャーや表情から意思を汲み取り、選択肢を示して決めるなど工夫し、利用者の自己決定を尊重した支援に取り組んでいます。
A-1-(2)権利侵害の防止等

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

運営法人は、毎月の虐待防止研修や虐待防止・身体拘束適正化の委員会を計画的に実施し、全職員によるセルフチェックの結果を管理者にフィードバックすることで、虐待防止体制を強化している。職員は、利用者を「さん」づけで呼ぶルールの徹底、プライバシーに配慮した支援手順の実践、新入職員への指導を行っている。通所先からの帰所時の利用者の異変には通所先と連携して対応し、職員間で不適切な対応や根拠のない支援になっていないかを相互に確認し、人権を尊重した支援を確実に実践している。

◆評価機関からのコメント

権利擁護、虐待防止、身体拘束ゼロの取組の強化を今年度の重点課題として設定しています。倫理行動マニュアルを策定し、利用者との関係や言葉遣い、威圧的な態度を取らないことなどを明文化しています。職場内研修用冊子として「障害者虐待防止法の理解と対応」を作成し、虐待発見時の通報は義務であることなどを職員に周知しています。個人情報保護マニュアルに基づき、個人情報を含む書類は事務所内で施錠保管し適切に管理しています。利用者の権利侵害の防止を意識した支援を行っていますが、職員間で権利擁護の視点で支援を振り返る機会を今後さらに充実していく方針です。
A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

個別支援計画に沿って、利用者本人ができることはなるべく見守る留意しながら、必要に応じて職員が援助するよう日々の支援に取り組んでいる。入浴の際に先ずは自分で石鹸を泡立てて流す、通所先との連絡帳を自分で出す、食器洗いの水ですすぐ前段階まで洗うなど、少しでもできることを実践している。障がい特性や相性に配慮した座席配置を実施している。利用者に選択を促す際は、実物や絵カードを提示するなどの工夫をし、行動障がいのある利用者へは「深呼吸しましょうか」「あなたの話を聞きますよ」と声をかけ、クールダウンを支援している。職員は、余暇活動の情報提供が少ないことを現在の課題と捉え、今後の支援の充実を目指している。

◆評価機関からのコメント

誕生日会やバレンタインデー、手持ち花火など様々なイベントを企画し、ホームでの暮らしが楽しいものとなるよう工夫しています。非常勤職員を含めた障がい特性に関する専門知識を深めていく研修の機会を設け、職員が自信を持ち、安心して、より質の高い支援に取り組んでいくことが期待されます。また、利用者の余暇支援について、積極的な情報提供をしていくことが期待されます。
A-2-(2)日常的な生活支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

個別支援計画に沿って、日常的に必要な支援を行っている。食事は、平日は調理員が、土日は職員が食形態に配慮したうえで提供している。ホーム内にバリアフリーの浴室も備えており、外部ヘルパーによる支援を取り入れている。身体状況からホームでの入浴が難しい場合は、通所先の生活介護事業所で機械浴を利用している。利用者の排泄のリズムや生活の流れについてはチェックシートで把握し、絵カードも用意している。夜勤の巡回では、利用者によって「寝ておられますか、見に来ましたよ」と静かに声をかけている。水分摂取量や睡眠、排せつのリズムなどについて必要に応じて連絡帳で通所先と共有している。転倒防止策としてPT(理学療法士)や後見人と相談し、歩行器を購入した事例もある。体調不良時や週末には、利用者がのんびり過ごせるよう支援し、外出時のガイドヘルパーにも体調状況を伝達している。

◆評価機関からのコメント

個別支援計画に基づいて、食事、入浴、排せつ、移動、余暇など、それぞれの場面で、一人ひとりの状態にきめ細かく合わせた支援をしています。入浴時は同性介助とするなど、プライバシーにも配慮しています。
A-2-(3)生活環境

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

ホーム内には車いすでの利用も可能な広いバリアフリーの浴室を備え、浴室、脱衣場には各所に手すりを設置し、グリップやシャワーチェア、滑り止めマットなども用意している。階段には、手すり、滑り止め、点字ブロックを設置している。トイレのある居室もあり、利用者に合わせて生活しやすい環境を整備している。清掃や衣替えは職員が援助し、ベッド柵の隙間防止などの安全対策も講じている。利用者がホームを自分の家として過ごせるように、自室にはテレビやぬいぐるみ、好きな色のカーテンや小物を置いたり、好きな歌手のポスターを貼ったりして思い思いの部屋づくりをしている。

◆評価機関からのコメント

ホームは職員による清掃や整理整頓が行き届き、清潔を保っています。利用者の状態や動きを把握して転倒やケガが無いよう配慮し、安全に過ごせる環境を整備しています。利用者は居室に好きな物を置くなどして、利用者が安心してくつろいで過ごせる家庭的な雰囲気を作っています。
A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

職員は併設事業所のPTに相談し、機能訓練や安全な身体の使い方について指導を受けている。利用者の機能維持のため、リハビリ運動を通所先と連携して取り組むほか、個別支援計画に基づき集団での足踏み運動も実施している。職員は、利用者と洗濯や掃除、食器洗いなどを共同で行い、自立支援を促している。カレンダーや利用者の塗り絵作品を居間に飾ることで、会話を増やすようにしている。余暇に一緒に遊べるよう簡単なゲームを購入し、普段は一人で過ごすことを好む利用者も一緒に楽しむなどコミュニケーションの活性化を図っている。

◆評価機関からのコメント

日常生活の中で、少しでもできる家事に取り組んでいます。利用者同士の会話が増えることがコミュニケーション能力の向上につながるようカレンダーや作品を居間に飾って会話のきっかけ作りをし、利用者同士で一緒に遊べるゲームの購入を通じて支援を行っています。
A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

個別の健康管理マニュアルを事務所に掲示し、バイタルチェック表、排せつチェック表により、利用者の健康状態を把握している。併設している生活介護事業所の看護師が、月1回の健康相談をしているほか、平日日中の必要時の対応を行っている。通院については必要に応じて職員が同行している。服薬については事務所内で個別チェック表を用い管理し、自己管理ができる利用者については、職員が服薬後に確認している。運営法人による感染症対策についての動画研修があり、職員が受講している。将来的にはすべての利用者について、24時間対応が可能な訪問看護事業所との契約を検討し、安心につなげたいと考えている。

◆評価機関からのコメント

利用者の健康に関する留意点を把握し、明文化して職員で確実に共有しています。バイタルチェック表、服薬チェック表、排せつチェック表などを活用して利用者の健康状態を適切に把握し、必要な方については服薬管理を行っています。併設している事業所に看護師が常駐しており、利用者、家族、職員の安心感につながっています。契約医療機関、訪問看護事業所と適切に連携しています。利用者の状態に応じて、将来的には現在契約が無い利用者についても利用を検討しています。
A-2-(6)社会参加、学習支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

すべての利用者は生活介護または就労継続支援B型の事業所に通所している。職員で情報を集め、休日の外出のための行先の提案や天気を調べるなどの支援をしている。フードコートでの食事や買い物、ウィンドウショッピング、カラオケや映画、工場見学、博物館、コンサートなどの多様な活動を楽しめるよう支援している。併設の生活介護事業所が主催して年3回、事業所前で行うマルシェがあり、ホームの利用者も店番などをして来訪者との交流を楽しんでいる。ホームのことを知ってもらう機会と捉え、地域との交流を深めていきたいと考えている。

◆評価機関からのコメント

職員は、日頃の利用者との関わりから、利用者の好きな物、好きな事を把握して地域のイベントなどの情報を収集して利用者に伝えています。後見人やガイドヘルパーとも連携して支援し余暇活動の充実に努めています。事業所前で開催するマルシェに参加し、地域住民と交流を図っています。今後さらに、地域と交流する機会を拡げ、ホームや障がいについて地域の理解が深まることが期待されます。
A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

胃ろうや痰の吸引等医療処置が必要になった場合は医療サービスが受けられる施設に移る必要がある。利用者本人にとって望ましい施設はどこかを検討し、家族・後見人や次に住む施設と連携してスムースに移行した事例もあり、利用者の高齢化への対応は課題と考えている。職員は、コンビニへの買い物やコンサートの手配など、利用者に合わせた地域生活の充実を支援している。現在は、保育園の花火大会には参加しているが、今後は自治会のゴミ拾いなどの活動にも参加し、地域との交流の機会を増やしていきたいと考えている。

◆評価機関からのコメント

重度の利用者が多く、ホームからさらに自立して一人暮らしをするなどの地域への移行は難しい状況です。利用者の高齢化への対応については「終の住み家をどこにするか」を見据えて、継続して検討していくことが期待されます。また、コロナ禍後、中断していた地域との交流が再開しつつあり、さらに地域との交流を深め、自治会の避難訓練などへの参加も検討していくことが期待されます。
A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◆取組の状況(努力・工夫していること、課題と考えていること)

月2回、家族などに利用者の状況を報告するほか、個別支援計画の作成や見直しの際に意向を確認している。利用者の体調の変化やホームでの感染症発生については、その都度電話で家族に伝えている。週末に利用者が自宅に帰宅する際には、連絡ノートで家族との情報共有を図っている。家族から体調について相談があった際には、家族と共に通院同行して医師の話を聞いている。親亡き後の子どもの生活についての相談も多く、軽々しく「大丈夫ですよ」と言わず、慎重に言葉を選び、成年後見制度の案内をするなどの対応をしている。家族による後援会は、コロナ禍を機に中断しているが、家族の意向を再確認するアンケートの回答次第では再開していくことを考えている。

◆評価機関からのコメント

個別支援計画を作成・見直しする際の家族などの意向確認、利用者の健康状態、ホームでの生活、余暇外出時の出費について、利用者の家族、後見人など関係者と丁寧に連絡を取って適切に支援しています。家族の高齢化に伴い、利用者の将来について家族の不安も軽減されるような相談対応や情報提供の充実が期待されます。家族会については家族会の意義や家族の意向を確認しながら家族の負担の少ない方法による再開の検討が期待されます。

利用者調査結果<別紙3>

利用者調査概要 利用者調査総合結果
利用者総数:14名
アンケート調査対象:14名
ヒアリング調査対象:2名
①  アンケートで評価の高い内容と %
「あなたは、グループホームで自分のペースで過ごしていますか。」の質問に対して100%の回答があり、自分のペースで過ごせている状況です。


②  アンケートで評価の低い内容と %
「自由に外出したり、友達に会いに行ったりできますか。」、「あなたはグループホームでの生活についての不満や苦情(困っていること)がありますか。」の質問に対して11.1%の回答がありました。
自由に外出するのはできる利用者は少ない状況です。ホームの生活についての不満や苦情についてわからないと答えた利用者は66.6%で、あると答えた利用者の合計は 77.7%を占めています。

③ 調査全体でとらえた利用者の状況
 (障害特性や利用者の背景や表情等も含め記述)
ユニットの中で強度行動障害の利用者への支援に重点をおいている面があり、状況によっては職員の支援にばらつきが生じてしまうことに少し不満を感じている利用者もいます。個別支援計画の内容など書類だけでなく、口頭で丁寧に説明してくれて安心して信頼していると感じている利用者もいます。