社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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おはよう保育園花咲町

2021年04月08日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 おはよう保育園花咲町 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 定員 58名(利用人数 56名)   名
所在地 220-0022
横浜市西区花咲町六丁目143番 横浜MIDベースアネックス4階
TEL 045-334-7368 ホームページ http://www.ttkids.co.jp/index.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2018年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 東京建物キッズ株式会社
職員数
常勤職員:11 名
非常勤職員:6 名
専門職員
園長:1 名
常勤保育士:10 名
非常勤保育士:6 名
施設・設備の概要
クラス室(0・1歳児室と2~5歳児室):2
調理室・厨房:1
事務室:1
子供用トイレ:2
職員用トイレ:1
調乳室、休憩室、廊下、洗濯機室など:

③ 理念・基本方針
保育理念:
 豊かに生きる力を育てる

保育目標:
 思いやりのある子ども・自分で考える子ども・元気でたくましい子ども・明るくのびのびした子ども

保育方針:
①子どもの安全と安心を基本として、自ら伸びる力を大切にし、成長と個性に応じた多様性のある保育をする
②子どもの目線で、豊かな愛情をもって、一人ひとりの気持ちをしっかり受け止め、その主体的な活動を育む
③子どもを中心に据え、家庭や地域との信頼関係を築き、環境を通して、人や物との関わりを大切にする

④ 施設・事業所の特徴的な取組
乳幼児期は心身の発育・発達が著しく、子どもの成長において非常に大切な時期であり、子どもたちは周りの大人や友達との関わり・触れ合いを通じて、いろいろなことに気づき、学び、成長し、世界を広げていきます。

私たちは心と体の成長の基礎を養うこの大切な時期に、大切なお子さまをお預かりする責任を重く受け止め、未来を担うお子さまが豊かに生きる力を身につけることができるよう、お子さまに寄り添いながら、お子さま一人ひとりに応じた成長のサポートをしたいと考えております。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/07/17(契約日) ~2021/03/22(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)食への関心を深めて楽しむ保育の実施
調理室は廊下の中ほどに位置してガラス張りになっているため、子ども達が自由に調理の様子を見ることができて、食材や調理への興味を深めています。また、調理員もガラス越しに子どもたちの姿を見守っており、外部委託の調理室との連携が取れています。
幼児クラスは自作のランチョンマットを使い、時にはプランターで育てた食材を給食に使用したり、メニューを楽しんでいます。活動時間と食事時間とのバランスを考慮して、食事は強制されるものではなく、節度を守った中で楽しむものであることを大切にした保育を行っています。

2)限られた保育環境の中での充実した保育
園はビル内の1フロアで、保育室は乳児用と幼児用の2部屋のみですが、限られた保育環境の中で、玩具を自由に取り出せる棚や間仕切り、サークルを設置して、年齢別の保育の実施や、落ち着くスペースを確保するなどの工夫を行っています。
発表会の準備等で保育室内を広く活用したい場合は、他のクラスはビルの一角にある人工芝の園庭や散歩に行くなど担任間で調整を行い、園児に不便さや我慢を強いることなく、限られたスペースを活用しています。

3)園長のリーダーシップによる職員と共に進める改善
今年度から新たに就任した園長がリーダーシップを発揮して、保育内容・環境についての改善に取り組んでいます。全職員から聞き取りを行い、問題点と改善方法について自由に意見交換ができる雰囲気作りに努め、職員自らが成長できるように見守っています。
園長は、聞き取りした内容を基に、運営管理面での改善にも努めており、記録や議事録等の管理の一元化や、情報共有の方法、職員参画の運営計画策定など、より良い保育に繋がることを積極的に取り入れています。
改善を求められる点 1)園としての中・長期計画の策定
法人全体としての中期経営計画の策定にとどまっており、保育に関する内容にブレイクダウンし、園長及び職員参画のもと、保育園としての進むべき方向を明確にした中・長期計画を策定し、それに基づいた単年度の計画に繋げていくことが期待されます。

2)地域との連携を深め地域の福祉ニーズに応えられる積極的な活動
地域貢献活動として保育園を拠点とした子育て広場等の実施に向けた取り組みについて、今後の具体的な活動計画の策定をし、法人・園が有する福祉サービスとして専門的な情報提供や取り組みを実施できるように関係者と情報交換していけることが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今年度第三者評価を受審するにあたり、自己評価シートを作成する過程において、職員の話し合いでマニュアルをあらためて見直したり、今までやってきた保育を振り返り、改善策や工夫を話し合うなど、開園3年目の園にとって良いきっかけになったと感じています。    
また、スタッフ同士が同じ課題に対して取り組み、意見交換することで、相手を理解することにもつながり貴重な経験となりました。
コロナ禍で限られた中での訪問調査となってしまいましたが、評価調査員の方にはおはよう保育園花咲町の保育について細かく丁寧に聞き取っていただき、貴重なアドバイスをたくさんいただき感謝しております。今回の評価結果を真摯に受け止め、職員ひとり一人が保育の中で実践できることを確認しつつ、より良い保育を目指していきたいと思います。
今年度は新型コロナウィルス感染拡大防止を第一に考え、昨年末から受け入れや引き渡しを玄関ホールで行うなど今までとは異なる方法で取り組んでまいりました。限られた中、制限も多く、手探りの状態で様々なことを進めていく中で、保護者のご協力を得ながら、子どもたちと楽しく1年間過ごせたことを職員一同、大変感謝しております。
最後になりますが、利用者アンケートにご協力いただきました保護者の皆様、ありがとうございました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

企業理念・保育理念・保育目標・保育方針はホームページやパンフレットなどに記載しています。
園で作成した「花咲ファイル」には保育に関する心得や方針、マニュアルを記載しており、全ての職員に配布する他、面接時・入社式や全体研修での社長講和等で周知を図っています。職員は保育目標を基に年間・月案・週案の保育計画を作成していますが、内容に個人差が見られるため、職員全体で一定レベルを保つことが課題となります。
保護者に対しては、入園説明会及び個別面談の際に保育理念や保育目標を口頭で説明していますが周知が徹底されていません。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

園長は、定期的に開催される区の園長会に出席して区内の福祉情報を得ており、職員も区の主催する研修への参加やホームページから最新情報を得ることを心掛けています。
今年度は保育園の定員設定の地域ニーズについて区のこども家庭支援課に相談しています。法人のマネジャーにもフィードバックを行い、地域の保育ニーズを定期的に確認して、利用者の推移、待機状況などを分析しながら、引き続き、定員変更なども検討していきたいと考えています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

法人本部では定期的な会議の場で経営状況や改善すべき課題などを共有しており、園長・担当エリアマネジャーに半期ごとの各施設の収支状況を情報提供されて、経営状況の把握、改善すべき課題などを話し合っていますが、利益等の経営課題に関しては、敢えて、職員への周知を行っていません。
乳児の受け入れバランスや職員の役割分担・施設設備に関する課題については、職員の意見を聞いて改善に取り組んでいます。人材育成については、2020年度より園長・職員に向けたマネジメント研修やコミュニケーション研修を実施しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人全体としての事業計画および収支計画は中期経営計画として策定していますが、園ごとの収支計画は作成しているものの定性的な中期計画は定めていないため、ブレイクダウンした内容で各園での共有し、園長に経営に関する意識を持ってもらうことが期待されます。
保育に関する課題や改善点が挙げられているので、園長及び職員参画のもと、園の課題を明確にして中・長期計画を策定するとともに、園の運営推進のための仕組みづくりが望まれます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人本部と相談して単年度計画書・事業計画書が作成されており、法人全体の中・長期計画を踏まえて収支・離職率などの数値目標も設定されています。
事業計画書には具体的な事業内容が記載されており、保育運営の基本方針に基づいて年間・月案・週案の保育計画に反映しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画策定にあたり、園長は職員へのヒアリングを行い、保護者アンケートや地域ニーズを踏まえた内容で作成していますが、職員に配布することがないため、全職員への周知が期待されます。
事業計画書は、定期的に担当エリアマネジャーと見直しや改善を行い、計画の内容を現場に合ったものに更新しています。
年間行事計画は職員の反省会の内容や意見を反省して次年度に活かし、職員会議で説明しており、年度初めに配布も行っています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

年2回の運営委員会で事業計画について説明を行っています。
保護者に対しては、保護者の行事参加を促すために年間行事計画の配布を行っています。年間行事計画書と併せて、事業計画書を配布して、事業計画の周知を行うことが期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

保育士が積極的に研修へ参加できる環境作りを行っており、研修後は研修報告書を作成して職員会議で報告を行い、フィードバックの時間を設けて情報共有を図っています。行事の後には必ず保護者アンケートを実施し、次回の行事に向け改善に繋げています。評価基準にもとづく第三者評価等の定期的な受審は今後の課題です。
年間計画と月案・週案は毎月見直しを行い、前月の反省を活かすことを心掛けています。子どもたちの姿を丁寧に捉え、計画だけが独り歩きしていないか、年齢からかけ離れた内容になっていないかなど、園長と話し合いを繰り返して計画を作成することで、保育の質の向上に向けた取り組みを行っています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

年1回の自己評価及び、毎月の職員会議や担当ごとの会議等で保育内容について話し合いを行って情報共有を行い、個々に園長やリーダーと改善点や取り組むべき課題を明確にして、よりよい保育を提供できるように努めています。
第三者評価は今年度初受審となるため、今回の評価結果については職員間で課題を共有し、改善できるよう、次年度以降の計画に反映する予定です。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

事業計画書の職務分担の中に「施設長は施設の業務を統括し、所属職員を指揮監督するとともに、会計事務に従事する」と明示しています。施設長の具体的な職務内容については職務分担表に明示されています。職務分担内容は職員も確認・周知しています。
園長は、入園時の面接、運営委員会でのリーダーシップ、「園だより」でも毎月のコラムの掲載等、職務内容が多岐に渡っており、また、今年度は主任不在のため主任業務も兼務しています。主任クラスの配置を期待します。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は法令遵守の観点から物事を判断できるように経営に関する研修や勉強会に参加しており、義務化されている法人内のWEB研修にも参加しています。
施設長連絡会では法人内の社労士から労務管理についての研修も必要に応じて実施しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、保育の質の向上に向けて、職員同士が気持ちよく連携して保育に当たることを目標に、建設的な意見交換ができる職場作りをしています。
今年度、園長の交代に伴い、昨年度までの日常業務の見直しや現状の是正に取り組み、組織内に具体的な体制の再構築を行って職員の理解に繋げています。日々の取り組みが順次成果となり、職員から法人に対する意見や不満は少なくなったと評価されています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は業務の実効性を高めるために、保育理念・保育方針の実現に向けて、職員が気持ちよく職務にあたり、建設的な意見交換ができて参画意識を高める職場作りに取り組んでいます。
人員体制の見直しや、残業時間軽減のための非常勤保育士の採用等を通して、業務の効率化に繋げています。
書類作成等の事務がスムーズにできるように”ノンコンタクトタイム”を設けて、作業時間を確保する等、職場環境整備に取り組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人内に設置した2名の採用チームが中心になって、安定した保育運営を行うための優れた人材確保に努めています。各園の状況を踏まえ、週1回の法人内15施設の会議にて情報共有を行い、迅速な採用活動に取り組んでいますが十分でないと認識しています。。
法人として福祉人材確保のため民間の合同就職セミナーに参加し、併せて、在籍職員に対して保育士の紹介制度を導入しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

採用、配置、異動、昇格などに関する人事基準が明確に定められ、年1回、昇格試験を実施しています。園長推薦の下、作文提出後本部役員にて個別面談を実施し、基本的には年度末での昇給、昇格で人事発令を行っています。職員に対して年1回法人本部担当者が意向調査シートのもと意向調査面談を実施しています。その中で法人に対して直接意見を伝えたり、異動希望があった場合はできる限り本人の意向も含めて、次年度の人事体制を行っています。職員は自ら将来の姿を描けるように保育のキャリアパスができています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員の就業状況や意向の把握は2019年度より勤怠管理がシステム化され、責任体制が明確になっています。職員の心身の健康や安全のために法人が加入しているメンタルヘルスカウンセリングの案内をしており、メンタルについては今後ストレスチェックを考えています。誕生日休暇や毎年の意向調査による個人面談の機会を設け、職員の働き方などを確認しながらてワーク・ライフ・バランスに配慮した取り組みを行っています。ヒューマンスキル研修や施設長のコミュニケーション研修も行なっており、今後も働きやすい職場づくりの取り組みを進めていける事を期待します。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員一人ひとりの「目標設定・管理シート」があり、期待する職員像のための仕組みが構築されています。目標管理、行動評価、成果の設定があり、行動評価は勤務態度、就業活動、協調性、保育姿勢の項目となっています。目標管理シートフローをもとに上半期、年度の中間、下半期と年3回、園長と面談を実施しています。面談の中で職員の仕事に対する適性やモチベーション、到達したい目標などの項目等を確認しており、職員一人ひとりの育成に向けた取り組みを行っています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

目指す保育を実施して行くために期待する職員像がスタッフ研修マニュアルに明示され、その目標に向かって様々な研修が行われています。研修計画に基づき、行政などの外部研修のほかに提携している法人主催の研修があります。その中で職員に必要とされる専門知識や専門技術の研修、コミュニケーション研修、実務研修、専門研修が実施され、各職員の経験や各年齢のクラスに応じて受講しています。コロナ禍の下で受講しにくい状況ですが、法人主催の研修計画もでき、研修に重きを置いています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

期待する職員像の基本方針をもとにキャリアアップ、横浜市主催研修、法人主催の研修、階層別研修、職種別研修、テーマ別研修があり、職員は本人の希望と園長とで参加者を決めており、受講できる機会が確保されています。法人として新任職員に対しては“スタッフ研修資料マニュアル”を基に研修を行っています。園内では保育研修資料に基づいて日々の保育の方法を伝えています。外部研修については研修費の確保もされています。提携法人は独自で研修施設をもっており、法人主催の研修も企画運営されています。これらは“年間職員研修”計画の下で実施され職員研修が整備されています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生などの保育に関る専門職の研修、育成について「実習生・ボランティア受け入れ書式」が整備され、受け入れ体制も確立されていますが、開園して3年目という事もあり実習生を受け入れた実績はありません。
今後は積極的に保育専門学校に出向く中で、実習生の受け入れ体制ができていることを積極的に発信していく事を期待します。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

保育園の運営の透明性に関してはホームページを活用し、当園の保育理念や基本方針、保育の内容、役割等が公開されています。パンフレットにも企業方針、保育理念、保育目標、保育方針を載せ情報公開しています。又、法人の理念、基本方針やビジョンの内容も含めて、年2回運営委員会を保護者も含めて行い内容は園内で公表しています。今後は第三者評価の受診結果や改善点を速やかに地域に公表していく予定でいます。
地域に向けての保育園の活動を説明した広報誌などの配布等は行っていないので今後は情報公開していける事を期待します。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

保育所における事務、経理人事関係の内容について、園長は法人本部の管理部研修を経て職務分掌と権限、責任が明確にされており、職員に周知しています。本部担当は定期的に来園して日々の運営状況を確認する内部検査を行っています。また保育所の事業、財務について社会福祉会計に関するコンサルを業務委託し、アドバイスを受けています。このようにして透明性の高い経営、運営のための取り組みが行われています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもと地域の関わり方については全体的な計画を文書化しています。行政から定期的に配布される地域情報のパンフレット(病児保育、病院、ファミリーサポート等)は保護者に見やすく、取りやすい玄関の棚の上に置いています。地域の人々と子ども達との交流として、園と同じビルにある老人ホーム(プラチナホーム)とは園児の訪問や園行事への招待等、交流を広げる取り組みを行っています。今後は定期的に交流を行っていけることを期待します。また地域の活動に職員が支援を行う体制づくりをしていける事も併せて期待します。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアの受け入れに関して基本姿勢の対応フローは「実習生・ボランティア受け入れ書式」に明文化されて、受け入れ体制も確立されていますが、開園3年目という事もあり実績はまだありません。地域の学校と交流はありますが職業体験等の受け入れ要請も現在はまだありません。
今後横浜市のボランティアセンターなどに園から積極的に情報発信していきたいと考えているそうです。ぜひボランティアの受け入れを行う事で保育園についての理解を深めていけるようになっていく事を期待します。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

保育所として必要な関係機関は当該地域の子育て支援センターや児童相談所などと連携を図り何かあった時はすぐに連絡できるようになっておりリスト化されています。関係機関との定期的な連絡会などはありません。連携が必要な事案が生じた時には速やかに情報提供や専門機関と協力できる体制ができています。今まで虐待が疑われる等の問い合わせに児童相談所と連携をとった事例がありました。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の福祉ニーズなどを把握する取り組みとしては、同区の園長会の参加や、年2回保護者代表と園長、本部担当、第三者委員を交えての会合の開催を行い、地域の福祉ニーズや生活課題を把握する取り組みが行われています。近隣の高齢者施設に園児が訪問する交流活動を行っていましたが感染症予防の観点から、地域住民との交流活動は実施できていません。今後地域の福祉ニーズを把握できるようになった時点で積極的に活動できることが望まれます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:c】

地域貢献活動として保育園を拠点とした子育て広場や園庭開放の開催など地域に向けた活動を実施したいと思っていますが、園の施設環境が限られ、空きスペースがなく止むなく実施できていません。その為具体的な活動の計画などの明示もまだなされていません。今後は法人、園が有する福祉サービスの提供として地域の子育て広場に出向き、専門的な情報提供や取り組みを実施できるように関係者と情報交換していけることを期待します。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

重要事項説明書に人権擁護や虐待に関して記載されており、園作成の「花咲ファイル」にも子どもを尊重した保育について明文化されています。しかし、この基本姿勢が、個人によって捉え方が異なり統一されていません。インターネット環境を用いた外部研修の受講や、園内研修での「人権擁護のセルフチェック」で保育者としての正しい知識があるか評価を行っています。
保育計画の「人権」の項目では、年齢に応じた園児への対応方法や指導方法を明示し、実践しています。園内行事「ミニオリンピック」の際には万国旗を掲げ、地球儀を用いて文化や言語など多様性についての説明を行って、日本以外の国に対する理解を深めました。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

全ての職員が子どものプライバシー保護の研修を受講しており、保育士としての姿勢・責務を理解して保育にあたっています。園作成の「花咲ファイル」には着替えやおむつ交換等におけるプライバシーの保護・配慮すべき内容について、具体的な保育手順も含めて細かく明記しています。夏場の園庭や水遊びにおいても、近隣からの視界を遮る工夫を行っています。
保護者には入園時の説明会において園での取り組みを周知しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

横浜市のホームページや保護者宛の資料に、園の特性等が記載されています。園のホームページには入園説明会の資料やQ&Aを掲載して保育理念や保育目標を示している他、園長のコメントとして施設紹介がされており、分かりやすい園の説明となっています。理念や保育所の特性等を紹介した資料は、公共施設等の多くの人が入手できる場所に置かれていません。
今年度はコロナ禍で入園見学会の規模を縮小してエントランスを利用しての説明となりましたが、外側の避難経路を使って保育室の中が見られるようにするなど工夫をしています。見学時には保育園の概要がかかれた三つ折りパンフレットを配布し、質問には園長が丁寧に対応しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

入園決定後、園より入園に必要な書類一式を送付しています。入園前説明会では入園のしおりを用いて保育園の概要・ルールを説明し、持ち物は実物を見せてイメージしやすいように工夫しています。個別面接も実施して、疾病やアレルギーについて確認しています。
保育の無償化による副食代の徴収等の重要な事案については、保護者に手紙を配布して同意を頂いています。特に配慮が必要な保護者への説明についてルール化され、運用が図られるまでに至っていません。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

これまでに該当するケースはありませんが、「保育の継続性」が配慮されるように、状況に応じた情報伝達ができるように手順を定めています。
保育所の利用終了後は、園長が窓口となって、園児の担任や園長による継続的なフォローができるようにしていますが、その内容を記載した文書を渡していません。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

保護者に対し、利用者満足に関する調査が定期的に行われていませんが、各クラスの保護者会や行事アンケート、懇談会等で利用者の満足度を把握するように努めています。さまざまな意見を頂き、保護者と園との認識の乖離に気付くきっかけになり、改善策とともに保護者に回答を周知しています。
今年度はコロナ禍で行事が少なくて保護者の感想を得られないため、環境を工夫して個人面談を実施し、利用者満足度の向上に繋げたいと考えています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

施設における苦情解決マニュアルで苦情対応を定め、苦情解決のための管理体制を整備しています。保護者には重要事項説明書で園及び区の相談窓口を明記し配布しています。玄関にはご意見BOXも設置していますが、実際には、直接申し出てくださる方が多いため、状況が具体的に把握できて、早急な解決に繋げられています。
今年度から、前日にケガ(擦り傷などの小さなものも含む)や体調不良だった園児名を一覧にして、翌朝の受け入れ時に、園長が保護者に声掛けをする体制をとっています。保護者との日々のコミュニケーションを積み重ねて信頼関係に繋げています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

保護者には、重要事項説明書に園及び区の相談窓口を明記して説明をするだけでなく、第三者委員の設置や、市及び法人本部の連絡先を掲示し、玄関にはご意見BOXを設置して、保護者が相談手段・相手を選べるように工夫しています。
園のスペースが限られており特定のスペース確保が難しい状況ですが、配慮が必要な相談に関しては、事務所を使用して対応しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

保護者からの相談や意見に対しては、ご意見BOXを玄関の目に付きやすいところに設置し、送迎時に相談しやすい雰囲気作りに努めています。
「施設における苦情解決マニュアル」・「苦情解決のフロー」が作成されており、組織的に迅速に対応できる体制が整えられています。しかし、対応マニュアル等の定期的な見直しを行っていません。
少し気になるお子さんやいつもと様子が異なる保護者には、送迎時に、園側から積極的に声掛けを行うように、担任と園長とで連携を取っています。相談や意見については職員会議で意見交換を行って情報の共有を図っています。記録は児童票にまとめています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

危機管理マニュアルが整備され、ヒヤリハット報告(ケガに至らなかった事例)・事故記録(ケガに至った事例)・事故報告書(受診伴うケガの事例)を作成・管理しています。
受診の際には本部担当者に一報入れ、記録は本部にもFAXして直ちに情報共有を行っています。園内で起きた事故に関しては職員全員に周知し、原因・対応・改善策を確認して再発防止に努めています。安全確保策の実施状況や実効性について、定期的に評価・見直しを行っていません。
昨年度は受診事故が多発したため、本部と園とで危機管理委員会を設置して運営上のリスク確認を行い、危険個所の点検実施や見直しを重ねて安全確保を図ってきたため、今年度の改善に繋がっています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもの健康支援・環境及び衛生管理マニュアルに感染症対策が定められ、感染症対応マニュアルが整備されています。嘔吐物の処理等の保健衛生安全対策の園内研修を実施して、全職員に適切な対応を周知しています。
園には看護師が常駐していないため園長が感染症対策の役割を担っていますが、法人内他園の看護師による衛生管理の確認や職員への園内研修を実施して、職員の知識を高められるように組みたいと考えています。
罹患者が出た場合には園内に掲示して保護者へ注意喚起を促しています。また、今年度は新型コロナ発生の対応や予防の通知文を配布して、園児・職員の登園前検温や健康状態の記録を実施しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

危機管理マニュアルで災害対策を定め、重要事項説明書で非常災害時の対策を明記しています。避難訓練計画書を作成して毎月1回の避難訓練の他、引き取り訓練・不審者訓練等を実施しており、都度、職員会議で反省・振り返りをしています。
横浜市のハザードマップの見直しにより、昨年度『高潮浸水想定地域』に指定されたためビル管理会社に避難ルートを確認し、消防計画とは別に避難確保計画を作成して行政に提出し、子どもの安全確保に努めています。
保護者に対しては横浜市からの通知とともに、この地区内が高潮浸水想定区域であることを伝えています。備蓄品(3日分)のリストを作成して定期的に管理・保管しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

保育における標準的な実施方法をまとめたマニュアル「花咲ファイル」を作成して、全職員に配布されています。
開園3年目になったので、マニュアルに基づいた保育が実施されているかどうか確認するとともに、マニュアルの見直しも検討する予定です。
マニュアルに明記されていても、保育士によって差異が生じて周知徹底されていないこともあるので、実施状況を確認する仕組みや手順書を併せて作成することが望まれます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

標準的な実施方法については「花咲ファイル」に明記されており、クラスミーティングで振り返りを行っていますが、チェックの手順や方法が定まっていません。反省点や改善点は月案・週案等に反映させていますが、実施方法やマニュアル類の見直しには至っていません。今後は定期的に検証して「花咲ファイル」のアップデートを行っていく等、PDCAサイクルを意識した取り組みが望まれます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

各種の指導計画策定にあたっては、「全体的な計画」に基づき、今の子どもの姿を捉え、それを前提に作成することを心掛けています。必要に応じてアセスメント等に関する協議に保育所以外の関係者が参加して実施していません。毎月、園長と各クラス担当によるミーティングを実施し、子どもと保護者のニーズ等を共有して乳児の個別指導計画に反映しています。
入園前の個別面談によるアセスメントを基に、乳児の個別指導計画を作成しています。現時点では配慮が必要な子どもの在籍はありませんが、必要と判断した場合には、療育センター等と連携して適切な保育の提供ができるように個別指導計画を作成する予定です。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

「全体的な計画」を基に作成した年間指導計画は四半期ごとに自己評価を行い、ねらいや内容・目的が子どもに沿っていたかという視点で反省点・課題を明確にし、見直しを行っています。
今年度はコロナ禍の影響で指導計画を急遽変更することが多かったため、随時、職員会議等で組織的に対応していますが、明文化された仕組みは用意されていません。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

毎朝の受け入れ時に、法人共通の健康観察記録の記載事項に沿って子どもの状況を確認しており、家庭での様子も併せて記入され、担任及び遅番スタッフに申し送りをする仕組みが確立されています。
個別指導計画に基づく保育の実施記録は所定の用紙に適切に記載され、家庭での様子も記載されています。
毎週月曜日の昼ミーティングには全職員が集まり、各クラスの子どもの保育実施状況・発達状況や週の予定等の情報共有を図っています。各種指導計画は園長が必ず目を通して作成者に適宜アドバイスを行い、記録の書き方に職員間の差異が出ないように注意しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

子どもに関する記録の管理については、「個人情報保護規程」に基づいて法人で作成した「保育における情報取り扱いマニュアル」に明記され、記録等は事務所内の施錠できる書庫に保管して、子どもの記録を適正に管理しています。
入職時には「スタッフ研修マニュアル」等で研修を受け、入職後もウェブ研修等で個人情報に関する研修を定期的に実施しています。
全保護者には入園時に「個人情報保護規程」の説明を行い、個人情報の取り扱いや写真の使用範囲等に関して同意書を収受し、それに基づき対応しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は保育所保育指針をもとに保育理念の「豊かに生きる力を育てる」、保育目標の「・思いやりのある子ども ・明るく伸び伸びとした子ども ・自分で考える子ども ・元気でたくましい子ども」、そして保育方針、園目標に基づいて、身体的発達、社会的発達、精神的発達の三視点をおき作成されています。平成29年4月1日の開園にあたり全体的な計画の作成は園長主導で作られ、保育に関わる職員の参画はありません。
この全体的な計画は職員に配布されそれに沿って各クラスの指導計画が作成され、保育が展開されています。今後は全職員の参画のもとに職員間で意見を出し合い作成し、年度末には全職員で見直しを行い、次年度は子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じた全体的な計画を作成していけることを期待します。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

生活にふさわしい環境の一つとして室温、湿度を確認し日誌に記録しています。空気清浄機、加湿器も利用し、換気を行い採光も考慮して心地よく過ごせるように環境を整えています。子ども達がくつろいだり落ち着けるよう集団の中でホッとできるように室内の一角にマットを敷く等して配置などの工夫をしています。
0、1歳児の保育室はサークルで区切り保育しています。食事や睡眠などの生活空間と遊びのスペースについ立を置いて意識的に区切り、心地よい生活空間を確保しています。乳児のトイレや手洗い場では子ども達が水道に手が届くように足置きやズボンを履きやすくするための台を工夫するなど環境の整備をしています。幼児組のトイレは職員が掃除をしていますが、掃除をしている姿を子ども達に見せて、きれいに使うことの大切さを伝える機会にしています。このようにして限られた保育スペースを工夫して、子ども達が心地よく過ごす事ができる環境を整備しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもが安心して自分の気持ちが出せるよう、個々に合わせた関わり方をして保育しています。乳児クラスは毎月の個人別保育計画を作成するにあたって今の子どもの姿、発達や職員の関わりを見直して次月の目標を立てています。
幼児クラスはできるだけ子ども達で考え、それを形にできるように職員が声をかけながら促していくように心がけています。その中で子どもの発達や発達過程、家庭環境等の個人差を十分配慮して子どもを受け止める保育を行っています。ただ職員の経験やスキルによって保育の捉え方や考え方が異なる場面もある事が課題となっています。今後は職員会議で具体例を掲げて話し合い、子どもに分かり易い言葉かけや接し方を心がけ、職員一人ひとりが同じ思いで子どもを受容し、更に子どもの状態に応じた保育を行えるようになっていける事を期待します。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:b】

一人ひとりの子どもの発達に合わせて基本的な生活習慣を身に付けられるように保育の場面で環境の配慮をしています。乳児では子どもが自ら興味をもって便座に座り易くなるように台座を作り排泄につなげトイレットトレーニングに進められよう環境の整備をしています。
幼児は個人ロッカーを使うことで自分の身の回りの事を自分でやろうとする気持ちを育てていけるようにしています。基本的な生活習慣を身に付けるきっかけとして各年齢に合わせ紙芝居や絵本等を取り入れ、自立へのきっかけのひとつとして働きかけを進めていくことも望まれます。基本的な生活習慣を身につけていくには発達の個人差もあるので一人ひとりに合わせた援助や主体性を大切にしていけるように職員間での意識の統一をして研修等も行い、全職員のもとで環境の整備、援助が進められることを期待します。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

子どもの生活と遊びが豊かで主体的に活動できるように保育環境の工夫をしており、人工芝の園庭で天気の良い日は極力体を動かして遊べるような保育を行っています。公園への散歩を多く取り入れ、散歩に行くことで交通ルール、社会的ルールを学べる場面が多くなり地域の人との接点も出てきています。
身近な自然との触れ合いとしては玄関前のメダカ、エビやヤモリ、ダンゴムシの飼育やアゲハ蝶の青虫を羽化させアゲハ蝶を自然に返したり子ども達がいつでも観察できるようにして興味、関心が持てるようにしています。食事時間も一斉に食べ始めるのではなく時間の枠の中で自分で決めて食べ始めています。このように生活と遊びを通して自分で頑張るペース、頑張ることを見つけていく等主体的に友達と人間関係が育まれるように限られた環境の中で工夫し子どもの生活と遊びを豊かにするような保育を行っています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児は定員が3名と少人数なので一人ひとりの子どもの受け止めが十分にでき、アタッチメントが持てるよう配慮しています。現在1歳児と保育室が一緒なのでサークルを使って0歳児のスペースを作っています。発達段階に合わせ音が鳴る玩具や廃材を活用した手作り玩具、大きめのブロック、絵本や人形など遊べる環境を作り、遊びの中で生活に必要なことが獲得できるように工夫しています。
生活面では食事やオムツ替えや睡眠についても子どもの表情を大切に個々に合わせた関わり方ができています。保護者との連携については連絡帳を使って一日の様子や送迎時のやり取りの中で連携をとっています。1歳児と同じ空間ですが担任同士の連携で0歳児が興味と関心が持てるよう保育の内容や方法に配慮しています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

1歳児から3歳未満の保育にあたっては探索活動が十分でき楽しめるように室内のコーナーづくりや興味に合わせ、子ども達が玩具を自分で取り出しやすいように配置する等環境の整備を行っています。幼児組の縁日ごっこでは買い物をするなど幼児と関わり、異年齢との交流を大切にしています。又給食を取りに行く時に一緒に行き、調理員との関わりもあります。日々の生活の中ではトイレや着替え等の場面ではまだゆったりとした十分な関わりが上手くいかない場合や散歩から帰ってきてからのクラスの生活の仕方等の場面でも余裕が持てずに接することもあります。
子どもの自我が発達する時期であるため、引き続き、余裕を持った関りを進め、活動を見守っていくことを期待します。保護者とは連絡帳、送迎時のやり取りを通じてコミュニケーションを取り連携を図っています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上は1つの保育室で保育を行っているので3歳児は4、5歳児を見て刺激と憧れ、5歳児は3、4歳児の世話やいたわりの気持ちが自然と芽生える場面が多くあります。縁日ごっこやミニオリンピック等の行事は幼児組一緒に取り組んで行っています。3歳児はハサミ等指先を沢山使う事、4歳児は話を聞くことを大切に絵や絵本に興味をもっていくように、5歳児は自分で考える、意欲を育て何でもやりたい気持ちをもつ事等を大切にして保育を行っています。
4、5歳児は月2回英語の活動をしています。保育室は一部屋の為3~5歳児で活動内容や場所を調整しています。職員の意識や関わり方、環境設定がまだ十分でない時もあり、同じ思いで取り組みができる事が課題になっています。各クラス保護者対応としては一日のでき事をホワイトボードで知らせており、特に5歳児は写真付きの掲示物を作って知らせています。又季節ごとの制作物を飾り、貼り出しています。このようにして各年齢の保育は内容や方法を工夫し配慮して行っています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

室内の一部でフラットでないところもありますが、障害のある子どもが安心して生活できる保育環境として、保育園の出入り口まではエレベーターがあり環境設備に配慮しています。開園3年目で現在認定されている障害児は入園していませんが障害児を受け入れる体制はできています。
認定はされていないが気になる子に対しては“一般社団法人ぽけっと”の専門職員による巡回相談を年2回程度受けており、指導、アドバイスや助言をもらっています。具体的に子どもの発達状況による個別指導や子ども同士の関わり方などのアドバイスを受けて保育にあたっています。その内容はぽけっと巡回報告に記録しています。職員は障害児保育について研修を受講し知識や情報を受けており他の職員に研修報告をしています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

長時間保育については18時31分から19時30分まで行っています。保護者の要望により予約で手作りの補食や有料の夕食を提供しています。延長保育児は全体の10%程度の子どもが対象で、保育形態は全クラスの合同保育を行っています。その為に家庭的でゆったり過ごせるようにコーナーを作りゆったりできる環境を整えています。疲れないように激しい遊びや帰りたくなくなる遊びを控える事、一人になっても淋しくならない事を配慮して保育を行っています。
子どもの状況や保護者に伝えたいことは遅番の職員に伝え、連絡漏れのないようにしています。担任以外でも長時間保育の子ども達の状況が分かるように各クラスの月案指導計画に長時間保育の欄を設けています。全職員が同じ思いで連続性をもち子どもに配慮して長時間保育ができるようにしていく事が現在の課題となっており、課題の実現が期待されます。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

就学を見通した保育では指導計画の中に就学に関する事項を掲げています。「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を見据えて、健康的な生活のために必要なことを子どもと一緒に考え、実際にやってみる機会を作っています。自分の力でできることを考え行動できるように意識できる保育を進めています。その中で5歳児は時間を意識して行動できるように促しています。
生活リズムでも食事時間30分を目安に設け、午睡は行っていません。このようにして小学校の生活について見通しを持てる機会を作っています。又、昨年までは小学校との連携で年長児は授業見学や一緒に遊んだりする機会を設けていました。保護者に対しては個別の就学に向けた懇談会を設ける予定でいます。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

健康管理については「花咲ファイル」の中に“子どもの健康支援・環境及び衛生管理マニュアル”があり一人ひとりの子どもの心身の健康状態を把握、職員に周知、共有して保育を進めています。登園時は体調面や怪我の有無の確認をして職員全体に周知しています。降園時には連絡帳や口頭で保育中の体調変化や怪我について保護者に伝えています。
入園時には既往症や予防接種の状況など健康に関する必要な情報を得ています。同時に保育所の健康に関する方針や感染症やSIDS(乳幼児突然死症候群)等の取り組みに関する資料を添えて情報提供を行っています。SIDSを防ぐため0歳児は5分毎、1、2歳児は10分毎に呼吸確認を行っています。看護師配置がない園なので今後法人内の看護師による定期的な巡回を行なってもらい専門的な指導を受ける機会を設けて、マニュアルの定期的な見直しをはかっていけることを期待します。併せて年間保健計画を策定し年間を見通して保健活動を行っていく事も期待されます。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

健康診断、歯科検診は年2回、尿検査は年1回、視力検査は3歳児対象で家庭と保育園で行っております。健診結果は児童票に記載して記録をとり、全職員がいつでも確認できるようになっています。保護者や保育園が園医に聞いてみたい事が生じた場合は健診日にうまくタイミングが合えば園医に聞いています。健診結果は書面を通じて保護者に伝えています。このようにして結果を知らせることで家庭での生活に生かせるように、又保育園での生活、活動にも反映できるようにしています。
歯科検診の結果を保育に生かせる集会の取り組みは嘱託歯科医に依頼して子ども達への歯磨き指導ができるように計画しています。今後、法人内の看護師に子ども達に対して保健指導を定期的に開催できるように連携をとって進めていけることを期待します。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

アレルギー疾患のある子どもに対しては「アレルギーマニュアル」を基に入園時に“個別面談調査記録、緊急時個別対応票、除去食依頼書、検査結果報告書、食物アレルギー生活管理表”の5点セットを基に面談を行っています。入園後も年1回医療機関でアレルギー診断を行ってもらいその結果を園と共有して給食の提供をしています。
調理スタッフ、担任、保護者とは月1回アレルギー面談を行い保護者と連携をして園での生活に配慮しています。食事提供時においてはトレーと食器を色別にして誤食を防ぐようにしています。乳児の場合は他児がこぼした食材を触ったり、誤食する可能性もあることから他児より先に提供しています。アレルギー疾患の研修に参加した職員から研修報告を受け情報を共有しています。他の子どもにアレルギー疾患について伝えたり、保護者に理解を図るような取り組みは行われていません。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食に関して園で計画した「年間食育計画表」と委託業者の「年間食育計画表」がありますが話し合いのもと統一性をもち取り組みを行っています。乳児クラスは少人数であるため一人ひとりをしっかりと見守り、子どもがゆったりと落ち着いて食事がとれる対応をして提供しています。離乳食は4段階になっており子どもの発達状況に応じて進めています。幼児クラスは自分で作ったランチョンマットを使い、食事時間を楽しんでいます。
食事時間は決まっていますが一斉に食べ始めるのではなく子どもが食べたいタイミングを大事にしています。個人差や好き嫌い、食欲に応じて量の加減をして提供しており、食器は磁気食器を使用しています。子どもが食についてより関心を深めるために、食育活動として給食で食べたねぎの根の部分やスイカの種をプランターで育てたり、野菜を触ったり皮むきをしたりとクッキング保育を感染にも気を付け、食事を楽しむ事ができるよう工夫をしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

子どもがおいしく安心して食べる事ができるよう月1回委託先の栄養士と園側で給食会議を行い献立や好き嫌い、子どもの食べる量、好きなメニュー等の喫食状況等の情報共有をしています。委託の為改善に時間を要することもありますが、フォークに丸めやすいスパゲッティの長さの改善等の例がありました。給食日誌の中に検食、残食量も記入し、日々記録をとっています。
残食の記録で子どもの食べる量や好き嫌いなどの把握をして献立、調理の工夫に繋げています。毎月の給食だよりで季節の食材を紹介したり、献立の中に旬の食材や行事食が組み込まれています。安心して食べられるように衛生管理マニュアルをもとに食材、調理した食事を2週間冷凍して保存の実施や子どもに提供する前に園長が検食を行い安心した食事の提供を行っています。又マニュアルを基に給食室の消毒を徹底しています。園側と業務委託先の栄養士や調理員との連携ができており、ガラス越しの調理室なので子ども達との交流もできています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者とは送迎時に積極的にコミュニケーションを取って情報交換を行っています。乳児クラスは連絡帳も併用して家庭での様子も共有しています。日々の保育内容はホワイトボードに記入してクラスごとに掲示していますが、コロナ禍の送迎となったため、視覚的に保育の様子を伝える写真や作品を玄関に掲示しています。
クラス懇談会や保育参観、季節ごとに発行する「クラスだより」で、保育内容について保護者の理解を得ることを心掛けています。
行事を通して子どもの成長を共有できるように、行事後のアンケートを実施して保護者の意見を伺い、要望についてはできるだけ早く改善できるように努力していますが、アンケート結果を全ての保護者に公表する工夫を期待します。保護者との個人面談の内容や相談事項は、「個人の経過記録」に残し、指導計画に反映できるようにしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

毎日の送迎の際に、保護者には積極的な声掛けを行ってコミュニケーションをはかり、保護者との信頼関係を築いています。担任の保育士が中心となって相談しやすい雰囲気作りに努めていますが、担任一人で抱え込むことなくリーダーや園長に相談を行い、関係職員で内容を共有して、適切な保護者支援を行うことを心掛けています。
保護者からの希望があれば個人面談を設定して、子どもの発達に関することだけでなく、家庭の事情や悩み等の個人的な支援についても対応しています。配慮が必要な家庭に対しては、行政に相談して専門機関などのアドバイスを求めることも考えています。
急な延長保育や土曜保育の利用を随時受け付けており、各クラスの健康観察記録を用いて共有し、丁寧かつ迅速な保護者への支援を行っています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

家庭での虐待や子どもの権利侵害に対しては、園における早期発見・早期対応が不可欠と考えています。乳児クラスでは毎朝の受け入れ時に保護者立ち会いのもとで全身の視診を実施しており、送迎時や着替え・トイレ支援等で”目と手でチェック”を重視し、昼ミーティングで些細な点でも職員で共有して、家庭養育状況の把握に努めています。
重要事項説明書で虐待の禁止について明記しており、保護者には、虐待が疑われる場合と園の対応について併せて説明しています。法人作成の「虐待防止マニュアル」を用いた園内研修や、法人主催の研修会参加で意見交換を行っていますが、今年度は横浜市の「虐待防止ハンドブック」の内容について園内の勉強会を検討しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

日々の保育や毎月の保育内容について、週案や月案等のカリキュラムの見直しに際して振り返りを行っていますが、保育士同士の学び合いや意識の向上に繋がっていないことが課題となっています。
今年度からは、四半期ごとに項目を変更して自己と他の保育士について記載する、園独自の評価を実施しています。提出された評価内容に基づき、園長は、他の保育士から見た「良い点」を職員会議で共有する他、各保育士との個人面談を実施しています。
保育スペースが乳児と幼児で区切られているため、他の保育士の保育実践方法に目を向けることで、自己の保育姿勢を毎日振り返る機会となり、園全体の保育実践の向上につながることが期待されます。