社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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川崎市土橋保育園

2021年04月21日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 川崎市土橋保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 120名(利用者 114名) 名
所在地 216-0005
川崎市宮前区土橋2-14-1
TEL 044-855-2877 ホームページ http://www.city.kawasaki.jp/450/page/0000031310.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1979年02月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 川崎市
職員数
常勤職員:25 名
非常勤職員:13 名
専門職員
保育士:21 名
看護師:1 名
栄養士:1 名
施設・設備の概要
保育室:11
子育て支援室:1
調理室:1
休憩室・更衣室:1
事務室:1
トイレ:4
園庭、プール:

③ 理念・基本方針
【保育理念】 
 子どもたちの最善の利益を図り、児童福祉施設としてその福祉を増進する。
  ・子どもにとって…子どもが安心し楽しく生活できる保育園
  ・保護者にとって…安心して子どもを預け、子育ての喜びが共感できる保育園
  ・地域にとって…子育て家庭を支援し、地域に根ざした保育園

【保育目標】  
 元気に遊ぶ子ども
  ・自分に自信を持てる子ども 
  ・自分を大切にし、友だちも大切にできる子ども 
  ・自分で考え、行動できる子ども

【保育方針】
 ・大人との信頼関係を大切にし、一人ひとりを大切にする
 ・一人ひとりの良さを認め自信につなげていく
 ・子どもが主体的に豊かに遊べる環境を整える
 ・同年齢、異年齢の友だちと遊ぶ楽しさを味わい、思いやりや協調の気持ちを育てる
 ・日々の食事を大切にし、栽培物や食材を通して職の大切さを知らせる
 ・地域の子育て関係機関、子育て関係者と連携を取りながら地域の子育て支援の充実を図る

④ 施設・事業所の特徴的な取組
土橋保育園では子どもたちが「保育園って楽しい!」「明日もまた来たい!」と一人ひとりが輝き、笑顔で過ごせる保育園を目指し、日々保育に取り組んでいます。
生後43日目からの産休明け保育や平成29年度からは医療的ケア児の保育を実施し、保育士、看護師、栄養士の専門職とともに医療機関等、関係機関とも連携を取りながら、きめ細かい保育を進めています。また、障害児や支援を必要とするお子さんについては園内の発達相談支援コーディネーターを中心に定期的にケースカンファレンスを実施したり、巡回相談や発達相談等専門機関とも繋げ、支援の方法を学び援助を進めています。
地域支援では、子育て支援ルームあおぞらを活用した講座や園児とも交流できる広場の開催、園庭開放などを実施しています。今年度はコロナ禍のため、地域支援の事業は自粛することになりましたが、子育てのヒントとなる資料提供や園の様子を伝える動画を活用した講座などを実施してきました。また地域の保育園ともつながりを持ち、公開保育や交流保育、発達相談支援コーディネーター等の派遣を行っています。今後、宮前区保育・子育て総合支援センター設立(令和5年開所予定)に向け、建て替えを控えており、区の基幹保育園として事業の見直しや今後の在り方を検討しています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/11/04(契約日) ~2021/04/12(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(平成27年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)保育の質の向上を目指した取り組み
園では、「環境」「保育内容」「食育」のテーマごとに職員がグループを編成し、様々な角度や視点から保育のあり方について学び合いを深めています。
「環境」グループは、マルチパーツによる遊びの実践記録を基に環境構成について考え、「保育内容」グループは、ドキュメンテーションを用いて保育の実践について検討を行い、「食育」グループは、看護師と栄養士、保育士が連携して食の大切さを子どもたちにわかりやすく伝えるための取り組みを行っています。また、日々の保育を振り返りながら、子どもたちの様子を「エピソード」として記録し、子どもの気持ちに寄り添った保育のあり方について事例検討を行うなど、園全体で保育の質の向上を目指して学び合い、実践につなげられるよう取り組んでいます。

2)子どもたちの主体性を育む保育の実践
園長はじめ職員は、子どもたちの主体性を大切に保育にあたることを共通認識として日々取り組んでいます。
乳児クラスでは、子ども一人ひとりの状況に応じた丁寧な保育を実践し子どもが安心して生活リズムを整えながら活動できるようにしています。幼児クラスにおいては、子どもの発想や思いを大切に好きな遊びに集中できる環境づくりを行っています。また、子どもが自分の考えを発表したり、友だちの意見を聞いて共感したり、異年齢交流を通じて小さい子を思いやる気持ちを育むことができるよう環境づくりに努めています。子どもたちは、様々な経験を積み重ねながら、伸び伸びと園生活を送っています。

3)公立園としての使命を果たすための取り組み
川崎市で策定されている「新たな公立保育所のあり方基本方針」に基づき、宮前区のセンター園の役割を担っています。
地域子育て支援活動や民間保育所との連携や交流を通したネットワークづくりを行うなど各関係機関と協働して様々な活動を行っています。新型コロナウィルス感染予防のため、活動方法や内容の制限が課せられている中でも、新しい生活様式に配慮を行いながら、公立園としての役割を踏まえ、事業の推進と機能強化を目指して取り組みを進めています。
改善を求められる点 1)安定した職員体制の構築
園が目標とする保育の質を確保するため、保育士、看護師、栄養士など正規職員が配置されており、川崎市の人材育成計画に沿って、職員の育成が実施されています。職員の人材育成と共に、保育の質を維持するための人材の確保も課題なので、安定した職員体制を保持し更なる人材育成への安定した職員体制の構築に向けた今後の取り組みが期待されます。

2)保護者とのコミュニケーションの工夫
園は、口頭や電話、意見箱の利用など、複数の方法で意見や相談を受け付けています。保護者からの相談は、都合に合わせて日時や場所にも配慮しています。保護者とは日常的に話しやすい雰囲気づくりに努めていますが、熟練職員からの言葉がきついと感じている若い保護者もいます。また、保護者の半数からは、「意見や要望にきちんと対応しているか」に「はい」と答えていません。園では意見箱を設置、行事後のアンケートを実施するなど保護者のための取り組みを行い、相談には規程に沿って迅速に対処しております。保護者への対処手順に加え、職員の接客・応対にも配慮することが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今年度はコロナ禍でもあり、様々な取り組みを見直さざるを得ない1年であったが、第三者評価を受けるにあたり、話し合いを持つ機会を持つことで、振り返りとともに、保育を職員間で語り合う良い機会となった。今まで通りにはできないことも多い1年であっても、今、行っていることの、意義や実績を確認できたのではないかと思う。また、話し合いの中や、今回の評価の中で、いくつかの課題が明らかになったので、さらなる質の向上に向け、課題解決のための話し合いを継続して持てるようにしていきたいと思う。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

川崎市のホームページには、園の保育方針と保育目標を、園のパンフレットには、保育理念、保育方針、保育目標を掲載しています。保育理念は公立園としての使命や目指す方向を読み取ることができ、保育方針は理念との整合性が確保されているとともに職員の行動規範となるよう具体的な内容となっています。毎年度初めには、職員会議で読み合わせを行い、職員間で共通認識を持ち保育にあたれるようにしています。保護者には、「入園のしおり」、「土橋保育園の保育」を用いて、入園時及び進級時に説明を行っています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

川崎市の公立園園長が参加する全体園長会で、社会福祉事業全体の動向を踏まえた川崎市の保育事業に関する方針について共有化されています。宮前区の公立園園長が参加する地区園長会では、区の保育総合担当より、地域の各種福祉計画や未就園児数の推移、各園のコスト分析、利用率などのデータ、保育ニーズに関する情報について報告を受け、地域の特性や課題について分析しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

川崎市が策定している「新たな公立保育所のあり方基本方針」では、各区に地域の子ども・子育て支援、民間保育所等への支援、公・民保育所人材の育成を実施するセンター型施設を1ヶ所、地域の子ども・子育て支援、民間保育所等への支援を行うブランチ型施設を2ヶ所設置することが明示されており、園は、宮前区のセンター型施設として位置付けられ、来年度は、園舎の建て替え開始が予定されています。園では、地域支援や人材育成などの機能拡充に向けて、職員会議で意見交換を行うなど検討が進められています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

川崎市の「総合計画・第2期実施計画」は、2018年度~2021年度の4年間を計画期間として策定されています。計画には、「子どもを安心して育てることのできるふるさとづくり」を目指し、「子育てするなら川崎 と思ってもらえるような、安心して子育てできる環境づくりを進める」と明示されており、公立保育所における保育の質の向上、人材育成などについて市の園長会で協議されています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

園では、川崎市の計画に基づいて、「土橋保育園・運営方針」を単年度の事業計画として毎年作成しています。計画には、職員体制や年間の行事予定、園の保育の方向性のほか、人材育成や危機管理など、当該年度の重点項目を掲げ、目標を達成するための取り組みが明記されています。単年度の事業計画は、具体的な成果などが設定され、実施状況の評価を行える内容となっています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

川崎市の園長会や主任連絡会、栄養士連絡会などで報告される各園の状況や職員の意見などを川崎市の計画に反映させています。園の単年度事業計画の内容については、職員会議などでの意見交換を基に園長が策定しています。事業計画は川崎市で定められた時期、手順に基づき、実施状況に対する評価が行われており、年度末の職員会議で1年間の総括を行い、次年度の計画策定につなげています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

「土橋保育園の保育」には、年間の主な保育活動や乳児クラスと幼児クラスにおけるそれぞれの四半期ごとの保育のねらいが記載されているほか、健康管理計画や食育年間計画も掲載されており、行事計画表と一緒に年度初めに保護者に配付しています。今年度は、新型コロナウィルス感染予防のため保護者懇談会が行えませんでしたが、例年は、保護者懇談会で資料に基づき、パワーポイントを用いて保護者に分かりやすく説明を行っています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

日々の保育実践に対する振り返りが記載された週日指導計画を基に、月間指導計画の評価・反省を行い、次月の計画策定につなげています。年間指導計画は、四半期ごとに期の反省を記載して次年度の計画策定に反映させており、PDCAサイクルに基づく保育の質の向上に向けた取り組みを行う体制が構築されています。川崎市で作成されている書式で園の自己評価と職員個々の自己評価を行っています。第三者評価は、定められた期間に受審することが望まれます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

園の自己評価票には、抽出された課題点について明記されており、職員会議で改善策について協議しています。改善に向けた取り組み内容は、「土橋保育園運営方針」に記載され、計画的に実践を進めています。様々な保育場面での職員の気づきを発表し合い、子どもの姿を捉えて必要な声かけや援助ができているか、意見交換をしながら学び合うなど、保育の質の向上に向けて園全体で取り組んでいます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、「土橋保育園運営方針」に園の運営・管理に関する方針と取り組みについて明記し、職員に周知しています。川崎市が作成している「運営規程」に園長の職務が明記されており、毎年度の職務分担表を作成して、園長はじめ職員個々の職務内容や担当などを明示し職員会議で確認しています。有事における園長の役割と責任不在時の権限委任については、災害対応のマニュアルに明示されています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園長は、法令遵守の観点で園の運営に関する川崎市の研修会に参加しており、取引業者などとの適正な関係を保持しています。また、環境への配慮に関する法令に基づき、節電、節水など省エネルギー化やごみ削減の取り組みを園全体で行っています。川崎市の服務規程には公務員倫理について明示されており、法令遵守に関する研修への参加や服務小冊子を配付しています。服務チェックシートの実施などの取り組みが行われており、職員による話し合いなどで確認と分析が課題となっています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、保育の現場で保育の実践を観察するとともに、計画や日誌などから、保育の質の現状把握に努めています。課題点については、園長補佐と共有し、職員への指導方法や改善策を話し合っています。川崎市で作成されている「保育の質ガイドブック」には、保育の質の定義、保育の質を構成する 3 つの要素などについて記載されているほか、事例集も作成されており、ガイドブックと事例集を用いて園内研修で学び合っています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、業務の実効性の向上に向けて、職員体制や労務管理を踏まえて現状分析を行っており、業務量や業務内容を考慮して職員配置や業務分担を設定し、職員が動きやすいシフト作りを行っています。川崎市の運営管理課により、パソコン機器の整備が行われており、園だよりや計画作成などにおいて、ICT化が徐々に進められています。職員会議では、業務改善に関する意見交換が行われ、実践につなげています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

川崎市で、公立園の運営に関する人員体制や人材確保、育成についての基本的な方針が立てられており、市の方針に則り、園の職員配置が計画されています。川崎市では、就職相談会の開催や保育所見学バスツアーの実施など人材確保のための取り組みを民間園も含めて行っています。園長は、保育士資格を持つ非常勤職員の確保について園の現状課題ととらえており、川崎市の園長会で対策を協議しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

「川崎市人材育成基本方針」に川崎市人材ビジョンとして市職員のあるべき姿が明示されています。市の規程により、採用、異動、昇進、昇格に関する基準が明確に定められており、職員に周知されています。市で定められた基準に則り、人事評価が実施されており、職員の専門性や職務遂行能力、職務に関する成果や貢献度などの評価が行われています。人事評価を基に職員個々の目標管理が行われ、職員がキャリアビジョンを明確にできる総合的な人事管理の仕組みが構築されています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

園長は、有給休暇の取得状況や時間外労働のデータを毎月確認して職員の就業状況を把握しています。また、個人面談を通じて職員個々の考えや思いを汲み取り、働きやすい環境づくりに配慮しています。産休や育児休暇、介護休暇などの規程が整備されており、状況に応じて時短勤務もできるようになっています。希望に応じて産業医の巡回診療が受けられるシステムがあるほか、ワークライフバランスデイ(ノー残業デイ)を設けるなど職員の心身の健康確保のための取り組みが行われています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は、中長期の目標と年度の短期目標をキャリアシートに記入して、先輩後輩でペアを組んで面談を行い、目標項目や目標水準が適切に設定されているか確認しています。園長との個人面談は、年3回の人事評価の際に行っており、振り返りを行いながら目標に対する進捗状況について確認しています。非常勤職員に対しても園長による個人面談を行い、個々の状況に応じた目標について話し合っています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

川崎市の人材育成計画に保育士など行政専門職として求められる能力が明示されており、行政職階層別研修と保育士階層別研修の研修計画が策定されています。また、園内研修の計画も策定されており、保育内容、環境、食育などのテーマごとにグループを編成して研修会を実施しています。園内研修の内容設定については、自己評価などから抽出された課題の改善に向けた内容となるよう、毎年評価と見直しを行っています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

川崎市で定められている研修制度に則り、新任職員や異動してきた職員に対しての個別的なOJT研修、行政職階層別研修、保育士階層別研修のほか、人権研修などの特別研修、障がい児保育、保護者支援、マネジメントなどの専門的な知識を深めるためのテーマが設定された分野別研修などが実施されており、全職員が個々の経験や能力に応じて必要な研修が受講できる体制が構築されています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:a】

「実習生受け入れマニュアル」には、次世代の育成支援及び指導を通じて自らの保育を振り返る機会とすることなどが明記されています。また、受け入れ手順のほか、指導内容や指導にあたっての留意事項が記載されており、保育士実習と看護師実習の受け入れを適切に行っています。心構えや守秘義務などについて記載されている「実習の手引き」を用いて実習前にオリエンテーションを実施しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

川崎市のホームページには、園の事業や財務等に関する情報や苦情・相談の体制、第三者評価の結果などの情報が公開されています。園独自のホームページは不十分ですが、宮前区のホームページには、産休明けや医療的ケアを必要とする児童の受け入れや地域の親子や近隣の保育園・小中学校との交流なども多く行っていることを記載しており、公立園としての存在意義や役割を明確にしています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

川崎市の規程に則り、園長と園長補佐が園内の事務的な業務全般を行っています。物品・備品の購入や修繕などに関しては、担当職員を決めて購入が必要なものなどのリストを作成し、定められた手順で市の担当部署に申請しています。園の財務については、川崎市において運営管理されており、内部監査、外部監査が実施されています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

宮前区のセンター型保育園としての役割を踏まえ、地域における子育て支援を行っていくことを「土橋保育園・運営方針」などの文書に明示しています。「園のしおり」には、市内の病児・病後児保育施設のリストを掲載し利用方法などを案内しています。地域の行事やイベントなどのチラシを掲示して保護者に知らせています。子どもたちは、園庭開放などで訪れる地域の親子と日常的に交流しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

ボランティアの受け入れに関するマニュアルが整備されており、基本姿勢や受け入れ手順、ボランティアへの配慮事項が明記されています。マニュアルに沿って、中学生の職場体験の受け入れやボランティアグループによるお話し会を開催するなどしています。受け入れ前にオリエンテーションを実施し、ボランティアに際しての留意事項や守秘義務について説明しています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

宮前区保育総合や療育センター、児童相談所、地域子育て支援センターなどの関係機関や地域の医療機関のリストを作成し、職員間で共有しています。各関係機関とは、子どもや保護者の状況に応じて適切に連携を図っており、必要に応じて会議を行って対応策を協議しています。要保護児童対策地域協議会に園長が参加しており、関係機関と共に地域の虐待等権利侵害に関する状況を共有し対応策などについて協議しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

園が実施している「あそびの広場」や「すくすく土橋」など、地域住民に向けた子育て支援の活動の中で、地域の親子との交流を通して、地域の福祉ニーズや生活課題を把握できるよう努めています。また、町内会の会合や地域の各関係機関との連携や協議会において、地域の状況について情報交換を行い、課題を共有化しています。また、川崎市が実施している市民アンケートの調査結果などを基に宮前区保育総合と連携して、地域のニーズを具体的に抽出しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

地域の主任児童委員と協働して、子育てサロン「すくすく土橋」を開催し、保育士や看護師、栄養士などがそれぞれの専門性を生かして育児相談を行ったり、離乳食の進め方や健康づくりに関する講座などを行っています。宮前区の公立保育園の職員が交代勤務を行って、年末保育の受け入れを実施しています。地域の防災会議に園長が参加して、災害時の対策について協力し合えるよう話し合っています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

川崎市で「子どもの権利に関する条例」が設定されており、職員にも周知されています。また、保育理念には、「子ども達の最善の利益を図り、児童福祉施設としてその福祉を増進する」と、子どもを尊重した保育の実施について明示しています。全国保育士会の「人権擁護のためのセルフチェックシート」を用いて自らの保育を振り返る機会を設けています。職員は、保育の実践からエピソード記録を作成し、意見交換を行いながら、子どもが互いに尊重する心を育てる保育や性差への先入観を行わないことなどについて学び合っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

生活や活動の様々な場面において、子どものプライバシーに配慮して保育にあたることが記載されたマニュアルが整備されています。着替えやおむつ交換、身体測定などの際は、カーテンやパーティーションを用いて対応し、子どもたちのプライバシーに配慮しています。プール活動が始まる前には、着替えや活動中に外から見えない配慮を行うことを職員間で確認し合っています。これらの取り組みについては、保護者懇談会や園だよりで保護者に伝えています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

園のパンフレットには、保育理念と保育方針、保育目標のほか、年間行事や1日の生活の流れ、地域子育て支援の内容などがイラストを用いて読みやすく掲載されています。パンフレットは、川崎市や宮前区の担当部署に設置されているほか、園庭開放などで訪れた地域の保護者に配付するなどしています。利用希望者の見学案内は、主に園長補佐が担当しており、希望者の都合に合わせて日時を調整しパンフレットに沿って丁寧に対応しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

重要事項説明書と入園のしおりの内容について、入園前の個人面談で保護者に説明を行っています。慣れ保育については、目安となる期間や時間などについて園の方針を説明し、保護者の意向や就業等の状況に応じて相談しながら進めることとしています。例年は、4月に保育内容説明会を開催し各クラスの活動内容やそのねらいなどについて説明を行っています。今年度は、新型コロナウィルス感染予防のため、説明会を開催することができませんでしたが、資料の内容をより詳細に作成して、対応しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

重要事項説明書に、保育の開始及び終了に関する事項を明示しており、転園などの申し出があった際は、所定の手続き方法について保護者に説明を行っています。公立園への転園の際は、児童票の引き継ぎを行っており、民間園などへの転園の際は、保護者の了解を得たうえで子どもの状況について引き継ぎを行うこととしており、保育の継続性に配慮しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は、日々の保育の中で子どもが満足いくまで遊び込めているか把握に努めており、職員間で子どもの姿を共有して保育にあたっています。運動会や発表会などの行事後に保護者アンケートを実施し、保護者満足度の把握に努めるとともに、個別面談や保護者懇談会で保育活動や保育内容に関する保護者の意見を聞いています。また、保護者会には、必ず園長や職員が参加して保護者と意見交換を行っています。収集した意見を基に、保護者の満足度の向上に向けて、職員会議で話し合っています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

「川崎市保育園苦情解決要綱」に則り、苦情解決責任者を園長、苦情受付担当者を園長補佐が担当し第三者委員を2名設置しています。「重要事項説明書」に苦情解決の体制を明記し、「土橋保育園の保育」には、第三者委員と宮前区と川崎市の担当部署の連絡先を明記しています。また、玄関にも掲示して保護者に周知を図っています。苦情内容については、職員会議で改善策を迅速に検討し、保護者のプライバシーに配慮して園だよりなどで公表しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

「重要事項説明書」に相談窓口の設置について記載しており、口頭での直接の申し出や電話、意見箱の利用など、複数の方法で意見や相談を受け付けていることを明記して保護者に周知しています。また、「土橋保育園の保育」では、「サンキューコール」、「市長への手紙」、「川崎市市民オンブズマン」など、川崎市の制度についても紹介しています。保護者からの相談を受け付けた際は、保護者の都合に合わせて日時を設定し事務室や支援ルームなどを使って保護者が安心して話ができるよう配慮しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

園長はじめ職員は、送迎時など、保護者との日常的なコミュニケーションを積極的に図るよう心がけており、話しやすい雰囲気づくりに努めています。玄関に意見箱を設置したり、行事後のアンケートを実施するなど保護者の意見を把握するための取り組みを行っています。相談を受け付けた際の対応手順などについては、川崎市で定められた規程に沿って迅速に対処しております。相談内容は、所定の書式に詳細に記録して継続的なフォローができるようにしていますが、保護者の半数からは、意見や要望にきちんと対応しているに「はい」と答えていません。保護者の意見に基づき、行事の開催方法などの改善を実行しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

園長及び防犯・防災プロジェクト担当の職員、看護師が中心となり、園全体で子どもたちが安全に安心して園生活を過ごせるよう取り組んでいます。事故対策と対応に関するマニュアルが整備されており、救急時の初期動作やけがの対応について明記されています。また、事故発生時の初期対応が記載されているアクションカードを職員個々が携帯しており、研修で学び合っています。事故報告書やヒヤリハットを詳細に記載し改善策を協議して実践しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症の対応に関するマニュアルが整備されています。マニュアルに基づいて、園長と看護師が中心となり、感染症の予防策や対応方法、嘔吐処理の手順などについて園内研修を実施しています。感染症の予防策などについて保健だよりに掲載して保護者に周知しており、感染症が発生した際は、状況を掲示して保護者に迅速に報告し二次感染防止を呼びかけています。新型コロナウィルス感染予防については、川崎市のガイドラインに基づいて、各場所や備品の消毒強化と職員の体調管理の徹底などを行っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

防災に関するマニュアルに災害時の体制について明記されています。防災訓練年間計画が策定されており、地震や火災など様々な場面を想定して防災訓練を毎月実施しています。また、災害伝言ダイヤルの訓練は保護者にも参加してもらい行っています。防犯・防災プロジェクトの担当職員が中心となって子ども向けの防災集会を実施し子どもたちの防災に関する意識が高められるよう取り組んでいます。宮前区が主催する防災対策の会議では、町内会や近隣の学校関係者と共に地域の防災対策について話し合っています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

保育についての実施方法は保育運営の冊子に記載されています。子どもの権利やプライバシーの保護等はマニュアルが整備され、それに基づき園内のマニュアル内に文書化されています。マニュアルに基づいて保育が実施されているかどうか、クラスの職員同士で振り返り、評価、反省を行い、乳児会議や幼児会議などでも確認をしています。一部の保護者からは、職員の保育にばらつきがあるとの指摘も受けています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

標準的な実施方法の検証・見直しについての取り組みは、現場の実情に合わせて、乳児会議や幼児会議、職員会議で実施しています。保護者には、行事ごとにアンケートを実施し懇談会や保護者会の中でも意見や提案を出してもらい職員間でも検討しながら保育に反映しています。
今年度はコロナ対策に伴い、行事の検証や検討をする機会が増えました。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

指導計画策定の責任者は園長で、全体的な計画に基づき各クラスの年間計画、月間計画、週案をたてています。保育実践の振り返りは必ず行い、指導案の評価、反省欄に記載しています。家庭状況、健康状態については、入園前に保護者が児童票に記載し、入園前面談で把握したことに基づき、個々の適した保育が展開されるようにしています。支援困難なケースへは担任以外の職員や他機関との連携もとりながら、ケースに合わせた丁寧な保育を行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

年間指導計画、月案、週案、保育日誌については評価、反省欄が設けられ、評価を行い、以後の計画、保育につなげています。子どもへの関わりや保育の進め方についても子どもの発達段階やクラスの状況・保護者のニーズに応じた指導計画をたて実践しています。
評価の中で保育の課題を明確にし、子育て支援や保育士の保育の見直しを行い、保育の質の向上に努めています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもの成長に関する記録は月齢ごとに定められた期間で記載され、その都度園長が確認、指導を行っています。情報の共有に関しては内容や緊急度により、毎朝のミーティングや各種職員会議で報告しています。会議は乳児・幼児のフロア会議が月に3~4回、全体会議が月1回、その他必要に応じて行っています。また、栄養士、看護師、保育士(三者連携)で園内研修を行い保育に生かされています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報保護規程により、子どもの記録の保管はすべて鍵のついたロッカー内に保管されています。また、個人情報の記載がある書類やデータは基本、事務所で使用し、事務所以外で持ち出す場合は、使用理由と場所を明確にし使用後は確実に返却する、園外への持ち出しは一切しないことが徹底されています。
個人情報の取り扱いについては、保護者に入園時に説明をし了承を得て、重要事項説明書にサインをもらっています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、川崎市のひな型があるので、それを園に落とし込み園長が作成をしています。保育園の理念、保育の方針や目標について、子どもの発達過程を踏まえて保育内容を組織的、計画的に構成し、園生活の全体を通して総合的に展開されるように配慮しています。
年齢ごとの年間計画が発達にあっているか、振り返りを行いながら保育を進めています。子どもの発達過程、子どもと家庭の状況や保育時間、地域の実態などを考慮し、子どもの育ちを長期的な見通しをもって作成しています。年度末に全体職員会議で見直しを行い、手直しをして新年度の全体的な計画を園長が作成します。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

玄関の脇には貸し出し用(幼児クラス)の絵本があり、子どもたちが自由に見られるように配置されています(今はコロナ禍で貸し出しを中止)。2階の階段にも乳児クラス用の絵本の貸し出しスペースがあります。
保育室はベランダに向かって明るい日差しが部屋に入るようになっています。2階はテラスも広く0~1歳児の子どもたちが安全に過ごせるように、夏場は水遊びも行っています。1階には2歳~5歳児が過ごしています。廊下が長いためトイレから出てくる子どもとぶつからないように、手作りのパーティーションが置かれています。廊下には子どもたちの作品が展示され、保護者にも見えるようになっています。トイレ前には足型をはり、子どもたちにわかりやすいようにしています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

人権擁護のためのセルフチェックリストを使い、年に3回(春、夏、冬)行って全体会議で確認しています。年齢や月齢にこだわらずに、子どもの個々の発達や育ちを把握するように努めています。
1歳児は言葉のやり取りが難しいので、絵カードを活用しています。子ども達が安心して遊びこめるようにコーナー遊びを設定したり、遊びと食事の空間をわけて落ち着いて生活できるよう環境を構成しています。
廊下や各クラスには、季節を感じとれるような装飾がされています。
担任間でコミュニケーションをとることにより、子どもに対する気づきを共有したり、言葉だけでなく、表情、しぐさ、前後の行動等からも気持ちを汲み取り、援助や代弁をしています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの子どもの発達に合わせて、それぞれが興味をもった段階で身の回りの事や排せつ等、子どもがやろうとする気持ちを育み、取り組んでいけるよう、家庭と連携をとりながら無理なく進めるようにしています。健康集会や食育集会、三者連携集会等子どもや保護者自身も意識を高められるよう取り組みを行っています。
年齢に応じて、子どもの主体性を尊重した援助の仕方について、職員間で話し合いを密に行い、特に乳児クラスは小集団でのグループ保育を行い子ども達が安心して生活ができるよう心がけています。異年齢の交流も頻繁に行っていましたが、今年度はコロナ禍でなかなかできない現状です。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

子どもたちが主体的に遊びを選べるように遊具の用意や配置を考えています。園庭の整備も全職員が定期的に行っています。職員は、年齢に応じて遊びの中に一緒に入り友達とのやり取りができるよう仲介に入ったり、遊具や用具の使い方を知らせています。
支援センターへの訪問をしたり、年長児交流会、今年は訪問に行けなかった代わりにビデオレターで地域とのつながりをもつことができました。
職員の手作りのマルチパーツを使ってコーナー遊びをしたり、イメージを膨らませ、ごっこ遊びを主体的に戸外や室内で遊んでいます。園庭に植えられているミカンの木から収穫して自宅に持ち帰り食べた感想を書いてきてもらったり、「のらぼう菜」を園庭で育て親子で収穫をしたりしました。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

乳児保育において子ども一人ひとりにじっくりと関われるように、緩やかな担当制で小グループでの保育を行うことで、手遊びや触れ合い遊び等のスキンシップが十分にとれて、0歳児が安心して職員との愛着関係をもてるように配慮しています。グループ別保育を行うことで、子どもの成長に合わせた生活リズムで過ごすことができています。また、栄養士や看護師と一緒に離乳食や健康面での連携を図っています。
発達に応じて、這う、座る、歩くなどの運動機能の発達を促せる環境設定を変えています。
連絡帳や送迎の際の会話を通して、子どもの状況は保護者と共有しています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

1歳児以上3歳児未満児保育では、肯定的な言葉でのやり取りを大事にする中で、子どもそれぞれが認められているという思いを感じ、意欲的に活動に取り組めるよう少ない人数の小グループに分け一人ひとりに目が届くようにしています。子どもが遊びを中心とした自発的な活動ができるよう、自我の育ちを受け止め個々の思いを受け止め、仲立ちをしながら言葉での伝え方、関わり方を伝えています。
保護者との関わりもコロナ禍で制限されることが多くありましたが、保育中の写真やクラスだよりで丁寧に伝えています。異年齢保育は今年に限り制限が多く難しい中、土曜保育、園庭遊び、行事で遊びや生活を大切にしています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳以上児の保育では集団の中で安定しながら、遊びを中心とした生活が送れるよう各年齢に応じた環境の整備を行っています。マルチパーツやバスマット等を活用し、子どものイメージを広げて遊べる環境を整えたり、職員間でも研修をおこなっています。
異年齢の交流は自然に思いやりの気持ちが育むよう、一緒に散歩へ出かけたり、お昼寝の後、布団をたたみに行ったりして、小さい子どもの面倒を見ることで、お兄さん、お姉さんとしての自覚が生まれています。例年、近所の土橋小学校から連絡がきて、小学校の見学や企画に参加させてもらっていましたが、今年度はそれも中止となってしまったので、保護者に向けて学校紹介をして就学への不安がないよう配慮をしました。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

障害のある子どもには個別の指導計画を作成し保育や記録をしています。バリアフリーの設備は不十分ですがその都度必要に応じた環境整備の努力(個別の机・空間の確保)をしています。また、クラス等の指導計画と関連付け、見通しをもった保育を行うようにしています。
川崎市には発達相談員、臨床心理士がいるので、巡回をしてもらったり、アドバイスをもらっています。保育所の保護者には個人情報の守秘事務があるので、情報を伝える必要がある際には該当の保護者と相談をしながら進めています。医療的ケアの必要なケースは看護師と連携をとったり、クラスの子どもたちと自然に関われるように配慮をしています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

長時間保育は、異年齢で育まれる交流や個人の選択活動によって集中力を高める時間ととらえ、ゆるやかなルールの中で安心して過ごせるようにしています。今年度はコロナ禍で子ども同士の交流もできるだけ配慮をしているので、18:30までは各クラスにて過ごしています。18:30以降は子どもの人数が減るので、合同で過ごしています。遊びのコーナーを分け、落ち着いて過ごしたり、遊んだりできるようにしています。
早番、遅番の引き継ぎ名簿を使い保護者への伝達漏れがないように気をつけたり、長時間中での子どもの様子を記入する専用の日誌があります。来年度から閉園が20:00になる予定です。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

年間のカリキュラムの中で、10の姿を基に、就学までを見通した活動や援助ができるようにしています。主に、年長の担任が幼保小連携会議に定期的に出席したり、小学校の見学や交流で情報交換をしています。今年度は小学校との交流が全部中止になってしまいましたが、要録の作成をし、小学校との直接的な引き継ぎも丁寧に行っていく予定です。要録の作成は担任が行いますが、園長も必ず確認をしています。
保護者のなかには、就学に向けて不安に思っている方もいるので、懇談会の中で小学校に向けての説明を行っています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

乳児クラスは連絡帳で幼児クラスは「熱・健康チェック表」に毎日の健康状態を記録してもらい、把握をしています。保育日誌では園内全児の病気、ケガの把握ができています。
看護師が保健の年間計画に基づき、子ども達に健康衛生に関する指導をしています。
事故やケガの際には保護者や運営管理課と連絡をとって対応しています。
看護師が中心となって、救命救急や乳幼児突発死症候群(SIDS)チェックの重要性、嘔吐処理、熱性けいれん、手洗いなどについて園内研修を行っています。SIDSや、登園停止の感染症について等、園のしおりや保育内容説明会で保護者に周知しています。感染症が出た場合には、速報を掲示し保護者に周知しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

歯科検診・内科検診の結果は記録し保護者に伝えています。三者(看護師、栄養士、保育士)連携集会の中で、健康について子どもたちへ知らせ、その内容を保護者にも掲示で伝えています。
毎月の身体測定の結果は看護師も把握し、体重が標準よりもオーバーしている子どもは、体格調査を行い栄養士も把握しており必要であれば、保護者と面接をしています。
「あいうべ体操」を行っていましたが、現在はコロナの関係でお休みしています。例年は歯科検診で虫歯のある子どもには、特に丁寧に磨き直しをしていますが、今年度はコロナ禍のため実施できていません。カウプ指数は児童票に記載されています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

アレルギー疾患のある子どもに対して対応マニュアルをもとに子どもの状況に応じた適切な対応を行っています。入園時に面談で状況を確認し、保護者はアレルギーに関する書類を市に提出し、その後園長、看護師、栄養士、保育士で情報を共有します。毎月の献立表も個別のメニューを作成し、保護者から同意書をもらっています。献立と照らし合わせ栄養士、給食室、毎朝のミーティング、配膳時にチェックをして、提供しています。
食物アレルギー児には、個別のトレーで配膳しテーブルや台布巾、コップや口ふきタオルの保管も個別にしています。保護者にも園内に食べ物を持ち込まないように注意喚起をしています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食に関する豊かな経験ができるように、食育の年間計画が作成されおり、子どもたちが色々な食材を楽しみながら味わえるようにしています。落ち着いて食事ができるよう時間差や少人数での食卓、個々の子どもの摂取量や好み等に配慮した援助をしています。0、1歳児は職員が近くで見守りながら苦手な食材は小さく切ったり、量を加減しながら少しでも食べられるように工夫しています。
季節に合わせた食材やメニューを毎食ごとに紹介したり、絵本やままごと遊び等、遊びの中でも食への興味関心を高められるように取り組んでいます。食育の園内研修グループによる食育集会、食育のケース検討、栄養士面談、親子収穫など保護者も巻き込みながら取り組んでいます。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

離乳食の子どもは体調やお腹の状況を保護者と話し合い、初めての食材は、家庭で食べてから園で提供しています。誕生会ではカレーに旗をさしたり、七夕、クリスマスなど行事の会食も楽しくおいしい食環境の提供をしています。給食の委託業者とは、業者の栄養士、園長、栄養士、給食担当で月に1回の給食会議をし食事提供に関しての意見交換をしています。委託業者と市の栄養士のダブルチェックで衛生管理を徹底しています。
乳児クラスではできるだけ同じ職員が関わるようにし個別の喫食状況を丁寧に把握しています。
配慮食については、ドクターの指示のもと体調に合わせ保護者に配慮シートを記入してもらい提供しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者会、個人面談、保育参加、参観を行っています。園だより、クラスだより、給食だより、ほけんだよりを配布し園での様子を文章や写真を通して伝えています。
毎日の連絡帳や保育記録、個人面談、懇談会で伝えあう機会を多く持っていますが、今年度はコロナ禍の緊急事態宣言もあり、日程を変更した懇談会も中止になってしまいました。今年度は保護者との会話もいつも通りという訳もいかず、直接話す機会が少なくなってしまっているので、園で栽培したものを親子で収穫して自宅で食べてもらったり、園庭のみかんを年長児が持ち帰り、自宅で食べてもらって感想を食育ボードに貼ったり、親子の会話にもつながるよう工夫をしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

入園の際に家庭状況や保護者の意向を良く聞き取り、保護者の立場に立って考え、対応することを心掛けています。日々の会話やコミュニケーションを丁寧に行い保護者が相談しやすい雰囲気や関係性を作れるようにしています。懇談会、連絡帳、個人面談を通じて保護者と子どもの育ちを共有し、一緒に子育てをしていく意識を高められるように努めています。相談内容に応じて担任だけでなく、園長や発達相談支援コーディネーター、栄養士、看護師も面談を行っています。発達相談支援コーディネーターによる座談会も行っています。今年度はコロナのため中止しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

 一日一回は必ず着替えを行い、子どもの身体に不審な傷やあざ等がないか確認しています。発見した場合は、まず速やかに職員間で共有し、傷の理由を把握するようにしています。子どもや保護者の表情や会話からも異変がないか確認をしています。異変があった場合にはマニュアルにそって、日誌や児童票に文章や写真で記録をとり必要に応じて児童家庭課や児童相談所と連携をとっています。
家庭の状況等により保護者が精神的に不安定な様子の時は、職員間で情報を共有し、対応する職員を固定したり、精神面で支えとなれるよう配慮しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

日々の保育に対する評価、反省は日誌に子どもの姿をもとに具体的に記録を行っています。今年度から毎月の保育の反省をエピソード記録をもとに行うようにしました。子どもの姿からの保育の振り返りを職員会議の中で行い、保育の質の向上に努めています。
クラス内、乳児会議、幼児会議、全体の会議、園内研修、研究会等、常に振り返りを行い、意思の疎通や学び合いにつなげています。
人事評価で年度の始まりに業務目標をたて、目標に対しての振り返りを園長と年間3回面談等も行っています。職員は自己評価に基づき、保育の改善や専門性の向上に取り組んでいます。