社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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あゆみ保育園 鶴見

2021年03月08日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 学研データサービス

② 施設・事業所情報
名称 あゆみ保育園 鶴見 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 96 名
所在地 230-0061
神奈川県横浜市鶴見区佃野町2-19
TEL 045-718-5615 ホームページ https://www.hoikuen-ayumi.com/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2018年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 恵泉会
職員数
常勤職員:15 名
非常勤職員:6 名
専門職員
保育士:21 名
栄養士:1 名
調理員:3 名
施設・設備の概要
居室等:保育室6室、一時保育室、調理室、事務室、遊戯室、園庭
設備等:駐車場、駐輪場、エレベーター、ウッドデッキ、冷暖房完備、床暖房

③ 理念・基本方針
 子どもの人権を尊重しながら、働く保護者や地域の多様化する要望に応える。                                                                          
 子どもの人間形成の大切な時期に、長時間過ごすもう一つの家庭として、保護者と共に、子どもの
最善の利益を守り、児童福祉の増進のために積極的に家庭支援を行う。
 児童の最善の幸福のために家庭と一丸となり、思いやりの三原則(手伝う・励ます・感謝する)をモットーに
より良い保育環境を目指す。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
 園では「ヨコミネ式教育法」を取り入れて、子どもの生まれ持っている「可能性」を最大限に引き出し、チャレンジ精神を育てることを大切にしています。0、1歳児からフラッシュカードを楽しみ、2歳児からは色カード、ひらがなカード、名前カードなど各カード学習のほか柔軟を行っています。幼児クラスになると体操に取り組み、逆立ち歩き、ブリッジ歩き、側転、回転跳びができるようにしています。4歳児からは外部の講師を呼んで、和太鼓を行っています。これらの取り組みは一見早期教育のように見えますが、園では「○○ができた」という活動の結果ではなく、がんばって取り組むチャレンジ精神や、できた時の喜びの方を大切にしています。子どもによって意欲や能力に差がありますので、画一的な指導ではなく、個々の意欲や能力に応じて指導しています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/07/01(契約日) ~2021/01/28(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 0 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ◆ 子どもたちの健康や安全を守るために工夫しています
 子どもたちが毎日、快適に過ごせるように保育室や園庭など、園舎内外は明るく清潔です。玄関や保育室の床をはじめ階段の隅々まできれいに清掃されていて、清潔が保たれています。そのために衛生管理や安全などのマニュアルを用意し、施設内をチェックしています。園外保育では、1、2歳児は散歩、3~5歳児は園庭で持久走をするなど、体を使った活動を積極的に行っています。その際、熱中症に備えて水筒を持参したり、災害時に備えて防災頭巾を持参したりしています。園内では裸足保育を行っていますが、外靴を保育室に置き、災害時にはすぐに外に出られるようにしています。避難訓練は毎月、火災や地震などテーマを定めて行っています。

◆ ヨコミネ式教育法などを取り入れ、子どものチャレンジ精神を育てています
 園では子どものチャレンジ精神を育てることを大切にしています。例えば、3歳児から「ヨコミネ式教育法」や外部講師による和太鼓の指導を取り入れています。「ヨコミネ式教育法」では高度な体操や、読み、書き、計算のドリルに取り組んでいます。一見早期教育のように見えますが、「〇〇ができた」という活動の結果ではなく、がんばって取り組むチャレンジ精神や、できた時の喜びの方を大切にしています。子どもにも発達に個人差がありますので、個々の状況に応じて内容を考慮しています。職員も毎年研修を受けて適切な指導をしています。発表会で子どもの姿を見て感動し涙した保護者もいるほどで、こうした活動を保護者も評価しています。
改善を求められる点 ◆ 園運営の基礎である年間事業計画を具体的に策定されることを望みます
 現在の年間事業計画は園の紹介に終始し、保護者に配付するパンフレットのようです。事業計画ですので、園の理念や保育目標のもと、この一年間、園が取り組む事業、例えば保育活動や保護者との関係、地域との交流、子育て支援事業、避難訓練、職員の育成、給食など、取り組む事業の項目を一つ一つ挙げて、具体的な事業内容を示す必要があります。園は法人立の系列園の一施設ですので、園単独の計画を策定することが難しければ、本部との相談のうえ策定されてはいかがでしょう。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 今回初めて第三者評価を受審いたしました。コロナ禍の中、様々な制約がある中でしたが、職員間で話し合いをしながら色々と振り返りが出来て、良い機会となりました。
 行事等のアンケートで、保護者の皆さんからの声も沢山いただけていると思っていましたが、今回のアンケートではまた違った率直なご意見を聞けたので、それぞれをしっかりと受け止め、今後の課題としていきたいと思います。
 受審結果を一つ一つ振り返り、良い点は励みにしながら今後も維持しつつ、改善点等については職員と共に園全体で取り組んでいきたいと思います。
 第三者評価受審に際し、保護者の皆様にはお忙しい中のアンケートに回答いただきましたこと、
また、評価調査員の皆様に沢山の御協力をいただいたことに、大変感謝しております。
 ありがとうございました。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

 理念や基本方針は、園内で掲示するとともに、ホームぺージ、パンフレット、園のしおり(重要事項説明書)、「全体的な計画」などに記載され、職員や保護者に周知が図られています。職員に対しては、園のしおりを全員に配付するとともに、年2回の人事考課と職員の自己評価で周知状況を確認しています。また、毎月開催される職員会議の場で、職員が交代で読み合わせをしています。理念や基本方針は、保育園における事業経営や保育の拠り所であり、日々の事業活動は、その理念や基本方針を実現するために行っています。今後は理念や基本方針と日々の活動の関連づけをさらに明確にされることが期待されます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

 事業経営を取り巻く環境と経営状況の把握、分析については、法人本部で行っています。園からは、毎月の保育園報告書にて、在籍の子どもの人数などを報告し、本部にて経営分析を行っています。保育関連の福祉事業全体の動向、地域の福祉計画の策定動向や地域の待機児童数の推移、保育ニーズなどは、本部が横浜市や鶴見区からの情報提供や私立保育園の園長会など地域ネットワークを通じて把握している様子ですが、その詳細の確認ができませんでした。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

 法人や園の経営課題は、本部の理事長、事務局長、事務長が参加する経営トップの本部会議(毎週開催)と園長なども参加する幹部会議(毎月開催)にて決定されています。当園の現在の重要課題は、保護者対応の改善となっています。しかし、保護者対応以外に、経営環境分析、例えば、地域の保育ニーズ、職員の意向把握、教育・育成などの経営に関する重要事項を本部とともに検討されてはいかがでしょう。また保護者対応の改善という課題についても、職員とともに取り組まれてはいかがでしょう。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

 中・長期計画は、法人本部で策定しています。園の状況は、幹部会議の場などを通じて本部に報告され、中・長期計画に反映されています。中・長期計画は、令和元年度から4年の計画になっており、法人本部機能の充実・強化、経営基盤の安定、利用者・家族へのサービス提供の充実、地域福祉の拠点としての役割・使命の発揮、人材の確保と育成等が課題に掲げられています。本部から園への中・長期計画の周知徹底、単年度事業計画への反映等が今後強化されることを期待します。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

 単年度事業計画は、存在はしていますが、内容は園の概況説明と年間行事計画を記載したものになっています。今後は、中・長期計画との連動性を意識するとともに、各種の経営課題を抽出した内容に変更されることが望まれます。なお、「全体的な計画」の中に、本来の事業計画に記載すべき事項、例えば、衛生安全管理、災害への備え、子育て支援、職員の資質向上などが記載されており、これらの内容をさらに具体化した内容を盛り込んだ事業計画の策定が望まれます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:c】

 事業計画についての職員などの参画、計画の実施状況の把握、評価、見直し、職員への周知など一連の流れは確認できませんでした。今後は、中・長期計画と連動した事業計画を職員などの意見も取り入れながら策定され、組織一丸となって取り組んでいかれることを期待します。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

 事業計画の保護者への周知、保護者懇談会等での説明、よりわかりやすくするための工夫、保護者への参加促進の観点からの周知などは確認できませんでした。しかし、年間行事予定表は各家庭に配付されており、また、園だよりやクラスだよりなどを通じて、園での活動内容や次月の行事予定が伝えられています。今後は行事計画のみならず、事業計画を策定された後には保護者が理解しやすいよう周知されることを望みます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

 年間の各行事については、職員に担当が振り分けられ、準備・実施・反省まで各担当者が行う仕組みができています。職員会議等でそのつど進行状況を伝え、職員間で情報共有しています。行事の反省を踏まえて翌年度に生かしています。年度末には保育園自己評価を行い、良い点と改善点を知る機会を持っています。また、福祉サービス第三者評価も受審しており、外部による客観的評価を受ける体制ができています。日常の保育の改善については、経験豊富な主任、副主任が各クラス会議に参加し、アドバイスをするとともに園長へ報告しています。個々の活動を総括して次年度への課題と目標を文章化し、職員に周知してもらうなどの組織的な活動を強化されることが期待されます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

 自己評価や指導計画の評価は、各自や各クラスで行い、反省をもとに次月の保育につなげられるようにしています。また、会議等でも他職員からの意見も受けたり、今後どういう保育を工夫して実施していくかなど話し合ったりして見直しを行っています。毎年園評価や保護者アンケートも実施しています。課題や改善すべき点などは、会議録などで文章化されていますが、これらを取りまとめ、年間の事業報告や次年度の事業計画につなげる組織的活動がさらに行われることを望みます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

 組織図や役職者・職員の役割や責任は明確になっており、職務基準書にも記載され、会議でもリーダー・担任としてのあるべき姿を伝えています。園長は職員会議などで、自らの考えを職員に伝える場面を設定しており、その役割を果たしています。また園長と主任ともに今年度より当園に赴任したという難しい立場にありながら、園や各クラスの状況の把握、職員の掌握を協力して行っています。新任であるがゆえに、園長と主任が努力し職員との信頼関係を早く築いていこうとする姿勢が確認されました。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 園長は、園業務での業者とのやり取りには、必ず本部を通して許可を取っています。その進捗状況や事後の報告も行っています。職員に対しては、法人で定めている「望ましい保育士としての資質や態度」の中で、保育士間で協調性を持ち協力的になる、使命感と責任感を持つ、心身ともに健康である、愛と思いやりを持つ、乳幼児を理解し、保育技術を高める、を期待される保育士像として伝えています。また、言葉づかいについては、正しい言葉づかいや挨拶言葉を明記し、それを遵守するよう求めています。今後は園内研修でこのようなテーマを取り上げ周知を図られることを期待します。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

 園長は職員会議や乳児・幼児クラス会議に参加し、職員の意見を聞き、話し合いの場を持っています。また、各クラス会議には主任・副主任が参加し、その内容は園長に報告されています。それら各会議での職員の意見・提案に耳を傾け、より良い保育ができるよう努めています。また、保育士として守るべき事を20項目にまとめた「保育士の心得」を作成し、毎月、保育士が自己チェックを実施し報告してもらう仕組みがあります。「ヨコミネ式教育法」の研修には、今年度は職員の代表が参加しオンライン会議ツールを利用したリモート研修を行っています。OJT、研修・教育などさらなる内容の充実が望まれます。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

 園長は、毎月本部に業務報告を行い、幹部会議等を通じてこまかい業務報告を行っています。園の人事、労務、財務などの状況について本部の理事長など経営トップ層と相談しながら方向性を決めています。保育士の人材不足、人材補充や会計面については本部の人事や会計担当と協力しながら進めています。労務の重要課題である、有給休暇や休暇を取りやすい体制作りについては、主任がシフト表の作成を担い、職員の勤務調整を行っています。また園長は、毎年、職員と個人面談を行い、人事配置など職員の意見や要望を聞く機会を持っています。今後は経営改善や業務の実効性向上について、それを文章化し、職員に周知を図るなどさらに指導力を高められることを期待します。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

 法人が望む人材は「職員育成計画書」に示しています。法人の保育理念と保育目標の達成に向けて努力をする人材を求めています。職員の確保については、毎年、職員に意向調査を行い、来年度も継続して勤務を望むか聞いています。退職希望が出た場合は、補充を本部に申請しています。人材紹介会社で職員を募集したり、ホームページでも応募を募ったり、職員の紹介などを通じて職員を確保したりしています。職員の育成については、キャリアパスイメージの策定、職務基準書による明確化、各種業務マニュアルによる専門知識の標準化、チェックシートによる自己評価での振り返りを掲げています。職員の退職が多いということですので、今後は人材の確保と定着のための現状把握と課題の明確化にさらに取り組まれると良いでしょう。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

 全職員に職務基準書が配られ、職員一人ひとりの職位が明確です。今後、昇進に向けての意識を持ってもらうために、園長や主任は声かけやアドバイスを行っています。キャリアパスイメージにより、経験年数や役職に合わせた研修や職員に学んでほしい研修を提案して参加してもらっています。人事考課制度は、年に2回、自己評価書に基づく自己評価を行ったうえで、第1次評価者の主任が評価・採点し、それを基に園長による個人面談を実施しています。業務に対する評価のほか、人事上の意向や育成に関する話し合いが持たれています。人事考課や評価制度の内容の見直し修正を随時行い、職員評価の公平感の解消や職員の労働意欲向上につながるよう改善されることを期待します。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

 職員の不足があれば補充し、休みの希望を取ることのできる働きやすい職場作りを目ざしています。秋には、次年度の意向調査を行い、また、園長との個人面談を実施して、仕事の相談など話をしやすい場を設けています。有給休暇を年間最低5日間は取れるようにシフト調整を行っています。また、福利厚生面では、運動会後の慰労会、忘年会や新年会、職員退職時慰労会などを行い、職員間が打ち解けられる場を多く作っています。職員の労働意欲向上と定着率向上のための施策がさらに実行されることを期待します。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 園長は職員が作成した自己評価票を基に、年2回の個人面談を行っています。半期ごとの業務の反省や今後の課題を聴取し、次期の目標を設定し、指導やアドバイスを行っています。自己評価書では業務方針・指示の理解、あいさつ・マナー、向上心・創意工夫、規律遵守、責任感、協調性などが評価要素となっています。また、次年度のクラス担当の希望を聞き、できる限り希望のクラスに配置し、意欲を持ってクラス運営をできるようにしています。職員の質、経験、成長を考慮しながら、職員の組み合わせにも配慮しています。個人別の育成・研修計画などがさらに充実されることを期待します。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

 研修は職員の資質向上のために重要と位置づけ、園内研修や外部研修を年間計画として立てて実行しています。園内研修は感染症や応急措置、保育者としての心得などをテーマに、また外部研修は、職員が横浜市や鶴見区、大学の研修リストから研修を選び、具体的に研修計画を作成しています。園長が指名して必要な研修を受講してもらうこともあります。また、「ヨコミネ式教育法」については、実施園見学や職員の代表派遣による研修受講とその伝達研修を行っていますが、今年度はオンライン会議ツールを利用したリモート研修を行いました。また研修報告書を書き、その研修の成果を共有しています。虐待やアレルギー対応など研修内容をさらに充実されることが期待されます。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

 キャリアパスに基づき、自分の現在の職位の状況確認を行い、将来の向上に向けたイメージが持てるようにしています。園長との個別面談により、職員一人ひとりが今後の研修や資格取得の計画を立てられるようにしています。本人に適した研修に参加し、知識や技術を学べるように最大限努力しています。中途採用者や非常勤職員も教育や研修の場に参加できるようにしています。リーダー層には外部研修で県の保育エキスパート研修が受講できるようにしています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

 まだ実習生を迎え入れたことはありませんが、実習生がクラスに入った時のことを想定して、どのように実習生を教育し、実習を進めるかについて職員間の話し合いの場を持っています。実際に受け入れた際には、実習生の意向や要望も聞き入れて実施していく予定です。開園して2年が経ち園内の保育も落ち着いてきたことから、今年度から実習生の受け入れを検討していましたが、新型コロナウイルス感染症予防のため、現段階では見合わせています。今後は積極的に受け入れる予定でいます。なお今年度は、「見学実習」という内容の実習生の受け入れを行いました。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

 保育理念や基本方針、保育目標を玄関に掲示し、ホームぺージには理念・基本方針・目標のほか、園の概況紹介、「ヨコミネ式教育法」による日常の保育や行事の様子などを写真で紹介しています。苦情・相談は、常時、玄関に記入用紙と投書箱を設置し、園の相談窓口や外部の第三者委員の連絡先も明示し、いつでも受け付けられる事を知らせています。また、第三者評価の受審とその内容結果公表、園だよりの保護者への配付、園庭開放や敬老の日に地域の老人を招待するなど地域に向けて開かれた保育園を目ざしています。さらに、多面的な地域との交流を行い、地域住民に身近な存在になれるよう期待します。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

 法人としての運営の透明性に関しては、法人及び系列3園の事務、経理、取引等本部の事務担当が職務分担に則って行っています。また、監査支援や適正な運営や経営改善のため、外部の公認会計士にアドバイス・助言を依頼しています。園に集金があった時などは、園長・主任・副主任でチェックするなどして透明性の高い確認方法を取っています。内部監査制度はなく、法人本部が事務、経理、取引など一括処理・管理しています。今後は、公正かつ透明性の高い経営・運営をさらに意識した取り組みがなされることを期待します。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 地域の図書館や鶴見神社、近隣の小学校(1年生体験)、そして日常的に近隣の公園に出かけています。また、地域の高齢者施設の高齢者を園に招待して、いっしょに歌をうたったり、勤労感謝の行事として地域の消防署や郵便局を訪問し手作りプレゼントを渡したりして感謝の気持ちを伝えたりしています。今年度はコロナ禍のため交流する機会を減らしていますが、七五三のときには鶴見神社に出かけました。こうした活動は、園だよりや写真を玄関に貼って保護者に知らせています。地域交流についての園の考え方は「全体的な計画」に示されていますが、子どもの社会体験の場を広げることが社会性を育てるための大切なプロセスであることをさらに意識され、子どもと地域との交流の機会を可能な範囲で増やしていかれることを期待します。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

 「実習生・ボランティア受入れマニュアル」を作成して、ボランティアの受け入れの準備を整えています。しかし、これまでボランティアを受け入れた実績はなく、受け入れ時の職員の対応などの研修は実施されていません。小・中学生の職場体験などや地域住民のボランティアの受け入れを地域社会と園とをつなげる取り組みとして計画に位置づけてはいかがでしょう。そのため地域の小・中学校には職場体験などで受け入れる用意があることを、また地域社会にはこま回しやたこ揚げ、絵本の読み聞かせなど、子どもたちといっしょに楽しんでくれる方を受け入れる用意があることなどを発信されてはいかがでしょう。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

 園の事務所には、地域の消防署や警察署、医療機関、小学校、鶴見区役所、横浜市東部療育センター、中央児童相談所など、園が連携する関係機関の電話番号など連絡先を掲示して、いつでも連絡できるようにしています。地域の消防署や警察署には、避難訓練の際に、実地指導を受けています。今年度はコロナ禍のため開かれていませんが、区の私立保育園園長会議や幼保小交流会とは連絡会を持っています。虐待防止や育児困難家庭については、区のこども家庭支援課や市の中央児童相談所と連携する仕組みを整えています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

 地域の福祉ニーズについては、主に園見学の保護者や、鶴見区の子育て支援活動「あつまれ!えがお!」にお手伝いとして参加した際に、参加者した保護者から福祉ニーズなどの意見を聞いています。そのほか、県の社会福祉協議会から送られてくる資料や鶴見区の私立保育園園長会などから情報を収集し、区の待機児童数の推移や新規開設園などの情報を得ていますが、今後はさらに積極的な取り組みが期待されます。園見学の保護者からは、離乳食の進め方を知りたいとか、しつけはどのようにすればいいのか知りたいなどの要望に応じて相談にのっています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

 園では地域の子育て支援事業として、一時保育や園庭開放、育児相談、絵本の貸し出しなどを行っています。一時保育については、利用者の申し込みがあれば受け入れていますし、園見学者の育児相談にも応じています。しかし今年度はコロナ禍のため、絵本の貸し出しは中止しています。園の敷地内2か所に、周辺住民のためにゴミ集積所を設けて、街の美化活動に貢献しています。災害時の水や食料は、子どもたちのために3日分備蓄しています。地域とのかかわりについては、園の全体的な計画に明記していますが、今後は事業計画を策定し明示されることを望みます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 園の保育理念に、子どもの人権を尊重すること、子どもの最善の利益を守ることを明示しています。職員の業務にあたっての心得は職員職務基準書に示されています。望ましい保育士としての資質や態度、人権に配慮した保育などの項目を設けて、まず子どもの人権を尊重することを大切にしています。また事務室には人権ポスターを掲示し、職員が常に意識できるようにしています。性差を意識しないように子どもの園服は男女共通です。こうした基本方針は、入園時に保護者に説明しています。職員は年2回、自己評価書で自らの業務を振り返っていますが、評価の項目に子どもの人権についての項目を設けられてはいかがでしょう。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

 子どものプライバシー保護については、園では「プライバシーの保護マニュアル」を作成し、職員の理解を図っています。職員の入職時には説明し、子どものプライバシーに配慮した保育が適正に行えるように教育しています。子どもがおもらしをした場合は、ほかの子どもに見られない場所でおむつ替えをしたり、夏場のプール指導のときは周りに目隠しをしたりして外部からの視線を遮っています。こうした子どもたちの羞恥心に配慮した取り組みは、必要に応じて保護者に説明しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

 園の情報はパンフレットやホームページで発信しています。パンフレットは園見学者に配付して、園の説明をする材料にしています。ホームページには、園が力を入れて取り組んでいる「ヨコミネ式教育法」を紹介し、日常の保育活動を写真で紹介しています。園見学日は園行事の日を除けば、保護者の希望に合わせて受け入れ、園長、主任が園内を紹介しています。できるだけ実際の保育活動を見てもらうようにしています。昨年度は、約100名の園見学者を受け入れました。開園3年目で、パンフレットはまだ地域の関係機関に置く機会がありませんので、今後は園情報の地域への周知に努められると良いでしょう。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

 入園にあたっては説明会を設定し、園の保育内容や規則などを説明します。その後、保護者から子どもの性格やくせ、アレルギーの有無などを聞いて入園後の保育に生かしています。説明にあたっては「園のしおり(重要事項説明書)」で項目ごとに説明をします。重要事項説明書の中の特に重要な部分は赤字にして目立つように工夫をしています。説明後は保護者から園の保育に対しての同意書を受けています。あわせて子どもの個人情報の取り扱いに関する同意書も受けています。言葉の通じない外国籍の保護者には、身振り手振りで説明し理解を深めています。なお、園が力を入れて取り組んでいる「ヨコミネ式教育法」についても、「園のしおり(重要事項説明書)」で説明しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

 子どもが転園する場合は、保護者や転園先から求められれば、転園届を発行しています。卒園にあたっては、卒園児やその保護者に、小学校やその後の生活で困ったことがあれば、相談に来るよう勧めています。今のところ卒園児や保護者から相談を受けたことはありませんが、園長と主任を窓口とした相談体制は敷いています。前年度の卒園生には手紙を配付し、園のお祭りに招いています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 朝夕の送迎時には、保護者とコミュニケーションをとり、子どもが園生活を楽しんでいるか聞いています。また、運動会や親子遠足、発表会などの園行事の際は、保護者アンケートを行い、園行事の感想を聞くとともに、園への満足感や今後の要望も聞いています。年度末にも一年を振り返って保護者アンケートを行い、結果を次年度につなげています。アンケートの集計結果は、玄関に文書掲示して保護者に伝えています。園には保護者会組織がありませんので、懇談会や個人面談の際に保護者の意見や要望を聞いています。園長と主任ともに今年度より赴任したばかりですので、保護者との関係構築と満足度向上に向けたさらなる取り組みに期待します。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

 園の苦情解決制度については、「重要事項説明書」「ご意見・ご要望の解決の仕組みについて」「苦情申出窓口の設置について」に掲載し、保護者に配付して説明しています。今年度の初めに寄せられた苦情については、内容とその解決方法を「苦情報告書」に記録しています。個人が特定されない苦情や公開した方がいい苦情については、玄関に文書掲示して保護者に伝えています。今年度は新型コロナウイルス感染予防のため保護者との長時間の対話も控えなければならない状況ですので、さまざまな工夫により保護者が園に意見を言いやすいようにしていかれると良いでしょう。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

 園の苦情解決制度の中で、園以外の苦情相談窓口として、第三者委員や鶴見区福祉保健センター、横浜市福祉調整委員会、神奈川福祉サービス運営適正化委員会の連絡先を紹介しています。しかしながら、今回の利用者結果においてこれらの認知度は低く、今後はさらに保護者にわかりやすく説明されることを期待します。園には相談室があり、相談を受ける場合には相談室に案内し、他の保護者や職員から話を聞かれることのないよう配慮しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

 朝夕の送迎時には、新型コロナウイルス感染予防に配慮しながらも職員は保護者と積極的にコミュニケーションをとって、保護者の意見や要望を把握するよう努めています。園行事の際も保護者アンケートを行い、保護者の意見や感想を把握しています。玄関にはご意見箱を設置し、保護者が意見や要望を記入するシートもその脇に置いています。保護者から苦情を受けた際から解決に至るまでに、苦情申出書、苦情受付書、苦情受付報告書、話し合い結果記録書、改善結果報告書の様式に記録しています。また苦情解決体制の詳細は「苦情申出窓口の設置について」の文書に掲載されていますが、これらの様式も含め定期的な見直しをされると良いでしょう。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

 リスクマネジメントの責任者は園長です。防災・安全の年間計画が立てられ、避難訓練、防犯、交通安全、事故防止の観点から指導内容と留意点が整理されています。事故発生時には「事故報告書兼自己記録簿」に記録者が詳細を記入し、園長と主任が確認する仕組みです。また、ヒヤリハット記録もつけ職員は閲覧して情報共有しています。他園の事故などの報道があるときは、職員会議で議題にして今後の危険回避に生かしています。マニュアルは不審者対応や防災対応、事故防止、感染症予防などリスクごとに定めています。避難訓練では、消防署や警察署の協力のもと消火訓練や交通安全などの実地の指導を受けています。身の回りの危険はヒヤリハット表で園内や園外の危険箇所をチェックし、職員間で情報共有しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 感染症についてのマニュアルを設けて、各保育室に置いていつでも確認できるようにしています。今年度8月に感染症対応マニュアルの改訂をして職員に必ず確認するように伝えています。子どもには手洗い、手指の消毒、3~5歳児にはうがいの習慣をつけるように指導しています。職員にもテーブルや扉、おもちゃなど、日常、手で触る場所はアルコール消毒をするよう指導しています。保護者にも手洗い、消毒、マスクの着用をお願いしています。感染症が発生したときは、玄関に文書掲示して、現在の園の状況と予防策を保護者に伝えています。本園の看護師による園内研修にも取り組んでいます。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

 防災訓練・台風・火災・地震などの対応も文書化され、災害時の役割も明確です。通報連絡班や避難誘導班、消火班、救護班、搬出班など、災害が発生したときの避難のための職員体制を決めています。防災・安全の年間計画に基づいて毎月、地震や火災、不審者、水害などを想定した避難訓練を実施していますが、それぞれの役割を適正に果たせるか確認しています。また緊急時に備えて水や食料品などの備蓄品を3日間備えています。災害時の救助を要請するために、医療機関や消防署、警察署などの関係機関の連絡先は事務所に掲示しています。今後は大きな災害が起きた後の保育の継続について、また園を一旦閉じることになった場合の再開条件などを明記した事業継続計画を作成されると良いでしょう。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:c】

 職員の一日の業務内容とその手順を示した文書は作成されていません。新人職員には必要なガイドですので、早めに整備されてはいかがでしょう。新人職員には主任がついてOJT(職場内教育)を行っています。職務を適正に行っているか、職員は年2回自己評価を行い、主任が確認しています。子どもの尊重やプライバシーの保護など、保育に取り組むときの心得は「職員職務基準書」に示され、入職時に配付して確認できるようにしています。園では「ヨコミネ式教育法」に基づく指導を実施していますが、子どもの発達や習熟度に応じて指導しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

 保育の標準的な実施方法については文書化されていませんが、実施内容については年度末に見直しをしています。また、見直しの際には、職員会議での職員の意見や、保護者から寄せられる意見や要望なども大切に考え参考にしています。今後は保育の標準的な実施方法を整理して文書化し、各種指導計画の状況とも照らしながら、組織的に検証・見直しを行い、記録していかれることを望みます。保育業務を適正に行うために、登降園時や園外保育、掃除の手順、おむつ交換、災害時などのマニュアルは用意されていますが、マニュアルも定期的に見直していかれると良いでしょう。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

 入園が決まった家庭には児童票連絡票、入所までの生活状況、食事調査書などの書類を渡し、2月末の入園面接の際に提出してもらいます。入園後の子どもの様子や発達状況も定期的に記録しています。「全体的な計画」のもと年間指導計画や月案、週案を作成しています。指導計画策定の責任者は園長と主任で、子どもの様子や保護者の意見や要望なども勘案して指導計画に反映させています。0~2歳児や障がいのある子どもには個別指導計画を担任が作成し、職員間で保育内容を共有しています。配慮の必要な子どもの場合は、横浜市東部療育センターや保護者と連携し、その子どもにとって適切な対応を行えるようにしています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

 年間指導計画には「一年間の反省」、月案には「評価・反省」「来月への課題」、週日案には「自己反省」の項目が設けられており、担当が振り返りをして記入後、主任と園長が確認をして、次の計画に生かしています。各種指導計画の評価・見直しにあたっては、標準的な実施方法に反映すべき事項など保育の質の向上にかかわる課題をさらに明確にしていかれると良いでしょう。指導計画を緊急に変更することは、個別指導計画の場合が多く、子どものや保護者の状況の変化に従って変更しています。保護者の意向も個別指導計画に反映させています。評価した結果は次年度の計画に生かしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

 子ども一人ひとりの状況は、育成記録、週案日誌などに記録しています。毎月、乳児会議や幼児会議、職員会議で子どもの状況、特に配慮の必要な子どもの状況を園全体で共有します。それをもとに年4回、個別の「育成記録」に記録します。この記録は入園してからの記録で、個別ファイルにして卒園まで記録をしています。書き方に間違いがないか主任と園長がチェックをしています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

 園では「プライバシーの保護マニュアル」に従って、子どもの個人情報を管理しています。情報によっては法人で保存期間や廃棄の基準が決まっています。児童票は事務所の鍵のかかる書庫で保管し、閲覧が必要な場合は、園長の許可を得て事務所内で閲覧します。個人情報の扱いについて、職員は入職時に教育を受けるとともに、定期的に職員会議で確認しています。子どもの名前や写真は、園内掲示やホームページで使用していますが、入園時には保護者に説明し、保護者から同意書を得ています。また、保護者にも行事などの写真や動画をSNSや動画サイトなどに掲載しないよう園のしおり(重要事項説明書)に明記し説明しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

 「全体的な計画」は、法人内の本部役員や園長が集まり作成しています。子どもの最善の利益、児童福祉の増進、家庭支援など、児童憲章や児童福祉法、保育所保育指針などの基本精神をとらえて記載されています。また法人の保育理念や保育方針、保育目標や子どもの発達過程を考慮して作成されています。今年度は、外国籍の子どもが複数在園しているという当園独自の実態も踏まえて作成しています。年度末には1年間の振り返りを職員会議や乳児会議、幼児会議などの会議で行っています。「全体的な計画」は、保育にかかわる職員の参画により創意工夫して作成されることが望まれます。園では次年度に向けて「全体的な計画」の作成会議を全職員で行い見直していく計画ですので、今後の取り組みに期待します。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

 各保育室にはエアコンや室温計、湿度計を設置し、空調管理を行っています。今年度は特に新型コロナウイルス感染症予防のため、空気の循環を良くするために扇風機を回し、換気も30分~1時間ごとに行っています。室内と戸外の温度差が2、3度になるように室温調整を行い、その後チェック表に室温を記入しています。家具や遊具は子どもの動きを考えて危険のないように配置しています。0歳児の敷布団は週1回の天日干しと、年1回業者に依頼して布団乾燥を行っています。1~3歳児はコット(簡易ベット)を使用しています。使用後は次亜塩素酸水で消毒をして衛生管理を行っています。乳児室では食事スペースと睡眠スペースを分けて、落ち着いて食事をしたりくつろいだりすることができます。トイレは明るく清潔で、滑りにくいソフトすのこを敷き、ゴミ箱はふた付きにするなど子どもが安全で利用しやすいようにしています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

 子どもの発達の記録は、子ども一人ひとりに「育成記録」として残しています。その「育成記録」を基に個々に合った援助や声かけができるようにしています。「ヨコミネ式教育法」の活動では、個々のレベルに合わせて挑戦する気持ちを大切にしています。表現する力が十分でない子どもには、子どもの表情から気持ちを読み取り、その子の思っていることを代弁し気持ちに寄り添う対応をしています。職員が子どもに話しかけるときは、顔の表情や声のトーンに気を配るようにしています。子どもに「~しなさい」ではなく、「~しましょうね」などと、子どもが前向きに行動できるよう声がけをしています。職員間でも確認しています。言葉づかいに関しては、園が作成している「保育士の心得」にもありますので、毎月確認も行っています。同じ場所に大勢が集まるときや次の活動に移るときなどは、せかす言葉をかけてしまいがちですので、さらなる言葉かけの工夫が望まれます。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

 食事や排せつ、昼寝、着脱などの基本的生活習慣については、入園時に子どもの「入所前の生活状況」を保護者から受けて、入園後の生活習慣の獲得に生かしています。0歳児からの指導を大切にして一人ひとりの子どもの状況に合わせてさまざまな活動を行っています。自分でできた時は大いに褒め、生活習慣が身につくように援助しています。月案の中でも「出来ないところはさりげなく援助し、自分でやろうとする気持ちを大切にして、できた時はおおいに認める」と書かれています。3~5歳児は見通しをもって生活が送れるように、朝の会で一日のスケジュールを伝え、強制することなく自ら考えながら行動する力を養っています。また3~5歳児には「なぜ手を洗わらなければならないか」など、子どもに理解しやすい言葉を使い、生活習慣を身につけることの大切さを伝えています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

 一日の保育の流れは大まかに決められていて、自由に遊ぶ時間は限られています。0~2歳児の保育室には遊びのコーナーを設け、ままごとやブロックなどの遊びが自由にできる環境にしています。3~5歳児の各保育室には棚があり、中にはカルタや絵本、粘土、パズル、ゲームなどを自由に取り出せるようにしています。また朝の会の後は、園庭でかけっこをするなど、戸外で遊ぶ時間を確保しています。友だちとトラブルが起きたときは、お互いの気持ちを聞き、自分たちで解決ができるよう指導しています。こうした活動で社会的なルールや態度を身につけるようにしています。園庭に土を囲って畑を作り、さつま芋やほうれんそうを植えて、自然と触れ合う機会を作っています。地域との交流については、町会の交流館での敬老交流会は、コロナ禍により今年度はできませんでした。しかし、夏祭りやお楽しみ保育の際には、地域の商店街に買い物に行くなどして、地域の人たちと接する機会を作っています。さらに子どもが主体的に活動できる環境の工夫が期待されます。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

 0歳児の保育室は、段ボールの板をパーテーションにして、食事スペースと遊ぶ空間を分けています。落ち着いて食事をして、食べ終わった子どもから遊びの空間で遊べるようにしています。0歳児ははいはいをする子どもがいますので、床は段がなく清潔に保たれています。風船やボール、新聞紙ちぎりなど指先を使った遊びを多く取り入れています。職員の勤務は遅番や早番があります。職員がどの子どもとも愛着関係がもてるように担当制にはしていませんが、子どものきげんや体調から、目を見て話しかけたり、子どもの表情に合わせて抱っこをしたり、あやしたりして子どもの心に寄り添って保育をしています。喃語にもゆったりと対応して、子どもたちの情緒の安定を図るようにしています。睡眠や排せつなどは、家庭との連携が取れるように連絡帳を毎日記入したり、送迎の際には口頭で伝え合ったりしています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

 自我の発達が目覚ましく、何でも自分でやりたがる年齢なので、着替えや食事などは時間がかかることを想定して、時間的にも余裕をもってかかわり、子どものやりたい気持ちを尊重しています。また、かみついたり、ぶったりする行為は、職員が見つけたら止めるようにしますが、起こってしまった時には、すぐに冷やして「痛かったね」「かむと痛いからやめようね」と、お互いの気持ちを繰り返し代弁しています。その時の状況は、基本的には担任が保護者に伝え、家庭との連携が密になるようにしています。また、異年齢の子どもとの交流は、同じ場所で遊ぶ機会を設けて、年下の子に優しくしたり、年上の良い所をまねできるように声かけをしたりしています。子どもたちが遊びを中心にした自発的な活動ができるよう、さらなる環境の整備や保育方法の工夫が望まれます。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

 3~5歳児の保育室は2階にあり保育環境が大きく変わります。集団生活に慣れてきているので、「ヨコミネ式教育法」のドリルに取り組みはじめます。4歳児は3歳児で始めたドリルに自分から取り組み、友だちといっしょに楽しみながら自分の力を発揮しています。5歳児は運動会で「ソーラン節」を踊る時などは、友だちの動きを見ながら心を一つにして協力して踊っています。またブロックや積み木などの遊具については、みんなで協力して高く積み上げています。今後は、子どもたちがクラスの仲間と取り組む様子を就学先の小学校や地域の方々に伝える工夫をされると、なお良いでしょう。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

 園内には多目的トイレやエレベーターなどの設備があり、施設全体がバリアフリーになっています。障がいのある子どもについては、個別に障害児指導計画を作成して保育を行っています。横浜市東部療育センターや民間の療育施設などの専門機関とも連携しています。こうした施設から受けた助言は、乳児会議や幼児会議などで報告して、職員間で情報共有しています。保育の状況に合わせフリーの職員が支援しますが、子どもたちにはみな分け隔てなくかかわっています。保護者には、子どもの障がいの実態に合わせ情報を伝えています。保護者とは日常の生活や行事の際には、参加方法や配慮事項などこまかく連絡を取り合い、子どもがスムーズに活動できるように支援しています。障がいのある子どもや障がいの多様化などについて、今後は職員間でも知識や情報を得る研修をされると良いでしょう。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

 延長保育の時間帯は、1階の広い保育室を使い、カーペットを広く敷き、遊びのコーナーを2、3か所作り、子どもたちが家庭的な雰囲気の中でゆったりと過ごせるようにしています。年齢が異なる子どもたちが集まるので、絵本やブロック、ままごとなど好きな遊びを自分から選べるようにしています。18時以降の延長保育利用の子どもたちには、夕方にはおやつを提供しています。日中に職員と保護者との連絡が確実に取れるように、0、1歳児は個人への連絡ノートで、2~5歳児はクラス前の大きなホワイトボードで保育の様子や連絡事項を知らせています。その際、保護者が読んだことを確認できるように自分の名前の上に磁石を置くような工夫を行っています。長時間にわたる延長保育では、職員と保護者との連絡について、さらにきめこまかく配慮することが期待されます。職員間の引き継ぎについては、「伝達ノート」で伝えています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

 5歳児の保育室の机やいすの配置、小学一年生の教科書の配備、跳び箱や鍵盤ハーモニカなどの活用などから、小学校以降の生活に見通しがもてるようにしています。保護者にも保育室の環境や子どもの活動内容から、小学校での教育への見通しをもてるようにしています。保育所児童保育要録は担任を中心に、関係する職員も参画して園長の責任のもと作成しています。小学校へは職員が持参したり郵送したりして届けています。小学校から保育園での子どもたちや保護者の様子を知りたいと直接問い合わせがくることもあります。園の職員と小学校教員との合同研修会や意見交換会などは、お互いの都合で難しいこともありますが、今後、情報共有する機会を持たれることを期待します。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

 入園前に保護者から「入所前の生活状況」の提出を受けて、一人ひとりの子どもの健康状態を把握します。園には感染症予防やおむつ交換、呼吸確認など健康管理に関するマニュアルがあります。そうしたマニュアルに沿って、子どもの健康管理をしています。また年間保健計画を作成し、月ごとに健康に関するテーマを決めて保育をしています。保護者には「園のしおり」で、伝染病が発生したときの対応方法を説明し、「保健だより」でも月々の取り組みを伝えています。伝染病が発生した場合は、玄関の掲示板で情報を発信しています。事故発生時には、「事故報告書兼事故記録簿」に記録を残します。今後は事後の経過や処理方法なども記録に残しておくと良いでしょう。乳幼児突発死症候群(SIDS)については、啓発文書を保育室の壁に掲示し、常に意識できるようにしています。午睡時には0歳児は5分に1回、1歳児は10分に1回ブレスチェックを行い、午睡チェック表に記入をしています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

 嘱託医による健康診断と歯科健診は、春と秋の年2回実施しています。内科健診のほかに、3~5歳児は尿検査、3歳児のみが視聴覚検査を年1回行っています。結果は健康台帳(個人カード)に記入し、事務室の鍵のかかる書庫に管理します。健康台帳が必要な時は関係する職員が情報共有して保育に生かせるようにしています。健康診断の結果は保護者に手紙で知らせ、さらに受診が必要な場合は、各家庭で医療機関に受診するように伝え、結果を園に知らせるよう伝えて、その後の保育にも反映させています。身体測定は全園児、毎月1回行い、測定記録を身体測定表に記入して保護者に知らせています。園での歯磨き指導は家庭での歯の磨き方に生かしたり、体重の増減は家庭での食事や運動、睡眠などの生活指導に生かしたりするよう伝えています。今年度は新型コロナウイルス感染症の流行で歯磨き指導は中止しましたが、健診の結果は家庭での生活に反映されるように期待します。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

 アレルギーのある子どもについては、入園前の保護者面談で把握し、医師からの指示書を受けて対応しています。入園後にアレルギー対応で病院を受診した際は、結果や経過を聞き保育に生かしています。アレルギー対応マニュアルに沿ってアレルギーチェク表を作成しています。給食やおやつでは、卵や小麦粉などのアレルギーの原因になる食材の除去食や代替品で対応しています。配膳の時は個人名と除去食材が書かれた専用のトレーを使い、調理師から担任に手渡すときは食材をチェックし合っています。食事の場所や介助方法は、子どもの年齢やアレルギーの様子によってテーブルの向きや位置を変えています。保護者には「園のしおり」や「ほけん便り」などで伝え、理解を得ています。今後はアレルギーのある子どもに関する知識や技術の修得のため積極的な研修が望まれます。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

 月案、食育年間計画は、子どもが楽しく食事ができるように考慮し計画が立てられています。特に0~2歳児は、食についても個人差が大きいので、週案や育成記録の中には手づかみ食べやスプーンの使い方など、発達に合わせた援助を詳しく記載しています。一人ひとりの食欲に合わせ食べきれる量を配膳し、食べ終えたときの満足感を味わえるようにしています。食材の野菜に興味をもち食べられるようにするために、園庭ではほうれんそうやさつま芋などを栽培しています。家庭には献立表や給食だよりの配付とともに、0、1歳児は連絡帳で、2~5歳児は掲示板で給食の様子を書いたり、玄関に給食のサンプルを展示したりして食に対する関心を深めています。今後は家庭の食生活との関連も視野に入れると良いでしょう。1~5歳児は月1回程度、「愛情お弁当の日」を設けたり、テラスで食べたりするなど、日ごろの給食と違った環境で食事を楽しく食べられるようにしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:b】

 給食は外部業者に委託しています。子どもの安全に配慮し旬の食材を生かして、子どもたちに望ましい食習慣が身につくよう園内で調理しています。食事の衛生管理はマニュアルに従って衛生的に行っています。日々の保育日誌や週案の中には、給食で気になることがあればコメントを記入しています。こうしたコメントは職員会議の場で議題に取り上げて、その後の献立に役立てています。子どもの一人ひとりの発育状況や体調を考慮して調理をしています。特に0歳児では、一人ひとりの歯の発育状況を見ながら食材をこまかく切ったり柔らかくしたりしています。ハロウィン、クリスマス、お正月など季節の行事に合わせて、見た目も味も楽しめるような行事食の工夫もしています。調理師や栄養士が直接保育室に行き子どもの姿を見に行くことは、業者の契約でできないことになっていますが、子どもの残食状況を見たり、担当職員と話し合って、献立や調理に生かしていかれることを期待します。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

 0、1歳児は食事や睡眠などの生活の様子が時間ごとにわかる連絡帳を使っています。各家庭にその日の子どもの様子を伝え、日常的に情報交換を行い、家庭との連携を図っています。2~5歳児はホワイドボードに一日の様子や連絡事項などを記入して、家庭との連携を図っています。個人的に伝えたいことは、送迎時に直接会って口頭で伝えています。行事や散歩の様子などは写真に撮り、園内に掲示をして子どもたちの様子を伝えています。また「えんだより」「クラスだより」「しょくいくつうしん」「ほけんだより」を月1回発行して、保育内容や園の考え方などを保護者に伝えています。今後も保護者と子どもの成長を共有できるようにしていかれることが望まれます。年度当初の新型コロナウイルス感染症の感染拡大による自粛期間においては、保育支援アプリを活用して園からの情報を発信して保護者との連携を行いました。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

 今年度は新型コロナウイルス感染症が流行したため、個人面談やクラス懇談会は開催できていませんが、保護者からの相談があれば時間を調整して積極的に相談に応じています。保護者から相談があるときは、担任や他の職員とも情報を共有して同じ対応ができるように取り組み、保護者が安心して子育てをできるようにしています。外国籍の子どもには言葉が通じなくても思いが通じ合えるように翻訳機を購入したり動作で説明したり、言葉のわかる保護者の手助けを受けたりして、お互いの気持ちが通じるようにしています。相談を受けた内容は、苦情受付書に記載し速やかに園長や主任に報告しています。相談内容によっては外部の第三者委員に助言が受けられる体制ができています。日々のコミュニケーションを通して、さらに保護者との信頼関係が築けるように期待しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

 虐待防止のためのマニュアルが整備されています。虐待の疑われる子どもを発見した場合の対応方法が、フローチャートでわかりやすく示されています。朝の受け入れの時には子どもの様子をよく観察したり、着替えの際に身体のチェックをしたりしています。虐待など権利侵害が疑われる場合は、すぐに園長、主任に報告します。園長は必要に応じて区のこども家庭支援課に連絡し、子どもの安全を図るとともに、保護者から話を聞いています。不自然なけがやあざを発見したら、情報が共有できるように個人のプライバシーを守りつつ写真を撮り記録として残しています。また保護者との日ごろの会話から、家庭の様子を把握し虐待防止につなげられるように心がけています。担任だけでなく早番や遅番の職員や園全体の職員で子どもを見守り、対応できるような体制ができています。今後はマニュアルを基に具体的に実践できるようにさらなる職員研修の実施が望まれます。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

 職員自身が自らの保育実践を振り返り、保育の改善や専門性の向上が図れるようにしています。法人では保育の質の向上に向けた取り組みとして、キャリアパスの策定、職務基準書による明確化、各業務マニュアルのよる専門知識の標準化、チェックシート(保育士の心得)による自己評価での振り返りなどが書かれた職員育成計画書を作成しています。その中のチェックシートを使って月ごとに定期的に保育を振り返り、成長を意識・実感できるようにしています。また、年2回振り返りを行い、自己評価書を記入し、その後園長と面接を行いさらなる向上に向けて話し合っています。その際、職員の職位に必要な能力やスキルを説明し、さらに向上できるように働きかけます。面接の際に出た課題などが、園の自己点検や自己評価の際にも同じように取り上げられ、園全体で改善につながっていくような取り組みに期待します。