社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

こむかい

2020年05月12日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社ケアシステムズ

② 施設・事業所情報
名称 地域密着型特別養護老人ホームこむかい 評価対象サービス 高齢者福祉サービス版
対象分野 特別養護老人ホーム 定員 29 名
所在地 212-0002
川崎市幸区小向仲野町1-3
TEL 044-540-0170 ホームページ https://www.misasakai.or.jp/shisetsu/minamisaiwai.php
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2013年05月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 三篠会
職員数
常勤職員:19 名
非常勤職員:21 名
専門職員
医師:1 名
看護師:2 名
機能訓練指導員:1 名
管理栄養士:1 名
調理員:2 名
介護支援専門員:1 名
施設・設備の概要
(居室数)29室:個浴3か所、特殊浴槽1か所、共同生活室3か所

③ 理念・基本方針
法人理念:歩・実・心
施設方針:利用者本位(子どもたちやおとしよりのことを中心に物事を考える姿勢)
      外部意識(保護者・家族、地域・ボランティア等お越しくださった方へのおもてなしの心や関わっていく姿勢)
      お互いさま(職員関係:お互いを尊重する)
      チャレンジ(ベストサービスへの挑戦:一歩前に踏み出す気持ち)

④ 施設・事業所の特徴的な取組
・ノーリフティングケアを施設全体で進めており、年間計画の基、1回/月実施している。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/05/16(契約日) ~2020/03/31(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(平成27年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ①利用者一人ひとりのニーズを把握して確実で丁寧な対応に取り組んでいる
・利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、放任、虐待、無視などが行われることのないようにすることは、事業計画書に明示して職員への注意喚起を促している。新入研修会では誤った言動などについての注意を促し、内部牽制体制作りに努めている。ケアのはじめには必ず声をかけ、利用者本人の了解を得ながら支援を進めたり、拒否が見られる際には時間をずらして対応職員を変えてみるなどの工夫をすることにしている。丁寧な対応は利用者調査や家族アンケートからも評価の声が聴かれている。
②食事を楽しんでもらうことに力を入れている
・法人として食事に関するアンケートを実施しており、意向要望を把握し、行事食を必ず提供できるよう献立作成に取り組んでいる。昼食時においては管理栄養士が回り、食事内容についてや意向について随時聴き取りを行って確認している。ユニットでご飯を炊くなど、香りへの刺激なども取り入れている。おやつパーティーやイベント食(お好み焼き、ハンバーガーなど)を行い、食事を楽しめるようにしている。食事アンケートの結果を具体的に活かすことに力を入れている。
③関係機関との連携を大切にして入居支援に取り組んでいる
・平成25年5月度より地域密着型特養として開設し、川崎市民を原則対象としている。現在、利用率も高く適切な情報提供により円滑な入居支援がなされていることがうかがえる。入居申し込みについては川崎市に直接申し込みをするようになっており、見学や問い合わせには適宜対応して市に申し込みを促している。また、地域の居宅介護支援事業所や医療機関からの問い合わせにも適宜対応し、関係者だけの見学にも対応している。
改善を求められる点 ①日常生活を豊かにする各種の取り組みを充実させることを目指している
・日常生活を豊かにする各種の取り組みは、利用者の要望を把握してユニットで計画している。また、法人が近隣で運営している特養と連携して各種のアクティビティ、行事、イベントなどにも参加を促している。ただし、利用者調査の「したいことをして過ごせることができるか」の設問に関してはさらに高い満足度が期待される結果であった。自由意見欄にも「心身の活性化に力を入れてほしい」とする声が聞かれていた。
②ユニットごとのコンセプト作りを目指している
・認知症状の利用者が多いことを踏まえ、安全で落ち着いた生活のできるよう、利用者の特性に配慮した支援に取り組んでいる。29名(29室)定員のユニットは、利用者の要望や状態に合わせた環境になっており、「その人らしい生活」が実践できるように配慮されている。本年度は、利用者一人ひとりの課題分析をもとに、ユニットのコンセプトを掲げることに取り組んでいる。ユニットの独自性を踏まえた、個性あふれるユニット作りに期待したい。
③利用者に還元できる社会資源に関する情報収集力を向上されたい
・川崎市民向けの地域密着型介護老人福祉施設となっており、入居募集は原則市民であり地域と馴染みの深い利用者が中心になっている。ただし、施設は開設後概ね5年が経過したに過ぎないことや、近隣についても大手のメーカーの多規模工場や国道の面した環境のため「地域社会が捉えづらい環境」にあることは否めない。現在利用者に還元できる地域の社会資源は脆弱であり、情報チャンネルについても把握できていないことが見受けられる。企業が地域との取り組みを模索していることも踏まえ、施設前のメーカーと連携を図ることも一考されたい。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
・今回の第三者評価を通じて施設が目指していることは、着実に具現化されつつあることが確認できております。家族アンケートの結果につきましては高い満足度をいただいており、安定したサービスを提供できていると思われます。ご利用者やご家族の意向や要望を反映したケアプランのもとに利用者一人ひとりの個別支援に特に力を入れております。また、「さらなる改善が望まれる点」につきましては、施設一丸となって地域や関係機関との連携を図りながらサービスの向上に努めます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

・法人理念として「歩・実・心」(あゆみのこころ)を掲げており、単年度事業計画の運営方針に骨子を落とし込んだり、個人目標を作成する際の指針としている。
・法人本部が新人研修において法人理念や基本方針などを説明し周知に努めたり、施設長が年初のリーダー会議において事業計画を説明する際にも法人理念に触れ、理解を深めてもらえるようにしている。
・施設方針は人事考課制度の上下期目標記入シートを通じて、職員への理解を促している。さらに、施設内に掲示し、利用者・家族・関係者の目に触れるようにしている。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

・事業経営については、毎月2回開催している定例会議において、現状の報告と課題の共有、具体的解決案の検討を行っている。
・施設全体の運営については、理事長、施設長、副施設長、事務長などの出席のもと3か月毎に開催している会議において検証することにしている。さらに、収支報告書を作成して毎月本部に報告しており、経営状況をまとめる中で前年実績及び予算と比較してそれぞれ差異を把握している。
・利用者(家族)などの意向や要望は面談において把握し、近隣地域や業界の動向などは各種会議、会合に参加して情報収集に取り組んでいる。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

・経営層は理事長や関東ブロックエリア長と定期的に運営会議を行っており、会議の中で収集した業界動向などの各種の情報を収集して、施設として取り組むべき経営課題を明確にしている。これら課題を解決するための具体的な取り組みを単年度事業計画の中に盛り込み、目標達成を目指して日々業務を遂行する仕組みが整っている。
・毎月のリーダー会議で各部署の課題を検討し、衛生委員会で職員健康状態、職場環境の改善に取り組んでいる。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・法人として中長期的なビジョンを掲げており、達成するために利用者への支援の在り方や支援体制を運営方針・支援方針として具体的な項目(個別支援計画、自立・自主性の助長など)をケアプランとして策定している。
・毎年作成している事業計画書に長期的な展望も盛り込んでいるが、さらに毎年、達成状況をトレースするまでには至っていないことを課題としている。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・法人として中長期事業計画を策定しており、「基本方針」「重点事項」などを明示している。
・施設では中長期計画を踏まえて年度ごとに単年度事業計画を策定している。本年度の事業計画書には、運営方針をはじめ、独自の状況に合わせた単年度の計画を策定し、施設の課題解決に努めている。
・年度末には当該年度の事業を総括して、事業報告書を作成している。事業報告書の記載事項については、「当初計画の達成状況や乖離、未達成事項」などを詳しく記載し、年度を振り返られるようにすることも望まれる。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

・事業の進捗状況については月単位で収支や業務遂行状況を把握し、運営概要としてまとめ毎月本部に報告している。
・運営概要を策定する過程で、各課題に対する取り組み状況を把握することができるようにしている。各部署毎の計画については前年度実績値と比較できるようにしたり、予算実績比較表で費目別に進捗率などを把握できるようにしている。
・事業の進捗状況については月単位でトレースし、必要に応じて情報や下方の修正を図るなど適切なマネジメント体制が整っていることはうかがえる。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

・現在、利用者や家族に対して、直接担当者などから事業計画の説明などは行われておらず今後の課題としている。ただし、事業計画書や報告書は施設の事務所に常置しており、いつでも閲覧できるようにしている。
・WAMネットには法人定款などを掲載していることから、法人のホームページにも事業計画書や報告書を掲載することも検討されたい。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

・施設運営全般を検証するリーダー会議に加え、各種の専門委員会(褥瘡予防・栄養管理、サービス向上、ノーリフティング推進、衛生、業務改善、リスクマネジメント・身体拘束廃止)を定期的に開催し、それぞれのテーマに沿って検証や改善に取り組んでいる。各種委員会を通じて、福祉サービスの質の向上について組織的に検討する仕組みができている。
・施設全体を対象に、ノーリフティングケア研修(座学・実技)を年間計画を策定し実施しており、施設長、相談員を含め、組織的に取り組んでいる。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

・業務推進のフレームとしては、リーダー会議において課題を明確にし、各委員会において個別案件に取り組む際の方向性を示唆することにしている。
・年間を通じて法人内、地域、施設内などの各種の研修に参加できるようにしており、それらの研修参加を通じても計画的な業務改善につなげている。
・相談員と介護統括主任が参加して各種の課題を検討する定例会議をはじめ、各種の委員会において課題に対して計画的な改善策を検討し、実施につなげている。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

・リーダー会議で管理者の役割と責任、法人及び施設の方針等を表明し、周知している。
・リーダー会議、定例会議、各種委員会、朝礼等、組織として運営について協議する場及び周知する仕組みができている。
・リーダー会議では理念などを実現するための役割と責任、それに基づき進むべき方向性を職員に伝え施設運営をリードしている。
・職員との個別面談の際にも自らの役割などを共有することにしている。
・各種の施設内研修の場を通じて、職員自身が全うすべき自らの役割と責任についても説明し理解を深めてもらえるようにしている。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・入職時には就業規則や服務規程の説明を行い遵守を徹底している。
・新人研修の場では個人情報の漏えいや虐待の防止などを徹底している。
・単年度事業計画書には職員勤務心得に関する項目を設け、守秘義務や接遇、利用者の呼称など守るべき基本事項の周知を図っている。さらに、虐待防止法や個人情報保護のマニュアルが整備され様々な場で確認されている。
・今回行った利用者調査や家族アンケートの、利用者の尊厳の尊重に関する各設問では高い満足度が得られており、適切な対応がなされていることがうかがえる。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・サービスの質の向上のために様々な面からケアプランを考察しており、関係機関との情報交換や家族との関わりを深めるようにしている。
・利用者一人ひとりのニーズに応じたサービスの提供や相談体制を整えている。これら施策を実行するためにも研修参加などを通じて職員の人材育成にも取り組み、安定した事業運営ができるよう指導力を発揮している。
・ノーリフティングケア研修では、管理者も参加して職員に対して組織として推進していることの理解を率先して示している。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・利用状況を踏まえた予算を立て、改善の必要な部署にはニーズに合ったサービス提供が行えるように業務の見直しに取り組んでいる。
・月単位で収支や業務遂行状況を把握し、各部署ごとに計画立案した各案件について前年度実績値と比較できるようにしている。さらに、予算実績比較表で費目別に使用率および進捗率を把握できるようになっている。
・現在の取り組みがすべて正しいと考えず、新たな取り組みへのチャレンジを進めることで、経営の改善や業務の実効性を高めるよう努めている。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・職員の募集採用は法人本部で一括して行っており、新入職員研修後、施設が必要とする人材を踏まえ、適材適所の人員配置に努めている。
・年1回人事希望調査を実施したり、各部署長による定期面談によって職員の意向やニーズを把握している。
・日頃から職員一人ひとりの就業状況を見て、その職員の適性や遣り甲斐・意欲などを把握している。職員の育成状況、将来の人材構成などを踏まえ、他施設への異動も含め適切な人材配置を行っている。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

・法人としてキャリアパス制度を設けており、職員一人ひとりの個別人材育成計画を策定し、職員の適性を考慮して配置に取り組んでいる。
・面談を定期的に実施しており、職員の意向やニーズそのほかの仕事に対する意欲や遣り甲斐などを把握している。
・健康管理、就業状況の把握、人事考課、評価処遇・称賛などを連動させて、法人他施設への異動も含め総合的に人事管理を行っている。
・各部署長による評価制度を導入しており、個人の状態を把握しやすい環境づくりに努めている。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・法人で統一された人事考課制度の導入をしている。
・定期的及び随時管理者と職員が面談する機会があり、就業状況や意向を確認する仕組みがある。
・人事考課制度に則り、職員自らが作成した自己目標を管理者及び部署長が共有することで、職員の目指している方向性を確認している。
・定期的な部署長との面談や年1回の管理者との面談を行っており、意見や要望を聞き取り適材適所な人員配置に取り組んでいる。
・福利厚生も充実させており、職員の意欲向上・定着に取り組み、働きやすい職場環境づくりに努めている。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・法人として職域、職制、職歴などをもとに職員一人ひとりを対象に育成計画を策定しており、入職時をはじめ都度説明する機会を設けて理解を深めてもらえるようにしている。
・育成計画の運用にあたっては、各部署長による個人面談を定期的に実施して職員の意向やニーズを把握しつつ、キャリアパスに基づいて作成につなげている。その際には人事希望聴取の用紙を配布し、個人の目指す資格などを把握している。
・施設では出来る限り個人に合った役割を担ってもらい成長を促すことに力を入れている。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・法人として新任研修、フォローアップ研修、リーダー研修などを計画しており、施設として新入職員や転籍者を対象に入社時研修や年間を通じて全体研修を実施している。
・各部署への配属後に職員一人ひとりの個別研修計画を策定する流れとしている。施設内研修のテーマ設定については、事業計画を策定する際に研修委員会において研修計画の骨子を策し、それらに沿って職員一人ひとりを対象に教育・研修を実施する流れとしている。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

・職員一人ひとりを対象にした研修計画については、キャリアパスをもとに勤務年数、経験、資格などを踏まえて策定しており、勤務シフトや出勤日などを調整して、円滑な受講を支援している。
・開催場所や日程などについては、職員の負担にならないように配慮しており、出勤扱いや交通費の施設負担などにも対応している。
・年間の研修計画の策定及び、各種委員会で研修を実施している。また、施設内では年間研修計画を作成しており、ノーリフティングを学ぶ機会を設けており、法人の資格取得制度等でキャリアアップに取り組んでいる。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

・実習生の受け入れには積極的に取り組んでおり、実習前に実習担当者がオリエンテーションを実施し、福祉サービスに関わる基本的な知識・技術、業界の動向等について説明している。
・実習生受け入れ中は担当者を定めて実習生対応職員として配置して指導に取り組み、より多くの知識・技術、実地体験ができるように実習内容を組み立てている。
・社会福祉士指導者講習修了者を配置し、大学等の実習生の受け入れ実績があることが報告されている。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

・パンフレットは、大きめの文字や行事などの写真が掲載されており、分かりやすくまとめられている。
・ホームページには施設での過ごし方をはじめ利用申込書などがダウンロードできるようになっており、利便性の高い内容にまとめられている。定期的な更新がなされているが、財務諸表などは最新のデータを掲載することも必要とされる。
・広報紙を発行したり、入口エントランスにはパンフレット・広報紙・事業計画書などを設置し、誰でも手にとることができるようにしている。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

・各種の広報媒体を設けて地域社会への情報提供に取り組み、特に利用者の受け入れについては関係機関への情報提供を充実させている。
・見学や問い合わせについては、いつでも受け付けることを原則としたり、地域の医療機関や居宅介護支援事業所には「空床情報」などを提供することにしている。
・利用開始時や退居時には、利用者や家族との面談を通じてコミュニケ―ションを図る機会を設けている。
・事業の内容の報告や変更等、ホームページの活用や書面での家族郵送を実施している。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・地域交流スペースを活用し、多様な団体へ無料貸し出しを行っており、さらに、市(区)報をはじめ施設を訪れるボランティアなどから地域情報を収集し、利用者に還元することを心がけている。
・地域の特性などから、地域との取り組みが充実できていないことを施設では認識している。各種の福祉サービスなどを併設していることからも、複合施設の特性を生かして地域との取り組みを積極的に展開することを目指している。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

・ボランティアの受け入れ体制を整えており、サービス向上委員会内でボランティアについての情報共有・受け入れ体制を整備している。
・ボランティア希望者に対しては事前のオリエンテーションを実施し、基本的な姿勢や個人情報保護規定などを説明し、理解を得られたうえで活動してもらうように取り組み、利用者の憩いの場や機会になるようにしている。
・介護の補助的な支援が受けられようなボランティアを受け入れることも目指されたい。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

・地域のネットワーク作りやニーズ把握に努め、病院等の関係機関とも密に連絡を取り連携を図っている。
・地域の福祉に役立つ取り組みとしては、実習生の等受け入れの他に、地域の方へ地域交流スペースの貸し出し、相談員による気軽な高齢者の介護・福祉相談等に施設の専門性を生かしながら取り組んでいる。今後は積極的に地域での行事の参加や運営への協力に地域の一員として取り組むことも計画している。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

・厚労省や東京都ホームページ、シルバー新報など、国の動向や介護保険制度改正の動向はできるだけ入手するよう努めている。
・市(区)から高齢福祉に関する情報を収集したり、短期入所やデイサービスなどを通じて交流している地域の居宅介護支援事業所との連絡を取り合い、利用者の福祉ニーズの把握に取り組み、地域の関係機関との交流に努めている。
・福祉事業全体の動向を法人経営会議などで分析・検討しているほか、消防や警察との連携・協働にも努めている。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

・地域活動には積極的に参加することを心がけており、地域の協力を得て、土日のみ開催されているホーム喫茶についても利用者から毎日の運営を期待されている。
・ボランティアなどについては積極的により多くの学生などを受け入れている。
・地域交流が目に見える形で充実してきたが、さらに充実させることを目指している。演芸ボランティアのほかに、介護支援などのボランティアの受け入れについてもさらに充実させることを目指している。
・地域の福祉ニーズにもとづき地域交流スペースを無料開放しているが、主体となっての活動は行えていない。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・個人情報保護については、1階の玄関の掲示板に張り出し広く伝わるように配慮されている。
・職員には入職時研修において、個人情報の取り扱いや社会人マナーなどを学び理解を深められるようにしている。
・重要事項説明書の中に個人情報の取り扱いに関する項目を設け利用者や家族の同意を得ている。
・法人や施設の各種媒体への写真の掲載についても家族へ確認を取っている。
・職員は居室への入退室については声をかけるようにしている。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

・さまざまなケアを提供する際には必ず声をかけ、利用者の了解を得ながら進めることを心がけており、拒否が見られる時には時間をかけて対応して無理強しないことや、食事の時間や入浴の日にちを希望に応じて変更することにも取り組み、意向に沿った対応が定着されている。
・各種の委員会において身体拘束や虐待防止、感染症対策について話し合われており、研修を受けることや委員を通して情報共有に努めている。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

・インターネットや地域の介護保険事業者情報誌にもは施設の情報は掲載されており、公の媒体を通じての施設情報もなされている。
・市のホームページには、地域密着型介護老人福祉施設(小規模特別養護老人ホーム)として紹介されており、地域への情報を提供している。
・行政には定期的に運営状況を報告しており、担当窓口を通じて待機者への適切な情報提供もなされている。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

・入居前面談、訪問調査を必ず実施し、直接利用者・家族と会って、ニーズの聞き取りを実施している。訪問調査は老人保健施設、有料老人ホーム、自宅へ生活相談員が訪問し、訪問時の情報をもとにアセスメントを作成し、心身状況を把握している。利用者・家族の意向の聞き取りによって、施設でどのような生活をしていくかを確認している。
・入居前に契約書、重要事項説明書などについて説明をし、入居当日に再度説明後、利用者・家族より署名・押印をもらい契約する流れとしている。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

・現在、29名の入居者の平均年齢91.0歳、平均介護度3.8が報告されており、高齢化や重度化の傾向は否めない。平均入居期間は3年3か月になっている。
・入院時には相談員や看護師が同行して利用者の様子を伝えたり、必要に応じてケース記録や看護記録をもとに説明を行うことで、支援の継続性に取り組んでいる。
・終末期の対応として「看取り介護」に取り組んでおり、さまざまな家族の要請に対応できるようにしている。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、放任、虐待、無視などが行われることのないようにすることは、事業計画書の法人共通理解とするところに明示している。
・新入研修会では誤った言動などについての注意を促し、内部牽制体制作りに努めている。
・ケアのはじめには必ず声をかけ、利用者本人の了解を得ながら支援を進めたり、拒否が見られる際には時間をずらして対応職員を変えてみるなどの工夫をすることにしている。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

・苦情解決の窓口及び責任者、第三者委員を設置している。
・契約時には行政機関の連絡先なども明記し、重要事項説明書で利用者・家族に説明するほか、施設のエントランスにも掲示して周知に努めている。
・家族の意見は面会時やサービス担当者会議において把握することにしている。
・意向の表出が困難な利用者も増えており、ニーズの把握を課題としている。なお、サービス担当者会議へ出席する家族が限られていることを施設では懸念している。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

・利用者の意向は入居時やケアプランの更新時、面会時、個別の面談などで聞き取ることに努めている。
・施設は全室個室の少人数のユニットタイプであり、職員も原則各ユニット毎の配置になっていることから、利用者と職員の馴染みの関係が築きやすい環境にある。今回行った利用者調査の「不満や要望は言いやすく、実際に対応してくれるか」の設問においても、高い満足度が得られており適切な対応がなされていることがうかがえる。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

・把握した利用者一人ひとりのニーズはカンファレンスで検討し、ケアプランに反映させている。
・施設では「説明責任を果たす」ことを大切にしており、「できること」「できないこと」を適宜説明することにしている。ただし、個別の外出や集団外出の支援については、タイトな人員体制であることから十分達成できていないことを課題としている。
・会参加が難しい利用者もおり、内容によってはサービスの幅を広げる取り組みの今後が期待される。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

・法人の事業計画にはリスクマネジメント対策を盛り込み、具体的な取り組みを明確にしている。
・事故についてはその日のうちに当日のユニット職員及び専門職でカンファレンスを行い、対策を立てるとともに事故報告書をもとに各フロアで共有を図っている。また、事故防止委員会でも大きな事故は検証している。
・法人はリスクを見据えた新たなビジョンを策定し対策を講じている。ビジョンの一つであるノーリフティングの導入(先端技術と科学的方法を用いたオペレーション)によって、人員確保や業務効率などのリスクに対応している。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・感染症・食中毒予防対策委員会の指針に基づき、定期的な委員会の開催及び研修体制、感染マニュアルの更新を適時行っている。
・委員会では全職員対象の感染対策研修を企画運営し、感染症の予防及び発生時の対応について具体的な情報提供を行っている。また、感染症対策マニュアルを見直して最新情報を盛り込んだものにしている。
・リネン類は定期的に交換したり、食事テーブルやトイレ、浴室(脱衣室)などは日々清掃し、清潔確保に取り組んでいる。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

・緊急時には迅速に職員に連絡が行きわたるように連絡網を都度更新したり、災害対策として食料品などを含めて備蓄を3日分用意している。
・不審者対策や風水害対策等の強化を図るべき事項も多いことを施設では認識しており、定期的に防災訓練を実施して、職員への注意喚起を促している。さらに、消防署や地域住民との消防訓練を実施するなど、地域の防災について協議し、地域連携を前提とした防災協定の締結を目指している。
・ただし、災害時等のBCP(事業継続計画)の策定が未実施のため、早急に策定する必要性がある。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

・各種マニュアルは整備されており、誰でも、いつでもみられるように、各ユニットに保管されている。
・マニュアルをもとに適切な業務に取り組み、適宜マニュアルの内容の見直しも行っている。改善に際しては担当部署と十分な協議のうえで変更し、応用を必要とする業務においては、基本を確認して不十分である場合は改善してからの対応としている。
・職員の入れ替わり時や新人職員の入職時に各ユニットリーダーがマニュアルをもとに指導するようにしている。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

・各種マニュアルは法人全体で整備され、各ユニットの介護職員室にも紙ベースでファイルされている。解らないことや困ったことがあったときにはマニュアルで確認できるようにしている。
・手引書などは各委員会や会議で出た意見を吸い上げて変更することもある。さらに、利用者一人ひとりの個別支援を適切に提供するために、ケアプランも支援提供に関するマニュルとして位置付け、職員間で読み込む機会などを設けることも望まれる。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

・ケース記録をパソコンで入力できるように共通の専用ソフトを導入しており、統一様式はもちろんのこと、情報共有化に一役を担っている。
・モニタリングは居室担当者が6か月ごとに実施し、合わせて6か月ごとにアセスメントシートを見直している。アセスメントの見直しは介護保険更新時期、退院時、療養食の開始時、大きな変化があった時に適切になされている。
・アセスメントの項目別にそれぞれの専門職がパソコンに入力しサービス担当者会議に臨み、ケアプランの見直しに繋げている。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

・少数の職員で対応しているという小規模施設としての利点を活かして、介護職員へのケアプランの意識付けを目指している。
・利用者のニーズ・長短目標・具体的なサービス内容が一致するように、介護職員がケアプラン作りに参加できるようにしている。ケアカンファレンスや適宜のユニットミーティングで検証し、ケアプランに反映する仕組みになっている。それらの仕組みはスタートして日も浅いことから、今後成果が期待される。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・パソコンの介護支援ソフトを活用して情報の管理・共有を行っており、パスワードなどを使用して限定的な情報の使用にも留意し、機密性にも留意した情報管理に努めている。
・パソコンを活用して円滑に情報共有がされているため、急な退院やケアプランの変更も比較的速やかに行えている。
・ケア記録はケアプランに基づいて記録されており、観察が必要な利用者については日々の申し送りで報告され、情報共有されている。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

・職域によりパスワードなどでアクセス権限を設定し、パソコンサーバー上の情報管理を行っている。
・紙ベースの重要書類はファイリングし鍵の掛かるキャビネットに保管している。
・データーの引き出しはアクセス権を持っている職員の責任で活用している。
・保管している情報は更新日を記入して管理している。
・記憶媒体からの情報の持ち出しができないようにするとともに、情報管理を徹底するためパソコンは終了後必ずログアウトすることを徹底している。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・ユニットのパブリックスペースは、家庭的な雰囲気作りに取り組んでいる。日中過ごす共有スペースの席位置に配慮したり、居室で過ごせる時間を作り、利用者にあった過ごし方ができるようにしている。ユニットごとにテーブルの配置を変えるなどして、個々の利用者が過ごしやすい環境を作っている。
・利用者の気持ちを受容し、目線に合わせた支援を心がけている。ただし、利用者の重度化が進行しており、社会参加を伴う活動への参加が制限されてしまう利用者が多くなってきていることを課題としている。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:a】

・日常の各種の支援は、利用者一人ひとりの介助内容はアセスメントシートに落とし込み適切な支援につなげている。
・利用者や家族の希望、医療的な面での必要性などを踏まえ、利用者一人ひとりの状態に合わせて支援できるようにしている。
・ノーリフティングケアを取り入れたことによって介助方法の変更につながったことや、車イスやベッド柵などの環境も変更になり、利用者の自立支援がより具体化されるようになっている。

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:a】

・さまざまなケアを提供する際には必ず声をかけ、入居者の了解を得ながら進めることを大切にしている。
・拒否が見られる時には時間をかけて対応をし無理強いしないことや、食事の時間や入浴の日にちを希望に応じて変更することにも取り組んでおり、意向に沿った対応が定着している。
・ユニットごとに職員がいるため利用者のことを細かく理解できており、利用者に合わせた生活支援が行われている。
・相談員も日常的にユニットに顔を出して馴染みの関係を築いている。

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:a】

・聴覚障害のある利用者の支援は手話のできる職員が担当するなど、利用者個々に合わせてコミュニケーションを取るようにしている。
・サービス開始時には以前の生活歴が反映された施設生活になるように、訪問調査時の情報をもとに支援の方向性を決め、ケアプランに明記しサービスを実施している。
・多職種参加のカンファレンスの実施によって、利用者の心身状況や生活状況を把握している。さらに職員のケアプランに対する意識向上を図り、ケアプランに対して自主的な提案や検討がされることが期待される。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

・入職時をはじめ現任者においても定期的に虐待防止研修を実施して、虐待防止に努めている。
・身体拘束や虐待防止、感染症対策についてリーダー職員をはじめとして、経験のある職員に相談できる仕組みが作られている。
・トイレ、居室のドアは閉めるように心掛け、入室時には必ず声掛けをするなど、プライバシーに配慮している。
・日常の支援にあたっては、入浴やプログラムへの参加などは利用者の意思を確認しながら行っている。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:a】

・居室は全室個室であり、利用者にとってプライバシーが保てる環境になっている。
・共有スペース、浴室、トイレなどの共有スペースなどは、清掃が行き届いており、適切な環境が整備されていることが確認できている。家族との団らんなど幅広く活用できるペースが設置されており、くつろげる環境整備にも取り組んでいる。
・利用者の気持ちを受容し、目線に合わせた支援を行っている。
・利用者の重度化が進行しており、社会参加を伴う活動への参加が制限されてしまう人が多くなってきている。

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

・誘導から整容に至る支援を一貫して同じ職員が担当する「マンツーマン入浴」を実施している。
・入浴拒否が見受けられた場合には、担当者・時間帯・曜日などを変更して、できる限り入浴してもらうように取り組んでいる。また、利用者の希望によっては同性介助に取り組んだり、利用者一人ひとりにふさわしい声かけ・誘導・介助方法などに努めながら適切な入浴支援に取り組んでいる。
・体調不良時などは、看護師と相談しながら、部分浴や清拭に変更し、健康に留意しながら清潔確保に取り組んでいる。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

・排泄介助を必要とする利用者が多いことを踏まえ、身体的状態に適した排泄支援を目指している。
・利用者一人ひとりの排泄状況は、排泄チェック表によって把握され、定時や随時の排泄介助につなげている。
・負担の少ない介助方法の設定に取り組んでおり、関節可動域や麻痺・拘縮などの個別特性を十分に把握して、無理のない介助に取り組んでいる。必要に応じて各種の専門職の意見も取り入れながら決定する流れが定着している。
・ノーリフティングケアにより利用者の状態に合わせた支援が行えるようにしている。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

・移動方法については、利用者・家族の意向や要望を把握して、医療情報や機能訓練指導員の評価をもとに決定している。
・6か月ごとのモニタリングの際には、移動方法に関する再評価に取り組んでいる。
・杖・歩行器・車イスなどの各種福祉用具を揃え、利用者一人ひとりに適した用具の選択に努めている。
・必要に応じて機能訓練指導員の相談支援や、さまざまなタイプの車イスを用意することで適切な移動が維持できるようにしている。
・年10回実施される研修により、利用者の状態に合わせた支援が行われるようにしている。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・法人として食事に関するアンケートを実施しており、意向要望を把握し、行事食を必ず提供できるよう献立作成に取り組んでいる。
・昼食時においては管理栄養士が回り、食事内容についてや意向について随時聴き取りを行って確認している。
・ユニットでご飯を炊くなど、香りへの刺激なども取り入れている。
・おやつパーティーやイベント食(お好み焼き、ハンバーガーなど)を行い、食事を楽しめるようにしている。食事アンケートの結果を具体的に活かすことに力を入れている。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

・食事時間を一定に保つことは、生活リズムを安定させることにつながることから、できる限り決められた時間に喫食してもらえるように努めている。
・通院などの都合で通常の食事時間に喫食できない場合には、衛生管理上2時間以内で、保管することも取り決めている。
・食べやすい姿勢で食事ができるよう車イスでのポジショニングを整えている。
・看護師、栄養士、介護職員で情報を共有し、適切な形態での食事を提供している。ただし、意向を確認できる利用者が限定されてきており、偏った対応にならないかを懸念している。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

・訪問歯科医による口腔内の評価を行い、できる限り経口摂取が維持できるように取り組んでいる。
・訪問歯科の医師から指示を受け、歯科衛生士が定期的に口腔ケアを行っている。歯科衛生士から介護職員が助言・指導を受け、毎食後の口腔ケアを実施している。
・歯科衛生士の口腔ケアの実施など、自立喫食に向けたさまざまな取り組みを実践している。
・日々の支援の中から、必要性のある利用者の家族に相談して、同意を得ながら検査を実施している。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

・利用者ごとの排泄状況を把握し、褥瘡予防になるように随時適切な支援が提供できるようにしている。
・毎月1回ノーリフティングケア研修の振り返りのため委員会を開催しており、ベッド上のポジショニング等の振り返りも行えるようにしている。
・3か月に1回、褥瘡防止対策委員会で褥瘡のアセスメントスケール(ブレーデンスケール)を活用し、褥瘡発生予防の委員会を開催している。さらに、栄養状態との関係性も深いことから、多職種が連携して褥瘡予防に取り組んでいる。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・現在、喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制はなく、看護職員のみ対応可能となっている。また、施設登録もできておらず、今後の検討課題である。
・日々の健康管理は、看護職員を中心として介護職員とともに支援している。
・日常の看護師業務は、必要とする医療支援をはじめ健康相談、配薬、入浴や排泄介助時の心身状況のチェック、口腔ケアなど幅広く関わっている。
・施設での医療的な対応を越えるような場合には、配置医師に連絡を取りながら対応している。

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:b】

・日常生活の中で心身機能を活性化するためのプログラムを設け、楽しみながら機能訓練を行えるようにしている。ゲーム・歌・タオルたたみなど、さまざまなな活動が設けられている。
・施設見学を行った際にも、いくつかのアクティビティが開催されており、利用者が楽しみながら参加している様子が確認できている。ただし、「体を動かす」ことについては、さらに充実させることを課題としており、ノーリフティングケアにより適切な支援を行うようにしているが、さらなる活性化が望まれる。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

・介護統括主任が認知症介護指導者のため、認知症についての知識や支援の方法について具体的に助言が行われている。
・認知症の利用者については、必要に応じてマンツーマン対応を行い、静かで落ち着ける場所に移動するなど配慮している。
・認知症に関する外部の研修などへの参加はあるものの、職員全員が知識を持てるような更なる取り組みを期待したい。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・「夜間緊急時の流れ」「日中時の緊急的な通院について」などフローが作成されていて、職員が適切に対応できる仕組みがある。
・利用者に急な体調変化などが生じた場合は、看護師を中心に多職種職員と提携病院との連携でスムーズな対応が実施されている。
・夜間の急変時には、オンコール対応マニュアルが整備され、職員が慌てることなく救急対応できる仕組みが整っている。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・利用者や家族の要望を聞く、施設でできることの説明を行う、家族と職員で話し合うなど、手順を追って看取りを行う仕組みが整っている。
・状態が変化した際には、介護士、看護師、相談員ほか多職種職員の参加で話し合いが持たれ、家族へ医師より説明のうえ看取り介護を開始する流れとしている。
・家族の意向に沿った丁寧な対応で看取り介護に取り組んでおり、内部研修として、看取り介護の研修も計画している。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

・介護職員だけでなく、看護師や事務職員、相談員まで施設全体で家族との連携を図るように努めている。面会時は多くの職員が言葉かけを行うなど、家族等が話をしやすい環境を作っている。
・面会は特に土曜日、日曜日、祝日が多く、面会時に直接、生活相談員と話すことで意見、要望等を聞いている。
・家族懇談会などタイトな人員体制のため、今のところ開催出来ていないが、家族との連携を深めるためにも、今後検討が望まれる。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・モニタリングやアセスメントの見直しに加え、ケアプランの原案を居室担当者が作成することにしており、各種のサービス提供の実態に沿ったケアプランが作成できるようにしている。
・ケアプランは定期的な見直しをはじめ、利用者が退院した際には入院期間に関わらずカンファレンスを開催し状態を見直すことにしている。
・カンファレンスには家族の同席を促し、病院からの情報を基に検討することにしている。
・看取り介護の実施については、家族の気持ちが変わることを踏まえ、適宜情報を提供して意向に沿って対応することに努めている。