社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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つくし保育園戸塚

2020年05月18日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 つくし保育園戸塚 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 90 名
所在地 244-0003
横浜市戸塚区戸塚町4014-1 マリンビル3~5F
TEL 045-443-8088 ホームページ http://tsukushihoikuen.org/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2017年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人秀峰会
職員数
常勤職員:17 名
非常勤職員:5 名
専門職員
保育士:20 名
看護師:1 名
施設・設備の概要
居室:乳児室 2室
居室:調乳室 1室
居室:保育室 4室
居室:事務室 1室
設備:調理室 

③ 理念・基本方針
<保育理念>

● 自分で生きてゆく力を養う(自律)
● 人と協調して生きる力を養う(社会性)
● 美しさに感じる感性を育む(センスオブワンダー)

<保育方針>

● 受容された安全な環境の中で、主体的な活動を楽しみます。
● 人に対する愛情や信頼感をもとに思いやりの心を育みます。
● 子ども同士の遊びを通して生きる力を育みます。
● 自然や文化に触れながら、豊かな感性を養い子どもの夢を育てます。
● 保護者の方と話し合いながら共に考え、共に成長を見つめていきます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
●つくし保育園戸塚はJR東海道線・横須賀線の戸塚駅から徒歩3分程度のところにあります。つくし保育園戸塚が位置する戸塚区は、桜、水辺に加えて緑も豊富であり、駅西口の駅ともつながる第1交通広場との空中廊下に立つと、濃い緑の丘陵が目に入ります。戸塚区は市街化区域が36%であり、その他は自然の残されたエリアであり緑の多い地域です。

●つくし保育園戸塚の経営母体は社会福祉法人秀峰会(以下、法人という)であり、介護・医療・保育等の福祉サービスを包括的、統合的に事業活動を行い、地域社会の一員の思いを持ち、「その人がその人らしく生きること」、地域の人々とともに地域の人々のために、の願いを、福祉を通して社会に貢献しています。「つくし保育園」は神奈川県に4園あり、統一したテーマとして、「つくしのように強く、たくましく」を掲げ、子どもに対して、様々な体験を仲間と一緒に楽しみながら生きる力の基礎を育み、職員は子どもたちの持つ成長する力、生きる力を信じ、十分な愛情で見守る保育を実践しています。

●つくし保育園戸塚は平成29年に開園し現在、定員90名、在席児童88名の園児を預かっています。園舎はビルの3~5階部分及び屋上(園庭)を占有し、それぞれの階でのクラスに集中して保育が行われ、エレベーター、階段を活用して異年齢で行き来をしながら交流を行っています。つくし保育園戸塚では、子どもたちにつくしの芽の時代から、3つの保育理念に沿った豊かな園生活を送ってほしいと願い、保育に努めています。全体的な計画では、新保育所保育指針に準拠して、養護(保育士が行う事項)、教育(園児が環境に関わって経験する事項)の一体的な展開を図りつつ、これまでの保育に「教育・保育において育みたい資質・能力の3本の柱」と「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿10項目」を意識して組み込み、保育の展開に努めています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/08/22(契約日) ~2020/04/27(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1.【法人の『羅針盤』に基づいた理念等の徹底】
●法人において、活動テーマ、法人理念、倫理、職員心得等を「羅針盤」として全職員に配付し、職員は常に携帯し、組織の一員として法人の全職員が理念を基に仕事に当たり、同じハートで利用者に接しています。人に対する愛情や信頼感を基に、職員一人ひとりが相手の立場に立ち、思いやりの心で接するよう法人の方針を徹底し、業務に当たっています。

2.【『つくしクラブ』の展開】
●つくし保育園戸塚では、「つくしクラブ」を法人系列他園と共に展開しています。「つくしクラブ」では子どもが自発的に学び、創造的に考える力を育む新しい体験型プログラムを実施しています。0歳~5歳までのプログラムを用意し、つくし保育園戸塚では5歳児で展開しています。具体的には、理科の実験のように不思議から発見につなげ、考える過程を培います。例えば、水に卵を入れて塩を加えると浮く様子を「何でだろう」の疑問を叶えるプログラムです。その対象は自然、人間、地球等へ広がっていき、子どもが「何でだろう」と思い、考えることが子ども自身の大きな発展・展開となり、世界が大きく広がるきっかけとなります。この取り組みは、保育理念の「センスオブワンダー」の具現化です。

3.【食育について】
●つくし保育園戸塚では、食育活動において畑活動を行い、種・苗を植え、栽培し、収穫をする過程を畑を借りて都会にいながら土いじりをする食育活動を行っています。種を蒔き、水をやり、収穫をして園に持って帰り、給食の調理員に渡すことも誇らしい貴重な食育体験です。そして給食で食べる一連の作業を通して自ら食べようとする意欲につながっています。また、畑の活動の他に「選食力」、「食のマナー」、「地球の食を考える」等を柱に日々の食事・食育活動に取り組んでいます。給食は委託会社ですが和食を中心に提供する給食委託会社を採用し、食に拘り、献立の要望も提出しながら子どもたちへ食育に通じたより良い食を提供するようにしています。
改善を求められる点 1.【さらなる職員の質の向上について】
●現在は福祉人材が不足している時代であり、介護に従事する人材も然りですが、保育士の人材不足は慢性的でもあります。保育士不足を補うよう補助金が支給され、少子化対策の一環として育児手当制度の新設等により、働く母親も増えさらに待機児童が増す負のスパイラルなる状況も否めません。そのような情勢の中で職員一人ひとりの質の向上を図っていく余裕は至難の業ですが、現有戦力を最大限に活用するには、一人ひとりの良いところを伸ばし、能力を引き上げて行くことに尽きます。OJTを含む研修の強化、チームプレイによる相乗効果、良好なコミュニケーション、信頼関係等、いろいろな工夫が必要です。既定の保育に捉われない発想の転換も含め、園全体の総合力のアップが望まれます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名  社会福祉法人秀峰会 つくし保育園戸塚
施設長名 黒澤 美貴子

≪第三者評価を受審した感想≫

 客観視する機会となり、認識していた課題と、そうでなかった課題が明確化されました。
評価内容を全職員で共有、認識することで意識化、行動化していきたいと考えます。


≪評価後取り組んだ事として≫

1.園内研修の内容を1つから3つへ広げた。(職員の資質向上に期待)

2.子どもの記録のまとめ方を変更。クラス単位から全てを個別にし、在籍期間中を一括で管理できるようにした。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

●理念、基本方針は、社会福祉法人秀峰会(以下、法人という)のホームページに「つくし保育園」として法人のテーマ「天に星 地に花 人に愛」、法人理念と共に、つくし保育園のテーマ・保育理念・保育方針・保育目標を掲載しています。法人系列全園で統一した保育理念・保育方針・保育目標を定め、つくし保育園のテーマは、「つくしのように強く、たくましく」であり、保育理念は「自分で生きてゆく力を養う(自律) 人と協調して生きる力を養う(社会性) 美しさに感じる感性を育む(センスオブワンダー)」を謳っています。法人では、理念の考え方とした「羅針盤」を名刺大の印刷物にして全職員に配付し、継続して理解を深めています。保護者に対しては、懇談会や面談(年2回)の際に理念等を話して理解を促しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

●保育業界を取り巻く環境の把握については、戸塚区の園長会議や幼保小連絡会で情報を入手し、法人の保育事業部(以下、保育事業部)で収集・分析した情報を得、地域の待機児童、経営に関する情報に関して把握し、職員にも周知しています。また、保育事業部で経営コントロールを図ると共に、園長は常に経営指標に目を通し、状況の確認を行っています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

●経営課題の検討については、保育事業部で経営環境、組織体制、職員体制、人材育成、財務状況を加味した経営分析を行い、改善すべき課題について事業部で検討し、決定を図る体制で進めています。決定事項、方針等については事業部長から受け、助言、指導を受けながら園長が率先して取り組むようにしています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●中・長期的ビジョンについては、法人の方針を基に保育事業部で中期計画と単年の事業計画を策定し、園を取り巻く環境や地域性等を加味して計画を作成しています。事業計画は、行動計画と利益計画があり、園では行動計画として展開を図り、利益計画では予算に沿って運営を実施することを中心としています。行動計画については保護者会等で口頭にて説明を行っています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●事業計画は、保育事業部で中期計画を踏まえて単年度(今年度分)の計画を策定しています。中期計画と同様に、園では行動計画を全体的な計画に組み込んで展開し、利益計画は予算管理の体制でPC統一の管理となっています。保護者に対しては、今年度の園の事業計画を行動計画に落とし込んだ形で説明し、行事計画のねらいは別途配付し、説明をしています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

●事業計画策定に関して職員の参加はありませんが、園としての事業計画を保育事業部に上げるための職員会議を開催し、各職員の意見・要望等を抽出し、計画化を図っています。事業本部で決定された今年度の事業計画については会議で全職員へ説明し、また、昼礼ノートにも記載して全職員が目を通すよう共有化を図っています。法人では事業計画の発表を「出航のちかい」と称し、実現を心に誓う機会としています。「出航」に際し課題を持ち、解決していくことを狙いの1つとしており、年度初めに課題について職員間で話し合っています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

●事業計画の保護者への説明については、年度初めの保護者会にて書面及び口頭で説明しています。職員に対しては2部制にて全職員に説明を行い、確認及び理解につなげています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

●保育の質の向上に加え、法人では業務をPDCAサイクルに沿って展開するよう各園で取り組んでいます。つくし保育園戸塚では昼礼、クラス会議、各担当者会議を定期的に実施し、PDCAのサイクルが確立しています。保育所の自己評価については、保育事業部で作成した各フォーマットがあり、定期的に評価を行い、評価結果は法人のホームページに公開しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

●行事後に保護者アンケートを実施し、集計・分析を行い、課題については職員間で共有し、改善策を話し合い、次年度に生かせるよう取り組んでいます。行事のアンケート他、送迎時や懇談会等で保護者の要望・苦情等について把握し、課題と対応の明確化に努めています。改善を進めるに当たり、主任が率先して対応に努め、子どもの育ちに役立つ方向に導いています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

●園長の権限と職務については、職務分業表により明確に規定されており、園長の役割、責任について必要に応じて保育所内伝達ファイル等への掲載や、会議時に表明を行い、議事録に記録されています。会議不在者も議事録の閲覧により周知しています。園長不在時の判断・決裁の流れは、伝達ファイル等に明記しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●園長は、職員に対して守秘義務、個人情報取り扱いの注意喚起を行い、保育課題に関する裏付けを法令から説明する等、会議や昼礼の場で周知しています。また、倫理に関して法人の「羅針盤」より学び、羅針盤に「法令、就業規則を遵守します」と記載され、職員は理解しています。法人では法的、労務的相談ができる体制を整えています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

●園長は、毎月の事業報告を行い、保育の質の現状、課題を明確にし、サービスの質の向上に向けた取り組みを常に行っています。園長は、クラス単位で課題の明確化を図り、職員間で共有し、クラスでの共有・方向性の指示を行っています。進捗については各会議に参加して課題の提示とフィードバックの状況を確認し、適切な指導及び保育の質の向上に努めています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

●経営(人事・労務・財務等)については、法人の方針として事業部で取り組みや改善の決定を行っています。園では、職員の働きやすい環境整備に努め、ワーク・ライフ・バランス等を考慮して職員の配置とシフトの調整を図り、主に主任が職員の意向と勤怠のデータを見直し、休暇等の取得のバランスに配慮しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●人材の確保・育成は人事部、保育事業部が共用して担当しています。人材育成についてはMAPの人事考課項目を基準にして育成に当っています。保育の人事配置の計画は具体的に計画していますが、採用に至るまで困難な昨今の状況を踏まえ、人材の育成については基本的には園の努力に委ねられている実情があります。しかし、園長等の努力により必要な時や、突発的欠員の場合も人員の確保はできています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

●期待する職員像として、人事考課の項目において期待する職員像に相当する型として評価を行い、昇格・昇給や専門能力を含めた職員像の定型化を図っています。法人の事業展開の他分野との人事交流は多くないものの、職員が所有する資格によっては法人内での異動の可能性もあり、幅広い人事政策も望めます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

●職員の就業状況については、職員面談を定期的に行い、職員が相談しやすい体制を整え、就業状況等に対する意向を把握しています。また、有給休暇の取得や時間外労働のデータにより職員個々の就業実態を把握しワーク・ライフ・バランスに配慮した取り組みを行うよう努めています。福利厚生では健康保険に加入する他、週40時間以上勤務の職員についてはハマフレンドに加入し、割引等の特典を受けられ、社会保険による定期健診があり、職員のケアに配慮しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●職員の質の向上については、職員一人ひとりが自己目標を設定し、期中・期末の園長との面接で進捗状況を確認し、目標の項目水準等について助言を行う等、育成・資質向上に努めるようにしています。目標設定については反省を踏まえ、達成できなかった項目は次期につなげています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●研修については、教育・研修計画が保育事業部で立案され、期の初めに研修内容が提示され、法人主催の研修、保育事業部による階層別研修、外部研修では行政主催のキャリアアップ研修、他外部研修等、職員の希望に応じた研修、職員個々に必要と思われる研修を受講しています。研修受講後は報告書を作成し、職員会議等で伝達研修を行い、全職員が共有できるようファイリングをして共有化を図り、実践につなげています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

●研修の機会として、法人主催のフォローアップ研修(1~3年目の入職者対象)、園内研修(全職員対象)、公開研修、外部研修(希望又は推奨)、キャリアアップ研修等を受講する機会が得られる体制を整備しています。職員一人ひとりの専門資格や研修受講済の来歴については保育事業部で把握し管理しています。キャリアアップ研修については対象の職員に対して順次受講するよう促し、事業部長あるいは園長が推薦して促す場合もあります。研修機会については公平に受講機会を保障しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

●実習生の受け入れについては実施していますが、受け入れマニュアルは整備しておらず、今後においてマニュアルの作成や、職員のスキルアップも併せて実習指導者の育成も望まれます。受け入れの際には守秘義務の徹底と服装について注意事項を伝え、子どもや保護者から見て楽しく思ってもらえるよう姿勢を求めています。開園して3年目ですが実習依頼校から希望を受け、鎌倉女子大学や横浜短期大学等から受け入れ実績があります。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

●法人は社会福祉法人であり、運営の透明性に努め、理念・基本方針、保育の内容、事業計画、予算、決算関係等は公開しています。また、ホームページ等で具体的な活動を周知する他、社会福祉法人の報告書の閲覧もできるようにしています。さらに、保育所における地域の福祉向上のための取り組み実施状況、保育所の自己評価、苦情・相談の体制・内容に関しても開示する等、運営の透明性に努めています。園庭開放等の利用者から地域に向けた取り組みが伝わっているとの評判も得ています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●法人主導にて経理・財務等の経営・運営の取り組みが行われ、保育所の経営、運営については保育事業部より保育園に予算配分を行い、保育事業部で計画的に管理が行われています。保育事業部の事業計画に沿って園運営を実施し、日々展開を図っています。保育所の情報等や外部専門家の指導等の指摘も踏まえ、実情に即した体質改善への取り組みを行っています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●地域との関係については、町内会に加入し、町内会に寄付をしている関係で町内会長が回覧板を回覧してもらう等、交流を持っています。地域の文化施設等の活用では近くに戸塚消防署があり、散歩で消防車を見に行く機会を得、地域情報については情報パンフレットを設置して保護者に知らせています。今後、行事等を通して地域に協力を仰いだり、駅や商店等に子どもたちが訪問する等、子どもが保育者以外の大人と楽しく関わる機会を設ける等、地域との交流を広げて行く工夫を期待いたします。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

●開園3年目の保育所であり、受け入れ実績はまだありません。今後必要に応じて起用も検討していく予定でいます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

●関係機関等とは連携を図り、情報共有を行っています。園長は、横浜市及び戸塚区の園長会議へ参加し、関係機関の関係者とも連携を図っています。公的な社会資源との連携では、図書館、戸塚区こども家庭支援課、警察署、消防署、横浜市戸塚地域療育センター、児童相談所、幼保小の関係施設等と交流しています。虐待の早期発見については、送迎時の親子の表情、着替え時やおむつ交換時に意識して観察するよう留意し、家庭での虐待等が疑われる場合には、戸塚区こども家庭支援課や専門機関と連携を図り、相談できる態勢を整えています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●地域の福祉ニーズの把握については、戸塚区主催の園長会議や幼保小連絡会などに参加し、情報の収集に努めています。また、園庭開放時の参加者や園見学者からニーズを感じ取り、保護者との会話から課題等の把握に努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

●公益的な事業・活動については、戸塚区こども家庭支援課ととつかとことこフェスタ実行委員会主催の「とつかとことこフェスタ」においてポスター、パンフレットにて園の情報を公開しています。事業での園庭開放では必要に応じて子育て相談を受け付け、交流保育も実施しています。また、地域の保育園と交流を図り、互いに園児が行き来する関係があります。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●子どもを尊重した保育については保育理念、保育方針、保育目標に明示し、実践しています。特に、社会福祉法人秀峰会の職員として理念や職員心得等を記載した「羅針盤」を全職員に配付して意識の共有を図っています。また、啓発・啓蒙・自己研鑽の為の園内研修も実施し、改善と意識向上に向けています。園では、子ども自身の意見や考え方を受け入れ、子どもの人権、性別、人種、宗教、生活習慣等の違いを尊重した保育に努めています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

●子どものプライバシー保護に関してはマニュアルを備え、プライバシー保護、虐待防止に関する知識、社会福祉事業に携わる者としての姿勢・責務を周知し、職員は理解して保育に当たっています。例えば、オムツを交換する際の配慮、幼児の洋式トイレの扉設置、プールの着替え時等、子どもの羞恥心に配慮するよう心がけています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

●理念・基本方針や保育の内容、園の特性等を記載した文書として、園のパンフレットを「とつかとことこフェスタ」や園見学で来訪した子育て親子に配布し、法人及び法人系列各園のホームページにも情報を記載しています。入所希望予定者については見学の日時を知らせて来園日を選択してもらい、施設内の案内及び保育サービスについて説明を行っています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

●保育開始に当たり、入園前に日時を設定して入園前説明会を実施しています。入園前説明会では資料を配付し、資料に沿って園の概要の説明を行い、質問を受け付け、説明会以外でも法人保育事業部等で質問窓口を設けています。特に配慮が必要な保護者に対しては変更についても個別に対応するルールを決めています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●保育の連続性、継続性の問題は守秘義務との兼ね合いもあり、小学校については制度で保育要録を提出するに当たり、配慮をしながら情報伝達を行い、転園、転勤による保育園の変更については転園生の保護者の了解を得、守秘を尊重しています。園を退園した以降の窓口はその時点での園長が対応し、当時の担当職員が在籍していれば園長経由で対応する場合もある等、必要に応じて保育の継続性に配慮した対応を心がけています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●利用者満足度の把握に関しては、行事後にアンケートを実施する他、送迎時の会話、連絡帳、意見箱、日頃の苦情・相談等から収集し、意向等を把握しています。保護者懇談会、クラス懇談会等でも意見を聞くようにしています。また、日頃から意見が述べられるよう雰囲気作りと、相談等が受けられるよう体制作りをしています。子どもについては、担任が子どもの日頃の表情、様子の観察から満足の度合いを確認し、園長は子どもの雰囲気、空気を感じられるよう職員に指導しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

●苦情解決の仕組みについては、保育園のしおり(重要事項説明書)の中に苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員、戸塚区こども家庭支援課保育担当等を明示し、苦情解決方法を示しています。現在、苦情はありませんが、苦情が出る前に職員が気づきを持ち、声かけや面談する等、保護者から意見を聞くように心がけています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

●保護者が意見を述べやすい機会の設定として、意見箱の設置、行事ごとのアンケート、連絡帳、送迎時での対応、個人面談等、保護者が相談しやすい環境の整備に努めています。アンケートでは自由記入欄を設け、自由意見をもらっています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

●保護者からの相談や意見に対する組織的な対応については、意見箱を設置し、送迎時等に相談や意見が述べやすいよう雰囲気作りに努めています。受けた相談や意見への応対方法・改善策、応対者、内容を記録し、問題に対して組織的かつ速やかに対応を心がけています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

●園のリスクマネジメントに関しては、安全委員を設置し、役割を明確にして分担してヒヤリハットを基に分析・改善策を話し合い、事故防止、危険予知の実施に努めています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●感染症の予防や発生時について、「感染症対応マニュアル」を整備し、看護師が中心となって取り組み、会議等で感染症予防について職員に伝え、感染症に関する知識の習得と、対応における対策の共通認識を図っています。また、マニュアルに沿った対応を心がけています。感染症の予防策として、玩具や備品等の消毒に努め、子どもたちには手洗い・うがいを敢行し、蔓延防止に努めています。園内で感染症が発生した場合には速やかに該当児の保護者へ連絡し、蔓延情報等を掲示して知らせています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

●災害対策については月1回、様々な災害を想定した避難訓練を実施しています。基本的には火災・地震を中心に訓練を行い、水害については柏尾川が近く津波・高潮の心配は皆無ではありませんが、園舎が入居しているビルは耐震面も安全ではありますが、園では垂直避難等の訓練を考えています。園舎の体質上、エレベーターが止まった場合の5階からの避難、混雑しない階段での避難方法を考え、取り組んでいます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

●保育の標準的な実施方法として、各種マニュアルを基本にして実施し、保育所保育指針に沿った全体的な計画、年間指導計画、月案、週案、デイリープログラムを作成し、計画に沿って保育を実践しています。各マニュアルは各種会議等を通して必要に応じて見直し、職員間で共有し、いつでも確認できるようにしています。また、子どもの尊重、プライバシーの保護、権利擁護を前提に、マニュアルによる画一的な保育だけではなく、子どものやりたいこと・要求を尊重し、バランスよく柔軟に対応しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

●標準的な保育の実施方法の見直しについては、各マニュアルの他、年1回、期末の反省時に合わせて検討・見直しをするようにしています。つくし保育園の法人系列園は保育事業部で作成された共通のマニュアルを活用しており、定期的に園長会議等で修正・提案の機会を設けて見直すようにしています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

●アセスメントについては、記録・個人別日誌等により関係職員で子ども一人ひとりについて、クラスの保育について話し合い、次期計画に反映する作業は、園では基本的にカリキュラム会議がアセスメントに当たると考えられ、現状、状況等を検討し、職員間で共通理解の基、より詳細な反省と次の計画へつなげています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

●指導計画は年間、期間、月案、週日案があり、それぞれの末頃に期間内の反省と進捗をチェックしています。基本的には月案レベルで実践した保育内容の反省と検証を行うようにしています。チェックは、週1回昼礼の時間に行い、週案の見直し・改訂を中心に進め、月末で反省したものをリーダーミーティングにて決定しています。他の職員については昼礼ノートに決定事項を記載し、周知しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

●サービスの記録に関しては子どもの発達状況、生活状況を統一した書式に記録し、子どもの健康を第一に保育を進めています。記録はデータで作成及び保管し、記録内容や記載の仕方に差異が生じないよう、内容に関して園長のコメントを付記して指導しています。外部からの情報の流れや分析については主任、園長が分かりやすく職員に伝えています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

●個人情報の取り扱いについては服務規律に明示しています。保護者に対しては、入園説明会の折に守秘義務について説明し、肖像権について同意書(不同意も含む)を得ています。子どもの記録の保存・廃棄については鍵付きの書庫に格納し、園長を責任者として保管・管理体制を確立しています。基本的に「法定保存年数」に合わせています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

●全体的な計画策定については、つくし保育園各園の園長と保育事業部の担当者と骨子を策定し、それに各園で地域性、利用者状況などを加味した内容を各園で作成しています。全体的な計画の策定について、開園3年目までは園長が作成して職員に周知し、4年目からは職員も参画して作成していく体制作りを目指し、今年度はクラス担任が少人数グループを設け、各クラスの年間指導計画の策定に取り組みました。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

●生活環境の整備については、毎週1回、水漏れや破損等の環境安全チェックを行っています。保育室は3階から5階であり、ガラス張りの窓からは陽光が十分に入り、窓からは広がりある眺望に開放感も味わえます。生活の場としての環境に十分配慮し、室内の温度・湿度について毎日記録を行い、子どもが快適に過ごせるよう整え、子ども一人ひとりの成長過程、活動人数により職員配置に配慮し、子ども第一にした保育環境の向上に努めています。保育室内の清掃・清潔については、定時的に職員が掃除を行い、換気についてはエアコンの他、適宜自然換気も行っています。玩具等の消毒については用途に応じた消毒方法を実施し、幼児トイレも清潔を確保しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

●子ども一人ひとりの発達過程、家庭環境等から生じる個々の個人差等の把握については、個人面談等により家庭の状況や要望を把握し、保育に生かしています。職員は子どもの個人差を尊重し、子ども一人ひとりの気持ちに配慮して、子どもが安心して自分の気持ちを表現でき、子どもの欲求を受け止める保育を推進できるよう、職員の保育指導に力を入れています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:b】

●子どもの基本的な生活習慣の習得に関しては、子ども一人ひとりの成長に合わせ、子どもの発達状態に沿った型で自然に進めています。また、出来たと言う達成感から自信を覚え習慣化につながることもあり、意図的に働きかけることもあります。トイレットトレーニングや離乳食対応等については家庭の考え方に沿って進め、基本的には子ども一人ひとりの状態や気持ちに合わせて援助するようにしています。園では、子ども一人ひとりの成長に合わせた保育を実施するよう心がけ、0歳~2歳児までは年齢別・個人別に保育を行い、月齢差が大きい時代を踏まえて0歳・1歳の子どもに対しては職員との愛着関係を大切にし、2歳近くなると個々の成長に合わせながら自分で行えるよう援助を行い、異年齢で交流を行う機会を設ける等、互いに影響をもたらしながら基本的な生活習慣を身に付けることができるよう環境を整えています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

●子どもが主体的に活動できる環境の整備については、園は駅前の商業地に位置していますが、近くに公園等も点在し、屋外で遊べる環境もあり、街中の散歩では交通ルールは必須で自然に社会性が身に付いています。保育室は1フロア2年齢で専用し、パーテーションを開ければ2部屋分を広く遊べるようになっており、屋上庭園では体を動かして遊べる環境作りをしています。地域との交流では、近隣の消防署や商店街を見学したり、散歩時に近くの商店を訪問する等、地域の社会体験、地域の人たちとの交流の機会も持てるようにしています。散歩時に行き交う地域の方と挨拶を交わし、地域の子育て親子に子育ての支援を行い、園庭開放を行っています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●乳児保育(0歳児)では、保育所保育指針に沿って養護と教育が一体的に展開されるよう、環境整備に努めています。園では、職員との愛着関係(情緒の安定)の構築に努め、0歳児は定員9名であり、子どもとの愛着関係醸成の為に緩やかな担当制を取り、子どもの情緒の安定を図るよう配慮しています。但し、記録類の担当は決めており、主たる職員がその子どもを主に気にかける体制を整えています。0歳児でも月齢が高い子どもは様々に興味や関心が芽生える時期に入るので、合同保育等で0歳児の活動意欲をさらに増加できるよう保育にあたっています。家庭との情報共有については、連絡帳、登降園時の保護者とのコミュニケーションを通して行い、保護者との関係作りに努めています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●3歳児未満(1歳、2歳) の保育については、今までの養護(保安)に加えて教育的な側面も取り入れた保育を始める重要な時期と位置付け、保育に意識して教育的なものを取り入れ、3歳以上児につなげていくようにしています。この時期は自分の中では意識を持ちはじめていますが、自我の育ちに対して保育士主体になりがちであり、保育士はこのやり方は子どもが望んでいるやり方なのかと振り返り・立ち止まり、見直しを図ることが課題として今後に期待されます。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●3歳以上児の保育においては、集団の中で心身の安定を図りながら遊びを中心とした興味・関心のある活動に取り組めるよう環境を整えています。また、集団の関わりの中で自分を作り上げ、リーダーシップや自分の得意なことを発揮していく大切な時期を踏まえ、「責任ある自由」を子ども自身で作り上げていけるよう、子ども主体の活動と保育士主体の活動をバランスよく図り、教育的な要素も組み入れて育成に努めています。成果として組体操は両方の要素を持っており、子どもたちが立派にやり遂げた成果を確認できています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●障害を持つ親子等に対する施設環境に配慮し、施設のバリアフリー化、障害者トイレ、エレベーター等を設備しています。園では、障害のある子どもを受け入れ、統合保育を行い、子ども同士の関わりを大切にしながら集団生活の中で互いの存在を尊重し、思いやりの心、助け合う気持ちを育めるよう保育を進めています。クラス全体で一緒に経験をし、障害のある子どもも生き生きとクラスに馴染み、他の子どもたちも自然な形で受け入れ、サポートをする関わりが見られています。集団の中で個別の関わりや、平行してクラス担任を中心とした園全体の配慮も適切に行われ、良い方向を示しています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●長時間保育のための環境を整備し、延長保育を含め、早朝から夜遅くまで利用している子どもについては、合同保育での異年齢で過ごすことを考慮し、遊び方、安全に十分配慮するよう保育にあたっています。夜更かしをしている子どもについては午睡を待たず午前寝も対応する等、配慮もしています。延長保育の時間では、遊びの集団を大きくせず、子ども一人ひとりの状況に合わせた合同保育の連携を取りながら実施しています。合同保育時の連携では各階の内線電話で状況を連絡し合いながら順次合流していくようにしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

●小学校との連携については幼保小連絡会に参加し、園長クラス、5歳児担任クラスの連絡会を実施しながら次のステップへ進む準備を相互に行っています。また、卒園児の多くが就学する戸塚小学校と連携を図り、来年度からは子どもたちが戸塚小学校の見学に行く機会を予定しています。保護者に対しては対象の小学校から案内等が自宅に配布されています。つくし保育園戸塚では昨年度、はじめて卒園児を見送り、小学校に就学しました。保育所保育指針に沿った、幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿を含む児童保育要録を作成し、卒園児が就学する小学校へ提出しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

●子どもの健康管理に関しては、保育園のしおり(重要事項説明書)の11頁に詳細に注意事項等を明示しています。登園にあたって毎朝、検温により判断することとし、37.5℃以上の場合は受け入れ不可等を定め、流行性疾患の蔓延の予防を行っています。日中は看護師により発疹、発熱、便等を基に体調悪化の早期発見、蔓延防止に努めています。SIDSに関しては、睡眠時の呼吸確認のチェック時間は0歳児5分ごと、1歳児は10分ごと、2歳児15分ごと、3歳以上児は適宜、安全確認を行い、安全な睡眠環境を整えると共に事故防止の徹底を図っています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

●健診は内科健診とも歯科健診を年2回実施し、健診の結果については、速やかに保護者へ連絡するようにしています。特に、通院が必要な場合は保護者へ知らせて治療を促しています。健診結果は健康記録として保管しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●アレルギー疾患等のある子どもに関しては、年に1回~2回、医師の診断書と共に「生活管理指示票」を提出してもらい、厚生労働省の「アレルギー対応ガイドライン」を基に適切に対応しています。アレルギー対応に関しては、別メニューの献立表を配付し、除去食について除去の食品を色分けして配付しています。毎月、該当児の保護者とアレルギー面談を実施し、進捗の確認や、解除を視野に入れながら今後の見通し等についても話し合っています。食事の提供方法については、アレルギー対応(配膳)の手順を心得、栄養士・保育士間で周知徹底を図り、誤配膳のないよう体制を整え、食器・トレイは別にして名札を記載し、誤食防止に取り組んでいます。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

●給食は、給食委託会社に委託し、食育計画についても提案を受け、給食会議で決定し、おいしい食事の提供に努めています。子どもに食事について意見を聞き、素材、切り方、味付け等を検討し、子どもが食べやすく好む調理の工夫に努めています。子どもたちには、お米、野菜を育ててくれた人、魚や肉の命、それぞれに感謝を持つよう、努力を無駄にしないよう話しています。また、給食委託会社から二十四節気に応じたランチョンマットの提供を受けて、楽しい食事の雰囲気作りをしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:b】

●子どもの発育状況や体調等を考慮し、子どもの食べる量や好き嫌いを把握して喫食状況を記録し、残食チェックにより子どもがおいしく安心して食事ができているかどうかを把握しています。園では和食を重視し、家庭において洋食が多い食生活を鑑み、給食委託会社も和食に力を入れている点で採用を決めた経緯があり、子どもの発達に合わせた献立、盛り付けによる食欲とのつながり、園での拘りの食事を提供し、食への興味・関心につなげるよう努めています。また、給食委託会社では乳・卵アレルギーのある子どもでも食べられる食事を開発し、アレルギー児が安心して食せるパン、マヨネーズ、カレー等を提供しています。食品は国産のものを使用し、主に長野県の野菜・乳製品を採用しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

●家庭との連絡については0~3歳児は連絡帳で密に連携を図り、4歳、5歳児はホワイトボードに当日の生活・遊び、子どもの様子を掲載し、併せて送迎時に口頭で伝えるようにしています。家庭との連絡は大切と考え、全保護者に分け隔てなく対応するよう努めています。また、個人面談、保育参観、行事等を通して園の理解を得る機会を設け、家庭の状況や保護者との情報交換を図っています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●保護者とのコミュニケーションについては連絡帳及びホワイトボードで行っていますが、担任を中心に、他職員共々誠実に対応するよう心がけています。保護者からの相談内容に応じて職員が対応に迷う場合は、主任・園長に助言・指導を仰ぎ、保護者対応ができる体制を整えています。相談内容は必ず記録し、保護者からの相談、面談はいつでも受け付けていることを周知しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

●家庭での虐待等、子どもへの権利侵害事件は近年多くなっている状況を踏まえ、園における早期発見・早期対応が必要と考え、虐待の予防に努めています。「虐待早期発見チェックリスト」を基に、家庭での養育の状況・保護者と子どもとの関わり、送迎時の視診、親子の表情・態度等を観察し、少しでも虐待等権利侵害が見られた場合は、必ず園長、主任に報告し、記録を取り、必要に応じて関係機関と連携し、情報を共有するようにしています。関係機関としては先ず、戸塚区役所の保健師に相談し、身体的加害などについては保健師と共に児童相談所へ相談するケースもあります。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

●保育士の自己評価については、法人指定のフォーマットにより日々の保育の振り返り(自己評価)を実施し、年度末に園長との面接を行い、主体的に定めた目標の進捗や保育の改善や専門性の向上について話し合い、保育実践の改善に生かしています。職員の自己評価結果により園全体に関する課題を抽出し、園全体で検討し改善を図るよう、円滑に従事できるよう、また保育士としての専門性の向上に努めています。