社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ふちのべ美邦こども園

2020年09月23日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 ふちのべ美邦こども園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認定こども園(保育所型、幼保連携型に限る) 定員 135名(152) 名
所在地 252-0234
相模原市中央区共和1-4-3
TEL 042-768-7550 ホームページ http://www.aiikukai.or.jp/mikuni/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2015年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人さがみ愛育会
職員数
常勤職員:24 名
非常勤職員:16 名
専門職員
保育士:27 名
栄養士:2 名
調理師:3 名
事務員:2 名
嘱託医:1 名
その他:4 名
施設・設備の概要
居室:保育室 6室
居室:一時保育室 1室
居室:乳児室 1室
居室:多目的保育室 1室
設備:調理室 1室
設備:保健ルーム 1室
設備:トイレ 6ヶ所
設備:職員室 1室
設備:沐浴室 1室
設備:アトリエ 1室
設備:みくにホール 1室
設備:調理休憩室 1室
設備:ランチルーム 1室
設備:相談室 1室
設備:事務室 1室
設備:教材庫 1室
設備:モンテッソーリルーム 1室
設備:園庭 1ヶ所
設備:ピアッツァ(広場) 3ヶ所

③ 理念・基本方針
<理念>
●「主題 いっしょっていいね・・・」
子ども同士や、障害児とのふれあい、高齢者とのふれあい育ちあいを大切に考える保育。

<園の理念からなるこども像>
1. 自己肯定感をベースに自分発信型の内発的な意欲により物事を進めていけるこども
2. 包括的な保育を経験することによって仲間をケアする気持ちを持ったり、個性を認め守ることができたり、周りの仲間を助けたり、ささえることができるこども
3. “ふるさと保育”による本物体験の積み重ねにより懐深く、個性豊かに育つこども

④ 施設・事業所の特徴的な取組
●ふちのべ美邦こども園は社会福祉法人さがみ愛育会(以下、法人という)の運営であり、JR横浜線淵野辺駅から線路沿いに徒歩4分のところに位置し、駅から至近距離にあります。法人は昭和16年、相模原市中央区淵野辺に愛の園保育学校(現在、愛の園ふちのべこども園)の開園に始まり、創始者の松岡謹の「愛の精神」をベースに保育を行っています。現在では保育事業、高齢者支援事業、障害者支援事業、その他自立事業を幅広く展開する法人に成長しています。認定子ども園の展開については相模原市の方針を踏まえ、法人として積極的に展開しています。

●ふちのべ美邦こども園は、「社会福祉法人さがみ愛育会」の創設者「松岡キン」の創設理念“愛の精神”をベースに生まれた園です。戦前「松岡キン」は神学者「賀川豊彦」から経営を任されていた「愛の園保育学校」が閉校となり、1940年、夫である松岡新太郎と葛飾区の地に「みくに幼児園」を開園しました。その名前にあやかって『みくに(美邦)』と名付けました。残念ながら同園も太平洋戦争激化のため、やむなく閉園しましたが、その二代目を目指して当園を『ふちのべみくに(美邦)』と命名しています。

●ふちのべ美邦こども園は1号認定(幼稚園型教育標準)定員15名、2・3号認定(保育園型保育標準)定員120名の認定こども園です。1号認定については保育園型の中に組み入れ、3歳、4歳、5歳のクラスで一緒に保育(教育)を行っています。保育方針は、「ふちのべ美邦こども園はあるがままの自分をみせる園」、「ふちのべ美邦こども園はやってみたいと思うことが出来る環境の園」、「ふちのべ美邦こども園は明日も園に行きたい!と子どもが思える園」を掲げ、「ふるさと保育」、「造形活動」、「剣道保育」、「キャンプ」、「モンテッソーリ教育」、「食べることの楽しさ」等を取り入れながら自由で伸び伸びとした子どもの育成を図っています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/05/22(契約日) ~2020/05/25(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1.【地域の子育て支援】
●ふちのべ美邦こども園及び法人は地域の子育てに熱心に取り組み、地域に貢献しています。法人で子どもの育成に関連する事業を多く展開し、さらに子育て支援のために地域子育て支援センターを併設し、子育て広場「にっこにこ広場」(月1回~2回)を開催し、わらべうたを中心に親子で手作りおもちゃを作ったり、遊べる場、育児の仲間作りの場を提供し、子育て相談を実施しています。また、地域の子育てサロンとして地域広場活動「あつまれ!おやこ」を定期的に参加し、保育と育児を考える週間を設立する等、地域の子育て親子を支援しています。また、地域子育て支援事業として、産休明け8週から乳児期保育、幼児期保育を実施し、午前7時から20時までの早朝・延長保育、障害児保育、一時預かり保育、園庭開放等を提供し、地域の子育て中の母親のサポートを幅広く支援し、家庭育児の補完、助育に尽力しています。

2.【高齢者との交流】
●法人の事業として高齢者のデイサービスを運営しており、子どもたちは訪問して高齢者と交流を持っています。また、ふちのべ美邦こども園の近隣に地域の老人会があり、伝統的な日本文化の独楽回しやお手玉を高齢者に教わるなど、異世代交流を行い、子どもの情緒的なメンタリティを高め、思い遣りや労わり、敬う心を培っています。

3.【モンテッソーリ教育と集団教育のバランス】
●幼保連携型認定こども園教育保育要領のねらいに「遊びを通しての教育」「一人ひとりの主体性」にあり、ふちのべ美邦こども園でも遊びを通しての教育を行っています。園の特徴の1つであるモンテッソーリ教育の取り組みも一人ひとりの主体性を大事に、棚に設定された教材・作業を子どもが自由に選び、お仕事を楽しみながら学び、自主性を育む体制を構築しています。モンテッソーリ教育の推進と、園の特徴的なふるさと保育、剣道保育、食育、ふるさとキャンプ等の心と身体の成長を育む集団教育とのバランスを図り、子どもの限りない可能性と豊かな感性・人間力の育成に力を入れています。
改善を求められる点 1. 【体制づくり、質の向上について】
●理念に基づく保育サービスの提供は十分に高い評価がされますが、利用者アンケートから、「送迎時の保育士との話や連絡帳による子どもの様子」、「懇談会や個別面接等での十分な意見交換」、「保育内容に関する疑問や要望に対する速やかな回答、丁寧な対応」、「保護者に対する職員の対応や態度」、「防犯対策」、「緊急時の連絡体制」等の項目について、あまりわからない、やや不十分、少し心配がある、やや不満足という回答が見られます。自由意見からは職員の離職について不安につながる意見も挙がっています。保育内容については高い評価を得ている反面、伴う体制については強化が求められます。一つのほころびから、少しの気配りから、不満にも満足にも背中合わせであると思いますので、職員一人ひとりの意識、質の向上への研鑽に努め、ハード面・ソフト面ともにすばらしい園作りに期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名: ふちのべ美邦こども園
施設長: 霜降 靖代


<評価に取り組んだ感想>
   
利用者アンケートの結果を踏まえ全職員にも内容を熟知してもらって、改善できる部分は実行いたしております。
評価の理由で、どの部分が足りないのか、不十分なのかを指摘して頂ければ、理解しやすいと思います。

第三者評価結果を受けるまでの過程で全職員が取り組んだ事前調査(自己評価)の提出書類の作成こそが、保育の振り返りの第一歩で、改善すべき点を明確にする機会となりました。
これから目指すべき目標や方向性について職員一人ひとりが理解し共有することができたことが大きな成果だと思います。
貴重な機会を与えていただいたことに感謝します。

<評価後取り組んだ事として>

1.利用者アンケートの結果を受けて各クラスや年齢ごとに分析して話し合い改善していく。

2.園長・教頭・その他の職員が会議や公務で知り得た情報や事業内容をベター保育研究会、主任会議等
で報告し全職員に周知した。

3.職員全員が改善すべきことが明確になり、振り返る機会となった。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

●保育理念及び園の「理念からの子ども像」はパンフレット、ホームページに掲載して周知しています。社会福祉法人さがみ愛育会(以下、法人という)はキリスト教の愛の精神を基調として大切に園の運営を継続している法人であり、淵野辺保育園(現、愛の国ふちのべこども園)を母体として推進を図っていましたが、相模原市の方針に賛同して認定こども園への移行を進め、愛の国ふちのべこども園とふちのべ美邦こども園を中心に展開し、神奈川県の認定こども園の先駆けとして先陣を切っています。入園の面談の時には園の様子を見てもらい理解を促しています。また、園の「理念からの子ども像」は職員の行動規範とし、目指す子どもの姿を実現するための指針として実践しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

●事業経営の環境については常に情報収集、分析に努め、法人の理事等の協力を得て見極めています。現状としては保育園の無償化、消費税のアップ、給食費の別途徴収など目まぐるしい変化があり、保育、幼稚園の制度の変化等が相まり、経営における変化の的確な対応に努め、特に、認定子ども園の運営に率先して取り組んでいく所存でいます。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

●経営課題としては人材不足が大きな課題となっています。新規採用の難しさに加え、朝夕のパート保育士の定着についても検討が必要な時代となり、法人の施設長会、役員会に報告して課題を共有し、職員会議でも職員に報告しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●保育理念や園の「理念からのこども像」の実現に向けたビジョンは明確になっています。ビジョンとしては創始者の方針である愛の精神の基 、“いっしょっていいね”に沿い、共に育ち合うとともに地域社会の貢献を継続して取り組んでいきます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●中・長期計画を踏まえた今年度の事業計画は、第三者評価受審も含めた体質改善を掲げています。また、法人設立70周年を迎え、開所からの展示会、特別講演、記念事業を企画し、今年度の合同記念事業については、理事会、評議委員会を通して評価を受けています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

●事業計画の策定については、昨年度の事業報告を踏まえて今年度の事業計画を策定しています。職員会議での職員の意見も反映させています。昨年度はじめて1号認定の園児を受け入れ、保育の2号認定と一緒の保育・教育を実施しました。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

●事業計画の保護者への説明については、社会福祉法人に則り事業計画、事業報告は開示しており、玄関入口に閲覧できるよう棚に設置し、ソファーも備えて保護者にゆっくり目を通せるよう配慮しています。さらに、事業計画を行事計画に落とし込み、年度始めに年間の行動計画を保護者に配付及び説明しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

●認定こども園の運営は基本的にPDCAサイクルに沿って実施しています。園としては9月に法人としての内部監査を受け、その透明性を確認しています。ふちのべ美邦こども園独自に「ベター保育研究会」を毎月1回、実施し、研究会を中心に全職員で目指すべき目標や方向性を確認し、実践につなげています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

●事業計画の反省等を踏まえ、各クラスで分析及び毎月の課題を抽出し、「ベター保育研究会」で提示して話し合い、職員間で共有を図っています。また、毎月のクラスリーダー会議においても併せて話し合い、課題に対する対応を検討し、周知及び実施につなげています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

●園長の役割と責任については運営規程に定め、業務マニュアルの中に決裁区分も明示しています。自らの役割については職員会議、園だよりにも表明し、最終責任は園長であることを示しています。重要事項説明書にも園長の役割と責任について明記して周知しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●遵守すべき法令等については、法人のガバナンスとして重要と考えています。職員へは子ども憲章、倫理規定等を配付し、遵守しています。法令を正しく理解するよう研修会や園長会等に参加し、情報収集及び理解を深めるよう努め、必要に応じて情報を職員に伝えています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

●保育の質の向上については、外部研修、園内研修の充実を図るよう努めています。外部の講師を依頼して研修会を開催し、月1回、臨床心理士による気になる子どもの実例及び対応について、ケースカンファレンスを継続的に実施して保育に生かしています。園内研修会では、「OJTグループ」を4つ設け、食育グループ、子どもの遊びグループ、モンテッソーリグループ、環境グループに職員を分けてグループ化を図り、取り組んでいます。リーダーは中堅職員にOJTグループの運営費を振り分け、運営に活用しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

●園長は、「ベター保育研究会」を通して、目指すべき望ましい保育の在り方を全職員に伝え、共通理解を促し、保育方針や事業計画の徹底を図っています。「ベター保育研究会」の運用を園長自らバックアップに努め、職員の働きやすい環境の整備、組織内の具体的な体制に向けて支援しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●人材確保等については計画をしていますが、苦慮しており、新規採用(4月)の際は採用試験、一括オリエンテーション等を必要に応じて法人で実施し、入職した職員にはレベルアップのための指導、標準的な業務、質の向上に努めています。定着については、働きやすい職場環境作りに工夫・努力しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

●総合的な人事管理、階層別における必要なスキルについては「期待する職員像」を階層別に示し、期待する職員像への向上の努力を支援しています。職員処遇の水準を上げるために直属上司の評価、自己評価に基づいて処遇改善の評価・分析を行い、反映させています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

●職員の就業状況や意向の把握については責任体制を定め、データを定期的に把握し、有給休暇等が偏りなく均等に取得でいるよう毎月の出勤簿、休暇簿で把握及び管理を行っています。また、職員の定期の健康診断に沿って健康の管理を行い、相談窓口を設け、主任→園長→専門医の体制を整え、職員の心身のケアに配慮しています。職員のワーク・ライフ・バランスの改善にも努めています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●職員の質の向上に向けて、年度初めに法人主催の研修会や園の研修会で理念をはじめとする研修を実施し、意識を高めています。職員一人ひとりの自己評価実施、キャリアアップ研修等を通して各自の年間目標を定め、振り返り、反省により資質向上につなげています。「期待する職員像」の明示を基に職員一人ひとりは目標達成のために研鑽し、実現できるよう職場環境にも配慮しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

●職員の教育研修では「個人別研修カルテ」を作成し、個別に受講した研修内容を記録し、定期的に評価・見直しを実施しています。「職員研修計画書」を設け、計画書に「期待される職員像」を明記し、併せて自己評価表にも明示して職員一人ひとりの経験年数に応じて自己目標を職員研修計画書に記載して検証する機会を設けています。研修計画では、相模原市が定める研修計画を参考にして新人等の基礎研修、中堅の研修、キャリアアップ研修を階層別に策定し、実施しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

●職員の教育に関しては、園内研修では「ベター保育研究会」やOJT(主体的、自主的、創造的な日常活動の中での研修)、ケースカンファレンス等を毎月実施し、質の向上に向けて研鑽を図っています。年に2~3回は外部から講師を招いて「乳幼児期の食支援」、「保育実践の可視化」等をテーマに研究を実施しています。また、相模原市主催の研修にも積極的に参加しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

●実習生の受け入れについては、受け入れのためのマニュアルを整備し、マニュアルに沿い、依頼校と連携を取りながら次世代の専門生の育成に努めています。実習生は園全体で育成することを原則とし、基本的に窓口は主任及びクラス主任とし、実習生が実習するクラスの職員に対しても園全体で教育に当たり、より良い実習となるよう努めています。将来の実習指導者育成を含め、若年保育士にも教育を行っていく予定にしています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

●運営の透明性については社会福祉法人に則り、事業計画、事業内容等は公開しています。保育の実践状況を含む第三者評価結果についてもホームページ等に公開する予定でいます。地域へ向けて、保育理念、園の「理念からの子ども像」、保育の内容、事業計画、園の報告、予算・決算情報についてはホームページで公表し、保育活動については印刷物、広報誌、入園のしおり等に記載し、来園者には配布し、自由に持ち帰れるようにもしています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●経営・運営の公正性については、基本的には法人内監査を厳重に行い、細部に亘り詳細にチェックを行っています。法人による外部監査については公認会計士から公正に受けています。会計責任者は毎月の決算書を理事長に提出し、定期的に確認を受け、適正な運営に努めています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●ふちのべ美邦こども園では、子どもと地域との交流にといて、活動の1つに「ふるさと保育」を導入して進めています。畑で野菜や稲を育てて稲刈り等を経験し、収穫した野菜は食育につなげ、昆虫等を飼育して命の尊さを知ると、地域の自然と共に保育を展開しています。また、伝統遊びを大事にして保育に取り入れ、地域文化の維持・継続を心がけ、ふるさと(地域)を大切にした保育を実施しています。子育て広場「にっこにこ」では、わらべうたを中心に親子で手作りおもちゃを作ったり、遊べる場、親同士の仲間作りの場とし、0歳~3歳児を中心に地域の子育て親子を対象に支援しています。子どもたちは散歩で行き交う地域の方と挨拶を交わし、公園等では地域の人、子育て親子と交流をする等、子どもたちは地域の様々な人と交流を図る機会を持っています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

●ボランティアの受け入れについてはボランティア受け入れマニュアルを備え、マニュアルに沿ってオリエンテーションを行い、園の方針、注意事項等を伝え、受け入れ態勢を整えています。ボランティア受け入れでは、地域の中学校、高校、大学に受け入れの旨を開示しています。中学生は体験学習を中心に受け入れ、高校生、大学生はインターシップを中心に案内しています。大学の場合はボランティア依頼書の提出を依頼しています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

●保育所としての地域の必要な社会資源として、地域子育て支援センターを園内に設置して活用を図る他、相模原市立療育センター(相模原市立陽光園内)、児童相談所、神奈川県立相模原中央支援学校、相模原市中央区役所保育課の心理士、作業療法士(OT)等を活用し、リスト化して連携を図っています。 

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●地域の福祉ニーズは私立の園長会議(公立は別にある)に出席し、情報を収集しています。他、共和地区(園が所在する地区)の老人会は年3回、園のホールにて交流し、福祉のニーズを把握する機会になっています。地域団体との会議、地区の社会福祉協議会の会議等にも出席して情報を得、運営に生かすようにしています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

●地域福祉ニーズに基づく公益的活動として、地域の大学、商店街との連携及び協力、被災地支援等の慈善活動等を行っています。自治会に加入し、自治会長とは連携を図り、地域の活動に協力しています。法人では地域の中で起こっている全ての問題を受け止めていく専門性と力量が社会福祉法人に問われてきていることに応えるべく、また、法人の理念「愛の精神」「はんぶんこの福祉」に則り、「福祉セーフティガード支援隊」(11月1日)を発足しました。法人が運営する子育て支援センター、地域包括支援センター、障害児相談室等の専門性を有する相談機関を機能させ、複合化を図り、迅速性・柔軟性を持ち、各領域の狭間となるような相談や、家庭や地域社会を抑えたマルチプロブレム等の問題解決をボランティア、費用負担をして活動を行っています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●子どもを尊重した保育について、3月の年度会議で法人のガバナンスである「愛の精神」について話し、職員は理解を深めています。年度の振り返り、年間指導計画の反省に先立ち、基本方針の確認及び業務マニュアル、就業規定等について周知し、職員は共通理解の下、保育にあたっています。「愛の精神」と「子どもの尊重や基本的人権への配慮」については各クラス、クラス主任への研修を行っています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

●子どものプライバシー保護(個人情報保護)について、マニュアルに沿い、職員、保護者に周知徹底を図っています。例えば、組織の機密事項をはじめ、職員間での話の内容が保護者の耳に入るようなシチュエーションが起こってはならないことを伝えています。個人情報保護はプライバシーポリシーにまとめています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

●利用希望者の保育所選択に必要な情報の提供については、園のホームページの他、地域の大野北センター(公民館)や相模原市役所の保育課に案内のパンフレットを置いています。入園のしおりも準備し、園見学等に配付しています。見学希望者は柔軟に受け入れ、保育内容の説明及び園内を案内し、丁寧に対応しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

●保育の開始時間もしくは変更時には、入園時や大幅な変更時については保護者説明会を開いて説明を行い、小さな変更レベルであれば園だよりや掲示物で掲示して周知を図り、クラスの保育士からも説明するようにしています。年間行事計画は4月に配付し、変更や細かい予定については上記掲示や園だよりで知らせています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●保育所等の変更については、クラス担任が窓口となり、引継ぎ文書等は準備しますが個人情報であり、移転先保育園に一律で送ることはせず、保護者もしくは役所経由で保護者の了解の上で行っています。ふちのべ美邦こども園には卒園児の後援会があり、交流の場があるため相談しやすい環境にあります。移動後の窓口についての明文化はありませんが、基本は職員の異動(退職等)もあるため、その時点での園長が原則窓口と考えています。後援会の交流では卒園児デイキャンプやふるさとまつりを実施し、継続的なつながりを大切にしています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●利用者満足の把握に関しては、子どもについては日々の保育の中で子どもの表情、発言、行為等から満足・安心感を感じ取るように努めています。保護者の満足度については行事後のアンケート実施、クラス懇談会や面談等を通して把握し、日常的には連絡ノートに意見を書いてもらい、必要に応じて職員会議等で検討し、改善に努めています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

●苦情解決のしくみについては、法人に「苦情解決検討委員会」を設け、「苦情解決」制度の基本要領を示し、苦情解決の体制を明示しています。ふちのべ美邦こども園では重要事項説明書に受付担当者、受付責任者、第三者委員を明示して苦情解決体制を記載しています。また、コミュニティボックス(意見箱)を設置し、自由に意見を述べやすいよう体制を整えています。保護者からの相談、苦情は、応接室や、ホール、ランチルーム等を活用し、プライバシーに配慮しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

●保護者が相談や意見が述べやすいよう、担当クラス職員や事務室で園長・教頭に声をかけられるよう、入園のしおりに明記しています。意見等については園への期待の表れであることを理解し、意見、要望等については誠意を持って対応に努め、早期の問題解決に努めています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

●保護者から相談等を受けた場合は、苦情相談マニュアルに沿って対応及び記録を取り、内容に応じてクラス主任を中心に会議を行い、解決への方向性を決め、「ベター保育研究会」から職員へ周知を図り、意見に基づいて園・保育の質の向上に努めています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

●リスクマネジメント体制については、看護師を中心に進め、職員への周知については「ベター保育研究会」で行い、改善に努めています。リスクの未然防止についてはヒヤリハットや事故報告書、事故記録により発生の要因の検証、改善策を検討し、再発防止に努めています。今後、研修の実施、マニュアルのさらなる周知を図っていくよう考えています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●感染症の予防と蔓延防止についてはマニュアルを作成し、看護師を中心に対応方法、予防策を周知しています。手洗い、うがい、消毒を励行し、定期的及び随時、室内換気を心がけ、手拭きはタオルからペーパータオルに切り換える等、予防に努めています。保護者に対しては感染症の予防や発生時は事前に保健だよりで伝え、注意喚起を行っています。登園禁止となる感染症については重要事項説明書に明示し、園内蔓延を極力抑えるように啓発しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

●災害時の対応体制は整備されています。地域的に水害は少ない地域であり、主に火災や地震、不審者等を想定した訓練を月1回、実施しています。防災協力園との緊急連絡網も設定しています。備蓄については備蓄庫を設け食料等を保有しています。不審者対応の訓練は年1回行っています。利用者アンケートでは不審者対応について不安の声もありましたが、訓練を実施している旨、不審者対応への準備等を周知する工夫が望まれます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

●標準的な実施方法についてはマニュアルの他に全体的な教育、保育計画、各クラスのデイリープログラムを文書化し、保育サービスの基本としています。子どもの尊重、プライバシー保護、研修体制、「ベター保育研究会」等について周知を図っています。基本的にマニュアル等に沿って実施していますが、臨機応変に子どもの希望・意思を尊重して保育にあたっています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

●マニュアルを含めた全体的な教育、保育計画等については定期的に年度末に会議で見直しを行い、次年度に向けて改善を図っています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

●アセスメントについては看護師、支援コーディネーター、担当保育士で行い、指導計画の策定は責任者を据え、振り返り及び評価を実施しています。アセスメントでは経過の状況でのモニタリング、担当や担当以外の子どもに対する見方、変化などを持ち寄り、年内の指導計画を照らし合せながら調整を行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

●年間指導計画の見直し、評価については、区切り(月末、期末等)にねらいと合わせながら評価を行い、次期計画に生かしています。発達過程に応じて指導計画に見直しが生じた場合は保護者と連携し、同意を得ています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

●子どもの発達や個別指導計画に基づく記録は、内容や書き方に統一を図り、差異がないよう職員間で合議を図り、記録は教頭、園長の検印にて承認を得ています。記録の書き方については研修で指導しています。子どもの情報については、職員会議等を通じて周知を図り、全員が共有できるようにしています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

●子どもの記録の保管については法定年数以上と考え、管理責任者は教頭とし、保管場所を定め、施錠して格納し、保存は個人情報保護法規定の定めに沿って整備しています。内容は保護者にも説明しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

●全体的な計画は児童憲章、児童の権利に関する条例、児童福祉法、認定こども園教育・保育指針の趣旨に沿い、ふちのべ美邦こども園の理念等に基づいて編成しています。また、子どもの発達過程、子どもと家庭の状況、保育時間、地域の実態等を加味して考慮しています。各クラス、クラス主任、主幹、教頭、園長等、保育に関わる職員が参画して年1回、評価を行いながら編成を行っています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

●各クラスで定期的に衛生管理者による測定を行い、室内の温度、湿度・換気、設備、用具や寝具等の環境について常に適切な状態に保持し、生活のための心地良い生活空間を保障しています。保育者の声、活動に関する音等に関しては、仕切りのない部屋もあることを考慮し、クラス間で気を付けるように心がけています。一人ひとりの子どもが寛いだり、落ちつける場所としてピアッツァ(1階エントランスにつながる広場)等を活用して提供しています。手洗い場、トイレ等は明るく、子どもが利用しやすい設備を整え、安全への工夫を行っています。3歳児の保育室にはロフトがあり、2階のピアッツァには吹き抜けにネットが張ってあり、子どもが落ちずに遊べる空間が設けられています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

●一人ひとりの子どもの受容は保育の基本ですが、特に、乳児においては受容、信頼関係を大切にして、担当制を採用して保育にあたっています。子どもの発達と発達過程、家庭環境等が記録された子ども一人ひとりの個人書を十分に理解及び尊重し、子どもが安心して自分の気持ちを表現できるように配慮しています。自分を表現する力が十分でない子どもには気持ちに寄り添い、思いを汲み取るよう努めています。職員は、わかりやすい言葉、適正な声・言葉遣いで穏やかに話すように努めています。また、子どもの状態に応じた保育を全職員が心がけ、子どもの数は多くても一人ひとりを大切にし、否定的な言葉を使わないよう努めています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:b】

●子どもの基本的な生活習慣については、子どもの発達に合わせて、子どもが自分でやろうとする気持ちを尊重して進めています。子どもの体調、状態に合わせて活動と休息のバランスが保たれるよう工夫しています。「元気カード」で自分の健康について気をつけるよう促しています。トイレや歯磨き、箸の使用は発達に応じて、家庭と連携を図りながら焦らず自然に取り組んでいます。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

●子どもが自主的、自発的、主体的に生活と遊びができるよう、玩具を分類し、自由に取り出しやすいようにし、遊びを選べるよう環境を整備しています。積極的に外遊びの時間を設け、裸足保育(土踏まずの形成)を推進し、子どもが健康で伸び伸びと遊べるようにしています。芝の園庭では雑草を伸ばして虫探しができるよう工夫をしたり、身近に自然と触れ合い、様々に探求ができるよう工夫しています。地域の老人会の高齢者と交流を通して伝承遊びや社会体験が得られる機会を作っています。園の特徴であるアート活動、造形活動や剣道保育、行事の運動会、発表会等を通して様々な表現活動が楽しく体験できるよう工夫しています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●0歳児の保育については、安心して保育士等と愛着関係(情緒の安定)が持てるよう担当制を実施して出来るだけ小グループで保育ができるよう配慮しています。子どもの表情を大切にし、ゆっくりと優しく応答的な関わりに努めています。1日の様子を掲示したり、連携ノートのやりとりを通して子どもの生活と遊びを家庭と連携し、登降園時に直接保育者に様子を伝えあっています。0歳児が長時間同じ園で過ごすのでゆったりとした家庭的な雰囲気の環境に努めています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●3歳未満児(1歳、2歳)の保育では、手作りの知育玩具を使用して教育を保育の中に取り入れ、遊びや生活の中で、子どもが自分でしようとする気持ちを尊重して援助しています。玩具の設置の工夫をする等、探索活動が十分に行えるよう環境の整備に努めています。子どもの自我の育ちを受け止め、表情を読み取り、気持ちに寄り添いながら適切に関わっています。また、異年齢の子どもと交流する機会や、ボランティアと関わりを持ち、様々な人と接する機会を設けています。保護者に対しては、1日の様子を掲示したり連絡ノートを通して、子どもの生活と遊びを保護者と連携し、登降園時では口頭で保護者と情報を交換しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●3歳以上児の教育と保育の一体的展開については、遊びの中に教育を取り入れる考え方を中心に進めています。3歳児の保育では落ち着いた雰囲気の中で花や野菜を育てるなど興味・関心のある活動に取り組めるように関わっています。4歳児の保育では、グループの中で自分の力を発揮しながら、友だちとともに楽しみながら遊びや活動に取り組めるよう環境を整え、支援しています。5歳児の保育では、集団の中で一人ひとりの子どもの個性が生かされ、友だちと協力して1つのことをやり遂げる遊びや、運動会の演目、みくに美術館での作品展、発表会等を通して体験し、秋フェスタの取り組み等、子どもが体得した様子を保護者や地域就学先の小学校等に伝えるようにしています。みくに美術館では作品展に地域の方を招いてお茶をもてなし、秋フェスタでは小学生と交流を図り、みくに食堂では3歳~5歳が一緒に食事をする機会を設けて楽しいひと時を共有しています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●障害のある子どもを受け入れ、子どもの状況に配慮した個別指導計画を作成し(幼児でも)、統合保育を行い、クラスの指導計画と関連づけて他児と一緒に保育を進めています。子ども同士の関わりに配慮し、共に成長できるように援助しています。相模原市の保健師の巡回訪問を受け、相模原市立療育センター等と連携し、助言を受けて保育に生かしています。職員は相模原市の支援コーディネーター研修を受講し、必要な知識、情報を得、適正な対応にあたり、他の職員とも知識を共有して保育に生かしています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●長時間に亘る保育では、各クラスのデイリープラグラムに1日の生活を見直し、連続性に配慮し、子ども主体にした計画性のある取り組みを心がけています。長時間に亘る子どもに対して、延長保育ではゆったりと落ち着いて過ごせるよう配慮しています。子どもの1日の様子は担任と遅番担当とで引き継ぎ、保護者と十分に連携を図り、伝達がある場合は伝達漏れのないよう留意しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

●小学校との連携、就学に向けてアプローチプログラムを作成し、年長クラスは毎月、共和小学校に園だよりを届けに行き、小学校を見聞きして小学校生活の見通しを持てるようにしています。園長の指導の下、認定こども園園児指導要録を策定し、就学先へ提出しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

●子どもの健康管理に関するマニュアルを整備し、マニュアルに基づいて「健康保健カルテ」を作成し、看護師、職員で一人ひとりの子どもの心身の健康状態を把握しています。子どもの体調悪化・けが等については、軽重に係わらず保護者に伝え、職員間でも連携を取り、翌朝に確認を行い、保育につなげています。看護師が中心となって子どもの保健に関する計画を作成し、月の打ち合わせや「ベター保育研究会」において子ども個々の健康状態に関する情報を周知し、共有しています。入園時や健康カードにより既往症や予防接種の状況を把握し、保護者から子どもの健康に関わる必要な情報が常に得られるように努めています。SIDSに関しては、マニュアルに明示し、ブレスチェック、あお向き寝を年齢ごとに定時にチェックを行い、留意しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

●健康診断・歯科健診を定期的に実施し、健診結果は健康カードに記録し、クラス担任に周知しています。保護者にもその日の内に伝えています。健康診断・歯科健診の結果は保健に関する計画等に反映させ、保育に生かしています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●アレルギー疾患のある子どもに対して、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」を基に、子どもの状況に応じた適切な対応を行っています。アレルギー疾患で除去食の必要な子どもに対しては、医師の指示の下、適正に実施し、保護者と連携を密にして、献立について事前に打ち合わせをして対応し、園での生活に配慮しています。配膳については、栄養士、職員間でダブルチェックを行い、別食器・トレイ、名札を示し、誤配膳、誤食のないよう十分に徹底しています。職員は、アレルギーに関する研修等を受講し、必要な知識・情報を得、知識を深めています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

●ふちのべ美邦こども園の特長の1つに「ふるさと保育」があり、畑での作業や野菜や稲を育て、食につなげる食育活動に力を入れています。「食べることを楽しめる子ども」では、五感を育む食事作りや、自分で育てた野菜を食す等、食育を進めています。野菜の栽培、収穫体験、実物の野菜の皮をむき等、豊かな経験ができるよう保育の計画に位置づけ、キッズキッチンで調理体験を取り入れ、楽しい食育活動に取り組んでいます。食事では、個人差や個々の食欲に応じて量を加減できるよう配慮し、4歳以上児は自分で量を申告し、配膳も各自で行っています。子どもたちは食事のマナー、食事の一連を学び、食事を楽しんでいます。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

●栄養士と各クラスの保育者と連携を図り、喫食状況を把握し、子ども一人ひとりの発育状況や体調等を考慮した献立、調理に工夫を施し、安心・安全な食材で食事を提供しています。献立では季節の旬の食材を取り入れ、誕生会・行事食では季節感のある特別な調理工夫をして子どもの楽しみにつなげています。乳児の出汁、中華料理なども取り入れて豊かな食を提供しています。調理室の衛生管理も徹底して安全を保障しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

●0歳~2歳児までは毎日の連絡ノートで情報交換を図り、3歳以上児からは必要に応じて連絡ノートを設けて家庭と連携を図り、連携しています。年2回、「保育と育児を考える週間」を設定し、保護者に保育参加を促し、子どもの様子、保育内容の理解を得られるようにしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

●登降園時や、連絡ノート、掲示、日常を通して保護者とコミュニケーションを図り、懇談会や個人面談等でも情報交換を図り、保護者と信頼関係を築くよう心がけています。また、臨床心理士との自由な相談の機会を設け、気になる子どもについては定期的に相談の機会を持つ等、試みを行し、保護者の子育て支援に努めています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

●虐待等権利侵害の兆候を見逃さないように日常から子どもの心身の状態や、家庭での養育の状況について把握するよう努めています。気になる子どもに関しては継続的に見守り、親の不安や悩み等に留意し、必要に応じて個別に話を聞くよう配慮しています。虐待マニュアルの基に、虐待等権利侵害が疑われる子どもがみられた場合は、児童相談所、園医、子育て支援センター等の相談機関と連携し、適正な対応に努めています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

●職員の自己評価については毎年実施し、定期的に園長と面談を行い、目標を決め、中期に進捗状況を確認し、助言・指導を行い、質の向上につなげています。年間指導計画の反省とも併せて、職員個々の反省・課題が園全体の課題である場合は、その課題を取り上げて園の自己評価につなげ、改善に取り組み、より良い園作りに努めています。