ぽらーの上和田
第三者評価機関名 | 株式会社フィールズ |
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名称 | ぽらーの上和田 | 評価対象サービス | 障害者・児福祉サービス版 |
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対象分野 | 生活介護 | 定員 | 30 名 |
所在地 | 242-0014 大和市上和田1878-1 |
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TEL | 046-279-6700 | ホームページ | http://www.tomoni.or.jp |
【施設・事業所の概要】 | |||
開設年月日 | 2013年12月01日 | ||
経営法人・設置主体(法人名等) | 社会福祉法人県央福祉会 | ||
職員数 |
常勤職員:6 名
非常勤職員:18 名
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専門職員 |
社会福祉士: 名
精神保健福祉士: 名
介護福祉士: 名
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施設・設備の概要 |
作業室:6部屋
シャワー室:
相談室:
アセスメントルーム:
厨房:
多目的室:
食堂:
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理念: ソーシャルインクルージョン(共生社会)を目指します。 先駆的で開拓的な事業を展開します。 基本方針: 人権の尊重とサービスの向上を図ります。インフォームドコンセント及びエンパワーメントを大切にした利用者さん主体の支援を推進します。地域との共生をめざします。ニーズの多様化を複雑化に対応します。社会のルールの遵守(コンプライアンス)を徹底します。説明責任(アカンタビリティ)を徹底します。人材の確保・育成の為の研修体制を充実します。柔軟で行動力のある組織統合(カバナンス)を徹底します。財務基礎の安定化に努めます。国際化への対応に取り組みます。社会貢献に積極的に取り組みます。 |
・自閉症スペクトラム症、発達障がいの方々が充実した、豊かな生活を送れるように専門的な支援を行っていきます。 ・事業所がワンチームとなり「やりたいこと」「新しいこと」「楽しいこと」に挑戦し続けます。 ・行動障がいのあるASD(自閉症スペクトラム)の方への専門的な支援を行います。障がい特性を理解し、エビデンス(根拠)に基づいた対応方法を実践します。 |
評価実施期間 | 2020/06/29(契約日) ~2021/02/15(評価結果確定日) |
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受審回数(前回の受審時期) | 2 回(2017年度) |
特に評価の高い点 | 1)行動障害のある自閉症スペクトラムの人への専門的支援 自閉症の行動特性を理解し、エビデンス(根拠)に基づいた対応方を実践しています。場当たり的な支援や個々の職員の価値観や経験に頼った支援ではなく、アセスメントを実施し利用者ニーズを把握し、利用者特性に配慮した支援に努めています。 利用者一人ひとりについて、本人を刺激するものは何か、本人が不快感を感じるものは何か、本人の自立心を阻害しているものは何かを明確にし、日々の支援の結果を強度行動障害記録表に記録します。パニックを起こした状況などを分析し対策を検討し、職員は強度行動障害支援の専門性の向上に努めています。 2)チームとしての利用者支援の推進 4人から6人の利用者グループを編成し、3人の職員がチームとなり一人ひとりの利用者の障がい特性に応じたきめ細かな支援を実施しています。自閉症評価キットを用いて文字の種類や絵合わせ、ビーズ通しなどの利用者一人ひとりの特性に応じた支援の構造化を図っています。 利用者は仕切られた空間の中でそれぞれが自分のペースで一日の作業に取り組んでいます。自閉症に関わる内部研修を毎月実施し、定期的にコンサルテーションの機会を設け、職員は自分の責任を果たすことをチーム支援の前提条件とし専門性の高い支援の提供に努めています。 3)利用者のストレングスに着目したチャレンジシートの作成 本人目線で「できること」を目標にした「チャレンジシート」の運用を開始しました。本人の達成意欲の促進を目指して従来の個別支援計画の書式の見直しを行いました。利用者がやりたいこと、やってみたいと思うこと、職員と一緒にできることを明記し、利用者と職員が話し合いチャレンジ期間を設定します。 年2回の家族面談でチャレンジ目標の支援の成果を家族に説明します。職員は日々の支援の状況を毎日評価し支援記録に書留め、課題は何かを振り返ります。毎月の職員会議で、利用者のストレングスに着目した支援ができていることを職員全員で共有します。 |
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改善を求められる点 | 1)災害時を想定した事業継続計画の作成 緊急時の連絡網や緊急時安否確認メール等の仕組みを整備中です。災害時の事業継続計画は作成されていません。災害に備えた福祉サービス提供の施設独自の対策が望まれます。 2)サービス支援の標準化の取組み 各種生活支援マニュアルの状況の変化に対応した見直しとサービスレベルを維持するための個別支援計画作成のガイドラインなど、標準的実施方法の評価と見直し、及びその結果を反映したマニュアル改定等の仕組みの整備が望まれます。 3)職員体制の計画的な強化 福祉業界では職員の離職も多く、人材確保が難しく育成計画につなげ難い状況です。法人での求人・採用活動がを実施して、法人内の異動も行われています。しかし専門職・有資格者の確保は厳しく、職員からも計画的な人材確保・定着のための取り組みが求められています。サービスの安定的な提供のために本部との協力による人材確保と共に、管理者と職員とが協力していく職務体制への検討が期待されます。 |
自閉症スペクトラムの方々への支援に関して、法人として初めて障がい特性に特 化した施設となります。 利用者さんに対して、個々の強みを意識した支援を提供しています。 ただ、利用者さんをチームとして支える意味で、職員体制の再構築が必要な状況 です。昨今、なかなか人材確保が難しい状況が続いていますが、計画的に求人・ 採用を行い、併せて人材育成、チーム力向上に努めていきます。 |
詳細評価PDF |
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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 |
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【第三者評価結果:a】 「どの人の人生も肯定される社会づくりを目指します」「私たち職員は、お客さん(利用者・ご家族)の笑顔のために働きます」等の理念を掲げています。職員倫理行動マニュアルを作成し、理念の遵守に関わる法人全体としての職員行動規範を定めています。また、権利擁護と利用者主体の支援及び意思決定、自立支援の推進等理念の実践にむけた基本指針を定め事業計画書に明記し、職員会議で読み合わせを行い職員全員に周知しています。毎年5月に実施の家族懇談会で事業計画を配布し、理念や基本方針等施設運営の方針を説明しています。 |
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 |
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【第三者評価結果:b】 地域の福祉ニーズの動向を踏まえ、昨年度4月より従来の多機能型事業所から生活介護サービスに特化した事業所になりました。地域の障害者ニーズに対応し、特に行動障害のある自閉症の人たちへの専門的な支援を行っています。重度障害の利用者が95%以上を占めており、月々の地域ごとの利用者の利用率等を分析し職員会議で検討し利用率向上とサービス向上の対策を実施しています。地域の福祉計画の把握と潜在的利用者のデータ収集と分析については、法人としての地域支援の一環として事業所を取り巻く環境条件の変化への一層の対応の強化が期待されます。 |
【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。 |
【第三者評価結果:b】 施設長は毎月開催の法人全体の所長会議に出席し、経営環境や職員体制、育成等に関わる福祉サービスの各種情報を把握し、職員会議で職員に説明し周知しています。2020年5月の所長会議で「県央福祉会の健全経営を遂行するための課題と行動目標」の資料を用いて説明したことが、職員会議の議事録に記録されています。経営課題に対する施設としての課題と対策の具現化と体制整備等の具体的取組については今後の課題です。 |
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 |
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【第三者評価結果:b】 法人としての2018年までの5か年計画を作成し、現在マスタープラン作成委員会を立ち上げて中期計画を作成しています。毎月定期的に施設長が参加しエリア会議を開催し、中期計画に向けた施設の要望等を検討しています。法人としての年度事業計画を策定し、中・長期の法人の事業方針の実現に向けた具体的課題を明示しています。法人の事業計画の実現に向けて施設の事業計画を作成しています。中・長期的視点での数値目標や具体的成果物の設定が今後の課題です。 |
【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 |
【第三者評価結果:a】 2020年度の施設の事業計画は、法人の事業計画の重点目標を受けて、今年度取り組むべき具体的な目標を設定しています。事業計画は、「行動障がいのある自閉症スペクトラムの人への専門的な支援」の具体化等を推進する内容です。また、法人の方針を受けてチームワークを醸成し職員の専門性の向上を踏まえた利用者支援の統一性を図ることを明記しています。事業計画は利用率等の数値目標や具体的成果を設定し年度ごとの事業報告に達成状況を明記しています。 |
【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 |
【第三者評価結果:a】 事業計画は毎月実施している職員会議で検討し策定しています。9月の職員会議で中間見直しを行い、2月の職員会議で全体の成果の評価と年間計画の方針を決定しています。それを受けて3月中にアセスメントを実施し、個別支援計画(チャレンジシート)を作成しています。また、職員会議で事業計画の読み合わせを行い職員に周知しています。 |
【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。 |
【第三者評価結果:b】 年に2回実施している家族懇談会で施設運営の状況やヒヤリハット・事故一覧、職員の研修受講の状況等について家族に説明しています。5月実施の家族懇談会で事業計画を配布し、施設運営の方針や当該年度の重点目標等について説明しています。また、南米の外国籍の利用者のケースでは通訳を介するなど利用者が理解できるように配慮しています。今後はより利用者に分かりやすい説明資料の工夫が期待されます。 |
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 |
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【第三者評価結果:b】 年一回、神奈川県規定様式の「指定障害福祉サービス事業等自己点検シート」を用いて自己評価を実施しています。自己評価は運営編と報酬編に分かれ多岐に及びます。自己点検は管理者主体の実施で全職員が参加しての組織的対応とは言えない状況です。自己評価に関するサービス内容の組織的チェック体制の整備と課題対策の仕組みの整備が望まれます。 |
【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 |
【第三者評価結果:b】 自己評価の結果、災害時対策としての備品の蓄積や身体拘束に関する利用者・保護者の同意についての改善策を講じた事例があります。毎月実施の職員会議で課題を共有し対策を講じています。しかし自己評価の結果の分析と文書化の組織的対応は十分とは言えない状況です。課題対策の結果の記録と改善計画の見直しの仕組みの整備が望まれます。 |
評価対象Ⅱ 組織の運営管理
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 |
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【第三者評価結果:b】 当該年度の事業計画で施設長の方針や取り組みを提示し職員会議で説明し、また、処遇の方針に沿った研修を実施し全職員に周知しています。事業所としての組織図や職務分掌を整備し、職員の役割分担と権限を明確にすることが望まれます。緊急時対応マニュアルを整備し、有事の際の行動マニュアルや職員の対応の迅速化を図るためのフローチャート等を明示し、施設長不在時の権限移譲等について明確にすることが望まれます。 |
【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 法人の理念の実践に向けた「基本方針」に、コンプライアンスの順守等を明示し、「倫理規定」に職員の行動について細かく規定し職員が遵守すべき法令等に関する注意を喚起しています。施設長が構成員となってコンプライアンス委員会が招集され、法人全体のコンプライアンス対応の強化を図っています。施設としても、施設運営に関わる各種法令改正に関する問題意識をもとに、「支援についてのふりかえりロールプレー」を行い、特に利用者の人権擁護についての取り組みの強化を図っています。 |
【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:b】 法人として人事評価のシステムがあり、それぞれの職員は個々の自己目標を設定し、施設長との面談を通して目標達成の成果を評価しています。施設長は日頃からサービスの質の向上に関する課題を把握し、また、県の自己点検シートを用いて自己評価を実施し改善課題の把握に努めています。しかし課題解決に向けた組織的対策の実施にはつながっていません。福祉サービスの質の向上に関する課題を職員に周知し、組織内に具体的体制を整備する取組が期待されます。 |
【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:b】 経営や財務に関する法人としての目標・実績等を事業計画、事業報告、収支報告としてホームページに開示しています。施設長は、法人の事業計画の実践に向けた施設の重点目標を設定し事業計画を策定しています。また、月々の稼働率や人件費の動向について分析し、毎月試算表により数値の達成状況を把握し、施設運営の経営改善に努めています。人員配置は法人全体の課題ですが、人員配置上の職員不在や、職員の負担軽減などの課題が現実化しており、働きやすい職場環境の整備に向けた労務環境改善の対策が望まれます。 |
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 |
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【第三者評価結果:c】 人材確保が難しい福祉業界の状況の中で、職員の離職も多く、具体的な計画や育成までに至らないのが実情です。法人としての採用活動が実施され、広く求人も実施され、同種の施設も多いことから法人内の異動も行われています。有資格者の確保も困難な状況があり看護師は非常勤で配置されています。職員アンケートからも計画的な人材確保・定着のための取り組みが求められています。サービスの安定的な提供のためには具体的な計画が必要です。 |
【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 法人の事業計画で期待する職員像が明示され、育成型評価制度としての人事評価の仕組みが構築されています。管理者は「面接を通して、職員の育成を図ることが明示されています。クラウド型の人事評価システムが導入され、職員自らが職務の遂行状況を入力して、施設長、エリアマネージャーが評価するという仕組みが整備されています。キャリアアップの制度が導入され、基本職・総合職・専門職・業務職のコースが設定され、キャリアマネジメントの仕組みが整備されています。 |
【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 |
【第三者評価結果:b】 施設長は職場の雰囲気を良好に保つために配慮を心掛け、職員とのコミュニケーションを積極的にとるようにしています。子育て中の職員には定時で帰宅できるよう配慮するなど、ワークライフバランスにも留意しています。法人に心の相談室が設置されストレスチェックを年2回実施するなど、精神的な負担が大きい職場であることに配慮がなされていると言えます。職員がゆっくり休憩できるスペースや時間の確保が十分ではなく、働きやすい職場の実現に向けた取組の推進が期待されます。 |
【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 法人の事業計画に組織として期待する職員像を明示しています。育成型人事評価制度のシステムが確立され、法人全体で、年2回の目標管理や個別面接が実行されています。面接を通して育成をはかることが重要視されています。目標達成のための取り組みとしては、法人独自の研修期間の設置やキャリア別のフォローアップ研修が充実しています。職員は、研修機会には恵まれていますが、参加するための人的余裕や研修時間の確保に困難を伴うことがあり、研修に参加しやすい取組の配慮が期待されます。 |
【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 |
【第三者評価結果:b】 法人の事業計画に期待される職員像を明示し、倫理行動綱領で利用者支援の現場における職員の行動を具体的に示しています。TEACCHプログラムに基づいた支援を基本方針として、情報共有や研修を行っています。支援する職員は資格を求められてませんが、法人では資格取得に向けて支援しています。障がい特性の理解、個別支援の方法に関する育成はOJTを中心に実施しています。事業所としての研修計画がありませんので、事業計画とともに、年度ごとの研修方針・計画を策定することが求められます。 |
【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。 |
【第三者評価結果:b】 法人として、メンター制度があり、他事業所の職員が新規採用職員をフォローしています。インターネットでのコンサルテーションを受けたり、外部機関のスーパーバイズを受けることができ、そのつど希望すれば研修を受ける機会が保証されています。全員の研修機会を確保したり、幅広い分野の研修テーマを推奨する上では、施設としての年間研修計画が策定されていません。研修計画を整備し計画的に研修を実施することが望まれます。 |
【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 |
【第三者評価結果:c】 実習生受け入れの実績はありません。受け入れる機会がなかったこともあり実習生の受け入れ体制、受け入れマニュアル等が整備されていません。人材確保の上でも、養成校・福祉関連学校とのパイプを作り、実習生受け入れを積極的に進めることが期待されます。 |
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 |
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【第三者評価結果:a】 施設運営の方針や利用者支援の日々の活動、個別プログラム、季節の各種イベントの状況を写真やイラストを用いてホームページに分かりやすく説明しています。また、ホームページに施設のブログを掲載し、自閉症支援の日々の取組を紹介しています。法人の理念・基本方針及び事業計画、事業報告及び収支についてホームページに掲載し、また、第三者評価の評価結果をホームページに開示し法人全体の施設運営の透明性を図っています。 |
【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:b】 法人として定期的に内部監査を実施し、また、監査法人による会計監査を実施し事業報告に明記しています。事務、経理、取引に関するルールは法人として整備されていますが、施設内の職務分掌と分掌ごとの権限、職員への周知については十分とは言えない状況です。 |
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:b】 地域との交流・連携の促進を事業計画の重点目標に掲げています。地域交流を促進するために近隣の商店、施設との連携強化、自治会活動への参加等を推進しています。神奈川県スポーツ大会(陸上、ボーリング)に利用者が参加し、ハローウィンイベントでは、地域の人にお菓子を届けたりします。自閉症の障害を抱える利用者の地域行事への参加には困難な状況もありますが、地域の人たちの障害者への理解をを得るための交流の機会の一層の工夫が期待されます。 |
【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 |
【第三者評価結果:c】 ボランティアの活用は進んでいません。昨年度延べ9名のボランティアが活動していますが十分といえる状況ではありません。自閉症という利用者の障害特性の中ではボランティアの積極的受け入れに困難を伴う状況がありますが、ボランティア受け入れマニュアルを整備し、ボランティア受け入れ推進の方針を明確にすることが望まれます。地域の保育園や学校等と連携し施設体験や利用者との交流の推進への対応などの対策が期待されます。 |
【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 |
【第三者評価結果:a】 地域の相談支援機関、近隣施設協議会等の関連機関と連携し社会資源の有効活用に努めています。県央地区施設長会を2か月ごとに開催し、地域の福祉サービスの状況に関する情報交換を図っています。利用者のアフターケアについては利用者家族全体の支援に配慮し、相談機関や行政の窓口などの障害、高齢化対策に向けた情報提供に努めています。 |
【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:b】 昨年度、行動障害のある自閉症スペクトラムの方への専門的支援を主体とした施設運営に特化することで、地域の障害者福祉への貢献を図っています。施設の取組の地域理解の浸透や専門性の地域還元の取組はこれからの課題です。地域の関係施設や地域住民との交流活動等を通して、一層の地域福祉ニーズの把握につながる取組が期待されます。 |
【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。 |
【第三者評価結果:b】 神奈川県社会福祉協議会と連携し、生活困窮者のための炊き出しの会や子ども食堂の支援に参加し、また、赤い羽根共同募金の街頭での呼びかけに利用者が参加しています。行政と地域防災協定を締結し、災害時の特別避難場所になっています。今後は、施設の専門的な情報を地域に還元する取組の強化と活動の推進が期待されます。 |
評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 法人として、人権尊重やコンプライアンス等を基本方針に掲げ、倫理行動マニュアルに明示しています。倫理綱領を職員会議で読み合わせ、人権侵害に対する職員意識の強化と周知を図り、職員に注意を喚起しています。倫理行動マニュアルでは、細部にわたり入所者の人権意識の強化と人権に配慮する姿勢について規定しています。法人として、入職時には5日間の採用実習を行い、職員は利用者との適切な距離感を持ち利用者の主体性に配慮することを心掛けるように意識づけを行っています。 |
【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 「職員倫理行動マニュアル」を整備し、利用者の自由とプライバシーの守られる環境の維持及び利用者の秘密保持やプライバシー保護に関する職員の具体的行動規範を明示しています。入所者は障害の特性から個別のスペースが必要となっていて、居室内は細かく仕切られ一人ひとりの居室となっています。衝立やロッカーを利用して仕切られている部屋もあったり、大きなスペースや他の利用者に刺激が伝わらないような工夫もされています。安心できる環境を用意することについては、家族会で説明されています。 |
【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。 |
【第三者評価結果:a】 施設利用の希望者にパンフレットを配布し、養護学校で施設の説明を行います。また、ホームページで施設の紹介をしたり、ブログで施設の様子や行事などの新しい情報をを発信したりして、施設の運営や利用者サービスの情報提供に努めています。契約の際に説明をする重要事項説明書にはフリガナがふってあり、利用者が理解できるように配慮しています。自閉症の利用者はコミュニケーションをとることが難しく、保護者への説明や情報提供となっています。家族がボランティアや実習をすることもあり、体験利用の受け入れを行っています。 |
【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。 |
【第三者評価結果:a】 利用開始に際しては、所定の手順(内容説明⇒プレ利用⇒利用調整会議⇒重要事項説明⇒同意⇒契約という手順)により、利用者が安心して施設を利用できるように支援しています。重要事項説明はサービスの内容をご家族に明示し、ふりがながふり、利用者が理解しやすいための配慮をしています。障がい特性から言葉の理解が困難な利用者がほとんどですが、わかりやすいよう配慮し、写真や絵を用いて説明しています。その際には利用者に分かりやすいようにTEACCHプログラムを活用した支援ツールを用いています。 |
【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 利用者の退所に際しては、支援専門員から退所後の問い合わせに対応し、また、社会福祉協議会を中心としたネットワークによるフォロー体制を構築し利用者支援に努めています。施設長は地域へのコンサルテーションやツールを用いた相談事業に取り組み、地域への相談やアセスメントによる利用者ニーズの把握を目指しています。引き継の文書やアフターケアについての案内等の手順も含めて支援内容の整備が望まれます。 |
【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 家族懇談会を定期的に開催し、施設長が出席し家族の意見・要望・苦情等の把握に努めています。利用者の満足度を直接把握するのは困難ですが、障害特性に合わせて、「合理的配慮」を行うことで、個々の利用者の障がい特性に応じて、利用者が意見を言いやすい雰囲気つくりを行うようにしています。誕生日の昼食には好きなメニューをオーダーしたり、「○○したい」という欲求に応えるなど、利用者が安心し、安定して日常生活を過ごすことで、そこから個々の満足の度合いを測ることができます。 |
【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 |
【第三者評価結果:a】 「苦情解決に関する規則」を整備し、苦情解決責任者、苦情受付担当者及び苦情解決第三者委員の設置を明示し、また、「苦情解決事務手続き(マニュアル)}を作成し、利用者からの苦情の申し出手続きをフローで分かりやすく説明しています。重要事項説明書に苦情受付窓口、苦情解決責任者及び第三者委員の氏名と連絡の方法を明示し、利用者からの苦情に適切に対応することを周知しています。また、利用者からの苦情に関する内容・対応について事業報告に記述し利用者・家族に説明しています。 |
【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。 |
【第三者評価結果:b】 「職員倫理行動マニュアル」を整備し、利用者の相談・支援に関わる職員の心構えを明示し職員に周知しています。所定の相談室があり、職員は利用者が気軽に相談できるように雰囲気つくりに配慮しています。今回の利用者・家族アンケートでは、86%の利用者・家族が「相談したり、意見を言いやすい雰囲気がある」と回答し、また、95%が「利用者本人の気持ちを大切にしながら対応してくれる」と回答しています。今後は、利用者が相談相手を自分の意思で自由に選択できるための意識つくりの支援の工夫が期待されます。 |
【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 |
【第三者評価結果:b】 4人から6人の利用者グループを編成し、担当職員がグループを編成し利用者支援にあたっています。日々の支援の状況を支援会議で話し合い、利用者や家族の相談内容について共有し支援の統一化を図っています。自閉症という障がい特性から本人からの発信が明確に判断しづらいことがあります。職員は、絵・写真・文字・絵文字など利用者一人ひとりの対応マニュアルを作成し利用者の思いの把握に努めています。また、連絡帳を活用し利用者の家族との日々のコミュニケーションの維持に努めています。対応マニュアルの定期的見直しが望まれます。 |
【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 |
【第三者評価結果:a】 危機管理対策マニュアルを作成し事故事故発生時の安全確保に努めています。危機管理委員会を設置し法人全体のリスクマネジメントに関する各種情報を所長会議で共有しています。毎月開催の職員会議で、「ヒヤリハット・事故一覧」を用いて事故の予防、対策について話し合い、職員全員で共有し注意を喚起しています。年間400件のヒヤリハット報告があります。また、半期ごとの事業計画のみなおしの中でリスクマネジメントやヒヤリハット・事故の情報を分析し、課題の対策を講じて安全確保に努めています。 |
【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 感染症対応マニュアルを作成し、インフルエンザやノロウイルス等感染症に罹患した場合の適切な対応に努めています。危機管理マニュアルを作成し感染症に関わる緊急時の職員の対策について明確にしていますが、職員間の情報共有は十分ではありません。定期的に勉強会を開催し、緊急時対応に関する職員意識の強化を図る取組が望まれます。 |
【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。 |
【第三者評価結果:b】 緊急時対応マニュアルを作成し、災害発生時の利用者の安全をの維持に努めています。年2回、法人全体の防災・避難訓練を実施し、他に事業所独自の年2回の消化・防火訓練を実施しています。災害発生に備えて3日分の食料等を備蓄し、備蓄リストで消費期限を管理しています。緊急時の連絡網や緊急時安否確認メール等の仕組みを整備中です。災害時の事業継続計画は作成されていません。福祉サービス提供の施設独自の対策が望まれます。 |
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。 |
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【第三者評価結果:b】 職員倫理行動マニュアルを整備し、利用者の尊重やプライバシーの保護・権利擁護に関わる職員の心構えについて明記し職員に周知しています。加えて生活支援マニュアル等を整備し、利用者への標準的サービス支援について職員間の情報共有の一層の強化が望まれます。アセスメントや個別支援計画(チャレンジシート)の書式を整備し職員間の支援の支援レベルの標準化を図っています。今後は利用者の障害特性に配慮し、サービス品質の一定レベルを保持するためのガイドラインを作成し、生活支援マニュアルの遵守を含めて標準的実施方法の評価と見直しの仕組みの整備が望まれます。 |
【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 |
【第三者評価結果:b】 アセスメントや個別支援計画作成、モニタリング、計画の見直しの時期等は年間のスケジュールを定めて実施しています。各種生活支援マニュアルの状況の変化に対応した見直し及びサービスレベルを維持するための個別支援計画作成のガイドラインなど、標準的実施方法の評価と見直し、及びその結果を反映したマニュアル改定等の仕組みの整備が望まれます。 |
【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。 |
【第三者評価結果:b】 サービス管理責任者が個別支援計画策定の責任者です。施設利用開始時に所定の書式によるアセスメントを実施し、自閉症の行動特性によるコミュニケーションや対人関係等の利用者支援ニーズを明確にしています。アセスメントの結果をもとに支援課題を定め個別支援経過(チャレンジシート)を作成します。個別支援計画の策定については、相談支援事業所と連携し計画相談の個別支援計画との整合を図っています。個別支援計画の目標に沿って年2回モニタリングを実施し、利用者支援の成果の評価を実施しています。今後は、年度ごとの個別支援計画見直しに合わせたアセスメントの実施が望まれます。 |
【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。 |
【第三者評価結果:a】 年2回個別支援計画の見直しを実施しています。計画の見直しに合わせてモニタリングを実施し、利用者支援の成果を評価し次の個別支援計画に反映しています。個別支援計画を利用者・保護者に説明し同意のサインをもらっています。日々の利用者支援の記録やモニタリングの結果をもとにグループ会議で検討し、職員会議で職員間の情報共有をはかり個別支援の課題を整備しています。利用者の状況の変化が大きい場合は随時個別支援計画の見直しを実施しています。 |
【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。 |
【第三者評価結果:a】 日々の利用者支援は個別支援計画の目標に沿って利用者一人ひとりの特性に応じて構造化を図っています。4人から6人ほどのグループを編成し、写真やカード等を用いて利用者が安心して生活を送れるように支援しています。グループごとに担当職員が支援の状況をPCに入力し、月ごとにケースファイルとして個人ファイルにまとめています。記録は利用者の行動変容にポイントを絞り、個別支援計画(チャレンジシート)の目標に沿って達成状況を記録するようにしています。また、利用者の生活の状況を連絡票を用いて利用者・家族に伝え情報共有に努めています。 |
【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。 |
【第三者評価結果:a】 個人情報保護規定を整備し、個人情報の取得や取り扱い等について明記し職員に周知しています。個人情報文書管理規定を整備し、所長が個人情報の取り扱い責任者です。個人ファイルは事務所の鍵つきの書庫に保管しています。PC上のデータはパスワードで管理し、USBにコピーできないようにし個人情報の漏洩防止を図っています。 |
評価結果内容評価
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 「チャレンジシート」という名称の個別支援計画の書式を使用し、利用者が自ら目標を設定して活動を行う支援を実践しています。モニタリングも同様に利用者が参加して行っています。グループごとの支援会議が毎月行われ、日ごろの活動の成果を評価し、実質的な支援方法の見直しや個々の生活に応じた合理的な配慮の利用者支援に反映しています。利用者の落ち付いた生活環境につながった事例として、リラクゼーションルームにはソファやぬいぐるみを配置したことがあります。その他、一人で過ごせる居場所がいたるところで確保されています。ゲームや画像の閲覧などを好む利用者も多いとのことで、タブレットを設置することで利用者の生活の安定につながっている利用者がいます。自閉症の障害特性から人とコミュニケーションをとることは困難で、利用同士話し合う機会は持つことができませんが、利用者同士が刺激しあわないように配慮し生活ルールが設定されています。 |
【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。 |
【第三者評価結果:b】 法人の「職員倫理行動綱領」、「職員倫理行動マニュアル」を整備し、職員としてあるべき姿や行動規範を示しています。マニュアルには職員と利用者との適切な関係性を保つための51項目の職員の心得を具体的に明記し、職員の注意を喚起しています。利用者に対しては、重要事項説明書で事業者の義務としての安全配慮義務、説明義務、守秘義務、身体拘束の禁止や虐待防止等について説明しています。施設長は、職員会議で権利侵害についてのロールプレーを行い、人権擁護や身体拘束廃止に関する職員の意識の強化を図っています。やむを得ず身体拘束を実施することもあり得ることから、具体的な手続きを明文化することが必要です。身体拘束に関する発生・発見から防止策まで身体拘束を行わないための手順とマニュアルの整備が望まれます。 |
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 個別支援計画(チャレンジシート)には「本人(家族)の希望、今年の目標、なりたい・やりたいこと、やってみること、チャレンジ期間」といった項目について、自己決定を尊重し利用者の言葉で記述されています。チャレンジシート、モニタリングシートにはふりがなをふり、写真で理解できるようにして、職員が利用者と思いを共有しながら作成している様子がうかがえます。日々の生活の場は、障害の程度により5グループに分けられていて、グループごとに利用者特性に応じて支援内容を検討し支援の方法を決めています。自閉症の特性から、見守りの姿勢が支援の基本となっています。自立生活をめざす支援として外出し商店で買い物をし、調理をする活動があり、利用者が楽しみにしています。利用者には好きなことをやり、役に立とうとする気持ちがあります。毎月実施される余暇活動のカラオケや喫茶には、利用者のほとんど全員が参加しています。 |
【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 職員は、自閉症に特化した支援の専門性の向上に努めています。自閉症の障害特性として、利用者は意思疎通や他者とのコミュニケーションを苦手としています。職員の倫理行動マニュアルでも大声を出したりしないように規定しています。コミュニケーションが困難な利用者との意思疎通は、ほとんど行動から推し量るようにしています。職員は、日々接する中で判断し、利用者にも好きな作業と嫌いな作業があることに配慮し、利用者の意志や希望を尊重した支援に努め支援記録に書き留めます。急な変更は写真で伝えるなど、情報の伝達には写真を使い、文書にはふりがなをふって、理解できるように配慮していますが、利用者の思いの表出の支援はまだこれから取り組む課題です。施設では、タブレット端末が複数用意されています。利用者はゲームをしたり、動画を見ているとのことです。そうした障害特性に沿ったコミュニケーションの手段を増やしていくことが望まれます。 |
【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 「チャレンジシート」では、本人の「目標」が立てられています。利用者自身が見て納得することを前提として、「見やすくわかりやすく」「文字だけではなく写真やイラストで伝える」「本人に必ず提示する」ということが、支援者の共通認識となっています。個別支援計画が、「チャレンジシート」として、利用者の意思や主体性を尊重するスタイルになっているのは、施設独自の工夫があり、施設の利用者の意志を尊重する姿勢がうかがえます。支援者主体の計画や課題克服の計画にならないよう、「~がしたい」「~がしたくない」といった利用者の意思を、本人の言葉としてチャレンジシートに落とし込むことを目指し、職員間の共有を図っています。 |
【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 「お金を貯めたい」というチャレンジシートでの利用者の意思表示が、作業の意欲の向上へとつながった事例があります。作業のメニューは支援会議や各作業ルームでの日々の検討により、様々なメニューが用意されています。施設内の様々な場所でスーパーバイザーの助言があり、様々な活動が用意されています。「何かをする」ことが一日のルーティーンになっているので、支援者は外部からも情報を得て、手作りで作業メニューを工夫したりしています。昨年度は余暇活動や行事が毎月行われていて、ほとんど全員が喜んで参加しています。調理実習なども行われており掃除を活動として行っている様子が見られます。「役に立つこと」を嬉しく思う利用者が多く、そうしたことが活動へのモチベーションにつながっているようです。今後も楽しく過ごせるような活動が活発になることを期待します。 |
【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 TECCHプログラムの研修に参加し、外部のスーパーバイズ、定期的な「自閉症eサービス」のコンサルテーション、エリアごとの法人からの支援など、専門知識の習得や向上には恵まれた環境が用意されています。事業計画でも、技術を学び常に新しい取り組みにチャレンジする姿勢が明記されています。特に最近では、利用者を担当する精神科医が月二回、定期的に施設を訪問し支援の振り返りを行うためのミーティングを行い、支援の方法についてのアドバイスをしています。評価キットを購入したり、アセスメントを行うことを始めていますが、これまで、アセスメントを行った実績が乏しく、十分な障害による行動や生活の状況が記録されていません。個別支援計画も、利用者の自己決定を重視する一方で、個別支援計画の見直しに合わせてアセスメントを行い、利用者ニーズを反映する取組が期待されます。 |
【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 嗜好の偏りが強く、野菜が苦手な利用者が多いものの、食事の時間が待ち遠しく、食べるスピードも速いとのことです。食堂では、時間になると座って他の利用者さんと一緒に食事をとる様子が見られます。利用者の誕生日には、その方の好きなメニューが用意されケーキも添えられています。委託による調理ですが、調理室はオープンになっていて、食堂と調理スペースはカウンター越しに見渡せ様子をうかがうことができます。運動量が少ない利用者が多く、排便の困難があったり、糖尿病の基礎疾患を持つ方もいます。日常生活の支援については、自立している利用者がほとんどですが、排泄の誘導が必要な利用者もいます。それぞれの生活支援は、支援会議で検討され適切に行われていると言えますが、日常生活支援マニュアルを整備し、個々の障害特性に応じた支援の標準化が期待されます。 |
【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。 |
【第三者評価結果:b】 自閉症の施設として利用者にとって個別の空間を用意することが必要であり、各居室は仕切られ作業スペースも個別に確保されています。休憩室や運動スペースも作られています。個室は少なくスペースを作るために、様々な工夫がされていますが、布やロッカーを使用しているため地震などの際の安全対策が求められます。有事の際には、パニックや避難行動がとりにくい利用者への対策が求められます。火災防上問題のない素材を利用するなど、環境整備を行っていくことが望まれます。居室・共有スペース共にきれいに清掃されて、臭いもなく、明るく快適な生活環境です。職員アンケートでは男性トイレの数が少ないとの指摘があり、今後の対策が望まれます。女性の支援者が男性利用者をトイレ前まで誘導する場面がありましたが、同性介助の取組の対策の検討が期待されます。 |
【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 以前は桜ケ丘中央病院からPT・OTが月一回の訪問リハビリに来所していましたが、現状では、重度障害者向けの対応に限定し、外部のスーパーバイザーや精神科医のアドバイスを受けています。日々の日課では、作業の時間が大半を占めていて、訓練が行われていますが、毎月1回のグループごとの支援会議で、大変きめ細やかに利用者の訓練の内容を検討しています。職員間で共有できるよう支援内容を掲示しています。運動不足対策としてのスペースや、作業のキットには手作りの物もあり、支援者の工夫がうかがえます。TECCHプログラムの研修、関係書籍などを参考に訓練のツールが用意されています。モニタリングは6か月に1度行われていますが、個別支援計画と連動した支援内容ではなく、モニタリングは、計画的な訓練や支援の検討見直しと連動したものとは言えません。機能訓練・生活訓練に関わる支援計画を作成し、計画に沿った訓練実施の工夫が望まれます。 |
【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。 |
【第三者評価結果:b】 通所時毎日検温を行い、また、排泄チェック表を用いて排便の状況を確認し、利用者の体調の変化を把握しています。医者の指示に応じて毎日血圧測定を行っている利用者がいます。毎年10月に定期健康診断を実施し、採決検査やレントゲン検査を実施しています。他に年一回生活習慣病検診を実施しています。協力医の精神科医が月二回往診し利用者の診療にあたり、利用者の精神的な問題に関する相談等に応じています。利用者の日常の健康管理に関するマニュアルの整備が望まれます。また、緊急時対応マニュアルを整備し、利用者が発作で倒れた時など緊急時にすべての職員が迅速かつ適切に対応できる環境整備が望まれます。 |
【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。 |
【第三者評価結果:b】 現在医療的対応が必要な利用者はいませんが、喀痰吸引や経管栄養処置研修を受けた職員2名を配置し、必要に応じて医療的処置を行う環境整備を行っています。糖尿病の利用者の2名については、医師の指導のもとに毎日血圧を測定し、食事や運動量について管理し健康維持に努めています。また、食物アレルギーの利用者対策として、食材の事前チェックを徹底し食事に含めないようにしています。医療的ケアに関する支援マニュアルの整備は今後の課題です。 |
【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 神奈川県主催のスポーツ大会に利用者が参加します。また、江の島外出やいちご狩りなどグループでの外出、ふれあいコンサートへの参加等、利用者が積極的に参加できるように支援し利用者の社会参加を促進しています。休日はガイドヘルパーを活用し利用者の希望に沿った外出ができるように支援しています。近くのスーパーに一人で行って買い物をしたい利用者には、職員が利用者に寄り添い一人で行けない理由を一つづつ解決しながら自立できるように支援しています。自閉性の障害特性から社会参加を躊躇する利用者が多い状況ですが、利用者一人ひとりが積極的に社会参加を希望するように、支援の仕組みの工夫が期待されます。 |
【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者の地域移行に向けた自立支援に努めています。職員は、リービングケアの中で作業の手順を利用者自らが考え、教えてもらわなくても自らが判断し作業の順序を組み立てることができるように支援しています。また、一人で過ごせる時間・空間を長くすることで、また、他人との関わりの中で本人が地域で安心して生活がてきるように指導しています。アフターケアにおいては、本人を支援していたグループリーダーが連絡窓口になり、いつでも本人が相談できる環境を整えています。利用者の地域生活の継続については、家族の高齢化の状況の変化の中での支援が求められ、レスパイトケアやショートステイの利用など関係機関の利用について情報を提供しています。 |
【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 連絡帳を活用し家族とのコミュニケションを図っています。連絡帳以外にも必要に応じで職員が家族を電話を入れて利用者の状況を伝えます。職員は、家族がいつでも施設を訪問してくれるように相談しやすい雰囲気をつくりを心掛けています。家族アンケートに86%の家族が相談したり、意見を言いやすい雰囲気があると回答しています。緊急時の連絡等を明記した対応マニュアルがありません。マニュアルを整備し、全ての職員が利用者の障害状況に応じて統一的な急変時の対応ができる環境整備が望まれます。 |
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】 |
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】 |
【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。 |
【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】 |
【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。 |
【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】 |