社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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アミー保育園 高島園

2021年03月09日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 アミー保育園 高島園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 40名(利用者  33名) 名
所在地 220-0011
横浜市西区高島2-2-7 プレシス横浜2階
TEL 045-534-7432  ホームページ https://a-m-i-corp.com/company.html
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2019年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社 アミー
職員数
常勤職員:8 名
非常勤職員:10 名
専門職員
保育士:10 名
保育補助:3 名
看護師:1 名
栄養士:1 名
調理員:3 名
施設・設備の概要
保育室:4室
調理室、シャワー室、事務室兼医務室:

③ 理念・基本方針
保育理念 『健全なこどもは健全な環境が創造する』

保育方針 ・「触れる 声を掛ける 抱きしめる」優しい保育
・子どもの人権を尊重し、一人ひとりの成長と発達を大切にする保育
     ・豊かな経験や遊びを通じ、自立心、社会性、協調性を育む
     ・保護者及び地域に寄り添った子育て支援

保育目標 ・心身共に健康で元気な子
       ・思いやりのある子
       ・感動を表現できる子

④ 施設・事業所の特徴的な取組
優しい保育
      
  触れること (心に触れる、体に触れることで子どもとの信頼関係、愛着の形成
        を促していく)
  言葉掛けをすること (声掛け、働きかけをすることで遊びの発展や言葉の表出
            を促したり、 人とのつながりややり取りの楽しさを知る)
  抱きしめること (ぎゅっと抱きしめることでぬくもりと安心を届けていく)

感性育成プログラム
          ①アートセラピー(子どもの自由な発想を広げていく)
          ②紙芝居の会(創造性を豊かに培っていく)
     ③体操教室(運動機能の発達を促す)

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/07/02(契約日) ~2021/03/01(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)「優しい保育」の実践
子どもの欲求や気持ちに応えて優しく対応し、きめ細やかな関わりを持ち、法人が掲げている「優しい保育」を実践しています。子どもの様子から気持ちを把握し、優しく話しかけたり、ぎゅっと抱きしめることで子どもに安心感を与え、愛着の形成を図っています。「優しい保育」の取り組みをとおしたエピソードを記録して全職員で意見交換を行っています。
園長は、園で大切にしていることについて聞かれると「子どもを待ってあげることです」と答えています。職員は、遊びから次の活動に移る時や,散歩の身支度をする時には、一人ひとりの子どものペースを尊重し、納得して活動の切り替えができるように優しい言葉かけをして待つことにしています。一人ひとりの子どもの心に寄り添い、子どもが集団の中で安心して自分を表現し、自己肯定感を得ることができるような取り組みを行っています。

2)子どもの主体性を育む取り組み
玩具や絵本は子どもの視線を考慮して配置し、0歳児・1歳児の玩具は、腹這いや座った子どもが自分で選んで取ることができるように棚の一番下に並べています。職員は子どもたちの遊びの状況を見てマットやテーブルを並べてコーナーを作り、それぞれの遊びに集中できる環境を作っています。職員は、後片付けまでが遊びであるという共通認識を持っています。好きな遊びを自分で選び、遊びに集中した後は自分で片付けるという主体的な活動ができるように環境を整え、子どもたちに働きかけています。
各クラスでテーマを決めて、発達に応じた遊びと環境設定について考える取り組みを行っており、職員会議で意見交換をしています。子どもたちが見通しを持って生活や遊びに取り組めるようにその日の活動を伝え、着替えや手洗いなどの基本的な生活習慣の意味を理解して、自発的に取り組めるように配慮しています。職員が連携して、遊びや生活の中で子どもの主体性を育む取り組みを行っています。
改善を求められる点 1)事業計画(中・長期計画と単年度事業計画)の策定
法人では、経営環境と経営状況の把握・分析にもとづき、課題の解決や改善に向けての取り組みが進められていますが、経営や保育に関する中・長期の事業計画及び収支計画の策定には至っていません。
理念や基本方針の実現に向けたビジョンを明確にして、組織体制や設備の整備、人材育成、地域ニーズにもとづいた取り組み等に関する中・長期的な計画の策定が期待されます。また、単年度の事業計画は園の年間行事計画のみ作成されていますが、当該年度における園の保育の取り組み等の目標を具体化した事業計画の策定が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
横浜保育室から認可移行し2年目となる今年度、第三者評価を受けさせていただきました。在籍園児が来年度全てのクラスで定員に至るタイミングで、これまでの振り返りとこれからの保育を考える良い機会になりました。まだまだ地域との関わりは少ないですが、今後の課題として取り組んでいきたいと思っております。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

理念「健全なこどもは健全な環境が創造する」を掲げ、理念にもとづいた保育方針、保育目標を定めています。パンフレット、ホームページ、入園のしおり、重要事項説明書に理念や基本方針を掲載し、入園説明会や保護者懇談会で保護者にていねいに説明を行い、園内掲示や日常の保育活動の中で周知を図っています。理念や基本方針が職員の行動規範となるように、職員会議等で理解を深めるための話し合いを行い、日々の保育実践に繋げています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

社会福祉事業全体の動向や各種福祉計画、保育のコストや利用率等については、法人が把握・分析を行っています。園長は隔月に開催される法人の施設長会議に出席し、事業経営をとりまく環境や経営状態についての情報を把握しており、法人の地域担当スタッフからも随時説明を受けています。西区園長会、横浜市私立園長会などに出席して地域に関する情報を把握していますが、地域での保育ニーズ等のデータ収集や課題の分析などは今後の課題です。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

経営環境や組織体制、職員体制、財務状況などについては、法人が現状分析を行い、問題点を明らかにして改善に向けた取組を行っています。園長は、園の職員体制や保育内容、設備の整備などの具体的な課題や問題点を、法人の施設長会議や地域担当スタッフに報告・相談しています。経営状況や改善すべき課題についての職員への周知は充分ではない状況です。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

法人では、経営環境と経営状況の把握・分析にもとづき、課題の解決や改善に向けての取り組みが進められていますが、経営や保育に関する中長期の事業計画、中長期の収支計画は策定されていません。今後の取り組みが期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

現在のところ、経営や保育に関する中・長期の事業計画、中・長期の収支計画は策定されていません。単年度の事業計画については、園の年間行事計画のみの作成となっています。今後の取り組みが期待されます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:c】

単年度の事業計画を策定していますが、園の行事計画のみとなっています。計画を職員等の参画のもとで策定することなど、今後の取り組みが期待されます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

現在のところ、経営や保育に関する中・長期の事業計画、中・長期の収支計画は作成されていません。単年度の事業計画については、園の行事計画を作成し、懇談会や園だよりで次年度へ向けての取り組みや計画を発信し、保護者に周知しています。今後の取組が期待されます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

毎日の保育内容の振り返りを「週案・日誌」に記入し、月間指導計画の自己評価、個別記録の内容とともに職員会議で共有しています。園長は、保育の質の向上に向けた取り組みについての考え方を職員に示しており、保育の具体例について園内研修を行っています。最近では、箸の導入の仕方についての課題を設定した研修を行いました。園としての自己評価を年1回行ない、開設2年目で第三者評価を受審しました。評価結果を分析・検討する場が組織として位置づけられ、継続的な取り組みとなることが期待されます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

職員会議等での保育内容の振り返りや、園としての自己評価の結果を踏まえ、明らかになった課題については職員会議で共有しています。園長は積極的に取り組むべき課題について資料を作成して職員に投げかけ、職員が共通の認識を持つように努力しています。評価結果にもとづく改善計画の策定や、実施状況の評価をする仕組みづくりが期待されます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、自らの園の経営・管理に関する方針と取り組みを明確にして、職員に表明しています。運営規程で「園長は、保育・教育の質の向上及び職員の資質の向上に取り組むとともに、職員の管理及び業務の管理を一元的に行う。」と規定されており、組織図に具体的な職務内容を記載して職員会議等で周知しています。園長不在時には、主任が園長の役割を担うことになっています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、遵守すべき法令等を十分に理解しており、利害関係者との適正な関係を保持しています。職員に対して遵守すべき法令等を周知し、遵守するための取り組みを行っています。法人の施設長会議で行われる研修や区の園長会等で、園として遵守しなければならない法令等についての最新の情報を把握し、園内研修等で職員に周知しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、保育の質の現状について定期的、継続的に評価・分析を行い、課題を把握して改善のための取り組みを行っています。指導計画、週案日誌、個別記録等の内容を把握し、理念や基本方針にもとづいた保育実践が行われているか判断しています。クラス毎に保育の課題を分析し、職員一人ひとりの経験やキャリアを考慮しながら必要に応じて指導や助言を行っています。主任は乳児クラス、副主任は幼児クラスの保育内容や保育士の意見を把握しています。保育の質の向上に向けた取り組みを行う体制を作り、自らもその取り組みに積極的に参画しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、理念や基本方針の実現に向けて、職員の働きやすい環境整備を行い、職員間で共通の意識を形成し効果的な事業運営を目指すための取り組みを行っています。職員の経験や園全体のバランスを考慮したクラス編成、0歳児・1歳児の担当保育、クラスごとのテーマの設定など、業務の実効性に向けた体制を構築し、自らもその活動に積極的に参画しています。人事、労務、財務等に関わる課題については、法人に報告や提案を行っています。急に人員の補充が必要な場合には、保育管理部が法人内で調整しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

福祉人材の確保と育成に関する方針、人員体制についての具体的な計画については法人が策定しています。園長は、職員の経験年数やキャリア、職員の希望や状況を考慮して人員配置を行なっており、人材育成に取り組んでいます。園の運営に必要な人員の補充については、園長が法人の担当者と随時連絡を取っており、法人は計画にもとづいた人材の確保のために、ホームページ、求人サイト、ハローワークなどで求人活動を行っています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

総合的な人事管理は法人が行っており、人事基準にもとづき職員の職務遂行能力や職務に関する成果等を評価しています。園長は個々への声掛けや助言をし、日常業務の中で職員の評価を行い、職員処遇の水準についての評価・分析を行っています。異動、昇進・昇格等に関する人事基準を職員に周知し、職員が自らの将来の姿を描くことができるような、総合的な仕組づくりが期待されます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員の心身の健康と安全の確保、ワークライフバランスに配慮し、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。保育管理部の担当者は個人面談などで職員の意向を確認し、必要に応じて就労環境の改善に取り組んでいます。全職員対象の産業医によるストレスチェックの実施、家庭の事情による勤務シフトの変更や時短勤務、育児休業後の職場復帰体制の整備などを行っています。職員の退職があり、職員定着が課題となっています。法人が職員の相談窓口を設置しており、必要に応じて担当者が来園し面談を行っています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園長との1月の個別面談の中で職員の目標を設定しています。園長は、日々の保育や指導案から個々の課題や期待することを伝え、日常的に助言や支援を行っています。12月には法人の担当職員による個人面談を行い、年間の振り返りや次年に向けた思いを聞き取っています。個々の職員の資質向上に向けた目標水準や目標項目、期限等を明確にして、目標設定、進捗状況の確認、目標達成度の評価の仕組みの構築が期待されます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

職員の年間研修計画を策定しています。階層別、職種別に市が開催する研修やキャリアアップ研修への参加が計画されており、保育の内容や目標を踏まえて、職員に必要とされる専門技術等を研修計画に明示しています。毎月行う園内研修においては、遊びの環境設定についての研修を継続的に行うことが計画されています。研修内容の評価や計画の見直しを定期的に行っています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

年間研修計画を作成し、階層別、職種別、テーマ別の研修の機会を確保し、職員が必要とする知識や技術水準に応じた研修が受けられるように配慮しています。外部研修に関する情報提供を行って参加を勧奨しており、新任職員や習熟度に応じた個別的なOJTを実施しています。園内研修を毎月行っており、子供の感性を育てる絵本の読み聞かせの方法など、職員が企画した内容で行うこともあります。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

「保育実習生受け入れマニュアル」が整備されており、指導内容と配慮について明記しています。オリエンテーション資料、実習記録書式、保育実習終了後アンケート書式が作成されており、法人が窓口となって受け入れることになっています。現在まで受け入れの実績が無いため、指導者に対する研修や学校側との連携等については確認できませんでした。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

ホームページや入園のしおりでは、理念や基本方針、保育の内容等が公表されています。玄関のファイルには、全体的な計画、年間指導計画、優しい保育、感性育成プログラム、運営委員会名簿が整備され閲覧できます。苦情解決の仕組みは整備されており、内容や改善結果等を園内に掲示して公表しています。決算情報については、申し出により閲覧できることを園内掲示により周知しています。事業計画、事業報告、予算情報についての適切な公表が期待されます。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

園の事務、経理、取引等に関する責任者は園長であり、日々の経理の執行状況は電子化されて法人に送達されます。法人では毎月外部の会計監査事務所によるチェックを実施し、公正、適正化に努めています。また、定期的に法人の地域担当者が来園し、事務や経理の状況について確認しており、業務の適正化や業務の改善について指導を受けています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

自治会に加入し地域の情報を得ています。回覧板も回ってきます。前年は地域のお祭りに子ども神輿で参加しました。地域の関係機関のリーフレットを玄関に配置し、イベントのお知らせを随時掲示し、保護者への情報提供に努めています。また、園があるマンションのエントランスの掲示板にも園のお知らせを掲示しています。設立後2年目のため、子どもと地域の人々との交流についての取り組みは今後の課題となっています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

「ボランティア受け入れマニュアル」が整備されており、目的、注意事項、受け入れの流れについてが記載されています。今までボランティアの受入れ実績は無いため、ボランティアへの研修や支援、学校教育への協力については確認できませんでした。今後の取り組みが期待されます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

関係機関一覧表を作成し、事務室に掲示しています。区の子ども家庭支援課、児童相談所、地域療育センターなどの関係機関と、子どもの対応について必要に応じて連携を行っています。横浜市私立園長会、西区園長会、横浜市幼保小接続期研修会などに参加して情報交換を行い、内容については職員会議で報告しています。地域の関係機関・団体とのさらなる協働の取り組みが期待されます。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

運営委員会を年1回以上開催し、保護者代表との意見交換を行い、地域の課題等についても話し合っています。自治会の総会等に参加し、近隣保育園とは日常の保育の中で連携を行っています。地域住民との交流や関係機関との連携を通じて、地域の福祉ニーズや生活課題等の把握に努めていますが、さらなる取り組みが期待されます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:c】

今まで西区出前合同育児講座に参加したことはありますが、その後の実績や地域貢献に関わる活動の計画は現在のところありません。開設後2年目で、園の規模や施設の制約がありますが、今まで把握した地域の具体的な福祉ニーズにもとづいて、園が有する専門的な知識や技術を地域に還元する取り組みについての検討が期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育方針のひとつに「子どもの人権を尊重し、一人ひとりの成長と発達を大切にする保育」を掲げています。「保育マニュアル」等の研修や、日々の保育の振り返りなどを通して、基本的人権への配慮についての共通理解を図っています。「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を活用し、基本的人権への配慮についての状況を把握・評価しています。各種の保育業務マニュアルについては、子どもを尊重した保育に関する基本姿勢が反映されており、子どもが互いを尊重する心を育てるための具体的な取り組みが計画・実施されています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

子どものプライバシー保護については、「保育マニュアル」等に明記してあり、職員会議で職員間の共通認識を図っています。一人ひとりの子どもにとって生活の場にふさわしい快適な環境を提供し、子どものプライバシーを守れるよう設備等の工夫を行っています。着替えや水遊びの時間はロールカーテンやつい立てを使い、外部からの視線を遮っています。子どもの発達に応じて羞恥心やプライバシーについての話をしています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

ホームページやパンフレットには、理念や基本方針、保育の内容が写真入りで紹介されています。西区子育て支援拠点「スマイルポート」にパンフレットを配置し、希望者が入手できるようにしています。電話やメールでの問合せや、見学の希望に対応しています。見学者には園長が対応し、パンフレットを用いて理念や基本方針、保育の内容などについて詳しく説明しています。日々の保育の様子や行事の写真をまとめた資料を作成し、見学日以外の保育の様子を伝えるように配慮しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

入園時の説明会や個別面談で、「ご入園のしおり」と「重要事項説明書」に沿って、園の基本方針や職員体制、保育内容などの説明をていねいに行い、保護者の同意を書面で得ています。配慮が必要な保護者への説明については個別に対応しています。在園児の保護者には、年度末に次年度に向けての説明会を行い、重要事項について変更がある場合は、内容の説明と書類の差し替えを行っています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

保育所の変更にあたっては、他の福祉施設・事業所への情報提供が必要な場合には、保護者の意向により適切に行うことになりますが、今までに事例が無く手順や引継ぎ文書は定めていません。保育所の利用が終了した子どもや保護者に対し、いつでも相談ができることについて口頭で説明し、園長や担任が窓口になって対応しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員は、日々の保育の中の子どもたちの表情や言動から、安心して意欲的に生活しているかを判断しています。クラス懇談会や全体会等で把握した保護者の意見や要望から利用者満足を把握し、職員会議で情報共有や検討を行っています。日々のホワイトボードでの報告、ブログや写真閲覧サイトへの写真掲載等で、保育の内容を分かりやすく伝え、寄せられた保護者の感想や意見からも改善点などを検討しています。定期的に利用者満足の調査等を行い、調査結果を具体的な保育改善につなげる仕組みづくりが期待されます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

「苦情処理規定」を定めており、苦情の受付から解決までの流れが明記されています。「ご入園のしおり」「重要事項説明書」に苦情受付について記載し、苦情受付担当者(園長)、苦情解決責任者(本社)、第三者委員の連絡先を明記しています。玄関に意見箱を設置し、苦情相談窓口について掲示しています。苦情の申し出があった場合は、「苦情受付報告書」で本社に報告し、必要に応じて第三者委員の立会いや助言を求め、対応の状況を記録しています。苦情内容や対応策については、該当の保護者に配慮したうえで公表しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

園全体で連携体制を取っており、担任以外のどの職員でも相談を受けられることを、「ご入園のしおり」に記載しています。クラス懇談会、個人面談、保育参加等で保護者が相談したり意見を述べやすい機会を設定し、担任以外の職員や園長にも相談ができることを伝えています。個別に相談を受けたり意見を聞く時には、事務室や空いている保育室を使用し、プライバシーに配慮した環境で話ができるように配慮しています。「重要事項説明書」に、苦情・意見・要望を、面接、電話、文書、意見箱などで受け付けることを明記しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

相談や意見については「苦情処理規定」に沿って取り扱うこととしており、必要に応じて本社に報告して対応しています。職員は送迎時の会話や連絡帳、意見箱の設置などで、保護者からの意見を積極的に把握し、クラス懇談会や個人面談などで、意見や相談をしやすい関係づくりを配慮しています。保護者からの相談や意見を把握した場合には園長に報告し、内容によって園長が対応しています。保護者からの意見等を職員会議等で共有し、保育の質の向上に関わる取り組みにつなげるようにしています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

園長が責任者となってリスクマネジメント体制を構築しています。危機管理マニュアルの中で、事故防止・事故対応について記載し、各種の業務マニュアルには保育の場面ごとの配慮事項が明記されています。事故等の発生時には、「事故報告」「インシデント報告」「ヒヤリハット報告」を作成し、発生時の状況や要因を分析し改善策や再発防止策を検討・実施しています。年2回不審者対応訓練を行い、事故防止に関する園内研修やマニュアルの読み合わせをして、子どもの安全確保・事故防止に努め、対策の評価・見直しを行っています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「危機管理マニュアル」に感染症予防対策・感染拡大予防対策について記載されています。看護師が中心になって感染症予防に関する情報や対応についての園内研修を行っており、園の嘱託医から助言を受けることもあります。「ほけんだより」や園内掲示などで、感染症予防に関する情報を保護者に発信しています。保育中に密にならない環境設定を工夫し、うがいや手洗いを保育士が一緒に行って子どもたちの習慣になるように工夫しています。感染症発生時には、玄関に発生状況を掲示し保護者に周知しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

「避難訓練実施計画書」に従って火災・地震・風水害を想定した避難訓練を毎月行っております。複合ビルを考えて、屋外やマンションの非常階段への避難、園内での集合の訓練を行っています。訓練中のクラスの状況や反省点などを「消防訓練記録簿」に記録し、翌月の訓練に生かしています。非常災害時の対応や避難場所については「ご入園のしおり」等に掲載し、災害時には一斉メール配信ツールで保護者に連絡することになっています。非常食等の備蓄品リストを作成し、品目や使用期限を管理しており、各保育室に非常用のヘルメットや防災頭巾を配置しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

保育についての標準的な実施方法を明記した「保育マニュアル」「危機管理マニュアル」などの業務マニュアルが整備されています。園の実情に合わせて、アレルギー対応、散歩、オムツ処理などの各種の園独自のマニュアルも作成しています。各種のマニュアルには子どもの尊重、プライバシーの保護や権利擁護に関わる姿勢が明示されており、職員が日常的に活用しています。職員会議等で、標準的な実施方法に沿った保育が行なわれているか確認し、個別に配慮が必要な場合は対応を文書化して全職員が共有できるように工夫しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

職員会議等で、保育実践の振り返りを行い、指導計画の内容を検討するとともに、標準的実施方法についても検証し、定期的に見直しを行っています。年度末には園長が中心となって全体的な見直しを行っています。子どもたちが必要とする保育内容の変化や、指導計画の実施状況、職員や保護者の意見を踏まえた見直しを行うことで、職員が共通認識を持って保育にあたるように配慮しています。法人が策定するマニュアルについては、園からの意見を集約したうえで必要に応じて見直しを行っています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画にもとづき、子どもの発達や状況に応じて指導計画を作成しています。指導計画の作成にあたっては、日々の中で子どもと保護者のニーズを明らかにして、職員会議等で保育士・看護師・栄養士で意見交換を行っています。園長は、保育ニーズの把握や保育実践の評価が適切に行われているかを判断し、助言や指導を行っています。主任と副主任は指導計画に基づいた保育が行なわれているかを確認するために、各クラスの「週案・日誌」をチェックしています。職員会議では、子ども全員について個別の報告を行い職員で共有しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

指導計画の見直しにあたっては、標準的な実施方法に反映すべき事項、子どもと保護者の保育ニーズに対する支援が十分でない状況など、保育の質に関わる課題を明確にしています。また、保護者との日々の会話や個人面談などで、保護者の意向の把握に努め、指導計画の見直しに保護者の意見を反映させています。計画の目標やねらいの妥当性、保育の支援の有効性について検証し、職員会議で意見交換を行い、定期的に指導計画の見直しを行っています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

保育日誌、個別記録、児童票、健康台帳などで、子どもの発達や生活の状況を記録しています。毎日の子どもの状況については申し送りノートで引き継ぎを行っており、全職員が出勤時と退勤時に内容を確認することになっています。毎月の職員会議で、全園児についての状況や、個々の取り組みなどについて報告しており、個別の指導計画等にもとづく保育が行なわれているか全職員で確認しています。記録内容や書き方に差異が生じないように職員間で話し合い、必要に応じて個別指導を行っています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報の取扱いについては、「機密情報管理規程」「運営規程」に明記しています。園では、入園時に説明を行い、個人情報取得同意書により保護者の同意を得ています。個人情報はロッカーに施錠して保管し、園長が管理しており、職員会議等で個人情報の取り扱いについて職員に周知しています。職員は採用時に就業規則の説明を受け、個人情報の取り扱いや守秘義務に関する誓約書を提出しています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は、児童福祉法・保育所保育指針などの趣旨をとらえ、保育理念・基本方針・保育目標にもとづいて法人が作成しています。園長は2ヶ月に1回開催される法人の施設長会議において、全体的な計画についての意見交換を行っており、計画の評価や見直しについても検討しています。
園では、全体的な計画を踏まえて、年齢ごとの保育の方向性などについての意見交換を行い、子どもと家庭の状況や地域の実態などを考慮したうえで、年間指導計画の作成に繋げています。全体的な計画の作成にあたっては、保育に関わる職員の参画により、子どもと家庭の状況や保育時間、地域の実態など園の独自性を反映させる取り組みが望まれます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

保育室内にはエアコン・空気清浄機兼加湿器・扇風機が設置されており、温度や湿度の管理をしています。保育室の大きな窓からは日差しが入り、窓際には木製の縦格子のフェンスを設置しています。2~5歳児の保育室は間に壁が無く、広いスペースを低い木製の棚で仕切ってあり、職員は全体を見渡すことができます。行事等の時は、棚を動かして大きなフロアとして使用しています。
0歳児と1歳児の保育室は続いていて床暖房が設置されています。おもちゃは低い棚に並べて、子どもたちが自由に選んで遊べるように配慮しており、子どもたちの遊びの状況をみて、マットやテーブルを出しそれぞれの遊びに集中できるように工夫しています。明るく広々としたトイレの入口はクラス別のドアがついていて、子どもたちが落ち着いて利用できます。衛生や安全に気を配り、遊び・食事・睡眠の場面ごとに、保育室内の環境設定を行って子どもたちが心地よく生活できるように配慮しています。 

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの欲求や気持ちに応えて優しく対応し、きめ細やかな関わりを行い「優しい保育」を実践しています。指導計画には、一人ひとりの子どもを受容するための援助内容が記載されており、各クラスの「デイリープログラム」には、一日の流れの中での子どもたちへの配慮事項が明記されています。分かりやすい言葉でおだやかに話し、禁止したり強制する言葉ではなく、さりげなく促すようにしています。子どもが安心して自分の気持ちを表現できるように配慮し、子どもの表情や行動に注意を払っています。入園時には面談を行い、子どもの発達や家庭環境を把握しており、職員間で情報を共有し個人差に応じた対応を行っています。登園時に把握した子どもの状況を「クラスボード」に記載し、全職員が子ども全員の状況を把握して日々の保育にあたるようにしています。職員会議や園内研修で、子どもの気持ちに寄り添った保育についての意見交換を行い、実践に活かしています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達に合わせて、基本的な生活習慣が習得できるように配慮しながら保育に取り組んでいます。離乳食やトイレトレーニング等は、一人ひとりの子どもの状況を見ながら、保護者と相談して適切に進められるようにしています。「保健計画」や「年間指導計画」には、基本的生活習慣の習得に関する記載があり、手洗いやうがい、身支度、咳エチケット、健康に関する知識など、年齢や発達に応じた内容を保育活動に取り入れています。
0歳児と1歳児クラスは、手洗いの時に並ぶ位置を示すシールを貼り、個人タオルで手拭きを丁寧に行っており、歩行ができるようになった子はトイレで便器に座る経験をします。せかしたり強制することなく子どもの「自分で」という思いを大切にして、個人差に配慮しながら十分に時間をかけて行っています。幼児については、着替えや手洗いなどの意味を理解し、自分から積極的に行えるように配慮しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

玩具や絵本は低い棚に収納し、子どもたちが自分で選ぶことができるようにしています。職員は子どもたちの遊びの状況を見て、マットやテーブルを並べてコーナーを作り、それぞれの遊びに集中できる環境を作っています。職員は、後片付けまでが遊びであるという共通認識を持って子どもたちに働きかけており、 発達状況や子どもの興味、季節などを考慮し玩具や絵本の入替えを行っています。
天気の良い日は近隣の公園に行って、集団あそびや木の実ひろいなどをして自然と触れ合い、近隣の保育園と交流しています。散歩の行き帰りには交通ルールを守ることを学び、近隣の人と挨拶を交わしています。近くの駅や消防署を見学に行ったり、子どもたちが作ったお神輿で地元のお祭りに参加しています。公園で拾った木の実などを使った制作や、外部講師によるアートセラピー・体操教室・紙芝居の会など、様々な表現活動を行っています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児については、担当の保育士が応答的な触れ合いや言葉がけを行い、子どもの生理的な欲求の充足や情緒の安定を図っています。一人ひとりの健康観察を十分に行い、喃語や片言を優しく受け止め保育士とのやり取りを楽しめるように配慮しています。入園時の面談で発達や生活状況を把握し、看護師や栄養士と協力して一人ひとりの子どもの生活リズムに対応しています。
担当保育士と栄養士が週1回の離乳食会議で離乳食の進め方について協議しています。玩具は子どもの目線に合わせて低い棚に並べ、絵本は表紙が見えるように置いて、子どもが興味と関心を持つことができるように工夫しています。子どもたちは、保育士に絵本を読んでもらうことを楽しみ、感触遊びや手遊びをしています。保育室内を清潔に保ち、腹ばいや床面遊び、探索活動が十分できるように配慮しています。連絡帳や送迎時の会話などで家庭との連携を大切にしています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

1歳児・2歳児の保育にあたっては、自我の育ちを受け止め、一人ひとりの子どもの状況に応じた取り組みを行っています。子どもの行動を予測して事故防止に努め、探索活動が十分にできるようにしています。玩具や絵本は低い棚に置いて、子ども自身が選んで遊び込める環境を作り、遊んだ後は保育士が声を掛けて楽しく片付けができるように工夫しています。戸外活動では自然の中で身体を十分動かし、拾った木の実を自分で作った散歩バッグに入れて持ち帰り、制作活動を楽しんでいます。
保育士は子ども同士の関わりの仲立ちをして、子どもの興味や関心を広げていくように配慮しています。食事や排泄、着替えなど生活に必要な基本的な習慣については、子どもが自分でしようとする気持ちを尊重し、落ち着いた雰囲気の中で子どもが納得して取り組めるようにしています。年上のクラスの子どもを見て、遊びの発展や身の回りのことに自発的に取り組めるように配慮しています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

年間指導計画の目標に「少しずつ集団生活に必要な決まりやルールを知っていく(3歳児)」「集団の中で自己を発揮しながら意欲的に過ごす(4歳児)」が設定されており、保育士は子どもたちの関わりが深まり協働的な活動ができるような実践をしています。子どもたちがその日の活動の予定を聞きながら、見通しを持って生活や遊びに取り組めるように配慮しています。片付けまでが遊びと考え、子どもが自発的に楽しく片付けができるように工夫しています。
天気の良い日は公園で元気よく遊び、近隣の保育園と交流したり、駅や消防署の見学に行く日もあります。アートセラピー・体操教室・紙芝居など様々な表現活動を行っており、4歳児は地元のお祭り用の子ども神輿を協力して作りました。開設2年目で今年度は5歳児クラスはいませんが、横浜市幼保小接続期研修会に参加するなど、日々の保育活動が小学校以降の生活に繋がることに留意した取組を行っています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

開設後2年目ですが、障害のある子どもや配慮を要する子ともは入園しておらず、今のところ個別の指導計画書や個別記録の書式は作成されていません。研修計画書に「障害児保育」に関する研修が予定されており、障害のある子どもの保育についての知識や情報を得るための取り組みを行っています。園内は、エレベーターや車いす対応のトイレ、フラットな床面など、障害に対応した設備となっています。
障害のある子どもの状況に応じた保育を実施するための、個別の計画書の書式、家庭や関係機関との連携の方法、他の子どもや保護者の理解を深めるための取り組みについては今後の検討課題となっています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

指導計画やデイリープログラムに長時間保育についての配慮を明記し、子どもの一日の生活の連続性に配慮しています。朝夕の合同保育の時間は、異年齢の子どもたちが落ち着いて過ごせるように、コーナー遊びの設定をして、保育士が連携して関わっています。夕方以降の時間帯においては、家庭的でゆったりと過ごすことができる環境にして、可能な限り0・1歳児と2歳児以上の活動のスペースを分けるようにしています。
送迎時の保護者との会話や連絡帳で子どもの状況を把握し、「申し送りノート」で職員間で情報を共有しています。早番・担任・遅番の情報伝達を確実に行うようにして、保護者と担当の保育士との連携が十分に取れるように配慮しています。保護者の仕事の都合などで保育時間が予定よりも長くなった場合は、子どもに理由をていねいに説明して、安心して過ごせるように配慮しています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

「全体的な計画」に小学校との連携について記載されています。今年度は5歳児クラスがいないため、具体的な小学校との交流の計画はありませんが、園長が横浜市幼保小接続期研修会に参加しており、次年度に向けた検討を行っています。
友だちと協力して遊びや活動に取り組める環境設定、数や文字を使った遊び、基本的な生活習慣の習得など、日常の遊びや生活が、小学校以降の学びや生活につながっていくように配慮しています。4歳児のクラス懇談会では就学後の話をしたり、パンフレット「就学に向けて」を配布して、保護者が、小学校以降の子どもの生活について見通しを持てるように配慮しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

「保健計画」には、健康活動・健康教育・衛生管理の項目と、3ヶ月ごとの各年齢の配慮事項が記載されています。保育士と看護師が連携して、一人ひとりの子どもの健康観察をていねいに行い、発達に応じた運動遊びの取組と適切な休息が取れるように配慮しています。「ご入園のしおり」に、園での健康管理について掲載し、入園説明会や懇談会で、子どもの健康に関する取り組みや方針について説明しています。
入園時に確認した既往症や予防接種の状況など、子どもの健康に関する情報は、定期的に保護者に確認して記録に残しています。午睡時には、乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防のため、0~2歳児については5分おきに呼吸チェックを行ない「チェック表」に記録しています。子どもの健康管理に関しては、保護者と情報を共有し、職員間で共通の認識を持って取り組んでいます。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

嘱託医による健康診断と歯科健診を、それぞれ年2回行っています。6ヶ月未満の子どもの健康診断は毎月行っています。健診の結果は保護者に通知し、「健康台帳」に記録して職員間で共有しています。健康診断の前には、子どもの健康に関する質問などを保護者から聞き取り、嘱託医から助言を受けて保護者に伝えています。
健康診断や歯科健診を通して、子どもたちが身体の事や健康について関心を持てるように配慮しています。健診の結果は保健に関する計画等に反映させており、年間を通して子どもたちの健康に関する取り組みを行っています。園での取り組みを保護者に周知し、家庭での健康管理につながるように配慮しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」にもとづいて、園で「アレルギー対応マニュアル」を作成し、子どもの状況に応じた対応を行っています。食物アレルギーに関しては、「アレルギー疾患生活指導表」「食物アレルギー対応表」「緊急時個別対応表」「診断書」の提出を受けて、除去食の対応を行っています。毎月の献立については、複数の職員と保護者が除去内容の確認を行っており、子どもの最新の状況について保護者から情報を得ています。
毎日の除去食の状況については、事務室の連絡ボードに記入し、全職員が出勤時に確認することになっています。提供時には、食器の色を変え記名して盛り付け、調理員と保育士で名前や除去内容を確認したうえで、誤食を防ぐために別のテーブルに配膳し職員が付くことにしています。アレルギー疾患や慢性疾患に関しては、外部研修や園内研修で必要な知識や情報を共有しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

「年間食育計画」には、毎月の食育活動の内容・ねらい・配慮事項が記載されており評価を記入しています。子どもたちは園庭のプランターで、トマト・ゴーヤ・カブ・ブロッコリーなど季節の野菜を育てており、土起こし、種・苗植え、水やり、収穫を体験して野菜の成長過程を観察しています。お月見、クリスマス、七草粥などの行事食の献立の日には、絵本や歌で日本や外国の文化に触れ行事のいわれを伝えています。
食材のパッケージに記載された産地を日本地図で探す遊びなど、食への関心を深める取り組みを行っています。個人用のランチョンマットを使い、陶器製の食器で子どもの発達に合わせた食事の援助をしています。食育の取り組みについては、懇談会や園だより、園ブログで保護者に周知し、子どもたちの日々の様子は玄関のホワイトボードで報告しています。毎日の食事のサンプル、離乳食の写真を玄関に掲示し、保育参加の日に保護者が子どもと一緒に食事する機会を作っています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

献立作成と食材の納入は法人が契約した業者が行い、園の栄養士と調理員が調理をしています。衛生管理に関するマニュアルにもとづいて調理室の清掃や消毒を行っており、一人ひとりの子どもの発育状況や体調を考慮した調理の工夫や、季節の行事にちなんだ献立や盛り付けをしています。栄養士は子どもたちの食事の様子を確認しており、当番の子どもが片付けの手伝いをする時には調理員と会話をしています。
保育士は子どもの食べる量や好き嫌いを把握しており、完食した喜びを感じられるように盛り付けの配慮をしていますが、「いらない」と言えることも大切であると認識しています。残食の状況や検食のコメントなどは給食日誌に記録し日々の調理に活かしています。毎月の職員会議や日々の情報交換の中で、保育士と栄養士の意見交換を行っており、調理方法を工夫し、子どもにとって魅力のある食事になるように改善を図っています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

連絡帳等で、子どもの状況や健康状態について、保護者と日々の情報交換をしています。保護者との情報交換の内容は、申し送りノートに記録し職員間で共有しています。送迎時の声掛けで保護者とのコミュニケーションを図り、玄関のホワイトボードに各クラスのその日の活動の様子を記入しています。ブログに子どもたちの活動の写真を掲載して子どもたちの様子を保護者に伝えるように工夫しており、お迎え時に保護者から感想を伝えられることもあります。
「園だより」「ほけんだより」を毎月、「給食だより」を隔月で発行し、クラス懇談会や全体会、個人面談、保育参加などで、保育の意図や内容について説明しています。様々な機会を活用して子どもの成長を保護者と共有して、園の取り組みについての理解を得るようにしています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

毎日の送迎時に保護者とのコミュニケーションを図り、信頼関係を築いて相談しやすい雰囲気づくりを行っています。保育士が保護者からの相談を受けた場合には、園長に報告し指導やアドバイスを受けて適切に対応することになっており、必要に応じて職員間で協議したり、園長が直接対応しています。
相談を受ける時には、保護者の就労等の個々の状況に配慮して時間を設定しており、事務室や空いている保育室などで、プライバシーに配慮した環境で落ち着いて話ができるようにしています。家庭環境や保護者の意向を考慮して相談に応じ、内容を記録して職員間で共有し、継続的に対応できるようにしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

子どもの心身の状態や、家庭での養育の状況を把握し、虐待等権利侵害の兆候を見逃さないように努めています。園内研修において、虐待対応マニュアルの周知を行い、虐待等権利侵害が疑われる子どもの状態や行動などについて、職員の理解を促すようにしています。
保育活動の中で虐待等権利侵害の兆候が見られた場合には、職員間で情報を共有して子どもの状態を記録し、必要に応じて児童相談所などの関係機関と連携して対応することにしています。保護者とのコミュニケーションを大切にして、援助が必要な場合に相談できる関係を築くように配慮しています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

月間指導計画や週案日誌には、自己評価の欄があり、保育のねらい、内容、配慮、環境構成などが適切に行われたかを振り返る内容が記載されています。年間指導計画では、3ヶ月ごとに自己評価を記載することになっています。指導計画の自己評価は、子どもの活動やその結果だけでなく、子どもの心の育ちや意欲、取り組む過程に配慮した内容になっており、内容を職員会議で共有しています。
個々の保育士の自己評価については、園作成の書式はありますが、現在のところ実施していません。個々の保育士の自己評価を実施し、園全体の保育実践の自己評価につなげて、保育実践の改善や専門性の向上への取り組みとなることが期待されます。