社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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サザンホーム松林

2019年12月02日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 株式会社フィールズ
評価対象事業所名 サザンホーム松林
評価対象種別サービス 共同生活援助
設立年月日 2013年01月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
③ 理念・基本方針 運営法人である県央福祉会は理念として
1.ソーシャルインクルージョン(共生社会)を目指します。
2.先駆的で開拓的な事業を展開します。
の二点を中心に据えています。
その理念を達成のため、人権尊重とサービスの向上、インフォームドコンセント及びエンパワーメントを大切にした利用者主体の支援、地域との共生、ニーズの多様化、複雑化への対応、コンプライアンスの徹底、説明責任の徹底、人材確保育成、ガバナンスの強化、財政基盤の安定化、国際化、積極的な社会貢献活動への取り組み等11項目の基本方針をあげています。
施設ではこれらを順守して、利用者に対しては①地域社会で自立した生活を営むための生活の場の提供 ②地域生活を送る上での相談・調整 ③自己実現が図れるよう支援 ④権利擁護と人権保障に努める の4項目を目的とし支援を行っています。
三障がいの一元的支援と地域生活移行を利用者の特性・区分に基づき、適切に支援、地域生活を推進するため関係機関に働きかけることを運営の基本に置き事業をすすめています。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 サザンホーム松林は2棟の居住棟とその間に食堂を兼ねる共用スペースをもつ3棟からなる施設です。19歳から60歳までの利用者が生活する、アパート型の施設です。世話人は60代から70代の女性が多く、施設開設後から大きな人員の変動もなく安定した運営となっています。
施設は直接自室に入ることが出来るため、近況確認を目的に一日に一度必ず食堂を兼ねる共用スペースに「顔を出してください」と利用者へお願いしています。同一施設とはいえ、いったん自室に入ってしまえば隣室でも会うことがなく、用事も無ければ職員・世話人とも顔も合わせずに生活できる環境でもあり、先ずルールとしてお願いしています。この他にも幾つかのルールを定めていますが、そのルールは月に一度行われる利用者会議の場で利用者によって討議して作成しています。利用者からは、「自分たちで決めたことだから、守らなければならない」という声も聞かれています。
近隣地域からの利用者が多く、実家へ帰宅するため、施設利用が週3~4日ほどの方も多い状況です。利用者が日中活動の関連施設やグループホームを利用して自立出来る施策を検討しています。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2019年03月30日
終了:2019年10月21日(評価結果確定日)
受審回数:0回(0年度)
詳細評価PDF

⑥ 総評

特に評価の高い点 1. 利用者への支援計画を利用者と話し合い、利用者主体の支援を進めています
 施設の利用者には個々に目標があり、ホームで住み続けることを目標とする人もいれば、生活を立て直してホームから出ていくことを目標とする人もいます。カンファレンスや日常の支援の中で利用者と話し合いのうえ目標を設定し、その達成に向けての支援計画を立て選択肢を示す等支援を行なっています。目標に向け出来ないことは全て職員・世話人が行うのではなく、あくまで利用者と一緒に行い、いずれは利用者自身で出来るように支援しています。しかし利用者によっては、選択肢を選ぶことで混乱してしまい不安になってしまうケースもあり、利用者主体の支援ですが適切にアドバイスを行うようにしています。


 2. 利用者がみんなで話し合い、施設の改善や運用ルールを検討しています
地域との共生を法人理念に掲げており、地域の一定の理解を得つつも、好奇や不理解の目に晒されないよう突出することなく、穏やかに暮らしたいという利用者の心情を汲み一見すると通常の集合住宅と変わらない造りとなっています。アパート型の施設で、外部から自室に直接入れる構造ですが、職員・世話人とは毎日接する場があります。月に一度、利用者会議が行われ、イベントや日常生活上の問題について利用者間での話し合いの場が持たれています。この場で討議された結果は、ルールとしてまとめられています。このルールの順守についても、利用者は自分たちで決めたルールだからということを理解し守られています。利用者による自治を確立しており地域共生・地域社会参加への足掛かりを形成しています。


3. 利用者の希望を聞いて喜ばれる食事提供を行っています
食事の提供については、利用者からも高い評価を得ており、特に週に一度の『お楽しみメニュー』が楽しみでしかたがない、との声もあります。季節や好みによって鰻やカレー、スパゲティ、バーベキュー等普段食べないものが食べられると大好評です。

改善を求められる点 1. 支援の在り方や提供するサービスの統一
職員・世話人はシフト勤務を組んでおり、職員会議などで利用者の支援についての情報を共有していますが、支援の在り方や提供するサービスが統一されていないのが実情です。
多くの時間を職員・世話人は一人で対処することとなり、それぞれの倫理観に負うところが大きいため、特に気になるときには、施設長による面談等で注意喚起を行っていますが、全体に注意を払うことは出来ません。更に世話人によって、支援に対する温度差があり改善が求められます。入職時に法人の作成した「職員ハンドブック」が全員に手渡されていますが、権利擁護と接遇に触れたページと、業務及び非常時マニュアルとしてサンプル的な業務分担表等も掲載されています。施設長のリーダーシップをもって、全員で「職員ハンドブック」の読み合せによる意思統一と施設独自の業務分担表等を作成することにより支援サービスの標準化を図ることが望まれます。
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇努力、工夫していること

施設のホームページ、パンフレットに事業所の法人理念、運営方針を公表しています。職員は入職時に行動規範等の研修をエリアマネージャーから受け、年に一度内容について確認をしています。また利用者に渡す重要事項説明書にはルビを振り法人の理念に基づいて、提供されるサービス内容などについて記載しています。

◇課題と考えていること

職員数が多いので、職員の周知度が把握しきれていない部分があるため、今後機会を設けて、職員入職時に配布される「職員ハンドブック」を職員全体で確認できるようにしたいと考えています。
Ⅰ-2 経営状況の把握

◇努力、工夫していること

法人の部会、県のグループホーム研修、茅ケ崎市精神障害グループホーム連絡会を通じてグループホームの動向について施設長が把握し、情報交換をするなどして、その結果を職員会議で報告しています。さらに、ネットや、全社協、情報誌からも情報を収集しています。

◇課題と考えていること

利用者の多くが施設の近くの出身ということもあり、週3日利用で実家に帰宅したり、入院される利用者も多く、そのための収入減が大きいようです。
Ⅰ-3 事業計画の策定

◇努力、工夫していること

法人の中長期の事業計画があり、個別の事業所計画の短期の計画は前年度のサービス内容を見直し今年の重点課題と目標として作成されています。今年度は利用者に負担の少ないレクや週1回『お楽しみメニュー』の日を設け食事内容の工夫など実施し、利用者が施設で過ごす時間増加に効果をあげています。

◇課題と考えていること

外出や、自費が多くかかるレクに対しては参加者が少ないため再考をしています。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇努力、工夫していること

隔週の職員、利用者会議で支援計画を検討しています。計画はPDCAサイクルで見直しをしながら利用者一人一人に合ったサービスが実施できるようにしています。常勤、非常勤ともに法人研修が受講できます。モチベーションを上げるために「チャレンジシート」に目標を設定しています。

◇課題と考えていること

職員によってやる気や、利用者へのサービス提供の質が違うため仕事量のばらつきがあります。サービス提供の標準化を図ることが課題であると考えています。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇努力、工夫していること

施設長が受けた研修や情報は、サービスの向上につながるように職員会議時、また施設長が職員のサービス内容で気になった時は、直接話をするようにして職員に伝えています。職員が働きやすい環境であるように夜勤は基本的に週1回になるようにシフトを考えています。

◇課題と考えていること

施設長は他事業所との兼務が多く、集中して事業所の課題抽出や運営ができないことがあり権限の委譲が課題です。
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇努力、工夫していること

人材の募集は法人が行っています。職員は法人以外にも、神奈川県、茅ヶ崎市などの研修に参加できるようにしています。職員は「チャレンジシート」を実施し自身の目標設定を明確にして、サービスの向上につなげています。ICカードによる出退勤で勤務時間が明確になっています。

◇課題と考えていること

職員の定着率は高いですが、人手が充分とは言えません。法人内どこの事業所も人員不足のため、欠員が出てもすぐに補充ができない状況ですが、職員・世話人の業務の標準化やボランティアの使い方等の工夫が課題となっています。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇努力、工夫していること

職員会議では月間の収支を説明しています。職員も無駄をなくす意識を持ち、自主的に節水、節電などを心がけています。訪問時、コーヒー豆のカスで靴箱用の脱臭剤を作っていました。内部監査を行い経営目標の効果的な達成に役立つことを目的としています。法人のHPにも各種報告、計画、予算が掲載されています。

◇課題と考えていること

利用者の入院や帰宅多くなり、収入減の差が大きく、利用を増やし空き室をなくすなどの方策が課題となっています。
Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇努力、工夫していること

施設はオーナーの敷地内にあるため、オーナーとの交流はとれています。施設の利用者の中にはあまり自身の事を知って欲しくない人もいるため、利用者の気持ちも考慮しつつ、交流を図れるレクを実施するなどして、地域に根差した福祉施設を目指したいと考えています。

◇課題と考えていること

オーナーを通じて施設のことは自治会に周知されています。しかし地域との直接交流のチャンスが無いため、敷地内のオーナーや、自治会の方と積極的に関われる機会を設けていきたいと考えています。

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇努力、工夫していること

重要事項説明書や、契約書には施設で受けられる法人理念に基づいた利用者本位のサービス内容について明記しています。「職員ハンドブック」には利用者との関係という項目があり、プライバシーに関する事項、人権にかかわる事項が記載されており、読み合わせをするなどして周知の徹底をしています。

◇課題と考えていること

GHは単独での業務が多く、他の職員がいない際の本人の言動などは本人の倫理感に任せている部分が大きくなります。今後「職員ハンドブック」などを職員・世話人全体で見直し、読み合せ等を行い倫理・接遇等を再確認することが課題となっています。
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇努力、工夫していること

入居の際には丁寧に説明をし、利用者にも重要事項説明書、契約書を確認してもらい本人の同意を得て同意書にサインをしてもらっています。利用者に渡される重要事項説明書は漢字にルビを振り、わかりやすい言葉で生活上のルール、他人との関り、お金の管理、サービスの開始、終了などについて説明が記載されています。

◇課題と考えていること

契約内容について、(生活のルールなど)利用者が忘れる事がしばしばあるので、必要に応じて面談をしています。タバコを吸うことに関しては喫煙所に掲示するなど、わかりやすい掲示を考えています。
Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇努力、工夫していること

月に1回利用者会議があり、利用者の出席が多くなるように食事の前に行っています。その時に出た意見、言葉を食堂にルールとして掲示し、大切な事は赤字で記載するなど利用者にとって意識しやすくしています。職員は、日々のコミュニケーションを通じて利用者の気持ちや、意見をくみ取り改善につなげています。

◇課題と考えていること

集団生活なので、限界を感じる事もありますが、日々のコミュニケーション以外にも、利用者会議に出席を出来るだけしてもらえるように、曜日や、時間を利用者の意見や日常の行動から職員が割り出して現在の時間帯の実施を図っています。
Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇努力、工夫していること

重要事項説明書に、「ホームの中で気に入らないことがある時」の項目に、苦情解決委員2名、権利擁護団体「あしすと」の相談先が明記されています。食堂には意見箱があり、面談を希望する、「私の言いたいこと」の用紙が用意されています。さらに、法人の苦情解決受付、解決責任者など第三者委員が写真入りで掲示されています。

◇課題と考えていること

意見箱を設置していますが、あまり利用されていないこともあり、御意見メールアドレスの設置などの検討を考えています。
Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇努力、工夫していること

安全等に関する対応、防止マニュアルがあり職員に周知されています。アクシデントの要因などについては日々の職員会議で収集し再発や、未然に防ぐようにされています。利用者には1日1回は心身の様子の確認のために食堂に顔を出すようにお願いをしています。利用者にうがい、手洗いなどの健康管理を進めています。

◇課題と考えていること

自由に自室に出入りできるアパート型の施設であり近隣から突出するような雰囲気を醸し出したくないこともあり、侵入などについての対処が取りにくい環境ですので対応策が課題です。
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇努力、工夫していること

利用者会議を月一度開催し、利用者の協議の上、集団生活でのルールを作っています。その遵守については利用者間でも理解されています

◇課題と考えていること

利用者へのサービスの質を確保・向上する為に人手が足りない・時間が足りないと感じることがあり、この施設に合わせた独自の業務の標準化策を策定し共有することが課題です。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇努力、工夫していること

入居時には利用者との面談を実施し、本人理解のためのアセスメントを詳細に行い、利用者本人の理解、計画作成に繋がるようにしています。職員・世話人間では、職員会議などでその情報を共有し必要とされる支援を検討しています。

◇課題と考えていること

役所等からの紹介の際に個人情報保護により、あまり利用者の情報が客観的な視点で得られないため、利用者と職員の間で蟠ることもあり、必要な情報を提供されるように行政に求めています。
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇努力、工夫していること

日々の記録については、職員全員が目を通し利用者本人をサポートできるようにしていますが、記録の時間・業務により残業となる事や負担を感じることが多いようです。

◇課題と考えていること

法人の活動方針にICT化等にも積極的に取り組むと掲げ、PC操作が苦手な職員・世話人であっても使用出来そうな音声入力等の導入など検討が課題となっています。
A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇努力、工夫していること

利用者との面談を行いニーズを捉え、その実現のために目標を設定しています。地域の生活情報提供がされており最終的に自身で決定できるよう声掛けを行っています。

◇課題と考えていること

情報を得て選択肢を選び自己決定を促していますが、利用者またはケースによっては、その過程で決められず精神的に不安定になってしまう場合もあり、アドバイスする等の対処をしています。自己決定についての考え方ガイドラインが職員・世話人間に求められています。
A-1-(2)権利侵害の防止等

◇努力、工夫していること

倫理行動綱領・人権委員会等を設置し、様々な情報共有や研修を実施しています。利用者の権利侵害防止に力を入れています。入職時に配布されている法人の作成するハンドブックにも利用者との接し方、節度が記載されており振り返りをしています。

◇課題と考えていること

利用者と職員・世話人との適度な年齢差、人生経験もある職員の構成ですが、シフト勤務のため、職員は単独で過ごす時間も多く、最終的には職員の倫理観に依る部分が多くなっています。職員間で互いに指摘し合い、また事例検討や共有する方法が必要となっています。
A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇努力、工夫していること

生活のあらゆる面で利用者が出来ないことをすべて利用者に代わって職員がやってあげるのではなく、利用者と共に「一緒にやる」ということで達成感と自信をつけられるようにすることを基本に支援を行っています。

◇課題と考えていること

個別に面談を行い利用者の支援計画を立てています。職員・世話人間で支援計画やアセスメントの内容を共有出来ているか、定期的に確認することが課題です。
A-2-(2)日常的な生活支援

◇努力、工夫していること

日常の支援や面談を通じ利用者ごとに必要とされる様々な支援を行っています。利用者によっては入浴の支援・清掃・ゴミ等の確認、金銭管理など利用者の状況に合わせて実施しています。

◇課題と考えていること

「掃除」「ゴミの分別」「ゴミの取り出し」の支援や入浴時に洗浄できているかの確認、見守りなど生活のあらゆる面での利用者支援が必要とされている状況です。支援方法や在り方について定期的に職員・世話人間で共有、確認することが課題です。
A-2-(3)生活環境

◇努力、工夫していること

食堂など利用者の共用スペースの清掃や過ごしやすい空間作りを常に心がけています。利用者間の相性などの問題もあり、共用スペースでは和やかに過ごせるように、三段階に食事時間をずらす、席を変える、カーテンをする等工夫をしています。

◇課題と考えていること

利用者の相性などの問題が深刻な利用者もいる状況が見られます。利用者個々の状況を踏まえつつ、皆が快適に過ごせる環境作りが課題となっています。
A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇努力、工夫していること

自分の使用した食器に関しては、利用者自身で洗うようにしています。テーブル拭きや食事の盛り付け、洗い物を時折一緒に行うようにしています。また浪費癖のある利用者には日々、おこづかいとして現金を手渡すなど現金管理を行っています。

◇課題と考えていること

利用者個々の出来る事、出来ないことの見極めを支援や面談の中で把握し、その利用者に必要なことを確認しながら支援計画に反映させていますが、職員・世話人間での共有が課題です。
A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇努力、工夫していること

月に一度法人の訪問看護師による健康診断を行なっています。利用者によっては拒否される方もおり、かかりつけ医やケースワーカーと定期的に連絡を取っています。薬の飲み過ぎ等の危険もあり、利用者によっては服薬管理を行っています。必要に応じて通院同行も行っています。

◇課題と考えていること

精神科医への通院同行はかなりの時間を要しています。通院同行ボランティアの利用では、医師の対応や感染症拡大の危険性もあり、職員対応での課題があります。
A-2-(6)社会参加、学習支援

◇努力、工夫していること

施設の敷地内に住むオーナーの計らいもあり、自治会に参加し、地域のお祭りの案内や自治会の案内を共用スペースに掲示し、地域の情報を提供しています。

◇課題と考えていること

地域のお祭り等へは職員の同行が人員的・時間的にも困難な状況にあります。参加したい気持ちがあっても、なかなかひとりで行けない利用者等に対して支援できる対応策が課題です。
A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇努力、工夫していること

地域移行に力を入れ、空き部屋等がある際には病院等にも連絡をして居室を埋める努力をしています。

◇課題と考えていること

職員間での利用者受け入れに温度差があり、サービスの在り方を共有する方策の確立が望まれます。地域の中で理解を得ながら、突出することなく、穏やかに地域生活を送れるようにすることを望んでおられるようです。
A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇努力、工夫していること

定期的なカンファレンスを行ない、その状況を知らせる等可能なかぎりの情報共有を行なっています。

◇課題と考えていること

利用者は最年少の19歳から60代までの方がおり、家族の居る方、居ない方、折り合いの良し悪し等、さまざまな家庭の事情があります。この状況を考慮し、まずは利用者本人に確認をして許可を得てから家族等に知らせる対応を取るように考えています。

その他特記事項:第三者評価機関として今後、特に課題として取り組みを期待したい事項

評価対象 第三者評価機関からのコメント
項目 全職員で「職員ハンドブック」の内容確認
入職時に配付される、職員ハンドブックは、理念、行動規範、業務内容利用者とのかかわり方等について触れ、食堂にも置かれすぐに職員が確認できるようになっています。しかし、災害時の職務分担など細かい部分については全職員に周知できていない部分があるようです。年度始めなどに確認をすることを期待します。
分類 施設独自の業務マニュアル整備による支援・業務の標準化
職員ハンドブックの再読により、業務にかかわる倫理や接遇等の再確認をすると共に、世話人間で提供する支援の差が大きいことを是正するため「職員ハンドブック」に掲載されているモデル等を基に、シフト毎に行うべき支援業務をまとめ、支援を実行することが期待されます。
項目 通院同行に係わる負担軽減策の検討
利用者の通院同行の希望は多いですが、通院に時間がかかり過ぎ、日常の業務に支障をきたし、なお且つ感染症への感染リスクも高くなります。通院同行は職員が行わなければならず、医師からの情報を正確に伝達しなければなりません。医師とのやりとりをメール等で行なったり、職員が通院同行している間、施設での日常業務をボランティアの支援などで負担軽減出来る所は無いかなどの検討が期待されます。
利用者調査の結果
①ヒアリング調査(本人) <利用者調査の対象>
利用者本人4名(男性2名、女性2名)
<利用者調査で確認できた事>
①・職員は、よく話を聞いてくれますが仲の良かったお友達がいなくなってしまい、あまり話を自分からすることは少ないけれど、聞いてくれます。
 ・世話人に禁煙失敗したらきついこと言われた。
②・あまり自分の物を触られるのは好きではありませんが、触る時はきてくれます。でもジロジロ見られていることがあります。見られるのは好きじゃないです。
・掃除や手伝いで入ってもらうがいつも了解をした後です。
③・お楽しみメニューがとてもいい。鰻とかカレーとかバーベキューとか。
・お楽しみメニューで麺類や肉が出るのがとてもうれしい。
④・自分のやりたいことは、お友達のようにこの施設を出たいです。でも、それは相談していません。でも、時々話します。聞かれたら言います。
・目標や計画については説明や提案を受けています
⑤・お金のことは、知りません。全部やってもらっています。自分でお金を使う事があまりないと思います。〇〇さん(職員)がやってます。
・計画表にしたがってもらっています。
⑥・以前うるさい人がいて相談したことがあります。
・人間関係でトラウマになったことがある。金銭関係で失敗したことがあるので。
⑦・お友達がいなくなったので、もういません。話したいけど、さみしいです。
・問題解決ダイヤルに2度電話をかけたことがある。
⑧・〇〇さんも声をかけてくれるので聞いてくれます。
・通院同行をお願いした。事前に云わないと急には無理ですよね。
⑨・仕事に行く時は外に出ますが、あまり外にでません。帰ってくると食事をして部屋に行って寝るので、夜に外に出る事はないです。
・コンビニや薬局、藤沢の方にも出かける。
⑩・お友達がいなくなったので、さみしいです。食事はおいしいからいいです。
・ホームでの生活は楽しい。
*自由口述
 ・利用者の中に行動に度が過ぎた人がいる。社会的な偏見を無くすためにも慎むように利用者会議で諮ったことがある。
・自分たちで決めたルールだから守らない人がいると困る。
・警備会社とか高いのかな。
評価後(評価結果を受け取った後)のグループホーム「コメント」
お忙しい中、第三者の評価をいただきありがとうございました。福祉業界の常識が一般の社会では非常識になる事も多々ありますので、今回色々な事をこの機会に振り返る事ができました。
マニュアル等の整備については法人のハンドブックで分かりやすく記載しているものがあるにも関わらず、うまく活用できていなかったので今後はハンドブックの利用を有効にして人材の育成・職員研修に生かしていければと思います。
職員の役割や動きはそれぞれの曜日や時間帯の勤務マニュアルや役割分担は職員会議等で情報共有をしながら築いていければと思います。
サザンホームは利用者さんの会議も行っている為、運営(職員)側と利用者側での話し合いも定期的にできております。引き続き利用者さん主体となるグループホームの運営に心がけていきたいと思います。