社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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スターチャイルド≪高津溝口ナーサリー≫

2021年03月12日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 特定非営利活動法人よこはま地域福祉研究センター

② 施設・事業所情報
名称 スターチャイルド≪高津溝口ナーサリー≫ 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 60 名
所在地 213-0001
川崎市高津区溝口4-15-18
TEL 044-850-2700 ホームページ https://www.starchild.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2018年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) ヒューマンスターチャイルド株式会社
職員数
常勤職員:15 名
非常勤職員:10 名
専門職員
施設長:1 名
保育士:18 名
栄養士:2 名
調理員:3 名
事務員:1 名
施設・設備の概要
居室数:保育室6
設備等:園庭、調理室、調乳室、沐浴室、乳児トイレ、幼児トイレ、多機能トイレ、事務室兼医務室、保育士休憩室など

③ 理念・基本方針
【保育理念】スターチャイルドは、子どもの無限の可能性を信じ、意欲を引き出し、伸ばす保育を実践します。
【保育目標・方針】
(1) よく考え、心身ともにたくまし子(自立と挑戦を支援します)
(2) 個性豊かな子         (個性を尊重し長所を伸ばします)
(3) やさしさと思いやりのある子  (社会性=人と関わる力を身につけます)

④ 施設・事業所の特徴的な取組
園舎は「和」をテーマとしていて、トーンを落とした木材を多く使い天井は和室のように舟形天井となっていて、さらに床の間、躙り口のあるお茶室を設え、子どもたちにお茶の飲み方や畳の歩き方、襖の開け閉めなどを体験する機会を設けています。
・天気の良い日は、園庭で思い切り遊ぶことができます。
・保育園の近くには、国木田独歩碑のある高津区図書館があり、自然を感じながら散歩できる二か領用水や南公園、北公園などがあります。
・英語教室は、外国人講師と他国の言葉や文化に触れ、体操教室は身体能力を高める活動を行っています。
・法人のプライバシーマーク取得に伴い「プライバシーマークガイドライン」を学び、職員全員が「教育確認テスト」を行い、個人情報保護法を認識するよう取り組んでいます。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 (契約日) ~(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ◆子どもの権利を尊重した保育を実施しています
施設長は、常に言葉かけは「言葉は投げつけずに手渡しで」と職員に伝え、職員は子どもの人権を尊重して否定語を使わず肯定語を使うよう心がけています。また、日頃の保育では、具体的な事例をあげて子どもが納得できる丁寧な対応をするよう職員に周知し、前向きに取り組んでいます。川崎市の「子ども権利条例」の冊子を職員の目のつく場所に掲示し、全国保育士会の「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を保育士は頻繁に確認するようにしています。このような職員の子どもの人権を尊重する日々の保育から、子どもたちにも、相手を傷つけるとげとげした言葉を使わず、優しい言葉を使うよう伝え、子ども自身が他の子どもを大切にし、尊重することの大切さを伝える保育を実施しています。

◆リスク管理に取組み、安全な福祉サービスの提供に務めています
園は、子どもと職員の安全を考えて様々な取組を行っています。日々の保育のヒヤリハット報告書は月毎に集計し、原因や時間帯、場面等の傾向を分析して改善につなげています。けがや病気の発生時に職員が速やかに対応できるよう救急対応などを文書化した「緊急時対応カード」を用いて緊急時のロールプレイングを実施しています。また、毎月の避難訓練は、担当職員以外の職員には知らせず、抜き打ちで行い、午睡中・着替え中・食事中等あえて避難しづらい状況で実施しています。更に、施設長は近隣園園長と誘い合い、地域の大規模防災訓練に参加するなどの取組みから安心安全な福祉サービスの提供に努めています。

◆保育の質・専門性の向上をめざして取り組んでいます
施設長は、日々の保育の中で子どもの気持ちの把握に努め、降園時には満足して笑顔で帰れるよう心掛け、職員にも伝えています。その為に必要な保育の質の向上や職員のキャリアアップを図るため、職員の意見を聞きながら園内研修を企画しています。これまで、禁止用語と言い換えの理解、戸外遊び・室内遊びの検討、嘔吐処理、発達支援・感覚の視点の理解など保育の質や専門性の向上につなげるテーマを取り上げて実施しました。この姿勢が伝わり、職員は、研修以外でもお互いに日々の保育で学んだことや疑問、相談を午睡時などのわずかな時間を活用してグループ毎に話し合い、学び合い、保育に活用するよう努めています。

改善を求められる点 ◆個々の職員が園の一員であることを再認識し、課題や関わり方を理解・共有・実践する工夫が望まれます
施設長は、地域の子育て支援に対して強い思いを持って取り組んでいます。移動動物園等の様々なボランティアを積極的に探して受け入れ、企画し、地域の親子や近隣の小規模園の園児、町内会の方を園に呼んでいます。町内会の祭りの準備に手伝いで参加したり、子育て家庭の情報を得たり、非常時の協力関係を得るよう努力しています。ただし、第三者評価の職員アンケートでは、「経営状況の把握」や「地域との交流、地域貢献」の項で「分からない」と回答した職員が散見されました。施設長の活動や意図が他の職員に十分伝わっていないと思われます。今後は、園として力を入れて取り組んでいる地域交流について更に上のレベルを目指すためにも、職員が課題や関わり方を理解して取り組む工夫が望まれます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
スターチャイルド《高津溝口ナーサリー》は開園3年目を迎え、初めての第三者評価となりました。更に保育の充実と、より質の高い保育を目指すために課題を受け止め向き合っていこうという想いがございます。
第三者評価の受審は職員一同大変励みになりました。併せて貴重なご意見を頂いた点につきましては真摯に受け止め、職員全員で共有致します。
より一層努力を重ね、保育の質の向上のため研鑽を続けてまいります。
最後に、コロナ禍ご多忙にもかかわらずアンケート等の調査にご協力いただいた保護者の皆様、第三者評価の受審にあたりご尽力下さいました評価機関の皆様に心より感謝を申し上げます。誠にありがとうございました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

法人では「子どもたちの無限の可能性を信じ、意欲を引き出し、伸ばす保育を実践します」を保育理念として掲げています。保育理念、保育方針は、玄関に掲示しています。また、法人のホームページ、園のパンフレット、入園のしおりに記載して周知しています。園では、保育理念、保育方針を会議や研修で唱和しているほか、基本理念・保育方針マニュアルの読み合わせを行い、職員の共通理解に努めています。保護者には、玄関への掲示や保育園向けアプリへの配信のほか、入園の説明会で説明して理解を促しています。また、見学者(年間約50名)にも説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

社会福祉事業全体の動向は、法人が情報収集して分析しています。法人が把握した情報は、施設長が施設長会議に出席して情報収集しています。地域の各種福祉計画の策定動向と内容は、施設長が、高津区園長校長会、高津区認可保育園連絡会(以下、園長会)に参加して把握しています。地域の課題や実情は、園長会、高津区幼保小連絡会議や、民生委員・町会との交流、近隣園との情報交換などから、情報を収集しています。また、コスト分析は、損益計算表(備品・人件費予算の進捗状況)、利用率の分析は、園児数推移表を作成して毎月法人に報告しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

法人は、年度事業計画の定性目標として「働きやすさ業界№1を目指して離職率の低下と質の高い保育サービスの実現」を掲げており、職員の定着率を課題としています。経営課題は施設長が施設長会議に出席して把握し、月1~2回のカリキュラム会議や、毎日の10分ミーテイング(以下、会議)で説明して周知しています。会議に出席していない職員には口頭や連絡ノートで周知しているほか、理解してもらいたい資料などを休憩室・事務所に据え置き、確認してもらっています。職員の定着率対策としては、施設長が、職員個々の特性やスキルに合わせた対応をして、やる気を引き出すようにしています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

園では、保育理念、保育方針の実現に向けて、5年間の長期計画と3年間の中期計画を作成しています。長期計画は「修繕・大型備品購入」「保育の質の向上」「人材育成」「地域交流推進」の4項目と、数値目標の「園児数充足計画」で構成しています。中期計画は、長期計画の4項目に沿って作成しています。経営課題や問題点の解決・改善に計画的に取り組めるよう、年度別に具体的な内容で作成しています。中・長期計画は、施設長が職員の意見も踏まえ法人と協議して作成しています。また、計画は、年度末など必要に応じて見直しています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

園では、中・長期計画を踏まえて年度事業計画を作成しています。年度事業計画は「基本目標」と「重点目標」に分けて作成しています。「基本目標」は、運営方針や職員体制の考え方などを明示しています。「重点目標」は、主な行事・地域交流、給食、実習生等の受け入れ、研修、安全管理、防災訓練、児童虐待等、11の具体的で実行可能な事業内容を明示しています。今年度、園としては児童虐待防止等の子どもの人権の尊重に力を入れて取り組んでいます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

施設長は、日常会話や会議、個別面談などから把握した職員の意見を踏まえて、法人と協議して年度事業計画を作成しています。年度事業計画は、実施状況や成果などの評価を行い、当該年度の事業報告を作成しています。その評価や職員の意見、園としての自己評価を踏まえて、次年度の事業計画を作成しています。園では、作成後、職員にはカリキュラム会議で周知して理解を促しています。当該年度の事業報告と次年度の事業計画は、運営委員会で報告して、内容決定後、法人に報告しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

年度事業計画は、施設長、法人の担当者のほか、保護者の代表や民生委員がメンバーとなっている運営委員会で報告しています。運営委員会開催後、当該年度の事業報告、次年度の事業計画と運営委員会の議事録を、3月に玄関に掲示して保護者などに公開しています。また、入園説明会や年度末の保護者懇談会で、施設長が主な内容を説明して、周知を図っています。そのほか、事業計画の個別の取組内容を、適宜園だより(きらきらだより)や、保育園向けアプリで保護者に伝えています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

法人は、保育サービスの質の持続的向上を目指し、ISO9001:2015の認証を取得しています。年間指導計画や、保育日誌、研修報告書をPDCAを記載する様式として、日常業務を行うことにより、職員にPDCAの実践が身につくような仕組みを取り入れています。園では、保育士などの自己評価に基づき、園としての自己評価を年1回2月に実施して、結果を3月に園内に掲示・公表しています。また、今年度1回目の第三者評価を受審して、組織的な保育の質の向上に取り組んでいます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

毎年実施する「園の自己評価」は施設長・主任・リーダーが、今回の「第三者評価の自己評価」は施設長が、作成した評価案を、非常勤を含む全職員に説明して意見を聞き出し、最終評価に反映しています。園の自己評価の結果は、職員に周知するとともに、事業報告や次年度の事業計画に反映しています。評価の結果は、3月に園内に掲示・公表しています。課題として、地域ニーズの把握、地域ニーズに基づく事業・活動の実施、個別研修計画の策定を挙げています。それぞれの課題に対して、職員の意見を踏まえた改善の取組を行っています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、園の経営・管理に関する方針と取組を中・長期計画、年度事業計画で明確にしています。また、自らの役割と責任については、園だよりや保育園向けアプリで表明しています。役割と責任の具体的な内容は、「就業規則」「運営規程」「職務区分の構成と定義」に記載しています。職員には、会議などで施設長が説明しています。施設長不在時の権限移譲については、明文化していませんが「施設長が不在の場合、施設長の権限は、主任に委譲する」ことを職員に周知しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、施設長研修や行政のマネジメント研修で法令遵守について学び、利害関係者と適切な関係を保持するよう努めています。毎月法人の担当者が訪問時に法令遵守などの確認を行い、施設長に報告しています。園の業務は、児童福祉法、労働基準法、個人情報保護法、児童虐待防止法等に留意して運営しています。法令改正の情報は、行政や法人からの案内で把握して職員に周知しています。職員には、入社時に「保育者マニュアル」を配布しています。本マニュアルで、理念、倫理綱領、人権保育、社会人としての基本といった、職員が遵守するべき事項を職員に周知・徹底しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は、保育室での観察や保育日誌で、保育の質の現状について日常的に評価・分析しています。評価・分析は、年間指導計画などの各計画と齟齬がないかなどに基づき行っています。また、毎月法人の担当者が訪問時に保育の内容などの確認を行い、施設長に報告しています。保育の質の向上に向けて、日常の会話、個別面談、会議などの機会に職員の意見を聞いています。施設長は、保育関連雑誌や川崎市のガイドブックを活用して職員のスキルアップを図っているほか、園内研修で、禁止用語と言い換えの理解、戸外遊び・室内遊びの検討などのテーマを取り上げ、保育の質の向上につなげています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

施設長は、備品・人件費予算管理や労務管理を通じて、経営の改善や業務の実効性の向上に向けた分析を行っています。人員配置は、職員の相性や人間関係に留意しています。シフトは、主任が職員の希望を取りまとめ、施設長が決定しています。職員に、就業時間内に業務を終了するよう意識付けを行い、困難な場合は、職員同士の助け合いや主任のサポートにより、事務関係の時間外労働ゼロを実現しています。有給休暇も職員の希望通り取得できる状況で、職員が働きやすい環境を整備しています。業務の実効性を高める取組は、施設長と主任が連携して行っています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人では「育成システム」と「年間育成計画」で構成した、人材育成計画を作成しています。「育成システム」は、全職員共通の合同研修や実技研修、認定研修等と、職位に応じた階層別研修(管理社員、リーダー社員、一般社員)という研修体系を明示しています。「年間育成計画」は、職員の個別目標の設定や施設長との個別面談による人材育成の仕組みを明示しています。採用活動は、法人が行政主催の就職セミナーへの参加や、各種広告媒体、社員紹介制度等を活用して行っています。園では、施設長が法人を代表してWebの説明会に参加しているほか、就職希望者の見学を受け入れています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人は、人材育成計画で求められるスキル・人材像を明示しています。また、昇進に必要な経験年数や研修、資格を明確にしたキャリアパスを作成しています。採用、配置、異動の基準は、就業規則に明示しています。施設長は、職員別にスキル考課シート、個別目標設定シートに基づき、4月と10月の年2回面談を実施して、人事考課を行っています。法人は、職位(施設長、主任、一般職員等)・等級を設定して、等級別に求められるスキル、役割、職務内容、昇進の要件を明示しています。職員が自らの将来的な姿を描くことのできる総合的な人事制度となっています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

施設長は、労務管理の責任者として、有給休暇の取得や時間外労働の状況を毎月把握しています。園では、事務関係の時間外労働ゼロや、円滑な有給休暇の取得を実現し、働きやすい環境となっています。また、日常の会話、個別面談などから、職員の心身と健康状態を把握しています。法人の担当者が月2回訪問した際、職員が相談できる機会を設けています。持株会社のヒューマンホールディングスが、ヘルプラインを設置しています。職員は、法人の福利厚生制度を利用しています。法人は、担当者が訪問した際に把握した職員の意見を制度の見直しに活かしています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人では、人材育成計画で管理職員、リーダー社員、一般職員別に、求められるスキル・人材像を明示しています。職員は、個別目標設定シートで、保育スキル、業務姿勢、コミュニケーション、役割・責任等の中からチャレンジ性のある目標を設定することになっています。職員は、4月に前年度の下期の振り返りと上期目標を設定して、施設長と面談を行い、10月に上期の振り返りと下期の目標設定について、2回目の面談を行っています。施設長は、面談の際に職員とよく話し合い、一人ひとりのスキルに合わせた目標を立てるよう努めています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人は「職員区分の構成と定義」で、職位ごとに専門技術能力の求められるスキル、必要な研修または資格を明示しています。人材育成計画に基づき、法人主催の階層別研修、スキルアップ研修、認定研修を実施しています。園では、職員の希望やスキルに合わせ研修の受講者を決めています。園では、緊急時のロールプレイング、禁止用語の言いかえ、嘔吐処理、保護者支援の事例検討、発達支援・感覚の視点の理解、室内・戸外遊びの検討等、保育の質や専門性の向上につながるテーマを設定して、毎月園内研修を実施しています。法人は、アンケートを実施して職員の意見を研修計画の見直しに活かしています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

法人と園は、入社時の履歴書や面談内容や、法人主催の研修の受講状況などを基に、職員の知識、技術水準を把握しています。園では、職員の経験やスキルを考慮したOJTを行っています。また、法人主催の研修に加え、キャリアアップ研修、小学校のスタートアップ研修などの外部研修にも積極的に参加しているほか、園内研修を実施しています。施設長は、職員一人ひとりが研修を平等に受講できるよう配慮しています。法人は、外部研修の受講料を補助しています。また、研修受講を業務扱いすることなどして、受講後、学んだことを受講者が他の職員に伝える仕組みの伝達研修を行っています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

法人が、実習生受け入れマニュアルを整備しています。マニュアルの「目的」で実習生受け入れに関する姿勢を明示しています。実習の際は、主任が、オリエンテーションで、実習の概略や諸注意、持ち物等などの確認を行っているほか、個人情報の守秘義務についても説明しています。プログラムは、実習生のスキルに合わせたものを用意しています。施設長は、主任とは実習の前に、指導内容や方法などに関する打ち合わせをしていますが、指導者としての研修は実施していません。学校とは、実習中に先生が訪問した際に連携しています。実習では振り返りや反省会も行い、実習生と園お互いの学びの機会としています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人は、理念や基本方針、決算情報などは公開していますが、事業計画、事業報告、予算は公開していません。今回の第三者評価の受審、受審結果は、WAMNET(福祉関連サイト)などで公表します。園の苦情解決体制は、玄関に掲示して公表しています。苦情の内容や改善・対応の状況は、回答が必要なものについては公表することとしていますが、該当する事例がありません。理念や基本方針は、区の保育園紹介の動画で説明しています。園の活動などは、区の情報誌「ひろばノート」や「あそびの広場カレンダー」に掲載して、それぞれ区役所と図書館・公民館に据え置いています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

園における経理処理は、小口現金マニュアルに基づき実施しています。マニュアルは、イントラネットで職員が閲覧できるようになっています。経理処理で不明な点がある場合は、法人の経理部門の担当者に相談しています。園は、年1回経理・事務処理等の業務運営について、法人の内部監査を受けています。直近の内部監査での指摘事項はありません。内部監査の結果は職員に公表しています。法人は、経営状況について、公認会計士による外部チェックを受けています。指摘事項があれば、迅速に対応して経営改善に努めています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

園の中長期計画および今年度の重点目標の一つに地域との交流を掲げています。コロナ禍の前は地域住民を園内に招待し在園児との世代間交流の機会を設けていました。子どもが地域行事に参加する機会は現在ありませんが、コロナ終息後は町会の高齢者と園児との将棋の会の開催等を計画しています。保護者に対しては、外国籍家庭向けの国際交流イベント、父親向け育児講座、DV相談等、行政より案内のあった催し情報の案内チラシを玄関に置いています。今後は社会資源等の情報をさらに積極的に収集し保護者へ提供していくことも期待されます。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティア受け入れ規程に基本姿勢が明文化されており、規程に基づいて手続き・配置・事前説明などを行っています。施設長はボランティア活動者・団体の情報を探り、積極的に繋がりを作って園に招き、催しの際には近隣住民や地域の子育て家庭にも参加を呼び掛けています。近隣の音大生による読み聞かせ演奏会・聴覚障害者の方による手話を使っての絵本の読み聞かせ・ラグビーフットボール協会員によるラグビー講習・人形劇・移動動物園など多様な催しを開催しており、今年度は中断していますがコロナ終息後は再開を予定しています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、高津区園長校長会、高津区幼保小連絡会議に参加し、待機児童等の地域の課題、小学校移行における課題など地域の状況把握、情報収集に努めています。また高津区園長会に参加し、毎年グループに分かれ研修を行っています。開園時より町会に加入し、施設長は民生委員や町会の地域住民と積極的に関わりを持っています。要支援児の保育にあたり、川崎市の発達支援の心理士や、在園児が通所する発達支援事業所とも連携しています。近隣の保育所と協同して園児の交流事業を行うほか、園庭のない近隣小規模園の園児の園庭利用や非常時の園児受入れを申し出るなど協力体制を築いています。権利侵害が疑われるケースについて情報収集し、高津区と連携して対応できるようにしています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

お茶会など園の催しへの地域住民招待、町会行事の準備への施設長の参加等により、積極的に地域と関わりを持ち、その中で地域の課題や子育て家庭の困りごと・気になる家庭について地域住民や民生委員から情報を収集しています。園行事への参加や園見学で来園する子育て家庭から話を聞いたり相談に乗ったりする中でも、困りごとなど情報を収集しています。情報をもとに子育て支援や虐待防止、地域福祉向上のために園として何が出来るのかを模索し、地域に開かれた園行事などに生かしています。今後もさらに潜在的福祉ニーズの掘り起こしができるよう探っていきたいと施設長は考えています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

例年は地域の子育て親子をボランティア行事や夏祭り・運動会に招待しているほか、園庭開放・在園児に混ざって遊んで給食を試食する親子ランチ・月1回の園医による育児相談などの在宅子育て世帯への支援を行っています。移動動物園の際には、開始直前に近隣の公園で遊ぶ親子に呼び込みを行いました。現在はコロナ禍のため多くの催しを中止していますが、終息後は再開・継続の予定です。災害時の備えとして備蓄品に毛布も用意しており、非常時の近隣住民の受入れ協力も可能と町会に申し出ています。また非常時における近隣の小規模園の園児の受入れも想定しています。今後はこうした取組を、職員を巻き込み、園全体で共通理解を広げて行っていくことが期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

理念・基本方針に子どもの尊重について明示してあり、毎月の会議で唱和しています。保育士業務マニュアルに、具体的な実施方法がわかりやすく説明してあるほか、日頃の子どもへの関わりが子どもの自立を促す保育になっているか留意し、声を掛け合っています。川崎市子どもの権利条約の冊子を保護者に毎年配布し、抜粋を職員・保護者の目につく場所に掲示しています。全国保育士会の人権擁護のためのセルフチェックリストを保育士が頻繁に確認するようにしています。人を傷つける「とげとげ言葉」を使わないなど、子どもにお互いの尊重の大切さを伝えています。コロナ禍を受け、感染者が出た場合は互いに配慮し皆で見守るよう、園便りに示し保護者へ理解を求めています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

保育士業務マニュアルに羞恥心についての配慮が明文化されており、それに基づいて保育を行っています。トイレの前に手作りのパーテーションを設置したり、身体測定の際は外からの視線を遮るためブラインドを閉めるなどの配慮を適宜行っています。プール遊びの際には、ビニールシートをひさし状に設置し隣のマンションからの視線を遮るようにしています。子どもや保護者には場面に応じプライバシー保護に関する声掛けを行っています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

高津区で作成している保育所情報を集めた冊子「ひろばノート」に園紹介やイベント情報を掲載し、区役所や図書館などで手に取れるようになっています。掲載内容は毎年見直しを行っています。また高津区で毎月発行される「高津区保育園あそびの広場カレンダー」に地域に開放された園のイベントが掲載されています。法人のホームページおよび高津区の保育園紹介動画でも、理念や保育方針、園の案内を公開しています。見学希望者は随時予約をすることができ、年間数十組の見学者が来園しています。見学者には施設長が丁寧に説明をし質問や相談に答えています。現在はコロナ禍のため、見学者は一度に一組ずつの受入れとしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

入園予定者には説明会に先立って各種文書を渡し、内容を確認後に説明しています。園と家庭との連絡に使う保育園向けアプリは、入園前に設定を済ませるよう案内し、入園時にパスワードを伝えることですぐに使用開始できるようにしています。入園説明会では子どもを預かるスペースを用意し説明が聞きやすいようにしています。慣らし保育は、保護者の仕事の都合に合わせ時間の変更も可能とし、柔軟に対応しています。法人の作成した入園のしおりおよび重要事項説明書は分かりやすく記載されており、英語版も用意されています。今年度のコロナ禍における保育の変更等は、保育園向けアプリで随時保護者に配信しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

転園する園児の引継ぎに関しては、川崎市で定められた文書を使用しています。卒園・転園児に対して、保育終了後もいつでも来園したり相談したりできることを伝えています。たびたび卒園児親子が来園し、小学校生活での悩み相談をしたり遊んで気持ちを発散したりしています。保育所の利用が終了した後の相談方法や担当者についての文書化までは行っていません。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の保育の中で子どもの気持ちの把握に努め、降園時には満足して笑顔で帰れるよう保育内容に配慮しています。法人で年に1回、保護者用アプリを通して保護者アンケートを実施しています。アンケート結果は保護者に公開するとともに、法人他園と比較分析し、職員で結果を共有し改善につなげています。アンケートの中で保護者から指摘のあった点は速やかに職員間で検討し、説明や解決法を保護者に伝えています。園から独立した保護者会はありませんが、保護者懇談会や個人面談で保護者の意見や困りごとを聞き取って改善につなげています。今年度はコロナ禍により保護者とのやり取りの機会が減っていますが、降園の際には短い言葉でも園での様子が伝わるように心掛けています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

法人による苦情対応マニュアルに基づいて仕組み・体制が整備されています。入園説明会の際に苦情解決の仕組みと相談先を文書と口頭で保護者に説明しています。意見箱への記入カードは匿名でも記入できるようになっています。保護者から寄せられた要望について、速やかに指摘のあった点に改善を施し、保護者全体に口頭で改善点を伝えた上で、適切に経過を記録し保管しています。今回実施した保護者アンケートの結果、苦情解決の仕組みについて保護者への周知が充分でないことがわかりました。今後は一層の周知が望まれます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

入園のしおりには意見・要望等ある場合の相談先として担任のほか、受付担当者・解決担当者・第三者委員・かながわ福祉サービス運営適正化委員会の連絡先を記載しています。苦情解決の仕組みについて、玄関に文書を掲示し、意見箱、意見カードを設置しています。年に一度の保護者懇談会、秋から冬に希望者に対して行っている個人面談で保護者の意見・相談を聞いているほか、面談は随時希望を受け付けています。保護者との面談の際は、静かに安心して話せる場所を設定しています。面談中は落ち着いて話ができるよう子どもには保育を提供するため、時間は該当園児の保育契約時間内とし、20時まで対応しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

保護者とのコミュニケーションを大事にしながら保護者の様子の把握につとめ、保護者の方から希望がない場合でも必要に応じて職員の方から適宜声をかけ面談を行っています。保護者アンケートや懇談会、面談等で保護者から出された意見や相談内容は記録され、職員全員が確認することができるほか、会議などで内容を職員に周知しています。記録・報告の手順や対応策の検討は、法人による苦情対応マニュアルに沿って行っており、マニュアルは定期的に見直しが行われています

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

法人による事故防止マニュアル・食物アレルギー誤食事故防止マニュアル・事故発生時対応マニュアルが整備され、対応手順は事務所に掲示してあります。日々の保育の中での擦り傷、打撲などの小さなけが、傷の残っていないけがも含め保護者に報告し記録にも残しています。これらの事故は月ごとに集計し、原因や時間帯・場面等の傾向を分析して改善に繋げています。行政の研修で紹介された手法を用いて、怪我人や病人の発生時には各職員に救急対応や連絡担当等の指示を口頭ではなく役割を大書したアクションカードを配ることで速やかに対応することになっており、その訓練も行っています。また高津区の看護師の協力により、救急救命訓練を近隣小規模園の職員も招いて行っています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

厚生労働省による感染症ガイドラインおよび法人による感染症マニュアル・嘔吐処理のマニュアルに沿って対応しており、職員は会議などでマニュアルの内容を確認しています。嘔吐処理手順を示したものは各保育室にも設置してあります。感染症が発生した時は、川崎市の感染症情報発信システムを使って行政に感染症に関する報告を行い、園医にも毎月報告しています。保護者に対しては、感染症発生状況を玄関に掲示するほか保護者アプリで配信しています。また感染症に関する情報は、園だよりの中の保健だよりでも伝えています。今年度はコロナ禍のため登降園時に保護者が園内に入らないこととし、玄関には職員と保護者それぞれの立ち位置に目印のテープを貼り距離を取るようにしています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

安全管理・災害時対応マニュアルがあり、各職員の非常時の役割が定められています。月1回防災訓練を担当職員以外には抜き打ちで行い、午睡中・着替え中・食事中等敢えて避難のしづらい状況で実施するようにしています。非常時には保護者は災害伝言ダイヤルを使って子どもの安否確認を行い、職員は民間警備会社のメールシステムを使って自らの安否確認を園に伝えることになっています。施設長は近隣園園長と共に、地域の大規模防災訓練に参加しています。周辺が浸水被害の想定される地域でもあり、災害用の備蓄品には在園児職員用以外の毛布も用意し、非常時の近隣住民の受入れ協力もできるようにしています。垂直避難のできない近隣の小規模園の園児の受入れもできるよう、日頃から訓練の意味も込め園庭や園内に近隣園の園児を招待しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

標準的な実施方法は、法人による保育士業務マニュアルに具体的な場面をあげて示されています。マニュアルは全職員で年度末に読み合わせをして確認しています。マニュアルには「職員が楽なことではなく『子どもにとっていいこと』を優先する」とあり、日々の保育場面の関わりにおいても子どもの育ちにとって良いことかという観点で職員がお互いに確認するようにし、今は何をする時間という形式に子どもを無理に当てはめないように心掛けています。今年度はコロナ禍による活動の変更を余儀なくされましたが、プール遊び等の中止された活動を補って色水の水風船遊びを行うなど柔軟にプログラムを工夫しながら保育を実施しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

法人による保育士業務マニュアルは、保育士や保護者からの意見や情報を考慮しながら定期的に改訂されています。法人の担当者が月2回巡回訪問し、保育場面に加わるほか会議にも参加して、現場の実態を把握しマニュアルの作成を行っています。毎月の会議の場で保育内容について都度検討し見直しを行っているほか、保育環境についても検討・見直しを行っています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は、法人の担当者と施設長が作成し、それを踏まえて各年齢ごとの年間指導計画を作成しています。指導計画は期ごとに振り返りを行い、会議などで共有し必要に応じて見直しを行っています。全体的な計画や指導計画は保育園向けアプリに管理されており、職員は園内の端末で随時閲覧、確認しています。支援困難ケースについては保護者との連絡を丁寧に行い、「困りごとが少なくなるような支援」を目指し、より良い対処方法を分析し職員・保護者と共有しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

指導計画は毎月の会議などで見直しを行っています。指導計画には各期ごとに評価の記入欄が設けられ、振り返り・評価は会議などで取り上げ職員間で共有し次の計画に活かせるようにしています。年間指導計画は年度末の会議などで見直しを行っています。指導計画を踏まえて園児の発達の様子を把握して職員間で共有し、必要に応じて計画の見直しを行っています。指導計画を緊急に変更する必要がある場合は、その都度会議などで話し合い計画に変更を加えています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

指導計画や子どもの記録は法人全体で統一した様式を使用し、園内の端末を使って各職員が保育園向けアプリにデータとして入力しており、情報は分別管理され、職員は随時閲覧・確認し内容を共有しています。記録は主任・施設長がチェックし、具体的な記述を盛り込む事など助言を行っています。記録に用いる言葉使いについて、職員に対して改善の具体例を一覧で示して都度助言を行い、記録の質の向上をはかっています。会議などにおいて記録内容を職員で共有しています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

法人の定めた個人情報保護規程および個人情報管理マニュアルに沿って、子どもの記録の保管・保存・情報提供を行っています。記録の廃棄は設立後年数が浅いためまだ行っていません。個人情報を含む文書は鍵のかかる棚へ保管しています。全職員に対し毎年、個人情報の取り扱いについての理解が合格水準に達するまで試験を行い、個人情報保護を徹底しています。入園時に、保護者に対して紙面および口頭で個人情報の取り扱いについて説明し、同意書にサインを得ています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は、児童福祉法、保育所保育指針などの趣旨をとらえ、園の保育理念や保育方針、保育目標に基づいて編成しています。また、子どもの発達過程、子どもと家庭の状況や保育時間、地域の実態などを考慮して、法人と施設長で作成しています。全体的な計画は、年度末の反省会で職員の意見を取り入れ、次の編成に活かしています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

園舎の窓は広く大きく十分な採光がとられ、空気清浄器や加湿器が設置され、室内の温度、湿度、換気などは、常に適切な状態が保たれています。1階の乳児保育室は床暖房となっていて、子どもたちが心地よく過ごせる環境を整備しています。保育室はオープンスペースとなっていて、音に関しては、担任同士で話し合って音が気にならないよう配慮をしています。保育所内外の設備や用具は、衛生管理に努め、寝具は、2歳児からコットを使用し、0,1歳児の使用する布団の乾燥は年3回実施しています。職員は、子どもたちの活動や発達に応じて家具や遊具の配置を変え、手作りの仕切りでパーテーションを設け、子どもが落ち着いて安心して過ごす環境を作っています。また、食事や睡眠のための心地よい空間を確保しています。年齢によって高さの違う手洗い場があり、トイレは清潔に管理され、子どもが利用しやすい動線となっています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

職員は、会議等で発達と発達過程、家庭環境等から生じる一人ひとりの子どもの個人差を把握しています。また、子どもが安心して自分の気持ちを表現できるよう、否定語を使わず、子どもの気持ちを受け止めるよう配慮して対応しています。自分を表現することが十分でない子どもの気持ちを表情やしぐさから汲み取るように努めています。職員の子どもへの言葉づかいに関して、施設長は、「言葉は投げずに、手渡しで」と日頃から職員に伝え、主任もそのような保育が行われるようクラスを回って助言しています。具体的な言葉遣いのファイルを活用して園内研修を実施し、保育士はいつでも手に取ってみることができます。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:b】

一人ひとりの子どもの発達に合わせて、生活に必要な基本的な生活習慣を身につけられるようカリキュラム会議で子どもの発達の状況を把握し、個々に応じてきめ細やかな対応ができるよう努めています。習得にあたって、子どもが自分でやろうとするする気持ちを尊重して、子どもが達成感、自己肯定感が得られるよう見守り援助しています。一人ひとりの子どもの状態に応じて、活動と休息のバランスが保たれるよう配慮しています。午睡をせずにコットの上で静かに過ごした子どもの状況を保護者に伝え、その後の様子を聞くなど対応しています。生活習慣を身につけることに関して、子どもができた時は褒めていますが、今後は更に、子ども自身が、健康のための習慣や態度を身につけ、基本的な生活習慣を身につけることがなぜ大切なのかを理解できるよう伝え、働きかけることが望まれます。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

子どもが自由に遊べる環境を整えると共に、職員がのびのびと楽しむ姿を子どもに見せることが刺激になると考えています。職員は、子どもが自発性を発揮できる保育を学び、取り入れ、職員間で話し合って研鑽を積んでいます。訪問日に幼児クラスは、フープと新聞紙を使って身体を使ったゲームを実施していて、遊びの中で進んで身体を動かすことができるよう援助しています。また、幼児クラスは月2回体操教室を実施しています。毎日戸外で遊ぶ時間を確保しています。子どもたちが友だちと協同して制作したり、遊んだり、活動できるよう保育環境を整えています。子どもたちの会話の言葉を「とげとげ言葉」を「キラキラ言葉」にするなど、具体的に例を挙げて身につくようにしています。幼虫から育てたカブトムシやカタツムリ、メダカの産んだ卵などを飼育する事で、子どもたちが生命の連鎖を学ぶなど自然に触れ合うことができるよう工夫しています。戸外活動で交通ルールを学んだり、切符を買って電車に乗ったり、近隣の八百屋に買い物に行ったりするなどの社会体験ができる機会を設けています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもに無理をさせず、のんびりと穏やかな気持ちで過ごせる工夫をして、0歳児が安心して長時間過ごすことができる環境を整えています。保育士は、子どもと愛着関係を築き、情緒の安定を図るように努め、子どものしぐさや喃語、言葉にゆったりと応え、やさしい声掛けや対応をしています。子どもが、興味と関心を持つことができるよう、指先を使う玩具など手作り玩具を用意してじっくり向き合うように努めています。発達に合わせ、一人ひとりの子どもの状況に応じて個別の対応をしています。子どもたちは互いに刺激を受けて、自然と歩く距離が伸びるなど変化が表れています。行動できるようになっています。保護者とは、日々の送迎時や家庭と園生活の連続した様子を記入した「育児日記」を用いて情報を共有しています。離乳食に関しては、担任だけでなく、栄養士も同席して対応するなど、個別の相談にも応じて連携を密にしています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

一人ひとりの子どもの状況に応じて、子どもが自分でしようとする気持ちを受け止め、見守っています。探索活動が行える環境として、答えを直ぐに出さずに自ら考え、発見したり、確認できる環境を整えるように努めています。子どもが自発的な活動ができるよう、ダンボールなどの素材を使って子どもの考えを後押しできる環境を保育士が関わって作っています。子どもの自我の育ちを受け止め、否定語を使わず、根気よく関わるよう配慮しています。友だちとの関わりでは、お互いの気持ちを代弁して、やってはいけないことを伝え仲立ちをするよう努めています。保護者とは、「育児日記」を用いて情報を共有しています。トイレットトレーニングなどは、個別に家庭と連携を図って無理なく進めています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳児の保育に関しては、子どもの興味を引き出し、好きな遊びができるよう環境を整えています。4歳児の保育に関しては、共同でおこなう絵画表現など、友だちとの集団遊びで興味関心を持って取り組めるよう保育士は関わっています。5歳児の保育に関しては、集団の中で一人ひとりの子どもの個性が活かされ、お楽しみ会など協力してやり遂げる事ができるよう保育士は環境を整え援助しています。様々な園の行事や近隣の人に出す「お手紙ごっこ」などで子どもたちの育ちや取り組んできた活動等を伝えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

園舎は、バリアフリーになっていて、多機能トイレを整備しています。エレベーターの設備はなく、状況に応じて、対応策は持っています。障害のある子どもの状況に配慮した個別の指導計画を作成し、カンファレンス会議でクラス等の指導計画と関連付けています。計画に基づき、子どもの状況に応じた保育を行っています。園として子ども同士の関りを子どもたちに説明はしてはいませんが、子どもたちは自然に受け入れて手を差し伸べています。今後は、子どもが理解できるよう説明し、知る機会を持つことが望まれます。保護者とは、連携を密にして子どもの様子を確認しています。必要に応じて障害のある子どもの支援学級と連携をとり、中央療育センターから助言を受けています。職員は、障害のある子どもの保育について研修を受け、具体的な対応等を全体研修で他の職員に伝え、情報を共有しています。保護者には川崎市の「子どもの権利条例」の冊子を配布して、障害を個性として取り入れていることを伝えていますが、障害のある子どもの保育に関する理解を得るための具体的な取組は行っていません。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

日案は、1日の生活を見通して連続性に配慮し、子ども主体の取組になるよう計画しています。家庭的でゆったりと、穏やかに過ごせるようコーナーを作るなど環境を整え、子どもが自由に遊びを選べるよう配慮しています。年上の子どもが年下の子どもにやさしく接する事ができるよう、安全に気を付けて年齢の異なる子どもが一緒に過ごせる環境を作っています。保育時間の長い子どもに配慮した補食の提供をしています。保育士間の引き継ぎは、口頭だけでなく、毎日のミーティングや一人ひとりの子どもの様子を記入した引き継ぎノートを用いてしています。必要と思われる伝達事項は確認できる体制となっていて、担任以外でも保護者と連携が取れるようになっています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画や年間指導計画などに就学に関する内容を記載し、「アプローチカリキュラム」(小学校に向けての円滑な接続計画、幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿、幼保小連携、家庭との連携など)を作成して就学を見通した計画に基づいて保育活動を実施しています。小学校体験や避難訓練の際に内部見学をするなど小学校以降の生活について見通しを持てる機会を設けています。また、午睡を無くし、その時間を使って習字やワーク、リリアン制作など集中できる時間を設けています。園は、高津区園長校長会で小学校校長が保育園の保護者に望むことを話した内容を保護者に伝えています。例年、幼保小連携事業の合同会議が行われていますが、コロナ禍で電話連絡による連携となっています。保育所児童保育要録を担任が作成し、施設長が確認しています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもの健康管理に関するマニュアルに基づいて一人ひとりの子どもの健康状態を把握しています。子どもの体調の変化やけが・事故に関しては、必要に応じて事前に保護者に電話で報告し、降園時に降園後の対応を話し合い、翌日の登園時に事後の確認をしています。子どもの保健に関する「保健計画」は、毎日・毎月・随時行うものを季節ごとの4期に分けて作成しています。登園時には子どもの様子を観察し、体温測定、連絡帳の確認や保護者から様子を聞くなどしています。入園時に得た既往歴等の新たな情報は、保護者に健康台帳に再記入してもらい、職員間で情報を共有しています。園の子どもの健康に関する方針や取組は園だよりで知らせています。乳幼児突然死症候群対策として、0・1歳児は5分間隔、2歳児は15分間隔、3歳児以上は20分毎に睡眠時の呼吸、顔色、身体の向きをチェックして記録しています。保護者に対して、乳幼児突然死症候群に関する情報は、施設見学や入園説明会で口頭で知らせています。今後は、更に丁寧な乳幼児突然死症候群に関する情報提供が望まれます。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断は、0・1歳児は毎月、2歳児以上は年3回実施しています。歯科健診は年に1回実施し、それぞれの結果は記録され、職員に周知しています。園医とは、毎月会い、対応や判断に迷った時には相談するなど連携を図るよう努めています。結果を感染症対策や体調管理など保健計画等に反映させ、子どもたちには虫歯予防やウイルス感染症、ばい菌など健康に関する絵本の読み聞かせをするなど保育に反映させています。家庭には健康診断は口頭で、歯科健診は書面で結果を知らせています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

アレルギー疾患のある子どもに対して、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」をもとに、子どもの状況に応じた適切な対応をしています。食物アレルギーについては、川崎市のアレルギー対応に法り、医師の記入した「除去食申請に対する主治医意見書」と「除去食申請書」を提供してもらい、保護者と連携して除去食を提供しています。配膳の際は、ネームプレートを付けて、栄養士、担任、施設長、フロア職員の複数が確認してテーブルを分けて配膳しています。食事の提供等において、他の子どもとたちに相違について言及していませんが、子どもたちは自然に受け入れています。今後は、子どもが理解できるように伝えていくことが望まれます。職員は、研修等で必要な知識・情報を得て、他の職員にも周知して情報を共有しています。保護者には、施設見学や入園説明会などでアレルギー疾患や慢性疾患等について園での取組を話しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食に関する豊かな経験ができるよう、2歳児からの年間指導計画に食育の項を設け、食材に触れ、名前を知り、食事のマナーや行事食、食物の働きなど子どもたちが食についての関心を深める取組を行っています。園は、食事を全量たべることを目標とせず、楽しく落ち着いて安全に食べられることを目標に環境や雰囲気づくりを工夫しています。子どもの発達に合わせて、食事の介助をしたり、三点持ちできるよう配慮するなど食事の援助をしています。食器や食具は年齢や発達に合わせた大きさのものを使用しています。個人差や食欲に応じて量を加減できるよう個別に対応して、お代わりもできるようにしています。食べたいもの、食べられるものが少しでも多くなるよう、保育士は声掛けして褒めたり、バイキングなどの機会を設けています。保護者には、玄関に食育の取組の様子を写真に撮って掲示したり、献立表や給食だよりなどで園の食への取組を周知しています。また、保育参加で給食を試食できる機会を設けています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

季節感を大切に旬の食材を使い、季節の行事に合わせ、郷土料理や他国の料理も献立に取り入れています。地域の肉屋や八百屋などから産地の明確で安全な食材を使用し、納品後は適切な温度管理をして保管し記録しています。会議や残食状況から、子どもたちの食べる量や嗜好、喫食状況等を聞き状況を把握しています。献立は月2回同じメニューを提供していて把握した内容は次に反映し、味付けや切り方、調理方法などを工夫しています。栄養士は、食事の様子をみたり、食育活動の日には話を聞いたりする機会を設けています。給食室の衛生管理は「衛生管理マニュアル」に基づいて適切に対応しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

登園時に家庭での子どもの様子を聞き、降園時に園でのその日の子どもの様子を伝え、保護者と情報交換しています。乳児クラスは園の用意した、毎日の家庭と園の連続性を考慮した「育児日記」を使用し、幼児クラスはホワイトボードでその日の活動の様子などを知らせ、必要に応じて保護者が用意した個人ノートを使用して連携を図っています。また、子どもの活動の様子を写真に撮って園内に掲示しています。園だよりや保育園向けアプリで配信し、保護者に日常の保育の様子、園の取組や具体的な保育内容、目的を伝えています。保育参加や保育参観、行事開催時には、保育の意図や出来栄え重視でなく過程を大切にしていることを保護者に伝えるなど、子どもの成長を共有できるように支援しています。個人面談では、保護者との情報交換の内容を記録しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育士は、毎日の送迎時に保護者に声掛けして、コミュニケーションをとり、日頃から保護者と信頼関係が築けるよう努めています。また、施設長は保護者のニーズを先に感じ取るよう職員に伝えています。園は、個人面談を随時受け付けるほか、強化月間を設けて、保護者からの個人面談に応じる体制ができています。保護者の個々の事情に配慮し、体調やメンタルも加味して、相談に応じられるよう取り組み、園のほうから声をかけることもあります。相談の際は、プライバシーが守られる環境を用意し、落ち着いて話ができるよう配慮しています。相談内容は記録し、会議で話し合い、職員間で周知し、情報を共有しています。相談を受けた職員が適切に対応できるよう、施設長から助言が受けられる体制になっていて、場合に応じて、施設長や主任が同席しています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

職員は、「児童虐待対応マニュアル」や「川崎市子どもの権利条例」の読み合わせをしています。マニュアルは、虐待の定義を記載し具体的な対応手順をフローチャートで示していて職員は周知しています。また、「言葉の虐待」を意識して園内研修では、言葉かけを学んでいます。虐待等権利侵害の兆候を見逃さないよう「人権擁護のためのセルフチェックリスト」「虐待予防のためのチェックシート」を用意しています。「虐待が疑われる場合の見守り票」を整備して、虐待等権利侵害があると感じた時は、速やかに保育所内で情報を共有し、適切に対応を協議する体制がとられています。職員は、着替えの際に身体の観察を行い、保護者とは話す場面を多く持つように心がけています。高津区役所児童家庭課など関係機関との連携を図るための仕組みがあります。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

年間指導計画や月間指導計画、週案などの指導計画や保育日誌などの記録は振り返りを文章化できる書式になっており、自己評価は意図とした保育のねらいが達成されたか記入しています。保育の自己評価は、子どもの成長や意欲を大切に、結果だけでなく取り組む過程を重視しています。保育士は、定期的に自己評価を行い、振り返りの次の計画に反映させています。保育士等の自己評価は、職員の話し合いや互いの学び合いの機会となり、自己評価に基づいた園内研修などが互いの刺激になって、意識の向上、専門性の向上をもたらしています。園の自己評価は施設長と主任、リーダーが作成し、できたものを説明して職員の意見を聞いています。