社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ハイム木もれ陽

2020年01月16日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 特定非営利活動法人よこはま地域福祉研究センター
評価対象事業所名 ハイム木もれ陽
評価対象種別サービス 共同生活援助
設立年月日 2008年02月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 陽だまりの会
③ 理念・基本方針 基本理念
① 「感謝・慎み・助け合い」をキーワードとし、自立と社会性を身につけ自分らしい暮らしが送れるよう支援します。
② 精神保健福祉の専門的な考え方と、地域や社会の考え方を見つめながら、地域の一員として暮らしていけるよう支援します。
③ 自分で出来ることは自分で行う「自助」、互いに助け合う「共助」、必要に応じて「公助」を活用しながら、「自分で暮らしていく力を育てる」ための支援を行います
運営方針
「感謝・慎み・助け合い」を自立と社会性を身につけるためのキーワードとし、地域の中で将来は一人暮らしができるように支援します。ゆっくり自分らしい一歩を踏み出して自分らしい生活の基盤作りができるよう支援します。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 「自分で出来ることは自分でやり、出来ない部分を支援する」ということを支援の方針とし、利用者一人一人が自立と社会性を身につけ、自分らしい地域生活を送れるように支援しています。利用希望時の聞き取りでホームが出来る対応について検討し、受け入れた以上は出来るだけの支援をすることとしています。
職員は、自分で出来ることは自分で行うことを原則として見守っていますが、自分で出来ない場合や利用者から相談があった場合には、個別支援計画に対応を明記し、必要な支援を実施しています。ホームでの生活も地域生活ととらえ、必要に応じて、行政や医療機関、計画相談事業所などと連携し、利用者が地域で自分らしく生きていくために必要な支援が受けられる体制を整えています。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2019年04月26日
終了:2019年11月01日(評価結果確定日)
受審回数:2回(2016年度)
詳細評価PDF

⑥ 総評

特に評価の高い点 ホームは、支援の方針として「自分で出来ることは自分でやり、出来ない部分を支援する」を掲げ、利用者が主体的に自立した生活を送れるように支援しています。
入居時には管理者とサービス管理責任者が利用者と面談し、食事、掃除、服薬管理、行政手続き、コミュニケーションなど日常生活を送る上で必要な項目を丁寧にアセスメントし、利用者の意向を聞いています。また、家族等や医療機関、行政、計画相談事業所等の関係機関と面談・聴取を行うとともに、職員ミーティングで支援ニーズについて検討し、個別支援計画に反映しています。個別支援計画には職員の支援内容と本人の役割が利用者に分かりやすい言葉で明確に記載されていて、利用者がモチベーションをもって取り組めるよう工夫されています。利用者の意向を尊重し、自己決定が必要な場合にはメリットとデメリットを説明して適切な判断が出来るようにし、本人の自己決定後はそれが実現されるようサポートしています。
帰宅時や食事時などを利用して、職員は全利用者と毎日会話をし、利用者の日々の様子を確認し、要望や意見を聞いています。また、必要に応じて相談にのって利用者の不安を受け止め、利用者が安心してホームでの日常生活を送れるように支援しています。
個室は施錠することができ、ルールを守っていれば外出や余暇の過ごし方も原則自由となっていて、利用者はそれぞれのペースで過ごす事ができます。観察時にも、帰宅した利用者が、穏やかにそれぞれが好きなことをして過ごしている様子を確認することができ、利用者主体の支援が実践されています。
改善を求められる点 法人の理念は契約時に利用者・家族に説明し、さらに契約更新時にも説明してきました。しかし、契約を自動更新するよう制度が変更され、定期的な理念説明の機会がありません。ミーティングなどでの説明や、施設内に運営規程が掲示されていることを周知するなど何らかの対応が望まれます。職員に対しては毎年理念研修を実施しており、また職員ミーティングなどで説明していますが、業務遂行のなかで理念・方針の理解度が十分でないと法人より評価される場合もあります。説明機会を確保したり、サービス等の具体的な実践と理念を結び付けた説明をするなど、より身近なものにする対策の検討が期待されます。
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇努力、工夫していること

法人の理念は運営規程や重要事項説明書に記載してホームの食堂に貼りだし、利用者・家族には契約時に説明しています。また全職員対象に毎年1回、経営理念研修を行って周知しています。理念を踏まえて職員の行動規範や支援の指針を策定しています。

◇課題と考えていること

ホームでの支援は理念を踏まえて行っています。支援実践と理念を具体的に結びつけて説明できるような意識づけを職員に対して進めていく必要を感じています。
Ⅰ-2 経営状況の把握

◇努力、工夫していること

地域環境等は自立支援協議会や精神障害者地域生活支援連合会他関係諸機関と情報を共有し、利用対象者数や潜在ニーズを把握しています。また、毎年度の利用状況・会計資料を踏まえ、次年度の費用を分析して予算化、補正予算化を行っています。

◇課題と考えていること

経営環境についての情報の全体共有と分析は法人の運営統括部門が担っています。今後、法人内のグループウエアを活用して情報を周知し、情報収集・分析の一部を施設も担い、職員の気づきを共有し生かすことなど、一層の深化を進めたいと考えています。
Ⅰ-3 事業計画の策定

◇努力、工夫していること

2年後に法人組織の大幅な変更を行うことを目指しています。業務の分担、異動と新規職員採用等、経営課題の解決に向けて計画を立てて対応しています。日常的な現場職員との会話や毎月の職員ミーティングを通じて意向を集約して事業計画に反映しています。

◇課題と考えていること

法人の中・長期的な計画は常勤職員に説明されています。ホームの事業計画は中長期計画と連動し、課題を数値目標で示すなど成果の到達度が明確になる仕組みを目指しています。事業の進捗管理については四半期毎のミーティングでの確認を目指しています。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇努力、工夫していること

ホームでは内部監査を定期的に行い施設状況・支援の記録・個別支援計画・会計資料等を確認しています。監査の指摘事項に対して現場の意見を集め、改善して成果が生まれています。成果の見極めの結果、更に改善を行うことも進めています。

◇課題と考えていること

事業計画は四半期ごとに進捗状況を確認し、内部監査の指摘事項や現場職員の意見をまとめて運営に反映する仕組みへと深め、職員に対してもPDCAサイクルの考えの意識づけを進めていきたいと考えています。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇努力、工夫していること

日常の業務の引き継ぎはノート、個人記録とともに対面による連絡・報告・相談をします。毎月、3時間程かけて職員ミーティングを行い運営状況や備品整備等、仕事の意義・貢献等を伝えてモチベーションを高めています。経費削減等に成果も出て本部や外部機関から賞賛を受けています。

◇課題と考えていること

方針と取組みの関係を総合的に示せるよう、管理者の役割なども周知が必要と考えています。職員ミーティングの議事録を作成し、意見集約や決定事項の周知に活用することも課題と考えています。
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇努力、工夫していること

福祉共済に加入し、慶弔見舞金制度や有給休暇の取得や柔軟なシフト調整ができるよう職員配置をして負担軽減に努めています。また予防接種の費用負担もしています。飲み会等を企画して融和を図り、研修費用・給与補填制度、資格手当など人材確保や育成の工夫をしています。

◇課題と考えていること

法人の中長期事業計画と連動して職員一人ひとりの目標設定と振り返りに基づいた職員のキャリア形成と将来の生活のイメージを描ける人事評価制度の導入を目指しています。研修受講をより積極的にすすめていく予定です。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇努力、工夫していること

ホームページやツイッターを使い地域のバザーへの参加や第三者評価受審について公表しています。また、提供する福祉サービスや、事業計画、事業報告なども公開しています。公認会計士の指導や市の実地指導監査、さらに定期的に行っている内部監査等で運営の透明性を確保します。

◇課題と考えていること

事務や経理のルールについて、現場職員にも必要に応じて、常勤職員から分かりやすく説明して行く予定です。監査等の指摘事項に関しても共有・周知を進めたいと考えています。
Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇努力、工夫していること

ホームの方針に地域との交流・連携・啓発を掲げています。日頃の挨拶、道路掃除や雪かき、地域防災訓練への積極的な参加、地元での買い物に心がけ、行事に出店し、募集時以外の見学も積極的に受け入れるなどして、地域との相互理解とコミュニティの活性化への貢献を進めています。

◇課題と考えていること

災害時は消防団に連携を依頼していますが、地域との更なる協力体制を構築することを目指し、まずは町内会活動の手伝い等、地域貢献を進めていく予定です。

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇努力、工夫していること

「利用者の立場に立った支援」を基本姿勢としています。個人情報保護方針をホームページで公表し、契約時にプライバシーや守秘義務の説明をするほか個人情報の利用範囲の同意を得ています。利用者はホーム玄関と居室の鍵を各自が施錠管理し、職員は居室に入る際必ず許可を得ています。また毎月の利用者ミーティングを行い、その意向を運営に反映します。

◇課題と考えていること

運営規程、重要事項説明書等に職員の役割、職務、遵守すべき事項を定め「常に利用者の立場に立った支援」を行うことは説明していますが、実践の場では徹底ができていない状況もあります。今後、職員がさらに理解を深める機会を設ける予定です。
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇努力、工夫していること

ホームのパンフレットは簡潔な表現を用い、写真を活用するなどわかりやすい内容になるよう工夫しています。
支援内容の変更に際しては、利用者への必要性や影響について説明した資料を配布するなどして疑問点を確認し対応します。あんしんセンター利用や生活保護支援も利用者の同意を得て書面を残します。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇努力、工夫していること

利用者満足の把握は年3回の個別支援計画の見直しの際にモニタリングを行い支援に対する満足度を聞き取っています。また、ホーム全般の事柄に対しては毎月の利用者ミーティングで意見があった場合に検討するなどし、適宜、サービス内容を見直しています。

◇課題と考えていること

個別の満足度調査の結果、施設全体で検討が必要なことが出てきた場合は利用者ミーティングで話し合いをすることを検討しています。個別調査と利用者ミーティングの連携を強めてゆきたいと考えています。
Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇努力、工夫していること

苦情解決の仕組みを整備していますが、全職員が日々利用者との会話を心がけて信頼関係を築く努力をしています。何気ない会話を通して話しやすい環境づくりをしており、事務室や各居室を活用して意見を聞いています。相談支援の方法等は研修資料等で示しています。

◇課題と考えていること

職員に苦情解決の体制が十分周知されていない可能性があり、関係規程の周知や読み込みを実施します。個別支援計画の面談時、苦情解決の制度・相談窓口の掲示場所を説明し、定期的に周知を行うことを考えています。
Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇努力、工夫していること

事故発生時の対応や防犯マニュアルを作成し職員に周知し、防災訓練は消防署と協力し、地域の防災訓練にも参加し、災害時備蓄は地域に提供できるように積み増ししています。感染症や食中毒の対応は通常業務として事業所内の消毒を行うなど具体的・明確です。

◇課題と考えていること

事故発生時の対応や防犯マニュアルの定期的な見直しや事故防止に関する研修の実施、食中毒や感染症の嘔吐物や便の処理、火災発生時の安全な避難経路確保、緊急連絡網の迅速な更新、災害時の安否確認の徹底などを課題と考えています。
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇努力、工夫していること

一日の流れや個別の配慮事項などの基本的な業務についてまとめた「業務内容リスト」を作成し、職員に周知しています。コンプライアンスや利用者のSOSの見分け方などの研修を実施し、資料をマニュアルとして活用しています。

◇課題と考えていること

日常業務の理解において職員により差異があり、新規入職職員の戸惑いにつながっています。ホームは、職員定着のためにも、マニュアルの職員への周知徹底を図る必要があると捉えています。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇努力、工夫していること

利用者本人、身元引受人や関係機関と面談、聴取を行ない、課題を職員ミーティングで協議し、個別支援計画を作成しています。課題ごとの支援内容と利用者の役割を明確にし、利用者自身の言葉や表現を取り入れ、分かりやすい計画となるよう工夫しています。

◇課題と考えていること

個別支援計画を緊急に変更する場合の仕組みを検討していく予定です。
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇努力、工夫していること

記録の必要がある要点をまとめたマニュアルを作成するとともに、チェックポイントをコンパクトにまとめたフォーマットを作成しています。月1回職員ミーティングを実施するとともに、連絡ノートを用いて日々の業務の引継ぎや業務指示、事務連絡等の共有を図っています。

◇課題と考えていること

今後は各利用者のチェックポイントをまとめた書面を作成する必要があると考えています。
A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇努力、工夫していること

ホームは、利用者の要望を尊重することを支援の前提としていて、自己決定の際には、メリットとデメリットを説明し、適切な判断ができるように支援しています。一人暮らしがしたいなどの利用者の主体的な希望は、実現に向けて一緒に考え、スキル向上のための訓練の機会の提供、支援機関との調整等の対応をしています。毎月、利用者ミーティングを行ない、風呂の使用などのルール決めやレクリエーションの行き先等を決めています。

◇課題と考えていること

A-1-(2)権利侵害の防止等

◇努力、工夫していること

「障害者虐待防止研修」を全職員に実施し、チェックリストによる自己点検をしています。管理者は記録や利用者と職員のやり取りの様子を確認し、支援内容に権利侵害につながる要素があると判断した場合には、その都度介入し、指導しています。利用者の居室に入る際には、必ずノックや声かけをする、利用者個人宛の手紙は利用者に手渡し、了解を得ずに内容を確認しない、などの配慮をしています。

◇課題と考えていること

利用者への適切な言葉遣いや呼称を心がけていますが、徹底できるよう、職員同士で都度声かけし合う事などが必要ととらえています。利用者との距離感などに困難を感じるケースについても、対応の具体的な枠組みを作り個別支援計画に反映させるなどの対策の必要があると考えています。
A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇努力、工夫していること

入居時のアセスメント、4か月ごとのモニタリングを通して利用者の心身の状況・生活習慣を把握し、自律・自立の視点に立った個別支援計画を作成し、それに基づき支援しています。「自分で出来ることは自分でやり、出来ない部分を支援する」を原則とし、必要な場合は迅速に支援しています。職員は、毎日必ず全利用者に一度は声をかけてコミュニケーションを取り、利用者の意向を把握し、必要に応じて相談にのっています。

◇課題と考えていること

どこまで職員がサポートするかの線引きが職員により異なる場合があるので、「自分でできることは自分でやってもらう」ことについてさらなる共通認識を図るとともに、サポートが必要な利用者に対しては個別支援計画に定めて支援を統一化していくことを課題と考えています。
A-2-(2)日常的な生活支援

◇努力、工夫していること

夕食作りは、当番制で、職員と一緒に夕食作りをしています。利用者から希望メニューを募り、献立に反映させています。栄養バランスに配慮し、必要な利用者に対しては個別支援計画に基づき、食形態の配慮、栄養士の指導に沿った量の調整をしています。浴室、脱衣場は施錠することができ、利用者は時間を決めて一人ずつ入浴しています。自発的な入浴が難しい利用者に対しては声がけ等で習慣化に向けた支援をしています。

◇課題と考えていること

A-2-(3)生活環境

◇努力、工夫していること

利用者が落ち着いてそれぞれのペースで生活出来るよう、普通の住宅に近い環境設定をしています。毎日職員が共有部分の清掃を行っていて、ホーム内は清潔に保たれています。浴室や夕食後の食堂後片付け、ゴミ出し等は利用者が当番制で行っています。月に2回、居室確認を行ない安全面の確認をするとともに、整理整頓や寝具、衣類の状況等の確認をし、必要に応じて支援しています。

◇課題と考えていること

普通の住宅に近い環境設定というコンセプト・身体介護を必要としない利用者の受け入れを前提としていることから、ホーム内のバリアフリー化は進めていません。利用者の高齢化が進む中で身体機能の維持を支援計画に入れる等で、出来る限り長くホームで暮らしたいというニーズに対応したいと考えています。介護が必要になった際の受入れ先探しに対応できるよう、高齢分野の知識の習得や関係構築も進めていきたいと考えています。
A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇努力、工夫していること

利用者がホームで自立した生活を継続するための機能の維持ができるよう、生活訓練や機能訓練を個別支援計画に取り入れ実施しています。必要に応じて歯科や整形外科、神経外科、精神科等への相談に応じて医師の助言、指導を受けています。利用者の状態に応じて、計画相談事業所と連携し、介護や移動支援によるウォーキング、リハビリによる訓練などにつなげています。

◇課題と考えていること

利用者の高齢化が進む中、ホームとしては、より専門的な機能訓練が受けられる社会資源について情報収集する必要があると考えています。
A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇努力、工夫していること

毎日の声掛けと見守り、体調確認、週一回の体重測定で利用者の健康状態を把握しています。必要な利用者に対しては、血圧測定、医療機関で受ける検査結果の確認等も行っています。体調面に不安がある利用者の相談に応じ、必要に応じて医療機関の情報提供、通院同行等の支援をしています。服薬は希望や必要に応じて薬を預かり、小分けにして渡し確認しています。自己管理している利用者は、居室確認の際に服薬状況を確認しています。

◇課題と考えていること

終末期の利用者の対応については、方針・手順等を定めてなく、今後の検討課題となっています。また、高齢分野のサービスや支援方法に関する知識の習得、関係機関との連携なども今後進めていく予定です。
A-2-(6)社会参加、学習支援

◇努力、工夫していること

地域の催しなどの地域情報を廊下に掲示し、利用者に情報提供しています。スポーツジムや図書館などの社会資源の利用に際しては、移動経路の情報提供、利用開始のサポートをしています。利用者から希望があれば、移動支援の利用につなげるなどの支援もしています。レクリエーションとして地域のレストランで外食をする機会も設けていて、行き先は利用者ミーティングで決めています。

◇課題と考えていること

A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇努力、工夫していること

ホームでの生活も地域生活ととらえ、利用者の希望や状況に応じて、利用できる制度、公共施設、文化施設、交通機関等について情報提供し、必要に応じて利用に向けた支援を実施しています。一人暮らしを希望する利用者に対しては、アセスメントやモニタリング、日々の関わりの中で本人の不安や課題を把握し、個別支援計画にその対応方法を落とし込み、行政や、医療機関、福祉サービス事業所等の関係機関と連携、協力して支援しています。

◇課題と考えていること

A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇努力、工夫していること

家族等への連絡や面談への参加を依頼する場合には、事前に利用者の意向を確認しています。家族に対して個別支援計画のモニタリングへの参加を依頼するほか、必要に応じて連絡をして意見交換し、情報共有を図っています。体調不良時や急変時の家族等への報告・連絡については契約書に明記しています。利用者の状況によっては、カンファレンス時に家族への連絡のルールを決め、本人と家族から事前に同意書を取るなど工夫しています。

◇課題と考えていること

その他特記事項:第三者評価機関として今後、特に課題として取り組みを期待したい事項

評価対象 第三者評価機関からのコメント
分類 職員の定着を高めるために、新人の職員や福祉職の未経験者が通常業務を一人でこなせるよう、育成・相談にあたる職員の指導内容の平準化が期待されます。
職員の離職防止を課題として掲げています。ホームとしては職員間のマッチング不足や、利用者対応の悩みなどが離職の動機と分析しています。今年度から毎月、職員ミーティングを開催して職員間の意思疎通の円滑化を進めています。管理者は職員間の融和に配慮し、日ごろの声かけなど相談しやすい環境づくりを進めています。マニュアルの周知徹底も課題ととらえています。
利用者調査の結果
①ヒアリング調査(本人) 利用者はスタッフの接遇に「やさしさ」や「礼儀正しさ」を感じています。言葉や態度、居室チェックなどの対応に満足している様子が言葉だけでなく表情・仕草からも伺えました。ホームの暮らしについては特に夕食についてリクエスト食なども含めた評価が高く、スタッフが付き添って遠出したり、自由に外出ができている様子も分かりました。             
自立支援計画の目標については全員が職員との話し合いで決めていると回答しています。金銭管理については本人が管理しているとの回答が多く、スタッフに預けている人も満足しています。嫌なことや困ったことがあってもスタッフが丁寧に対応し、入退院や見舞い時の対応に感謝の声が出ています。また、役所や他施設、医師などに相談できるとの回答も多かったですが、苦情解決制度については全員が知らないと回答しています。
評価後(評価結果を受け取った後)のグループホーム「コメント」
第三者評価のご対応ありがとうございました。
率直に申し上げますと、至極大変な仕事でした。評価項目の背後にある「あるべき支援」の想定と、自法人・自事業所の方針・支援内容・業務内容を一つ一つ突き合わせ、「これは取り入れた方がいいかもしれない」「これは自分たちの考え方には合致しない」ということを検討していくと、時間がいくらあっても足りません。法令や規則の遵守を除けば、確たる答えのない世界であるため、何を自分たちにとっての「正解」とするかを考えていくのは困難な作業でした。
ですが、やり通せたことで、自分たちが大切にしていることを振り返り、そのうえで今後向かうべき方向性について考えを固めることができました。大きな収穫だったと考えております。
評価機関の皆様にも最後までお付き合いいただき、感謝しております。重ねてお礼申し上げます。