社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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パステルパレット

2020年03月16日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 パステルパレット 評価対象サービス 障害者・児福祉サービス版
対象分野 生活介護 定員 20 名
所在地 252-0226
神奈川県相模原市中央区陽光台7-10-14
TEL 042-777-7327 ホームページ http://www.tomoni.or.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2006年10月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
職員数
常勤職員:10名 名
非常勤職員:20名 名
専門職員
介護福祉士:3 名
社会福祉士:1 名
看護師:5 名
精神保健福祉士:1 名
施設・設備の概要
居室数:6室
設備等:エレベーター1、入浴リフト3

③ 理念・基本方針
○理念
1.障がい児・者、高齢者のノーマライゼーションの実現から「ソーシャル・インクルージョン」(共生社会)を目指します。
2.社会・福祉・介護ニーズに応えるべく先駆的で開拓的な事業を目指します。

○基本方針
1.人権の尊重とサービスの質の向上を図ります。
2.インフォームドコンセント及びエンパワーメントを大切にした利用者さん主体の支援を行います。
3.地域との共生をめざします。
4.ニーズの多様化・複雑化に対応していきます。
5.社会亭ルールの遵守(コンプライアンス)の徹底を図ります。
6.説明責任(アカウンタビリティー)の徹底を図ります。
7、人材確保・育成のための研修体制の充実と、適切な人事・労務管理を実践します。
8.柔軟で行動力のある組織統治(ガバナンス)の確立をめざします。
9.財務基盤の安定化に努めます。
10.国際化への対応に取り組みます。
11.社会貢献活動に積極的に取り組みます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
〇機能訓練
 柔道整復師による専門的視点による機能訓練・施術・カウンセリングを実施。
 また、今年度からリラクゼーションスペースを設置。重症心身障害児者を主に、車椅子から降りてゆっくりリラックスできる空間を配備しました。その他、ボッチャ・キャッチボールなど楽しみながら身体を動かす場面を設定しています。

〇PC作業グループ
 名刺・パンフレット・写真の現像・年賀状作成・ホームページ作成等々、パソコンを使用したさまざまな作業を展開しています。利用者は「仕事」として向きあっています。

〇看護師配置
 地域生活の具現化及び継続を踏まえ、医療の担保は必須条件。今後更にニーズの高まる医療的処置・行為を必要な方々に安心して利用してもらえるように一日平均3名の看護師を配置しています。

〇社会貢献・地域貢献の活動
 ・光が丘地区買い物支援「お太助カー」運行事業への送迎車貸出
 ・自治会盆踊り大会への出店協力  
 ・職場体験及び近隣学生ボランティアの受け入れ
 ・夢の貯金箱自販機の設置  

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/03/30(契約日) ~2020/03/03(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(平成28年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)入浴と機能訓練を日課の2本柱としています
 入浴は希望者への支援となりますが、機能訓練とともに日課の2本柱とし、銭湯のような楽しいひとときになるよう工夫しています。機械浴でなく利用者個々の障害程度に合わせた支援を行うため、個別支援計画に必ず盛り込んで、具体的な支援方法を記しています。全介助用浴室・一部介助用浴室を用意し、全介助用浴室は脱衣場にリフトを2本設置して浴室に移動し、浴槽には水着姿の職員が抱きかかえる形で入っています。


2)柔道整復師による機能訓練の充実を図っています
 機能訓練を個別支援計画に位置づけ、常勤の柔道整復師が波動式マッサージや関節可動域の運動によって、利用者の血行不良やむくみを改善しています。装具を付けた歩行訓練も行い、以前に比べ歩行が安定するなどの成果も見られています。
 機能訓練室は、芳香をミスト状に拡散するディフューザーを置いています。車いすから降りて体を伸ばせるリラックススペースも設け、各自が毎日数十分利用しています。軽い眠りに就く利用者もいます。


3)基準数を超えた看護師の配置をしています
 基準数を超えた一日平均3名の看護師を配置することで、発作症状をはじめ、胃ろう・痰の吸引・酸素吸入・褥瘡などの医療的支援に対応しています。
 看護師は重度心身障害者支援、摂食障害、感染症などの研修に積極的に参加しています。偏見を持たれがちな疾患を抱えた利用者がサービスを利用した時は、人権侵害にならないよう、医療面での留意事項も含めて勉強会を開き、全職員に正しい態度と支援の仕方を周知しています。
改善を求められる点 1)標準的な実施方法の整備が必要です
 標準的な実施方法は、入浴介助マニュアルなど提供する福祉サービスの一部分のみ文書化されている状況で、整備が不十分な状況です。今年度に入って他のサービス内容についても標準的な実施方法の作成を進めていますので、全項目についてマニュアルなど標準的な実施方法を完成することが期待されます。


2)家族や利用者への事業計画の周知が必要です
 事業計画は利用者・家族で希望する人には配布していますが、全員には周知していません。事業所の壁に掲示するに留まっています。家族会や利用者会が存在していないので、全員へ説明する機会の確保も難しい状況です。今後は家族会などを開催し、家族に事業計画について説明し、全員に文書などで周知し、利用者にも分かりやすく説明することが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
・パステルパレットとして必要な備品・物品、整備すべき書類・人員等を含め第三者評価を受けることで再確認・認識する事ができました。今回の指摘事項を踏まえ早急に対応致します。

・第三者評価を実施する事で、事業所の方針やサービス内容について、普段は言い辛かった事や、「本当は・・・」と感じていた事など、利用者さんのご意見・ご要望を伺えました。今後の事業展開・サービスの質向上に向けて役立てます。

・事業所の課題としては、個別支援計画立案後のPDCAサイクルの実施に際して、取り組むべき課題の抽出・確認できました。職員全体で改善策を講じます。

・今後、上記にある事業所の課題を明確に提示・共有する事で、より質の高いサービスの提供・実践につなげていきます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

 法人の理念と基本方針は明文化され、事業所の廊下の壁や事務所内など利用者や職員が見やすいところに掲示してあります。職員の入職時に理念・基本方針などが掲載された職員ハンドブックを配布し、説明をしています。
 法人ホームページには理念。基本方針を掲載しています。また、事業計画作成時に理念・基本方針の振り返りを行い、さまざまな研修の機会でも理念の具現化に努めています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

 毎月1回開催する法人の所長会議で理事長から社会福祉事業全体の動向についての情報の説明があります。毎月松ヶ丘園で開催される「相模原市障がい福祉事業所協会」の会議に参加し、相模原市障がい福祉施策等に関する要望書を相模原市へ提出しています。また、事業所の持つ特性と利用者のニーズを収集し、地域に根付いた経営を意識しています。
 毎月試算表で事業所の収支を分析し、利用率の目標や実績、達成度の状況把握を行っています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

 経営状況・組織体制・職員体制などの問題点の抽出や改善策を常に講じています。法人の所長会議で、各事業所の経営状況を書面にし配布し、内容検討を行っています。
 職員会議で所長会議の報告や経営状況などを職員へ周知していますが、職員会議が定期的に行われていません。事務所に毎日・毎月の利用実績、目標、達成度を掲示し、職員間で共有して目標達成に努めています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

 中、長期計画は法人が5年ごとに作成しています。法人の現状分析を強み、弱み、機会、脅威で行い、課題を抽出しています。
 法人の理念や基本方針を実現するための3つにビジョンを描いています。また、ビジョンを実現するための戦略目標を具体的に立てています。事業所はビジョンや戦略目標を反映した事業計画を策定しています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

 単年度の計画(事業計画)は事業所の所長と副主任が主になって策定しています。中・長期計画のビジョンや戦略目標の内容を反映し、事業基本方針を定めています。
 今年度の重点課題では4項目の実施可能な目標を掲げています。「今年度から車いすから降りてリラックスできるリラックススペースに職員を配置する」など実施状況の評価ができるような目標設定になっています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

 事業計画は非常勤職員を含め、さまざまな職員・職種からの意見を聞き、集約し所長と副主任で策定しています。事業計画は上期(9月)と下期(3月)に各現場の職員からの意見を聞き、評価を行い、事業報告書を策定しています。
 事業計画、事業報告書は全職員へ回覧し、職員間で内容を共有しています。ファイして、書棚に保管して職員が何時でも確認できるようになっています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

 事業計画は利用者・家族で希望する人には配布していますが、全員には配布していません。事業所の壁に掲示するにとどまっています。
 家族会や利用者会が存在していないので、全員へ説明する機会もありません。掲示については利用者に説明し、外出プログラムについての意見やニーズについては個別にヒヤリングした内容を事業計画に反映しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

 サービスの質の維持向上に向け、各担当者による個別支援会議、看護師会議、非常勤会議などのや打ち合わせで検討しています。入浴介助では目標値に対してチェックシートを作成し、チェックすることで、評価を行い、評価結果を分析しています。
 機能訓練も柔道整復師によるアプローチの結果歩行が安定するなどの成果を評価し、次の課題を検討していますが、組織的に評価を行う体制は整備されていません。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

 第三者評価を定期的に受審し、評価結果や改善策について職員会議にて検討しています。また評価結果を掲示し、利用者へも周知しています。毎年4月に市のセルフチェックを実施し、サービスの振り返りをしています。
 事業所としての課題も明確にし、高次脳機能についての研修についてや利用者の地域移行の必要性を検討しています。各業務担当会議を実施し、サービスの質について検討していますが、職員全体会議などでの共有化は図られていません。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

 管理者は所長会議後の研修や運営に関する宿泊研修などに参加し、事業所の経営や管理に関する意識を高め、各種職員会議で方針を明確にしています。
 法人の職務権限規程に所長の職務権限について記載されています。また危機管理対策本部要綱の職務代行について所長不在時の代行に関する規定があります。所長の役割と責任については事業所内に掲示しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 管理者はコンプライアンスや人権に関する研修に参加し、理解をしています。法人の倫理行動綱領や倫理行動マニュアルに基本的姿勢や利用者との関係、法人・施設との関係、社会とのかかわり、家族とのかかわりなどが詳しく記載されていますので、職員の行動規範にしています。虐待防止に関するDVDを用いて入職時(4月)に事業所で研修を実施しています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 管理者は各会議にてサービスの質について検討しています。ドライバー会議では管理者が法人本部の安全管理者委員長ということもあり、送迎管理業務の向上に向けて指導しています。
 看護師会議では看護師業務について報告を受け、感染症対策や医療的ケアなどの課題を検討しています。個別ケア会議では利用者の意向や職員の意見を聞き、個別支援計画のサービスについての目標や課題を話し合うなど各会議で指導力を発揮しています。職員研修に積極的に参加させ、資質向上に努めています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 事務室に毎日の利用者数や月毎の目標数、達成状況を掲示し、職員の理解を深め、対策について話合っています。毎月試算表で事業収入、活動支出、人件費、資金収支などを記載し、分析を行っています。
 送迎車のリース条件の検討や無駄のない送迎コースを業務担当者と話し合ったり、看護師からの必要物品も安いものにするなど経費節減に努めています。法人本部主催の管理者向け、面接研修や経営アドバイス、試算表の読み込み等の研修を実施しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 常勤職員の採用は法人本部人事部が行っています。非常勤職員の求人広告は本部で行いますが、採用の面接は事業所で行い、エリアマネジャーが採用の決定をしています。
 職員の知り合いの中から紹介での採用を取り入れています。看護師や柔道整復師など運営に必要な専門職は計画的に採用しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

 チェックシートを用いて計画・実践・面談を通じて期待する職員像などを示しています。人事規定キャリアパスや異動、昇進、昇給などの人事基準が明示されています。規定集のファイルがあり、職員はいつでも見られるようになっています。
 毎年10月に職員の意向調査を実施し、異動、退職、希望勤務場所などの意向を聞き検討しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

 年1回10月に職員の意向調査を実施しています。パソコンに社員番号を入力し、異動や退職、希望勤務場所などの質問に答えます。結果は本部で集約・分析をし、事業へ送られてきます。所長に知らせてもよいと本人が同意したものだけが送られてきますが、全員が同意していたので、すべての結果を所長が知ることが出来ました。
 面談希望者には所長が個別に面談し意向を聞いています。有給は本人の希望を聞いて取得できるようにしています。入職間もない職員へは声掛けをしたり、面談を多くするなどの配慮をしています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 法人規定のチェックシートを用いて、職員階級ごとに成績や行動、能力などの具体的目標を立て、達成のための具体的方法を記載し、それを基に上司の面談を行っています。目標達成度の確認のため、中間面談(9月)と年度末(3月)に上司と面談を行い、本人と上司で目標達成度の確認を行い記録しています。結果は法人本部に提出し人材育成に活かしています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 法人本部で毎年研修計画を作成し、階層別研修や専門分野別研修を行っています。階層別研修では役職による研修や入職1年目から7年目までの研修があります。該当する職員は必ず受けるように計画されています。
 外部研修として、相模原市松ヶ丘園での市主催の研修に定期的に参加しています。事業所では警察官による交通安全講習会など開催しています。その他の研修情報も提供し、研修への自主参加も促しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

 該当する研修には常勤職員の他に非常勤職員も参加できるように勤務調整し、研修機会を確保しています。資格取得の条件を満たしている職員へは、取得に向けての協力をしています。
 研修受講者はパソコンで研修報告書を作成し、資料を回覧するなど内容を他の職員と共有しています。職員一人ひとりの研修内容は、ポートフォリオ(書類入れ)で管理しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

 実習生は毎年多く受け入れています。高等学校福祉科の介護実習生や教員資格を取るための大学生の介護体験、中学生の社会体験、小・中学校の教師の実習、介護福祉士の現場実習などの受け入れを行っています。
 実習受け入れ時は事前オリエンテーションを実施し、実習評価や指導、先生と管理者の話し合いなど教育や育成を行っていますが、専門職の特性を配慮したプログラムは作成されていません。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

 法人のホームページには、理念や基本法人、概要、予算書、決算書などの情報を公開しています。パステルパレットのホームページでは活動内容や事業内容を掲載しています。
 地域の高齢者などの買い物困難者ヘは、車で送り迎えを支援している情報も提供しています。また、「みんなの声」ボックスに入っている意見は、書面にして玄関横の壁に張り出し利用者や家族にも知らせています。第三者評価や苦情、相談などの改善や対応の状況は公表していません。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 職務権限規程の中に職員の階級別の職務権限と職務に関する細則が明記されています。規定集のファイルに綴じてあり、職員はいつでも見られるようになっています。年1回本部の事務局長の他、2~3人で内部監査を定期的に実施し、経理関係や労務、法令遵守事項などを監査し口頭や書面で指導があります。
 監査結果の指導に基づき、改善を行っています。また、毎月2名のオンブズマンが来所し、希望する利用者は設定された場所で話を聞いてもらっています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 10月に通所介護事業所「ほっぷ」と合同で「ほっぱれ秋まつり」を開催しました。3地区の自治会の案内で回覧してもらい、100名程度の参加者がありました。さんまを焼いて配ったり、法人の近隣事業所から餃子や焼き鳥などが提供され、焼きそばやから揚げなどの模擬店もあり、中学生のブラスバンドや北里大学学生のジャグリング披露などの催し物があり、近隣の人たちとの交流の機会となっています。
 近隣自治会と地区社協と連携して「お助けカー」(8人乗りワゴン車)を提供配備し、地域貢献をしています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

 ボランティアの受け入れに関する受け入れ態勢について明文化し、事業所内に掲示してあります。ボランティアは「ほっぱれまつり」に近隣の吹奏楽部の演奏や大学生の「ジャグリング」披露などイベントに参加してもらっています。また、外出の選択プログラムの付き添いや買い物ボランティアにも来てもらっています。ボランティア受け入れ時には、登録をしてもらい活動内容の説明をしています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

 相模原市福祉のしおりを常備し、必要時活用できるようにしています。各地区のケースワーカーや相談事業所などの情報を事業所内に掲示し、必要に応じて利用者の相談にのっています。相模原市のオンブズマン協力員会議や重心ネットワーク会議などに定期的に参加し、情報交換や連携を図っています。担当のワーカーには来所してもらったり、電話などで情報交換や課題の抽出など連携を取りながら実施しています。
 自治会にも加入し、会合にも参加して地域の情報を把握しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 障がい者施設協会・重心ネットワーク会議に定期的に参加し、地域のネットワークからニーズや課題を抽出しています。オンブズマン協力員会議にも参加し、生活課題などを把握しています。
 自治会に加入し会合に参加し、地域の行事などの情報を把握しています。自治会の盆踊り大会へ出店協力をし、地域住民と交流を図っています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

 光が丘買い物支援「お助けカー」に事業所の8人乗りのワゴン車を貸し出しています。「お助けカー」は自治会と社協と連携し、火・水・木曜日の事業所が車を使用しない時間帯(10:30~15:00)に貸し出し、買い物困難者に自宅まで送り迎えをし、近隣のスーパーなどで買い物支援を行っています。
 地域の盆踊り大会に出店協力し、職員がチヂミを作りました。相模原市の献血カーが廻ってきた時に職員、利用者が献血をして貢献しています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 基本方針の最初の項目に「人権の尊重」を掲げています。「職員倫理行動要領」「倫理行動マニュアル」等が載った「職員ハンドブック」を非常勤職員も含めた全職員に入職時に配付して研修を実施し、倫理行動マニュアルは事務室にも掲示しています。また、運営委員会が開催している「人権報告会」に毎年出席しています。
 毎日の終礼ミーティングで、利用者を尊重した支援ができていたかどうか振り返っていますが、利用者の尊重や基本的人権への配慮等について定期的に評価を行うまでには至っていません。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

 プライバシー保護に関するマニュアルを整備し、それに基づく支援を行っています。同性介助を徹底し、重要事項説明書にも明記しています。トイレ内にカーテンを設置し、利用者が座位保持が可能な場合は、職員はカーテン越しに利用者を見守っています。
 胃ろうや痰吸引などの医療的支援、排泄介助に関しては、別室で行えるようになっています。利用者間の人間関係に配慮した日中活動場所の空間分けを行っています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

 利用希望者に対しては、随時の説明と見学、体験利用を行っています。利用者が自ら作成に携わっているリーフレットは、写真やイラストを多用し、現状に合わせて適宜改訂しています。
 事業所の資料は関係機関には廃止していますが、多くの人が入手できる公共施設には設置はありません。現在不特定多数の人が情報を得る手段は、インターネットのみとなっています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

 福祉サービスの開始・変更にあたっては、重要事項説明書を使って説明し、同意の署名と押印をもらっています。関連する法律の改正や加算の見直しなどがあった場合も同様に書面と口頭で説明して同意を得ています。
 説明に当たっては、生活相談員が利用者の家族はもとより、周囲の支援者と連携して利用予定者に理解してもらっています。特別支援学校に通っている生徒が卒業後利用する場合は、教員と密接に連絡をとっています。
 

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

 事業所から車で数分のところに同法人の計画相談支援事業所があり、相談支援専門員や利用者の家族と連携しながら福祉施設・事業所の変更を検討しています。また、通所介護事業所を併設し、介護保険に移行した利用者の要望に応えています。
 現状、移行にあたり記録は残していますが、手順と引継ぎ文書の様式は定めていません。また、相談内容を記載した文書は利用者等から求められたときだけ渡す形をとっています。現在利用者の高齢化が進んできており、手続きや報告について定める必要があると事業所では考えています。
 

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 利用者満足に関する調査は昨年度は食事のみでしたが、今年度はサービス全般にわたって調査を行います。アンケートやヒアリングで調査し、特に選択プログラムについてはそれらの意見に基づく反省会を行って、改善につなげています。また、毎月一回オンブズマンが来所し、個別相談の予約がなかったときも、利用者に満足を含めた聞き取りを行っています。
 利用者会や家族会は設置していません。また、検討会議に利用者は参加していません。会合や会議の中で利用者が自由に意見が述べられる機会を設けていくことが期待されます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

 苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員を設置し、重要事項説明書に記すとともに、玄関に掲示しています。契約書には苦情解決の流れを記しています。苦情があった場合は「苦情受け付けのご通知」「苦情解決記録用紙」等に記録し保管しています。
 玄関に「みんなの声ボックス」を設置して、苦情や要望を投稿できるようにしており、設備やサービス内容等についてのさまざまな苦情や意見が寄せられています。苦情は、個人攻撃に相当するものでなければ、「内容」と「事務所の対応・回答」を表にして一定期間玄関に掲示しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

 オンブズマンが月一回来所し、事前に利用者に掲示と口頭で告知して相談の予約を受け付けています。来所の曜日を適宜変更し、決まった曜日だけ来所している利用者の、ニーズに応えています。 
 オンブズマンの存在は周知されていますが、第三者委員等複数の相談窓口があることについては、掲示と重要事項説明書により案内していますが、十分に周知されていないと事業所では考えています。今後、もっと大きくわかりやすい掲示にしていく予定です。相談については、相談室を各階に設置して対応しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

 利用者がいつでも相談ができるよう相談室を設置しています。また、職員から話しかけて利用者や家族の意見や要望を聞いています。館内に「みんなの声ボックス」を設置しています。これらの意見や要望は毎日終礼で情報共有し、改善案を検討して対応しています。
 苦情マニュアルは整備してありますが、相談や意見を受けた際のマニュアルは特に定めていません。苦情なのか要望なのか判然としない訴えもあり、適宜苦情に準じて対応しています。実際の対応方法を、現在作成中である標準的な実施方法に盛り込むことが期待されます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

 事故発生マニュアルを策定しています。活動日誌の中にヒヤリハット・インシデントに関する項目があり、入力内容を終礼で情報共有した後、申し送りシートに数か月残しています。また、法人本部のヒヤリハット/インシデント分析管理委員会に報告し、同委員会主催の研修に参加しています。
 送迎時の安全運転を重視し、安全運転管理者がドライバー会議を行っています。事務室に「3大事故発生場面」「安全運転10則」「安全運転〇日間継続中」を掲示し、無事故への意識を高めています。ドライブレコーダーの確認も行っています。

 

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 感染症対策については、看護師を中心に進め、嘔吐処理、熱中症、インフルエンザの勉強会を事業所内で開催しています。インフルエンザの流行時期には手指消毒とマスク着用を徹底しています。感染予防マニュアル、ノロウィルス対策マニュアルを配備し、嘔吐処理の対応キットを備えています。
 これまで職員が対応したことがない感染症の利用者がいたときは、看護師が対応書を回覧して情報共有しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

 法人本部の危機管理対策室に災害時の対応マニュアルがあり、台風、地震などの災害に対しては、運営法人の危機管理対策室による情報提供と指示で対処しています。出勤については、安否確認システムで全職員の状況を確認し、出勤できないことが事前に分かった場合は利用者に連絡してサービスの提供を中止しています。
 災害備蓄品は3日分用意しています。防災計画を策定し、防災訓練を火災想定で6月と12月、地震想定で8月と3月に行っています。自治会の消防団と連携しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

 標準的な実施方法は、入浴介助マニュアルなど提供する福祉サービスの一部分のみ文書化されている状況なので、今年度に入って他のサービス内容についても標準的な実施方法の作成を進めています。項目ごとの個別支援方法は一覧表になっています。
 入職者は一週間の実務研修の後、先輩職員とともに支援に当たり、個別記録を読み込んで理解を深めています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

 現在運用されている一部の標準的な実施方法については、個別支援計画の内容を反映した見直しを行っています。また、利用者などからの意見や要望も反映させて改訂を行っています。現在進められている他のサービス内容についても、標準的な実施方法が整備された時に、見直しの時期や方法も決めて検証を行っていくことが期待されます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

 サービス管理責任者でもある所長が個別支援計画策定の責任者として全体の統括を行っています。計画にはニーズを記す欄を3か所設け、それに対する具体的なサービス内容・頻度の記載欄を広くとって詳述しています。単なるニーズの充足ではなく、日常生活に少しでも潤いが持てるような計画内容にしています。計画策定には柔道整復師・看護師も専門的な見地から関わっています。
 個々の利用者の日常の記録は詳しく残していますが、その内容が個別支援計画書に直接反映できるようになっていません。来年度に向けて現在改訂中です。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

 個別支援計画の見直しに当たっては、利用者及びその家族と一緒に検討し、各ニーズについて実施状況や達成度、利用者満足度を5段階で評価したうえで計画を変更すべきかどうか決定しています。 
 変更の事態が緊急に生じた場合はすぐに対応していますが、計画書まで落とし込んでいません。また、個々の計画書には福祉サービスの質の向上に関わる課題等が記されていますが、その抽出を簡単に行うことができません。現在、個別支援計画書の書式の変更作業を進めているので、今後変更の仕組みが整うことが期待されます。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

 サービスの実施状況及び利用者の状況は活動室でシステムに入力し、出力してファイルしています。リアルタイムの入力により記入漏れが軽減しています。この記録はデータを並び替えると個別記録にもなります。
 配慮すべき事柄については「申し送りシート」に転記し、日々の支援に活かしています。看護師や調理担当者など専門職の会議の議事内容は、毎月開いているケアセンター会議で共有しています。個別記録はコンピュータ内には記録されていますが、紙媒体では保存しておらず、事業所では今後の課題ととらえています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

管理責任者を所長に定め、個人情報保護マニュアルに従って、記録の保管や廃棄等を実施しています。重要事項説明書に「利用者の記録及び情報の管理等」について記し、サービスの開始時に利用者とその家族に個人情報の記録と管理に関する説明を行って、「個人情報使用同意書」に署名捺印してもらっています。
 個人情報に関する書類は鍵のかかる部屋の中のロッカーに保管しています。入職者に対しては、入職者研修で職員ハンドブックを使って説明し、さらに先輩職員からの指導も行っています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

活動プログラム内容の決定や、選択プログラムのコース選択など、すべて自己決定により実施しています。選択プログラムには、「どれかを選択する」だけでなく、選択しない自由もあります。急性期、慢性期など症状の経過時期によって利用者の気持ちに浮き沈みがあるなど、通常の支援が本人のニーズにつながらないこともあることも理解して、利用者の自己決定を尊重しています。
 主体的な活動を応援するため、情報を提供したり、現在の環境でできることを増やしています。衣服や嗜好品などの購入には外出先を工夫することで利用者の希望を満たせるようにしています。
 しかし、利用者のニーズは、他の利用者や職員など事業所内の人間関係と無縁ではありません。ニーズによっては、他の事業所のほうが合っていることもあり、利用者全員への合理的配慮の具体化については、今後の課題ととらえています。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

 「身体拘束排除」の方針を掲げ、事務室に倫理行動マニュアルを掲示しています。同性介助を徹底し、利用者にも周知しています。入職に当たっては一週間実務を経験し、利用者の権利を侵害しない生活介護について具体的に理解します。そして入職者研修では人権や権利侵害に関するDVDを視聴し、行動指針・身体拘束・虐待防止について悪い例を考察した後に良い例を学んでいます。
 無意識に相手を傷つける言動がないか職員間でチェックし、会議では「利用者への言葉遣い」「利用者との適切な距離」を取り上げて検討しています。
 職員全員が持っている「職員ハンドブック」には権利擁護マニュアルがあり、虐待の届け出等の手順が載っています。権利侵害が発生した場合は、運営法人全体で情報を共有しています。運営法人の人権委員会は毎年人権報告会を開催して、再発防止についての継続的な取り組みを行っています。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者の本当に望んでいることから支援内容を組み立て、個別支援計画の長期目標・短期目標を立てています。個々の残存能力を生かした食事形態や、排泄介助方法を決め、できるだけ直接介助せずに、付き添って見守るようにしています。
 希望者には、パソコン作業など社会的活動の場を提供しており、利用者の能力と経験に応じてデータ入力、パンフレットデザイン、地図作成、ホームページ作成など多種多様な仕事を法人内外から請け負っています。元システムエンジニアの指導の下に、未経験者でもやる気があれば作業できるようになっており、この作業を希望して遠くから通っている利用者もいます。
 ガイドヘルパーに頼らず、職員が近所への買い物に同行して、生活の自己管理の支援も行っています。ケースワーカーやケアマネージャーと連携し、要介護認定の区分変更申請や、生活保護申請など行政手続き、生活関連サービス等の利用を支援しています。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

 利用開始時のアセスメントで、これまでの意思疎通の方法を把握し、フェイスシートで情報共有しています。意思表示能力・理解力が利用者によってかなり違っているので、一律的なやり方ではなく、それぞれの利用者に合った方法で利用者とコミュニケーションをとっています。具体的には、文字盤を利用したり、表情・瞬きなどから意思や希望を把握したりしています。意思の把握が難しい場合には、家族や支援者など利用者とかかわりの深い人の協力も得て理解に努めています。
 タブレット型コンピュータなどのコミュニケーション機器はまだ導入していませんが、将来に向けて利用を検討しています。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

 利用者が職員に話したいことを話せるよう、いつでも使用できる相談室を設けています。職員は利用者と向き合い、コミュニケーションを積極的にとっています。必要な情報はわかりやすい形で提供し、利用者の意思決定を助けています。
 サービス管理責任者と関係職員による個別支援会議を年度末以外にも適宜開催して相談内容の検討を行っています。しかし、検討結果をそのまま個別支援計画に反映させることは往々にして本人や家族の反発を招いてしまっています。だれもが納得できる形で個別支援計画を更新することを今後の課題として、工夫を重ねています。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画に基づいてプログラムを計画・実施し、随時検討を行っています。利用者は希望に基づき「日中活動グループ」と「作業グループ」とに分かれて活動しています。
 「作業グループ」はパソコン作業を通して社会参加と機能の再獲得を目指しており、決められたスケジュールに従って実際の仕事を行っています。
 「日中活動グループ」は読書、オセロなどのゲーム、インターネットによる情報検索などを各自で行い、天気のいい日には近隣を散歩したりコンビニに出かけたりしています。ボランティア講師による絵手紙と書道の創作活動も毎月あります。月に一度は少し遠くまで買い物に出かける機会があり、このほかに毎月パーティーや果物狩り、お祭りなどの「選択プログラム」を設けています。利用者は4か月に1回、好きな「選択プログラム」に参加できます。
 運営法人、行政や地域の団体のイベントに関する情報は玄関に掲示しています。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

 重度心身障害者も含む精神障害・知的障害との重複障害者、中途障害者を受け入れ、それぞれの行動や生活の状況に応じた支援を行っています。常勤職員である柔道整復師が専門的視点による機能訓練・施術・カウンセリングを行い、個々の利用者の痛みを緩和して、楽しい生活場面が提供できるようにしています。
 利用者間の関係調整も含め、個別対応の必要な利用者に対しては、日中活動や生活支援の時間・場所・内容について随時検討を重ね、支援内容の見直しを実施しています。職員数の問題などから、個別的対応が十分とは言えない時期がありましたが、現在は職員が確保できており、状況の改善が見込まれます。相談支援専門員への情報提供や、家族との連携も綿密にして助言を得ています。
 中途障害に関する専門知識の向上を図るため、近年職員全員を対象にした専門科医による高次脳機能障害の研修が計画されています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 アセスメントに基づき、食事・入浴・排せつ等個別の日常生活支援内容を決定し、実施しています。
 入浴は希望者への支援となりますが、機能訓練とともに日課の2本柱とし、銭湯のような楽しいひとときになるよう工夫しています。機械浴でなく利用者個々の障害程度に合わせた支援を行うので、個別支援計画に必ず盛り込んで、具体的な支援方法を記しています。全介助用浴室・一部介助用浴室を用意し、全介助用浴室は脱衣場にリフトを2本設置して浴室に移動し、浴槽には水着姿の職員が抱きかかえる形で入っています。
 食事は、量やきざみ食・極きざみ食・ミキサー食などの食形態を個々の利用者に合わせて提供しています。また、食材やメニューや食べやすさなどについて利用者からヒアリングを行っています。月一回、厨房会議を開いてヒアリングの結果などを検討しています。
 送迎においては、車いすのまま乗れるリフト付きの車両で行っています。
 

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

事業所内はバリアフリーを徹底しています。浴槽は気持ちよくお湯につかれる深さで、階段と手すりがついており、安全性に配慮しています。日中活動の部屋は、若い利用者もいるため照明やインテリアで明るい雰囲気になっています。隣接した通所介護事業所は高齢者向けの落ち着いた雰囲気になっており、希望者は気分に応じて食事や入浴以外はそこに移って過ごすこともあります。
 機能訓練室は、芳香をミスト状に拡散するディフューザーを置いており、気持ちをリラックスさせる香りが立ち込めています。癒しの音楽や風船バレーなど、他の五感に訴える取り組みも検討中です。奥には、低反発マットレスを台の上に敷いたスペースを設置し、車いすから降りて体を伸ばせるようになっています。このスペースは一度に数名が利用でき、各自が毎日食後や入浴後などに30~45分程度利用しています。緊張が和らぎ、軽い眠りに就く利用者もいます。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

 機能訓練を個別支援計画に位置づけ、柔道整復師・看護師・支援員間で支援内容を共有し随時見直しを実施しています。生活動作の中にリハビリを位置づけ、利用者ができることについては、なるべく介護支援をしないようにしています。
 常勤の柔道整復師が機能訓練室に常駐し、筋緊張や拘縮のある利用者の状況に応じて施術を行っています。血行不良やむくみを改善するために、波動式マッサージや関節可動域の運動を行い、遠赤外線によるホットパックも実施しています。マッサージは車いすのまま受けることもあれば、マットに横になる場合もあります。マットには体位保持用のクッションを備えています。
 装具を付けた歩行訓練も行い、以前に比べ歩行が安定するなどの成果も見られています。希望に応じ、健側のトレーニングとしてダンベルも使用しています。楽しみながら身体を動かす機会も重視し、パラリンピックの正式競技であるボッチャを取り入れています。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

 毎日来所時にバイタルサインチェック及び健康状態の問診を行っています。看護師を常勤1名、非常勤4名配置し、午前だけの看護師も配置してすみやかにチェックを行っています。送迎車に乗り込んで対応している看護師もいます。
 また入浴・排泄時に身体状態のチェックを行い、必要に応じて看護師による褥瘡のガーゼ交換などを行っています。胃ろうや痰の吸引などは日中活動の場所で行わずに済むよう、別室で行っています。
 健康相談や健康面での説明の機会は家族や本人の要望に応じて随時行っています。運営法人内の医師が一か月に一回往診を行い、困りごとの相談にも乗っています。
 利用者の体調変化については、サービス開始時に家族から提出された利用者の体調不良時または急変時の対応書に基づいています。また、近隣の内科の協力病院も必要に応じ利用しています。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:a】

 医療的支援は所長が看護師に任命して実施しています。基準数をはるかに超えた一日平均3名の看護師を配置することで、発作症状をはじめ、胃ろう・痰の吸引・酸素吸入・褥瘡などの医療的支援に対応しています。個々の利用者の支援内容については、サービス利用開始時に医師、家族から医療処置の引継ぎを行って把握し、その後も連携を続けていく中で適宜変更しています。中途障害の利用者については、退院時のサマリー(医療介護情報提供書)をもとにして支援をしています。支援の実施内容は記録に残しています。
 塗り薬の塗布については、看護師の指示のもとに職員が行っています。
 看護師は重度心身障害者支援、摂食障害、感染症などの研修に積極的に参加しています。偏見を持たれがちな疾患を抱えた利用者がサービスを利用した時は、人権侵害にならないよう、医療面での留意事項も含めて勉強会を開き、全職員に正しい態度と支援の仕方を周知しました。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

 日中活動プログラムの買い物や近所への散歩、選択プログラムなどに利用者の希望と意向を尊重しています。また、地域のイベントのお知らせを掲示し、社会参加に関する情報提供を行っています。選択プログラムでは4つのプログラムの中から1つ選択することができますが、利用者のニーズがさまざまであるため、多少の妥協を利用者に求めざるを得ないのが現状です。全員のニーズを満たすためにはどのような活動計画が望ましいか、常に検討を重ねています。
 就労に結び付けられるよう、希望者は日中活動でパソコン作業を選択することができ、実際の仕事に携わりながら「社会参加」と「社会復帰」を目指しています。スキルを高めるために、職業訓練校の情報も提供しています。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 現在利用者の多くは自宅で過ごしており、地域生活への移行のニーズはありません。しかし、利用者の希望に添って、独居からグループホームに移行した例はあります。身体障害者のためのグループホームは多くないため、入居に当たっては、相談支援専門員等と連携しながら進め、事前に体験入居も済ましています。
 また、障害福祉サービスから介護保険のサービスに移行する利用者も増えてきています。しかし、通常の高齢者向けデイサービスの中には、車いすを使用している高齢者を断るところもあります。また、他の高齢者と年齢も認知機能も違い、一律の日中活動を提供する事業所になじまない利用者もいます。そこで利用者及び家族の要望に応え、通所介護事業所を併設しました。両事業所の仕切りはなく、入浴や食事時間以外は自由に行き来して過ごせるようになっていますので、サービス利用前の体験が可能になっています。
 

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 所長と現場統括者が毎回の送迎時に同乗し、利用者の家族と意見交換を行っています。利用契約の際に、利用者の体調不良時または急変時の対応書を提出してもらい、そこに定めた内容に従って協力医療機関または利用者の指定する医療機関での診察を依頼しています。個別支援計画の作成及び更新に当たっては、本人の意向を尊重しつつ、家族からも要望を聞き取り、適切でかつ両者が納得する計画案になるよう調整しています。
 利用者の年齢が高くなるにつれ、家族も家庭での支援等が難しくなってきています。また高齢化に伴う家族自身の問題も生じ、サポートを求められる時があります。そのようなニーズもくみ取って相談に乗り、要望に応じて他のサービスにつなげています。特に成年後見制度の普及利用には力を入れ、成年後見事業を行っている法人による説明会を開催して、家族の将来に対する不安の解消に努めています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】