社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ラソメゾン今田

2020年01月16日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 株式会社フィールズ
評価対象事業所名 ラソメゾン今田
評価対象種別サービス 共同生活援助
設立年月日 2011年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
③ 理念・基本方針 法人の2つの理念「障害児・者、高齢者のノーマライゼーションの実現からソーシャルインクルージョン(共生社会)を目指します」「社会・福祉・介護ニーズに応えるべく先駆的で開拓的な事業を展開します」です。
基本方針は「人権の尊重とサービスの質の向上を図る」を始めとした11の方針です。

ホームの運営方針として、次の4項目を掲げ、利用者の支援に当たっています。
① 利用者が地域において共同して自立した日常生活を営むことができるよう、当該利用者の身体及び精神の状況並びにその置かれている環境に応じて共同生活住居において、相談、入浴、排せつ又は食事の介護その他の日常生活上の援助を適切かつ効果的に行う。
② 事業の実施に当たっては、利用者の意思及び人格を尊重して、常に入居者の立場に立ったサービスの提供に努める。
③ サービスの提供に当たっては、地域及び家庭との結びつきを重視した運営を行い、市町村、他の障害福祉サービス事業者等その他の保険医療サービス又は福祉サービスを提供する者との綿密な連携に努める。
④ 事業の実施に当たっては、前3項の他、関係法令等を遵守する。
④ 施設・事業所の特徴的な取組  グループホーム「ラソメゾン今田」は、神奈川県内に幅広く福祉関係事業等を展開する社会福祉法人県央福祉会が運営するホームです。小田急江ノ島線、相鉄いずみ野線、横浜市営地下鉄ブルーラインの湘南台駅から徒歩約20分程の閑静な住宅地にあります。建物は木造2階建て、ホーム専用の1戸建てです。1階は男性、2階は女性の利用者が生活しており、1、2階の玄関はそれぞれ専用になっています。
 ホームのバックアップ施設として、同一法人が運営するグループホーム「ルエーダ今田」「かたくりホーム」、就労継続支援B型事業所「かたくりの里」があり、日常的に連携が図られています。
 入居に当たって利用者や家族等に説明する重要事項説明書や利用契約書はサービス提供の方針や支援の内容が利用者に分かりやすく、丁寧に書いております。利用者の主体性や自主性を尊重して、利用者のプライバシーに配慮しています。
 室内のプライベート空間を尊重し、基本的に職員は立ち入らないようにしています。また、プライバシー確保ため、ホームの玄関口に個人別の鍵付きの郵便受けを設置し、通信の秘密が守られるよう配慮しています。リビングルームには緊急時の連絡先を掲示すると共に、公衆電話を設置しています。
 利用者は主体的に話し合い、事業所内での共同生活ルールを決めて生活しています。共用部分の掃除当番などを自主的に決めています。毎週日曜の夕食は利用者が順番に食べたいメニューをリクエストすることができます。各フロアーに設置した大型冷蔵庫を、利用者ごとに専用のスペースを設けて自主管理できるようにしています。
毎日定期的に看護師が事業所を巡回して、利用者の健康状態の把握に努めています。誤薬を防止するため服薬管理を徹底し、現在は朝・夕、職員2名でダブルチェックし、薬を渡し服薬を確認しています。法人の他の事業所と合同で家族会を毎年3回実施しています。事業所のイベント等の報告や、意見交換、個別の面談などを実施しています。成年後見制度や自立訓練施設等の勉強会も実施しています。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2019年03月30日
終了:2020年01月06日(評価結果確定日)
受審回数:2回(平成23年度)
詳細評価PDF

⑥ 総評

特に評価の高い点 1)利用者の自己決定を尊重した支援を行っています
重要事項説明書や利用契約書は、サービス提供の方針や支援の内容が利用者に分かりやすく書いて、利用者の主体性や自主性を尊重した内容になっています。利用者のプライバシーに配慮し、利用者の了解なく居室のドアを開けることはありません。
利用者の自己決定を尊重し、一方的な介助や支援は行っていません。日常生活の殆どを利用者は自身で決めて生活しています。衣類や生活用品、食品や嗜好品などの購入をはじめとして、着替え、入浴、居室内での生活全般や、洗濯や居室の清掃なども利用者各人に任されています。


2)利用者は話し合い生活ルールを決め、利用者主体を支援しています
事業所内の生活の運営ルール、環境の整備は利用者同士の話し合いでほとんど決めており、職員は決められたルールに沿って支援しています。また、月に1回利用者ミーティングを開催し、利用者と職員とでホームの運営や生活に関する意見や要望等について協議する場を設けています。
リビングルームや浴室の利用時間、廊下、トイレ、ふろ等共用部分の掃除当番などを自主的に決めています。毎週日曜の夕食は「リクエストメニューの日」とし、利用者が順番に食べたいメニューをリクエストすることができ、利用者の楽しみの一つになっています。大型冷蔵庫を各フロアーに設置し、各利用者専用のスペースを用意して便宜を図っています。
改善を求められる点 1)マニュアルの整備と周知徹底
サービス提供に関する利用者支援を始めとした各種業務マニュアルが用意されていません。今後、ホームとしていつでも職員が閲覧できるマニュアルを整備し、研修のもとに職員が活用しサービス提供の質を高めていくことが求められます。
事故事例、ヒヤリ・ハット事例等の事故防止につながる事例の検討を行い、事故、感染症及び食中毒の予防等のマニュアルの整備と研修の実施が期待されます。また、ホームの実情に合わせた防災訓練、非常災害用の備蓄品について、ホームとして備蓄品リストなどの整備と訓練が期待されます。


2)職員全員による利用者の想いや希望を把握する努力と支援提供
利用者の意思を尊重した運営に取り組んでいますが、ともすると生活全般が本人に任せきりになってしまい、居室の管理、金銭の管理、外出、喫煙、集団生活等において課題のある行動が心配されます。高齢化が進む中、安心・安全・清潔な環境をどう確保して支援していくかを検討することも必要になってきています。利用者に対する支援の在り方を職員間で検討し、従来の支援から一歩踏み込んだ支援が期待されます。利用者の想いや希望をかなえつつ、必要とされる支援を職員が共有し、個々の利用者に求められる支援内容の方針を確立し、実行することが期待されます。
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇努力、工夫していること

 職員の入社時研修で法人の掲げる「2つの理念や11の基本方針」を説明しています。ホームでは、職員会議議事録に理念を記すと共に、ホーム内の各階リビングにも理念・基本方針を掲示し、周知を図っています。

◇課題と考えていること

Ⅰ-2 経営状況の把握

◇努力、工夫していること

 月次決算資料に基づきホームの収支状況、利用者動向、稼働率などを検討し、経営状況を把握しています。障害者福祉に関わる地域の連絡会や法人内のグルーホーム部会等を通じて地域の福祉の現状について情報を得、経営環境の変化に対応しています。

◇課題と考えていること

 ホームの収支状況について更に全職員に周知を図り、理解を得、収支予算達成に向けてホーム運営に取り組んでいくことを課題としています。
Ⅰ-3 事業計画の策定

◇努力、工夫していること

 法人の策定する中・長期計画は、理念や基本方針の実現に向けた目標を明確にしています。ホームの事業計画は中・長期計画に沿い職員間で協議し策定しています。半期に1度職員会議で振り返り、重点目標などについて検討を加えています。

◇課題と考えていること

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇努力、工夫していること

 業務日誌、個別援助記録、看護ノート、受診記録等の介護記録を活用し、定期的な職員会議を通じて、利用者支援やホームのサービスについて職員間で話し合い、サービスの質の向上を図っています。また、1日に3回申し送りを実施し情報の共有化を図り、支援の継続性に繋げています。

◇課題と考えていること

 職員それぞれの価値基準で支援に当たることがあり、統一したサービスの実施、質の向上を図るにはどうしたらよいか等を課題としています。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇努力、工夫していること

 管理者の役割と責任については、運営規程に明記し、組織体制図に示しています。管理者は自ら現場業務に入り職員と同様に日常業務、夜勤を行い、ホームの状況を把握するなどして管理者としての姿勢を示しています。法令遵守の研修会に参加し、コンプライアンスについて職員会議を通じて周知、確認するようにしています。

◇課題と考えていること

 管理者は、非常勤職員との直接対話が少ないと考えており、今後、直接話す機会を更に多くし、コミュニケーションを図って行くことを課題としています。
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇努力、工夫していること

 職員は、法人の年間研修計画に基づき階層別研修、職種別研修を受講すると共に、法人内・外の必要な研修を受講しています。受講した研修内容は必要に応じて職員会議で2次研修を行い情報の共有化を図っています。管理者は、チャレンジシート(職能資格評価)を活用し年3回職員と面談を実施しています。

◇課題と考えていること

 非常勤職員の研修機会が少ないので、今後、法人内・外の研修への参加を働きかけ、参加できるような勤務体制を作って行くことを課題としています。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇努力、工夫していること

 運営法人はホームページで理念や基本方針、ビジョンを明示し、事業報告、財務状況、決算報告、第三者評価結果、苦情処理結果等を公表しています。ホームには毎年法人による内部監査が入っています。また、訪問看護師や保佐人、ガイドヘルパー等、外部の関係者がホームに入ることで第三者の目に触れるようになっています。

◇課題と考えていること

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇努力、工夫していること

 自治会に加入しており、定期的に実施される地域清掃には利用者と共に積極的に参加し、交流を図っています。地域行事等の広報はホーム内に掲示し利用者に案内しています。

◇課題と考えていること

 地域自治会との関りがあまりなく、交流の機会がないのが課題となっています。

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇努力、工夫していること

 利用者を尊重した福祉サービスを具体的に規定した「職員倫理行動マニュアル」を策定し、職員が理解し実践するための取組を行っています。利用者の許可なく居室を開けないことを徹底しています。利用者間の話合いの中でホーム内のルールを決め、利用者が主体的な生活を送れるようにしています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇努力、工夫していること

 ホームへの入居に当たっては、重要事項説明書やサービス利用契約書、個人情報使用説明書等を明示し、常勤職員が利用者・家族等と読み合わせ、分かりやすく説明し同意を得ています。サービス提供の際には事前に利用者に説明し、理解、同意を得た上で実施しています。居室が空いている時は体験入居も実施しています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇努力、工夫していること

 毎月実施する利用者ミーティングや年3回開催の家族会を通じて利用者の意見や意向を把握し利用者満足の向上を図っています。個別支援計画策定時には利用者と面談し意見や要望を聞いています。また、平成30年度当初にホーム内に事務室を備え、利用者との個別面談や相談に活用し、迅速に対応できるようになり、利用者に喜ばれ、満足度向上に繋がっています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇努力、工夫していること

 苦情解決マニュアルを整備し、苦情解決体制や「サービス運営適正化委員会・あしすと」について重要事項説明書や利用契約書に明記し利用者に説明しています。また、ホームのリビングに苦情解決の分かりやすいポスターを掲示し周知を図ると共に、意見箱「えがおボックス」を設置しています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇努力、工夫していること

 緊急時対応のため、管理者を始めとした関係先の緊急連絡先一覧表、電話帳をリビングルームに掲示し周知を図ると共に、ピンク電話を設置しています。法人主催の防災訓練に年2回参加しています。また、食料や備品の備蓄を利用者個人別に備えています。

◇課題と考えていること

 防災訓練について、法人全体の訓練には参加していますが、ホーム独自の避難訓練を実施していないので、今後、夜間想定を含め実施していくことを課題としています。
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇努力、工夫していること

 職員は全員「職員ハンドブック」を持ち、標準的な福祉サービスの基本を学び、利用者に対して同じサービスを実施しています。利用者の状況は「事務日誌」に記録し、文書で状況を確認できます。毎日3回、職員の打ち合わせ時間を設けて、引継ぎを確実に行っています。

◇課題と考えていること

 「職員ハンドブック」や「職員倫理行動マニュアル」等を基に、利用者支援に努めていますが、サービス実施に関する業務マニュアルが用意されていません。今後、ホームとしていつでも職員が閲覧できるマニュアルを作成、準備し、職員のサービス提供の質を高めていくことを課題としています。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇努力、工夫していること

 個別支援計画策定は責任者を設置し、通所している同一法人内の就労移行支援事業所や常駐の看護師等と情報交換を行って実施しています。半年ごとに利用者と個別に面談をし、本人の具体的なニーズや希望を聞いて、本人の納得を得て、計画策定しています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇努力、工夫していること

 法人が定めたパソコンソフト「絆」を使用して福祉サービスの記録を実施しています。利用者の個別支援計画と記録は、ホーム内で情報を共有するシステムが確立しています。個人情報保護に関するマニュアルは完備しており、保管や廃棄は規定通り実施されています。

◇課題と考えていること

A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇努力、工夫していること

 生活に関わるルール等については、利用者同士の話し合いで決定するよう支援しています。リビングルームや浴室の利用時間、廊下、トイレ、ふろ等共用部分の掃除当番などを自主的に決めています。利用者の主体性を尊重し、居室内での個人の生活や、衣服、理美容、趣味活動、またタバコなどの嗜好品も本人が好みで選択して生活できるよう支援しています。

◇課題と考えていること

A-1-(2)権利侵害の防止等

◇努力、工夫していること

 職員は利用者に対し、社会人として同等に対応し、本人に差別されていると感じさせることはありません。利用者の生命または身体を保護するため、緊急やむを得ず一時的にでも身体拘束をしたことは、これまでありません。第三者委員による苦情解決委員会が設置されており、利用者や家族等はいつでもどこに相談すれば良いか、リビングに掲示されているポスター等で確認することができます。

◇課題と考えていること

 職員に対する外部や事業所内研修を実施し、職員間で権利侵害についての理解も進み、しっかり取り組んでいます。しかしながら研修記録が残されていないので、今後研修記録を作成し、職員間で共有し、職員の育成に役立てていくことを課題としています。
A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇努力、工夫していること

 利用者が自力で行う生活上の行為は見守りの姿勢を基本とし、支援が必要な時には迅速に対応しています。金銭管理も本人がしています。居室の管理、入浴等は利用者の意思を尊重して本人の判断に任せています。通院の時等で支援が必要な場合は、同行支援をして、医師とのコミュニケーションのサポート等もしています。季節ごとにレクリエーション活動を実施し、春のバーベキュー大会、夏祭り、クリスマスの食事イベント等実施しています。

◇課題と考えていること

 コミュニケーションが十分に取れない利用者に対しては個別的な配慮が必要とされます。意思表示や伝達が困難な利用者の意思や希望を、できるだけ適切に理解するための取組みを実施し、職員間で共有することに課題があります。また、夜勤時は職員1人で1階6名、2階6名の利用者に対応する必要があります。夜間(22時頃まで)の利用者の見守り支援の在り方が課題です。
A-2-(2)日常的な生活支援

◇努力、工夫していること

 食材・メニューは業者からの提供です。調理は職員が担当し、おいしい料理を提供し、利用者の満足を得るよう取り組んでいます。
毎週日曜の夕食は「リクエストメニューの日」とし、利用者が順番に食べたいメニューを希望し、職員が食事を準備します。地元特産のシラス丼やまぐろ丼、茶飯やラーメンなど利用者は食を楽しんでいます。大型冷蔵庫を各フロアーに設置し、各利用者専用のスペースを用意して便宜を図っています。


◇課題と考えていること

A-2-(3)生活環境

◇努力、工夫していること

 プライバシーに対し配慮しています。利用者の了解なく居室のドアを開けることはありません。室内のプライベート空間を尊重して、基本的に職員は立ち入らないようにしています。生活環境の整備は利用者が実施しています。共用のリビング兼食堂は当番制で、ゴミ捨て、布巾洗い、テーブル拭き・床掃除を分担しています。浴室、トイレなども担当を決め、清掃しています。その他の共用部分の清掃は職員が支援しています。

◇課題と考えていること

A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇努力、工夫していること

 看護師の助言を受けて、一部の利用者が健康体操を行っています。約半数の利用者が、障害の状況に応じて、一人ひとりの計画を定め、同一法人グループの「就労移行支援事業所 かたくりの里」で平日の日中軽作業を行い、就労訓練を受けています。片道20分ほどの距離を、バスを利用し通っています。軽度の障害の利用者の中には、就労して外部で働いている方もいます。通勤は最寄り駅まで徒歩や、バスを利用したりしています。

◇課題と考えていること

A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇努力、工夫していること

 毎日定期的に看護師が事業所を巡回して、利用者の健康状態の把握に努めています。医師は内科医の協力医体制を取っています。精神科については都度、各利用者のかかりつけ医に通院しています。誤薬を防止するため服薬管理を徹底し、職員は以前は1日分を利用者に渡していましたが、現在は朝・夕、職員2名でダブルチェックし、薬を渡し服薬を確認しています。

◇課題と考えていること

A-2-(6)社会参加、学習支援

◇努力、工夫していること

 利用者は日中通所施設や病院のデイケアなどを利用しているので、そうした関連施設と連携して、社会参加ができるように働きかけています。
法人3事業所合同のバーベキュー大会などの季節ごとのイベントに参加しています。希望者はトランスフィットネス教室や公民館でのヨガ教室などに参加しています。また、個人的に野球やコンサート、カラオケ等に行き、楽しんでいる利用者もいます。


◇課題と考えていること

A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇努力、工夫していること

 一人では精神的、体力的に外出が難しくなった利用者は、ガイドヘルパーの支援を受けてこれまでと同様に地域で買い物などを楽しみ、本人の希望がかなえられています。利用者は主体的に話し合い、ホーム内での共同生活ルールを決めて生活していますが、地域生活との関わりについても、一人ひとりが自ら行動してつながりを持ち生活しています。

◇課題と考えていること

A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇努力、工夫していること

 家族等との連携は利用者の意向を良く確認し、本人の気持ちを大事にして実施しています。利用者の中には、家族に対し、複雑な思いを持っている利用者もいます。法人の他の事業所と合同で家族会を毎年3回実施しています。高齢の両親の代わりに兄弟姉妹、甥、姪の参加も多くなっています。家族会ではホームのイベント等の報告や、意見交換、個別の面談などを実施しています。成年後見制度や自立訓練施設等の勉強会も実施しています。

◇課題と考えていること

 日常的な家族等との情報交換の状況や、家族等との相互理解を図るための家族会等での個別の記録が残されていません。記録がないため、職員間で情報が共有できず、サービス支援に活かすことが難しくなっています。また、家族に対してホームの運営状況やイベントの報告、利用者本人の健康状況や近況等の連絡を定期的に連絡することが現在実施できておらず、課題としています。

その他特記事項:第三者評価機関として今後、特に課題として取り組みを期待したい事項

評価対象 第三者評価機関からのコメント
項目 ホーム独自の防災訓練の実施と非常災害用の備蓄品の整備
 法人が実施する統一的な防災訓練には参加していますが、ホーム独自の防災訓練が行われていません。ホームの実情に合わせた自主的な防災訓練の実施と実施に当たり近隣の協力を得る事が期待されます。また、非常災害用の備蓄品について、利用者個々に非常用持ち出し袋を準備していますが、ホームとしての非常災害時用備蓄がありません。ホームとして、飲食料品や備品類等の備蓄品リストを作成し、管理者を決めて備蓄を整備することが期待されます。
項目 安全管理及び衛生管理のためのマニュアルの整備と研修の実施
 安心・安全な福祉サービス提供のためのマニュアルの用意が無く、研修が行われていません。事故事例、ヒヤリ・ハット事例等の事故防止につながる事例の検討や事故の発生予防又は再発防止、事故の発生等緊急時の対応、感染症及び食中毒の発生予防及びまん延防止等のマニュアルの整備と研修の実施が期待されます。
項目 一人ひとりに必要とされる支援を実施することが出来る体制
 利用者の意思を尊重した運営に取り組んでいますが、ともすると生活全般が本人に任せきりになってしまい、居室の管理、金銭の管理、外出、喫煙、集団生活等において課題のある行動が心配されます。高齢化が進む中、安心・安全・清潔な環境をどう確保して支援していくかを検討することも必要になってきています。利用者に対する支援の在り方を職員間で検討し、従来の支援から一歩踏み込んだ、個々の利用者に求められる支援内容の方針を確立し、実行することが期待されます。利用者の想いや希望をかなえつつ、必要とされる支援を職員が共有し、日常生活の中で実施することが出来る体制が望まれます。
利用者調査の結果
①ヒアリング調査(本人) <対象者> 
3名(男性2名、女性1名)

<調査方法>
 1、2階の各事務室で利用者と調査員、1対1でヒアリングを実施した。

<確認できたこと>
①・名前はさん付けで呼んでくれ、丁寧に接してくれる。
 ・乱暴な言葉遣いはなく態度もよい。
 ・人によって色々である。

②・部屋に入る時はノックし、返事をしたら入ってくる。・以前いた利用者で突然入ってくる人がいて驚いたことがある。

③・生活に特に不満はない。
 ・食事はおいしく食べている。
 ・リクエスト食では好きなものを注文している、うれしい。
 ・お風呂は気持ちよく入っている。
 ・入浴は嫌いでシャワーを使っている。・職員が自分のために言ってくれれば良いのだが、他人のために静かにしてとか、何かしてくれと言われるのは嫌だ。

④・支援計画作成時には話し合っている。
 ・希望は言ったと思う。計画の説明は受けている。もう少しゆっくり聞いてほしい。

⑤・ホームにお金は預けていない、自分で管理している。・お父さんがお金のやりくりしてくれる。藤沢の「あんしんセンター」に通帳を預けている。

⑥・困っていることはないが、少し腰が痛むので相談したことはある。
 ・2Fがドタバタうるさいので職員に話した、今は静かになった。
 ・相談したいけど、どうしようかと思う。相談しきれないことがある。
 ・相談しずらい。

⑦・ホーム外ではお父さん、何でも相談できる。
 ・作業所の職員さん、2人いる。
 ・他の事業所の人、ガイドヘルパーさんに相談。

⓼・インフルエンザに罹った時、ちゃんと対応してくれた。
 ・看護師に声を掛けたことがあるがそのまま行ってしまったことがある。

⑨・自炊しているのでスーパーに買い物に行き、好きなものを買って食べている。
 ・土曜日にはお母さんの入っている施設に見舞いに行っている。
 ・ガイドヘルパーさんと外出している。ホームにいる時は読書をしている。
 ・携帯で通信販売を利用している。
 ・ホームでは大事にされていると思う。
 ・楽しく生活している。
 ・快適に過ごしている。
 ・自宅にいる時よりホームに来て自分が明るくなった気がする。
 ・特に不満はないが、最期は病院で死にたい。
 ・スタッフよりも利用者同士の態度に苦痛を感じている。
評価後(評価結果を受け取った後)のグループホーム「コメント」
 ラソメゾン今田は主に精神障がいの利用者さんが入居しているグループホームであることから、入居者さんの主体性を尊重している面が多くあり、定期的なミーティングや掃除の当番制、毎週日曜日のリクエストメニュー等を実施していることを評価して頂いたのは、ホームの特徴をよく表していると思います。その一方で入居者さんに対して本人任せのことが多く、その点について指摘を受けました。また、精神障がいの入居者さんが主な対象者であることから、支援については常にご本人と相談しながらサポート的な支援をしていますが、居室の清潔を維持することや、金銭面での課題、対人関係の課題など時として必要とされる支援についていかに踏み込んで関わっていけるか、今後の課題点だと受け止め、改善に向け取り組んでいきます。
 マニュアルの整備や非常災害時の備蓄品については、これからの取り組みとして行っていく予定です。