社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ルエーダ今田

2021年03月08日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 株式会社フィールズ
評価対象事業所名 ルエーダ今田
評価対象種別サービス 共同生活援助
設立年月日 2018年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
③ 理念・基本方針 ルエーダ今田は神奈川県内に幅広く福祉関係事業等を展開する社会福祉法人県央福祉会の事業所です。県央福祉会は「障害児・者、高齢者のノーマライゼーションの実現からソーシャルインクルージョン(共生社会)を目指します」「社会・福祉・介護ニーズに応えるべく先駆的で開拓的な事業を展開します」の2つの理念と、「人権の尊重とサービスの質の向上を図る」をはじめとした11の基本方針を掲げています。
事業所は、障害者特別支援法の理念である三障がいの一元的支援と地域生活移行について適切な支援に努めることを方針とし、利用者以外であっても障害を持つ当事者及び家族からの相談に応じる等、地域生活を積極的に推進するため関係機関に働きかけることを運営の基本に置いています。
④ 施設・事業所の特徴的な取組 ルエーダ今田は精神障害がある人向けのグループホームで、小田急江ノ島線、相鉄いずみ野線、横浜市営地下鉄ブルーラインの湘南台駅から徒歩約 20 分程の閑静な住宅地にあります。同一法人が運営する同種のグループホーム「ラソメゾン今田」に隣接しています。
ラソメゾン今田との相違点は、精神障害に加えて高齢による介護が必要だったり、身体に障害があったりする「重複障害」を持つ人向けのホームであることで、日中の過ごし方が利用者によって違います。日中も毎日ホームで過ごす人や、日中活動の事業所に週1~3日通う人もいるため、ホームは「日中サービス支援型」になっており、24時間体制で世話人が駐在し、昼食も提供しています。また、巡回看護師、訪問薬剤師がおり、医療面で充実したケアを提供しています。
建物はホーム専用の1戸建てで、1階は女性4名、2階は男性5名が入居しており、夜間は1階に女性職員、2階に男性職員が宿直を務めています。緊急の場合は「ラソメゾン今田」からのバックアップも望めます。男性職員が比較的多いため、部屋の片づけなどの支援も同性で対応可能です。
日中活動場所には同法人運営の就労継続支援B型・生活介護事業所「かたくりの里」、農作業や創作活動ができるNPO法人、病院のデイケアなどがあり、訪問リハビリやデイサービスを利用する人もいます。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2020年05月22日
終了:2021年02月19日(評価結果確定日)
受審回数:初回(0年度)
詳細評価PDF

⑥ 総評

特に評価の高い点 ◇特に評価の高い点
1)利用者の人格や行動を良く理解し『利用者の個別ニーズに即応した支援』に努めています
利用者が集団で暮らす中で気持ちよく充実した日々を送れるよう、さまざまな工夫をしています。異性による支援で不快感や抵抗感を持たないよう、各フロアの宿直をはじめ、居室の片づけや掃除、排泄ケアなどに同性の職員が当たっています。利用者の無駄なストレスを避けるため、風呂や洗濯など一日のタイムスケジュールが利用者同士で重なり合わないように調整しています。
日中活動についても、主な事業所を二つ確保し、曜日をずらして参加することで、相性の良くない人同士が昼も夜も一緒に過ごすことのないようにしています。
2)利用者が安心して過ごせるように体制を整えています
日中もホームで過ごす利用者がいるため、24時間職員が常駐し、昼食も提供しています。隣接するラソメゾン今田と協力して運営に当たるとともに、フロアごとに同性職員を配するという複数職員での宿直体制を取っているため、夜間に緊急事態が起こっても対応できるようになっています。
事業所を巡回する看護師に加え、二週間に一回薬剤師も訪問して利用者のきめの細かい健康管理に努めています。薬剤師は臨時対応も行っています。
3)『自己選択、自己決定のできる環境』作りを推進しています
事業所独自の個別支援計画書を作成し、「あなたの夢」「あなたの役割」など利用者がイメージしやすい項目欄を作っています。ホーム内での生活ルールは、階ごとに実施する「利用者ミーティング」で利用者自身が自主的に決めるようにしています。日曜日の夕食を「リクエストメニュー」とし、利用者が順番に食べたいメニューをリクエストしています。
改善を求められる点 ◇改善を求められる点
1)職員への理念等の周知と支援の方向性の一致
ホームの運営に於いて、理念の掲示や行動綱領マニュアルの用意がされていません。利用者への支援が職員個々の価値基準で実施されており統一したサービス実施を課題としています。全職員への理念などの研修の実施により、利用者支援の専門性を高め、ホーム職員の均一なサービスが利用者支援に活かされることが期待されます。

2) 備蓄も含めた災害対策
防災訓練は年2回、夜間を想定した訓練も実施しています。地震を想定した訓練で、利用者は避難訓練をし、当日非番の職員は安否確認訓練をしています。しかし、災害用備蓄品の用意がなく、緊急時の職員シフトに課題がありますので改善が期待されます。
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇努力、工夫していること

(Ⅰ-1 理念・基本方針)
法人の掲げる「2つの理念と11の基本方針」を入社時に学び、「職員ハンドブック」も所持しています。職員は利用者の声を聴き、出来る限り希望に沿う形でのサービス提供を目指し、毎月のホーム会議(職員会議)では、サービス向上に向けた支援内容を話し合い取り組んでいます。


◇課題と考えていること

利用者への支援は「理念及び基本方針」に沿った内容で取り組まれていますが、ホーム内(リビング・事務室など)に理念などサービス目標の掲示がありません。利用者に対し同じ支援対応が取れるよう、理念・目標の掲示と全職員の理解と実践を課題としています。
Ⅰ-2 経営状況の把握

◇努力、工夫していること

所長会議では月次決算に基づきホームの経営状況を把握し、稼働率やショートステイ利用状況などを検討し、収支改善に取り組んでいます。世話人は法人が実施するエリア連絡会に毎月交代で参加し、経営や介護サービスの課題について意見交換し、ケーススタディで学びあいます。

◇課題と考えていること

Ⅰ-3 事業計画の策定

◇努力、工夫していること

理念や基本方針を体して中長期計画を法人として策定しています。ホームの事業計画は、法人の方針に沿うと共に、現場の常勤・非常勤職員からアンケートや要望を記載したメモなど、様々なやり方で意向を掌握し計画に盛り込み作成しています。半期ごとに振り返りを行っています。

◇課題と考えていること

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇努力、工夫していること

定められた評価基準に基づいて、年に1回以上自己評価を行うと共に、第三者評価を定期的に受審するなど、質の向上に向け組織的な取り組みをしています。また、毎月の職員会議で利用者一人ひとりの生活支援について見直し、人格を尊重した支援に努めています。

◇課題と考えていること

利用者へのサービス内容に対する考え方に職員間でバラツキがあることが課題となっています。支援内容が、職員個々の価値基準で実施されることがあり、利用者に対しホームとして統一したサービスの実施を課題としています。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇努力、工夫していること

ホームにおいては所長が運営規定に明記された管理者の任務を果たしています。本年4月に新所長が着任し、職員の人員配置を適正に行うなど、サービス支援の強化に向け取り組むと共に、順守すべき法令などを職員に周知し、経営の健全化に注力しています。

◇課題と考えていること

管理者はホーム会議などを通して世話人をはじめとして職員と良くコミュニケーションを図るよう努めています。今後、職員の意見を反映したサービス支援の強化と均質な支援に向け、非常勤職員との面談時間や会話量を増やすことを課題としています。
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇努力、工夫していること

(Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成)
職員は入社後法人の年間研修計画に基づき、一人ひとり階層別研修や職種別研修、テーマ別研修を受講し、3年目には資格取得を目指します。新任の非常勤職員に対しては、法人のマニュアルに基づいた研修と共に、ホームではOJTにより支援の基本を実践的に指導し育成しています。


◇課題と考えていること

法人の研修計画は整備され充実していますが、勤務体制の都合などで受講できないことがあり、課題となっています。また、非常勤職員に対する研修機会が少なく、育成の在り方を課題としています。
Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇努力、工夫していること

運営の透明性を確保するための情報公開が行われています。法人のホームページには理念や基本方針、ミッションを明示し、事業報告、計画、決算報告などを公開しています。ホームへの入居の際は運営規定と重要事項説明書を丁寧に説明し、ホームの廊下にも掲示しています。

◇課題と考えていること

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇努力、工夫していること

自治会に加入しています。地域のイベントや祭りの案内が来ています。ホームが新設されて2年経過しましたが、今年はコロナの影響もあり、ホームとして地域社会との交流は出来ていません。時折、隣接の住民が農地でできた野菜を届けてくれたりして交流しています。

◇課題と考えていること

ホームとして地域社会との交流が少ないことが課題であることを認識しています。今秋にホームで芋煮会を計画しています。コロナ禍ですが行事のやり方を工夫して、近隣の住民たちを招待し、地元との交流の第一歩とする案を検討しています。

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇努力、工夫していること

「職員倫理行動要領」に示された「利用者さんの人格を尊重⋯⋯」を基本として『利用者中心の支援』を実践しています。呼称は「さん」付けを基本とし、居室へは利用者の許可なく立ち入りません。職員に問題行動が見えた時は職員会議で話し合い、利用者への配慮ある行動を学んでいます。



◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇努力、工夫していること

半期に一度、個別支援計画会議を実施して利用者ごとに支援内容を見直し「支援計画書」を作成しています。利用者の状況に変化があれば都度実施し、見直しに当たっては利用者の自己決定を大事にしています。見学や体験入所などの希望にも積極的に対応しています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇努力、工夫していること

昨年8月からホーム内での様々な生活ルールは、フロアごとに「利用者ミーティング」を実施し、利用者自身が自主的に決め生活しています。調整役として世話人が参加しています。また、毎週日曜日の夕食は利用者がリクエストした食事を職員が作り提供し利用者は大変楽しみにしています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇努力、工夫していること

職員は日々、利用者が相談しやすく意見を述べやすいよう配慮し適切な相談対応と、意見の傾聴に努めています。法人では「苦情解決マニュアル」を整備し職員に周知し、利用者や家族には「重要事項説明書」の中で『苦情解決委員会』や『サービス適正化委員会・あしすと』を紹介しています。

◇課題と考えていること

ホーム内にも『あしすと』などを記載した文書を掲示していますが、A4サイズの書面を掲示している為、文字が小さく見づらい状況です。見やすい表示にすることが課題としてあげられています。
Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇努力、工夫していること

感染症対策、特に直近の新コロナ対策には万全を期し、手洗い、マスクの管理はもとより、室内の消毒に留意しています、ソーシャルディスタンス確保のため、リビングでの食事は2班に分け、対面を避ける席の配置にしています。防災訓練は年2回、夜間を想定した訓練も実施しています。

◇課題と考えていること

震度7の地震を想定した訓練で、利用者は避難訓練をし、当日非番の職員は安否確認訓練をしています。ホーム新設から2年経過しましたが、災害用備蓄品の用意がなく、課題としています。また緊急時に車対応が必要な際、対応できない職員シフトになっていることがあり課題としています。
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇努力、工夫していること

夜勤者のルーティーン、調理場面で留意すべきこと、時系列で記した具体的支援方法など、個々の支援内容や場面ごとのマニュアル化を進めています。また運営法人の支援マニュアルをベースに、利用者全員が受給者証・計画相談に合った日常生活を送れるよう支援しています。

◇課題と考えていること

利用者ごとのマニュアルの整備及び情報共有が進んでいますので、個別のマニュアルの共通項を標準的な実施方法として確立させていくことが期待されます。
Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇努力、工夫していること

事業所独自の個別支援計画書を作成し、「あなたの夢」「あなたの役割」など利用者がイメージしやすい項目欄を作っています。面談の中で利用者が自ら書くこともあります。策定した計画は家族にも確認をとっています。半年に一度モニタリングを行っています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇努力、工夫していること

記録用ソフトウェアを導入し、利用者個々の朝・日中・夕方・夜間の日別記録を複数の支援者が記載していけるようにしています。事務日誌は隣接するホームと共通の様式を整備し、ホーム別連絡欄や、事務連絡と分けて記載できる「ニヤリ・ヒヤリ」欄など工夫しています。

◇課題と考えていること

A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇努力、工夫していること

毎月一回フロアごとに利用者ミーティングを開き、ホーム内での様々な生活ルールを利用者自身が自主的に決めて生活するようにしています。世話人はこの会議にオブザーバーとして参加しています。支援内容は利用者の立場に立って組み立てていますが、本人の意思を尊重した支援について職員間でばらつきが生じないよう、一日三回職員の交代時に申し送りを行い、支援の方向性を確認しています。

◇課題と考えていること

A-1-(2)権利侵害の防止等

◇努力、工夫していること

居室に入るときは必ず利用者からの同意を得て複数の職員で入室するなど、細かくルールを定めて対応しています。研修やOJTに加え、虐待防止の注意事項などを各職員に周知徹底しています。利用者との距離が近すぎることが権利の侵害に結び付かぬよう、職員の言動に注意し、利用者からの声に耳を傾けています。

◇課題と考えていること

A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇努力、工夫していること

日中活動の施設の利用が週1~3日の利用者もいるため、24時間職員が常駐し、昼食も提供しています。夜間の緊急時にも対応できるよう、フロアごとに同性職員が宿直を担当しています。利用者の無駄なストレスを避けるため、風呂や洗濯など一日のタイムスケジュールが利用者同士で重なり合わないように調整しています。部屋の片づけや掃除は、利用者が日中活動のない日に、同性職員が声掛けをして手伝っています。

◇課題と考えていること

A-2-(2)日常的な生活支援

◇努力、工夫していること

食材は業者からの提供ですが、職員に調理師免許を持っている者がいるため、時に味付けを変えるなどひと手間加えて提供しています。週一回利用者が普段食べられないものを注文する日を設け、職員が作っています。現在はコロナ禍にあるため、自室で食事をとったり、時間をずらして食べたりすることも可能になっています。排泄ケアに力を入れ、申し送りをきちんとして支援が必要な利用者に対応しています。

◇課題と考えていること

A-2-(3)生活環境

◇努力、工夫していること

医療関係者と連携しながら、生活環境を整備しています。季節の変わり目など温度変化に利用者が弱いことに配慮して、部屋も廊下も一定の温度にしています。一階は車いすの利用者や高齢の利用者がいるため、バリアフリー対応にしており、トイレは両フロアとも一ヶ所が車いす用です。コロナ禍の現在は食卓などのアルコール消毒を頻繁に行い、共有スペースの清潔さの維持に努めています。

◇課題と考えていること

A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇努力、工夫していること

事業所の就労移行支援や生活介護、病院のデイケアなど個々の利用者に合ったプログラムを実施しています。利用者同士の関係も考慮し、楽しく日中活動ができるよう、二つの事業所を組み合わせた利用も行っています。身体に障害がある利用者は訪問リハビリを利用しています。毎月一回事業所内にマシンを持ち込んでトレーナーの下で運動プログラムを行う「トランスフィットネス」も実施しています。

◇課題と考えていること

A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇努力、工夫していること

事業所を巡回する看護師が、利用者の健康相談にのっています。また二週間に一回薬剤師も訪問し、現在の状況に服薬内容が合っているかどうか確認しています。薬剤師は臨時の対応も行っています。薬は自分で管理できる利用者を除き、事務所で一部または全部を預かってお薬カレンダーに入れ、誤薬を防止しています。メンタルトレーニングの一環として、看護師が「ヒーリングタッチ」というセラピーを実施しています。

◇課題と考えていること

A-2-(6)社会参加、学習支援

◇努力、工夫していること

通院などの帰りに組み込んだり、個別に外出日を設けたりして、希望する外出先に一ヶ月に一回程度職員と出かけています。夏祭りなどの参加希望もありましたが、今年はコロナで行事自体が中止になっています。コロナ禍収束後を見据え、障害福祉サービス受給者証の取得を支援しました。現在外出ヘルパーとのマッチングの準備を行っています。

◇課題と考えていること

A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇努力、工夫していること

地域生活への移行を希望する利用者が2名おり、たばこなど嗜好品を節約して移行にかかる初期費用を確保できるよう支援を行っています。利用者の自立度が高い系列のホームがすぐ隣にあり、当ホームの職員が兼務して一体的に運営に当たっているので、地域移行を段階的に進めるのに利用したいと考えています。

◇課題と考えていること

A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇努力、工夫していること

本人との関係が良い家族とはまめに連絡し、不安を払拭しています。特に金銭管理の報告については、内訳や領収書類のコピーなどを送り、不明朗な部分がないようにしています。また、毎月本人の様子を書面で報告しています。家族会は系列の日中活動事業所で年に3回開催しており、その事業所に通っていない利用者の家族も参加できるようになっています。

◇課題と考えていること

その他特記事項:第三者評価機関として今後、特に課題として取り組みを期待したい事項

評価対象 第三者評価機関からのコメント
項目 (Ⅰ-1 理念・基本方針)
理念や行動綱領マニュアルの周知が期待されます
ホームの運営に於いて、理念の掲示や行動綱領マニュアルの用意がされていません。入職時研修で伝えるだけでなく、理念や行動綱領などを非常勤職員も含めた職員会議や研修で取り上げることで、支援の基本が浸透して、職員一人ひとりが理念等に沿って利用者支援を行うことが期待されます。
項目 (Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組)
職員間の支援の方向性の一致が期待されます
利用者への支援内容が職員個々の価値基準で実施されることがあり、ホームでは統一したサービスの実施を課題と考えています。現在月一回の支援会議では、個々の利用者の支援について丁寧な意見交換を行い、議事を詳細に記録に残しています。会議に出席できなかった職員も後日閲覧することで、考え方のすり合わせがさらに進んでいくことが期待されます。
利用者調査の結果
①ヒアリング調査(本人) ・スタッフは丁寧な言葉と態度で接してくれます。
・スタッフは部屋に入るときにノックします。話は部屋の入り口でします。
・うるさい人や感情的になる人がいるので、相談して対応してもらっています。
・旅行に行きたいという目標を聞いてくれています。
・一人暮らしを考えています。所長は応援してくれています。
・お金の管理はあんしんセンターにお願いしています。
・お金は自分で管理しています。
・ホームに来て、ミサンガ作り、水泳のコーチなど楽しい思い出ができました。
・スタッフ以外には、友達、兄弟、親戚、病院の人などに相談しています。
・病院に付き添ってくれたおかげで、悪い病気が発見でき、手術で無事治りました。
・喘息の発作が起こった時に、救急搬送の手配をしてくれました。
・休日は音楽、テレビ、読書を楽しんでいます。買い物に付き添ってくれることもあります。
・スタッフは親切です。一生懸命にやってくれています。
評価後(評価結果を受け取った後)のグループホーム「コメント」
・評価後のコメントとしましては、いくつかの課題を指摘いただいておりますが、災害対策や掲示書式の改定など直ぐに行えることについては順次進めてまいります。
また、利用者支援の部分においては法人理念やマニュアル周知への期待ということや職員間の支援の方向性の一致の期待という2項目についてご意見をいただいております。
これについて、法人としての理念や行動指針は各職員に特に常勤職員は研修等でも学習する機会を設けており、それぞれが専門的なスキルや経験も踏まえて配置されていると考えております。今後は非常勤職員も含めて対人援助職の基本的支援の確立とベースアップを目的とする研修会等への参加の促しを行っていきたいと考えています。
しかしながら、ルエーダ今田(グループホーム)の成り立ちと、支援経緯などを熟知している職員が総替わりをしてしまっていることは、業務の引継ぎの面・経営面も含めて課題となり新体制になっている現在もその課題を残し続けている状況です。
支援の一貫性の部分ではマニュアル策定を求められておりますが、個別の利用者さんニーズに基づく、マニュアルの構築については柔軟に対応してその都度変更の必要になる支援を取り行っていくことが必要であると考えております。居住空間の美化清掃・整理整頓についてなど直接の支援に結びつかなくてもそういった環境整備マニュアル等を使ってサポート空間の充実を心掛けていくことで、最終的な利用者さん支援に結び付く方向を模索していきたいと思います。障害特性に応じたルーティンの支援を必要とする利用者や、個人の思考や想いを大切にしなくてはならない利用者さんとを把握して適応できる標準的な支援を作っていきたいとも考えます。
最後に、福祉の現場では支援の一つひとつが細分化され役割分担がされていますが、支援は一貫性を持った継続的な関係性や持続性が利用者さんの最大の利益やQOLを高める底力と感じています。つまり、継続的に関わる職員集団(人的環境要因)が毎年変化し、人材が失われてしまうことが無い様に現場職員を守るリーダーの存在も大きな部分と考えています。そのことは職員も利用者さんと同じように守られて学びと経験を深めることでより、層の厚い福祉人材や福祉コニュニティーの確立に寄与するものと考えて結びとさせていただきます。