社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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ワークステーション・菜の花

2020年01月29日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 ワークステーション・菜の花 評価対象サービス 障害者・児福祉サービス版
対象分野 就労継続支援(B型) 定員 60名(利用人数58名) 名
所在地 242-0011
神奈川県大和市深見941-1
TEL 046-200-0710 ホームページ
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1990年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
職員数
常勤職員:10名 名
非常勤職員:20名 名
専門職員
社会福祉士:1 名
介護福祉士:6 名
看護師:2 名
精神保健福祉士:1 名
社会福祉主事任用資格:3 名
施設・設備の概要
居室数等:事務室1、会議室1、相談室1、医務室1、食堂兼活動室1、浴室1、作業室6、食堂1、調理室1
設備等:機械浴槽2

③ 理念・基本方針
理念:
 Ⅰ.ソーシャルインクルージョン(共生社会)を目指します。
 Ⅱ.先駆的で開拓的な事業を展開します。

基本方針:
 ①人権の尊重とサービスの向上を図ります。
 ②インフォームドコンセント及びエンパワーメントを大切にした利用者さん主体の支援を推進します。 
 ③地域との共生をめざします。
 ④ニーズの多様化と複雑化に対応します。
 ⑤社会のルールの順守(コンプライアンス)を徹底します。
 ⑥説明責任(アカウンタビリティー)を徹底します。
 ⑦人材の確保・育成のための研修体制を充実します。
 ⑧柔軟で行動力のある組織統治(ガバナンスを徹底します。
 ⑨財務基盤の安定化に努めます。
 ⑩国際化への対応に取組みます。
 ⑪社会貢献活動に取り組みます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
・今年度の重点目標
(1)それぞれの職員が個人の専門性を高めることを意識し、資格取得の励行と研修による個々の専門性の向上を図るとともに、健全な経営状況にあることを日々確認していきます。

(2)マニュアル類の整備を行い、情報は職員間で共有し、発信することを通じて組織統治力(ガバナンス)を高め、社会的信頼の高い組織を目指します。

(3)生産部会と協力し、生産性向上と工賃倍増のための受注増、新商品開発や販路の拡大に努めます。

・事業所としてユニークで独創的な取り組み
 ワークステーション・菜の花では、大和市内の就労支援事業所と連携し、大和市保健福祉センター1階の食堂業務を共同運営しています。昨年度より大和市と5年間の食堂運営業務貸与契約を行っています。食堂では売り上げの向上による賃金アップと就労体験を行います。
また、独自のブランドを構築している最中で、専門家のデザイナーとコラボレートし、製品販売に取り組んでいます。さらには一般高齢者等の住宅の庭の草取りや樹木の伐採等の作業も請け負っています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/03/30(契約日) ~2020/01/14(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(2016年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1) 利用者の個別能力を活かし、地域や外部団体の連携に繋げています
 利用者の個別の意向や能力を活かす計画と支援を行っています。それぞれの活動が認知され生きがいを高めるために、施設が積極的に外部団体や社会資源を掘り起こし、働きかけを行っています。
 利用者が長い筆と墨を使って等身大の人物像を描く等身画は、プロのデザイン事務所に協力を得て、毎年、横浜そごうで展示会を行っています。また、地元の女子サッカーチームとの関係を深め、グッズの販売や企画、下請作業の受注につなげており、さらに今後の展開が期待されています。


2) 専門性が高い医療的ケアの実践を行っています
 医療的ケアが必要な胃ろうや気管切開などをしている利用者が通所しています。喀痰吸引の指導資格をもつ看護師を配置しており、有資格の支援員が看護師の指導のもと、責任をもって医療ケアが行われており、安心して利用者は通所できます。
 看護師が主導して作成した「喀痰吸引等に関する業務方法書」には、医師の指示について、ケアの実施方法、記録の仕方、資格内容、研修等、重要な内容が詳細に網羅されており、専門性の高いケアが担保されています。


3) 販売会などを通じての地域交流を実施しています
 大和市民まつりや相模三川公園せせらぎ祭り、厚木あゆ祭りなど地域の行事の他に企業や施設主催のお祭りにも参加し、販売会を実施しています。利用者と一緒にマフィンやラスク、手芸品の販売を行いながら地域の人たちと交流を図っています。
 事業所で昨年11月に開催した「菜の花マルシェ」には地域住民、福祉関係者、学校関係者など200名の参加があり、大盛況で多数の人たちと交流が出来ました。今年度も11月に実施予定となっています。    
改善を求められる点 1) 標準的な業務マニュアルの整備
 すべての業務は、法人の理念のもとづいて行われ、運営もルールに基づき、おおむね行われていますが、せっかくの業務手順等が文書化されていないことが、散見されました。非常時や特別な対処をするためのマニュアルだけでなく、日々当然行うべき業務も、しっかり「業務マニュアル」として形にしておくことが求められます。職員が交代しても、利用者が継続して標準的な水準のサービスを得られるためにも日常業務についてもマニュアル化にすることが望まれます。


2) 苦情解決の公表
 苦情解決状況の公表が、保護者会への報告と事業報告(法人本部あて)への記載のみ、とされています。しかし公表は、施設や法人関係者に対してだけでなく、広く地域社会に対しても行うことで、問題に対して真摯に向き合い、開かれ、信頼できる施設として評価を受けることができます。苦情解決状況を、申し出者の不利益にならぬよう配慮しながらも、広報誌や掲示など第三者が目にできるような方法を検討することが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
当施設が開設してからまもなく30年になる。その間、様々な支援プログラムがあり、職員も入れ替わってきている。最近であっても業務内容の詳細が引き継がれてなかったりすることがあり、口頭ではなく文面で引き継ぐことが今回課題として上がっている。また、支援マニュアルについても作成されていないところが多く、支援の標準化を図って行く上でも重要性を改めて感じ、できてあるものは見直し、ないものは新たに作っていきたいと思う。
 利用者の声を施設の運営に反映することも課題であり、利用者と職員がともに施設の日常を作っていけるよう心がけたい。
 施設で行なわれていることの情報発信が不十分であるので、ICTに詳しい職員の協力を得ながら進めていきたい。
 今回の第三者評価受審において準備していく過程で、すでに課題は見えてきたと思われる。次の受審までに提示された課題が少しでも解決できるように努力したい。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

 法人の理念や基本方針はホームページやパンフレットに記載されています。常勤職員は法人の入職時研修で、非常勤職員はエリアマネジャーから理念や人権についての説明を受けています。
利用者には入所時説明会で伝えていますが、わかりやすく説明できる資料などは作成されていません。職員会議で理念や人権に関する記事を月刊誌からコピーし、所長より説明しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

 事業所の利用者の状況や経営に絡んだ出席状況などを「利用者出席等一覧表」で毎月職員会議で公表し、利用者のサービス利用日数、出席率などを確認しています。毎月自立支援協議会や神奈川県知的障害者福祉協会などに参加し、顔の見える関係になり、地域の福祉の状況を把握しています。
 相談支援事業所からも利用者の状況を把握しています。福祉事業の動向や地域の各種福祉計画の策定動向について分析にまでは至っていません。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

 経営環境と経営状況の把握・分析にもとづき経営課題を明確にし、具体的な取組を進めています。利用者の出席率が平均82%のため、100%に近づけるよう取り組んでいます。
 毎月事業所の収支を月次試算表で、所長のコメントを入れ、法人へ報告しています。法人の役員から理事長まで回覧され、法人からのコメントが記載され、戻ってきます。各事業所の収支を事務局長が一覧表にしてメール配信され、事業所間で情報を共有しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

 法人で中・長期計画(マスタープラン)が策定されています。マスタープランについては法人の所長会議で説明があり、策定前に所長研修会でプロジェクトチームと話し合いを行っています。
 マスタープランには法人の現状分析と5年後の3つのビジョンが明確にされています。ビジョン実現のための戦略目標を立て目標を具体化する取り組みが記載されています。中・長期計画は、数値目標や具体的な成果等を設定することなどがなく、実施状況の評価を行え難い内容となっています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

 中・長期計画の戦略目標を基に事業所で単年度事業計画を策定しています。職員会議で前年度の事業計画を渡し、職員からの意見を聞いて新年度の事業計画を策定しています。
 今年度の重点目標は6項目が具体的に示され、実現可能なものになっていますが、数値目標の設定までには至っていません。ユニークな取り組みとしては、大和市内の就労支援事業所と連携し、食堂業務を共同運営しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

 事業計画は年度末に職員会議で職員へ書面で配布し、職員からの意見を聞いて次年度の事業計画を策定しています。事業計画策定に職員等の参画や意見の集約・反映が不十分で、具体性に欠けることがあります。
 職員自己評価でも事業計画が適切に策定されているとの認識が薄い回答が見受けられます。事業計画は年度末に達成状況の評価を行い、事業報告書を作成し、法人へ報告しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

 家族会は年4回実施していますが、毎年年度初めの家族会で、所長から事業計画についての説明を行っています。家族からは送迎や工賃などについての意見がでました。利用者にはワーク室ごとに事業計画の行事プログラムについての説明は行っていますが、利用者等がより理解しやすいような工夫や全体の説明までには至っていません。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:c】

 毎年神奈川県からの自己評価を実施し、定期的に第三者評価を受審しています。毎年事業所の課題を抽出し内容を検討しています。第三者評価の結果は書面で職員や家族に配布し、知らせています。課題や改善点については職員と話し合い、改善に向け取り組んでいます。
 PDCAサイクルに基づき、評価結果を分析・検討する場を組織として位置づけ、質の向上に関する取組を行っていくことが望まれます。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

 自己評価や第三者評価の結果については、職員会議で説明し共有していますが、改善計画を立て、その評価結果にもとづく改善を組織的に取り組むまでには至っていません。
 第三者評価を前回受審したのは平成28年でしたが、改善策についての話し合いは職員会議で行っています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

 法人の職務分掌に管理者業務について明示されています。管理者は職員会議で経営に関して利用者の在籍状況の話をし、管理者としてのリーダーシップをとっています。
 管理者は法人の危機管理室長もしていて、管理者不在の防災訓練を実施していますが、自らの役割と責任について組織内の広報誌等に掲載し表明をしていません。副主任がリーダーシップをとり、グループ毎に役割を決めて行っています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 管理者は法令遵守の説明会や神奈川県の施設長会議に参加し、法令遵守を十分理解しています。業務上の人員の配置で、看護師、サービス管理責任者、安全運転管理者、食品衛生責任者など適正配置を行っています。
 看護師は喀痰吸引の指導者資格を有しています。コンプライアンスについて記載してあるハンドブックを職員へ配布し、コンプライアンス・セルフチェックが出来るようになっています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

 所長は事業所の課題として利用者の健康面や高齢化などで作業が行えなくなったことなどを捉え、毎月の職員会議で支援内容などの検討を行っています。実施する福祉サービスの質の現状について定期的、継続的に評価・分析には至っていません。
 また質の高いサービスを提供するには職員のスキルの向上を図る必要があるので、全職員が研修に参加できるように勤務調整しています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

 毎月実施している職員会議で、「利用者出席等一覧表」などを示し、経営に関する話を職員にしています。医療的ケアの利用者が増え、吸引や胃ろうより高度な医療的ケアの対応が迫られており、職員の支援体制整備や新しい受注先を獲得し作業種類を増やすなどの改善に取り組んでいます。
 経営の改善や業務の実効性を高めるために組織内に具体的な体制を構築することが課題となっています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

 常勤職員の採用は法人人事部が中心になって行っています。人事部の新人職員の説明会と面接の後に1日の現場実習がありますので、実習の受け入れを行っています。実習時の態度や成績、人柄などの評価を管理者は行っています。非常勤の面接実習は事業所で実施し、エリアマネジャーが採用決定をしています。資格取得の条件を備えた職員には奨励や応募するなど取得に協力しています。
 目標とする福祉サービスの質を確保するため、必要な福祉人材や人員体制に関する具体的計画にもとづいた人材の確保や育成が課題となっています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

 法人の人事規定があり、キャリアパスや異動、昇進など人事基準が明示されています。事務室の誰でも見れる場所に保管されています。
 毎年10月に職員の意向調査を実施し、異動や退職、勤務場所などの意向を聞いています。結果は法人人事部で分析を行い、必要に応じてエリアマネジャ―か所長が面談を行い、直接希望を聞いています。個別の成果、貢献度の評価や処遇改善の必要性の評価・分析までには至っていません。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

 ストレスチェックをパソコンを使用して全職員へ実施しています。結果は法人へ知らせてよいか本人へ意向を聞いています。法人に「心の相談室」があり、2名のカウンセラーが対応しており、相談希望の職員は面談が可能です。
 パワーハラスメント防止に関する規定も作成され、職員に周知しています。職員の希望に沿った取り組みについてはまだ十分に行えていません。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 「チャレンジシート」を用いて、人事考課を行っています。職員がチャレンジシートの成績、行動、能力などの欄へ具体的な目標を記載し、所長(上司)者と面談し、内容についての話し合いを行います。
 年度末に目標の達成状況を記入し、管理者(上司)と面談し、上司からのアドバイスを記載し、法人へ提出しています。入職後1、2年目の職員は法人でチャレンジシート研修を受けます。職員一人ひとりの目標の設定に、目標項目、目標水準、目標期限を明確にすることが課題となっています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 研修計画は法人の研修部が作成し、事業所に年間研修計画が掲示してあります。法人研修は階層別研修と専門分野別研修に分かれています。
 階層別研修は役職別や入職後の年数により研修内容が定められています。専門分野別研修はエリア主催、部会主催、委員会同主催に分かれ、該当する職員が受講できる制度になっています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

 年間の研修計画は事業所に掲示しており、職員は各自該当する研修を理解しています。階層別研修では新人研修や入職後の年数に応じた研修があり、該当職員は必ず参加しています。
 外部研修では、神奈川県知的障害福祉協会や重症心身障害児・者関係施設協議会主催の研修に参加しています。自主参加の研修の情報提供も行っています。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

 毎年、保育士・社会福祉主事任用資格・教員免許取得のための大学生の実習を積極的に受け入れています。実習受け入れ時には、副主任が注意事項や守秘義務についてのオリエンテーションを行っています。
 オリエンテーションマニュアルはありますが、その他の研修に関するマニュアルは整備されていません。管理者は明文化されたマニュアルの必要性を認識しています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

 法人のホームページには理念や基本方針、各事業所のサービス内容、財務状況などを掲載し、情報を公表しています。苦情や相談の内容は事業所で、まとめてはいますが、公表はしていません。
 法人の広報誌「レジオン・ヴィヴィ」で法人の方針や理事長の考え、事業所の様子などを掲載し、職員や利用者などに配布しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 法人の職務分担規定には常務理事、専務理事、事務局長、エリアマネジャ―、所長の業務内容などなどが明示され、職員へ周知しています。事業所の「職務一覧」には会議、支援、行事などの職員の担当が明示されています。
 法人の内部監査が予告なしに行われ、財務、経理、労務関係の書類などの確認を行っています。外部の監査法人からも事業所の経理内容を見てもらっています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 大和市民祭りや相模三川公園せせらぎ祭り、大和シリウスでの手作り雑貨クラフトフェア、養護学校のお祭りなど地域の行事で販売会を行い、利用者と一緒に参加し、地域住民と交流を行っています。また大和市の女子サッカーチームの「大和シルフィード」の応援施設のスプンティーノで帽子などのチームグッズの販売も行っています。
 事業所で開催した「菜の花マルシェ」には近隣住民、福祉関係者、学校関係者など約200名の参加があり、交流が出来ました。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

 11月に「菜の花マルシェ」を事業所で開催し、民生委員や学生などのボランティアが20名位参加し、手伝ってもらいました。大和東高校合唱部の演奏やキッズダンスなどの催し物やバーベキュー、焼き鳥、カレーライスの販売などを行い、近隣からの来場者が200名位ありました。また作業での手芸品作りや音楽、レクリエーションなどにもボランティアに参加してもらっています。地域の学校教育等への協力については、その姿勢を明文化しておらず、学校教育への協力が課題となっています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

 所長は地区社会福祉協議会の役員をしているので、障害者向けのイベントで、お花見やボーリング大会、グランドゴルフ大会などを企画し、協働で行っています。
 行事予定は書面にて利用者に知らせています。また大和市自立支援協議会の防災担当もしていますので、毎月会議に参加して関係機関との連携を図っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 地区社会福祉協議会の会議に定期的に参加し、高齢者のニーズや情報の把握を行っています。非常災害時の福祉避難所に指定され、高齢者や障害者の受け入れを行うので、行政や地区社会福祉協議会と連携をし情報交換を行っています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

 大和市と非常災害時の避難所防災協定を結んでいます。地震などの災害時に福祉避難所として高齢者や障害者の受け入れを行います。災害時の食料品などの備蓄を確保しています。
 社会福祉協議会主催の見学会を行い20名位を対象に障害者福祉についての説明と施設見学を実施しています。地域コミュニティの活性化やまちづくりなどには貢献できていませんが、養護学校から呼ばれて、父兄対象に講師として障害関係の話をしています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 職員に対して「職員倫理行動綱領」「倫理行動マニュアル」を入職時に配布し、研修で利用しています。また、知的障害者の人権擁護の宣言をかかげた「あおぞらプラン」を研修で内容の理解を深めています。
 県央東地区オンブズマンネットワークに加盟し、毎月2名のオンブズパーソンが施設を訪れ、利用者と面談しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

 「倫理行動綱領」「倫理行動マニュアル」にプライバシー保護と業務上の対応方法が明記されています。利用者の更衣室は男女別に分かれ、ロッカーは各自が施錠します。鍵は帰宅時に事務所で預かります。
 個人情報を使用する場合の例が示され、同意書をとっています。広報紙等で写真を載せる時はその都度、了解をとっています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

 運営に共同参加している大和市保健福祉センターに、法人施設のパンフレットを置き、一般市民の目に触れ手に取れるようにしています。またイベントがあると掲示するようにしています。
 見学や相談は年間に約50件ほどで、パンフレットを渡し、活動内容の写真を見せたり、施設内を案内し、約1時間ほどかけて対応しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

 サービス利用契約書は、すべてフリガナがついており、利用者が理解しやすいようになっています。それでも理解が困難なことがほとんどなので、主に家族を、本人の代理ととらえ、説明しています。意思決定が困難な利用者への配慮についてルール化されておらず、説明、運用が図られていません。
 本人の入所意思は口頭で確認しています。今後、説明方法や配慮の仕方をルール化することが課題となっています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

 利用者の高齢化等に応じて、高齢者施設への移行に対応しています。その場合、相談支援事業所と連携し、移行先のショートステイなど体験利用に施設の職員が同行して、適切な施設か否かを確認しています。
 移行後も元担当者が訪問して様子を見に行っています。移行にあたっての手順を文書化することは今後の課題です。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 利用者へのアンケートは実施していませんが、担当職員が意見や希望を日常的に聞きとっています。希望者が対象ですが、毎月オンブズパーソンが訪れ、利用者の声を聞き取り、その内容は施設にフィードバックされています。給食会議に利用者が参加し、意見を述べています。
 今後、自治会組織につなげることを課題としています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

 苦情受付から解決に至る仕組みができており、毎回丁寧に対応してきたことが記録で確認できました。内容は家族会に報告され、事業報告書にも記載されています。
 いずれも施設関係者や法人理事会あての報告なので、申し立てた利用者家族への配慮と記載内容を工夫しつつ、対外的な公表を検討されることが期待されます。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

 利用者は、担当職員にその都度、自由に意見を述べており、他の職員にも自由に意見を伝えられる環境となっています。
 これまでとりたてて文書で説明したり、掲示する必要性を感じてこなかったことから文書化したもの等はありません。利用者や家族から相談があるときは、必要に応じて、1階の相談室が使用されています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

 意見箱が玄関ホールに設置されておりますが、投函はほとんどないようです。相談や意見を受けた際の記録の方法や報告の手順、対応策の検討等について定めたマニュアル等の整備には至っていません。
 相談意見は、主に担当職員が受けて対応し、日々の日誌に記録されています。利用者は給食会議に参加し、メニューの希望を言ったり、嗜好についての意見を述べています。また、外食の希望も多く出されるので、企画を具体化、予算化を行っています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

 事故のレベル内容に応じて、インシデント報告、事故報告書、交通事故報告書が作成され、対策の検討、実施がされています。虐待が疑われたり、交通事故など特別重大なインシデントは法人が事故検証委員会を立ち上げ、独自に対応をとります。
 リスクマネジメントに関する委員会を設置するなどの体制整備には至っていません。リスクマネージャーは選任されていませんが実質上、副主任がその任を担っています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 感染症対策は、法人のマニュアルで各事業所で標準化されています。利用者が感染した場合、職員が感染した場合など、ケースに応じて対応基準が定められています。流行期に感染予防や安全確保について、施設の看護師による情報提供、指導がされています。
 今年度は、ノロウィルス感染予防と対応方法について勉強していました。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

 所長を責任者とする非常時対応体制や、自衛消防(水防)組織が決められています。富士山噴火への対応もマニュアル化されています。利用者・職員の安否確認は「一斉通報システム」が導入されています。
 備蓄品は現状利用者1日分なので、1週間分の備蓄を目標としています。また、災害後の「事業継続計画」策定も課題です。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:c】

 理念や利用者尊重や権利擁護などの方針は、法人の職員ハンドブックに明記されていますが、日常の各部門における標準的な業務マニュアルがありません。
 職員の入れ替わりがあっても、法人の理念や姿勢が日々の業務に具体化され、利用者への標準的な福祉サービスを継続できるように、業務マニュアルの整備が望まれます。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

 マニュアルは未整備ですが、福祉サービスの標準的な実施は、毎月の支援検討会議等で詳しく検証されています。半年ごとのモニタリングで、その検証内容が個別支援計画に反映されています。
 標準的サービスの検証、見直しの時期や方法は今後、業務マニュアルに明記されることが望まれます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

 所長のリーダーシップで、法人内で事例検討会が実施されています。ここでは支援困難なケースについて、支援方法や理解、妥当性などを報告しあい、サービス対象が異なる事業所職員からも意見を出し合い、施設横断的に学びあう場となっています。
 利用者の意向把握と同意を含んだ手順を定めていませんが、日常的に毎月の支援検討会議で職種横断的に支援内容が話し合われています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:c】

 個別支援計画は、サービス管理責任者が責任者として計画を策定し、毎月の支援検討会議の主催し、半年ごとのモニタリングを通じて計画の見直しを行っています。
 サービス管理者研修で学んだ手順にそって実施されているのですが、施設として個別支援計画の策定から見直しまでのルールを明記した文書を整備することが課題です。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

 記録書式は、法人ソフトの様式で統一されています。職員の書いた記録は、副主任がチェックし、記載方法などをそのつど指導しています。
 常勤職員は全員、業務用アカウントをもち、法人からの連絡や情報を随時受け取ることができます。また、チャットワークを導入し、職員相互が業務連絡、情報交換できることになっています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

 施設のパソコンからデータをとりだせない仕様になっています。USBは法人が指定し登録されたもの以外利用できず、利用履歴もわかるようになって厳重な管理がされています。
 スマホ等の撮影は厳禁、法人指定のデジタルカメラでのみ撮影が許可されています。SDカードもすべて登録されて、セキュリティーが徹底しています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っています。各部門で日々利用者から活動内容の希望を聞き、最大限本人の意向を尊重し、仕事や活動を行うようにしています。また、給食会議には毎回、6~8人の利用者が参加し、会議のはじめに食事の感想や希望メニュー、そのほかさまざまな意見を率直にだしています。
 この夏には、利用者の希望に応え、ウナギを提供しました。重症心身障害から就労支援までの幅の広い特性をもつ方が通う施設のため、利用者ひとり一人に配慮した支援をモットーとしています。今後は作業の工賃をあげて仕事へのモチベーションを向上させることを課題としています。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されています。利用者の人権擁護は、最も大切なテーマであるとして、毎年、法人内外から約1,000人が集まる「人権報告会」を続けています。権利侵害はこの3年間で生じていませんが、もし発生した場合は、所長からエリアマネージャー、常務理事、事務局長、理事長へと報告があがり、常務理事を委員長とする事故検証委員会を立ち上げます。
 第三者メンバーに入り現地を視察、検証しています。行動制限については、重症心身障害者対象に、安全確保のため車いすベルト等をしていますが、国のガイドラインに基づき実施し、家族から同意書をとっています。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者の自律・自立生活のための支援を行っています。日常必要な金銭は、財布をもち、自分で管理しています。昼の休憩時には、利用者が自由に自動販売機で飲み物を購入する姿がありました。通所時に、自分のロッカーに所持品等を入れて、自分で施錠します。鍵は紛失防止のため、帰宅時に事務所で預かる支援をしています。
 日課については、利用者自身で決め、職員がそれを支援するスタンスです。作業室での当番の順番を、利用者が考えて決めて、利用者が表に書いて掲示していました。行政手続きについては基本的に家族が行っていますが、それが困難な場合は、相談支援事業所と協力して行っています。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っています。重症心身障害者支援では、1対1の個別で対応し、利用者の表情など様子から、職員が利用者の意思を汲み取るようにしています。利用者同士の人間関係のトラブルに職員が仲裁し、当事者のコミュニケーションを支援しています。作業室では、それぞれのブースに本人の特性に合わせて理解しやすいような図や絵も使って、予定などがわかるように工夫しています。
 また食品作業室では、作業の工程がわかりやすいように、写真や図を使って、壁に表示していました。必要に応じて、利用者本人の代弁者である家族に報告、相談し、連携をとっています。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っています。利用者が職員に話したいときには、随時受け止め個別に話を聞くようにしています。相談内容は、夕方のミーティングでグループ職員にも伝え、日誌にも記録しています。また、毎月開かれている支援検討会議でも報告され、他の職員にも周知し、職員全体で情報共有できるようになっています。
 相談内容は、内容によっては個別支援計画の変更にかかわるので、サービス管理責任者が担当職員と協議しながら、個別支援計画の改定につなげています。個別支援計画は、半年に一度は改定されており、利用者、家族の同意を得ています。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:a】

 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っています。利用者は、毎日の日課を自分で決めることができます。その日にどんな作業をするかは、本人の希望を尊重しています。土曜日に多くのレクリエーションや多彩な文化活動に取り組んでいます。書道、草木染、こいのぼり製作、ボランティアによるマジック、ファミリーアンサンブル鑑賞、皿回し・傘回し等を楽しんでいます。
 毎年、横浜そごうで開催される「等身大画展」に利用者作品を出品していますが、ファッションデザイナーの協力で作品を制作してます。いずれの企画も、「またやってみたい」という利用者の声をもとに実施しています。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っています。専門知識の取得と支援の向上を図るため、平成30年度は、法人内施設内研修が12回、延べ38名、法人外研修に25回、延べ32名が参加しています。また、職員が業務に関係する資格取得については、法人が全面的にバックアップしており、取得費用は法人が負担しています。
 毎月の支援検討会議において、障害特性に応じた支援方法を職員間で理解、共有を図っています。行動障害を原因とする利用者間のトラブルに対し、ワークルームの変更など、適切な対応をとっています。また、相談支援事業所や発達障害アドバイザーの協力を得ています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っています。食事は、厨房で調理し、調理業務は給食業者に委託しています。栄養量を満たし、適温の食事に配慮して、利用者が楽しめるような食事を目的としています。給食会議には利用者が参加し、食事の嗜好について意見を述べており、実際に献立に反映されています。食事形態は、利用者の障害特性にあわせて刻みやミキサー食を提供しています。
 重症心身障害者の部門では、入浴業務を毎日行っており、機器浴槽を2台使用し、職員が介助しています。トイレは車椅子でも利用可能です。また送迎車が4台あり、自宅近辺への送迎を毎日行っています。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:b】

 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されています。館内は全館冷暖房完備で、とくに重度心身障害者が活動する1階のスペースは、床暖房となっています。
 利用者は、それぞれ好みの場所があり、階段の踊り場、更衣室、エレベータ前等で休憩時間に思い思いに過ごしています。他の利用者に影響が出るときは、一時的に会議室や相談室を当てていますが、来客や面談で使えないこともあります。利用者の意向はその都度職員が聞き取って対応していますが、利用者の意向等を把握する取組方法の検討が期待されます。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っています。重症心身障害者は四肢の拘縮が進まないように、毎日、運動やストレッチを行っています。月に2回程度、法人の「トランスフィットネス」のスタッフが訪問し、体操、ストレッチなど運動指導をしており、利用者も楽しみにしています。
 大和市内の桜ヶ丘中央病院リハビリテーション科と契約しており、言語聴覚士が3ヶ月に一回訪問し、利用者の咀嚼や嚥下の状態を診ています。利用者ごとに個別支援計画がたてられており、その中に必要な機能訓練、生活訓練の内容が明記されており、半年に一度のモニタリングで内容の検討と見直しがされています。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っています。健康診断は年に2回(9月、3月)行っており、結果については文書で報告し、必要に応じ、精密検査、再検査の要請について連絡しています。とくに重症心身障害者に対しては、毎日バイタルチェックをし、入浴時に全身の状態を観察しています。
 法人が経営する「大和さくらクリニック」と連携し、2ヶ月に1回、巡回診察を受けられます。看護師が2名配置されており、送迎の車両に必ず添乗し、体調異変時の処置などの対応をしています。職員会議等で、ノロウィルス、インフルエンザ感染対策などの研修を、看護師の講師で、実施しています。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:a】

 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されています。重症心身障害の利用者のうち、気管切開の利用者が通っているので、主治医の指示のもと、職員が喀痰吸引などの医療的ケアを実施しています。喀痰吸引の指導認定資格をもつ看護師の指導の下、法定の研修を受けて認定資格を持った支援員が、特定された利用者の喀痰吸引の行為を行っています。
 毎月開かれる施設の看護師主催の「安全会議」が毎月開かれ、医療的ケアの安全確保や健康管理について協議、検討しています。薬は透明なビニール袋に入れて、利用者ごとに色違いのカードをつけ、名前と服薬内容を明記して、誤薬を防ぐ工夫をしています。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っています。利用者が大きな筆と墨を使い、等身大画の人物絵を作品にする、等身大画の展覧会を毎年、横浜そごうで開いています。制作から展示まで、デザイン工房の協力を得て開かれる展示会は、毎回盛況です。さらに作品は、街中の横浜銀行の建物に屋外に向かって大きく展示されたこともあり、社会への参加とひろがりが感じられます。
 使用済みのペットボトルのキャップを収集し、世界のこどもたちにワクチンを届けるNPO団体に、利用者とともに届ける活動をしています。寄付したキャップ量で、何人分のワクチンが届けられたか報告を受けています。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っています。利用者は入所施設ではなく、自宅やグループホームを住まいとしているので、地域生活を続けていくためにも、通所施設である当施設に安心して安全に通えるよう、運営面で配慮をしています。グループホームに入居を希望する利用者に対しては、情報提供を行い、見学の同行も行っています。必要に応じて、ショートステイの情報提供も行っています。
 また、利用者の高齢化にともなって、高齢者向け施設の方が、本人が地域生活を継続するためにはふさわしいと考えられる場合、デイサービスの紹介も、相談支援事業所の協力を得て、実施しています。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っています。家族会があり、年に4回開かれており、施設側の報告や懇談・交流が行われています。また、活動している様子を撮った写真や動画を上映したり、グループに分かれて懇談しています。
 家族会からは、非常時の備品などの寄付も得ています。利用者の生活状況や支援については、日々、送迎時に随時、家族に報告するとともに、半年に1回、個別支援計画のモニタリングの際に全員と面談して、意見交換や相談に応じています。毎年11月に施設で開く、お祭り(菜の花マルシェ)には、家族、親族も自由に参加し、出店の手伝いもしてくれています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っていますが、利用者一人ひとりの意向や障害の状況にあわせた支援が徹底出来ていません。就労に向けて、朝起きれない利用者には寝る時間を確認し、生活のリズムを整える指導をしたり、性的な教育も行っています。利用者の意向や障害の状況にあわせた能力向上や仕事や支援の内容について、利用者への定期的な報告と話し合いはできていません。不満を持つ利用者の把握と対応が課題となっています。
 就労を希望する利用者には。就労援助センターや就労移行支援の事業所を紹介するなどの情報提供をしています。体験実習に職員が様子を見に行くなどの支援を行っています。作業収入は波があるが、収入増になるよう心掛けています。

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っています。仕事内容は、利用者の状態に応じて人間関係などを考慮して出来そうなことに割り振りをしていますが、希望により選択できるようにしています。
 製菓部門は衛生上のこともあるので、選択できるようにはなっていません。工賃は一覧表で利用者に説明しています。工賃は生活介護と就労継続支援B型事業所も一律にしているため、分かりやすくなっています。

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:b】

 就労援助センターや受注先の会社から就職先を紹介してもらっています。過去3年間で3人就職していますが1人離職しており、利用者と企業とのマッチングなどの支援などが課題となっています。
就職後3ヶ月位は家族と連絡を取りながら、就職先を訪問して、本人から話を聞くなど様子を見ています。離職しても戻れることは伝えていて、実際に離職した利用者の受け入れをしています。