社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

中心荘 第二老人ホーム(短期含む)

2020年04月07日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 かながわアドバンスサポート

② 施設・事業所情報
名称 中心荘第二老人ホーム、(短期含む) 評価対象サービス 高齢者福祉サービス版
対象分野 短期入所生活介護, 特別養護老人ホーム 定員 50 5 名
所在地 243-0431
海老名市上今泉4-7-1
TEL 046-231-7152 ホームページ http://www.chusinsou.net/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 1985年06月15日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 中心会
職員数
常勤職員:33 名
非常勤職員:44 名
専門職員
社会福祉士:2 名
介護福祉士:27 名
介護支援専門員:6 名
看護師、准看護師:7 名
管理栄養士:2 名
施設・設備の概要
第一老人ホーム:17室
第二老人ホーム、短期入所生活介護:19室
第二老人ホーム通所介護室:97.35㎡

③ 理念・基本方針
―、私たちは、ご利用者の代弁者となり、ご利用者の尊厳を守り続けます。
―、私たちは、ご利用者がその人らしさを発揮できるよう、ご家族、ボランティアなど関係者の皆様と協力しながら、サービスの質の向上に挑み続けます。
―、私たちは、ともに成長し合う職場風土を基盤とし、福祉人材の確保、定着、育成をしていきます。
―、私たちは、地域の高齢者の方々が住み慣れた地域で安心して暮らし、なおかつ精神的な豊かさが感じられるよう、地域包括ケアを推進していきます。
―、私たちは、地域社会に喜んで頂ける活動をしていきます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
1.県央で高齢者向け4施設を経営する、歴史ある法人です
 本事業所は神奈川県中央部、海老名市の高台、相鉄線かしわ台駅より車で10分の場所にあります。遠く丹沢山系を望む閑静な佇まいのなかに中心荘第一老人ホームを昭和55年に建設、現在、特別養護老人ホーム2施設、短期入所生活介護、認知症対応型通所介護のサービスを提供しています。また、設置法人は市内でえびな南高齢者施設、えびな北高齢者施設を運営し、県央では古くからある社会福祉法人として知られています。
2. 10年ビジョン「“あなたがいてくれて良かった“と思える街づくり」の実現にむけての戦略経営計画が設定されています
 平成20年に創設60周年を迎えた本設置法人は未来に向けての新しいビジョン作りを始め数々の社内改革を実行しています。最終目標である「顧客の幸せ」を「サービスの質の向上」と「サービスの拡大と見直し」で実現できるとし、その達成手段として「「職員の充実」「地域との協働」「行政との協働」「財務の健全性」を重点課題として、その課題ごとに具体的な戦略成果を掲げ 毎年反省をしながら今日に至っています。
3. 「職員としての成長のステージ」設定で職員のモチベーションを上げる
 10年ビジョン実現のためには要である職員の成長がなければ達成できないとして2011年「中心会職員としての成長のステージ」を作成、「社会人として」「専門人として」「組織人として」の3側面から職員の成長する姿を年度ごとに描いて学習、研修を通じてサポートしています。
4.神奈川県の優良介護事業所として認定されています
 第一老人ホームでは、「10年ビジョン」、「職員の成長ステージ」などの取組の成果が2018年度「かながわベスト介護セレクト20」に選定されています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/10/01(契約日) ~2020/03/04(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1.本事業所が設置法人傘下の数多い高齢者福祉事業の中にあって、「生産性向上プロジェクト」のけん引役を務めています
 2018年度に、事業計画内の「生産性向上プロジェクト」の法人プロジェクトの率先垂範を、本事業所が受け持つことになり、所長、生活相談員、看護師と5名の介護職員、計8名で「タスクフォース」を組み、所長がリーダーとなり本事業所内で進めています。また、ライフ・ワークバランスについては、本事業所がモデルケースとなり、①残業減対策、②仕事量の減、を職員の英知を結集しながら進めてきました。
2.職員のキャリアパスに応じた「成長のステージ」の運用
採用した職員については、現任職員と同様に「成長のステージ」に則った、「個人品質目標」を持ち、施設内研修や外部研修受講を進めていきます。また、資格を取るための外部研修受講費用は事業所が持つなど、費用面で支援しています。
3.職員の職場環境の改善への取組
職員の有給休暇取得状況に滞りが出た場合には、設置法人総務部によるチェック体制も働き、事業所としては如何にして有給休暇を消化できるか職員本人と相談の上、全職員の有給休暇の完全消化に努めています。
4.情報整理手法で利用者の容態の改善
 第一老人ホームでは、家で食事が全介助だった入所者を介護職13年の女性職員が「利用者のできることを見つける」という積極的なアセスメントを行い、栄養士、看護師、PTと連携し、自分で食事ができるところまで回復させた事例がありました。「できない」からでなく「できること」を始めようと機運がホームに生まれました。
改善を求められる点 1.職員のより高次なケアをめざすためのツールとして、記録のさらなる充実
 一番重要な情報である利用者個人ごとのケース記録は充実しており、利用者の現況を把握するツールとして機能しているようです。しかし職員からより詳細な介護記録を求められています。その背景には介護職員の気づきで食事が自前でできるまでに回復させたケースで神奈川県の介護最優秀賞を獲得した例、2018年の「かながわベスト介護セレクト20」に選ばれた例などに触発されて、より高次のケアを望む職員の意欲が垣間見えます。記録フオームの統一化、報告書の書き方、社内ネットワークの使い方を「使う立場」での再考を期待いたします。
2.通所介護における機能訓練等の支援体制
 ➀利用者の状況に応じて、機能訓練や介護予防活動について、専門職の助言・指導を受けることを期待いたします。
 ➁利用者の希望としてカッターナイフ、ハサミを使用しての折り紙作業をプログラムの一つとして行っていますが、周囲の利用者、介護職員への安全確保を十分に配慮できる支援体制が組まれることを期待します。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
中心荘第一・第二老人ホームでは、これまで第三者評価を受審していませんでしたが、法人内で先行している児童養護施設から受審の有効性の意見を伺い、当事業所でも定期的な自己評価・利用者評価・第三者評価をステップとしたサービスの質向上の取り組みの必要性を感じました。
初めての取り組みでしたので、神奈川県社会福祉協議会主催の説明会への参加から始めました。その後、予算確保、複数ある評価機関の選定等を経て、自己評価の取り組みに着手したのですが、人員不足の中でサービス提供している職員にはその時間を生み出すことが難しく、ほとんどを各部署の責任者に頼らざるを得ない状況でした。そのような厳しい状況ではありましたが、各部署の責任者、職員の努力の結果、何とか第三者評価機関による訪問調査も受けることができ、この度評価結果をいただくことができました。
結果からは多くの課題が見えますが、今後優先順位をつけ、解決していきたいと思います。職員が忙しい中貴重な時間を割いて取り組んだ結果なので、協力し合って成果に結び付けたいと思います。また、第三者評価機関の皆様には大変お世話になりました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

・法人理念及び基本方針は、「私たちの使命」として、体や環境において「不自由」「生きにくさ」を感じている人、可能性のある人に「養護」「介護」「関連する諸サービス」の提供を通して社会に貢献すること、「私たちの目指す姿」として、「人の幸福に貢献することを喜びとする職員集団」とし、「私たちの信念」として、「尊厳」「公正」「有能」「協働」「革新」を掲げて福祉活動に当たっています。
・上記、法人理念に加えて中心荘第一・第二老人ホーム理念を打ち出し、「利用者の尊厳を守り、サービスの質の向上に挑み続ける、など」、職員の具体的行動規範を明文化しています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

・運営状況については、中心荘第一・第二老人ホームの管理職が随時把握し、中心会の理事長は「全国社会福祉協議会」の役員も務めるため、全国での業界動向情報も得ながら事業を進めています。
・設置法人中心会の管理職は、海老名市の福祉関連団体の役員も務めており、地域の福祉関連の状況・情報は逐一入手できるため、本事業所の管理職で問題を分析し、対処しています。地域福祉関連団体役員からの情報で、地域ニーズの変化などをいち早く把握して、事業所の取るべき方向を定めています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

・「事業計画書」は、前年度の「評価・反省」をもとに、各部署ごとに本年度目標を定め、具体的行動計画も明確にしています。第一・第二老人ホーム所長は、法人理事でもあり、本事業所の課題は必要な都度、法人理事会でも報告しています。
・「事業計画書」は、年度初めに全職員に配布することにより、内容は全職員で共有しています。各部署における事業計画には、①目標、②目標の背景、③達成手段、④監視測定(進捗状況・達成度確認)の4段階の作業を明示し、各目標ごとに職員で構成される各グループにテーマを分担させて、責任体制を明確にしながら実行しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・法人理念、中心会第一・第二老人ホーム理念達成に向かって、毎年度の評価・反省の中から課題を分析、抽出し、事業計画を進めていますが、中・長期計画との形にはなっていません。事業所には「10年ビジョン」という長期目標を掲げて、この達成のために、事業計画を打ち出し、単年度の具体的行動計画を実行しています。
・目標は変えずに、事業計画の遂行を持って、PDCAを回しており、中長期計画の見直しはなくても、必要に応じて、目標に対する行動計画を見直しており、本設問には違わないと判断します。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

・理念達成に向かって、毎年度の評価・反省の中から課題を分析、抽出し、事業計画を進めていますが、中・長期計画との形ではなく、「10年ビジョン」を長期目標計画として行動しています。
・例えばある部署をみると、事業計画の目標は「ご利用者の生活しやすい環境づくりを、チームで取り組む」などとし、具体的な達成手段に結びつけています。達成手段は、①職員の意識改革;5S学習、②各自の気づきを出し合う;「気付きシート」記入・提出、③具体的改善箇所には、担当リーダー、チームをきめる(5月までに)、④計画立案(5月までに)、⑤毎月職員会議で進捗状況確認など、数値目標も入れて、進捗状況が確認されやすい形となっています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

・事業計画は、前年度の全職員が参加する目標の、達成度についての「評価・反省」から本年度計画に結び付けており、全職員が関わって策定されています。
・各部署における事業計画には、①目標、②目標の背景、③達成手段、④監視測定(進捗状況・達成度確認)の4段階の作業を明示し、各目標ごとに職員で構成される各グループにテーマを分担させて、責任体制を明確にしながら実行しています。
・計画時効期間中であっても、「評価・反省」により、計画変更の必要性が生じた場合には、職員会議にかけ、見直しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

・2019年度家族会において、2019年度事業計画について説明しています。
・家族会での説明の後、アンケートを取り、家族の意見も聞いています。
・事業計画案では、要点を纏めたコピーを手渡し、説明しています。
・事業計画書は「閲覧可能ファイル」として、玄関の棚に置き、誰でも手に取って、読むことができます。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

・2002年に中心会第一、第二老人ホームは、ISO9001認証を取得し、仕事やサービス提供については、PDCAサイクルにより改善を繰り返してきました。現在は認証を取得していませんが、その方法は根付いています。
・事業計画の各目標については、定期的に各グループ内で進捗状況の「監視測定」を行い、結果を月一回の職員会議で発表しています。
・職員(上司を除く)一人一人については、年3回の上司との個人面談を通じて自己評価としての「成長ステージ」を計り、施設の自己評価は管理職が毎月行い、職員会議で結果を発表しています。
・職員会議で討議された事業所自己評価結果から、課題を抽出し、担当部署に振り分けられ対応します。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

・職員会議で討議された内容は、会議議事録に記録され、回覧され全職員で共有します。
・抽出された課題については、各職場に振り分けられて、担当部署では必要なら実行グループの編成替えも行います。
・テーマ・課題を割り振られた部署では、グループによる具体的対応策を立案し、担当者を決めて実行に移します。
・本年度の事業計画目標の実践グループが対応することになります。
・本改善計画の見直しも、PDCAサイクルに則って進めます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

・行政への指定申請時の必要書類として運営規程があり、管理者の職務については明確な規定がなされています。
・事業計画を組織立って進めるために管理者は、家族会などで自分が責任者として実行の決意を表明しています。
・事業計画の遂行に当たっては、権限を各部署に移譲はするが、責任は管理者が持つ旨、責任体制は明確にしています。
・管理者の不在代行を含めて、本事業所の管理職会議では明確にしています。また、消防法による避難訓練計画書の中に、管理者を含め、各職責の非常時の役割分担は明記されています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・所長は行政の福祉事業管理者チェックリストに自らが採点する自己評価を行っています。行政に定期的に提出することが義務付けられている「運営状況点検表」には、自らが記入、提出しています。
・介護保険法の説明会には、所長自ら出席し、結果を持ち帰り、職員会議などで必要ならば討議しています。
・海老名市は廃棄物量の減量や、ごみの分別を推進しており、事業所はこれに協力しています。
・職員に対しては「個人情報保護法の遵守」「高齢者虐待防止条例」などについて、自ら企画し、後者は施設内研修を行っています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

・所長は毎月の職員会議に出席し、事業計画の進捗状況や各事業よりあげられる問題点などを職員と一緒に討議し、改善策を見出しています。所長はその実行の最高責任者として組織をリードし、職員会議以外でも必要な職員同士の打ち合わせ、会議に出席し、意見を述べることもあります。職員とは個別面談を通じて、要望・意見を把握し、職員一人一人には「成長ステージ」と照らし合わせた「個人品質目標」に結びつけ、研修の受講など費用を事業所が持つなど援助しています。職員の質向上に対しては「年間研修計画」に反映させています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

・毎月の「管理職者会議」には、所長が記入する「運営状況報告書」を、提示して、全員で問題がないか議論しています。
・理念や基本方針の実現に向けて、人員配置、職員の働きやすい環境整備等は事業計画で明確に打ち出し、各部署に展開して取り組んでいます。
・2018年度は、事業計画内の「生産性向上プロジェクト」の法人プロジェクトの率先垂範を、本事業所が受け持つことになり、所長、生活相談員、看護師と5名の介護職員、計8名で「タスクフォース」を組み、所長がリーダーとなり本事業所内で進めてきました。現在も一部の取り組みを行っています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

・設置法人の総務部には事業計画としての「人材確保計画」があり、正規職員は設置法人採用となりますが、非常勤職員は、各事業所での採用となります。
・費用面においては総務部が「上限人件費」を定めており、その枠内での各事業所採用となり、各事業所はそれぞれの「事業計画書」に沿って、人員を採用します。
・採用した職員については、現任職員と同様に「成長ステージ」に則った、「個人品質目標」を持ち、施設内研修や外部研修受講を進めていきます。また、資格を取るための外部研修受講費用は事業所が持つなど、費用面で支援しています。入職希望者を紹介した職員に対しては「奨励金制度」があります。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

・職員には、キャリアパスに応じた中心会職員としての「成長ステージ」があり、法人が「期待する職員像等」を明確にしており、職員はその中で将来の姿を描くことができます。
・新たに資格を取得した時には資格手当が支給され、欠勤などのマイナス面では、給与、ボーナスの減給など、個々の状況によって、査定があります。
・地域の海老名市、座間市、大和市、綾瀬市などの福祉事業給与水準などには注意を払っております。
・年1回の職員意向面談で得られた、職員の意向については可能な限り事業計画など運営の中で生かしています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

・職員の有給休暇取得状況に滞りが出た場合には、設置法人総務部より個人名を表面に出したアラームが発せられ、事業所としては如何にして有給休暇を消化できるか職員本人と相談の上、全職員の有給休暇の完全消化に努めています。
・課長、課長補佐は、配下の職員の生活状況、健康状態には絶えず気を配っています。法令による「ストレスチェックリスト」に記入してもらうなどして、職員の状況把握に努めています。
・所長は毎月各部署の長とミーティングを行っています。
・個々人の要望をもとにして、過去には①計画年休取得制度の実施、②忘年会費用の一部支給、③健康保険組合の福利施設利用、等の道を開いてきました。
・2018年度には、ライフ・ワークバランスについては、本事業所がモデルケースとなり、①残業減対策、②仕事量の減、を職員の聰智を結集しながら進め、その一部を今年度実践しています。
・ライフワークバランスの確立こそが、働きやすい職場であるとして、鋭意、仕事の中身を分析し、改善の芽を探査しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・設置法人では職員が入職する際には「中心会職員の成長ステージ」をまとめた冊子を手渡し、組織として期待される職員像を明確にしています。冊子は正職員、非正規職員を問わず、全員に配付しています。
・一般職員には、職員のキャリアパスに応じた「成長ステージ」を明確にすることで、年3回の個人面談により上司の助言を受けながら、「個人品質目標」(年間自己啓発計画、研修受講計画、資格取得計画など)を立て、中間期では進捗状況の確認・助言を受けながら、年度末では評価・反省をし、来年度計画に結びつけています。
・「成長ステージ」には目標に対する数値、期限などが盛り込まれていて、容易に進捗状況を計測できるようになっています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

・設置法人や事業所の理念、基本方針、さらには事業所の「事業計画」に中に、「期待される職員」像を明示しています。「中心会職員の成長ステージ」には、組織が職員に必要とされる専門技術や専門資格を明示しています。
・事業所は年間研修計画を策定し、教育研修を実施しますが、各職員は自らの「個人品質目標」に向かって、外部研修や外部資格研修を受講します。年3回の個人面談で職員は自らの「個人品質計画」の評価・見直しを行っています。設置法人と事業所は、年間研修計画に対しても、PDCAサイクルを回し、見直しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

・新任の正職員には、入職3年目の先輩職員をエルダー制度により、man to manで貼り付け、OJTを実施しています。新任の非常勤職員に対しては、課長、課長補佐によるOJTを実施し、進めています。
・設置法人及び事業所は年間研修計画の策定に当たっては、職員の職務や必要とする知識・技術水準を考慮して対応しています。
・資格取得研修などは、参加費・交通費を事業所で負担するなど、参加を奨励しています。職員が一人でも多く参加できるように、施設内研修で同じテーマを3回行うなど工夫しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

・実習生受け入れに関しては、事業計画に「後継者の育成として受け入れていく」と明記して進めています。実習生受け入れに関しては「実習のしおり」があり、受け入れに際しては「オリエンテーション」を行い、事業所の理念・基本方針などを説明し、さらに「個人情報の保護」についても説明しています。
・実習プラグラムについては、本人の希望、学校からの要請をうけ、事業所からの都合も合わせて、相談して決めています。
・実習開始に当たっては、プログラム内容の説明を含めて、学校側と事前連絡を行い、連携して進めています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

・設置法人や事業所のホームページには、理念や基本方針事業計画、財務内容などを公表しています。地域に配る事業所の広報誌には、地域の福祉向上のための取組の実施状況などを詳しく公表しています。広報誌は年4回、発行しています。
・地域包括支援センターには、理念・基本方針を詳細に乗せている「中心会パンフレット」を置き、地域の人たちに手に取って見てもらっています。また、地域の自治会には所長が出席し、事業内容を説明しています。
・事業所の広報誌は、毎年4回、毎回6500部を地域に配布しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

・事業所における事務、経理、取引等に関するルールは、経理・経営規程に、職務分掌と権限・責任は組織及び職務権限に関する規程に明記してあり、全職員は、職務に必要ルールは入職時に配属先別に説明を受けています。
・本年度より内部監査は取り止め、各事業所にて定期的に資料を作成し、管理職会議にて承認の上、設置法人本部へ文書にて報告する形としました。
・本部の理事会には3名の監査役が居り、年度末には会計監査を行います。また、行政監査は引き続き受けていて、指摘事項があれば、速やかに理事会に報告し、改善行動をとります。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・地域交流は入所待機者の増加につながる施策でもあるため、自治会の協力を得て事業所の広報誌「えびな福祉NEWS」A4サイズ8Pを年4回発行し、市内全域に回覧し、福祉ニュースや事業所のイベントなど市民へPRし、同時に施設関係者へも配布、地元との交流を積極的におこなっています。
・公益的取組としては「空き部屋の無料開放」の案内など、地域で掲示しています。
・近隣の住民多数が集まる毎年のバザーを通じて交流を図っています。
・中学校2校、高校からの体験入所も受け入れています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

・ボランティアの受入に際しては、生活相談係の「手順書」の通り、オリエンテーションを行い、注意事項を伝えています。
・ボランテイアがほぼ毎日来所し、利用者の生活に潤いを与えています。施設内のボランテイア会には40組が登録し、2018年度年間260組が来所し慰問しています。
・海老名の「お裾分けクラブ」も延べ320名来所し 草むしり、洗濯物たたみ、演芸、フラダンスなど、幅広いプログラムを提供し好評です。事業所には特養2、デイサービス1、短期入所1施設があるため、分散して活動しているようです。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

・設置法人の理事長は全国的団体の役員を、所長は県央4市連合の高齢者福祉協議会に所属し、関係機関との連携は密接であり、必要情報はすぐに入手できてます。
・関係機関からの重要な情報があれば、管理職会議、職員会議などで説明し、共有しています。
・介護職員の不足で定員の減少を招くことが当面の最大課題であり、その対処方法に苦慮しているようです。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

・年2回自治会長、地域包括センター職員、家族が参加する運営委員会で福祉ニーズを探り、年4回、加入している自治会会合にも出席し、近隣の福祉動向に気を配り、現在直面している「待機者減少問題」に取り組み、解消すべき方法を模索しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

・法律が定める私費での公益的事業として地域住民とのバザー、2中学校からの職場体験、地域10団体に延べ146回空き部屋を無料で貸し出し「海老名市の福祉避難所として施設 の提供」、「ひきこもりなどユニバーサル就労支援」に4人を71日間受け入れ、など主体的に活動し 自治会のコミュニティセンター祭り、秋葉山古墳清掃などにも参加した実績があります。
・2020年度よりホーム内に衣料品などの雑貨の店を呼び込み、利用者の買い物ニーズに応えようとしています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・事業所では入職者全員へ「10年ビジョン」「中心会職員としての成長ステージ」「事業計画書」の3点セットを配付し、会議で施設の理念が「利用者一人ひとりがかけがえのない存在である」ことを認識してもらうと同時に、職員自身も経験年数に応じたステージごとに成長する取り組みを提示、モチベーション維持・向上に努めています。
・利用者の尊厳を守るために、虐待防止の研修に力を入れています。
・「態度マナー自己評価表」により、各職員は4か月に1度、「チェックリスト」に記入し、上司との面談を受けています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

・利用者の尊厳を担保するために他人に知られたくないプライバシーの保護の方法を介助時に確認するよう徹底しています。
・入浴時には7項目、排泄時には3項目、日常生活では「態度マナー自己評価表」で5項目を例示し、厳守事項として職員は実行しています。抵触した場合は上司がその場で意見します。
・これらを実行することにより、利用者の尊厳が守られます。
・介護職員には「守秘義務」が課せられていることを教え、違反した場合罰則があることも研修で周知し、プライバシー保護に対しての強い姿勢を示しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

・利用希望者にはインターネットでは目につきやすい、スカイ色のホームページで施設内容を紹介し、海老名市全域に回覧される事業所広報誌「えびな福祉NEWS」を年4回発行し、高齢者が陥る日常生活での予防事項や中心会4施設の情報など毎号6400部もの部数を発行し、利用者予備軍へ紹介しています。
・この福祉NEWSは市内自治会60団体、市内老人クラブ、ケアマネ事業所など配布、海老名市でも有数の認知度を誇っています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

・契約に当たっては、入所案内、重要事項説明書、契約書などの内容を時間をかけて説明しています。重要事項説明書には、施設概要、運営方針、利用料金と支払い方法、個人情報の取り扱いなど18項目が記載され、末尾に説明を受け同意したことを確認しています。
・入所後の体調変化に伴う配置医師の関わり、看取りなど詳しい説明があります。配置医師と24時間対応ができ、入所者の安心を与えています。
・入所説明では入所は「引越し」であると明記され、住民票から保険証まで施設所在地への住所変更が必要と説明しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

・他施設や家庭へ帰った場合は個人情報の第3者提供の範囲内で記録は提供されサービスの継続は可能です。
・病気時の扱いについて利用約款によれば入所後病気で入院し3ケ月以内に退院できる見込みがある場合は、再入所でき、3か月以内の退院が不可能の場合は事業者から退所を求めらますが宥恕できるようです。
・「入院が決まったご家族様へ」のパンフレットには病院の個室と差額ベッドの自己負担額の違いについて詳述し、利用者の不利にならないように、「入院3ケ月」の情報が大きく書かれています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・利用者の満足度の把握はアンケート調査が最適との判断で各部署で行っています。2018年度は「外出・外泊の際の食事の不安」がある利用者に対してアンケート調査を給食係が行い、食事の不安が外出の少なさにつながっていること、その解消策として栄養士によるアドバイスで不安を取り除き、外出の楽しさを支援するというサービスの変化につながっています。
・デイサービスでは「デイサービスの満足度」アンケートを行い翌年のサービスに生かしています。毎年アンケートは行われています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

・事業所では苦情解決の仕組みとして職員全員が受付担当者となることが周知されています。解決責任者は所長とし、原則2週間以内に文書による回答をします。
・第三者委員の名称は使わず、「利用者処遇改善相談員」の名前を使うこと、事業所への直接の苦情申し立てを好まない人は、「匿名」で直接改善相談員へ電話できる体制を敷いています。
・広報誌には苦情内容 その対処状況を掲載して、ホームの透明度を高めています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

・苦情申立人に「迅速かつ誠実にその解決に努めます」と、ソフトに語りかける口調の「苦情対応の流れ」のフローチャートが掲示され、意見箱も見やすい場所に設置されています。
・「おかけになった電話が不明になるようになっています」という仕組みがとられていることが、意見を述べやすくしているようです。
・2019年度は中心荘全体で3件のみでした。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

・苦情は全職員が対応します。
・苦情に発展する可能性のある状況を敏感に察知し、所定の帳票で、受付担当者は「解決責任者(所長)」へ報告、所長は全部署へ発信します。
・受付担当者は2週間以内に事実内容を確認、原因を分析し、「苦情調査書」を作成、改善策を盛り込んだ文書で所長は申立人へ回答します。不満の場合は利用者処遇改善相談員へ審査請求します。審査会で意見の陳述もできます。
・苦情内容はホームページ、広報誌へ掲載されています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

・事故防止、衛生、感染症対策、身体拘束ゼロ、などの委員会が設置され、各部署の長が委員会に所属し、マニュアルも整備されています。
・2018年度報告書では「食べ物をのどに詰まらせる」事故があり、是正指示とその後の研修で「食事介助中の誤嚥事故は迷わずに救急車を呼ぶこと」を確認しています。
・インフルエンザの流行を2年連続で阻止していることが特筆すべき成果です。
・利用者の体調急変時にはおかしいと思ったら素人判断せずにすぐ119番へ電話するような仕組みをとっています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

・感染症予防が最大のリスクマネージメントとの意識から、予防対策を徹底し、ウイルスは湿度が50%以下になると蔓延する恐れがあるとして、大容量の加湿器を各ホールに置き湿度をあげています。
・2017年、2018年と2年連続で、健康管理課主導で全社的な感染症管理を行った結果、インフルエンザ、ノロウイルスの発生を抑えることが出来ています。
・職員はもちろん来客者にも手洗いやうがいを呼びかけ、看護師による研修、管理職による職員への意識徹底研修など、きめ細かなフオローが功を奏しているようです。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

・防災訓練は、火災2回、総合(地震と火災)1回、夜間想定火災1回、ALSOKの一斉メールによる地震・火災通報9回を全職員参加で行い、利用者は夜間想定とALSOKを除き参加しています。
・食料品の備蓄も7日分ります。
・防災設備の点検は毎月職員が行い、非常通報装置、スプリンクラーなどは委託業者が年2回点検を行い、災害時に備えています。
・事業所は敷地が広く高台にあるため市の避難所として提供しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

・中心会では法人単位でISO9001の認定を受けていましたが、今年度中心荘等一部の事業所は認証取得していません。しかし持続的に標準的なマニュアル類を整備し、文書化は完備しています。
・詳細な作業マニュアル、チェックリストがあり、毎年初心者、中堅職員対象の教材として、また、実践マニュアルとして研修教材に使用されています。
・2019年度から所長交代を機に、全社的に手順書の見直しに着手しています。
・OJT状況把握から作業が始められています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

・日常的に使っている手順書は実態に即しているか、非効率な部分はないか、法令の要求する点を満たしているか、必要があれば見直しする作業を毎月管理者が行っています。
・マニュアル類の見直しは管理職が行い、修正作業は各部署で行う仕組みです。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

・ICF(国際生活機能分類)という概念をもってして、「すべての人が生活の中で関わる健康上のあらゆる問題(ニーズ)」に真摯に向き合い、よりその方の生活が豊かなものになるように試行錯誤を繰り返しており、その中で、ICFによる情報整理シート(根拠)に基づき「生活7領域からとらえた解決すべき課題」のシートを活用して利用者の課題を抽出し、「施設サービス計画書」を作成しています。
・生活7領域とは、「衣生活」「住生活」「食生活」「体の健康(疾病、排泄等日常動作)」「心の健康」「家族関係」「社会関係」であり、課題抽出するために有効なツールです。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

・事業所は「包括的自立支援プログラム」を参考に作成してきたケアチェック表をアセスメントツールとして活用してきましたが、これをICFに基づいた7領域アセスメントに変更しました。1人の利用者につき年4回、3か月ごとにプランを見直し、「施設サービス計画書」を作成しています。そのため月2回検討会を開いていて、利用者の参加は難しいので家族の参加を求めています。
・その時の使用情報は、利用者に起こる毎日の特異な変化を記録した「ケース記録」です。日付順に分類された情報がパソコンに担当者により入力されたデータで、全員のケース記録と毎日施設内で起きたことが一覧で出力され、個人ごとの記録も日付順でわかる仕組みです。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

・一番重要な情報である利用者個人ごとのケース記録は充実しており、利用者の現況を把握するツールとして機能しているようです。
・しかし職員からより詳細な記録を求められています。その背景には介護職員の気づきで食事が自前でできるまでに回復させたケースで神奈川県の介護最優秀賞を獲得した例、2018年の「かながわベスト介護セレクト」に選ばれた例などに触発されて、より高次のケアを望む職員の意欲が垣間見えます。
・記録フオームの統一化、報告書の書き方、社内ネットワークの使い方を「使う立場」での再考を求めているようです。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

・利用者の個人情報は外部には流出しているケースはありません。
・利用者個人情報の第三者提供はその範囲を「個人情報使用の同意書}で定め、出入りの委託業者には契約書で利用者に関する情報を外部に漏らすことは禁止されています。
・受託業者には業務要領書でも規定しています。
・パソコンのUSBなどの記憶媒体の家への持ち帰りは所長の許可が必要です。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

・ICF(国際生活機能分類)という概念をもってして、「すべての人が生活の中で関わる健康上のあらゆる問題(ニーズ)」に真摯に向き合い、よりその方の生活が豊かなものになるように試行錯誤を繰り返しており、その中で、ICFによる情報整理シート(根拠)に基づき「生活7領域からとらえた解決すべき課題」のシートを活用して利用者の課題を抽出し、「施設サービス計画書」を作成しています。そのうえで、利用者一人一人が「お正月は何をしますか」などと答えやすい質問を3か月ごとに行うようにしています。但し利用者の意向は実行できている、するようにしていると言えるほど軌道に乗っておりません。
・入浴時、排泄時、日常生活様々な場面で、利用者の気持ちを聞くように努め、援助を行っています。
・1日に3プログラムを用意し、利用者の状態に合わせて職員が選択し、提供しています。
・利用者一人一人のリズムを大切にし、起床時間の遅い利用者のために朝食は2時間取り置きすることもあります。
・利用者が役割を持てるよう、箒掛け、たたみ物、外の草取りをお願いしています。
・利用者の快適な生活に配慮し、食堂への誘いや毎朝の顔拭きなど個別の対応を行い、生活リズムが整えられるよう支援をしています。「パジャマへの更衣」については職員不足もあり全員ではありませんが、先ずはパジャマや寝間着をお持ちの方から、お着がえをして休んでいただけるよう、取り組んでおります。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:c】

利用者の状況から実施していない

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:c】

利用者の状況から実施していない

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:b】

・利用者の尊厳を守るため、年長者としての尊敬の念をもって介護にあたっています。赤ちゃん言葉を使わない、子ども扱いしない、否定的な言葉遣いをしないなど注意を払っています。気になる言葉遣いがあった場合には、その場でお互いに注意をしたり、ミーティングで注意喚起しています。
・職員会議やミーティングにおいて、必要な時、気になることがあった時検討が行われています。
・話すことや意思表示が困難な利用者には、筆談で話をしたり、目の動き、表情、体のかすかな動き、表情などでコミュニケーションをとるようにしています。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:b】

・権利侵害の防止について重要事項説明書に説明すると共に、身体拘束ゼロ介護についての掲示を施設内に行っていますが、事例を収集・提示して利用者に周知することまでは行われていません。
・身体拘束についての指針があり、手順書が作成されています。やむを得ない場合の手順、実施方法が明確に定められ、職員に研修、マニュアルで周知されています。
・所轄行政への虐待の届け出については身体拘束や権利侵害についての手順書の中に記載されています。
・虐待と権利侵害について、年間2回の職員研修、年4回行われる部署の長による委員会で定期的に話し合われています。
・権利侵害が発生しそうだと考えられた場合には職員会議において話し合いが行われ、原因、再発防止策が検討されています。検討された内容は周知ファイルに記載され、職員全員で共有できるようになっています。職員は、4か月に1回態度マナーチェックを行い、自己点検と職員面談を実施しています。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:b】

・毎日の清掃、午前11時、午後15時の換気は行っていますが、清掃が追い付いていない状況です。
・ソファー、廊下の長いす、昭和の部屋(畳の部屋にこたつを用意)などで、利用者がくつろげるようになっています。
・利用者から環境への意向を聞くことはほとんどできず、職員が利用者の状況に合わせて判断している。
・安全面に配慮をしているため、生活を尊重した過ごし方ができるようにはなっていません。ご利用者には認知症の症状があるため、室内に物を置いたり、掲示をしたりすることは難しいが、その可能性を探り、模索しているところです。

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

・施設サービス計画を基に、主にはご利用者の状態に合わせ、利用者の入浴を行っています。
・入浴前には浴室、機械の点検を行い安全確認をしています。入浴中には見守りを行っています。
・入浴前には血圧と体温の測定を行っています。血圧160、体温37度以下が目安となっていますが、個人の体質もあるため医師と相談の上、37度5分までの体温であれば入浴可能の人もいます。必要に応じて清拭に変えています。
・毎月1回入浴表(入浴順番、入浴法が記載されたもの)を作成し、それに基づいて入浴を行っています。大浴場(2~3人)の場合は相性の良い人同士で入浴しています。
・利用者が自力で入浴できる場合でも見守りを行っています。
・一般浴、中間浴、機械浴、個浴が用意されており、利用者の状況に合わせて入浴ができるようになっています。
・利用者の意向に応じて入浴日を変更しています。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

・排泄マニュアルにより、利用者のケアプランに基づきますが、利用者の状態に合わせることに重きをおき支援しています。
・自然な排泄を促すため、食事に牛乳を付けたり、水分摂取を利用者に促しています。食事で牛乳を飲むことができるようにしたことは、「便秘」に悩む利用者への対策として効果を得て、対策の1つとして提案することができています。
・排泄中はカーテンを閉めるなど利用者に出来る限りの配慮をもって接し、尊厳を守りぬくため日々模索し、出来る限りのことを積み重ねています。
・利用者の安全とプライバシーの保護に配慮した排泄介助が行えるよう、職員会議やミーティングで話し合っています。
・定時のトイレ誘導に加えて、一人一人のトイレに行くサインをを見逃さないようにしてトイレ誘導を行い、トイレで排尿ができるように努めています。
・排泄表に一人一人の便の形状(軟便、量など)などを付け、健康状態の確認を行っています。
・排泄に関する検討は、毎日、毎回、利用者に関わる度に行っています。利用者の状況が明らかに変わってきた場合は随時ケアプランの見直しを行い、排泄に関する支援方法を変更しています。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

・施設サービス計画書を念頭に、利用者の心身の状態に合わせて、豊かな生活を送っていただけるよう心がけ、利用者ができるだけ自力で移動できるような支援を行っています。
・車いすの利用者の中でも可能な方には、トイレなどに行ったとき、便座までの数歩を歩いてもらったり、立てた人には次の一歩を促すなど、日常の生活の中で支援を行っています。
・歩行器、車いすを用意し、利用者が適した機器や用具を使うことができるように支援しています。
・3ケ月に1度、ケアプランのモニタリングを行い、移動に関する検討、見直しを行っていますが、利用者の状況の変化によっては随時見直します。
・利用者が移動しやすいように、また周囲の人と利用者本人の安全のため、間仕切りカーテンが利用者の活動の妨げにならないよう対策を講じたりして、部屋を広く使えるようにしています。
・利用者の意向に沿って、速やかに対応できるようあらゆる視点での対策を講じております。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:b】

・年2回利用者が食べたい物のアンケートを取っています。何が食べたいか問われてもすぐに答えられない利用者も多くいることから、献立の写真を用意し、食べたい物を指さしてもらうなどの方法をとっています。
・お節料理を始めとした、行事食や日本全国の郷土料理を提供するなど献立に変化を付けています。また、栄養士は利用者の食事介助にも入るようにして利用者の食事の様子を見て、厨房に伝えています。厨房ではその情報を基に次の献立に役立てています。
・温冷配膳車で食事を運び、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく提供できるようになっています。
・テラスにテーブルを出しておやつを食べたり、相性の良い人同士でテーブルを囲んで食事をするなどしています。
・中心荘作成の衛生管理マニュアルによるチェックリストに基づいて、定期的に清掃を行い、清潔を保っています。
・食事を選択することはできませんが、おやつの選択は可能です。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:b】

・施設サービス計画書を念頭に、利用者の心身の状態に合わせて、食事つくりと提供を行っています。
・介護職は日々利用者の嚥下、むせ、咀嚼の状況を観察し、食事形態を職員全体で相談しています。食事の形態としては、通常食、刻み食、ソフト食、ゼリー食、ミキサー食があります。
・利用者が体調不良の時には、刺激を避けた食べ物を提供したり、食事制限のかかっている利用者にはご飯の量を減らすなどしています。
・利用者が食事をのどに詰まらせることがないように食事介助用の小さめのスプーンを利用するなど、利用者ができるだけ食事を経口摂取できるようにしています。
・施設介護計画を基に3か月に1度モニタリングを行い、食事についての検討を行っています。
・BMIの測定を行い一人一人の栄養状態を把握し、栄養士、看護師、介護職で話し合いそれに基づいて栄養ケアマネジメントを行うようにしています。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

・利用者が主体的に口腔ケアに取り組めるような支援は行っていませんが、利用者が食後の歯磨きを行える支援を行っています。
・職員は外部研修で口腔ケアに関する研修を受けています。
・定期的に利用者の口腔状態について値チェックすることはありませんが、気になる利用者がいる時には歯科医師に問い合わせることはあります。家族の了解を得て歯科衛生士による歯磨きを実施してもらうこともあります。
・口腔清掃チェック表があり、一人一人の歯磨きの状態を確認しています。歯磨き拒否が続く場合には健康管理課と相談し実施方法を検討しています。
・必要に応じて、施設介護計画に口腔機能の保持、改善のための計画を組み込んでいます。
・食後の歯磨きを確認するようにしています。就寝前には義歯を預かるようにしています。預けることを拒否する利用者に対しては、義歯の所在確認を行うようにしています。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

・褥瘡対策のためのマニュアルがあり、それに基づいて褥瘡予防を行っています。入浴時などに利用者の体の赤みを見つけた場合は、直ちに職員で対策を検討し、2時間ごとに体位交換を行ったり、食事の時の移動方法をPTと相談したり、栄養付加食品(コラーゲンゼリー、エンジョイゼリーなど)を付けたりし、赤みが褥瘡にならないようにしています。
・予防のための研修は行われていませんが、個別に相談をしたり、話し合ったりしています。
・褥瘡予防対策に関して、看護師、栄養士、介護職員が連携して取り組んでいます。低栄養状態を褥瘡の高リスク者としてとらえ、2週間に1度アセスメントを行い、必要に応じて食事内容の変更を行っています。
・褥瘡予防対策が行われております。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・喀痰吸引・経管栄養の実施の管理責任者は施設長で、内科、精神科の配置医師が補佐しています。施設のマニュアル「医療関連行為における注意点」には、ケアの手順について詳細に規定しています。
・医師の指示に基づき喀痰吸引・経管栄養は看護師が行うことになっています。夜間帯のみ必要が生じた場合、介護職が行うことがあります。
・日中においては介護職が喀痰吸引・経管栄養に関しては行うことはありません。

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:b】

・利用者の生活維持や介護予防に主体的に取り組めるよう三つのレクレーションの計画を準備しています。球技、音楽、習字、散歩などを用意し、利用者の症状に応じて個別であったり、グループであったりして参加しています。
・理学療法士が週1回、歩行訓練、車いす乗降、身体機能訓練などを行っています。歩行不安定な人の介助方法、車いすのポジショニング、体の機能面など具体的なアドバイスとなっています。
・車いすの自走、移乗のため、足の筋力のない人のためのボールけりを行うなど行っています。
・利用者一人一人に応じて、体操、ボール、風船バレー、ビーチボール、卓球を行うなど機能訓練や介護予防活動を計画的に行い、ケアプランを通して評価、見直しを行っています。
・日々の記録を基に介護職、看護師、医師の連携を密に行い、利用者の症状の進行度合いに伴い薬の変更を行うなどしています。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

・利用者一人一人の生活能力、機能等は、ケース記録、周知ファイルに記載され職員全員で共有されています。
・利用者のBPSDの症状の経過記録は、ケース記録に記入し職員全員で共有しています。毎月2回来所する医師の診察と合わせて、症状の改善に向けたケアを行うようにしています。
・認知症実践者研修に年に1名参加し、職員会議において発表し、職員間で共有するようにしています。
・施設内に昭和の部屋として畳の部屋を用意して、利用者が利用できるようにしています。また、廊下や部屋の隅にソファーを置き、1人で時間を過ごすことができるようにしています。
・利用者の症状に合わせて、個人やグループで活動ができるよう、㏠に3個のプログラムを用意し、それぞれに合ったプログラムを提供できるようにしています。
・健康管理課(看護師)は精神科医の報告を受け、医師、看護師、介護士が参加して検討会を開き、利用者にとってより良い支援方法を検討しています。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・施設には「緊急時対応マニュアル」があり、緊急時対応の研修は年2回実施されており、緊急時の対応は確立されています。
・日々の健康確認として、血圧、体温の測定、排泄状況を記録しています。それと同時に体調変化には、食欲、立位、座位姿勢などを見て判断しています。普段から利用者の食事の量、食べ方、目の状態、入浴時の状態などを観察して早期に対処できるよう取り組んでいます。
・利用者の体調変化は、健康管理課、介護職員、栄養士などが確認して、ケース記録に記載され施設全体に周知されます。
・研修により、急変時の行動確認に周知を行ったり、看取り研修などを定期的に行って、職員が利用者の体調変化時に対応できるようにしています。
・普段の服薬管理は健康管理課(看護師)が行っています。入眠時のみ介護職が行うようになっています。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

・「看取り介護についての方針」が制定されており看取り介護の手順が明確に定められています。
・入所時に看取り手順書などの記載内容を説明し、家族の同意を得ています。また、利用者が終末期を迎えた場合には再度確認を行っています。
・終末期に関する研修は、方針、法令、事例などを踏まえ、年1回行います。
・終末期の体制は、医師、看護師、介護士、栄養士等で看取りの体制を組み、利用者が好きな料理や嗜好品などを準備したり、利用者が好きだったことをするなどしています。お酒を付ける、ビールのゼリーを提供する、音楽を聴く、散歩をする、特浴に入るなど利用者が心地よく感じることができるよう職員全員で努めています。
・看取りに関しては、看取り特化のケアプランを作成し、可能な事はすべて行うことができるような体制を整えています。看取りに入った利用者は看護師のデスクに近い静養室にて対応していますが、自室の方が良い利用者には自室対応を行っています。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

・業務要領書「家族への介護についての情報提供」により、生活相談員が定期的又は必要に応じて電話や手紙で家族へ連絡しています。
・ケアプランは3か月に1回郵便で送付しています。
・家族会はバザー開催時に総会を年1回(会費の使い道)、役員会は年4回開催され、行事(バザー、新年会、敬老の日など)の報告や行事終了後のアンケートの報告を行っています。
・家族との相談は、介護職員が行っています。家族からの相談が受けやすいよう、介護職員はピンクの名札を付けています。また、健康面は看護師、食事については栄養士、お金などの総合的な相談は相談員が受けています。
・利用者と家族のつながりを保つため、基本的には、いつでも面会は可能となっています。(感染症発症時は除く)部屋の提供を行ったり、食事の提供(550円)、食べ物の持ち込み自由となっています。また、外泊、外出が自由に行えることを日常的に家族に案内しています。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:評価外(訪問介護以外の福祉施設・事業所)】

評価外