社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

かながわ福祉サービス第三者評価推進機構 評価結果検索サイト

可愛保育園

2021年03月09日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 可愛保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 30 名
所在地 〒216-0006
川崎市宮前区宮前平1-9-24 A-101、102
TEL 044-855-8496 ホームページ https://www.kaai-baby.com/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2017年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社 可愛
職員数
常勤職員:9 名
非常勤職員:9 名
専門職員
保育士:11 名
栄養士:1 名
幼稚園教諭:7 名
子育て支援員:2 名
施設・設備の概要
居室:保育室2室
設備:医務室・事務室1室
設備:調理室1室

③ 理念・基本方針
<理念>
「健康で明るく、素直で優しいのびのびとした子どもに」
1.子どもの人権と主体性を尊重し、保護者や地域に愛される保育施設を目指します。
2.職員は、豊かな愛情を持って接し、知識の習得と技術向上に努め保育に取り組んでいきます。

<基本方針>
ひとりひとりの子どもの良いところに目を向け認めながら、可能性を信じてのばしていきます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
<可愛保育園の特徴的な取り組み>
1.外部講師によるリトミック、体操教室、英語教室を保育時間内で料金についても保護者の負担なく実施しています。
2.食育で野菜を育てたり、栄養を知ること、クッキング等への取り組みを栄養士と保育士が協力して実施しています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/09/10(契約日) ~2021/02/22(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 【可愛保育園の概要】
●川崎市認可保育園「可愛保育園」(以下、可愛保育園)は、株式会社可愛(以下、法人という)の経営です。法人は、昭和59年4月に認定保育園可愛ベビーホーム設立以来36年、ここ宮前平の地で、保育室として地域の子育て親子に親しまれています。認定保育園可愛ベビーホームは3歳未満児対象でしたが、平成29年4月に川崎市認可保育園として「可愛保育園」を開設し、経験値の高い保育士を中心にした体制で、子ども・保護者へ親身になって保育に当たっています。

●可愛保育園は、1歳から5歳までの5年齢の認可保育園で、各年齢の定員は6名とし、合計30名のアットホームな保育園です。可愛保育園の保育方針は「ひとりひとりの子どもの良いところに目を向け認めながら、可能性を信じてのばしていきます。」にあり、「丈夫な身体で思いっきり遊べる子ども」、「好きなことにじっくり取り組める子ども」、「友だちと楽しく遊べる子ども」、「感動して、素直に表現できる子ども」、「よく見てよく聞いて考えて行動できる子ども」の育成を目指し、養育に努めています。


◇特に評価の高い点
1.【外部講師招聘によるリトミック、英語、体操教室の実施】
●可愛保育園では、保育時間内に外部講師を招聘してアクティビティを実施しています。対象児では、リトミックは1歳~2歳児、「ECCジュニア」の英語講師による英語レッスンは4歳~5歳児、日本体育システム(株)ライズスポーツクラブの専門講師による体操教室は、3歳~5歳児が行っています。リトミックは、音楽を通して感情や情緒を育み、心の働きを豊かにし、幼い頃から音感を育てることを狙いとしています。成長発表会では、保護者に小さい子どもたちが成長した姿を披露し、共に成長を喜び合っています。英語レッスンでは、月2回、「ECCジュニア」から講師を招いてレッスンを行っています。単に英語を覚えるだけではなく、英語を通じて子どもに世界の一端を見せています。体操は、スポーツクラブから毎週、専門講師を招いて体操教室を行い、いずれも本物を子どもたちが体感し、五感を育み、豊かな心身の育みを培っています。これら取り組みは、保護者から共感と好評を得ています。

2.【1~2歳児と3~5歳児以上の異年齢保育】
●可愛保育園は、異年齢保育を行っています。園舎はマンション1階の全フロアを活用して保育室を2部屋設けています。各年齢の定員は6名ずつとし、異年齢で2つの保育室に最大18名としても、保育士が十分目の届く範囲であり、子どもたちは大家族の兄弟姉妹のように仲良く、楽しく過ごしています。異年齢では、上の子どもが下の子どもを思いやり、下の子どもは上の子どもに憧れる関係が生まれ、少子化の中で、兄弟の少ない子どもが増えた昨今、保育園での疑似兄弟姉妹の経験は子どもたちが大きくなった時、「他人への思いやり」が育まれると思います。また、年齢相応の活動は各年齢に応じてそれぞれに行い、環境から育まれる縦・横の関係作りや人間力が培われています。

3.【職員のコミュニケーションの良さ】
●可愛保育園は、異年齢クラスを複数の担当保育士で保育に当たっています。保育士は、常に2つの保育室の全フロアを見渡すことができる利点にて、職員間で助け合うことができており、余裕を持って保育に従事できています。1歳、2歳児の担当保育士でありながら、隣の保育室の3歳児が「トイレに行きたい」と言えば、衣服の着脱の援助をしています。このような体制の下、保育士間で連携、「報・連・相」ができており、コミュニケーションも良く、仲の良さが特長です。園舎の限られた敷地面積を使いやすいよう工夫し、子どもは家庭にいるような気分を味わい、保育士は子どもに居場所を提供し、非常に良いコミュニケーションが生まれています。今後も、可愛保育園の良い点を維持していくよう期待が寄せられます。
改善を求められる点 ◇改善を求められる点
1.【職員の質の向上と幹部職員の育成】
●可愛保育園は、職員間で意思疎通を図れる体制です。保育の面では行き届いた機転がきく保育が実施されています。利用者(保護者)アンケート結果からも保護者が満足していることが解ります。但し、園全体に関する面は園長が実施する(してくれる)という思いが組織風土として見られます。先ず、園長に頼らなくても幹部職員で問題解決ができれば、職員の行動パターンが変わり、組織文化も変わります。是非、組織風土・環境作りのステップアップを目指し、その為に職員の育成・スキルアップを図り、可愛保育園の将来の姿を全職員で描いていかれることを期待いたしております。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名:可愛保育園

<評価に取り組んだ感想>
   
 本園は、認定保育園からスタートしており、認可保育園となって3年が経過しております。開園当時から在籍している職員がほとんどで、保育についてのマニュアル作成に取り組みつつ、日々の保育を積み上げてまいりました。

 4年目に突入したこの時期に自園の運営と職員の保育の振り返り、保護者の方々への保育の提供をどのように感じるか等、専門的に評価していただこうと思い、受審いたしました。


<評価後取り組んだ事として>

 今年度においては、新型コロナウイルス感染症により日常生活が脅かされました。未だかつて経験したことがない緊急事態宣言が発令され、今まで通りの保育ができず、行事の見直し等、試行錯誤した年でもありました。人と人との交流が持ちにくい中での地域貢献を今後どのように進めていくかという課題もありますが、地域に開かれた保育園として信頼を得られるように努力していこうと思います。

 保育の内容や取り組みについても自己評価を一つひとつ丁寧に見直す作業をしていくことで「知らなかった」では済ませてはいけない事案や、「知る」努力をしていくことの必要性を感じました。

 子どもの成長に関わらせていただける、私たちが成長していくことの大切さに気づかせていただいたと思います。ご多忙にも関わらず、アンケート調査によるご協力をいただいた保護者の方々へ心より感謝申し上げます。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

●保育園の理念「健康で明るく、素直で優しいのびのびとした子どもに」に沿って、1「子どもの人権と主体性を尊重し、保護者や地域に愛される保育施設を目指します。」、2「職員は、豊かな愛情を持って接し、知識の習得と技術向上に努め保育に取り組んでいきます。」を理念実現のキーワードとして保育を展開しています。保育園の理念等は入園のしおりや年間計画に掲載し、保護者には入園前説明会、懇談会等で説明しています。職員には「ひとりひとりの子どもの良いところに目を向け認めながら、可能性を信じてのばしていきます。」の基本方針を示し、研鑽に努めています。理念、基本方針等は、年間指導計画、行事計画に落とし込んで、周知しています。園長が行っている仕事を職員が見て学ぶことを狙いとして職員の育成をしていますが、園長への依存心が高まっている傾向があり、全体での共通理解にやや欠ける面が見られます。風土作りの見直しが望まれます。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

●地域や業界の情報の把握については、園として宮前区の園長会議、幼保小校長・園長連絡会、区や市の会合に参加して情報を得ると共に、厚生労働省の情報等も確認しています。地域の福祉計画については、宮前区園長会議、幼保小校長・園長連絡会、区や市の会合、保育まつり等から情報を得ています。子どもの出生の状況、都道府県及び都道府県内の市区町村の人口動態、他園の経営状況等については法人で分析しています。現状ではまだ地域の子育てニーズに応えきれていない状況にあります。園の前に掲示板があり、区のお知らせ、ポスター、園だより等を掲示して知らせています。毎年、実施していた「読み聞かせの会」の掲示や会自体は、今年度、新型コロナウイルス感染症で自粛して中止としています。園の方向付け等に関して、園長がもっと関与していかれることが望まれます。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

●園の経営状況や園全体として取り組む課題については、経営状況や課題についての意見を法人に伝えていますが、園の収支状況は把握できない体制にあり、園としての予算化の申請と経費管理に止まっており、保育実施上での課題や指導計画実施上の課題については、費用面以外、改善に取り組んでいます。前項【2】と同様に、園長の仕事の1つとして、収支からの予算計画を基に資金管理がありますが、基礎的な運営として関与していかれることを期待いたします。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●中・長期的なビジョン・計画については、具体的計画の書式はありませんが、事業計画の中に中期目標的なビジョンを示しています。いわゆる、事計中計的な体制となっています。園の経営計画は、法人が他事業と合わせてトータルでの計画となっているため、園では、体質改善計画としています。体質改善のビジョンでは、「少人数ながら皆が安心できる保育園」であり、その実現に向けて取り組みを開始しています。中期計画実現のため、順次、レベルアップの計画を立てています。例えば、職員のキャリアアップ研修への参加等、中期目標を目指して進めています。課題は、事計中計ではなく、本来の機能として中・長期計画の策定と実施であると思われます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●事業計画については、法人が策定しており、園としては全体的な計画を策定し、計画に沿って園全体の年間指導計画、各年齢の年間指導計画を作成し、乳児は個人別指導計画を作成して展開しています。年間指導計画は、日程目標を含めて数値目標を持った実現可能な計画となっています。数値目標の達成のための具体的な計画策定、担当者・責任者を定め、成果・反省を行い、評価が可能な体制を整えています。今後は、法人の事業計画と園との整合性が望まれます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

●全体的な計画、園全体の年間指導計画、各年齢の年間指導計画、乳児の個人別指導計画は、職員が参画して職員会議で策定しています。実施状況の把握の時期、参加者、チェック項目等も決めています。評価の時期、手順は定めて実施しています。評価に沿って見直しを図り、職員会議で共有しています。事業計画については、職員に周知していますが、園長の方針を含めた事業計画の策定が求められます。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

●保護者に対して、全体的な計画、園全体の年間指導計画を懇談会で骨子を概略的に説明し、計画は行事計画に落とし込んでわかりやすく周知しています。行事計画については、行事への協力、参加をお願いするための周知、説明となっています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

●基本的にはPDCAサイクルを心がけていますが、簡素化するケースもあります。各チェックについては乳児・幼児会議で話し合い、職員間で研鑽を図っています。例えば、園内の危険個所チェックについては、大丈夫と思う箇所が危険である場合もあり、必ずチェックリストに沿って確認を行っています。今回、開園から3年が経過し、職員一人ひとりが保育の向上や保護者支援に重きを置きながら自己評価を実施し、体質改善を含め、第三者評価を受審しています。自己評価、第三者評価の結果は職員会議で話し合い、改善策を立案して改善に取り組んで行きます。反省・チェック~プランまでの連携がまだスムーズではありませんが、職員間で意識は高まり始めており、良い方向に進みつつあります。継続した取り組みを期待いたします。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

●第三者評価を始め、評価・分析の結果や、課題については、年度末に職員会議でまとめを行い、文書化して次年度につなぐ体制は出来ています。課題の共有化、改善策、改善計画については職員会議で検討し、共有しています。改善計画は、基本的には次年度の指導計画に組み入れ、必要に応じて見直しを行っています。改善に関しては、子ども最優先で計画しています。実例として、「体操」の活動では職員の援助の仕方を変え、すぐに手を出さない体制を続けると、子どもが転び方を学び、大きなケガをしないようになりました。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

●園長は、年度初めに保育園の方針を明確にし、保育方針に示し、ホームページにも掲載しています。園長は、役割と責任、権限について、運営規定及び職務分担表に明記し、職員会議等で表明し、保護者へ園だよりにコメントを掲載して知らせています。権限委任等については、有事の際等、園長不在の場合は法人代表の指示を仰ぎ、園内における場合は、副主任が代行する体制としています。園の組織図の作成と、職務表に副主任の役割として「園長不在時の園長代行」を明示しておくことが望まれます。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●園長は関係法令を理解し、必要に応じて法律に関する書を読み、法人委託の社会労務士の相談・サポートを受けられる体制があります。法律に先立つ倫理に関しては、保育士会の倫理綱領(人として、保育士としてのあるべき姿)を遵守するよう職員へ指導しています。園長は、法令の勉強会や保育の研究会、発表会に参加して理解を深め、区園長会や行政とは連絡が取れる体制を整えています。倫理規定は、法人で設けています。必要法令の一覧表のリストアップが望まれます。新入職員教育テキスト等に一覧で記載しておく等、園内研修でも活用できるよう工夫を期待いたします。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●園長は、保育の質の維持・向上に意欲を持ち、毎月の職員会議の中で職員に確認し、個々に対策を考えています。また、保育に積極的に関わり、職員の配置等、常に気を配り、法人との交渉等も行っています。保育の質の向上に向けて、職員に公的なキャリア制度の研修に参加を促し、取得した資格に応じた対応に努め、職員に対して課題の提言ばかりではなく、良い点を認め・伸ばすよう尽力しています。職員研修に関しては、年間研修計画を立案し、行政等からの研修案内を紹介し、必要な職員には参加を促し、職員の資質向上、保育の質の向上に努めています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●園長は、業務の実効性を向上するよう、職員と話し合い、組織体制の変更や、柔軟な運営・体制の打破を常に考え、実行しています。第三者評価受審については全職員の「気づき」を重要として進め、園全体の課題を把握する取り組みになりました。また、園長は、法人に対して新型コロナウイルス感染症の予防のため、職員の在宅勤務を認めてもらうよう上申し、職場の環境、処遇の向上について取り組んでいます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●必要な人材については、8時間勤務ができる常勤者7名の体制が必要であります。現状の社員7名の内1名は6時間シフト勤務であり、万が一、8時間勤務可能な職員が出勤不能となった場合の不安要素として常に持っています。人材採用は法人で求人計画を持ち求人に当たっていますが、園からの追加採用も中々、確保に至らないのが現状です。研修体制、給与、配属等については、各職員と相談の上、意向を取り入れるよう努めています。求人難への対策として、求人計画、求人活動を洗い出し、さらに採用に向けた具体的な行動が必要に思われます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

●「期待する職員像等」としては現状、職務分担表の作成のみであり、また、職員数等の要因も含め、ヒエラルキーを作りにくい面もあります。職員は法人に長く従事した者が多く、一体感はあるものの、自らの処遇に対する意識、法人からの評価、待遇向上に関して希薄さが否めず、これらが質の向上につながっていかない根本原因の1つでもあり、改善が求められます。基本的には、階層別を示し、昇給、昇格に反映する体制があり、年1回、園長との職員面談で要望、悩み、意向等を聞き、でき得ることには善処すようにしています。また、自分の将来の姿を描ける仕組みとしては、就業規則を整え、閲覧して確認できるようにしています。今後は、採用の促進と共に、現在の良好なコミュニケーションを維持した上での、各職員の向上心に期待を寄せます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

●職員の就業状況については、出退勤のデータベースがあり、業務時間の平準化を進めています。新型コロナウイルス感染症対策で在宅勤務を可能とし、併せて有給休暇の取得が得やすい職場環境作りに改善中であり、有給休暇取得についても平準化に努めています。職員の健康については定期健診、予防接種を実施し、職員面談の他、法人に悩み相談窓口(法人代表)を設け、心身のケアに努めています。ワーク・ライフ・バランスはそれぞれの環境を考慮し、相談しながら決めています。福利厚生の面では、中小企業退職金共済(中退共)の退職金制度を活用しており、今後は提携割引サービス等、職員の積極的な利用促進を期待いたします。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●「期待する職員像等」は、まだ職務分担表レベルであり、階層別に明文化する必要があり、課題として挙げられます。園長との職員面談での自己評価を行い、職員個々の目標を決め、年の中間に進捗を確認し、中間と年度末には自己評価及び目標達成度を確認しています。結果は年度後半及び次年度に反映させています。業務では、課題抽出→反省→評価→次期目標とし、PDCAをベースに確認を行っています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●「期待する職員像等」は今後に求められるところですが、園が職員に必要とされる専門技術や専門資格取得のための教育・研修計画として、キャリアアップ研修に参加を促し、研修案内は回覧をして必要に応じて参加するよう促しています。但し、前述の如く、職員数の恒常的不足により、研修結果のフィードバックや報告会の機会を作れない状態であり、出張報告書の回覧に留まっていることが問題と考えています。時間を捻出し、職員間で学び合う、会議等で研修発表をして知識・技術の共有化を図っていくことが望ましいです。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

●前項の通り、情報、知識・技術の共有の不備がこの園の課題の1つに挙げられます。例えば、乳児担当の職員に対する教育は、園長、副主任、幼児責任者が乳児の保育について教育していますが、個に向けた教育となっており、園全体での教育には至らず、全体のレベルアップに寄与できるよう工夫が必要です。また、外部研修参加での成果は、個の学びと報告書作成で止まり、全体に周知して学び合う形に至っていない現状を踏まえ、園長は、今後、朝のスタート会や帰りの会で、一人ひとりが発言・報告できる体制を考えて行く予定でいます。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

●基本的には実習生を受け入れることにしていますが、受け入れの機会が少ないのが課題です。受け入れのマニュアルを整え、受け入れ体制を整備していく予定でいます。園長は、保育士養成学校にアプローチを行い、学校の要望に応じたプログラムを準備し、実習生を受け入れて行きたい意向を示しています。実習生に対する指導者研修は受講済であり、保育士養成学校と継続的に連携を図っていきます。実習生を受け入れることのメリット(人材確保につなげる等)を考え、実践していかれることを期待します。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

●園の情報は、ホームページ、園のしおり、パンフレット等で周知しています。法人は株式会社であり、会計・決算等の公表はしていませんが、入園説明会等で運営内容の説明は行っています。また、苦情受付体制や改善方法については公表しています。地域に向けての広報活動では、玄関前に掲示板を設置し、区の情報、園のお知らせ等を周知しています。尚、公立・公的機関に向けた透明性と株式会社等の会計開示のイコールフィッティグが求められる点はありますが、運営の透明性に向けて一考を期待いたします。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●保育園のルール、職務分掌、権限・責任等については就業規則等で示していますが、加筆すべき点もあるように思います。内部監査としては、法人の経理担当者が毎月経理チェックを行い、法人委託の外部専門家として公認会計士事務所に確認を受け、アドバイス等を参考に法人は経営改善に努めています。損益分岐点と人材投資の整合性が望まれます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●地域との関係については、法人が昭和59年4月に認定保育園可愛ベビーホーム設立以来、地域に根付いた保育に定評があり、地域から受け入れられています。近くの公園で行う可愛まつり、バザーは、園の子どもたちに限らず地域の方にも開放し、交流を図り、好評を得ています。定期的に街並みの清掃作業にも協力し、宮前区が発行する定期刊行物の配布にも協力しています。毎年、年4回「絵本の読み聞かせ会」を実施していますが、今年度は社会情勢により実現できませんでした。社会資源についてはリスト化し、有効活用しています。毎年、近隣の老人ホームを訪問し、運動会での演目(ソーラン節)を披露していましたが、今年度は新型コロナウイルス感染症予防のため、中止となりました。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

●ボランティア受け入れの基本的考え方(マニュアル)があり、絵本の読み聞かせのボランティアの方々に来園してもらっていますが、今年度は社会情勢を考慮しています。近隣の中学生の体験学習の受け入れについては折衝中です。今後は、ボランティアの必要性に関する項目出しを行い、それに応じた受け入れ体制の構築が望まれます。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

●関係機関・団体についてはリストを作成し、特に、地域の病院リストは事務室に貼り出して活用できるようにしています。地域の関係機関(川崎西部地域療育センター、区役所、中部児童相談所、消防署、警察等)とは連携を図り、宮前区主催のフェスタ(保育まつり)には協働で実施し、区の園長会のエリア別の会合に参加して民生委員、児童委員等の紹介を受けています。「可愛まつり」には卒園児も招き、継続して交流を図っています。虐待を疑われる子どもについては、職員間での情報共有、園長への報告体制を整え、要保護児童対策地域協議会への参画や中部児童相談所との連絡も視野に入れて対応するようにしています。さらに、関係機関・団体リストの種別化と、「活用」についての取り組みを期待いたします。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●園長は、運営委員会、地域の園長会議、幼保小連絡会等へ参加しています。園の運営委員会は、地域の児童委員2名、保護者代表2名、園関係者で構成して開催し、児童委員、保護者代表は地元の方であり、川崎市や宮前区、地域の情報を収集する機会としています。地域の情報・福祉ニーズ等を意識して把握に努め、情報の活用、園運営への生かし方に期待を寄せます。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

●地域の福祉ニーズ等に基づく公益的な事業・活動に関しては、意識を持って今後、取り組んで行きます。現在、大きな活動は実施していませんが、玄関前の掲示板に川崎市関連のポスターを貼り、市・区の情報等の開示、園の子育て相談の案内・宮前区の保育まつりの案内を行い、所在するマンションの防火訓練の参加等も行っています。タイムリーな情報提供、対応に努めていかれることを期待いたします。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●理念に、「子どもの人権と主体性を尊重」を謳い、子どもを中心に家庭的な保育が可愛保育園の特長の1つです。倫理観についても職員に説明し、教育につとめています。基本的人権については、川崎市では力を入れており、「子どもの人権とは」について話し合う機会を設けています。3歳~5歳児は異年齢保育を実施しており、団体の中で互いを尊重し生活するスキルを育み、職員は支援しています。職員は、子どもの性差、出自、国籍、人種、宗教等で区別することはなく、出席簿、クラスの座席等は既成概念で決めつけることなく、持ち物、製作物の色等についても子どもの選択を自由にしています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

●子どものプライバシー保護に配慮し、トイレにドアを付け、水遊びでは外から見えないよう配慮し、排泄に失敗した際は子どもの羞恥心に配慮し、そっと処理するようにしています。保護者へは、プライバシー保護に関して入園のしおり(重要事項説明書)で説明し、同意書を提出してもらい、同意を得ています。保育の内容についても保護者に分かりやすいよう説明に努め、園の保育の実態を見てもらい理解を促しています。不注意で起こるプライバシー侵害に留意することや、守るべき事柄を貼り出して啓蒙する等、共通理解の工夫も望まれます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

●理念や基本方針、保育の内容や園の特性等をホームページに掲載し、宮前区の保育園案内のパンフレットにも掲載しています。入園希望者に対しては、区役所から見学に来られた保護者に実際の保育の様子を見てもらい、説明しています。園見学については、園と見学希望者、双方の日程を調整し、パンフレットを渡して説明しています。見学者(利用希望者)への提供情報は適宜見直し、資料を作成しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

●保育の開始時、変更時の説明と同意に当たっては、保護者の意向を念頭に、できる範囲で配慮するようにしています。開始・変更は、資料を活用して分かりやすく説明しています。保護者が理解しやすいように工夫し、質問を受ける時間を設けています。保育の開始時、変更時には保護者に説明後、同意を得て、それを書面に残しています。特に、配慮が必要な保護者、例えば外国籍に係る保護者、知的障害のある保護者等については個別対応をしています。園から押し付けにならないよう、保護者の立場に立って十分な説明と納得を得る配慮が必要と思われます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●個人の記録は常にまとめてあり、引き継ぎができる体制に整備しています。就学先には必ず、指導要録を提出していますが、途中での保育園の変更等については、保護者の同意があれば、若しくは市町村の依頼で提出する場合もあります。卒園後の窓口は基本的に園長とし、園長経由で元担任を窓口としています。卒園児には行事等の招待状を送り、継続的に交流を図っています。卒園時には、卒園後いつでも遊びに来て良いことを口頭で伝えていますが、文書には残していませんので、入園のしおり等に前記の内容を記載する等、文書化を図ることが望ましいです。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●利用者満足について、子どもの満足については、日常の保育の中で保育士が常に把握するようにしています。特に朝の登園時の子どもの表情等の観察を大切にし、ならし保育の時間も配慮するようにしています。保護者満足については、行事ごとにアンケートを実施し、年間を通して(個人面談、懇談会等)園に対する意見、要望を把握し、第三者評価での利用者アンケートからも意見等を抽出し、保育に生かすよう努めています。行事時のアンケートは集計・分析し、全職員で検討し、改善策を立てて改善に取り組んでいます。直接、保護者から意見をいただいた場合には、必要に応じて運営委員会に上げて意見・助言をもらうケースもあります。今後は、意見等を受ける担当者を設置し、内容を把握した上で検討会議を行う予定にしています。保護者の意見について、改善ができることから着実に実施することと、できないことは理由を明らかにし、説明を行い、了解を得ることが大切だと思われます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

●苦情解決の仕組みは、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員を記載して掲示しています。仕組みについてはフローで示し、掲示しています。園入口に意見箱を設置し、箱の側に記入用紙も添えて、苦情等が言えるようにしています。苦情に関する内容は記録に残し、受けた意見はフィードバックを行い、保育の質の向上に役立てています。今後、苦情は園の体質改善のステップと考え、より良い園作りに向けて、意識して対応に努めていかれることを期待します。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

●保護者が相談や意見が述べやすいよう、意見箱の設置を行い、入園説明会時には相談や意見はどの職員に言っても良いことを伝えています。また、園の職員等、誰にでも相談できる旨を記載した文書を掲示して周知しています。相談等のスペースでは、園舎以外に別室を設けており、聞かれたくない相談等、プライバシーに十分配慮をしています。普段から保護者とのコミュニケーションが充足していると、気軽に相談や意見が言える雰囲気が自然と醸成されると思われますので、常に家庭との情報交換等を行い、密に連携を図る関係を構築していかれるよう期待します。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

●保護者が相談しやすい雰囲気作りを心がけ、対応体制を整えています。日頃から保護者の表情や様子等を敏感に感じ取るよう努め、声をかけるように心がけています。相談を受ける際の対応マニュアルは現在、検討中であり、今後、作成していきます。受けた相談等への回答については、時間を要する場合は中間報告を行い、相談、意見等は保育の質の向上に生かしています。課題として、相談等はどの職員でも受ける体制にしていますが、全体での情報共有化や、その報告体制、担当を決めて一貫して行う手法等、組織内でルールを決め、相談・意見等を保育へ生かした成果等、記録と共に周知を図る一連の流れをフローで作成すると尚良いと思われます。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

●安全対策とヒヤリハットを中心に対応を行っています。安全については「安全チェックリスト」を活用し、事故発生チャート図に沿って対応しています。ヒヤリハットでは、果物の種による窒息等、予期せぬ事例を全職員で検討し、共通認識を図っています。未然の事故防止のため、職員は安全研修を受講し、定期的に安全への配慮対応を継続しています。事故防止策では、実効性の見直しを行っています。今後はさらに、常に起り得る事故を如何に未然に防ぐかの心構えも大切と思われます。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●園には看護師が不在ですが、月1回、園医の訪問(1歳児健診)があり、園医と連携を取りながら園長が代行を務めています。園医からは流行時の感染症状況、予防・対処法を教えてもらい、子どもたちの健康管理に生かしています。登園禁止の感染症については重要事項説明書に記載し、対応方法と再登園時の手続きを明記して保護者に周知しています。感染症対応のマニュアルを整備し、重要事項説明書にもその内容の一部を掲載しています。感染症に関する保護者対象の勉強会も開催して家庭での感染症予防について啓蒙し、子どもたちへは手洗い・うがいを励行しています。感染症対応のマニュアルは、適宜見直し、新型コロナウイルス感染症への対応に関してもマニュアルの見直しを図っています。保護者への感染症に係る情報提供も都度、行うよう努めています。日常の手洗い・うがいの習慣化等、着実な実施が望まれます。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

●災害時の対応体制、組織図、避難場所については掲示して周知しています。災害時の対応マニュアルを作成し、月1回避難訓練を実施し、市に提出しています。安否確認の方法については、園独自の「安心伝言板」を設け、確認できるシステムを構築しています。災害時の備蓄については、管理者を定め、食料・おむつ等を備えてリスト化を図り、管理しています。防災計画、防災体制を策定し、消防署を始めとする連携先に示し、所在マンションの防災訓練にも参加しています。さらに具体的な防災計画を整備し、BCPを含めた対応体制を整え、また、日頃の訓練の心構えの共通認識を図るよう望まれます。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

●標準的な実施方法が記載されたマニュアルを備えています。マニュアルには子どもの尊重、プライバシーの保護、権利擁護が明確に記載され、さらに、職員に徹底すべき標準的な実施方法が明記されています。マニュアルの確認は、園内研修やOJTで再確認し、共通認識を図っています。また、各クラスで標準的な実施方法に基づいて保育が行われているかを乳児・幼児会議、職員会議でも確認しています。その上で、保育が画一的にならないよう、子どもの希望を柔軟に取り入れて保育に当たっています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

●マニュアル類については原則、1年間の実施を踏まえて年度末に見直すか現行で良いかを確認することにしています。見直しは、定期的に(年1回)職員会議で全職員参画の下に行い、指導計画の実施結果を基に見直しを図っています。今後も、弛まぬメンテナンスが望まれます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

●指導計画策定の責任者は乳児担任、幼児担任とし、園長の承認を得る体制で作成しています。アセスメントはモニタリング表、個人記録、個人別指導計画において、参加メンバーそれぞれの見解を持ち寄りながら実施しています。構成メンバーはマニュアルで定めており、指導計画は全体的な計画に沿って策定しています。子どものニーズは日常の保育を通して把握し、保護者へはアンケート等でニーズを探り、計画に反映するようにしています。保育実践の振り返りは、毎月の月案の反省時に振り返りを実施しています。支援困難ケースへの対応も全職員で協力し合いながら保育に当たっています。今後は、幅広い意見を適切な集約とするよう期待されます。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

●指導計画の見直しは毎月、職員会議で月案レベルで実施し、変更が生じた場合は職員会議で周知しています。指導計画は基本的には変更せず、朱記して展開し、次年度に反映する体制で進めています。また、マニュアルの変更があれば対応し、保育の質の向上に関わる課題は区分けし、次期計画に反映するようにしています。問題が年度ごとに立切れにならないよう、一貫したつながりとなるよう注意が必要です。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

●子ども一人ひとりの発達状況は健康台帳に記録しています。個人別指導計画、個別記録は年度ごとに記載し、職員が確認できるようにしています。記録要領の研修を園全体及び、個別で行い、記載の仕方を統一するよう努めています。保育に関する情報の伝達・分別についての仕組みでは、全職員への回覧ルートを決め、回覧後のファイリング方法も決めています。情報の活用については、テーマを絞って職員会議で話し合うことにしていますが、情報共有を図る時間をさらに意識して設けるよう改善が望まれます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

●子どもの記録類については、法定保管年数が定められており、基本的には法定年数を遵守することにしています。個人情報に関しては不適切な利用、漏洩がないことを重要事項説明書で説明し、文書化して保護者に説明し、同意を得ています。記録管理の責任者は園長とし、記録の管理方法については業務マニュアルに定め、鍵のかかる書庫に保管し、記録の取り扱いについては周知徹底をしています。個人情報の取り扱いについては、重要事項説明書で説明し、保護者に理解を得た上で同意書をもらっています。管理については、紙ベースの膨大な量の保管が求められ、ICT化した場合はパソコン内で保管できますが信頼性等の問題はあり、園として管理体制の方向付けの検討が求められると思います。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

●全体的な計画は保育所保育指針に沿い、園長が素案を策定し、職員会議で作成しています。全体的な計画は、保育所の理念・保育方針・保育目標に基づいて編成しており、理念、方針自体が児童憲章等の法令に準拠して編成されています。全体的な計画は子どもの発達過程、子どもと家庭の状況や保育時間、地域の実態等を考慮して編成しています。母親との日常のコミュニケーションで得られる体験が身に付く前の低年齢から保育園に入園することを踏まえ、対応にも配慮して策定しています。全体的な計画をベースに園全体の年間指導計画、年齢別の年間指導計画、乳児については個人別指導計画を策定し、アセスメントを実施し、進捗チェックを行っています。全体的な計画は、園の全職員で策定できるよう期待いたします。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

●保育室の環境について、室内の温・湿度管理は夏・冬の設定範囲を決めて管理しています。保育室内は循環式の強制換気であり、適宜、窓を開放して自然換気にも努めています。特に、トイレについては通気に配慮しています。保育室は南向きに配置され、採光は十分であり、電車が園の近くを走りますが音は全く気になりません。職員の声や音楽、子どもの声等は、1フロアの保育室であり、常に注意を払うようにしています。園内外の設備は常に清掃し、用具や寝具の消毒等を行い、衛生管理に努めています。保育室内は家具等の配置、絵本コーナー、職員の動線に配慮し、遊具の素材、廃材箱等に工夫をしながら室内の有効活用に努め、午睡時はロールカーテンで配慮しています。さらに、一人ひとりの子どもが寛ぎ、落ち着いて過ごせる場所の設定に留意しています。寝食の区別は限りある敷地面積を考慮し、食事をする、掃除をする、午睡、の体制にて清潔・衛生に配慮して実施しています。手洗い場・トイレは明るく清潔を保ち、子どもが利用しやすい設備を整え、安全への工夫をしています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

●前項とは逆で、職員の目の届きやすい広さであるため、子ども一人ひとりの成長と発達過程、家庭環境等から生じる子どもの個人差を十分に把握し、尊重した保育ができています。子どもが安心して自分の気持ちを表現できるよう配慮し、自分を表現する力が十分でない子どもの気持ちも良く汲み取れています。職員は、子どもの欲求を受け止め、子どもの気持ちに沿って適切な対応ができています。話し方については大人の感覚を押し付けず、子どもが分かりやすい言葉遣いや話し方で伝え、穏やかに、ゆっくりと分かるまで話すようにしています。急かす言葉、制止させる言葉を不必要に用いず、子どもが気乗りしない行為には子どもなりの理由があると考え、それを根気よく待ち、穏やかに聞き出すようにしています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

●一人ひとりの子どもの発達に合わせ、生活に必要な基本的生活習慣を身につけられるよう配慮しています。基本的な生活習慣については、個々にできることから順次、意欲に沿って身につけるよう支援しています。子どもが自分でやろうとする気持ちを尊重し、援助を行い、決して無理強いすることはしていません。基本的な生活習慣の習得に当たり、強制することなく、一人ひとりの子どもの主体性を尊重し、集団生活の中で自分も「やる・できる」気持ちを大切にして伸ばせるよう援助し、基本的な生活習慣を身につけることの大切さについて、子どもが理解できるよう、着替えや歯磨きについて絵本や紙芝居を活用して働きかけています。1日の生活は一人ひとりの子どもの状態に応じて「活動」と「休息」のバランスが保たれるよう工夫しています。鼻のかみ方、手洗いの仕方等、異年齢保育が生かされ、上の子どもを見て真似をして学習ができる環境があります。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

●子どもが自主的・自発的に生活と遊びができる環境を整えています。廃材、折り紙、スケッチブック等、子どもが自由に取り出して使えるようにしています。遊具、教材は自由に使えるので、子どもは独創的な遊びを考え、楽しく遊んでいます。体を動かす遊びでは専門講師を招いて体操教室を取り入れ、子どもたちの体幹が向上しました。晴れた日はできるだけ外遊びを行い、戸外活動では散歩や公園遊びを主体に、子どもたちは元気にのびのびと走り回り体を動かしています。また、遊びを中心に友だちとの人間関係を培い、友だちと協同して行う活動も実施しています。例えば、お化け屋敷を製作し、その成果が今でも保育室に残っており、子どもたちが楽しんだ様子が目に浮かびます。社会的ルールでは、戸外活動で学び、地域の方との挨拶や公園では地域の親子と挨拶を交わし、散歩途中にも交通ルールを学び、警察署に依頼して交通ルールを知る機会も設けています。散歩は手をつないで歩きますが、就学すると1人で歩いて行くことを踏まえ、視野に入れて練習もしています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:非該当】

●可愛保育園では0歳児の保育は実施していませんので、この項目は非該当です。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●1歳、2歳児の時期を「養護と教育の一体的に展開する」基礎の時期と捉えて保育に当たっています。3歳以上児における「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿10項目」の基礎となる大切な時期と考え、子どもが自分の力でがんばろうという気持ちが芽生える時期でもあり、その気持ちを大切にして援助しています。戸外での探索活動では、公園等で探索活動が十分に行えるようサポートしています。公園では、四季折々に四つ葉のクロ-バーやドングリを拾って園に持ち帰り、作品を作ります。また、異年齢での遊びを中心とした自発的な活動ができるよう、子どもが安心して遊べるよう、環境を整えています。また、子どもの噛みつき等の自我の育ちによる行為を受け止め、職員が代弁や仲立ちをしながら、適切に友だちとの関わりができるよう援助しています。子どもたちは、栄養士やマンションの管理人、清掃員等、近所の大人に声をかけてもらい、職員以外の大人との関わりを持っています。園では、一人ひとりの子どもの状況に応じて家庭と連携した取り組みや、配慮が成されています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●3歳以上児からは、個人の興味と集団での活動が並行して園の生活となります。3歳児の保育に関しては、集団の中で安定しながら遊びを中心とした興味・関心のある活動に取り組めるようにしています。可愛保育園は、異年齢保育を行っているので、お兄さん・お姉さんとの関係も加わり、自我を生かしつつ集団生活を進められるよう職員が適切にサポートします。4歳児の保育では、集団の中で自分の力を発揮することを狙いとし、友だちと楽しみながら遊びや活動に取り組めるよう環境を整えています。異年齢保育では、「来年は最年長」の心構えも徐々に育ち、5歳児を見て意識を高めます。5歳児の保育については、集団の中で一人ひとりの子どもの個性が生かされ、友だちと協力して1つのことをやり遂げる遊びや活動に取り組めるような環境を整えています。「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿10項目」についても身に付け、保育士等が適切に関わり4月から年長児の担任がアプローチプログラムを実施し、小学校のスターティングプログラムにつなげ、幼保小連携会議を中心に「小学校は楽しい」と思えるような活動を進めています。また、「今日、何をしたか」、「何がしたいか」等、1日の活動を皆の前で発表できるよう指導しています。就学先の小学校等へは、子どもの育ちや取り組んできた協同的な活動等について保育要録を通じて伝えています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●園は、扉から入口まで段差がありますが、保育室内はバリアフリーです。ワンフロアを使用し段差なく行き来ができ、障害者用トイレも設置しています。障害のある子どもについては個別の指導計画を作成し、クラスの指導計画と関連付け、統合保育で実施する予定にしていますが現状、障害児のある子どもは園の体制及び物理的な要因を含め、受け付けを行わない体制です。但し、配慮の必要な子どもの受け入れのケースはあり、体制は整えておく所存です。必要に応じて、医療機関や専門機関から相談や助言を受け、対応に生かしています。職員は、障害児保育について研修等で必要な知識や情報を得るようにしています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●1日の生活を見通し、その連続性に配慮して子ども主体の計画性を持って取り組んでいます。子どもの体力に応じて保育途中でも休養させています。家庭的でゆったりと過ごすことができる環境を整え、子どもが状況に応じて、穏やかに生活できるよう配慮しています。保育時間の長い子どもに配慮し、夕方は食事・おやつ等の提供をしています。子どもの様子・状況は、引継ぎ簿により、職員間で伝達漏れのないよう適切に引き継ぎを行い、保護者へも十分に情報提供ができるようにしています。保護者に対しては、正対して声かけを行い、なるべく多くの保護者と話ができるよう心がけています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

●計画の中に小学校との連携や就学に関連する事項を記載し、それに基づいた保育を行っています。小学校以降の生活について、子どもが見通しを持てる機会を設けていますが、今年は新型コロナウイルス感染症予防により滞りがちです。11月には就学時健診があり、保護者への就学にむけての見通しについても園、小学校共に機会を設けて配慮しています。小学校教員との意見交換や合同研修も毎年行っていますが、今年は未定となっています。5歳児の担任は、園長の責任の下で保育所児童保育要録を作成し、該当小学校へ提出しています。幼保小の連携会議では、5歳児担任と小学校担当が必要に応じて申し送りを行っています。5歳児の子どもたちには小学校への興味、関心を抱けるような働きかけを行い、夢を持って送り出すようにしています。保育所保育指針と小学校との整合性が図れるよう努められることを期待いたします。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

●子どもの健康管理に関するマニュアルを整備し、マニュアルに基づいて一人ひとりの子どもの心身の健康状態を把握しています。日常的には担任が行っていますが、トータル管理は園医の指導を受けて園長が把握するようにしています。子どもの体調悪化・ケガ等については、保護者に伝えると共に、事後の家庭での様子を確認しています。子どもに関する保健計画はクラス担任が作成し、子ども一人ひとりの健康に配慮しています。入園時、個人面談等に子どもの健康管理に関して保護者へ注意を呼びかける取り組みを期待いたします。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

●健康診断・歯科健診を定期的に実施し、結果について記録・管理を行い、関係職員に周知し、保健計画に反映させています。また、健康診断・歯科健診の結果が家庭での生活に生かされ、保育に有効に反映されるよう、結果を保護者に伝えています。特に、要再検等がある場合は、かかりつけ医への受診を勧めています。日常活動では手洗い、うがいの大切さ、歯磨きの大切さを子どもたちへ伝え、自分の健康に関心が持てるよう働きかけています。例えば、夏の季節では、紙芝居等を通じて熱中症への理解ができるよう工夫しました。健診結果に対し、保護者が受診をさせたか確認をするフォローも必要に思われます。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

●食物アレルギーに対する意識を高く持ち、子どもたちにも理解できるように適切に伝えています。アレルギー疾患のある子どもに対して、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」を基に、子どものアレルギーの状況に応じて適切に対応しています。慢性疾患等のある子どもに対しては、医師の指示の下、適切に対応し、該当児の保護者と連携を密にして園での生活に配慮しています。食事の提供等においては他児との相違に配慮しています。職員は、アレルギー疾患、慢性疾患等について研修等により必要な知識・情報を得、技術を習得しています。給食の配膳では、別トレイ・別食器とし、食札に除外食材を記載し、厨房内で職員と栄養士、職員間でのトリプルチェックを行い、誤食が無いように徹底しています。他の子どもや保護者にアレルギー疾患、慢性疾患等についての理解を深めるための取り組みを行っています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

●食に関する豊かな経験ができるよう、保育の計画の1つとして食育計画を位置づけ、取り組んでいます。子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれる環境・雰囲気づくりの工夫として、乳児の食事を幼児と時間差をつけ、幼児のお当番活動等を取り入れています。子どもの発達に合わせた食事の援助を適切に行い、個人差や食欲に応じて量を加減できるように工夫し、お代わりをできるようにして食べきった満足感を経験させています。食器については、材質や形状等に配慮し、特に、硬質磁器の食器は丈夫ではあるけれども破損もすることを子どもたちに教え、大切に扱うよう指導しています。食べたいもの、食べられるものが少しでも多くなるよう援助しています。子どもが、食について関心を深めるための取り組みとして、季節の野菜を栽培し、土に触れ、食物の成長を楽しみ、収穫を体験し、栄養士と連携して取り組んでいます。また、野菜や果物の実物を見せたり、トウモロコシの髭取りの体験や、生の魚を見せる等、食べ物に興味が持てるように工夫しています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

●一人ひとりの子どもの発育状況や体調等を考慮し、献立・調理の工夫をして提供しています。献立は川崎市のレシピを参考にして栄養士が園独自に作成しています。昼食時は栄養士・調理師がクラスを巡回し、子どもの食べる量や好き嫌い等の確認、子どもの人気メニューも把握しています。残食の調査記録や検食簿をまとめ、献立・調理の工夫に反映させ、食材の切り方、刻み方の工夫も検討しています。献立は、季節感のあるメニューを心がけ、旬の食材、季節の食文化等については給食だよりで保護者へ紹介するようにしています。厨房は、衛生管理マニュアルを基に、衛生管理体制を確立して衛生管理を適切に行っています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

●連絡帳等により家庭との日常的な情報交換を行っています。特に、乳児はまだ生活が定まらない時期を考慮し、毎日保護者と密な連携を心がけています。3歳以上児は園での生活を自分で伝えることも大切と考え、言葉足らずの部分は必要に応じて補足するようにしています。保育の意図や保育内容について、保護者の理解を得る機会(懇談会、面談等)を設け、様々な機会を活用して保護者と一緒に子どもの成長を共有できるよう支援をしています。家庭の状況、保護者との情報交換の内容等は必要に応じて記録しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●日々のコミュニケーションにより、保護者との信頼関係を築くよう努めています。保護者からの相談については、就労等の個々の事情に配慮して相談に応じられるよう、保育所の特性を生かした保護者への支援を行うよう努めています。相談内容については記録し、相談を受けた保育士等が適切に対応できるよう、園長等から助言が受けられるようにし、各保護者の状況を把握して担任を中心として支援に当たっています。担任だけでは対応が難しい相談内容については、園長が同席して親身に話を聞くように配慮しています。保護者対応について話し合い、園全体で取り組む課題としていかれることを期待いたします。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

●虐待等権利侵害の兆候を見逃さないようにし、子どもの心身の状態、家庭での養育の状況について把握に努めています。園長は、親子の些細な変化にも敏感に「気づき」を持つよう指導しています。虐待等権利侵害の可能性があると職員が感じた場合は、速やかに園内で情報を共有し、対応を協議しています。虐待等権利侵害となる恐れがある場合には、予防的に保護者の精神面、生活面の援助をするようにしています。職員に対して、虐待等権利侵害が疑われる子どもの状態や行動等をはじめ、虐待等権利侵害に関する理解を促しています。児童相談所等の関係機関、区役所の保健師と連携を図り、虐待等権利侵害を発見した場合の対応等についてマニュアル(患部の写真を撮影し、記録して残す等)を整備しています。虐待等権利侵害に至る「芽」の発見について、職員間で共通認識を図っていかれると良いと思われます。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

●職員は、自らの保育実践の振り返り(自己評価)を行っています。自己評価に当たっては、子どもの活動やその結果だけでなく、子どもの心の育ち、意欲や取り組む過程に配慮しています。園長と年度の自己目標を決め、計画化し、園長と面談しています。職員の自己評価に基づいて保育の改善や専門性の向上に取り組み、園全体の課題の抽出につなげ、改善に取り組む活動を行っています。さらに、自己評価、職員面談を定期的に実施できるよう期待いたしております。