社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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向丘はなみずき保育園

2021年03月08日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 公益社団法人神奈川県介護福祉士会

② 施設・事業所情報
名称 向丘はなみずき保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 120 名
所在地 216-0024
川崎市宮前区南平台4-2
TEL 044-750-0150 ホームページ http://www.fujimiplaza.com/hanamizuki
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2017年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人子の神福祉会
職員数
常勤職員:20 名
非常勤職員:18 名
専門職員
保育士:24 名
看護師:1 名
子育て支援員:7 名
施設・設備の概要
保育室:6

③ 理念・基本方針
<保育理念>
・保護者と協力しながら、子ども一人ひとりの主体性を大切にしていく。
・地域の人々との交流を図り、子育て支援を通じて、福祉の役割を担う。
<保育方針>
・個性を受け止め、安心して過ごせる保育環境を整備する。
・地域の人々と関わる中で集団行動のマナーを培う。
・一人ひとりの保護者の思いを受け止め支援する。
・発達に応じた活動ができるよう環境を整える。
・大人や、子どもとの関わりの中で、信頼関係をつくる。
・人の話を聞いたり、自分の思いを伝える中で、考える力を育てる。
<保育目標>
・心身共に健康な子
・人を思いやる子
・感性豊かな子

④ 施設・事業所の特徴的な取組
○今年度の目標である「子どもが主体的、自発的に遊ぶ」ことができるよう、コーナーを充実し、環境作りを行っている。おままごと遊び、折り紙遊び、粘土遊び、人形遊びなど、子どもたちが自分の好きな遊びを自由に選ぶことができるよう、各クラスのコーナーを整えている。給食当番や花壇の水やり当番など、当番活動も子どもたちが自主的に行っている。園からの帰り道の歩き方についても皆で考え、「一人で走って行かないで、家族と手をつないで歩こう」など、子どもたちがルールを決めている。
○子どもたちは、ピーマンやナス、オクラ、サツマイモ、カボチャなどを園の畑で栽培し、収穫している。野菜に毎日水やりをし、成長を楽しみにしている。花から実になる様子、収穫した野菜の形や匂いなどを確認して、収穫の喜びを味わい、野菜を慈しんでいる。収穫した野菜は給食に提供し、子どもたちは、今まで食べられなかったピーマンが食べられたなど、喜びを感じている。秋には、栄養士による「サンマ祭り」を行い、園庭で秋刀魚を観察したり、触ったり、骨の取り方を教わったりして、綺麗に食べることができ、食べ物への感謝の気持ちを育んでいる。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/08/01(契約日) ~2021/02/05(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ◇事業所の特色や努力、工夫していること、事業所が課題と考えていること等
○向丘はなみずき保育園は、定員120名の園で、1階に0~2歳の乳児クラス、2階に3~5歳の幼児クラスの保育室がある。4年前、公立の保育園から、社会福祉法人の運営に代わり、園舎も新しくしている。保育の内容は、旧公立時の良いところを残しつつ、向丘はなみずき保育園の理念や方針に沿った保育を取り入れて実施している。
○開園して4年目を迎え、職員も定着しつつある。今年度は園を改善する年として、職員全員が自己評価を行い、目標を立てて保育に取り組んでいる。正規職員は「保育士の自己評価」、非常勤職員は「自己チェックシート」を用いて、4月に自己の目標を設定し、3月に評価することとしている。
○園は集合住宅に囲まれているが、すぐ近くには公園があり、自然環境に恵まれている。天気がよい日は、子どもたちが袋を持って公園に行き、ドングリや落ち葉を拾い、ドングリの独楽やクリスマスリースを作っている。園庭も広く、子どもたちは散歩や園庭で、好きな遊びを選び、自由に身体を動かしている。
○0歳児の保育では、安心・安全・衛生の三点に配慮し、子どもたちが快適に過ごすことができる環境作りを行っている。子どもたちが楽しむことができるおもちゃを入れ替え、消毒後の清潔なおもちゃで遊ぶことができるよう取り組んでいる。子どもたちが何かできた時は、ともに喜び、ほめながら、時には代弁して、愛着関係を構築している。午睡の際は、SIDS(乳幼児突然死症候群)に注意し、5分置きに呼吸の確認をして記録し、保護者にも状況を配信している。
○1歳以上3歳未満児の保育では、感染症に罹患しやすくなる時期であるため、咳やくしゃみがある場合は、他の子どもと少しテーブルを離すようにしている。おままごとを出して遊んだり、絵本を読んでもらったりと、子どもたちが異なる遊びをしている時は、サークルを使って集中して遊べるよう工夫している。
○3歳以上児の保育では、以前は一斉保育を主に行っていたが、子どもたちの主体性を尊重し、自主的な活動ができるよう保育を行っている。子どもたちはコーナー遊びなど、自分で選び、自分で考えた遊びに向っている。また、給食当番や花壇の水やり当番など、当番活動も自主的に行っている。園からの帰り道の歩き方についても、子どもたちがルールを決めている。
○看護師による「健康集会」を年中児や年長児を対象に行っている。手の洗い方では、特殊液を手に塗って、洗い残りを確認して、きれいにばい菌をとる洗い方を体験したり、咳をしたりすると、ばい菌がどこまで飛ぶのかを、毛糸玉を使って実験したりして、健康生活の重要性を学んでいる。
○記録類のデジタル化を進めている。コドモン~保育のICTシステム(指導案の作成、記録、登降園管理、シフト管理、保護者アプリなど)を活用して、記録類を管理する他、連絡事項や「園だより」などを保護者に配信している。また、保護者との遣り取りも、コドモンを活用している。保護者から「家庭でおかずを作っても、ご飯だけしか食べないので心配」など、悩みごとの返信がある。
改善を求められる点

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 今回第三者評価の受審を受け、当園のサービスの質について客観的に評価をして頂き、当園の課題が明確になりました。今回の評価結果を真摯に受け止め、ひとつひとつ課題解決に取り組んで参ります。保護者アンケートにつきましては、96.7%が保育園で楽しく過ごせているとの回答を確認し、保護者の皆さまが安心して預けて下さっていることがわかりほっとしています。また温かいコメントを頂いた事は職員の励みにもなります。改善点につきましては職員で共有し見直しをしていきたいと思います。今後もチームワークを大切に「笑顔いっぱいみんなのお家」にふさわしい園となるよう、保護者の皆様とも連携し運営して参ります。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

保育理念や保育方針をホームページに掲載する他、玄関ホールに保育目標を掲示している。職員の保育観が統一されていなかったことから、昨年度2回、大学から講師を招き、園の方向性について研修会を開催している。研修会では、KJ法(アイデアや思いつきを効率よく整理、グループ化する手法)を使ってグループワークを行い、自分たちのやりたいことや、子どもの主体性をどう育んでいくかなど、話し合いを行い、園の保育方針を見直している。保護者には、4月の保育内容説明会の場で、理念や基本方針について伝えている。ただし今年はコロナ禍で説明会が開催できなかったため、資料をコドモンで配信している。保育理念や保育方針の周知は、課題が残っていると感じている。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

月1回、法人の理事長や施設長、有馬川はなみずき保育園と向丘はなみずき保育園の2園の園長、主任が集まり、「経営会議」を開催している。「経営会議」では、経営コストなどの話があがっているが、社会福祉全体の動向を把握するところまでには至っていない。昨年度は正規職員の雇用に取り組み、まずは保育の体制を整えることに力を注いで、人員は確保できた。今後も人件費や教材費、施設維持費などをきちんと分析し、職員に経営状態の現状を伝えていきたいと考えている。これまでは実施していなかった非常勤の会議を2ケ月に1回開催し、非常勤職員にも、経営状態を理解してもらうよう取り組んでいる。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

収入に対して人件費比率が高いことが大きな課題となっている。経営の安定に向け、人件費や事務費などのバランスを図ることができるよう、次年度に向けて改善策を検討している。購入物品の精査や、清掃業者の見直しなども検討している。これまで、職員への周知が不十分であったことから、今後は「経営会議」での検討課題を、全体会議や主任・副主任会議、非常勤会議などの場で、職員に周知していく予定である。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

中長期計画は、文書にはまとめていないため、今後は策定が必要と捉えている。園長を担い2年目になるが、これまで続いていた人材の流出を抑えることができ、働きやすい職場作りも可能となってきている。今年度は園の目標を共有し、チームワークよく働くこと、保育環境を見直すこと、中長期を見据えた経営の安定、保育内容の充実、主体性の保育の実現に向けた専門性の向上などに対し、職員のモチベーションを上げられるようにしている。職員のチームワークは、2年前より良くはなっているが、全体がまとまるには、もう少し時間が必要と認識している。地域の子育て支援や地域との連携についても、実現していきたいと考えている。そのためには、職員への十分な周知が必要と捉えている。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

事業計画書や事業報告書は、法人全体でまとめている。職員にも配布しているが、職員への周知は不十分と捉えている。保育の計画は各クラスが決め、行事の計画は担当が決めている。行事の担当者は、昨年までは主任が決めていたが、今年度は職員が自主的に手を挙げて決めている。行事の実施前には、全体会議や乳児会議、幼児会議で、事前打合せを行っている。単年度の計画は作成しているが、中長期を踏まえたものかどうか、課題も残っている。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

保育の計画は各クラスが決め、行事の計画は担当が決めている。行事の担当者は、昨年までは主任が決めていたが、今年度は職員が自主的に手を挙げて決めている。行事の実施前には、全体会議や乳児会議、幼児会議で、事前打合せを行っている。今年度の目標に、①一人ひとりの個性を大切にすること、②基本的生活習慣を身に付けること、③運動遊び(基礎体力作り)、④食育をあげ、「向丘はなみずき保育園~笑顔いっぱい みんなのお家~」に記載して、保護者に示している。行事の実施後は、反省点などを文書にまとめ、全体会議で職員に内容を説明している。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

今年度はコロナ禍で開催を中止したが、昨年度は、保育内容説明会で、園の方針や計画などを保護者に説明している。また、園長と主任が保護者会に出席して、情報の共有を行っている。法人からも、課題などを保護者会で説明し、保護者には書面で通知している。職員の離職が続き、保護者も不安を感じていたため、園長に就任した昨年度は、保護者全員と個人面談を行い、年度末には、「職員体制の状況」を掲示して、保護者の不安の解消に努めている。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

全体会議や主任・副主任会議、リーダー会議、乳児会議、幼児会議を定期的に開催して、保育の質の向上に向けた取り組みを行っている。会議には、可能な限り、園長も参加している。また、月案や週案の反省を次に活かすよう心がけ、主任や園長が内容を確認している。今年度は園を改善する年として、職員全員が自己評価を行い、目標を立てて保育に取り組んでいる。正規職員は「保育士の自己評価」、非常勤職員は「自己チェックシート」を用いて、4月に自己の目標を設定し、3月に評価することとしている。園長との個人面談も、12~1月にかけて行い、目標の進捗状況を確認している。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:c】

保育の質の向上に向けて評価を行っているが、改善にまではつながっていない。職員間で課題を共有し、具体的な行動につなげていくのは、これからと捉えている。まずは、職員の保育観の違いや関係性を修正し、職員全体で「こんな園にしていきたい」と、具体的に話し合うことが大切と捉えている。今後の取り組みの大きな課題である。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

「係分担表」を作成しているが、園長の役割と責任については、職員への周知が不十分であるため、今後は明確にしていく予定である。園長を担って2年目を迎え、退職者も減って落ち着いてきたことから、職員一人ひとりの話を、じっくり聴く時間を作っている。子どもとの関わりや保育の内容など、職員の意見をできるだけ聴くようにしている。主任・副主任会議で情報を共有し、コロナ禍の中、保育をどのように進めていくか検討している。特に文書には示していないが、園長不在時は、主任や副主任が職務を代行することとしている。外出時は、園専用の携帯電話を所持し、いつでも連絡が取れるようにしている。災害発生など、有事の際の園長の役割は明確でないので、今後は明示していく予定である。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

区の園長会や管理職研修会などで、遵守すべき法令などを理解するよう努めている。職員には、個人情報の保護や守秘義務、子どもの人権などについて、日常的に伝えている。個人情報の保護については、入職時に職員から「誓約書」を入手している。また、取引業者などとの利害関係についても留意して、適正な関係を保つように努めている。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園長の業務は多岐にわたり、保育現場になかなか入っていけない現実がある。主任・副主任会議などで状況を把握しているが、保育現場からは実際の場面を見てほしいとの声もあり、今後はできるだけ多く保育の場に入り、現場の課題に対応していく予定である。「聞く」より「見る」を優先したいと考えている。園長と職員の個人面談は、年2回、状況に応じて3回、行っている。普段、職員と一対一で話を聴く機会がなかなかないため、園長面談では、個人的な悩みも含め、じっくりと職員の声を聴くようにしている。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

園の方向性については、昨年度、外部講師を招いて、職員がグループワークを行い、保育方針の見直しを行っている。グループワークでは、職員に多くの気づきがあったが、不足する部分もあるため、今後も継続して研修を行うことができたらと考えている。職員不足から職員増に取り組んだが、正規職員と非常勤職員のバランスなど、課題も残っている。職員が働きやすい職場作りを目指し、一人ひとりの話をよく聴き、人員配置に工夫して、改善に取り組んでいく予定である。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

福祉人材の確保は、園長が希望を伝え、法人が一括して求人活動を行っている。正規職員の人材が確保できたことで、職員の負担も軽減している。職員の残業は、書類の作成や翌日の準備によることが多いため、主任や副主任がフォローして、午後の時間に記録や準備ができるように働きかけ、残業時間は少なくなってきている。また、産休や育休後も職場に戻ってくることができる体制作りや、非常勤職員から正規職員への登用、時短の導入などに取り組んでいる。子どもの病気で、職員が1時間早く帰る時もあり、職員皆が認め合っていく関係作りを進めている。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

キャリアアップの仕組みなど、現在は体制が不十分なため、評価が給与に反映できるような仕組みを作っていきたいと考えている。愛情をもって子どもに関わる、やる気のある人材、思いやりや協調性のある人材、自分の意見を持ち常に学ぶ姿勢のある人材を、期待する職員像としている。「笑顔いっぱい みんなのお家」の実現を目指し、子どもたちの居心地の良い居場所を、職員が自分たちで作り上げていくという気持ちを持って、主体的な保育に取り組んでもらえるようにしていきたいと考えている。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

園長や主任が、職員の悩みの相談に随時対応し、定期面談を年2回、実施している。人材の確保ができ、昨年度多かった残業についても改善ができてはいるが、まだ不十分な面もあるため、事務を行う時間を確保できるよう取り組んでいる。新型コロナウイルスの蔓延に対しては、職員の特別休暇の取得、小学校の臨時休校に伴う特別休暇の取得、在宅での勤務などを取り入れている。職員の有給休暇や残業時間は、主任と事務で把握し、法人本部も確認するようにしている。職員の年間の有給休暇の取得は、5日間以上であることを確認している。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

職員全員が自己評価を行い、目標を立てて保育に取り組んでいる。正規職員は「保育士の自己評価」、非常勤職員は「自己チェックシート」を用いて、4月に自己の目標を設定し、3月に評価することとしている。園長との個人面談も、12~1月にかけて行い、目標の進捗状況を確認している。職員の資質向上として、研修を多く受けられるよう配慮して、職員一人ひとりの質の向上、園全体の質の向上を目指している。定期的に園長との個人面談を行う他、園長や主任に話しにくい事柄は、法人との面談ができることを、職員に伝えている。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

今年度は新型コロナウイルスの影響で、多くの外部研修が中止になり、計画通りには実施できていないが、主任が参加者を割り振り、申し込みを行っている。7年以上の経験のある保育士は、処遇改善加算の対象となるため、外部研修参加の機会を確保して、保育の質の向上を図ることができるようにしている。職員の退職が多かったことから、新人職員に対するOJT(職場内の指導研修)の体制を取ることができず、新人職員にもう少し丁寧な指導ができる体制を整えたいと思っている。主任と担当の保育士で園内研修を企画し、全体会議の後で、「マニュアルについて」や「子どもについて」の内部研修を開催している。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

職員教育がきちんと行えていないため、新人職員に対するOJT(職場内の指導研修)の体制を作ることを目指している。外部研修は、担当しているクラスの状況を確認し、その職員に合った研修を紹介し、できるだけ参加できるようにしている、職員が少なくても年1回は外部研修に参加できるようにしている。外部研修の参加後は、研修報告書を法人に提出し、内容によって全体会議で研修報告を行っている。研修報告書は綴り、いつでも内容を確認できるようにしている。区内の各保育園が行っている公開保育には、もっと複数人数で参加できるようにしていきたいと考えている。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

主任を担当として、昨年度より実習生の受け入れを行っている。事前にオリエンテーションを行っているが、受け入れマニュアルが整備されていないため、作成を検討している。昨年1名、今年1名の実習生を受け入れているが、職員にとっても勉強の機会となるため、今後も積極的に受け入れを行っていく予定である。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

ホームページで情報を公開しているが、予算や決算の情報までは掲載していないため、今後はホームページの内容を更新し、園の行事なども随時伝えていくよう改善していく予定である。地域の子育て支援については、地域子育て支援担当職員を配置して、活動を進めるところであったが、コロナ禍で、思うような活動はできていない。園内の行事の情報は、掲示や園見学者への案内などで周知を図っている。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

園内の金銭の遣り取りや管理については、事務担当者を置き、必要な物品は園長や主任の承認を得てから購入している。園全体の金銭管理は法人が担当し、収支の管理を行っている。保育所の事業、財務については、外部の専門家による監査を受けている。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域子育て支援担当の職員を配置して、地域との関わりを積極的に行う予定であったが、今年度はコロナ禍で、思うような活動には至っていない。昨年まで行っていた5歳児と地域の独居会との交流や、地域の子育て支援活動も休止の状態で、園見学や園庭開放の活動のみとなっている。社会資源について、地域から情報提供があれば、園内に掲示したり、パンフレットを置いたりして対応している。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

特に担当は決めていないが、主任がボランティアの受け入れを行っている。中学生の職場体験や園体験など、学校教育への協力として、活動の受け入れを行っている。昨年度は2校を受け入れ、授業の一環として、1クラス30人の中学生が、子どもたちと一緒に遊んだり、おもちゃを作ったりしている。コロナ禍で、今年度の受け入れは、未定である。また、保育系の学生アルバイトを採用し、現在1名の学生が、保育現場に携わっている。学生の将来の夢の実現に協力している。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

虐待のケースなどについては、区役所や児童相談所と連携して対応し、職員にも状況を伝えることとしている。定期的な連絡会は開いていないが、ケースによって、区の保健師と連絡を取り合っている。今後は必要に応じて、関係機関とカンファレンスを行っていきたいと考えている。保護者から、自分の精神状態が心配と話してくることもあり、保護者の様子に気を付けるようにしている。虐待が疑われるケースで、こちらから関係機関につないだケースはこれまではない。地域の小学校や病院、消防署などとも連携している。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

子育て支援会議に参加して、地域の実情を確認する機会を持っている。園の周辺は、集合住宅が多く、自治会の夏祭りなども行われている。現在はコロナ禍で実行できていないが、地域のお祭りや行事などに参加して、近隣の地域と交流を図り、地域のニーズを把握していきたいと考えている。地域を支えているキーパーソンの方々との関係を作り、地域の現状を把握して、地域が抱えている課題を明確にしていきたいと考えている。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:c】

現段階では、活動ができていない。子育てグループや民生委員児童委員、役所、児童館、子どもセンターなどが参加する「宮前区子育て支援連絡会」に、園長が役員として参加しているので、今後は現状を共有して、地域の子育て家庭のニーズを把握して支援していきたい。園の子どもたちのために、災害用の備蓄品を揃えている。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

昨年度、職員全員が参加して、グループワーク形式で「子どもの人権について」の研修を実施している。今までは安全を優先しすぎて、「禁止」「否定」の保育になっている部分もあったが、職員一人ひとりが「子どもの人権とはどういうことか」の意識を持ち、子どもに接するようになってきている。研修の成果や、職員が学ぶべき部分をお互いに取り入れ、「主体性を重視」した保育へ向かっている。まだ、取り組みは浸透しきれていないが、受け持っている事例(特性の強い)をケースカンファレンスに上げるなど、尊厳について共通理解する動きが出始めている。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

プライバシーの保護については、全体会議や、年1回実施する自己評価の中で、職員が再確認している。連絡帳をデジタル化に変更したため、子どものプライバシーの保護について、あらためて配慮するようにしている。SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)や園内の写真撮影は、ルールを決めている。また、子どもたちの着替えの時は、カーテンを使用し、子どもにも着替えの時は全部脱がず、順番に着替える習慣が身に付くよう働きかけている。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

コロナ対策のため、利用希望者には園外から見学してもらい、写真などを使って時間をかけて説明している。担当者を決め、スムーズに対応できるようにしている。利用希望者には、年間行事の案内も出し、身近に接してもらった上で選択できるよう取り組んでいる。コロナ禍の中、屋外開催の「サンマ祭り」は実施することができ、地域の子育て親子も招き、園の雰囲気を感じてもらっている。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

今年度は保育内容説明会が開催できなかったため、保護者へは、内容をコドモンで配信している。伝達漏れのないよう、伝えたい内容を写真やマーカーで協調して、書面も保護者に渡している。伝達漏れを防ぐため、玄関ホールに伝達事項を掲示している。デジタル化を取り入れたことで、保護者への情報伝達はとても早くなっている。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

転居などで保育園を替わる時は、事前に保護者と面談し、不安なく移ることができるよう配慮している。また、必要に応じて、子どもの情報を転園先に提供することもある。逆に、転園してきた子どもを受け入れる場合には、慣らし保育の間の様子を、保護者に詳しく知らせている。また、両親の不仲や虐待が疑われる場合は、行政と連絡を取り合い、見守りや情報の共有を行うこととしている。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

昨年度、法人の常務理事や園長、主任が保護者会に出席して、園への要望などを確認している。例年は、全園児に対し個人面談を実施しているが、今年度はコロナ禍で、面談は0歳児と5歳児に限定し、他のクラスは希望する保護者との面談としている。また、日頃の保育場面は「きょうの様子」としてまとめ、保護者に情報を配信している。幼児クラスの子どもは、自分でも様子を伝え、親子のコミュニケーションの機会としている。その他のクラスは、保育士が「メモ連絡」として、園での生活を保護者に伝えている。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

「重要事項説明書」に、苦情対応受付者と苦情対応責任者を明記し、保育内容説明会で、保護者に苦情解決の仕組みを説明している。苦情解決の仕組みは、玄関ホールにも掲示している。苦情を受け付けた場合は、内容を真摯に受け止め、改善に向けて話し合いを行い、保育の質の向上に反映させている。保育場面の苦情については、担任や主任、園長で話し合い、保護者に話し合いの結果を返している。連絡事項の伝達漏れがないよう、担任の他、退園時の当番の職員からも、必要な情報を個別に伝えている。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

園内に意見箱を設置している。保護者からの個別の相談は、随時受け付け、相談内容に配慮して対応している。子どもの様子で気になる点がある時は、職員から保護者に声をかけている。連絡帳をコドモンに変更し、相談しやすい環境を整えている。また、保護者が安心して相談できるよう、相談室を確保している。今後は、複数の相談場所があること、相談相手を選択できることなどを、文書化する予定である。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

保護者からの意見は、クラス担任や主任、副主任が丁寧に対応している。受け付けた意見は、ミーティングや全体会議などの場で、職員全員が共有し、迅速に改善していくよう取り組んでいる。意見の内容によっては、法人の会議で協議する体制を整えている。ただし、意見や希望の対応マニュアルは整備されていないため、今後、整備していく予定である。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

ミーティングノートに、ヒヤリハットの内容をまとめている。事故やヒヤリハットの内容は公表し、防止策を職員に周知している。ミーティングノートは、非常勤の職員も閲覧できるようにしている。「首から上の怪我については受診し、看護師を中心に1ケ月は経過観察していく」ことなどを決めている。発生した事例については、職員が記録を閲覧することとしているが、ケースカンファレンスの開催までには至っていない。そのため、各職員の危機管理に対する認識の違いがある。また、個々の職員の責任となってしまいがちである。今後は、園全体の問題として、事例の検証や再発防止に向けた取り組みが必要と捉えている。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症については、特に予防を重視している。子どもたちには、担任が「手洗いやうがい」の方法を指導している。また、絵やイラストを使い、わかりやすいポスターを園内に掲示している。看護師が開催する「健康集会」では、パネルシアターにて、ブラックライトを当てて「飛沫の範囲」の様子を示すなど、子どもたちが視覚で感じることができる取り組みを行っている。職員に対しては、嘔吐物の処理について指導を行っている。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

防災訓練を毎月実施し、その様子をコドモンで保護者に一斉配信している。訓練後は、反省点を書面に残し、職員会議で内容を協議している。今年度は、引き取り訓練も実施し、引き取りに来ることができなかった保護者には、迎えの時に、防災カードの確認などを行っている。備蓄品はリストを作成し、年1回、期限切れの確認を行っている。子どもたちを不安にさせないため、「安全を第一に」をスローガンにして、訓練に取り組んでいる。今後は、訓練で確認した問題の改善や、園長や主任不在時の具体的な対応について、取り組んでいく予定である。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

保育のマニュアルを文書化し、園内研修などで、職員に周知している。また、マニュアルはいつでも確認できるよう、ファイルに綴じている。昨年度、外部講師による研修を開催し、保育方針である「主体性について」学び、保育の方向性を確認している。研修後は職員の意識が、これまで以上に「主体性」を重視した保育へと変化している。子どもたち一人ひとりの特性を尊重し、細かい作業が得意な子どもには、才能を伸ばす遊具を用意している。また、子どもの特性に応じて、個別の保育も実施している。保育内容は、週案、月案で組み立てている。クラス打合せでは、クラスごとの情報を、職員間で共有している。虐待の対応についても、「虐待対応マニュアル」を策定し、行政や関係機関と連携する仕組みを作っている。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

標準的なマニュアルを整備し、内容の見直しについては、ミーティングなどで意見を出し合っている。必要に応じて、乳児会議や幼児会議、主任・副主任会議、全体会議などで変更点を協議している。保育所保育指針の改訂に合わせ、マニュアルは見直しの必要があると捉えている。日常業務におけるPDCA(計画→実行→評価→改訂)のサイクルは確立していないため、今後の検討課題としている。        

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

外部の意見を指導計画に取り入れたり、振り返りの時間を設け、次の計画に活かすよう協議している。月齢に応じた発達が達成されているか、アセスメントし、個別の保育に活かしている。子ども一人ひとりのアセスメントについては、個別の児童票で管理しているが、管理しきれていない面もある。今年度から、コドモンで指導計画を作成しているが、システムに不慣れで、すべては移行できていない。クラスの年次引継ぎなども、ミーティングの時間が取れず、文書での引継ぎとなっている。今後はこれらの課題を改善していく予定である。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

年間計画や月案、週案に則り、子どもたちに保育を提供している。週案の評価を行い、次の週に活かしている。週案の評価は、月案にも反映している。指導計画の変更が必要な場合は、月1回開催する全体会議で話し合い、その結果を、翌月の指導計画や保育実践に活かしている。期ごとの反省は、年間計画の反省、評価に記載しているが、協議する場がないため、今後の検討課題としている。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

定期的に各会議を開催して、子どもの様子や周知事項を共有し、議事録を作成している。コドモンで指導案の作成を行っており、保育室にパソコンのタブレットを用意して、記録しやすい環境を整えている。他のクラスの情報も共有しやすくなっている。コドモン導入の成果として、個人記録の書き方が統一されていないことがあがり、記録方法の統一に向けた話し合いを行っている。個人記録は担当者で話し合いながら作成している。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

子どもたちの個人情報は、鍵のかかるロッカーで、5年間保存している。また、保育室のパソコンはパスワードで管理して、保育終了後に職員室に収納している。アレルギー体質の子どもの情報や疾病の情報などは、担任だけではなく、全職員が把握するよう体制を整えている。個人情報の取り扱いについては、保育内容説明会の場や、「重要事項説明書」を用いて、保護者に周知している。ただし、記録の管理に関しての職員研修はこれからの取り組みになる。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

全体的な計画は、向丘はなみずき保育園の理念や方針、目標、年齢別目標、養護と教育、食育、健康・安全・衛生、子育て支援などを整理し、地域の状況を踏まえた上で立案している。4年前、公立の保育園から、社会福祉法人の運営に代わり、建物も新築している。1階には乳児クラス、2階には幼児クラスを配置している。保育の内容は、旧公立時の良いところを残しつつ、向丘はなみずき保育園の理念や方針に沿った保育を取り入れて実施している。保護者からも、公立時に実施されていた伝承遊びは残してほしいなどの意見があり、地域や保護者の意見を取り入れながら、「子どもの主体性」を目標に掲げた全体的な計画により、保育を実践しているところである。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

「みんなが集まる大きなお家」を、向丘はなみずき保育園のモットーとして、子どもたちが楽しく集まる園を目指している。園は集合住宅に囲まれているが、すぐ近くには公園があり、自然環境に恵まれている。天気がよい日は、子どもたちが袋を持って公園に行き、ドングリや落ち葉を拾い、ドングリの独楽やクリスマスリースを作っている。園内は常に清潔を心がけ、掃除や消毒を行っている。午睡はコットを使用し、子どもたちが安眠できる環境を整えている。特に0歳児はおもちゃを口にするため、常に消毒済みのもので遊べるようにしている。おもちゃだけでなく、窓やドア、ロッカーなど細かい部分まで消毒を行い、衛生を保つよう心掛けている。牛乳パックでごっこ遊びの机や椅子、毎日使用する靴下入れなどを、保育士が手作りで作成し、楽しく生活ができるよう工夫している。保育士自身が、子どもが安心して遊び、安心して頼れる環境の一部と考えている。各クラスに子どもたちの作品を飾り、楽しい雰囲気を作っている。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもたちは一人ひとり、成長の過程が異なるため、個々の発達を見据えながら、また、家庭での環境にも配慮しながら、保育を行っている。生後5ケ月で入園してきた乳児も、今は離乳食も後期になり、つかまり立ちができるようになっている。喃語(乳児が発する意味不明の言葉)を発していた子どもも「ママ~」など、一語文が言えるようになり、大きく成長している。子どもたちが何かできた時は、保育士も共に喜び、ほめながら、時には代弁して、愛着関係を構築している。年齢が大きくなるにつれ、自分のことは自分でできるようになってくるが、時には甘えてくることもある。その時は、しっかり抱きとめ、子どもが満足できるようにしている。否定的な言葉は使わず、子どもの状態に応じて受け止めている。保育士間で、子どもの受け止め方の違いなど温度差があり、今後の課題としている。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:b】

毎日の生活の中、遊びを通して、子どもたちに基本的な習慣が身に付くようにしている。スプーンを上から握って食べていた子どもが、下から持って掬えるようになったり、鉛筆の三点持ちができるようになると、「そろそろお箸を使ってみませんか」と保護者に働きかけ、園でも箸に移行したりしている。おむつ替えは、「さっぱりしようね」など声かけしながら、トイレのベッドで行っている。外遊びの後は、洋服をすべて着替えて、さっぱりしてから食事や午睡の時間に移っている。3歳くらいになると、着替えを自分でできる子どもは見守り、戸惑っている子どもには、さりげなく保育士が手伝いながら支援している。年長児は年明けくらいから、小学校での生活に向けて、午睡の時間をなくしているが、身体を休める時間として、絵本を読んだり静かに遊ぶ時間としている。子どもが主体的に生活習慣を身に付けていくよう支援しているが、保育士が手を出しすぎたりしないよう、連携を取りながら進めているところである。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

今年度の目標である「子どもが主体的、自発的に遊ぶ」ことができるよう、コーナーを充実し、環境作りを行っている。おままごと遊び、折り紙遊び、粘土遊び、人形遊びなど、子どもたちが自分の好きな遊びを自由に選ぶことができるよう、各クラスのコーナーを整えている。年長児は人形コーナーで、洋服を着替えさせたりしながら、ボタンかけが上手にできるようになり、自分の着替えも上手になっている。保育士が牛乳パックやフェルト、紐を使い、手作りおもちゃを作成して、子どもたちと楽しんでいる。独立した絵本コーナーが園内にあり、子どもたちの秘密基地になっている。子どもたちは絵本をゆっくり読んだり、興奮した時にクールダウンする場として使用している。子どもたちの大人気の場所になっている。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

0歳児は、安心・安全・衛生の三点に配慮し、子どもたちが快適に過ごすことができる環境作りを行っている。子どもたちが楽しむことができるおもちゃを入れ替え、消毒後の清潔なおもちゃで遊ぶことができるよう取り組んでいる。長時間保育でも飽きないようにしている。午睡の際は、SIDS(乳幼児突然死症候群)に注意し、5分置きに呼吸の確認をして記録し、保護者にも状況を配信している。また、お座りができるようになってきた子どもには、円座を用意し、安定して座れるよう工夫したり、這い這いができるようになった子どもには、危険のないようサークルで安全を保ったり、よちよち歩きができるようになった子どもには、転倒に気を付けるよう細心の注意を払っている。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

感染症に罹患しやすくなる時期であるため、咳やくしゃみがある場合は、他の子どもと少しテーブルを離すようにしている。牛乳パックで作った踏み台を使って、一人で上手に手洗いができるよう配慮している。おままごとを出して遊んだり、絵本を読んでもらったりと、子どもたちが異なる遊びをしている時は、サークルを使って集中して遊べるよう工夫している。テーブルの上のドリンクバー遊びで、ボタンを押すなど、見立て遊びをしている場面が多くみられる。子どもたちの想像力を大事にして声かけをしている。這い這いをしながら探索活動をしている子どもには、行きたいところ、やりたいことができるよう配慮して、危険がないか見守っている。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

以前は一斉保育を主に行っていたが、子どもたちの主体性を尊重し、自主的な活動ができるよう保育を行っている。子どもたちはコーナー遊びなど、自分で選び、自分で考えた遊びに向っている。保育士に読んでもらった絵本から、「ふんわりトンネル」という劇に取り組み、子どもたちが役割を決め、劇中のトンネルや木などを製作し、自分たちで配役も決め、生活発表会で発表している。コロナ禍の中、家族の見学は2名までと制限したが、発表の喜びを共に味わっている。また、給食当番や花壇の水やり当番など、当番活動も自主的に行っている。園からの帰り道の歩き方についても皆で考え、「一人で走って行かないで、家族と手をつないで歩こう」など、子どもたちがルールを決めている。4、5歳児には、「○○ちゃんは今どんな気持ちかな」などと投げかけ、相手の気持ちを思いやることができるよう、働きかけを行っている。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

障害のある子どもには、個別指導計画を作成し、個別の対応を行っている。保護者や療育センターと連携を取りながら保育にあたっている。入園時は、不安でパニックになったりしたが、今は落ち着いて生活を送っている。身体的な障害のため、補装具を使用している子どももいるが、友達と仲良く遊んでいる。自分で困難なところは、保育士が手伝い、楽しく生活ができるよう配慮している。3歳になるとクラスが2階になるので、階段の上り下りに注意している。障害のある子どもがクラスにいることで、子どもたちに相手を思いやる気持ちが強く芽生え、大きな成長がみられている。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

18:30~19:30、延長保育を行っている。延長保育は1階のホールで行っているが、利用人数は2~3人と多くない。保育士が十分関わり、遊びながら保護者を待っている。補食として、おかかや昆布など、毎日異なる味のおにぎりと麦茶を提供し、子どもたちは、おにぎりをとても楽しみにしている。遅番の保育士が担当しているが、昼からの子どもたちの様子は、各クラスからの「引き継ぎ簿」で申し送り、子どもの様子の確認や保護者への伝達を行っている。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

小学校の入学に向けて、近隣2校の小学校と連携している。小学校の見学や、1年生と交流する場を設けている。卒園近くになると、保護者との懇談会を実施し、園と小学校の違いなどを説明し、保護者の不安を解消するようにしている。子どもたちも日々の生活の中で、小学校に行くという楽しみを膨らませている。地域の連携会議などにも参加して、情報を入手するよう心がけている。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

食事や排せつ、園庭遊び、食育、プールなどのマニュアルの他、健康についてのマニュアルも整備している。マニュアルには、朝の視診、室温・湿度、手洗い、歯磨きなどを明記している。今年度、歯磨きは飛沫感染防止のため、口をうまくすすぐことができる5歳児のみを対象にして行っている。毎朝、子どもたちは家で検温して登園し、園に来てからも、保育士や看護師が、鼻水や咳が出ていないか、機嫌は良いかなどをチェックしている。昨日の子どもの様子や朝の視診の様子などを健康日誌に記録し、朝のミーティングで報告を行い、全保育士が共有するようにしている。特に乳児は、午睡時のSIDS対策として、上向きに寝る、5分おきに呼吸の確認をするなどしている。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

乳児の健康診断は、小児科の嘱託医により2ケ月に1回実施し、幼児クラスは年2回、健康診断を実施している。健康診断の結果は個別の「すこやか手帳」に記入し、保育士の確認後、保護者に連絡している。歯科検診は、年2回嘱託医より行い、結果を「すこやか手帳」に記入し、保育士の確認後、保護者に連絡している。乳歯の生え具合などは、保護者にとって、育児の喜びにつながっている。日々、健康な生活を送るため、看護師による「健康集会」を年中児や年長児を対象に行っている。手の洗い方では、特殊液を手に塗って、洗い残りを確認して、きれいに黴菌をとる洗い方を体験したり、咳をしたりすると黴菌がどこまで飛ぶのかを、毛糸玉を使って実験したりして、健康生活の重要性を学んでいる。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

入園時の親子面談で、担当保育士や園長、栄養士などにより、アレルギーがないか確認している。アレルギーのある子どもは、医師から指示書を入手し、除去食を提供している。除去食はトレイに子どもの名前や、卵などの除去食名の札を乗せ、調理員が運び、担任と確認チェックを行い、さらに他の保育士とのダブルチェックを行う体制をとっている。除去食の子どもは、他の子どもとはテーブルの距離を置き、必ず保育士が傍で見守り、間違いのないように対応している。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

委託業者により食事を提供しているが、業者も食育に非常に協力的であり、力を入れている。子どもたちは、ピーマンやナス、オクラ、サツマイモ、カボチャなどを園の畑で栽培し、収穫したものをどうやって食べたらいいのかを考え、「キュウリを塩でもんで、塩もみにして食べよう」など、自分たちが育てた野菜を調理してもらい、給食に出してもらっている。今まで食べられなかったピーマンが食べられたなど、喜びを感じている。秋には、栄養士による「サンマ祭り」を行い、園庭で秋刀魚を観察したり、触ったり、骨の取り方を教わったりして、綺麗に食べることができ、食べ物への感謝の気持ちを育んでいる。離乳食で新しい食材を提供する時には、保護者と相談の上、家庭で確認してから、園で提供するようにしている。月1回、給食会議を開催し、献立などの話し合いを行っている。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:b】

子どもたちは、野菜に毎日水やりをし、成長を楽しみにしている。花から実になる様子、収穫した野菜の形や匂いなどを確認して、収穫の喜びを味わい、野菜を慈しんでいる。また、収穫した野菜を調理してもらった時の驚きや喜びを体験し、今まで食べられなかったものが、食べられるようになり、成長につながっている。給食会議で業者と話し合い、メニューの工夫などを行っている。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

連絡帳の使用を止め、デジタル化に変更して、保護者への連絡は、すべてコドモンを使って配信している。コロナの影響により、保護者は保育室に入れず、玄関ホールでの対応となっている。園内の活動がわかるように、玄関ホールに今日の保育の内容やクラスだよりを掲示している。今までは今日の献立のサンプルを展示していたが、現在は取りやめ、毎日、コドモンで配信している。家庭での子どもの様子も保護者から配信してもらっているが、毎日細かに様子を知らせてくれる保護者もいるが、なかには配信してこない保護者もおり、家庭での様子が把握できない子どもがいる。登降園時に確認しているが、今後の課題である。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

保護者からの個別の相談には、いつでも対応するようにしている。保護者からの相談は、担任や主任が対応し、園長が関わることもある。「家庭でおかずを作っても、ご飯だけしか食べないので心配」など、家庭での悩みを配信してくることがある。園ではおかずもご飯もきれいに食べていることを伝えると、安心して返事が返ってきたりする。「悪いことをした時は、鬼のアプリを見せる」と言う保護者には、子どもを怖がらせるのではなく、何故駄目なのか、優しく説明したほうがよいことをアドバイスしている。メールでは言いやすいのか、すぐに返事をしてくる保護者が多い。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

子どもの服から煙草の匂いがする時には、保護者にどこで煙草を吸っているのか確認し、できるだけ子どものいないところで吸うようアドバイスしている。子どもの身体面、行動面に変化がないか、常にチェックするようにしている。園の理念「子どもの最善の利益」を図っていくことを、心がけている。家庭で権利侵害が起こっていないか、また、園での権利侵害は絶対起こさないことを基本に置いている。保育士の言葉かけや態度が権利侵害につながっていないか、研修会などで意識を高めていくことが必要と考えている。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

毎年、職員が自己評価を行い、自分の目標、子どもに対する項目、保育、同僚に対する項目などをチェックして、1年を振り返り、次の目標を立てている。年度末の園長との面談でも、あらためて自己を振り返っている。前年度できなかった部分は、達成できるよう意識して保育にあたるようにしている。若い保育士が多く、自己評価や研修等により研鑽を積み重ね、専門性の向上を図っていかなければと思っている。