川崎市中部身体障害者福祉会館作業室「こすぎ」
第三者評価機関名 | 株式会社 R-CORPORATION |
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名称 | 川崎市中部身体障害者福祉会館作業室「こすぎ」 | 評価対象サービス | 障害者・児福祉サービス版 |
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対象分野 | 生活介護, 就労継続支援(B型) | 定員 | 25 名 |
所在地 | 〒211-0068 川崎市中原区小杉御殿町2丁目114-1 |
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TEL | 044-733-9675 | ホームページ | https://sgstksg.jimdofree.com/ |
【施設・事業所の概要】 | |||
開設年月日 | 2006年10月01日 | ||
経営法人・設置主体(法人名等) | 公益財団法人 川崎市身体障害者協会 | ||
職員数 |
常勤職員:9 名
非常勤職員:10 名
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専門職員 |
社会福祉士:1 名
看護師:2 名
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施設・設備の概要 |
設備:作業室1室
設備:静養室1室
設備:職員室1室
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<基本理念> 障害者の地域での生活を支援し、地域の人が利用しやすい、地域に根差した会館運営 <基本方針> 障害者団体の組織づくり、団体相互の理解や地域活動の推進、社会参加の推進、施設を開放し地域住民の理解を深め、共生の理念を実現する |
<作業室「こすぎ」の特徴的な取り組み> 作業室の職員は、朝夕の打ち合わせや職員会議等により、常にコミュニケーションをとりながら利用者本位の福祉サービスを提供するよう心掛けています。また苦情の申出があったときや対応の必要な場合は、苦情受付担当者が迅速に対応しています。作業室は常に明るい雰囲気です。 |
評価実施期間 | 2020/09/10(契約日) ~2021/03/16(評価結果確定日) |
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受審回数(前回の受審時期) | 2 回(2017年度) |
特に評価の高い点 | 【川崎市中部身体障害者福祉会館作業室「こすぎ」の概要】 ●日中生活介護、就労継続支援B型事業所である川崎市中部身体障害者福祉会館作業室は、公益社団法人川崎市身体障害者協会(以下、法人という)の経営です。法人は、障害者協会8施設、身体障害者団体9団体を母体として川崎市全区に、あらゆる障害に係る施設を展開しています。川崎市中部身体障害者福祉会館作業室は、JR線・東横線武蔵小杉駅から徒歩15分の静かな住宅地の一角に位置し、川崎市中部身体障害者福祉会館の1階部分にあります。川崎市中部身体障害者福祉会館は、会館事業を昭和63年に開始し、館内には、会議室(定員50名)、交流室(定員12名)、日常生活訓練室(定員12名)、視聴覚室(定員12名)、リハビリ室、相談室を有し、市民に施設の提供を行い、障害者の生活に関する相談や、ボランティア育成に関するサービス等、地域住民に対する啓発も身体障害者福祉会館の機能として実施しています。川崎市中部身体障害者福祉会館は、前述の会館事業と福祉作業所(以下、作業室「こすぎ」という)を有し、二つの事業を同じ館長(施設長)が統括しています。 ●今回の第三者評価対象の作業室「こすぎ」は、生活介護サービス定員15名、就労継続支援B型定員10名に対して現在、生活介護は18名、就労継続支援B型は4名が登録し、利用しています。会館事業は障害者団体を中心に会館の貸し出しを行う業務、作業室事業は就労継続支援B型と生活介護の利用者が外部の作業を請け負って製造等を行う業務です。会館の貸し出し日は限定されているため人の出入りは限られていますが、作業室には毎日利用者が通所しています。作業室「こすぎ」の利用者のほとんどは送迎バスで通所していますが、中には障害者用の自家用車で通所している利用者もいます。作業室「こすぎ」の良さも悪さもアットホームな雰囲気で、利用者は喜んで通所し、ご家族もその間に家庭での用事等を済ますことができ、工賃等より(利用者とは相違)通所できることに感謝の気持ちが大きく、利用者も作業室「こすぎ」が楽しいという声が多い状況です。状況を踏まえ、就労の意欲の希薄さにつながっている点が作業室「こすぎ」の課題の1つとなっており、課題解消のため、施設長の提案により作業へのモチベーションアップの工夫に取り組んでいます。 ◇特に評価の高い点 1.【思いの表現「思いカード」の活用】 ●作業室「こすぎ」では、利用者の「意見箱」を設置し、利用者個々の希望や、要望、苦情等を書ける「思いカード」を作り、利用者一人ひとりの「思い」を聞く工夫に取り組んでいます。「思いカード」は車椅子での目線に設置された意見箱の近くに用意され、利用者が自由に書いて投函できるようにしています。投書された内容への回答は、記名がある場合は直接、本人に「返答カード」を渡し、説明して伝え、匿名の場合は、掲示板に貼り出して回答しています。利用者の思いは多々あり、口頭で伝えにくい方も多く、この取り組みはとても有効であり、利用者が「思い」を述べられる良い取り組みです。「意見箱」をただの飾り物とせず、立派な1つのツールとして生かされています。特に、思いを伝えられない利用者にとっては1つの扶助になっているように思われます。 2.【生産品受注体制の強化】 ●今回が、作業室「こすぎ」は、第三者評価受審は3回目です。前回の評価では、生産品受注に関して非常に消極的な感が見受けられました。作業室の基本を利用者の楽しい集まりに置き、工賃の取れる生産品受注は二の次の印象でした。勿論、1回目から2回目、2回目から3回目と年月を重ねるごとに職場の環境は良い方向へ改善されていますが、受注について、今回初めて強化されたことはとても喜ばしく、利用者のやりがいにつながっており、意識の変化が感じられました。作業室「こすぎ」へ遊びに来るのと、仕事をしに来ることの意識の違いには大きな差があります。額に汗して働き、達成感を味わう報酬は嬉しいものです。施設長は、これまでのパソコン操作も「作業」の一環に加えました。体系的整備と受注量の増加は1つの変化をもたらしていきます。受注量に関しては今後に期待されますが、作業能力の問題も考慮しながら、中間指導層を育て、体制を固め、発注業者、利用者から期待される作業室「こすぎ」としての確立を期待いたしております。 3.【朝の会の実施】 ●作業室「こすぎ」では、就労継続支援B型と生活介護の全利用者と職員で全体の朝の会を行っています。利用者が日直と司会進行を担い、職員は司会担当の利用者に応じてサポートを行い、利用者が発した言葉を繰り返し、全員に聞こえるように丁寧に伝えています。司会を行う利用者は一人ひとりに話しかけ、挨拶を行い、出欠確認をし、職員も一人ひとりに挨拶をして良い雰囲気作りに努めています。利用者にとっての社会性は非常に重要であり、自分の意思をみんなの前で表明する習慣を大切に捉えて支援し、一人ひとりの主体性を引き出し、自発的な行動へつなげています。朝の会は毎年、継続しており、利用者の苦手な分野でもありますが、自然に行えるようになるまで、そして、利用者の中から指導者が生まれるよう、個々に進捗チェック表を設ける等、工夫をして根気よく続け、利用者の自信へとつなげています。 |
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改善を求められる点 | ◇改善を求められる点 1.【職員の育成、特に、中間管理職の育成について】 ●今回の事業者提出資料を拝見し、着目した点が常勤職員の平均年齢の高さです。この平均年齢の職員ならば作業室「こすぎ」の業務は知り尽くし、全て円滑に遂行できると思われますが、経験値の高い職員が持つノウハウの蓄積、文書化が成されているか、また、次世代の教育・指導、それらを網羅し、組織の中間管理職として確立されているかが注目されます。人的な余裕も加味されますが、現在の主任をスーパーバイザーにし、次の層にリーダーを任せ、スーパーバイザーが蓄積したノウハウを伝える等の体制が望まれます。中間管理職育成に尽力していかれることを期待いたします。 2.【理念について】 ●理念に関する考え方について、法人本部とする施設に関しては不明確な点が多い傾向にあります。法人として長い年月福祉サービスに取り組まれ、根幹の思想はゆるぎないのですが、この施設の理念を尋ねると、法人の理念を言う職員、法人の行動規範を述べる方、「確か印刷したものがある」と見せていただいたのはある年の年度目標であったりします。「根幹の思想は変わらない」と、「この理念に沿って事業を展開している」では大きく異なります。前者は、自分自身及び自分の周囲或いは、自分のまとまった考えの大元、後者は組織内に明確な判断基準と示すもの、の差があります。法人本部の理念とするのも良いと思われますが、川崎市中部身体障害者福祉会館・作業室「こすぎ」の理念を明確にし、統一することが重要と思います。改善として、理念としての統一した「文言」と、「掲示」が望まれます。 |
施設名:川崎市中部身体障害者福祉会館 作業室「こすぎ」 <評価に取り組んだ感想> 評価機関の協力により、職員一人ひとりの自己評価、全体評価、ヒアリングを経て、今回、第三者評価結果報告書を確認し、改めて当事業所の利用者支援と施設運営を振り返り、多くの気づきを得ることができたことを感謝いたします。 当施設は、他の施設と交流も少なく、人事異動もほとんど無いため、どうしても内向きな仕事をする傾向があります。地域に向け、また利用者のサービスの充実や社会参加、就労支援に向けて積極的に取り組む必要を今回の評価で感じました。ありがとうございました。 <評価後取り組んだ事として> 第三者評価結果報告書にてご指摘いただいたことを、以下のように取りまとめ、職員会議の話し合いや事業計画・業務計画に反映させたいと思います。 1.全体を通して ・利用者の就労意欲の向上(作業室が楽しいという利用者の声が多い反面、就労意欲が希薄。作業へのモチベーションアップに取り組む) ・中間管理職の育成(経験値が高い割には、ノウハウの蓄積が乏しい。中間管理職の育成が課題) ・作業室としての理念の明確化(中身館とも連携し、運営上、組織内で判断基準となるものを明確にする) 2.具体的事項 ①作業室の中・長期計画の策定 ②作業計画書の内容について保護者への説明 ③パート職員の研修受講(受講できる体制づくり) ④実習生受け入れマニュアルの作成 ⑤実習生担当の研修受講 ⑥救急時・送迎時の利用者ケアについての研修(AEDの使用方法等) ⑦作業室運営マニュアルの見直し(充実) ⑧虐待関係ファイルの用意(及び虐待・権利擁護研修の内容周知) 3.その他 ①PDCAサイクルを用いた業務改善の周知。職員に対してPDCAサイクルの理解を深める。 ②地域とのネットワーク化の意識の向上。作業室職員にも関係機関との連携を視野に入れた支援の取り組みが必要と考える。 ③利用者の社会参加支援の充実 ④就労継続支援B型を楽しい職場とするか、就労へのステップアップとするのか明確にする。 |
詳細評価PDF |
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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。 |
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【第三者評価結果:b】 公益社団法人川崎市身体障害者協会(以下、法人という)は、歴史と共に福祉サービスに取り組み、多くの福祉事業を展開しています。理念については、根幹なる思想はゆるぎなくもたらされていますが、職員個々、組織全体で理念の理解、文言の統一がなされていません。「根幹の思想は変わらない」と、「この理念に沿って事業を展開している」では異なりますので、法人本部で理念の策定もしくは、川崎市中部身体障害者福祉会館・作業室「こすぎ」での理念を明確にされることが望まれます。意識統一として名刺の裏に刷り込む、事務室、作業室に掲示する等、理念を統一することが重要とし、組織全体で共通理解をしてサービスの展開が図られることを期待いたします。 |
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。 |
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【第三者評価結果:b】 経営環境の情報把握については、障害者福祉施設事業協会の施設長会、4福祉会館の館長会議、川崎市社会福祉協議会の障害者福祉施設協議会、法人の理事会等から事業の動向について情報を収集し、分析を図り、職員に情報提供しています。理事会や施設長会、館長会議の資料等は回覧して共有化を図っています。事業の拡大に関しては、現在、就労継続支援B型より生活介護が中心となっており、通所の受け入れ増に関して送迎車両及び運転職員の問題、医療的支援を要する利用希望者においては看護・介護スタッフの兼ね合いもあり、事業拡大に関する急な対応は難しい状況にあり、継続して法人本部共々、課題分析と解決策を検討して行きます。 |
【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。 |
【第三者評価結果:b】 設備の整備、職員体制、人材育成、財務状況等については、事業計画で課題分析を行っています。事業計画は事務局を通じて理事会に報告し、報告書も提出しています。また、常勤職員には事業計画を配付し、口頭でも説明して理解を促しています。非常勤職員には重要な点のみ周知しています。課題として、就労継続支援B型の見直し及び会館事業の見直しが大きな柱です。 |
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。 |
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【第三者評価結果:b】 中期計画については、川崎市の指定管理に計画を提出しています。しかし、企画段階であり、具体的な検討は、今後の運営についての課題整理を始めている段階にて、進捗の図り方について再度議論を始めています。明確な中期計画書の策定と実施に期待されます。 |
【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。 |
【第三者評価結果:b】 基本的に中期計画は再検討の段階に戻った状況を踏まえ、中期計画の構想を基底として単年度の事業計画を策定しています。今年度の事業計画は実施可能な範囲とし、併せて中期計画の課題抽出を検討しています。課題に対しては課題分析シートを活用し、検討材料として活用しています。事業計画には収支予算計画を合わせて策定及び添付しています。 |
【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。 |
【第三者評価結果:a】 事業計画の策定はPDCAサイクルに則り組織的に実施しています。事業計画策定に先立ち、職員の意見は個人別にまとめ、実施状況は定められた時期、手順にて把握しています。事業計画(案)は各部署の担当が原案を提出し、施設長がまとめて策定したもの(原案)を部門担当者会議に提出し、検討を図り、全体の事業計画を策定しています。出来上がった事業計画は職員会議等で説明し、理解を促しています。 |
【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。 |
【第三者評価結果:b】 法人は公益社団法人であるので、決算等は公開していますが、事業計画そのものは利用者には周知していません。利用者に対しては、事業計画を行事計画に置き換え、行事への参加を促す活動を中心に知らせています。また、作業室「こすぎ」が併設する川崎市中部身体障害者福祉会館(以下、会館という)の改修等、直接利用者に関係する事項に関しては周知して対応等をお願いしています。今後の取り組みとして、計画を基に何を利用者に知らせ、法人及び会館として何に協力してもらいたいかを明確に示すことが期待されます。 |
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。 |
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【第三者評価結果:b】 作業室「こすぎ」は、就労継続支援B型での利用者は少ないため、生活介護の利用者に対する一種の「ケア」の側面も大きく、工場のように作業の質の向上のためにPDCAサイクルを用いて改善する活動が職員にも十分理解されていない傾向が強くあります。この点を常に課題として鑑み、施設長は毎年、作業室「こすぎ」としての自己評価を実施し、各職員の自己評価にPDCAの手法を取り入れ、現状維持では改善はできないことを喚起し、利用者と共に改善に取り組む所存でいます。今後の意識改革への取り組みに期待されます。 |
【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。 |
【第三者評価結果:b】 施設長及び主任(サービス管理責任者)は、作業室「こすぎ」の評価結果の分析から課題を把握し、全職員で課題の共通認識を図り、各自の自己評価の中で課題意識が持てるよう働きかけています。現状では、施設長と主任(サービス管理責任者)が課題を共有し、トップダウンでその改善を図っています。評価結果の課題を明らかにすることと、その課題の解決方法の策定等の整備に期待されます。 |
評価対象Ⅱ 組織の運営管理
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。 |
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【第三者評価結果:a】 施設長は、法人の考え方、施設長の方針(職務内容、組織図等)の明確化に向けて取り組んでいます。施設長は、自らの役割と責任について、職員会議等により表明を図り、配付しています。職員の役割については組織図に詳細にまとめ、範囲を限定して権限委譲を行い、組織として円滑に活動ができるよう努めています。施設長不在代行を含む権限委譲は、特に、災害時に重要であり、災害対応マニュアルに明示し、消防に提出している非常時組織図でも明確にしています。 |
【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 施設長は、遵守すべき法令等を十分に理解しており、利害関係者との適正な関係を実行しています。利害関係者に関してはインターネット等で取引業者のリストを入手し、競争入札等も行っています。また、法令遵守に関しては施設長会の勉強会に参加して情報を得、キャリアパスの管理職コースの受講からも知識を深めています。幅広い分野の遵守すべき法令については、防災のBCP関係、消費者センターの資料確認、コンプライアンス研修資料、購入時の留意点、労務関係の働き方改革、時間外勤務の決まり事等について、職員へも周知を図っています。法令遵守については職員会議で管理担当者にも説明し、理解を促しています。 |
【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:a】 福祉サービスの質の向上について、各職員の自己評価を基に年4回、施設長と面談を実施し、具体的に業務基準表等で確認を行い、質の向上につなげています。職員の面談結果は法人と共有し、具体的な取り組みを明示して次の面談で職員一人ひとりに指導しています。施設長は、トラブル時のアセスメントの方法をまとめて職員に示し、具体的な報告体制(レポーティングライン)の服務規律を周知して啓蒙しています。また、職員会議、朝夕の会に出席し、具現化できる提案があれば承認し、積極的に協力する等、リーダーシップを発揮しています。組織は実効性が必要である考えを持ち、必要に応じて直接、職員個別に話をしています。 |
【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。 |
【第三者評価結果:a】 事業の人事、労務、財務等の分析については、人事の職員配置の原案は主任(サービス管理責任者)が行い、労務は庶務担当、財務は事務担当が実施する等、各部門の長が確認する体制を整えています。人員配置については、時間を設けて検討し、館長(及び施設長)が決断を下し、職員会議で周知しています。業務の実効性の改善については、職員一人ひとりと話し合い、全体で課題の共有化を図り、事務局長も参加する部門担当者会議により、組織的に対応していく体制を構築するよう指導力を発揮しています。 |
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。 |
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【第三者評価結果:b】 福祉人材の確保・育成については、来年度、ジョブローテーションを検討中であり、課題シートによる育成面接のまとめにより、分析対応、調整決定ができる体制で育成に向けた面談を進めて行きたいと考えています。人材育成計画については、面談にてステップアップに関する話し合いをし、基本研修、中堅研修、キャリアパス研修等への参加を促し、業務チェックリストによる確認を行っています。資格については人物本位に、勤務年数等とは違った形で改善を図って行けるよう指導力を発揮しています。 |
【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 人事管理については、これまで育成面談を実施し、「期待する職員像」の明確化や職員の専門性、職務遂行能力の評価・分析を踏まえた指導を行ってきましたが、改善策を検討・実施するまでには至っていないのが実情でした。職員に全社協の資料(求められている点)を配付し、支援職員の業務目標を定め、面談を実施することや、採用面接時には3名体制で評価事項にそれぞれの評価を記入する等、体制改革を行いました。目標シート(振り返りシート)には施設長のコメントを入れて戻し、質の向上に向けて改革を行い、人事管理につなげています。 |
【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。 |
【第三者評価結果:a】 職員の就業状況については、事務担当がデータを集約し、データは会議、打合せ時に職員へ報告し、確認できる体制を整えています。施設長はデータを基に各職員の就業状況を確認し、職員の心身の健康と安全の確保に努め、午前・午後に各1時間ずつ休憩を取り入れ、全体へ共通理解を促し、推進しています。就業規則は丁寧に説明し、3・6協定も締結し、苦情処理ルートも整備しています。福利厚生については、概ね働きやすい職場環境が整備されており、個々のワーク・ライフ・バランスにも配慮し、人材育成計画を職員一人ひとりに作成して実行しています。福利厚生では、法人の組合で公益財団の福利厚生に加入しています。 |
【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 法人で職員行動指針を示し、それに沿って達成目標を明示し、職員は目標チェックシートに記入し、単年度の目標を決め、目標達成を目指すよう取り組んでいます。また、目標に沿い、職員と面談を実施し、進捗を確認し、助言、アドバイスを行い、育成につなげています。新任の時短職員にも業務を学んでもらい、常勤職員としての業務水準を求めています。 |
【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。 |
【第三者評価結果:b】 組織が目指す福祉サービスを実施するために、基本方針や計画の中に「期待する職員像」を明示しています。研修計画を明示し、主に川崎市社会福祉協議会(社協)のキャリアアップ研修に出席を促しています。常勤職員には研修案内を回覧し、外部研修等の研修一覧表を基に、職員一人ひとりの要望・ニーズを聞いて参加を促しています。パート職員へも研修を受講できる体制作り、研修の手法等を一考されることが望まれます。 |
【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。 |
【第三者評価結果:a】 各職員の知識、技術水準、専門資格の取得状況等については、採用時と年4回の面談で把握し、新任職員や異動職員については、職員の経験や習熟度に配慮した個別的なOJTを行っています。階層別研修、職種別研修、テーマ別研修等の機会を確保し、外部の研修については研修案内を回覧して推奨しています。また、評価、面談を通して職員一人ひとりの研修参加への提案や奨励を行っています。 |
【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。 |
【第三者評価結果:b】 実習生の受け入れでは、養護学校の卒業予定者の利用を前提とした見学・実習が多く、技術を身に付けるための実習生は少なく、受け入れのためのマニュアルも未作成のため、今後、マニュアルを作成する予定にしています。職員として入職を希望する学生の受け入れも是非、実施して行かれるよう実習依頼校へのアプローチが期待されます。また、マニュアルの整備と実習担当者の研修が望まれます。 |
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。 |
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【第三者評価結果:a】 厚生労働省の障害福祉サービス等情報公表制度に則り、情報公表事務の体制を整備し、法人のホームページ、作業室「こすぎ」のホームページに情報を開示しています。法人、福祉施設・事業所の基本方針、提供する福祉サービスの内容については法人のホームページに掲載されています。福祉施設・事業所における地域の福祉向上のための取組の実施状況、第三者評価受審結果についても公表しています。地域に向けて川崎市中部身体障害者福祉会館としてのビジョンを示し、「川崎市中部身体障害者福祉会館通信」を発行して情報を発信しています。 |
【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 経理規定を整備し、川崎市の監査を受け、施設管理指標の確認も行っています。内部監査は施設長(館長)と庶務担当で行い、外部監査は公認会計士の監査を受け、監査支援等の結果や指摘事項に基づいて、経営改善を実施しています。 |
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 地域との関わり方について、基本的な考え方を事業計画や運営方針に明示し、周知しています。活用できる地域の社会資源については作業室「こすぎ」・利用者としても活用ニーズが少ないため、作業室「こすぎ」で制作した製品の販売活動を通じて地域の行事や活動に参加し、川崎市中部身体障害者福祉会館のフェスティバルや小学校の福祉教育に協力する等、作業室「こすぎ」と会館が連携しながら地域と交流を図っています。また、地域の方々との交流を深めるため、ボランティアの受け入れを進めています。 |
【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。 |
【第三者評価結果:a】 ボランティアの受け入れに関しては、条例としても、また川崎市中部身体障害者福祉会館としても受け入れの方針を明文化しています。ボランティアについては、貸室利用のボランティア団体だけでなく、個人ボランティアも積極的に受け入れていく予定としています。ボランティアの受け入れでは、今年度はコロナ禍で受け入れていませんが、中原小学校等の体験学習の受け入れ(昨年度は2日間10名の受け入れ実績)、川崎市中部身体障害者福祉会館フェスティバルのボランティア(1日9名で延12回受け入れ実績)、NEC等の企業ボランティアの他、一般ボランティア用の登録申し込み用紙を備え、常時登録を受け付けています。 |
【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。 |
【第三者評価結果:b】 主な関係機関として川崎市障害者福祉施設事業協会、しごとセンター、川崎市社会福祉協議会、中原区社会福祉協議会、地域の相談支援事業所等と常に連携を図り、会議等にも出席しています。館長(施設長)は、中原区社会福祉協議会の評議員であり、情報を共有し、講習会の講師も務め、小学生に向けてノーマライゼーションに関する啓蒙も行っています。関係機関とのネットワークに属し、会館として社会資源を示していますが、職員については地域とのネットワーク化の意識は希薄であり、今後、職員の役割等を含め参加を促していく等、一考が期待されます。 |
【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 会館として、会議室等の貸し出しと講習会開催等を行っており、また作業室「こすぎ」では仕事の受注や配送で地域との連携を図っています。福祉施設として地域との日常的な接触はあまり多くないため時折、町内会長に町内会の利用について、でき得ることは協力していくことを伝えています。また、地域のニーズを把握するために来館者にアンケートを実施してニーズを把握し、運営の改善を図っています。 |
【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。 |
【第三者評価結果:a】 川崎市中部身体障害者福祉会館としてボランティアの育成をサービス内容として実施しており、作業室「こすぎ」としても協力しています。地域、町内会との関係では季節の町内会活動、納涼祭に参加し、障害者のフェスティバルに地域の方を招待する等、取り組んでいます。会館では貸館、講習会開催等、公益事業を地域に向けて実施しています。 |
評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 会館の基本理念や基本方針、倫理綱領としての職員行動指針があり、利用者を尊重する方針を明示し、利用者を尊重した福祉サービスを実施しています。標準的な実施方法にも利用者の尊重や基本的人権への配慮を定めています。職員への徹底については、研修で理解を促し、年4回の面談で理解の確認をする等、指導しています。 |
【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。 |
【第三者評価結果:b】 プライバシー保護については運営規定、契約書に明示しています。写真等をホームページに掲載する場合には利用者本人及び家族の了解を得ています。トイレについてはプライバシーに十分配慮し、声の掛け方等、利用者個々の特性に注意しながら接遇しています。トイレ介助が必要な利用者へは、他の利用者等から見られないよう配慮した上で、出来ることは自分で行ってもらえるよう促しています。契約時には必ず、利用者やご家族にプライバシー保護に関する取り組みを説明し、同意を得て契約しています。さらに、USBの持ち出しルール、携帯電話の使用場所、利用者に関して、職員の個人的な会話の規律等、情報セキュリティについて職場内研修を実施する予定にしています。接遇に関しても組織内で統一意識を図っていかれるよう期待されます。 |
【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。 |
【第三者評価結果:a】 川崎市中部身体障害者福祉会館及び作業室「こすぎ」のパンフレット等は会館の入口に設置し、掲示板にも情報を貼り出して周知し、ホームページでもQRコードで情報入手を可能とし、全てに亘り、視覚的、ビジュアル的に工夫をして分かりやすく提供しています。利用希望者への説明は、担当者を決め、相手の立場に立ち、分かりやすくゆっくり説明を行い、質疑応答に丁寧に対応しています。見学、体験入所、1日利用等の希望についても対応しています。提供する情報等は随時内容を見直し、リニューアルをするようにしています。 |
【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。 |
【第三者評価結果:a】 サービスの開始・変更は契約書において行っています。開始・変更の説明は口頭で丁寧に行い、体験入所について5日間、意思決定が困難な利用者においてはルールとして個別対応と定めています。就労継続支援B型から生活介護に変更の希望がある利用者については、ケアマネジャーを決め、再契約を含め、対応について職員へ指導しています。 |
【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者が退所もしくは、事業所変更等を行う場合には、それらに沿った必要な情報提供に努めています。事業所変更の場合にはケースカンファレンスを設けて関係職員と話し合いを行い、支援計画書の写しを持参してもらう手筈を取り、利用者の不利にならないよう相談支援センターが介入して利用者の詳細を伝えられるように整えています。退所する利用者へのサポートについては、退所後も相談があれば応じる体制を整え、職員は利用者を訪ねる体制作りを提案し、実施を検討しています。 |
【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 毎年、利用者満足度調査を実施し、昨年度は2月に実施し、今年度も実施する予定です。また、日頃から個別に利用者の声を傾聴し、満足度を把握するようにしています。調査結果は分析し、利用者へ口頭及びルビ付きの文書で報告及び掲示し、把握した内容は運営に生かしています。 |
【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。 |
【第三者評価結果:a】 苦情解決の仕組みについては、支援計画の説明時に重要事項説明書で苦情受付の体制を説明しています。また、苦情窓口、第三者委員(川崎市障害者福祉施設事業協会の方)等は掲示して周知しています。苦情を受け付けた際は、受付担当者と責任者が速やかに利用者との面談を行い、フォロー体制を敷き、サービス向上につなげています。苦情内容は職員に周知すると共に、川崎市障害者福祉施設事業協会に報告しています。作業室「こすぎ」では、意見箱の活用について、利用者の思いを「思いカード」(苦情に限らず思いを書いてもらうカード)に記入して投函してもらい、返事は「返答カード」で伝える取り組みを行い、利用者の思いを述べられるよう工夫し、利用者の扶助となり、サービスの向上につなげる良い取り組みです。 |
【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。 |
【第三者評価結果:a】 利用者が相談をしたい時、「思いカード」に書いて提出できる仕組みを確立し、記名の意見の場合は苦情担当(第三者委員)の来館日を伝え、相談できるように対応しています。苦情については記名であっても名前は伏せて掲示し、苦情に対する回答をみんなが閲覧できるようにしています。相談の申し出があった場合は、相談しやすい場所を設定し、話しやすい雰囲気作りに努め、意見が述べられる環境を整備しています。 |
【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。 |
【第三者評価結果:b】 利用者が相談や意見が述べやすいよう、意見箱(思いカードの設定)の設置、アンケートを実施して記名、匿名でも自由に述べられる環境作りを行っています。利用者の話は丁寧に傾聴し、いつでも、話をしたいと思う職員へ相談して良いことを日頃から伝えています。受けた意見等の回答に時間を要するものについては途中経過を伝え、安心を提供するようにしています。マニュアルは作成されていませんので、今後、対応マニュアルの作成が望まれます。 |
【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。 |
【第三者評価結果:b】 リスクマネジメントについては、リスクマネージャーを主任(サービス管理責任者)及び施設長(館長)として進めています。併せてヒヤリハットを行い、未然の事故防止を図っています。ヒヤリハット事例についてはミーティングで原因及びその帰結策を事例ごとに話し合い、解決策を全職員へ回覧して共有化を図り、再発防止に努めています。利用者の送迎に際して、運転者は安全運転研修を必ず受講しています。今後、救急の場合のAEDの使用方法の実技を伴う研修を毎年開催することを視野に入れ、救急時・送迎時のケアに関しても研修に取り入れていかれると尚良いと思われます。 |
【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 感染症の予防と発生時等の対応については、感染症対応マニュアル等を整備し、看護師を中心に対応及び処置を行い、全職員へ周知しています。基本の担当部署は業務担当が担い、責任者は施設長としています。感染症予防に関しては厚生労働省の通達に沿い、新型コロナウイルス感染症予防、ノロウイルス等の対策を速やかに行っています。ミーティングでもコロナ禍対策の検温、手洗い、マスク着用等、主治医の指示確認と周知徹底を図っています。館内で感染症が発生した場合には、利用者及びご家族に迅速に情報提供を行い、適切な処置に努めます。感染症に関する通達文書は全職員へ回覧を行い、文書配付については法人の方針に沿って実施しています。 |
【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 災害に関しては、BCP計画も記載された防災計画を作成し、二次避難所も含め、食料や備品類等を備蓄してリスト化し、備蓄品管理の担当は庶務担当としています。防災計画は事業室にファイルし、閲覧できるよう整え、災害時の対応体制を整備しています。緊急時に関しては消防計画の中に組織図を示し、職員緊急連絡網を作成し、記載しています。緊急時には近隣職員に可能な範囲で出勤できるよう要請し、ショートメールで連絡を取り合えるようにしています。 |
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。 |
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【第三者評価結果:b】 提供するサービスの標準的実施方法は、運営マニュアルを整備して活用し、法令集等にも標準的実施方法が記載されており、標準化を図っています。特に、利用者の尊重、プライバシーの保護、権利擁護に関わる姿勢については十分配慮してサービス提供の徹底に努めています。また、運営マニュアルに沿って職員研修を実施し、標準的な実施方法の共通認識を図っています。今後、標準的な実施方法を運営マニュアル、法令集等から抜粋する等、作業室「こすぎ」のマニュアルを作成することが望まれます。 |
【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。 |
【第三者評価結果:a】 運営マニュアルについて、標準的な実施方法として状況の変化に応じて都度、検討を図り、定期的に職員会議でサービス提供の検証を行い、見直しを図る仕組みを整備しています。個別支援計画については、モニタリングを行い、部分的に修正を図り、全職員へ周知して共有しています。 |
【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。 |
【第三者評価結果:a】 個別支援計画策定は、主任(サービス管理責任者)が主に原案を作成し、様々な職種による関係職員でアセスメントを行っています。個別支援計画には、利用者一人ひとりの具体的なニーズが明示されており、関係職員で検討し、利用者個々に応じたきめ細やかな計画を策定しています。個別支援計画は定期的にアセスメント及び見直しを図り、支援困難ケースについてはケース記録を参考にミーティングにて最善策の検討を行っています。 |
【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。 |
【第三者評価結果:a】 個別支援計画の見直しについては、時期、参加職員、利用者の意向、同意を得、手順等を定めて実施しています。改定された個別支援計画は周知を含めて一緒に利用者と相談しています。要望等に沿えない場合や出来ないことについては、相談支援センターと相談し、共に解決方法を検討し、見直しを図り、個別支援計画に組み込んでいます。 |
【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者の身体状況や生活状況等については、作業日誌、ケース記録に記載しています。作業日誌、ケース記録は手書きで記載し、誰でも閲覧できる体制として共有しています。作業日誌、ケース記録の記録要領の指導では、職員、利用者それぞれのレポーティングラインを定め、それが書かれていない場合には、その日の内に面談し、修正するよう指導しています。服務規程においても、報告・連絡・相談を怠ると指導するよう決まりとして定めています。記録には事実を記載し、所感、意見も記載するよう指導しています。 |
【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。 |
【第三者評価結果:a】 文書の保管については、庶務規定で明確に定め、個人情報保護規程も整備し、周知しています。個人情報漏洩に関しては入職時に誓約書を交わし、職員は遵守しています。守秘については初任者研修で周知を図り、施設長との面談でも都度、確認しています。記録管理の責任者は主任であり、最終責任は施設長としています。職員に対しては、個人情報保護に関するチェックシート(人権チェックリスト)を定期的に実施し、日々の業務を振り返る機会とし、喚起を図っています。個人情報の取り扱いについては、情報セキュリティ研修を実施し、周知徹底を図っていきます。 |
評価結果内容評価
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 自己決定を尊重するエンパワ-メントの理念から、「できることを自分でやった」気持ちを基本と考え、大切にし、利用者が自分で為すための必要な支援を行っています。利用者同士が話し合う機会を担保し、利用者同士が話し合える支援を最小限のルールとして運営を行っています。サービスの個別利用計画については、利用者個々の障害の内容に応じて合理的に配慮しています。職員への教育については、職員会議やミーティングで取り入れ、年4回の施設長との面談で個人別に確認しています。 |
【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。 |
【第三者評価結果:b】 権利侵害の防止について、利用者、ご家族に契約時等に伝え、ご家族には理解をもらっていますが、利用者へは理解に至るには難しい状況でもあります。職員は、定期的に人権チェックリストで確認し、事前に権利の侵害を防止できるよう研鑽を図っています。利用者は全員通所であり、拘束の事例も無いので作業室「こすぎ」独自の手順書は策定していませんが、川崎市の手引書をマニュアルとして、必要に応じて活用することにしています。また、「虐待ファイル」を備え、事例があれば川崎市へ報告を行い、書類も整備しています。現状、作業室「こすぎ」での権利侵害は考えにくいですが、権利侵害が生じた際の対応について確認の必要性は感じています。 |
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:a】 利用者の心身の状況、生活習慣や望む生活等についての相談に関しては、入所時のモニタリングの際に面談室を活用して面談を行い、把握し、計画に反映するようにしています。見守りについては、個人によって支援が異なるので、マニュアル化は難しく、個別指導計画の中に必要に応じて個別に記載しています。社会参加については、作業等による売り上げを朝の会で伝え、努力の成果を知ってもらえるようにしています。作業内環境に関しては、各利用者の衣服の着脱において指定場所に片づける習慣や、金銭の出し入れの確認をできるだけ自分で行うよう指導し、環境を整えるよう支援しています。作業では、キャンドルの工程(仕上げ、組み立て、コーティング)を習得し、出店先(フェスティバル、区民祭、福祉祭、JR溝の口駅前等)で販売を行う等、社会参加の幅を広げています。 |
【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者の心身の状況に応じて、コミュニケーションを大切に捉え、機会を設けて取り組んでいます。例えば、利用者の「朝の会」では司会を輪番制で行い、職員が援助を行いながら皆の前で発言できるように支援しています。また、相手に伝える文字は大きく書き、ルビを付けて示し、コミュニケーションを取りやすいよう工夫しています。発声が困難な利用者については、以前の調査訪問ではエイド(発声器)を使用していましたが、今回は文字盤を活用してコミュニケーションを図っていました。テーブルに着席する人数分けについては、作業内容を見極めながら会話ができるよう配慮し、場所にも考慮しています。職員は日々、心身の状況に応じて利用者と必ず話を行い、分からない場合は再度話を聞くようにする等、コミュニケーションを図っています。 |
【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 利用者の意思を尊重した支援として、週2回、会館内にコミュニティカフェを開き、自由に参加できるようにしています。レクリエーションの一環としての旅行の提案では、利用者がサファリパークに行きたいことを聞き、職員がパンフレットを貰ってきて見せる等、支援を行っています。また、種々のパンフレットを収集して行き先を利用者の方々に相談して決めてもらう等、レクリエーションを選択できるようにしています。日頃から、利用者が職員に話したいことを話せる機会を個別に設けるよう工夫し、相談できる雰囲気作りに努めています。 |
【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 作業室「こすぎ」では、個別支援計画に基づいて日中活動の多様化を図っています。ほとんどは作業を行っていますが、余暇については利用者の希望に応じて実施しています。掲示をして希望があれば詳しい話をしたり、本や雑誌から余暇の過ごし方の情報を提示しています。日中活動ではコミュニティカフェに行ったり、ポッチャ大会を行うこともあります。職員は、個別支援計画に基づいて、必要な日中活動や利用者支援への自覚を持って取り組んでいます。 |
【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 職員は、医療介護等の専門知識の習得のために様々な研修に参加し、日々の支援に生かしています。不適応行動等の行動障害に関する支援については、原因の要素を探求し、前後の行動を記録して個人ファイルに保存し、ミーティング等で話し合い、情報を共有しています。また、指導と支援の違いの理解を促し、職員会議で共有を図っています。職員間で対応策を書き出し、最善の方法を模索して対応に努めています。しかし現状、行動障害のある利用者は少ない状況にあります。結果は保護者や支援センターにも伝え、全体で利用者の障害の状況に応じて検討し、適切な支援に努めています。 |
【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 食事支援では、年1回、利用者へ嗜好調査を実施し、月1回、利用者と食事について意見や希望を聞き、給食配膳業者に伝え、利用者の状況に応じて支援しています。食数は、FAXにてオーダーし、食事の感想等も記載して注文しています。個別の食事対応については、ムース・刻み・1口大・常食の4種と、アレルギー食(除去食)にも対応し、利用者の体調に応じて選択しています。入浴に関しては通所の作業所のため、入浴支援はありません。トイレ介助については、標準(自立)以外の利用者は個別支援としてアセスメント、モニタリングで確認し、適切な支援に努めています。送迎についてはマニュアルを備え、移乗等の支援も行い、生活における場面において利用者の障害の状況に応じて、職員は適切に支援を行っています。 |
【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。 |
【第三者評価結果:a】 生活環境に関して、「安心・安全マニュアル」を整備し、環境における安全チェックは「安心・安全マニュアル」の中で項目に沿ってチェックを行い、利用者が安心して作業ができるよう確認しています。作業室(兼食堂)、トイレ、会議室等は広く、テーブルも大きく設け、衛生的に掃除が行き届き、明るい雰囲気です。利用者が休憩する専用の部屋は無く、作業室の中で寛ぎ、体調が優れない時は静養室で休めます。作業室の空調は、夏は28℃、冬は25℃を標準に設定し、利用者が快適に作業できるよう空調に留意し、環境に配慮しています。 |
【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 作業室「こすぎ」では、更生相談所の職員による指導・助言を受けながら機能訓練を実施しています。看護師が在籍し、利用者一人ひとりの健康管理を担当すると共に、生活訓練、感染症予防、専門職への助言・指導を行っています。通所の福祉作業所において、嘱託医師が定期的に訪問・診察しています。 |
【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。 |
【第三者評価結果:a】 作業室「こすぎ」には、看護師が2名在籍し、健康管理・医療的支援を行っています。毎日、利用者一人ひとりの体温計測等を行い、健康状態を把握し、健康管理、体調の変化に逸早く対応できるようにしています。医療相談は月1回実施して看護師が対応しています。利用者の健康については、毎朝、看護師による体操の実施、利用者の個々の健康管理プログラムの設定、毎朝の車椅子の整備・確認等を行い、新型コロナウイルス感染症が蔓延する前には近隣へ散歩に行き、気分転換を図る等、健康管理に十分配慮していました。 |
【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。 |
【第三者評価結果:b】 医療的な支援・手順については、個人マニュアルに記載され、職員へ周知して支援しています。服薬管理マニュアルを整備し、利用者にその日の分の薬を持参してもらい、支援しています。医療的な支援に関してはミーティングで確認し、共通認識を図っています。新型コロナウイルス感染症予防については最新の情報を入手し、職員、利用者へ文書を配付して注意喚起をしています。医療的な支援のレベルの問題では、作業所には医師が在籍していないため、看護師による平均的な対応レベルに留まり、標準的と言えます。 |
【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 利用者の社会参加については、利用者の意向を確認し、コミュニティカフェなどにも希望があれば参加しています。外出支援では、4月末に利用者へアンケートを実施し、行きたい場所等を把握し、グループで出かけるよう「外出プログラム」を作成し、外出支援につなげています。また、支援計画に記載し、地域のボランティア等を活用して外出できるよう相談にも応じています。生活介護では、販売活動等による社会参加や、学習支援を実施していますが、さらに社会参加ができる機会が得られるよう一考が期待されます。 |
【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 作業室「こすぎ」は、通所の福祉作業所であり、基本的に地域生活への移行支援は実施していません。もちろん、利用者から希望、相談があれば応じる予定でいます。作業室「こすぎ」は、住み慣れた地域で生活を維持するための支援であり、具体的な生活環境への配慮や支援を実施しています。例えば、家庭や作業に使う自助具について、或いは、手動の車椅子から電動車椅子への移行についての相談等、利用者の状態に応じた利用開始時に丁寧に話し合い、支援しています。外出プログラムでは、飲食店等で自分で代金を支払う練習や、「パスモ」等、交通系ICカードの使い方の練習、来館するヤクルト販売を自分で購入・支払いを行う練習等を計画に取り入れて、個々に支援しています。 |
【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。 |
【第三者評価結果:a】 家族支援、連携に関して、医療相談はご家族等と一緒に行い、意思疎通ができる利用者の場合は本人の意向を聞き、ご家族等にも確認を行っています。家族等との連携内容は、連絡ノートに記入し、記録しています。家族連絡先一覧を整備し、利用者の体調不良や急変時には速やかに、看護師または主任(サービス管理責任者)が連絡できるようにしています。また、保護者会(月1回)の開催や、理学療法士との相談会も実施し、家族支援を行っています。 |
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】 障がい児対象の施設ではないので評価外です。 |
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。 |
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【第三者評価結果:b】 作業室「こすぎ」は現在、就労継続支援B型で通所している利用者は4名ですが、就労意欲は高くなく、ここでの仕事の充実を目指している状態にあります。また、生活介護から就労継続支援B型に移行する希望者もいない状況です。以前は、就労希望の利用者がいて、就労支援センターと相談しながら対応したこともありました。利用者の方々はここでの生活、居心地に満足し、作業室「こすぎ」の良さが反面、就労意欲の希薄さにつながっている面もありそうです。パソコン作業については、アドバイザーがレッスンに来館し、先ずは、パソコンの資格取得を目指して利用者は取り組み、パソコンを使った新しい仕事を請け負う可能性について話し合っています。また、生活能力の習得では、髭を剃る、爪を切る等、身だしなみについて教えています。課題は、就労可能な利用者の入所と、作業室「こすぎ」のねらいを、楽しい職場とするか、就労へのステップの職場にするかを話し合うことが必要に思われます。 |
【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 利用者の障害に応じた仕事に配慮し、業務を決めて進めています。就労継続支援B型の利用者には工賃表があり、作業日報で点数を付けて工賃の内訳を知らせています。生活介護の利用者の場合は、行える仕事も限られており、体調に応じてできる場所で、できる時間だけ仕事を行うため、時間に応じた一定額を支払っています。仕事の配置は、利用者の体調を加味して朝のミーティングで決めています。利用者が望む工賃になるほどの収入と発注業者の獲得が今後、必要な取り組みと思われます。 |
【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。 |
【第三者評価結果:b】 仕事の機会の拡大(職場開拓)については、従来はあまり積極的な取り組みではない状況でしたが、しかし、現施設長の声掛けで、新規受注の開拓や積極的な設備改善に取り組んでいます。施設長の目ではまだまだとの評価でしたが、利用者に工賃を得る喜びを提供された点は高く評価ができます。川崎市の仕事センターから問い合わせや仕事の依頼を受ける等、作業室「こすぎ」に明るい変化が始まりました。まだこれからでもありますが、上昇の機運を感じます。受注した仕事、これから受注予定の仕事への組織体制の確立が望まれます。 |