社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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木下の保育園 江ヶ崎

2020年03月11日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 木下の保育園 江ヶ崎 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 78 名
所在地 230-0002
神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町16-27 
TEL 045-717-6313 ホームページ https://www.kinoshita-hoiku.com
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2016年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 株式会社 木下の保育
職員数
常勤職員:17 名
非常勤職員:10 名
専門職員
保育士:24 名
栄養士:2 名
看護師:1 名
施設・設備の概要
居室数:6室
設備等:ランチルーム、調理室

③ 理念・基本方針
法人理念 生きる力を創る
        子ども達に生きる力の基礎となる人間性を豊かに育みます。
        園のシンボルマークである色鮮やかな葉をつけた木のように、
        個性(葉)を尊重し、困難にぶつかっても心(枝)がおれないよう、
        人としての土台(根)を培っていくような保育をおこなっていきます。

保育目標 協調性  仲間を大切にし、思いやりのあるこども
        のびのび 心身共にすこやかで、意欲的に活動できるこども
       試行錯誤 最後まであきらめず、行動できるこども
       探索活動 挑戦することを楽しみ、自ら表現するこども

保育方針 協調性を持ち、他者を尊重し、認め合う心を育てる
        のびのびと自己表現が出来る環境を提供する
        試行錯誤をする中で考え創造し、自分で判断する力を養う
        探索活動を大切にし、こどもの興味や関心に寄り添う

④ 施設・事業所の特徴的な取組
保育環境つくりに取組む上で、保育園は様々な笑顔が生み出される場所であり、お預かりするお子様だけではなく保護者、スタッフ全ての人が笑顔でいることが、お子様の成長になり、より、大事なことだと考えています。

・笑顔が生み出される場所
お子様の笑顔が生み出される場所であり続けるために、より良い保育環境づくりに取り組んでいます。

・子育てパートナー
お子様は「有能な学び手」保護者はお子様の「最良の教育者」 良き子育てのパートナーとして保護者と連携し、地域社会の一員として貢献できる存在であり、お子様の成長を見守ります。

・コーナー保育と異年齢保育
園内に様々なコーナー遊びを設け、子どもたち自身が好きな遊びを選べる環境をつくっています。 そして、0歳~5歳の異年齢の子どもたち同士が自然と触れ合うことの出来る環境になっています。自己肯定感を育み、10年後20年後の姿を想像し、日々保育を行っています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/06/20(契約日) ~2020/02/26(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 0 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)和食を中心にした丁寧な給食と食育を進めています
 日本人の体に合った本来の和食の献立・一汁三菜を基本にした手作りの給食やおやつを提供しています。食材は、調味料においてはオーガニックで季節の旬の野菜や魚を使用しています。食品添加物や保存料などを省き、昆布、鰹節、椎茸のだしで薄味にし、子どもが生まれて初めて口にする素材の旨みや形を知る工夫に努めています。主菜は魚中心で赤身、白身、青魚等、種類も豊富に揃えています。食卓では切り身であるけれど、一尾で泳いでいることやそれぞれ違った魚を味わうこと、生態を知ることで、命ある食材が自分たちの体を作ってくれていることなど、食育にも繋げています。
 給食は、ビュッフェスタイルで異年齢で一緒に食べています。栄養士は子どもたちの喫食状況を把握し、子どもたちが食に興味を持ち、友だちと一緒に楽しみながらおいしく食べる環境つくりに努めています。
 園の味噌造りは、発達年齢で出来る工程をそれぞれが体験し、全員で造る手前みそです。本物を体験する園の保育内容「遊びは学び」が、丁寧な給食や食育にしっかり反映されています。


2)保育の本質を理解した保育を追求しています
 保育の本質を理解し意識を持って保育活動を行うことにより、活動自体の質が高められると考えています。保育者の配慮によって子どもの中から生まれる活動(主体的な遊び)に子ども自身の五感が働き、「遊びは学び」に繋げられるとしています。
 職員は子どもたちの発想や展開をWeb方式(蜘蛛の巣的な展開)で記録していき、確認しながら活動の意図を把握しています。それぞれの活動は、保育所保育指針の「幼児期に育ってほしい10の姿」を基本にしています。職員同士で評価、振り返りなど意見交換をしながら互いに学び合い、次の展望に繋げ、その日々の積み重さねを通して保育の本質の理解を深めています。園は、職員一人ひとりが正しい意識を持って保育を行い、より専門性の高い保育を行うことを目指しています。
改善を求められる点 1)実習生やボランティア受け入れのマニュアルの作成
 ボランティアは、園と地域社会をつなぐ柱の一つとして大切な存在であり、実習生の受け入も将来の保育人材との新鮮な出会いの場でもあります。園では、地域のボランティアから土の配合や種、苗から野菜づくの指導を受けたり、絵本の読み聞かせや企業や団体から研修の協力も得ています。
 また、近隣の中学校からの体験実習や保育士志望の実習生を受け入れた実績もありますが、園の方針とする受け入れの基本姿勢を明確にしていません。
 今後は、標準化した受け入れの基準、事前説明、研修、プログラムなどの体制を整備し、外部の人材との良好な関係発展につながることが期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 開園4年目を迎え、初めて第三者評価を受審いたしました。
 職員同士で話し合い、意見を出し合って保育理念について再確認できました。保育園全体運営の事も皆が知れる良い機会を与えてもらったと思っています。また、取り組んでいる活動やお子様の成長の様子を文章化していくことがとても大事であることが今後も必要だと改めて感じました。
 保護者からの評価を受けて普段聞くことのできない真意に触れることが出来たことは、とても大きいと思いました。また、保護者の思いを職員間で共有し、改善に向けて取り組むことが明確になったので、今後の課題に活かして行きたいと思います。
 第三者評価機関の方には、どのように改善していったらよいのか具体的で参考になりました。私達が自信を以て取り組んできたことが評価につながったことはうれしく思います。そして、何よりも職員の意識が高まり一人ひとりの意欲向上心に繋がっています。これからも職員一同で地域に根付いた保育園を作り上げれるよう取り組んでいきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

法人の保育理念、保育方針、保育目標が、保育所内の文章やパンフレット、ホームページに明文化され、玄関ホールや保育室などにも掲示しています。理念は、保育内容や園の特性などから目指す方向、考え方を読取ることが出来ます。入職時の研修、全職員に配布される保育の心得・保育業務・事務業務の手順、保育計画作成時、職員の自己評価などで職員の理解を確認しています。保護者には、重要事項説明書に明記し、懇談会では「生きる力を創る」とする園の理念や保育方針をプロジェクターを使って分かりやすく伝えています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

事業経営をとりまく環境と経営状況の把握や分析は、法人が一括して行っています。地域的な福祉計画の策定動向や地域の特徴、保育ニーズなどは、矢向地区子育て支援のイベントなどに参加し、地域環境や課題などを把握しています。園は地域に、より積極的に交流や子育て支援に努めていきたいとしています。運営経費全般に関しては、法人が一括して行っています。法人から運営経費として毎月一定額が支給され、運営費のコスト分析や保育所利用者の推移、利用率等の分析を行っています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

経営環境や保育の内容、組織体制や設備の整備、職員体制、人材育成の課題や問題点を明らかにしています。事業計画・事業報告や年度末に行う「保育所自己評価」の結果報告について改善すべき課題などは、会議で職員に周知しています。経営課題や改善に向けた園の取り組みは、職員と共に検討し、実践に繋げています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人策定の中長期の事業計画があり、理念や基本方針の実現に向けた目標を明確にしています。法人の中・長期の収支計画の策定はなく、園独自の中・長期計画は策定していません。今後は、法人の中長期計画に沿った園における中・長期計画として具体的な目標を明確にしていきたいとしています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

法人策定の中・長期計画に反映した単年度の計画(事業報告・事業計画)が策定されていますが、内容が十分ではありません。今後は、行事や実施報告・計画だけではなく、評価結果に基ずく課題や改善策として具体的な実施方法や到達する目標など職員間で理解を深め、継続しながら向上していける単年度計画・報告の策定が課題です。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は、職員の意見の集約・反映のもとで策定していますが、事業報告の課題が、次の事業計画に具体的な実施方法として明確にされていません。園では、事業報告で明らかになった課題の改善方法など具体的に明示しPDCAサイクル法で質の向上を図りたいとしています。事業計画は、定められた時期、手順で評価を行っています。見直しや変更などは、職員らと話し合い、職員会議や勉強会を行い、保育内容や保育環境に繋げています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

保育内容・施設・設備など、環境整備も含めた主な事業計画は、入園説明会や懇談会で資料配布やプロジェクターを使って分かりやすく説明し、保護者の理解を深めています。特に保護者参加の行事計画については、内容や行事について園の方針を詳しく説明しています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

保育の取り組みとして各指導計画の作成時には事前にミーティングを行い、各指導計画の評価、見直しを行っています。定期的に行われる職員会議、保健衛生会議、食育会議、乳児会議、幼児会議、リーダーミーティングなど、専門職での会議や職員の全体会議などで子どもたちの成長の様子を共有し、保育の質の確認をしています。年に1回職員の自己評価、保育所の自己評価、保護者の満足度評価(保育所の自己評価)を行っています。また、今年度から第三者評価の受審も実施しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

保護者による保育所の自己評価や職員の自己評価の結果から保育所として取り組むべき課題などを保育所の自己評価として明確にしています。保育所全体で具体的な改善策や改善計画を策定する体制があります。また、改善策や改善の進捗状況を確認し、必要に応じて見直しを行っています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

園長は、園の理念、方針を職員会議などを通して伝え、周知徹底を図っています。園長の役割の責任は、職務分掌表に明記されています。園長は、会議を主宰し、保育内容の理解、子どもの育ちと学びを全職員と共有化するための、リーダーシップをとっています。緊急時や責任者不在時には、園長から副園長、そして乳児主任、幼児主任へと権限が委任されることが、明文化されています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園長は保育園法規の書籍を読み込むとともに、園長が対象となっている「組織マネージメント研修」(横浜市)に参加し、法令遵守や経営環境に関する見識を高めるように努めています。園長は、把握した内容を毎月の職員会議で紹介し、全職員に共有するようにしています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、保育の質の向上のためには、会議の場をトップダウンにしてはならないとの考えから、職員が意見を出し合い、話し合って決めていく運営に努めています。週案を作成する際も、生活と遊びを軸に、どのような保育内容を行うか、職員のさまざまな考えを付箋に書き出し、相互の関係性と方向性をディスカッションしながら決めていくという手法をとっています。ロールプレイを行ったり、全職員参加型で全員で保育の方向性を共有できるような工夫をしています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

園長は、常に人事、労務、財務の状況を常にチェックし、職員が働きやすい環境になるように努めています。保育業務は終わりが見えにくいので、非合理な長時間労働にならないよう職員配置に努めたり、職員がオンオフの切り替えをするよう、園長が声掛けするなどの取り組みをしています。また、職員配置に際しては、職員の得意分野を活かせるような配置を心掛けています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

園に必要な人材、人員体制は事業計画に明示されていますが、人材確保については、最終的に法人が担当しています。人員が不足する事態になると、園長が法人に知らせ、法人はグループ内の全園の事情を把握して人材募集をかけます。園長は、次年度の人員体制を確保するために、10月頃には配置計画を法人に提出します。求人活動としては園長が就職フェアに参加しています。ただし、園として主体的、計画的な取り組みには、課題があるとしています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人が期待する職員像は、「木下の保育園 保育の心得」に明記されています。採用、配置、異動は法人が実施するため、園がその判断基準を把握しているわけではありません。園の職員については、その専門性、職務遂行能力、成果、貢献度について、自己評価シートで年度末に評価し、年に2回、振り返りシートをもとに園長が面接、評価します。そのなかで職員の意向、処遇の方向性を把握し、園内の昇格などを決めています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

園長の責任として職員の就業状況や意向を把握しています。有休休暇の最低年間5日取得のため、園長は計画取得をするよう職員に勧奨しています。必要性の低い時間外労働を減らすために、業務内容を園長に申請させるようにしています。園長は仕事と私生活の切り替えの大切さについて、折にふれて職員に指導助言しています。職員の健康診断、インフルエンザの予防接種を実施しています。家賃補助制度を活用した社宅制度が充実しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「期待する職員像」は、法人が作成したもののほか、園として職域別、キャリア別、階層別のあるべき職員の姿を明らかにした「キャリアアップ構想」があります。職員は定められた項目、基準に基づいたシートにチェックして自己評価を行い、一人ひとりの目標を立てていきます。年度内に自己分析シートを利用して振り返りを行い、園長が個別面接で目標達成に近づけるよう助言したり、進捗状況を確認しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

園の研修計画書には、乳児担当保育士、幼児担当保育士、栄養士、調理師、看護師、リーダー、主任、園長という職層ごとに必要とされるスキルと、具体的な研修内容が明示されています。職員一人ひとりが個人の目標にあわせた研修計画を提出し、園の研修計画と照らし合わせながら具体的な研修日程を決めています。定期的に研修内容の評価や分析をし、次期の研修計画の策定に反映しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員一人ひとりの知識、スキルは園長が面接や日常の観察で把握しています。「新任職員受け入れのルール」があり、入社1週間後、1か月後、3か月後の成長目安が定められ、新任職員を具体的に指導助言する担当職員(メンター)が決められています。入職当初は園長が毎日面接をして、その後は毎週、毎月と繋げています。職員個人の研修計画をもとに階層別研修、職種別研修、テーマ別研修の機会があり、それぞれの水準に応じた教育・研修を実施しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

近隣の中学校より職業体験として生徒の受け入れや、法人からの紹介で保育士をめざす大学生の実習、新規開設園の実習を受け入れています。実習のつど、学校側や依頼元と情報を共有、連携を行っています。受け入れにおいて園としての基本姿勢の明文化、マニュアル、プログラム、指導者養成等はこれからの課題だとしています。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人、保育所の理念、基本方針、保育内容はホームページに公開されています。苦情・相談の体制については、しおりや園の玄関に掲示されています。苦情・相談の内容については、申し出者に配慮したうえで概要を園内に掲示して公表しています。園の理念、方針、活動については、ニュースレター(毎月発行)にて地域イベントや地域関係者に配布して知らせています。今後の課題は、事業計画、事業報告、予算、決算情報の適切な公開となっています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

園における事務、経理、取引等のルール、職務分掌と権限・責任は明確となっており、職員に周知されています。園の事務、経理については法人の運営本部に報告・提出しています。園運営については運営委員会に外部委員(元公立保育園園長)がおり、適宜アドバイスを受けられる体制になっています。その他財務、経営全般については法人が担当しているので、園は行政監査以外の外部監査はありません。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもと地域とのかかわり方について、地域の情報を収集し、適宜玄関のインフォメーションボードに掲示しています。近隣の保育園とは音楽会などの交流をしたり、小学校とは校庭で遊ぶなど地域の子どもとたちとの交流を積極的にしています。また、地域の子育て支援イベントの責任者に当園の園長が務めるなど、地域の活動にも積極的に関与しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

園での野菜作りの指導に、地域のボランティアの方の協力を得ています。医療機関からの救急救命講習や、出版社からの絵本の読み聞かせは、無償の提供を受けています。地域の学校教育への協力については、アプローチカリキュラムに明記されており、小学校との体験学習を通じて実施されています。今後、ボランティア受け入れに関する基本姿勢を明文化し、マニュアル、研修支援を整備していくことが期待されます。  

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

保育、子育てに関わる地域の関係機関・団体はリスト化され、事務所内に掲示されています。区役所、療育センター、小学校、自治会等と定期的な会合をもち、連携をしています。とくに子どもの虐待ケースについては、区役所、児童相談所の関係部署と虐待対応カンファレンスを開き、意思疎通を密にしています。以上の内容は、職員会議で説明するなど、職員間で情報の共有化が図られています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

園が実施する運営委員会を年に2回開いています。町内会の会合、年賀、防災訓練に参加しています。地元の神社のお祭りに参加したり、園行事で太鼓を地域の方から借りて地域イベントで披露することを考えています。地域が開催する運動会に参加して交流を深めています。園の卒園式や運動会には自治会長、小学校校長など地域の関係者を招き、交流を深め、地域の福祉ニーズや生活課題を把握することに努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

子育て支援イベントを地区の保育園と共同で開催し、そのなかで地域の親子のふれあい遊びや育児相談、栄養相談、親同士の交流などの機会を毎年、実施しています。園長は昨年、イベントの責任者を務めました。今後は、園庭開放、一時保育、絵本の貸し出しなど、保育園の機能を生かした活動をしていきたいとしています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

理念や基本方針に子どもを尊重する保育を明示し、全職員に配布される「保育の心得」や保育業務マニュアルなどに子どもの人権を尊重する基本姿勢が明示されています。全体的な計画内容に園の社会的責任として「子どもの人権尊重に十分配慮すると共に子ども一人ひとりの人格を尊重した保育を行う」 としています。これを踏まえて年間指導計画・月指導計画・週/日案などの作成時に子どもの人権を意識した実施方法に反映させています。定期的に研修会を行い、日々の保育活動では子どもの人権、文化の違いや何気ない言動から互いを尊重する思いが伝わる保育に努めています。保護者への理解は懇談会や園だより、掲示物などで園の基本方針を伝えています。 

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人策定の個人情報保護規則、個人情報保護方針など個人情報に関する規定が整備されています。定期的に職員研修を行い、日常的に子どものプライバシーに配慮した保育援助を行っています。一人ひとりの子どもにとって快適な生活の場と個々のプライバシーも守られれる環境つくりに工夫をしています。重要事項説明書にプライバシー保護として個人情報や保育活動の写真の取り扱いについて、園の方針を明記し口頭でも説明をしています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

保育理念や基本方針、保育の内容や保育所の特性などを紹介した情報は、パンフレットやホームページ、また、横浜市の保育所の施設紹介などに載せています。保育所を紹介する資料は、保育活動の写真や内容を図式で説明するなど、誰にでもわかるような内容にしています。利用希望者には週に1回水曜日10時半から対応をしていますが、必要に応じて出来る限り希望に沿うようにしています。受け入れ時には、園のしおりを配布し、丁寧に説明をしています。利用希望者の意向などを踏まえた情報提供の見直しも臨機応変に行っています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

入園時に「入園のしおり」を配布し、施設の概要・保育の概要・職員体制など、重要な事項を写真・図・絵を使って分かりやすく説明した上で保護者の同意を得ています。また、保育内容の変更時には、開始時と同じように事前に保護者に分かりやすく説明し、同意を得て、書面を残しています。開始や変更時における説明は、どの保護者に対しても組織が定めた様式に基づいて、同じ手順、内容で行われています。特に配慮が必要な保護者には、個別に対応を行っています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの状況や家庭環境の事情により、保育所を変更する場合は、保育の継続性の手順と引継ぎ文書を定めています。保育所の利用が終了しても保護者が相談できるように必要な関連機関の情報や連携は園長が行っています。変更先で必要な関係機関などの情報を保護者に渡しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

日々の保育から子どもが活動している様子や言動、表情などを注意深く観察し、子どもの興味や思いの様子を把握しています。また、保護者には、保育所の満足度を知る保育所自己評価によるアンケート結果や定期的に行う個別面談、行事後のアンケートなどで保護者の意向の把握に努めています。懇談会では、子どもの様子や発達状況をフォトビューを使って分かりやすく説明すると共に園への意見や保護者同士の子育ての悩みなどを話し合う貴重な機会としています。法人の方針として自主的な 保護者会はありませんが、運営会議にクラス代表の保護者が参加する「オヤジの会」から園の満足度を把握しています。保護者の保育所自己評価のアンケート結果を分析・検討し、結果や改善策は、懇談会で配布し、説明しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決責任者、受付担当者、第三者委員の設置など体制を整えています。苦情マニュアルを整備し、苦情内容及び解決の結果を全職員で共有し、記録しています。保護者へは苦情解決の仕組みについて重要事項説明書に明記し、入園時に説明をしています。また、玄関ホールに苦情解決責任者、受付担当者、第三者委員の連絡先を掲示しています。 保護者が苦情などを言いやすいように個人面談、懇談会、行事、意見箱設置や保護者の様子から声をかけるなど、いつでも申し出やすいように努めています。苦情などが生じた場合は、対応策の掲示や懇談会などで改善の取り組みの説明をしています。苦情内容は、プライバシーを配慮した上で公表しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

個人面談、送迎時、懇談会などで相談や意見を述べる機会を作っています。相談内容に応じて、入園のしおりや掲示だけではなく、必要な関係機関のリストを作成して対応しようとしています。重要事項説明書に園以外の申し出先として第三者委員を明記し、玄関に掲示しています。相談はプライバシーに配慮し、落ち着いて話せる場所で行っています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

保護者からの相談や意見は、日常の送迎時、連絡帳などで把握し、相談内容により、担任、または園長が個別に対応をしています。意見箱の設置、懇談会、個人面談、行事後のアンケート、年度末に行う園の満足度アンケート(保育所自己評価)などから、保護者の意見を把握し、早急に結果を出すもの、時間を要するものなど、迅速に園の対応を伝えています。意見や相談の記録方法や報告の手順、対応策の検討など、組織的に行う仕組があり、対応マニュアルに必要な見直しがあれば、その都度、追記しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

リスクマネジメント体制を構築しています。リスクマネジメント委員会を設置し、責任者は、園長と看護師が担っています。子どもの日常的な園内外のヒヤリハットマップ、事故予防・事故対応マニュアル、事故発生マニュアルなどを作成し、議題を挙げて定期的に勉強会を行っています。園全体の危機管理に関するマニュアルや手順に基づき、組織的・継続的に要因の分析や改善策、再発防止策などの検討や見直しを行っています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症対策についてマニュアルを整備し、発生時などの安全確保の体制が整えられています。看護師が中心となり、感染症予防と発生時における対応のマニュアルを整備しています。毎月保健・衛生会議を開催し、保護者の感染症に対する理解を深めるためにマンスリーレターと園内掲示で周知し、職員には定期的に研修を行い、感染症の予防・対応を周知徹底しています。感染症発生時は、全保育室を消毒し、保護者には、玄関ボードで感染症発生の掲示を行っています。感染症を広げない対策を継続的に保護者と園全体で取り組んでいます。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの安全確保のため、災害時における防災計画を整備し、毎月、地震・火災・不審者・水害などの災害に備えた訓練を行っています。災害発生時の安否確認について保護者、本社、行政などとの連携体制も整えています。災害発生時の初動対応や出勤基準などの災害時行動基準の策定、3日分の備蓄確保、訓練後の反省・課題や見直し、改善策など職員間で検討し、次に繋げ、有事に備えています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

入社時の研修資料に保育理念、方針、目標、保育手順、保育の心得や全体計画などの作成時などに標準的な実施方法を明記しています。また、保育の標準的な実施内容と子ども一人ひとりの発達状況に合わせた個別的な支援提供として子どもの尊重、プライバシー保護、権利擁護に関わる姿勢も明示しています。園長は、理念・方針・目標に向けて実施されているかどうか、園内研修報告や指導計画作成時の自己評価などで確認し、助言を行っています。子どもの人権の尊重、プライバシー保護権利に関わる園内外の研修を定期的に行い、職員の十分な理解に努めています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画、年間指導計画・月・週・日誌や行事などで、定期的に自己評価・他者評価で見直しを行い、次の計画に反映しています。日誌・記録の評価見直しでは、活動内容がどのように展開し、理念・目標にぶれず標準的な活動につながるかWeb方式で記録し、クラス担当職員らで振り返り、次の活動に繋げています。行事や懇談会での保護者のアンケートや子どもの様子、職員の意見や提案を踏まえ、保育内容に反映しています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

アセスメントに基づく指導計画策定の体制が確立しています。保育所保育指針を基にした全体的な計画を作成し、全体計画を基に子どもの発達状況に応じた指導計画を立てています。健常児も障害児もクラスの指導計画に基づき、子ども一人ひとりの心身の状況や保護者の生活状況などを把握し、個別の指導計画を作成しています。必要に応じて園以外の関係者らと合議をし、保護者の同意を得た上で個別の指導計画を作成しています。支援困難ケースの対応は関係部署との連携で行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

年間指導計画・月案・週案・日誌記録には、必ず反省・評価を記載しています。各月、各週の指導計画、その他全体の活動の評価・見直しを全職員で行っています。年度末に保護者の意向や要望も含めた総合的な見直しを行い、課題に対しての改善策を講じ、次年度に反映しています。変更した指導計画の内容は職員会議で説明し、非常勤職員には申し送りで伝えるなど、全職員が把握できる手順を定めています。緊急に変更する場合は、その日のうちに関係担当者に確実に伝わる手順を決めています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達状況や生活状況は、個別指導計画として園が定めた統一した様式に記録され、職員間で共有し、職員はいつでも確認することが出来ます。職員により、記録内容や書き方に差異が生じないように記録作成の指導を行っています。担当者だけに留める情報や責任者だけに伝える情報、共有する情報など的確に情報が届く仕組みを整えています。乳児会議、幼児会議、リーダー会議、保健衛生会議、食育会議、職員会議などを定期的に開催し、情報の共有をしています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

個人情報保護規程などにより、子どもの記録の保管、保存、破棄に関しての規程を定めています。記録管理の責任者は園長が担っています。職員は、個人情報保護に関するガイドラインの研修で徹底した取り扱いを行い、個人情報保護規程等を理解し、遵守しています。保護者には、個人情報取り扱いについて情報開示の基本姿勢、開示の範囲、子ども・保護者への配慮など園の方針を明確にし、重要事項説明書に明記し、説明も加えています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

保育所の理念、方針は全体計画の中に明示されています。全体計画は、児童憲章、児童の権利に関する条約、児童福祉法、保育所保育指針の趣旨に則り、「生きる力を創る」を保育理念に、保育方針と保育目標を掲げて作成されています。
保育内容は、子どもの発達過程を踏まえて、子どもの健康、情緒の安定をはかる養護のねらいを基礎に、子どもの主体性を大切にした養護と教育を一体とした保育を行うことがうたわれています。指導計画は、この全体計画に基づき作成され、日、週、月の振り返りを積み重ねられ、職員の参加で定期的に評価され、次の作成に生かされています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

各保育室に温度計、湿度計を置き、定時に計測しています。熱中症対策として、湿度と温度を掛け合わせた暑さ指数の早見表を掲示しています。午睡時には遮光とヒーリング音楽、アロマを使用しています。シーツは2週間に1回、業者が交換し、布団は毎月クリーニングに出します。
食事はランチルームで行い、睡眠と分けています。子どもの発達にあわせて椅子の座面の高さを調整しています。乳児の舐めた玩具が混在しないように入れ物が用意され、清掃は手順書が掲示され、トイレマットは毎日、ミルトン消毒するなど、清潔な環境に留意しています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

子どもの発達過程や家庭環境は、個別支援計画に記録され、職員会議、乳幼児クラスミーティング、リーダー会議や日常の業務の中で共有化されています。子どもの気持ちを受け止め、共感できるよう、一人ひとりに配慮した言葉かけを行い、内面の育ちをくみ取ることを大切にしています。
ルールはわかりやすいように視覚化して伝え、せかす言葉や静止を不必要に用いないようにしています。そのため、乳児でかみつき行動はみられない、ということです。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

生活習慣を身につけるには、子どもが自分でやろうとする気持ちを大切にすることなので、着替え、排泄等は、すぐに保育者が手を出さずに、できるところまで子どもがやることを見守るようにしています。
子どもがやりたいと思ったときにすぐ行動に移せるように、手順や用具の使い方がわかりやすく掲示されています。片付けは、玩具、筆記用具、玩具等々を種類別、色別、サイズ別などに細かく分類し、決まった棚や引き出しに写真とラベルを貼って、視覚的にわかりやすくすることで、整理整頓の習慣をつけるようにしています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

幼児の保育室内では、アート、サイエンス、絵本、ままごと、ブロックなどのコーナーを作り、子どもたちが思い思いに遊びができるようになっています。玩具や用具がわかりやすいように整理され、遊びに集中できるような配慮がされています。
幼児では、年長児がリーダーとなったグループが4つあり、子どもたちがその日に行きたい散歩先を話し合ったり、お掃除の当番を相談したりして、子どもたち自身で話し合い、違う意見もまとめて決めていく経験をさせています。天気が良ければ毎日散歩など戸外遊びを行います。戸外遊びでは、身体を動かすことの楽しさや友だちと共同できるような活動を取り入れています。季節の花や虫を探したり、戸外に出かける際は、交通ルールやマナーも学んでいます。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもと保育士が1対1でかかわり、寂しさや不安な気持ちを受け止めるようにスキンシップをたくさんとるようにしています。畳の部屋で、保育者とゆったり安心して過ごせるような環境になっています。
愛着関係を大切にすることから、0歳児は標準時間内の保育にしており、家庭との連携を密にしています。保育者と愛着関係を持てるように、子どもの内面の育ちと表情を読み取り応答的なかかわりを大切にしています。手遊び、絵本、歌を保育者と一緒に楽しむようにしています。好きなもの、形状、興味のあるものに触ったりつかんだりする経験を、安全に配慮しながら積極的に取り入れています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

子どもが安心感を持ちながら、身の回りのことや遊びを自分でしようとする気持ちを大切にしています。食事や着替え、排泄等は保育者が見守りながら、自分でやろうとする意欲を認め、できたことを認め・ほめて次につなげるようにしています。
野外でドングリ拾いをしたり、虫探しをするなどの探索活動をしています。クラスの子どもだけでなく年上の友だちと遊ぶことで、成長していくことへの期待感をもつ楽しさを経験しています。子ども同士のトラブルでは保育士は子どもの気持ちを受け止め、相手にはどんな思いがあったかを伝え、中立的な立場で仲立ちをしています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

3歳児は基本的な生活習慣を身に付け、自分のことは自分できるようになり、興味、関心の幅を広げるように努めています。全身を使い体を動かし、同時に自分の安全を自ら意識させるように声をかけていきます。4歳児は生活の流れを知り、自分で考え、簡単なルールをもとに友だちと遊ぶことを経験していきます。ダンスやリレーなど友だちと一体となって遊ぶことで仲間意識を育んでいます。5歳児は、他者との協同作業で一つの目標を達成するような活動に取り組みます。年長児としての自覚をもち、年下の子どもたちの手本となるよう、異年齢グループのリーダーとしての活動がみられます。
保育室内は、アート、サイエンス、ままごと、ブロックなどのコーナーを作り、思い思いにすぐ遊べる環境を整えています。日々の活動は日誌(デイリー)に写真とともに玄関に報告、掲示されています。そこには必ず保育所指針に基づく考察と明日への展望が書かれています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

障害のある子どもの状況に応じた個別指導計画を作成しています。健常児とともに過ごしますが、特性に合わせて適宜、保育者の意図が伝わりやすいような工夫をしています。室内の保育環境が視覚的に理解しやすい工夫や構造化がされ、障害児、健常児にかかわらず過ごしやすい環境になっています。
療育センターの巡回訪問があり、配慮を要する子どもにどうかかっていくべきかの助言を受けています。職員は「障害の基本的理解」「障害児保育の環境」「障害児の発達援助」「家庭、関係機関との連携」「障害児保育の指導計画記録評価」に関する研修を受けて、専門的知見を得るようにしています。保護者とは適宜、面談し連携を密にしています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

幼児では、朝の会、活動、食事、午睡、おやつなど節目節目の時間の目安を時計の針で示す掲示物を貼り、子どもたち自身が1日の生活を見通すことができるような工夫をしています。
異年齢保育では、年少の子どもが年上の子どもがしていることを見て学び、教わったりする経験を大切にしています。そのなかで子ども自身が成長し進級していくことへの期待感を育めるようにしています。
異年齢保育をどう展開するか、毎週、乳幼児ミーティングで職員が話し合い、異年齢保育指導計画を作っています。子どもの状況について、チェックリストで保育士間の申し送りを徹底し、保護者との連携を図っています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

小学校との連携、就学を見通して、理念である「生きる力を創る」ために、学びの自立、生活上の自立、精神的な自立という学びの基礎力を育てるためのアプローチカリキュラムを作成しています。近隣の小学校と毎年、どのような交流をするか話し合い、校内見学、授業見学、園外での小学生との交流体験、校庭での遊びなどを通して、小学校進学のイメージを子どもたちにもってもらう取り組みをしています。
保育園の運動会は近隣の小学校を借りています。幼保小連携の研修などに参加し、自園での取り組みを発表したり、他園の実践を学んだりして、意見交換を図っています。園長の責任のもとに関係する全職員が参画して保育所児童保育要録を作成し、進路先の小学校に届けています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

年間保健計画、保健衛生管理マニュアルがあり、一人ひとりの子どもの心身の健康状態を把握しています。登園時の状態、降園時に保護者に伝えるべき状態は、登降園チェックリストに記入され、職員の情報共有が図られています。
子どもが体調不良になると、医務コーナーで安静にさせ、保護者に連絡します。体温などを状態を記録した症状観察記録を保護者に渡し、医療機関との連携がとれるようにしています。年に2回の懇談会で健康に関する話や園の取り組みを保護者に伝えています。乳幼児突然死症候群に関しても、入園時に保護者に情報提供しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

年間保健計画に従って、嘱託医師による年に2回の健康診断、年に2回の歯科健診が実施されています。結果は保存され、看護師より各クラスの職員に報告を行い、情報共有されています。保育の中で子ども自身が健康管理ができるように、歯磨きの歌を歌ったり、手洗いの仕方をわかりやすく掲示したり、チェッカーを採り入れるなどの工夫をしています。
健診結果は報告書にして保護者に書面で伝えています。また、ニュースレターの保健衛生コーナーに家庭生活で気を付けてもらうテーマを特集して、保護者に情報提供をしています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」をもとに、入園時に聞き取り調査を行い、該当児童には受診したうえで「生活管理指示票」の提出をしてもらい、園、保護者、医療機関で連携して対応するようにしています。園での与薬は原則行っていませんが、アトピー疾患には医師の指示のもと保湿剤の塗布をしています。熱性けいれんの子どものために頓服薬を保管、使用することがあります。
看護師は定期的な研修等に参加して、児童の健康管理に必要な最新の知識・情報を得ています。今後、他の子どもたちや保護者に対しても、アレルギー疾患、慢性疾患等についての理解を図る取組をしていきたいとしています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

食育計画に基づいて、食に関する豊かな経験ができるよう、クッキング、お手伝い、野菜の栽培等の取り組みを行っています。ランチルームの食事においては、ビュッフェ形式を取り入れ、自分で食べられる量を考えることが出来るように取り組んでいます。
主菜は魚で、アジ、サバ、サケ、カレイ、カツオなど多彩に提供しています。苦手なものも、一口は食べてみて励ますようにしています。陶器の食器を使い、落とせば割れてしまうことに気づかせ、大切に扱うことを学びます。違う種類の味噌や砂糖の味比べをしたり、魚の解体ショーやクイズ等で食材への関心を持つような取り組みをしています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

乳幼児期の食が、一生の食生活と健康を左右する、という考えから、献立は和食、魚を中心に、加工品を使わず、野菜、塩や砂糖などの調味料もオーガニックを使っています。旬のものを献立に入れて季節感を感じるようにしています。七五三、正月、七夕など行事食があります。
好きな友だちと一緒に食べたり、クッキングを通して、季節の食材を楽しめるようにしています。給食日誌、残食記録等をまとめ、子どもたちの食べる量や好き嫌いなどを把握しています。年4回の食育会(グループ園との交流)、毎月の食育会議で話し合いをして、次につなげるようにしています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

日常の子どもの様子は、連絡帳や保育日誌、活動写真の掲示や登降園時などで共通の理解を深めています。園での取り組みや保育内容について、懇談会で年間の行事予定の説明を行い、プロジェクターで活動の意図や子どもの成長の様子などを伝えています。
また、日々の活動の写真や親子の写真、誕生日には、生まれた時の写真と現在の写真を掲示し、子どものすこやかな成長の様子を共有しています。家庭の状況、保護者との情報交換の内容は、必要に応じて個別に記録しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者からの相談にはいつでも対応し、共に子育てをしていることを表明し、信頼関係に努めています。家庭や就業状況などによる個々の事情に配慮した支援や保育所の専門性を活かした支援など、保護者の意向、要望、不安や悩みに適切に対応できるように努めています。
相談内容は個別に記録しています。保護者からの相談や意見を受けた時のマニュアルが整備され、相談内容により、必要に応じて関係職員で共有しています。また、保育所内だけの対応に留まらず、適切な関係機関を紹介する体制も整えています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:a】

虐待など権利侵害のマニュアルを整備しています。視診、着替え、表情、態度など全体的に観察し、虐待などの早期発見・早期対応に努めています。虐待の可能性がある場合は、定められたフローチャートを基に虐待発見時や虐待を疑ったときから記録や写真を残す体制が出来ています。
子育ての悩みなどから保護者の精神面や生活面などを把握し、子どもの成長をしっかり伝え、安定する言葉かけなどの工夫をしています。全職員が虐待に対する視点を統一するために園内外の「虐待予防と対応」や「虐待の事例分析」などの研修を受け、虐待の予防や理解を深めています。虐待を受けたと思われる子どもの場合は、園長が速やかに児童相談所など関係機関に繋げる体制が出来ています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画には、発達年齢に合わせた年間指導計画、月・週・日誌/記録の各指導計画を通して保育のねらいと内容、環境構成、保育者の配慮が適切であったかなど記録し、職員間で振り返りを行っています。「日誌・記録」(毎日の活動)の評価には、保育所保育指針「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」の視点を捉えています。一つ一つの活動がどのように展開し、子どもが遊びを通して主体的に発展できたか、保育者の配慮が適切だったかなどの自己評価と他者評価を行い、互いに学び合ながら意識の向上に繋げています。
年度末には、園に対する保護者の評価や職員の自己評価の結果から、活動の取り組み状況や次年度への課題・改善点を明確にした保育所の自己評価を作成しています。保育所の自己評価の結果は、保護者や職員に配布し、玄関に掲示しています。