社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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横浜みなとみらい保育園

2021年01月07日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 横浜みなとみらい保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 120 名
所在地 220-0011
横浜市西区高島2-7-1ファーストプレイス横浜3F
TEL 045-450-6305 ホームページ http://cyouyou-kai.jp/minatomirai/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2008年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人長幼会
職員数
常勤職員:40 名
非常勤職員:12 名
専門職員
保育士:40 名
看護師:1 名
管理栄養士:1 名
栄養士:1 名
調理師:4 名
衛生管理者:1 名
施設・設備の概要
居室:0歳児保育室
居室:1歳児保育室
居室:2歳児保育室
居室:3歳児保育室
居室:4歳児保育室
居室:5歳児保育室
居室:一時保育室
設備:調乳室
設備:沐浴室
設備:トイレ
設備:子育て支援スペース
設備:給食室
設備:事務室(医務室含む)
設備:職員休憩室
設備:園庭

③ 理念・基本方針
<理念>
社会福祉法人長幼会は、子どもの人権や主体性を尊重し、保護者と一体になり心身ともに健康な児童を育てることを目標にしています。さらに児童の最善の幸福のために、利用者及び地域と協力し、児童福祉を積極的に推進するとともに地域の子育てに力を尽くします。そのため、職員は豊かな愛情をもって児童に接し、児童の最善の利益を尊重するための知識の習得と技術の向上に努めます。また、子育て支援のために、常に社会性と良識に磨きをかけ、相互に啓発し合うことを継続していきます。

<基本方針>
平成30年4月1日に施行された保育所保育指針に基づき、改定において規定された保育の内容に関わる基本原則に関する事項を踏まえ、長幼会各保育園における実情に応じて創意工夫を図り、保育所の機能及び質の向上に努め、地域や利用者から愛され、信頼される保育園作りを目指していきます。
1.法人の保育理念である「高齢者や地域の方の人的資源」を活用し、次代を担う子どもたちとその家族を支えるより良い保育環境(保育園)を構築する。
2.子どもの最善の利益を守り、安心・安全な保育(園・環境)を目指す。
3.子どもたちの健やかな育ちを支援し、地域の子育て支援の拠点としての役割を果たす。
4.高齢者や地域の方々とのふれあいを通した心豊かな保育を目指す。

<保育目標>
子ども間の年齢の枠を越えた交流やふれあい体験、遊びや季節行事などを通して「思いやりのある たくましい子どもの育成」、人間形成の基礎となる思いやりの気持ちや心身ともにたくましい子どもの育成を保育目標とします。また、家庭や地域社会との連携を密にして、職員一同、新進と愛情を持って 子育て支援に取り組みます。

<目指す子ども像>
1.たくましい子(社会性・自立心)
2.仲良くする子(優しさ)
3.よく考える子(自発性・知的好奇心)

④ 施設・事業所の特徴的な取組
●横浜みなとみらい保育園は、横浜駅東口から徒歩5分程度のみなとみらい地区が隣接する位置に所在しています。園では在園児保育だけでなく、地域の子育て支援ニーズに呼応した多くの支援策により積極的に取り組んでいます。支援策の1つに「一時保育」の受け入れを実施し、保護者の就労事業、入院等により継続的に保育が困難となる家庭や、保護者のリフレッシュ等を支援し、保育を必要とする家庭の子どもを積極的に預かり、保護者の保育の負担軽減を図れるよう、地域の子育て支援に尽力しています。

●横浜みなとみらい保育園では、職員一人ひとりの資質の向上に向けて、人事制度として「職位階層(キャリア)別に求められる資質」を設定し、職位階層別に「任用要件」を定め、明文化されています。任用要件は、必要な研修・受講、資格と経験年数から構成され、全職員が所持して確認できるようにしています。年度当初に、法人全体の職員一人ひとりが任用要件から求められている姿を確認し、各自が目標を設定し、年度途中に上長と面談を行い、助言・指導を受け、自己研鑽を積めるよう体制を整備しています。既に目標達成ができている職員は更なる追加目標を設定して実行していきます。職員一人ひとりが常に向上心を持ち、求められる資質と向き合っていく過程から一人ひとりの資質向上につなげています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/06/26(契約日) ~2020/12/16(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2015年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1.【地域のニーズに向き合い、地域子育て支援の実施】
●横浜みなとみらい保育園は、定員120名の大規模保育園であり、各年齢20名定員とし、現在は132名を受け入れています。特に、0歳児の定員20名は非常に多い定員数ですが、常に定員は満員の状況であり、2歳児以上は空きが出ない限り入園は難しい状況にある等、地域の保育ニーズの高さがうかがえます。子育て支援事業として、乳児保育の他、産休明け保育、障害児保育、延長保育を実施し、保育時間は午前7時00分から午後9時00分での長時間保育により、保護者の就労支援にもなっています。在園児以外の地域の子育て支援については、西区の子育て支援会議に参加し、他施設との情報交換や課題・情報を共有し、地域の子育て支援のニーズを把握し、地域に大きく貢献しています。西区には公立園は1施設(南浅間保育園)であり、南浅間保育園が中心となって講習会等を開催していますが、横浜みなとみらい保育園も西区の保育園と一緒に地区の「赤ちゃん会」に参加し、また自園でも園庭開放や育児相談も受ける等、地域の子育て支援に尽力しています。園舎内は、在園児6クラスの保育室の他、地域の子育て支援に利用できるスペースを設け、在園児の保育室と同等の広さを持つ「一時保育室」を保有しています。さらに、保育室2部屋相当の広さ(ホールに活用)の子育て支援スペースと、100坪弱の園庭を設備し、ホールや園庭の開放により育児相談・援助、交流の場の援助(人形劇鑑賞会、運動会、2歳児と遊ぼう、もちつき大会)を実施し、また、子育て支援関連の情報パンフレットの提供や、絵本・紙芝居の貸し出し、育児講座を行っています。特に、一時保育の受け入れでは、19名の受入に対して300名を超える登録がある状況が続いており、この地域における高い子育て支援ニーズの潜在がうかがえ、園ではニーズに応えられるよう支援策により対応に努めています。

2.【保育所保育指針に沿った保育の推進】
●横浜みなとみらい保育園の指導計画は、保育所保育指針に沿った保育内容になっています。裏付けとして、乳児保育の研修に参加した職員の報告書には、「乳児にとって愛着関係を築くことの重要性を学び、生きる力の基礎の部分を作るものであることを学んだ。」と記載されています。幼児教育の研修に参加した職員の報告書には「遊び込む経験が多い子どもの方が小学校以降の学びに向かう力が高い。主体性を重視して遊びを中心にした保育を受けた子どもは語彙得点が高い。子どもたちの疑問などに子どもと一緒に考え、子ども自身で考える環境構成をすることが重要。」と学びを実践につなげるよう綴られていました。5歳児の卒園制作では、絵本の制作に関して子どもたちが題を考え、登場人物を考案し、それぞれに絵を描く過程に、それぞれの案をみんなで受け止め、全員で1つの絵本を作る土台をみんなで考え、認め合い、譲り合い、協力し合って決定する取り組みを行っています。担任保育士は、保育園生活で培ってきた子どもたちの成長を確認すると同時に、これからも幾度も訪れる困難に立ち向かって欲しいことを述べている等、指導計画、目標に沿って保育が実践されています。

3.【豊富な保育内容の充実】
●横浜みなとみらい保育園は、数多くの保育メニューを備えています。代表例は、体育指導、お話し会、えいごで遊ぼう、絵画、習字、食育、リズム、わらべうた、異年齢保育、保育実践計画:自然(散歩、飼育、栽培)等が挙げられます。この中で調査当日、保育指導を観察できました。体育指導は、月に2回第1水曜日と第3水曜日にホールにおいて外部講師が指導を行い、3歳児、4歳児、5歳児が順に時間をずらして指導を受けます。体操種目は、マット、跳び箱、鉄棒、平均台、縄、ボールの6種類が用意され、3歳児、4歳児、5歳児は同じ道具を使用して行いますが、体操内容は年齢が高くなるほど高度な演技になり、講師の合図を基に子どもたちはそれぞれの動作に挑戦して取り組みます。演技を終えた子どもたちの表情は清々しく、主体的に取り組む姿勢等が育まれています。
改善を求められる点 1.【職場の環境整備について】
●横浜みなとみらい保育園は、法人本部組織の事務局が各保育園に常駐し、園に寄り添い、課題等を法人で受け止め、迅速な検討及び体制を整備しています。園では「安心して働ける職場環境作り」、「離職防止」を課題とし、職員が働きやすい環境作り、仕事と子育ての両立出来る職場作りに取り組み、福利厚生の充実を図っています。また、中・長期計画では、妊娠中の母体保護について、職員相互の理解と職務への具体的な配慮を行うこと及び、育児短時間勤務者の期間を3歳児到達から小学校就学時期まで延長することに取り組んでいます。
そのような充実を図った体制の中、地域の高まる子育て支援の取り組みに関しては、園内業務が繁忙しています。職員は、業務を運営全体計画に基づいて実施し、運営全体計画は全職員が保有し、各種マニュアル類等を含め必要とする書類の多くが綴じ込まれており、充実が図られていますが、運営全体計画の綴りの中で「みんなが目指す保育士」の内容については、保育業務に必要な事項に整理補充し、「保育業務マニュアル」として編さん出来ると業務の改善、職員の共通理解等の一助になると考えられます。既に改善中の事項もありますが、さらなる改善を期待いたしております。
また、ICTシステム導入の検討に関しては、保育士の負担を軽減するとともに、子どもたち一人ひとりにしっかりと向き合う時間と心の余裕を生み出し、保育の質の向上へとつながります。すでにオンライン研修等の導入を進めていますが、業務のICT化の構築により、職場の環境整備もより進むと思われます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名: 横浜みなとみらい保育園

<評価に取り組んだ感想>
   
 開園し13年、3回目の受審となりました。全職員で自己評価に取り組み、業務の振り返りを行いました。今回は一人ひとり自己評価をした上で、少人数グループに分かれてのグループディスカッションを行い、グループごとに出した評価をまとめ、全体の評価としました。

 グループディスカッションは意見が出やすいようにと、経験や年齢でグループ分けをし、一つ一つの項目に対し、なぜこの評価を付けたのかを話すことで、職員同士でも理解度に差があることを改めて知ることができました。

 園としても全体的に振り返りをする中で、周知できていない点、理解できていない点、間違った理解をしている点などを確認することができました。今後は話し合いの場をできるだけ持ち、各クラスの状況を園全体で共有していきたいと思います。

 また、保護者アンケートや評価機関の方々に保育環境や保育内容、運営状況を客観的に見ていただいたことで、多くの気づきをいただきましたことに感謝し、今後も限られた環境の中「子どもの最善の利益」のために環境設定を工夫し、向上心を忘れずに職員全体で保育に取り組んでいきたいと思います。


<評価後取り組んだ事として>

1.保護者の方が感じていることを真摯に受け止めるという事で、いただいた保護者アンケート結果を職員に回覧し、翌日のミーティングでも周知し、情報共有や登降園の際の一言について等、改善できることから始めました。

2.次年度に向け、各種マニュアルの見直しも始めたところです。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

●社会福祉法人長幼会(以下、法人という)の経営理念である「子どもの人権や主体性を尊重し、保護者と一体になり心身共に健康な児童を育て地域の子育てに力を尽くします。児童の最善の幸福を尊重するための知識の習得・技術の向上に務め、社会性と良識に磨きをかけて相互に啓発し合うことを継続します。」に沿い、保育方針「①子どもの最善の利益を守り、安心・安全な保育を目指します。」、「②子どもたちの健やかな育ちを支援し、地域の子育て支援の拠点としての施設を目指します。」、「③ふれあいを通した豊かな保育を目指します。」を定め、法人系列全園で共通認識を図っています。保育園の理念、基本方針は、入園のしおり(重要事項説明書)等に記載し、保護者には入園前説明会や保護者懇談会等で説明を行い、周知しています。職員の行動規範としては、「みんなが目指す保育士」に接遇に関してや「職位階層(キャリア)別に求める資質」を具体的に示しています。理念、基本方針の意図、今期の具体的計画への展開等については、法人及び各園の前年度事業を園長中心に職員間で振り返り、事業報告の作成、新年度事業計画の立案に職員が参画し、理念、基本方針の理解を深める機会としています。作成した事業報告・計画については職員合同研修会や、各園の職員会議等で周知しています。保護者に対しては、事業報告・事業計画は園に掲示し、保護者が閲覧できるようにしています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

●情報の把握については、園として西区の園長会議、幼保小校長・園長連絡会、区や市の会合の他、法人本部で福祉医療機構からの情報提供や職業紹介事業者等との意見交換等で最新情報を得ています。地域の福祉計画については、法人本部で都道府県白書等の分析を行い、園長は西区園長会議、幼保小校長・園長連絡会、区や市の会合に参加し、得た情報を法人本部にフィードバックし、情報共有を図っています。さらに、子どもの出生の状況、都道府県及び都道府県内の市区町村の人口動態、他園の運営状況等を分析するようにしています。これらの内容は理事長、本部長、事務局長、法人各園長が出席して毎月開催される企画運営会議の場で共通理解を図り、運営に反映しています。さらに、税理士が毎月行っている予算進捗分析が、長期的な展望の情報とのリンクの確認があればより良いと思います。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

●法人4園の園長で構成されている合同園長会議や同じメンバーで行われる企画運営会議で上がった課題については、法人本部の職員で構成されている企画準備会で具体的方策を検討し、理事会議案として提起及び報告を行い、事業遂行に反映させています。運営状況等の課題については、職員会議、毎日各クラスから1名が出席するミーティングや、職員会議後の園内研修等にて課題を共有するようにしています。 職員会議の議案書、議事録は自由に閲覧できるようにし、共有化を図っています。法人では、中・長期の目標として福祉ニーズの多様化、高度化を捉えた上で、地域におけるニーズを積極的に収集・分析し、具現化に向けてさらなる検討を期待いたします。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

●中・長期的なビジョンは明確となっており、事業についての資金計画等も裏付けがあります。体質改善、職員の育成計画は中・長期的な計画を作成し、人材育成、新規採用等を進めています。中・長期計画は、法人の企画準備会、企画運営会議、合同園長会、理事会で検討し、評議員会の審議を経て打ち出され、職員にも周知しています。法人として、令和2年度を起点とした5年間の第Ⅱ期行動計画を策定してホームページにも掲載しています。この行動計画は、職員が仕事と子育てを両立させることができ、全ての職員が働きやすい環境を目指します。また、家庭の協力と関係機関との連携を得ることで、職員が安心して働ける環境を整えていきます。横浜みなとみらい保育園では、中・長期の目標として、1「法人運営の持続的発展」、2「事業運営の透明性の向上」、3「財務規律、基盤の強化」、4「地域における公益的な取り組み」、5「職員の資質の向上・定着」の5つを挙げています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●事業計画は、中・長期計画を反映して策定しています。但し、中・長期計画に修正が生じた場合は修正中・長期計画に沿って作成しています。単年度の事業計画は、前年度の事業(事業報告・決算)の振り返りを各園で行い、理事会での検討、評議員会の審議を経ています。次年度の事業計画の基本的な取り組みは、運営課題の解決や改善に向けPDCAサイクルにより計画の修正や見直しを図っています。単年度計画は職員が参画して行い、行事計画については現状分析を行うと共に見直しを行い、子どもや職員に過剰な負担にならないよう考慮して決定しています。事業計画は、定めた事柄に関して日程・目標を決め、具体的な成果・評価が可能な計画になっています。単年度計画については、前年度の中・長期計画の5つの目標を取り込んだ事業計画と全体的な計画による園の計画がありますが、事業計画の展開が見える形の展開の工夫が望まれます。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

●単年度計画の内、年間指導計画については、前年度の事業結果(報告・決算)を全職員でPDCAサイクルにより見直しを図っています。事業計画については事業報告書(案)を策定して評議員会での審議を経て承認を得ていますが、実績及び今年度計画については法人本部に委ねる部分が大きいと思われます。新年度の事業計画、運営全体計画は、法人としての具体的方針を踏まえ、各園の事業計画、運営全体計画に反映しています。実施状況の把握の時期、参加者、チェック項目、評価の時期、手順等は計画ごとに決めて実施し、評価に沿って職員会議で見直しを行っています。事業計画、運営全体計画は、職員に周知し、計画に沿って対応の計画化を図り、実践しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

●保護者への説明は、保護者懇談会で事業計画の骨子について概略的に説明を行い、具体的には行事計画につなげ、行事への協力、参加を促進するための周知、説明を行っています。また、法人の事業計画書、事業報告書、財務諸表は事務室内で閲覧できるようにし、園の運営計画についても掲示して理解を促しています。また、意見箱を設置し、保護者からの質問や意見、要望等も得られるようにしています。運動会、生活発表会、5歳児お別れ遠足などの行事については、保護者に文書で知らせています。園の将来を見通せるような計画をパワーポイント等でビジョンを示す等の工夫があればより良いと思います。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

●保育の質の向上を目的として、カリキュラムは定期的(毎日、毎月)に振り返り、評価・反省を記入する書式になっており、その評価を基に次の計画へとつなげています。保育士の質の向上については、人事評価制度を導入し、自己観察書・観察指導記録を基に年2回の個人面接時に目標・達成度の確認を職員・上司の双方で行い、人材育成につなげています。第三者評価は、今後も5年に1度受審する予定にしています。毎年、保育園の自己評価を行い、公表しています。保護者に対しては、行事アンケート等を実施して保育の質の向上に反映させています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

●課題の抽出について、日頃の連絡帳、面談、行事の後のアンケート等から機会を捉えて情報を収集しています。特に、行事後の保護者アンケート実施から意見や要望等を抽出し、全職員に周知を図り、必要に応じて職員会議等で改善策を協議しています。改善計画は基本的には次年度指導計画とし、それまでに改善の努力を継続するようにしています。改善については随時、見直しを図っています。保育所の自己評価での課題は、職員会議で共有し、次年度の運営計画に組み込んでいます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

●園長の経営管理に関する方針と取り組みについて、毎年、運営計画を通して表明し、全職員へ周知しています。園長は、「横浜みなとみらい保育園としてこんな保育園でありたい」という思いを「えんだより」に載せて理解を促しています。園長の権限と職務については、大枠では「職位階層(キャリア)別に求められる資質」で明文化され、職員面談の際に職員一人ひとりへ説明をしています。平常時のみならず、有事(災害、事故等)における施設長の役割と責任について、不在時の権限委任等を含め明確化しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●園長は、関係法令を理解し、必要に応じて法律を熟読し、法令の勉強会や、保育の研究会、発表会に参加して理解を深め、さらに、地域環境の法令等についても出席して意識を高めています。職員に対しては、法律に先立つ倫理に関して保育士会の倫理綱領を遵守するよう指導を行い、保育のみならず、必要な関係法令の周知に努めています。変更点や全体で厳守すべき事柄については、法人の規程に基づき、職員会議で伝えると共に必要に応じて日々のミーティング等で周知しています。4園合同園長会議で保育に係る運営課題の共通認識と改善に向けた事例の共有を行い施設運営に反映しています。保育に係る社会的な事案は職員に回覧・掲示を行い、接遇についての啓発を行っています。園では、使用済みの牛乳パックを活用して紙すきや子ども用の椅子を作り、ペットボトルの蓋を独楽に再利用する等、資源循環を通じて環境問題への取り組みも行っています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●園長は保育の質の維持・向上に意欲を持ち、毎月の職員会議の中で職員に確認し、各職員に応じた対策を図るようにしています。職員からの提案や意見等については現状を把握し、一人ひとりの考えを聞きながら良い方向へ向かうよう指導力を発揮しています。職員の研修は年間研修計画を立案し、外部研修を推奨し、必要な職員には参加を促す等、職員の資質向上に努めています。公的なキャリア制度の研修への参加を促し、取得した資格に応じた対応を行っています。職員が外部研修に参加した際は職員会議等で報告・発表し、得た情報を共有できるようにし、保育に生かしています。また、法人系列園間での研修も行い、職員が研鑽を図れる機会を設けています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

●園長は、業務の実効性を向上するよう職員と話し合い、組織体制の変更や組織運営に尽力し、スムーズに連携できるよう体制の在り方について常に考えています。また、決まった人員でより効果的な方法を模索しています。例えば、育児短時間勤務者の配置、非常勤の正職化、家賃補助、余裕ある保育士の配置事例等を行っています。企画運営会議にて法人理念・方針等基本的な考えの共通理解を図り、管理監督者間での意思統一を図っています。そして、毎月行っている会計月次監査の結果に基づいて園運営に反映させています。経営陣の改善や実効性の向上の意欲と同じ意識を園内で形成させる為に、企画段階から職員の代表を参加させ、代表者には職場での職員一人ひとりの意見をまとめて参加することにより、代表者のみならず全職員が「自分の意見」として行動することができています。第三者評価実施により、職員一人ひとりに「気付き」が得られ、課題を把握することができる等、成果が得られています。園の改善は良くできていると思いますが、法人の発展のため経営への関与をより深めていくことが望まれます。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●人材確保について、長期の求人計画を策定し、法人で求人専用のパンフレットを作成しています。さらにOGが同行して大学で説明会を開催し、地方の大学へも求人活動を行い、系列園での体験実習を企画する等、力を入れています。定着に関しては、人事評価制度に基づく適切な評価を行い、職員のやりがい、働きがいにつながる処遇、福利厚生の充実等、安心して働ける環境整備に努めています。研修等の体制、給与、配属等については、職員一人ひとりと面談し、資格を優遇して柔軟に対応するようにしています。基本的に法人が行っていますが、園としてさらに関与していくことが望まれます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

●「社会福祉法人長幼会職位階層(キャリア)別に求められる資質」は、自己評価の目標になる部分を明確化し、目標設定、人事評価から評価を行い、職務の決定や目標の確認を行っています。また、人事基準は、採用、配置、異動、昇進、昇格の基準を定め、職員に周知しています。評価は、一定の人事基準と専門性、遂行能力、職務の成果を分けて評価を行っています。園長は、処遇水準、改善の必要性、「満足な保育とは」を問うサービスの面と費用対効果の経営とのバランスについて常に検討し、職員の意向等を面談で把握し、一人ひとりの悩みや希望を聞き、必要に応じて善処するようにしています。また、職員が将来の姿を描けるよう、「組織」・「昇格・昇給」・「モデル昇格ケース」・「福利厚生」等を示し、標準的なケースを示しています。就業規則は全職員に配付しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

●職員の就業状況や意向の把握等は、主任がシフト管理を行い、労務管理に関する責任体制を明確にしています。法人の規程を基に、年次有給休暇や各種制度(育児・介護短時間、育児・介護休暇)を取得・利用しやすい仕組みを構築し、業務時間の平準化につなげ、有給休暇取得の平均化を心がけています。職員の心身の健康と安全の確保については、福利厚生として定期的に職員の健康診断、予防接種を実施し、業務災害総合保険(ハイパーメディカル)に加入して職員の病気、精神的ケアにおける経済的負担軽減に資するよう取り組み、家賃補助、社宅制度も備えています。ワーク・ライフ・バランスについては、各職員に応じたワーク・ライフ・バランスを相談して決めるようにしています。組織風土の状況の改善策については、働きやすい職場が原点であり、職員の意向を取り入れ、より良い人事体制を目指しています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●「社会福祉法人長幼会職位階層(キャリア)別に求められる資質」を基に職員面談で目標管理を行い、個人の個々の能力アップによる全体のレベルアップを図っています。人事評価制度を導入し、自己観察書・観察指導記録を基に年2回の面談時に目標達成度の確認を行い、人材育成につなげています。職員からの悩み・相談には都度、面接で対応し、必要に応じて園長会で共通認識を図るようにしています。目標の設定については、今年度の園の方針に沿い、達成目標を具体的に定め(出来れば数値目標化して)達成に向けて努力しています。また、業務マニュアルに沿い、職員のさらなる質の向上を目指しています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●「社会福祉法人長幼会職位階層(キャリア)別に求められる資質」を定め、それに沿いながら園が目指す保育に向けて教育・研修計画を年度当初に策定しています。研修に関する基本方針は運営計画で周知しています。新任職員についてはOJTにより、先輩職員が専属で担当し、実務面での育成とサポートに当たっています。研修内容、研修計画のカリキュラムは前年度実績を踏まえ、研修内容の見直しを行い、職員の資質向上に努めています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

●園では、「社会福祉法人長幼会職位階層(キャリア)別に求められる資質」に応じた研修を推奨し、園内でOJT教育を実施しています。階層別研修、職種別研修、テーマ別研修等の機会を確保し、職員の職務や必要とする知識・技術水準に応じた教育・研修を実施しています。外部研修については、職員へ情報提供を行い、就業時間内または出張扱いにて研修に参加できる体制を整備しています。研修参加後は、職員会議で研修報告を行い、職員全体で共有を図り、保育に生かしています。 

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

●実習生等の受け入れについては、マニュアルを備え、受け入れの基本姿勢を明文化して体制を整えています。また、専門職種の特性に配慮したプログラムを用意し、養成学校の要望に応じたプログラムを準備しています。実習指導者に対する研修を実施し、各養成校の訪問を通して学校が抱える課題等の意見交換を行い、実習内容に反映させるよう、連携しながら取り組んでいます。現在、2つの養成校から実習生を受け入れています。さらに、全職員に対してこれらの取り組みを周知し、情報共有を図り、より効果的な研修・育成の成果に導くことが期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

●法人は社会福祉法人であり、運営の透明性に努め、理念・基本方針、保育の内容、事業計画等は出来る限り公開するように努めています。ホームページ等の活用により、法人、保育所の理念や基本方針、保育の内容、事業計画、事業報告、予算、決算情報が適切に公開されています。特に予算、決算関係についてはきちんと公開しています。苦情受付については重要事項説明書に明示され、説明会でも必ず保護者に周知し、園内に苦情相談の第三者委員会等についての案内も貼り出しています。地域に向けては、ホームページの他、横浜市のホームページでの掲載や他の電子媒体でも情報を公開しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

●園のルール、職務分掌、権限・責任等を明確にし、職員に周知しています。法人本部の経理担当者が毎月、内部監査として園の経理チェックを行い、行政の監査を踏まえ、改善に向けて努力しています。また、外部の専門家によるチェックは会計事務所に委託し、アドバイスを受けています。さらに、法人本部で委託している税理士、社労士、弁護士のアドバイスを参考にして経営改善に努めています。法人は、経営の透明性を保ち、各園の要望を取り入れながら予算化し、予算を守った運営を行っています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●地域の関わり方・取り組み姿勢を理念や全体的な計画で示し、一時保育、育児相談、園庭開放(平日)、貸し出し図書を実施しています。交流保育として「2歳と遊ぼう」を行い、園の行事へのお誘いも行っています。地域の自治会に加入し、積極的に地域行事(区民祭り、桜フェスタ等)に参加の機会を設け、連携に努めています。散歩時は地域の方と挨拶を交わし、公園では地域の親子と一緒に遊んで交流をしています。それぞれの子ども・保護者のニーズに応じて地域の休日保育や病児保育、横浜市中部地域療育センター等の関係機関の紹介も行っています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

●ボランティアの受け入れについては、お話会の先生、習字の先生、中学生の体験実習、高校生のインターンシップ等を積極的に受け入れています。しかし、ボランティア受け入れの登録手続き等の書類はあるものの、マニュアルの完成には至っていません。地域の学校教育等への協力、地域のボランティアについて基本姿勢を明文化、配置や事前説明について見直しを図りながら、ボランティア受け入れマニュアルの整備に取り組んでいるところです。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

●関係機関・団体についてはリスト化し、職員室に設置して職員誰もが閲覧できるようにして活用しています。関係機関では、横浜市中部地域療育センター、横浜市中央児童相談所、区役所の保健師、保健所、消防署、警察、病院等と連携を図り、必要に応じて相談・助言が得られる体制を構築しています。園長は、区園長会、幼保小連絡会に参加し、情報収集や連携に努めています。また、自営消防団(横浜みなとみらい保育園)に加入して防災訓練を一緒に行い、CPR研修等の普及を行っています。地域の関係機関・団体とはネットワーク化を図り、情報交換ができる体制にあり、虐待が疑われる子どもについては、西区の保健センターや横浜市中央児童相談所との連携を視野に入れて対応するようにしています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

●地域の福祉ニーズの把握については、意識して把握するように努め、保育園としての公益的な面を踏まえ、ニーズに応えて行く必要があることを認識して地域との交流に取り組んでいます。園の企画会議、地域の園長会議、幼保小連絡会、地域の自治会への参加を積極的に行い、連携を深められるようにしています。また、一時保育利用の保護者からの情報や、民生委員との交流を通して地域の情報・ニーズを収集し、園として出来る範囲内で対応しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

●把握した福祉ニーズ等に基づき、法で定められた社会福祉事業に留まらない地域貢献に関わる事業・活動については、一時保育、園庭開放、交流保育等を行っています。把握した福祉ニーズ等に基づいた具体的な事業・活動については、全体的な計画や園のしおり等に明示しています。また、地域の赤ちゃん会に参加して保育に関する出前講座を実施し、園の情報提供等を行っています。自営消防団を結成し、地域活動の中でCPR研修や災害防止への普及活動を行い、園の入居ビル全体の防災訓練の際は訓練の指導員として参加しています。園の立地、周辺の環境も考慮されますが、さらに、地域住民の生活に役立つ講演会や研修会等の開催等、地域住民へ福祉に対する理解の促進活動も視野に入れて取り組んでいくことが期待されます。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●理念に、子どもの最善の利益を第一義にすることを明記し、子どもを中心に置いた保育がこの園の特徴の1つとなっています。倫理及び接遇についてまとめた「みんなが目指す保育士」の冊子を基に職員の教育に活用しています。園の保育方針を職員が正しく理解し、同じベクトルで保育を行うことの共通認識を図り、手法を確認し合い、間違いがあれば正しく示していくようにしています。子どもの尊重や基本的人権への配慮については、定期的に状況の把握・評価等を行い、運営全体計画での虐待の発見と対応等について確認し、職員会議、リーダーミーティングで共通認識を図っています。子どもが互いを尊重する心を育てるための具体的な取り組みについては、統合保育や異年齢保育の中で行っています。職員は、性差を意識することなく保育に当たり、出席簿、グループ分け、好む色、遊び等、子どもが自由に選択できることを尊重しています。また、子どもの出自、国籍、人種、宗教等で区別することはありません。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

●子どものプライバシー保護を遵守し、法人としての個人情報取り扱い規程に基づいた対応・接遇マニュアルを全職員に配付し、常に意識できるようにしています。おむつ替えの台は外から見えない場所に設定し、幼児のトイレにはドアを設置しています。また、プール使用時は外から見えないようテントを活用して工夫し、排泄に失敗した際は子どもの羞恥心に配慮して他児に分からないよう処理するように配慮しています。プライバシー遵守はマニュアルに掲載し、職員に周知しています。保育内容については、入園前説明会、懇談会等で保護者へ丁寧に説明を行い、障害や配慮を要する子どもの対応についても説明し、理解を促しています。また、園見学会や保育参加・参観等で保育の実態を見てもらい、プライバシー保護に関する取り組みについて保護者が理解できるよう工夫しています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

●福祉サービスの提供について、西区認可保育所案内、園のホームページに掲載し、来園者にはパンフレットを手渡し、希望に応じて説明を行っています。園の紹介資料は、写真・図・絵の使用等で分かりやすい内容になっています。園見学の希望の問い合わせには園長、主任が対応し、園、見学者の希望・都合を調整し、出来れば午前中の見学を勧めています。入園する際は園見学を推奨し、利用希望者への情報提供を行っています。見学者(利用希望者)への提供情報は適宜見直し、作成しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

●保育の開始時、変更時の説明と同意については、保護者の意向を念頭に置き、重要事項説明書に基づいて説明を行い、署名捺印をもらい、園で割り印をして双方で1部ずつ保管しています。変更等がある場合は掲示や文書の配付、メール配信にて保護者が理解できるようにしています。重要なことについては、書類でお知らせをし、外国籍に係わる保護者、特に配慮が必要な保護者等については、園のルールに沿って個別に対応し、必要に応じて書類にルビを振り、国際交流センター等の通訳を活用して援助しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●個人の記録は常にまとめてあり、引継ぎは何時でも出来る体制になっています。就学先の小学校へは必ず指導要録を提出していますが、通園途中の保育園の変更等については実例がありません。そのようなケースが生じた時は、保護者の同意、若しくは市町村の依頼で提出する場合も考えられます。卒園後の窓口は基本的に園長とし、園長経由で元担任が窓口としています。卒園後も運動会等の行事に誘い、交流する機会を設け、経過記録や児童要録を基に連携に努めています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●子どもの満足度については、日常の保育の中で常に把握するよう、子ども一人ひとりに接しています。保護者の満足度は、毎年利用者アンケートを実施し、大きな行事(運動会、生活発表会)終了後はアンケートを取り、ニーズや課題を抽出し、改善できるものは迅速に対応できるように努めています。また、第三者評価でのアンケートでも確認し、ご意見箱も設置して気軽に意見が述べられるようにしています。保護者懇談会は6月と10月に開催し、8月には面談期間を設定して保護者の意見を聞く機会を設けています。保護者独自の団体(保護者会)はありませんが、相談があれば応じるようにしています。受けた意見等は迅速な対応に努め、必要に応じて保護者に知らせると共に内容に応じた対策を図っています。さらに、利用者満足に関する調査の担当者等の設置や、把握した結果を分析・検討するために検討会議の設置等があると尚良いと思われます。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

●苦情解決の仕組みでは、年度初めに保護者に苦情解決委員の仕組みを周知し、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員の氏名を記載した内容を玄関に掲示しています。また、意見箱も園と第三者委員の苦情解決用として2つ用意しています。いかなる苦情に関する内容(受付と解決)は記録して残し、受けた意見に対して検討結果は該当者にフィードバックしています。苦情は申し出た保護者に配慮し、公にできる内容は園内に掲示して公表しています。苦情・意見は職員に周知し、検討を図り、保育の質の向上に役立てています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

●意見が述べられることを重要事項説明書に記載し、入園時に説明しています。そして、相談や意見は職員の誰もが対応できることを伝え、相談相手を選ぶことができる旨を説明しています。それらを明文化し、園内にも掲示して周知しています。相談室を設置して安心して話せる環境作りをし、個人情報漏洩を厳守しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

●日頃から、保護者が相談しやすいよう職員体制に配慮し、職員は送迎時等に保護者の顔色や気配を感じて声をかけるよう心がけ、相談がありそうな場合は個人面談につなげています。保護者の意見は保育運営に生かすよう努め、意見箱の設置や、アンケートの実施等、保護者の意見を把握する取り組みを行っています。相談・意見についてはすぐ対応できる事柄については早急に対応し、時間を要するものは経過を伝えながら対応し、保育の見直しが必要になる場合は、課題を企画会議・主任会議で把握・整理し、職員会議で周知して質の向上につなげています。受けた意見等は園長をはじめ職員で真摯に受け止めつつ園で出来得ることは最大限努力し、努力に対する理解・納得をしてもらえるよう努めています。マニュアルは定期的に見直しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

●リスクマネジメントに関する責任者の明確化、リスクマネジメントに関する委員会を設置し、体制を整備しています。事故発生時のマニュアルを備え、職員へ配付し、読み合わせを行っています。リスクマネジメントはマニュアルに沿って対応を行い、発生要因の分析や、再発防止策の検討を行っています。法人として危険事例の収集と対策に努め、分析した内容を各園に配付し、園で討議する機会を設け、収集した事例を基に対策を検討し、再発防止に努めています。職員に対しては、事故防止の研修を実施し、毎月の職員会議にリスクマネジメントとして、当月に発生したケガやヒヤリハットの振り返りを行い、再発防止対応に努めています。また、危険予知トレーニング(KYT)に基づき散歩先の安全確認を行い、1日の活動でもKYTを実施して安全・衛生確認を行っています。散歩等のルート確認マップも作成しています。事故防止策については実効性の見直しを行い、実施につなげています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●感染症対策の責任と役割を明確にした管理体制を整備し、季節の感染症の蔓延防止に努めています。登園禁止の感染症については重要事項説明書にその対応と、再登園の際の手続きも決めて明示し、周知しています。感染症対応のマニュアルを整備し、重要事項説明書にもその内容の一部を掲載して保護者へ周知しています。感染症に関する保護者対象の勉強会も開催し、啓蒙しています。感染症の予防策は、絵・図で示した手洗い・うがい方法を手洗い場に掲示し、励行して実施しています。感染症対応のマニュアルは看護師中心に適宜見直しを図り、都度、職員へ周知し、勉強会で確認を行い、嘔吐処理の園内研修も毎年行っています。また、法人系列4園の看護師が情報共有することで法人全体の予防策も講じられています。保護者への情報提供は、横浜市や保健所からの情報を看護師が分かりやすくまとめ、掲示板を利用して周知し、地域で流行している感染症についても情報提供を行い、注意喚起を図る取り組みを行っています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

●災害時の対応体制、組織図、避難場所については事務室内に掲示していつでも確認できるようにしています。自営消防団を組織して横浜市の消防団に所属し、子どもの安全確保、災害に備えて毎月訓練等を行っています。園舎がビルの3階に位置する立地条件等から災害の影響を把握し、建物・設備類については、保育を継続するために必要な対策を講じています。子ども、保護者及び職員の安否確認の方法を定め、全職員に周知し、災害時の避難場所、連絡方法は重要事項説明書に記載して周知を図っています。さらに、IP無線を活用して散歩時の安全確保を行い、災害時及び不審者等があった場合の緊急連絡手段として活用しています。防災備蓄については、リスト化を図り、職員が把握しやすいようにしています。防災計画、防災体制を策定し、消防署を始めとする連携先に示し連携を図っています。園は横浜の港湾に近く、津波・高波、ビル火災に関する対応、停電に伴う機械の作動停止等、具体的な検討もしていくとより良いと思います。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

●標準的な実施方法が記載されたマニュアルとして運営全体計画書を整備しています。マニュアルに子どもの尊重、プライバシーの保護、権利擁護を明確に記載し、会議等でも確認し、共通認識を図っています。マニュアルは徹底すべき標準的な実施方法を記載し、職員全員が所持し、研修等でも職員に周知を図り、OJTを含め様々な方策を盛り込んで標準化を図っています。保育が標準的な実施方法に基づいてサービスが提供されているかは幼児会議、乳児会議で確認しています。標準的な実施方法にそぐわない保育が提供されている場合の対応方法についても定めておくと尚良いと思われます。標準的な実施方法は画一的なものにならないよう、子どもの希望を柔軟に取り入れるよう工夫しています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

●マニュアル類については1年間の実施を踏まえて年度末に見直すことにしています。年度末に次年度に向け子どもたちの育ちについて要録や経過記録を基に進級クラスに申し送りを行い、それを生かして次年度の年間計画を立案しています。検証・見直しは定期的(年1回)に行い、職員全員が参加して指導計画の実施結果から行っています。検証・見直しに当たっては、職員や保護者等からの意見や提案が反映するようにしています。見直しを定期的に実施し、改訂項目を共有する等が定着することが望ましいと考えます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

●指導計画策定の責任者はクラス担任とし、複数担任のクラスはリーダーを責任者として園長の承認を得るようにしています。アセスメントは個人記録、個人別指導計画、参加メンバーそれぞれの見解を持ち寄って実施しています。メンバーの選定は園のマニュアルに沿って定め、リーダーは都度選定を行い、追加メンバーも柔軟に選定しています。また、栄養士、看護師などの異職種に参加を要請することもあります。保育所保育指針を基に全体的な計画を作成し、それに基づき年間指導計画を策定し、職員間で共有しています。園児の成長に合わせた個別指導計画を毎年立てて、PDCAのサイクルで見直し、職員間で共有しています。子どもは日常の保育を通してニーズを把握し、保護者は行事後のアンケート等でニーズを抽出して指導計画に反映させるようにしています。計画については保育士以外の職種の意見も反映させ、保育実践の振り返りは毎月の月案の反省で実施しています。支援困難ケースへの対応も全職員で共通認識を図り、協力して対応しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

●計画は子どもの成長記録に合わせて毎月見直し、企画会議・主任会議を経て、全職員に配付し、周知しています。指導また、翌月の計画を立てる際には子どもの様子を各クラスで反映するようにしています。指導計画は基本的には変更せず、週案で変更しています。月案は朱記して展開し、来年度に反映する体制で進めています。園では、途中で修正を図ると計画との相違が生じる場合もあるため、変更しない方式で進めています。見直しにおいてマニュアルに変更が必要であれば対応を行い、保育の質の向上に係る課題は明確に区分けして反映するよう努めています。評価結果は次期計画に反映させ、課題があれば継続して取り組むようにしています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

●子どもの発達状況は、園の様式(経過記録など)で記録しています。経過記録は、年齢により記録の期間を定め、適切に記録し、表記の仕方にも留意しています。個人別の指導計画は記録されており、職員がいつでも確認できるようにしています。記録要領の研修を園全体で行い、記録に当たっては上司が指導しています。保育に関する情報の流れ・情報分別については、基本的には乳児会議、幼児会議で行っています。回覧での情報・周知に関しては、回覧のルートを決めて全職員が閲覧できるようにし、回覧後のファイリングの方法、設置場所も定めて共有化を図っています。情報の活用についてはテーマを絞って職員会議で話し合っています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

●子どもの記録類については法定保管年数が定められており、基本的には法定年数を遵守することにしています。個人情報保護規程に基づき、記録や個人情報に係るものは鍵のかかる場所に保管し、取り扱いにも十分注意しています。個人情報に関しては不適切な利用、漏洩がないことを重要事項説明書で説明し、文書化して保護者と書面を交わし同意を得ています。記録管理の責任者は園長とし、記録の管理方法については運営全体計画に定め、取扱いについては研修を実施して周知徹底を図っています。将来的なICT化についての検討は必要と考え、進めていかれることを期待いたしております。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

●全体的な計画は児童憲章、児童の権利に関する条約、児童福祉法、保育所保育指針などの精神に沿い、子どもの最善の利益を実現できる趣旨となっています。全体的な計画は、保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、理念、方針自体が児童憲章等の法令に準拠して編成されています。全体的な計画は子どもの発達過程、子どもと家庭の状況や保育時間、地域の実態などを考慮し、作成しています。低年齢保育の子どもは、日常の父母とのコミュニケーションで得られる体験を身に付ける前に入園していることを念頭に置き、対応にも配慮して策定しています。全体的な計画は、各クラスの意見を集約して主任と園長が昨年の計画を見直し、定期的に評価を行い、当期の進捗、次期計画に生かしています。全体的な計画の考え方はまだ流動的であり、今後も一層の検討が期待されます。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

●保育室の環境については、室内の温・湿度管理は温湿度計を設定し、空気清浄機の設置や、季節に応じて加湿器等も使用して快適な環境を整備しています。換気については循環式の強制換気の他、適宜窓を開けて自然喚起に努め、特に、トイレについては通気に配慮しています。音に関する環境については、音楽や子どもの声等、地域にも配慮し、職員の声の大きさも常に適切な状態に保持するよう注意しています。保育所内外の設備は常に清掃し、用具や遊具の消毒等をチェック表に沿って行い、衛生管理に努めています。家具や遊具の素材・配置、保育士の導線等の工夫を行い、室内の有効活用に努めています。遊具では、木製カプラを利用して安全に配慮しています。食事や睡眠のための空間を分け、心地よい生活空間が確保出来るよう工夫しています。2歳と3歳の保育室がやや狭いのでテーブルを寄せて午睡していますが、その他のクラスは寝食分離になっています。手洗い場・トイレは、明るく清潔で、子どもが利用しやすい設備を整え、安全への工夫に努めています。養護と教育の一体的展開は始まったばかりであり、今後も検討を続けていかれることを期待します。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:a】

●子ども一人ひとりの発達と発達過程、家庭環境等での子どもの個人差を理解して尊重した保育を行っています。職員は、一人ひとりの成長、年齢に合わせて援助するよう常に心がけ、子どもの目線に立ち、子どもの話に傾聴し、接遇マニュアルに基づいて対応するよう心がけています。子どもが安心して自分の気持ちを表現できるよう、自分を表現する力が十分でない子どもや、伝える言葉が見つからない子どもには、子どもの気持ちを大切にし、根気よく待ち、気持ちに寄り添うように努めています。また、子どもの欲求を受け止め、子どもがやりたいこと、行きたい場所への希望には出来るだけ尊重するように対応しています。話し方については、大人の感覚を押し付けず、子どもに分かりやすい言葉、話し方で伝え、穏やかに分かるまで話すように努め、急かす言葉、制止させる言葉を不必要に用いないようにしています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

●園の方針は、子どもの気持ちを受け止め、尊重し、子ども一人ひとりの状態に応じた保育を行うことです。集団生活の中で子どもが自らやりたいという気持ち、主体性を尊重し、個々の発達を考慮しながら無理強いをせず、生活に必要な基本的生活習慣を身に付けられるよう援助し、自分で出来た時の気持ちを大切にしています。また、生活習慣を身に付けることの大切さについて子どもが理解できるよう働きかけ、自分の健康や病気について機会を設けて伝えています。1日の生活では、一人ひとりの子どもの状態に応じて「活動」と「休息」のバランスが保たれるよう配慮しています。子ども同士のトラブルについては双方の気持ちを聞き、お互いが歩み寄るよう保育士が代弁しながら対応しています。生活習慣は保育の根幹であり、これまで培った積み重ねもあり、良くできています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:a】

●子どもが自主的・自発的に生活と遊びができる環境を整備しています。室内遊具は子どもが自由に取り出して遊べるようにし、色紙、折り紙、クレヨン等は自由に使えるようにしています。ビルの3階にあるこの保育園ですが園庭を有し、遊具、固定遊具を備え、保育士が見守る中、子どもが楽しく遊べる環境を整備しています。子どもたちは独創的な遊びを自由な発想で楽しんでいます。雨の日等の室内遊びではリズム遊びを取り入れ、ホールを周回して音楽に合わせて体を動かし、雨の日の運動不足解消と発散できる活動を展開しています。戸外活動では、天気の良い日は毎日散歩に出かけて身近な自然に触れ、社会的ルールを体得する機会として散歩時や近所への買い物の際はそれらを意識できるようにしています。また、クッキング保育や園外保育として、打ち水大作戦やジャパンフィッシングショー等を参観し、視野を広げる活動もしています。園では毎年、自然(散歩、飼育、栽培)保育実践計画を作成し、0歳児から5歳児までクラスごとに散歩、生き物の飼育、草花の栽培について年間を通して実施し、自然に親しみ、生きもの、植物に関わる中で思いやりの気持ち、命の大切さを知る保育が行われています。生活と遊びを通して、友だちとの人間関係が育まれるよう、バトンリレーを公園で行い、みんなで応援する等、一体感を体感する遊びを取り入れています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●0歳児の体力、睡眠、休養、活動への配慮として、長時間安定して過ごすことに適した生活環境と遊びに工夫をして配慮に努めています。特に、0歳児が安心・安定できるよう、保育士等と愛着関係の構築に努め、職員配置として1対1の担当制にせず、20人の乳児を保育士7人で対応する緩やかな体制で対応しています。職員は、子どもの一つひとつの表情を大事にし、子どものアクションに応じて応答的な関わりを大切にしています。0歳児が、興味や関心を持つことができるよう生活や遊びに工夫し、その時々の興味等の示す表情を見逃さないように努めています。それぞれの子どもの発達に合わせた遊びの提供を行い、家庭との連携を密にして子どもの成長を共有しています。また、入園前の面談で家庭での様子を聞き取り、職員間で情報共有を図り、保育園が安心して過ごせる場であるよう生活と遊びに配慮するよう心がけています。月齢に応じて0歳児クラスの中で分かれて活動したり、発達に合わせた遊びを提供しています。子どもの愛着関係の構築に向けた職員の対応が良くできています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●この時期を養護と教育の一体的な展開の基礎を作る時期と捉え、また、3歳以上児における「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」の基礎を作る大切な時期でもあり、一人ひとりの子どもの状況に応じて、子どもが自分の力で取り組もうとする気持ちを尊重して保育に当たっています。探索活動では、探索が十分に行えるよう事故防止に留意して環境を整え、月齢や発達を理解し、遊びを中心として子どもが安心して自発的な活動ができるように支援しています。玩具は、自分で好きな玩具を取り出しやすいよう子どもの目線の位置に配置し、選択できるよう援助しています。子どもの自我の育ちを受け止め、友だちとの関わりでは保育士等が仲立ちをして関わり方を伝えるようにしています。一人ひとりの子どもの状況に応じて家庭と連携し、送迎時での会話や連絡帳を通じて情報共有を図り、得た情報等は保育に生かしています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●3歳児クラスでは、それぞれの子どもの興味・関心と、集団での活動を並行して園生活を過ごしています。保育では、集団の中で安心・安定を確保しながら、遊びを中心とした子ども一人ひとりの興味や関心のある活動に取り組めるよう環境を整えています。異年齢保育では、お兄さんお姉さんとの関係も加わり、豊かな人間関係を育んでいます。また、自我を生かしつつ集団生活が進められるよう保育士は適切にサポートしています。4歳児の保育では、集団の中で自分の力を発揮することをねらいとし、友だちとも楽しみながら遊びや活動に取り組めるよう環境を整えています。来年は最年長であることの心構えも徐々に育ち、5歳児の行いを学んでいます。5歳児の保育に関しては、集団の中で一人ひとりの子どもの個性を生かし、友だちと協力して1つのことをやり遂げるといった活動や創造した遊び等を取り組めるよう環境を整え、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」についても身に付けるよう、アプローチプログラムはまだ取り組み途中ですが、就学を見据えたスターティングプログラムにつなげるよう努めています。また、3歳、4歳児のプログラム作成も望まれます。子どもの育ちや取り組んできた協同的な活動等については、保護者や就学先の小学校等に保育要録を通じて伝えています。幼児については自分自身でできることが増えていく中で、できないときは子どもたちの自信につなげられるように、できたときには褒めさらなる自信につながるよう適切な声がけや援助をしながら関わっていくことを意識して保育に当たっています。友達との関りが深くなる時期を鑑み、葛藤しながら成長していく子どもの気持ちも受け止め、相手の気持ちも考え、時には折り合いをつけながら活動できるような体験も大切にして援助しています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●園舎3階まではビルのエレベータを利用します。障害者用車椅子利用トイレを備え、建物・設備、障害に応じた環境整備がなされています。障害のある子どもの状況に配慮した個別の指導計画を作成し、クラスの指導計画と関連付けて保育に当たっています。基本的には統合保育を実施し、他児と一緒に保育を行い、子ども同士の関わりに配慮し、共に成長できるように援助しています。計画に基づいて子どもの状況と成長に応じた保育を行っています。また、保護者と連携を図り、子どもたちの園生活に配慮しています。必要に応じて、医療機関や専門機関から相談や助言を受けられる体制を整え、保護者の受容につなげ、親子に過度な負担をさせないよう生活支援につなげています。職員は障害児研修等を受けて必要な知識や情報を得、保育に生かしています。保護者全体に対して、障害のある子どもの保育について理解を促す取り組みについては、該当児の保護者自らが懇談会で話をしていただくケースもありますが、理解を深める取り組みとしては行っていません。障害対象児の療育については、療育センターと連携を図りながら巡回訪問指導の際に、個別配慮が必要な子どもの対応についてアドバイスを受け、全職員で共有し、対応に生かすようにしています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●1日の生活を見通し、その連続性に配慮した子ども主体の計画性を持って取り組んでいます。子ども一人ひとりの体力を考慮し、様子により保育途中でも休養させています。家庭的な雰囲気で子どもがゆったりと過ごすことができるよう環境を整え、子どもの状況に応じて、穏やかに過ごせるよう配慮しています。年齢の異なる子どもが一緒に安全に過ごせるよう遊びや環境整備への配慮に心がけています。保育時間の長い子どもには、子どもたちの状況を見ながら保育することを心がけ、保育時間が長い場合には保護者と相談して補食や夕食の提供もしています。子どもの状況については職員間で伝達漏れが無いよう引継ぎノートを活用して情報共有を図り、子ども、保護者の安心につなげられるよう努めています。また、担当保育士と保護者との連携が十分取れるよう心がけ、それぞれの保護者と話せるよう声をかけるよう努めています。延長保育での早朝・夜の体制における職員のシフトとメンテナンスに十分配慮する必要があると思われます。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:b】

●計画の中に小学校との連携や就学に関連する事項が記載され、それに基づいた保育が行われています。子どもが、小学校生活について見通しを持てる機会を設け、近隣の平沼小学校と連携を持ち、小学校教諭が夏休みに保育園に来訪して5歳児との交流会を行ったり、園児も小学校に訪問して交流を図っています。保護者に対しては、面談の時に、小学校の情報や学童の情報を提供し、就学後の生活について不安のないよう配慮しています。区には平沼小学校ブロック会があり、そこで幼保小連絡会が開催され、保育士等と地域の小学校教諭と意見交換を行い、顔が見える関係作りを目標に連携を図っています。5歳児の担任は保育所児童保育要録を作成し、園長が確認の上、該当小学校へ提出し、保育園で過ごしてきた育ちを就学先の教諭に伝え、その後の育ちに結びつけられるようにしています。年長児には、就学に対しプレッシャーを与えないよう配慮しながら期待を持てるよう心がけています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

●子どもの健康管理に関するマニュアルを整備し、マニュアルに基づいて一人ひとりの子どもの心身の健康状態を把握しています。マニュアルは運営全体計画に盛り込み、職員はいつでも確認できるようにしています。看護師を中心に日々子どもたちの健康状態に配慮し、季節や必要に応じて保健指導を行い、感染症拡大防止の意識付け等を行っています。子どもの体調悪化、園内でのケガ等については、その日の内に保護者に伝えると共に、事後においても翌朝に確認して保育に当たるようにしています。ケガについては偶然に起こりうるお互い様であることを伝え、理解を促すようにしています。また、同じような問題行動が続く場合、保護者の方に家庭での様子を聞きつつ、園での様子を伝えていくようにしています。子どもの保健に関する計画(保健行事計画)を看護師が作成し、職員へ周知し、園全体で展開しています。昼のミーティングの際に、一人ひとりの子どもの健康状態に関する情報を伝え、関係職員に周知及び共有しています。既往症や予防接種の状況などは、保護者から子どもの健康に関わる必要な情報が常に得られるように努め、保護者へも看護師による連絡ボードを活用して健康に関する情報提供を心がけています。乳幼児突然死症候群(SIDS)に関しては職員に知識の周知を徹底し、緊急時対応等の訓練も行っています。保護者に対してもSIDSに関する必要な情報提供をして家庭での啓蒙をしています。午睡時のSIDSチェックについては、0歳児5分ごと、1歳児は10分ごとに実施しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

●健康診断・歯科健診について、健診結果は記録し、園の保健計画等に反映させ、関係職員に周知して保育に生かしています。また、保護者へ健康診断・歯科健診の結果を伝え、家庭での生活に生かすよう子どもの健康保持に努めています。特に、必要に応じて(要再検査等)かかりつけ医への受診を強く勧めています。健康診断・歯科健診は年間各2回実施し、保護者及び職員にも状況を伝え、日々の保育、保健指導等に生かしていけるようにしています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●アレルギー疾患のある子どもについては、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」を基に、子どもの状況に応じた適切な対応を行っています。医師が記載した生活改善指導表を基に看護師、栄養士との連携を図り除去食の提供を行い、職員にはマニュアルに基づいて対応するよう周知しています。慢性疾患等のある子どもについては、医師の指示の下、子どもの状況に応じた適切な対応を行い、保護者と連携を密にして園での生活に配慮しています。アレルギー児については、半年に1回医師の診断を受けてもらうことにしています。食事の提供では、他児との食事の相違に配慮し、色の違うトレイ、食器を使用し、食札に除外食材、名前を記載し、厨房内、保育士と栄養士、保育士と保育士のトリプルチェックを行い、誤食が無いよう十分に注意しています。また、他の子どもや保護者にアレルギー疾患、慢性疾患等についての知識を深めるための取り組みを行い、理解を促しています。職員は、アレルギー疾患、慢性疾患等について研修を受け、必要な知識・情報を得、緊急時の対応等を習得しています。アレルギー児への夕食、捕食については、他の子どもたちにも除去食を提供してみんなで同じ食事を摂れるよう配慮しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

●食に関する豊かな経験ができるよう、保育の計画の1つとして食育計画を位置づけ、取り組みに力を入れています。食育計画に沿った調理実習や植物の栽培・収穫を年齢に応じて行っています。食育として菜園活動を実施し収穫した野菜は給食で提供してもらい、行事食の提供等、季節感や食への興味を持たせるよう工夫しています。食育計画に沿って子どもの発達に合わせた食事の援助を適切に行い、乳児はミルクから離乳食へ、幼児は野菜や果物の栽培活動、食事の当番活動等を行い、食への興味・関心につなげています。例えば、自分たちで育てたお米や野菜を収穫して調理のお手伝いをして食し、喜びを味わえるようにしています。食器は、乳児から幼児まで全てに硬質磁器食器を使用し、食器の材質や形、発達に合った食具等に配慮しています。食事は、食べたいもの、食べられるものが少しでも多くなるよう個人差や食欲に応じて量を加減できるように工夫し、お代わりを出来るようにして完食の満足感を経験できるようにしています。保護者に対して、子どもの食生活や食育に関する取り組みについては、保育参観・試食会を実施し、園の味付け等を伝え、毎日食事のサンプルを並べ、給食・おやつのレシピを配付して子どもと一緒に作ってもらえるよう家庭での食育にも力を入れています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

●一人ひとりの子どもの発育状況や体調等を考慮した献立・調理の工夫に努めています。メニュー・レシピは園の栄養士が独自に作成し、2週間周期メニューを作成し、喫食状況を踏まえ保育士等と給食会議も2週間に1回実施して次に反映できるようにしています。栄養士、調理員は昼食時に各保育室を巡回し、子どもの食べる量や好き嫌いなどを把握し、残食の調査記録や検食簿をまとめ、献立・調理の工夫に反映させています。調理員・栄養士たちは「給食の先生」として子どもたちに親しまれています。子どもたちは良く食べ、残食はほとんど無いそうですが、巡回において調理への発見もあり、切り方、刻み方の工夫に生かすよう努力しています。また、地域の食文化や郷土料理、行事食等も積極的に取り入れています。旬の食材、季節の食文化等については給食だよりで紹介するようにし、日本の文化や伝統を伝え、家庭でも興味が持てるように工夫しています。食材に関しては地産地消を心がけています。衛生管理マニュアルを基に、厨房内の管理体制を確立し、衛生管理が適切に行われています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

●連絡帳等により家庭との日常的な情報交換を行っています。特に乳児は、生活が安定しない時期に配慮し、毎日の密な連携を心がけ、情報交換を行っています。3歳以上児は園での生活を自分で伝えることも大切なことと考え、言葉が足りなかった部分を面談で補足し、時にはノートを活用して連携を取っています。保育参観日や保育参観週間を設けると共に、日常的に参観できることを保護者へ伝えています。保育のねらいや保育内容については、保護者の理解を得る機会(懇談会、面談等)を設け、毎月、えんだより、クラスだよりを発行して保育の意図や保育内容について理解を促しています。様々な機会を活用して保護者と一緒に子どもの成長を共有できるよう努め、特に、運動会・生活発表会は毎年大盛況で行われています。家庭の状況、保護者との情報交換の内容等は必要に応じて記録しています。延長保育時間において保護者への対応について一考してみる必要がありそうです。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

●日々、保護者とコミュニケーションを図るよう心がけ、保護者との信頼関係を築くよう努めています。保護者からの相談等に応じる体制を構築し、年間2回懇談会を実施し、子どもの状況や保護者の悩み等、意見交換や園での取り組み等を伝える機会にしています。開催後には報告書を配付し、参加できなかった保護者へも内容が伝わるようにしています。また、個人面談週間を設定し、個別の相談にも応じられる機会を設け、保護者の就労等の個々の事情に配慮して取り組み、保育所の特性を生かした保護者への支援を行っています。受けた相談内容は、記録に残し、相談を受けた保育士等が適切に対応できるよう、主任、園長等から助言が受けられる体制を整え、担任では対応できないケースは主任、園長が同席し、複数で話を聞くようにしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

●虐待等権利侵害の兆候を見逃さないよう心がけ、子どもの心身の状態、家庭での養育の状況について把握に努めています。職員に対して、親子の些細な変化にも注意する目を持つ「気づき」を大切にするよう指導しています。運営全体計画における虐待マニュアルで職員はいつでも確認及び対応ができるようにしています。また、日々子どもたちと接する中で子どもの心身の状況を把握し、必要な場合は区役所等関係機関に相談するようにし、児童相談所等の関係機関との連携を図る体制も整えています。虐待等権利侵害の可能性があると職員が感じた場合は、速やかに保育所内で情報を共有し、園長に報告し、対応を協議する体制ができています。虐待等権利侵害となる恐れがある場合には、予防的に保護者の精神面、生活面の援助をするようにし、子どもの状態や行動等をはじめ、虐待等権利侵害に関する理解を促すための取り組み(園内研修等)を行っています。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:a】

●保育士等が、記録や職員間の話し合い等を通じて、主体的に自らの保育実践の振り返り(自己評価)を行っています。自己評価にあたっては、子どもの活動やその結果だけでなく、子どもの心の育ち、意欲や取り組む過程に配慮しています。保育士等の自己評価は定期的に実施し、一人ひとりが自分の保育を振り返る機会を持ち、意識の向上や保育の改善に努め、互いの学び合いや意識の向上につながっています。保育士等の自己評価に基づき、保育の改善や専門性の向上に取り組み、自己評価での各職員の課題は園全体の自己評価につなげています。また、個人の課題から園全体の課題を抽出し、改善に取り組む活動を行っています。横浜みなとみらい保育園の保育士の自己評価制度については、園の人事評価制度に基づき年度初めに自己観察書に目標を記入し、年度途中にその都度主任・園長と面接を行いながら観察指導記録を行い、職員一人ひとりの資質向上に努めています。