社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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横浜市中山みどり園

2020年01月17日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 横浜市中山みどり園 評価対象サービス 障害者・児福祉サービス版
対象分野 生活介護 定員 34(生活介護)、6(自立訓練(生活訓練)) 名
所在地 226-0019
神奈川県横浜市緑区中山2-2-3
TEL 045-931-8611 ホームページ http://www.tomoni.or.jp/midori.
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2006年10月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
職員数
常勤職員:13名 名
非常勤職員:21名 名
専門職員
社会福祉士:8 名
精神保健福祉士:1 名
看護師:2 名
施設・設備の概要
居室、設備等:作業室4、生活訓練室(和室1、和室前室1、浴室1、脱衣室1、ダイニングキッチン1)、会議室(含む多目的室)2、食堂1、 事務室1、相談室1、医務室1、調理室1、男女更衣室2、エレベーター1、男子便所2、女子便所2、障害者便所2、職員便所1、電気室1

③ 理念・基本方針
<法人理念>
1 障害児・者、高齢者のノーマライゼーションの実現から「ソーシャルインクルージョン」を目指します。
2 社会・福祉・介護ニーズに応えるべく先駆的で開拓的な事業を展開します。


1 人権の尊重とサービスの向上を図ります。
2 インフォームドコンセント及びエンパワーメントを大切にした利用者さん主体の支援を推進します。
3 地域との共生をめざします。
4 ニーズの多様化と複雑化に対応します。
5 社会のルールの遵守(コンプライアンス)を徹底します。
6 説明責任(アカウンタビリテー)を徹底します。
7 人材の確保・育成のための研修体制を充実します。
8 柔軟で行動力のある組織統治(ガバナンス)を徹底します。
9 財政基盤の安定化に努めます。
10 国際化への対応に取り組みます。
11 社会貢献活動に積極的に取り組みます。

<事業所基本方針>
1 横浜市の方針に則り、障害者総合支援法の理念である、三障がいの一元的支援と地域生活移行を障がいの特性や障害支援区分に基づき、適切な支援に努める。
2 利用者さん及びご家族等からの相談に応じる等、地域生活を積極的に推進するため関係機関に働きかけることを運営の基本に置き事業を進める。
3 障がい当事者の基本的人権の尊重と権利擁護に努め、地域での自立した生活を支援し、利用者さん一人ひとりの状況や要望に応じて、さまざまな活動の機会を提供し、豊かな暮らしと充実した地域生活が送れるように環境(グループホーム等)の整備も行い、本人やご家族へサービスを提供していく。
4 利用者さんが元気で明るく笑顔で活動し、魅力あるプログラムに取り組む。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
 職員それぞれが、重度の知的障がい(特に自閉症)の方の支援について、専門性を高め、法人内外においてその専門性を活かすことのできる人材になれるよう、自己研鑽を図り、支援に取り組んでいます。また、職員それぞれが知的障害のある利用者の意思決定支援において、一人ひとりの意志を尊重した支援のありかたをあらゆる場面で念頭において支援を行っています。
 重度の知的障がいの利用者の地域移行について、みどり園での宿泊体験を経て、グループホームの体験入居の後に本入居ができるようにしています。地域生活には段階的に慣れていけるような支援に取り組み、スムースな意向が実現できています。今年新たにホームを開所し、みどり園の半数の方がグループホームでの地域生活を満喫しています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/03/30(契約日) ~2020/01/06(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 2 回(2011年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1) 利用者の意向に沿った地域移行への取組みが行われています
 多くの利用者が家庭からグループホームでの生活に移行するなど、積極的に地域生活への移行に向けた支援を行っています。設備として、宿泊体験ができる和室、隣接の浴室と、食事作りも可能な食堂があります。
 利用者は、グループホームや賃貸住宅に移行する前に、家庭等から離れて生活をする体験をすることで自信が持てるようになり、グループホーム等に移行した後の生活の安定につながっています。
 地域移行は、日中活動でモチベーションを高め、生活の自己管理ができるような訓練を行ったうえで進めますが、相談支援専門員や自立生活アシスタント等との連携を密に図るなど、社会資源を積極的に活用しています。

 
2)重度障がい者の積極的な受け入れと、きめ細かな支援が行われています
 利用者は、3障がい全般に亘り、区分5及び6の障がい者が85%を占めています。
 知的障がい者には、強度行動障がいのある人、集団生活が苦手な人等も多いため、職員は個々の利用者の特性を見極め、一人ひとりに適した場所と作業を個別に提供するなど、環境づくりを大切に支援をしています。
 併せて、自閉症に関する研修を毎月、数年間継続して行い、利用者への理解を深め支援技術の向上を図るとともに、人権擁護や虐待防止法についての学習にも力を入れ、人権意識を強化しています。
 支援は、当事業所だけではなく、関係する機関や人の支援も個別支援計画書に盛り込み、連携する中で進められています。


3)災害時における利用者の安全確保を充実させています
 大規模災害を想定した、危機管理体制が整備されています。水害対策として、横浜市のハザードマップ更新に伴い、利用者に安全対策アンケートを実施しています。通所ルートや自宅の浸水想定の指定状況などの情報交換により、利用者の帰宅が安全にできるかどうかの情報をまとめています。
 洪水用の避難確保計画を策定し、区主催の関係機関会議や地域の防災連絡会に参加し、協力体制を整えています。また、災害用備蓄も、水没用、地震用とそれぞれ別の場所で行われています。
改善を求められる点 1)実習生受け入れ態勢の整備
 事業所では例年福祉・保育・教育等様々な分野の実習生を受け入れています。受け入れについてのマニュアルは法人本部で作成されていますが、事業所では活用されていません。
 マニュアルを有効活用することで、次世代の専門職養成に繋がる、実習生受け入れの意義が職員全体で共有でき、質の高い実習支援が期待できます。


2)ヒヤリハット事例への対応
 事業所では、毎週水曜日をヒヤリハットデーとして事故防止に向けて職員の意識を高めています。業務上の危機管理として、ヒヤリハット・インシデント・事故時の緊急対応などマニュアルを作成し、勉強会などで理解を深めています。
 ヒヤリハットなどの事例についての、課題・分析・改善等の実施が十分ではありません。PDCAサイクルの活用により、安全面でのより質の高い支援の提供が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 第三者評価を通して、利用者(ご家族)から直接事業所や職員に対する意見が聞けたことは、事業所の課題点を確認することができ、事業所の取り組みとしてよい点を再確認するきっかけとなりました。
 また、評価の自己評価項目をチェックをしながら改めて、事業運営に必要な項目などを再確認することができました。また、園のグループリーダーを通して、リーダー各々の認識も確認することができ、それらによって、事業所で取り組めていることや課題点がはっきりしてきたと思います。
 職員が不足している状況の中で、支援の行き届かないところもありましたが、今回評価を受け、自分たちの行っている、または行うべき支援の再確認や方向性を改めて考えることができました。事業所としての必要な設備や整備すべき書類関連なども再確認ができました。
 第三者評価での総評を事業所の特徴として評価の高いこととして取り上げていただいた点はさらにブラッシュアップしていきます。改善を求められる点については、福祉従事者の育成として実習生・ボランティア等の受け入れを行うこと、ヒヤリハット事例を、課題分析し共有化することで利用者さんへの支援の質を高めていくことに職員一丸となって、力を注いていきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

 法人の理念や基本方針については、法人のホームページを始めとして、職員ハンドブックなどにも明文化し広く周知されています。併せて、職員行動指針等にも反映され、職員は入職時研修を始めとして、毎年度当初に職員会議で確認をしています。
 事業所では、テスト問題にして取り組むことで意識を高める工夫をしたり、施設内に掲示して、日常的な意識化を図っています。利用者や家族には、家族教室で内容をかみ砕いて記載した資料で説明を行って周知を図っていますが、家族等への理解は更に進める必要があると考えています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

 管理者は、事業所を含む社会福祉事業の課題として、高齢化・障がいの重度化に向けて医療が絡んだ高度な支援の実現のため、どのように支援の環境づくりをしていくかが今後に向けての課題と考えています。
 各種福祉計画等の資料や地域での研修があります。管理者のみではなく、職員一人ひとりが現場での支援との関連で経営に関する様々な情報を捉えられるよう働きかける必要があると考えています。経営状況については、毎月利用率のカウントをするなど振り返りをし、分析をしています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

 人材も含めた経営環境や経営状況は、本部役員が分析し、執行役員や事務局長が事業所に伝達しています。管理者は、内容について、直接支援に関わっている職員への理解が十分でないため、職員会議や朝夕のミーティング等でかみ砕いて伝えたり、事業計画を実施する中で具体的に伝えるなど工夫しています。
 事業所の収入源である利用率について、事業所としては100%の目標を立て、利用者が通所できない理由を分析し対応を考えるなど、コスト意識を職員と共有するよう努力しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

 法人として、理念や基本方針の実現のために、中・長期計画(マスタープラン)を策定し、定期的に見直しを行っています。
 マスタープランでは、課題は明確になっているものの、具体的な数値目標等の設定や取組みの計画までには至っていません。事業所としては実施状況の評価を行う作業との関係づけが難しいと感じています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

 法人の中・長期計画を踏まえ、法人としての単年度の事業計画が具体的に策定されたことを踏まえ、本事業所については、横浜市の事業である独居等障害者の自立生活アシスタントを実施しています。
 事業所としての単年度事業計画は、必ずしも法人の中・長期計画を直接具現化はしていませんが、事業所なりに計画を踏まえて策定しています。また、事業所としての中・長期計画を策定することで、具体的成果の見える事業計画作りが可能になると考えています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

 事業計画は、主に前年度の事業実績を踏まえて策定しています。策定にあたっては、主に管理者、サービス管理責任者、グループリーダーが中心となり、策定過程で職員の意見があれば取り込みながら行っています。策定した事業計画は、職員会議で全職員に周知しています。
 実施状況は、法人の方針に則り半期に一度法人本部に報告と評価をし、必要に応じて修正をしながら運営していますが、各職員には年度始めだけではなく、進捗状況を確認しながら事業計画の周知を更に図っていく必要があると考えています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

 事業計画の主な内容は、家族教室で利用者の家族を中心に資料を渡し、説明をしています。資料は、事業計画書の内容で関連する部分を、わかり易く記載したものを作成し使用しています。
 利用者に対しては、行事の案内などその都度の説明はするものの、事業計画としてまとまった形での周知はしておらず、十分とは考えていません。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

 法人として、管理者は、指定障害福祉サービス事業所等自己点検シートを用い、福祉サービスの内容について評価を行います。
 事業所として職員は、個別支援計画についてPDCAサイクルに基づくモニタリング等の取組みをして、サービスの質の向上を図る取組みをしています。事業所の事業計画や評価は半期ごとに本部に報告をする仕組みがあり、第三者評価も本部の管理の下、定期的に受審しています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

 評価結果や明らかになった取り組むべき課題は、事業報告書で示され、次年度の事業計画書に反映しています。事業計画書は、職員に配布し管理者が会議で説明することで、課題の共有化を図っています。
 改善の取組みについて、運営面については課題の共有に止まっている面もありますが、利用者支援についての課題は、管理者が職員に提示して取り組んでいます。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

 管理者は、施設長としての役割と責任を、職務分担表に明記し、職員に配布して表明しており、組織内で概ね理解されています。
 日常業務の中でも、施設運営や職員に対する指導的役割、課題分析や改善に向けての主導的立場が明確に示されています。兼務しているサービス管理責任者としての立場やもう一人のサービス管理責任者との役割分担も明確です。グループリーダーとの役割も差別化されることで、組織的運営が行われています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 横浜市からの指定管理業務であるため、法令遵守を最優先としています。横浜市の運営方針等に係る調整等についても迅速に対応すること、業者との取引等も適正に行うよう心がけています。
 環境への配慮等も含む関係法令等に関する必要な情報は、横浜市から提供されることが多く、管理者は、その内容について理解はしていますが、十分ではないと考えています。職員に対しては、職員が遵守すべき法令等について、その都度伝えるべき法令や内容の周知を図っています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 管理者は、福祉サービスの質の向上に係る課題等について、自らが中心となり、サービス管理責任者、4人のグループリーダーと共に、課題把握、改善に向けた取組等を行っています。
 職員は、日常的に課題やその他の意見を率直に管理者たちに伝えており、サービス向上に向けた改善は、臨機応変に行うことができています。また、重度の障害がいのある利用者が多い本施設では、より体系的及び理論の伴った専門知識と技術を習得できる研修を計画し、職員が参加し易い環境をつくることを心がけています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

 管理者は、毎月経営状況を表している試算表を分析し、改善に向けて行うべきことも含めて本部に提出しています。その過程で、グループリーダーの意見を尊重しながら、サービス管理責任者と共に経営改善や業務の実効性について一緒に考えていく体制を構築し、経営面での安定を図っています。
 経営改善や業務の実効性を高めるために、職員が働きやすい環境づくりが不可欠と考え配慮しています。更に職員一人ひとりを深く理解することが課題で、指導力を十分発揮したいと考えています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

 福祉人材の確保・育成については、法人本部において方針が示されています。事業所としても、実際の業務の遂行に必要な福祉人材や人員体制についての計画を本部に提出しています。担当支援員の雇用は事業所が独自にできるなど、本部の人事部と協力しながら人材確保に努めています。
 人材育成は、法人の仕組みであるチャレンジシートを活用し、常勤職員の目標や課題について確認しています。非常勤職員には常勤のシートを応用して育成を図っています。また、法人必須の研修には必ず参加するよう配慮しています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

 法人として、期待する職員像は、法人の理念や基本方針などとともに職員行動指針や職員倫理行動マニュアル等に明確かつ具体的に示されています。人事基準も定められており、管理者から職員に人事考課の説明をしています。
 人事に関する評価はマニュアルに基づいて行っています。職員の意向等については、意向調査や日常の業務の中で管理者と職員がやり取りする中で把握し、改善策についても検討をしています。職員はチャレンジシートを活用して、キャリアパスを進めていきます。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

 法人全体で、職員の勤怠状況を確認するシステムが機能しており、管理者は、常時職員の有給休暇の取得状況や時間外労働の状況を把握できるだけではなく、メンタルチェックなどの健康管理や人事評価、育成状況も組織的に行う仕組みになっています。
 管理者は、必要に応じてそれらの情報を把握することができます。事業所としては、システムをまだ十分活用できていないと考えています。男性の育児短時間勤務の利用などの実績もあり、配慮の必要な職員への対応等、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 法人の期待する職員像は、明確で、常勤職員毎の目標管理の方法として、チャレンジシートを活用しています。設定された目標項目や期限などは、管理者が面談によって確認し、法人のルールに則り、半年後に中間面接として進捗状況の確認を行います。
 確認後は、職員本人にフィードバックをすることになっていますが、全職員へのフィードバックが未達成の状況です。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

  法人の期待する職員像を目指し職員を育成するために、職員教育について組織的に検討し、実施しています。法人本部では、専門資格を得るための研修参加を奨励し、職員の経験年数に応じて、階層別に必須の研修と、職員の個別性を基本とした研修を行っています。事業所でも独自に数年に亘り、毎月自閉症連続研修を実施し、障がいが重く、高い支援力が求められる利用者へのサービス向上のため、知識と技術を習得するための努力をしています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

 職員の個別の研修参加状況などは、本部でデータベースで管理するとともに、事業所でも管理・把握しています。
 研修への参加結果や資料は個人の管理となりますが、必要に応じて他の職員にも報告書を回覧するなどして内容を共有しています。外部研修にも、積極的に情報を提供し参加するよう勧奨しており、夜の研修などには勤務変更の調整をするなどの配慮をしています。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

 実習生受け入れに係るマニュアルは本部で作成していますが、事業所では活用されていません。しかし、法人の基本方針等を参考に、法人作成の人権に関するDVDをオリエンテーションで活用するなどして、受け入れを行っています。また、カリキュラム作成マニュアルは、社会福祉士用と専門学校用の用意があり、学校の実習担当教員と調整しながら指導を行っています。
 実習指導者の研修を受けた職員が異動となったため、体制強化に向けて社会福祉士資格取得のための実習指導者研修への参加を検討中です。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

 法人全体で、理念、基本方針等と共に、事業内容や財務状況をホームページで公開しています。事業所独自では、地域に向けて運営に関する方針や事業内容を案内したパンフレットや利用者募集のちらしを機会あるごとに配布しています。
 定期的に受審している第三者評価事業の受審結果は、公表されています。今後は、きめ細かくホームページを更新する等により、施設情報の発信力を上げたいと考えています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 管理者は、自らの責任と役割を明確にし、職員に周知しており、サービス管理責任者(2名中1名は管理者が兼務)との役割分担も明確にして、事業所としての経営を行っています。
 事務、経理等を含めた運営状況については、法人として外部監査、内部監査を実施しています。横浜市の監査を受けた際、サービス管理責任者の欠員が指摘され、迅速に改善を行いました。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 地域との交流に関する方針は、法人の基本方針に則り、社会との共生を目指す支援姿勢として明記されています。利用者には、ガイドヘルパー制度を始めとする社会資源について、他の相談機関等とも連携し提供しています。事業所の夏祭りを地域に開放し、地域のイベントにも利用者、職員共々参加することで、地域の人々との交流の機会を積極的に持っています。
 日中活動の一環として、週に4回、利用者と職員が地域生活を意識したマンツーマンの活動日を設け、公共交通機関を使っての買い物や外食等、社会体験を実践しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

 ボランティアの受け入れについて、マニュアルはありますが、基本姿勢等について明記はしておらず、見直しをする必要があると考えています。ボランティアに対しては利用者との関わりがあり、人権への配慮等の必要から、特に初めての人には法人作成のDVDを利用してオリエンテーションを行っています。
 学校教育への協力として、中学生の職場体験と障がい者に関して理解を深めるための教育を提供しています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:a】

 地域の関係機関等の社会資源については、地区の社会福祉協議会等でリストを作成し、情報として職員間で共有しています。
 関係機関同士の連絡会は、自立支援協議会や基幹相談事業所会議などが定期的に開催されています。特に、自立支援協議会は地域連携の要であり、代表者会議、日中活動部会、相談支援部会ときめ細かく、それぞれの分野で地域にある施設の共通の課題について意見交換を行っています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

 日常的に、利用者や家族からの意見や要望は、職員に伝えられ、また、地域交流の中で住民からの意見も把握する機会を得ています。自立支援協議会を始め、他の福祉事業所主催の会議、移動支援センターなどの関係機関が地域で行う会議等にも積極的に参加し、地域ニーズの把握や課題の共有を図っています。
 生活困窮者対策として神奈川県の社会福祉法人が自主的に実施している「ライフサポート事業」にも参加しており、具体的に支援をする中から、地域の福祉ニーズや生活課題を把握する機会としています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

 法人として、神奈川県の社会福祉法人で取り組んでいる「ライフサポート事業」に参加しています。福祉施設としての相談のノウハウを地域に還元する形で、地域の生活困窮者への支援を行います。横浜市の事業委託を受けて、自立生活アシスタント事業を展開し、独居等障がい者の地域生活継続のための支援などを行っています。
 災害時の支援として、緑区の地域防災協定を締結し、災害時に障がい者を避難場所として受け入れることになっています。寿町での生活困窮者支援やこども食堂への協力も事業計画に位置付けています。社会福祉分野のみならず、地域コミュニティの活性化やまちづくりなどへの貢献には至っていません。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 運営法人策定の理念や基本方針に 利用者を尊重した福祉サービスの支援提供について明示しています。常勤・非常勤の入職時には、ハンドブック(手引書)を配布し、法人の理念・使命・職員の行動指針・基本方針・法令遵守など細目に明文化し、職員としての自覚を促しています。
 重度の障がい者(主に知的障がい)が多く利用しているため、人権・身体拘束や虐待防止について職員の共通理解を深めるために、法人内外の研修や勉強会を定期的に行い、利用者の権利擁護に努めています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

 「倫理行動綱領」や「倫理行動マニュアル」に利用者のプライバシー保護について職員の持つべき知識や意識を明記し、統一的な支援行動を規定しています。
 利用者の障がいの特質を個別支援計画や面談、及び日常の行動から把握し、職員間で意見や提案を検討し、利用者が落ち着いて穏やかに過ごせる環境整備に努めています。プライバシー保護の取り組みについて入所時に配布する重要事項説明書に事業所の義務として明記し、説明をしています。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

 福祉サービスの内容や特性は、運営法人・事業所のホームページやパンフレットで紹介しています。また、神奈川県や横浜市の障害者福祉サービス総合情報サイトにサービス内容など、詳細が記載されています。
 見学・体験や入所希望者には、障がいの特質に合わせて事業所の方針やサービス内容についてルビを付けた資料を基に、口頭でも分かりやすく丁寧に説明しています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

 事業所では、重度の知的障害者が多く利用しています。生活介護を必要とする利用者のサービス開始や変更時には、本人の自己決定や説明が難しいため、個別のアセスメントやモニタリングを細目に検討や見直しを行い、家族らから同意を得て書面に残しています。自立訓練の利用者には、本人の希望や意向を用紙に記入してもらい、それを基に必要な支援を分かりやすく説明し、同意を得て書面に残しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

 福祉施設や事業所の変更、また、家庭やグループホームへの移行にあたり、それぞれの関係機関と連携を密にし、利用者の不利益や従前のサービスから著しく変化のないように継続性に配慮した引継ぎの手順がルール化されています。
 福祉サービス終了後の相談などは行っていますが、その後の相談方法や担当者について記載した文書は渡していません。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 利用者満足に関する調査は、定期的に行っていません。第三者評価受審の際に利用者アンケートなどで、家族や自立訓練の利用者から事業所満足度を知ることが出来ています。
 利用者の多くに重度の知的障がいがあるため、本人から満足度を把握するのは難しく、本人の満足度を知る機会として個別支援計画を作成するにあたって、アセスメントやモニタリングによる日々の行動状況から満足度を確認するにとどまっています。モニタリングは、定期的ではなく利用者の思いを把握し、柔軟に、流動的に分析や見直しを行い、利用者が落ち着いて過せているか様子を確認しながら支援に繋げています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

 法人策定の「苦情解決制度」を整えています。利用者や家族が苦情を申し出やすいように、「みんなの声ボックス」を見やすいところに設置しています。重要事項説明書に法人が定めた苦情解決委員・責任者・担当者の名前や行政の苦情受付窓口を記載しています。
 苦情の申し出があった場合は、法人の定める規則に従い、迅速に問題の解決を図り、利用者や家族に必ずフィードバックすることを明記しています。意見や苦情の内容は、利用者や家族に配慮した上で法人のホームページに公表しています。苦情内容は、大小にかかわらず職員間で共有し、事業所の質の向上に反映しています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

 事業所では、4か所の活動室を設けており、それぞれにリーダー職員が配属されています。利用者は、日常的にリーダーや担当職員に相談や意見を述べることができます。また、それ以外の意見・相談は意見箱・苦情解決窓口・第三者委員に相談できることを文書化し、玄関ホールに写真入りのポスターを掲示しています。
 相談を受けるときは、面談室で行いますが、時として他の場所で相談を受ける場合もあります。利用者が落ち着いて話せる環境整備に今後も工夫をしていきます。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

 職員は、日々の活動の様子から利用者の思いや意見をくみ取る支援に努めています。自己決定の出来る利用者には、相談しやすく、意見が述べやすい環境整備に努めています。思いの表出が困難な利用者には、日常の行動やちょっとした変化を見逃さず、職員共有で工夫を重ねながら利用者の思いに添える支援に繋げています。出された意見や要望は、記録し、対応策の検討を行い、改善の必要な案件においては、組織的かつ迅速に対応をしています。
 苦情やクレームに関するマニュアルはありますが、日常的な相談や意見などの手順を示したマニュアルは作成していません。個々のアセスメント・個別支援計画・モニタリングを継続的に行い、改善すべきところや見直しの必要な支援は変更をしています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

 法人は危機管理・リスクマネージメント委員会を設けています。利用者や事業所から挙げられた苦情・事件・事故などを本部で分析し、事業所内だけで解決可能な場合は事業所で対策会議を開き、改善策・再発防止策の取り組みを本部に報告する一連の体制を整えています。
 職務分担表には、リスクマネージメントの責任者、事故発生時の対応と安全確保に関する担当者を明確にし、責任の所在・手順を職員に周知しています。業務における危機管理としてヒヤリハット・インシデント・事故時の緊急対応などをそれぞれフローチャートで図式したマニュアルを作成し、勉強会などで理解を深めています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

 O157やインフルエンザなどの感染予防や対応手順を決めたマニュアルを作成しています。利用者・保護者・職員に感染症流行時の予防や発生時の対応など、徹底した周知を行っています。
 ウイルス感染の汚物処理の手順や対処方法などマニュアルとして作成し、ミーティングで注意喚起を行っていますが、机上訓練のみで具体的な実地訓練は十分ではありません。感染症の種類により、対応マニュアルの見直しが必要な時は変更しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

 地震・水害・防犯・火災想定の訓練を毎月行っています。事業所は、浸水想定の指定区域のため、水害対策マニュアルを作成し、垂直避難や他の安全施設に避難する地域防災協定を締結しています。入所時に安否確認メールの登録、自宅から事業所の通所ルートの安全確認や自宅の浸水想定の指定の有無など、細かく情報交換をし、利用者の安全確保に努めています。
 区主催の関係機関の会議や地域の防災連絡会に参加し、有事に備えて協力体制を整えています。法人はBCP対策(事業継続計画)を設定しています。緊急時の対処訓練を常に行い、利用者へのサービスが緊急時にも途切れることなく提供できるサービスに努めています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

 法人策定の業務の手引書「ハンドブック」が全職員に配布されています。法人の理念・ミッション・行動指針・基本方針・法令遵守など、福祉サービス全般にわたる標準的な実施方法を明示しています。常勤・非常勤に関わらず入職時には、実施するサービス全般、及び職員としての責務などについて研修や勉強会を行っています。
 利用者の個別支援計画・モニタリングの内容確認やOJT制度で個別指導も行い、職員の標準的な実施方法が適切に行われているか確認をしています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

 利用者のアセスメント・個別支援計画・モニタリングを定期的に検証し、見直しをする手順は組織的に定められています。
 重度の知的障がいの利用者を積極的に受け入れている事業所では、本人の自己決定が難しい状況です。職員がチームとして利用者の全体的な表情や行動を把握し、支援計画・モニタリングを繰り返しながら利用者が最も必要があると考えています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

 福祉サービス実施計画策定の責任者を設置しています。利用者が必要とする支援を基に課題や支援内容を明確にした個別支援計画書・行動支援計画書を作成しています。
 計画書作成にあたって、アセスメントを本人(家族)に確認し、サービス管理者・担当者・相談支援専門員・医療関係者・本人(家族)で合議し、個別支援計画書に合わせたプログラム(モニタリング)を手順通りに実施しています。計画書に反映したサービスの確認や検討をしながら一人ひとりの利用者のニーズに添える支援を行っています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

 個別支援計画書に基づいた支援が適切に行われているか評価・見直し・検討する手順は組織的に定めています。モニタリングから生じる課題や内容の変更は、利用者(家族)・関係職員に周知し、共通意識を持ちながら支援に反映しています。
 グループホームへの移行や家族の状況の変化なども関係職員・関係機関などで利用者の情報を共有し、継続的な支援が出来るように努めています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

 利用者の身体状況や生活状況などは、フェースシート、アセスメントシート、ニーズ整理表、生活介護計画書、自立訓練計画書、個別訓練記録用紙など、各項目について詳細を記録しています。これらの記録を基に個別支援計画書に纏め、支援内容が実際に行われているか確認をしています。記録内容の書き方は個別に指導をし、内容や書き方に差異がないようにしています。
 リーダー会議や朝夕のミーテイング、及び緊急会議などで情報共有をしていますが、個別に必要な情報などは、担当職員のレターケースにいれるなど、的確に情報が届く仕組みを整えています。また、非常勤職員には出勤後に必ずホワイトボードで1日の流れや利用者の活動記録をチェックするなど、事業所内での情報共有はルール化されています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

 法人による個人情報保護規定が策定されています。個人情報保護と情報開示に関する利用者の記録・保管の責任は事業所の所長が負っています。職員の安全管理に対する意識の徹底を目的に、研修や勉強会を行い、守秘義務の理解と取り扱いを遵守しています。
入所時に利用者に配布する重要事項説明書に契約時に知りえた利用者・家族の個人情報、災害時の安否メールアドレスやホームページ・広報誌の写真掲載の可否など、個人情報の取り扱いについて説明し、同意確認を得ています。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者の自律・自立生活や社会参加を実現するために利用者の自己決定や自己選択を尊重する個別支援に努めています。利用者の希望や必要とされる支援を把握し、障がい状況に即したエンパワメントの達成を目指し、日々の活動にエンパワメントを意識した利用者へのかかわりに努めています。自己決定・自己選択の出来る利用者間では、利用者同士の交流を図り、活動生活におけるルールなどを皆で話し合いながら取り決めています。
 合理的な配慮の一環として横浜市福祉ネットワーク協会主催の「Yネットセミナー」に他施設の利用者も一緒に参加し、自分の権利を主張できることや自分の思いを伝えてよいことなど、権利擁護について分かりやすく説明を受ける学習の支援を行っています。職員は、利用者の総合的な人権を基に個別支援計画の作成やモニタリングを検討し、日々の実践においては人権を意識した職員共有の支援に努めています。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

 利用者に配布するサービス利用契約書に権利侵害の防止、及び事業者の具体的義務とする身体拘束の禁止について明記しています。権利侵害の防止や早期発見に関しては、専門の講師による月1回開催の自閉症や虐待防止全般の勉強会、法人の委員会開催の研修会などで職員の理解を深めています。また、法人策定の「倫理行動綱領」「倫理行動マニュアル」があり、組織の一員としての理解・尊重・遵守する具体的な行動を規定し、虐待・身体拘束の防止や発生時における組織体制を明文化しています。
 職員は、個別支援計画やモニタリングで利用者の総合的な人権を検討し、日々の活動において人権に配慮した支援に努めています。権利侵害が発生した場合に再発防止策を検討し、実践する仕組みは明確化されています。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者の自律・自立生活に向けて、一人ひとりの利用者の意向や状況に応じた支援方法と内容を検討し、職員間で共有し、統一した支援を行っています。利用者の作業能力を見極め、状況に応じた作業を提供することで自分の出来ることに取組みモチベーションを上げて自分で出来るように促すなど、生活の自己管理に繋げられる支援をしています。また、自己管理に伴う行政の手続き、生活関連サービスや障害福祉サービスなどの利用が出来るように支援しています。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 事業所は重度の知的障がい(特に自閉症)の利用者が多いため、一人ひとりの特性を把握し、本人が落ち着いて、コミュニケーションや活動作業が出来るように環境の構造を設定しています。事業所内には、障がいに合わせた4か所の活動室があります。各室の利用者一人ひとりの全体的な状況から本人の意思や希望の把握に努め、それぞれの活動室の支援リーダーを中心に担当職員がチームとして援助を行っています。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

 個別面談は自己決定や自己選択を図るために定期的に設けていますが、意思の表出が難しい利用者には、日々の行動表現から意向を把握し、本人の思いを尊重した支援に努めています。利用者が選択し、決定しやすいように2・3択の選択肢を挙げ、選びやすいように提供をしています。
 相談内容や意思表現は、関係職員やサービス管理責任者らと検討・確認し、共有しています。相談内容や意思表現は、個別支援計画に反映し、利用者の意向に応じた支援に努めています。事業所では利用者の問題ある行動が意思の表出と理解するか、また、それを踏まえた支援が適切であるかどうかの判断を常に考えています。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:a】

 個別支援計画を基に日中の作業能力の範囲から、出来るだけ多くの経験を積める活動メニューや外出プログラムを提供し、レクリエーションや余暇活動を選択できるよう支援をしています。絵画・ヨガ・料理・リトミック・ズンバダンスなど月に1回の活動サークルや日帰りツアーなど、プログラムの多様化を図り、意思表示・意思決定を尊重しながら継続して参加できるように支援しています。
 法人共通の支援プログラムであるトランスフィットネスは、利用者が楽しみながら体幹も鍛えるスポーツメニューで月に1回行っています。日中の活動状況から一人ひとりの必要な見直しを行い、本人に沿った支援内容の検討を行っています。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

 毎月事業所内で行われる自閉症の研修は、他施設の職員も参加して開催しています。また、職員の専門性を深めるために強度行動障害や行動援護など外部研修にも積極的に参加し、朝夕ミーティング、リーダー会議、職員会議でフィードバックし、職員間で共通理解を図るよう努めています。
 音、声、グループメンバー、部屋の広さなどに不適応行動が生じる利用者には、職員共有で支援方法を検討し、モニタリングを継続的に行うなど、利用者がより落ち着いて過ごせる環境整備や利用者間の調整などに努めていますが、一人ひとりの特性が異なるため更なる高度な専門性が必要だとしています。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 アセスメント・個別支援計画を基に利用者一人ひとりの心身の状況を把握し、利用者の最善を考えた支援に努めています。食事支援は、それぞれの障害の特質に配慮し、食事をする雰囲気や配置、好みなど全体的に工夫をし、無理強いすることなく、おいしく、楽しく食べられるように支援しています。
 排泄、移動、移乗においても利用者の個別支援計画に基づき、その場の心身の状況に合わせた適切な支援を行っています。基本的に入浴支援はしていませんが、必要に応じてシャワー浴や清拭支援を行います。また、宿泊体験では入浴支援を行い、自立生活に向けての移行に繋げています。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

 日中の活動の場や食堂・トイレなど、安心・安全に配慮され清潔に保たれています。宿泊体験に和室2部屋を設けていますが、利用者の状況により、一時的に使用できる部屋として確保し活用しています。利用者の思いや障がいの状況に応じた生活環境、一人、ゆっくりと休息出来る環境づくりに配慮しています。
 日中の活動には、障がいの特質に合わせ、パーテーションや部屋の片隅を利用して人の目を気にせず落ち着けるコーナーを設けています。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

 自立訓練・生活訓練は、利用者の自律・自立生活に向けて一人ひとりの意向や状況に応じた支援方法や支援内容を検討し、行っています。利用者が自分で出来ること、自分で出来るように支援で促し、利用者の意欲を高めていくなど、本人が主体的に生活の自己管理が出来るように支援を行っています。
 障がいに合わせた一人ひとりの支援計画は、医師・看護師・ケースワーカー・家族・相談支援専門員など、利用者支援に携わる関係者の連携で作成し、自己管理に伴う行政の手続き、生活関連サービスや障がい福祉サービスなど、情報が必要な利用者には、適切な情報を提供しています。支援計画に沿ったモニタリングを定期的に行い、利用者にとって最善で必要な訓練に繋げる支援の検討や見直しを行っています。
 事業所では、専門職の意見や他の事業所での取り組みを勉強する機会がなく、自立・生活訓練に関して更なる専門的な知識を深める必要があるとしています。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

 利用者の健康状態に関しては、体調不良を口頭で訴えることが困難な利用者が多いため、日々の活動や体重の増減など、状態に変化があれば、医師や看護師に伝え、助言や指導により、適切な対応に努めています。嘱託医として内科医が月に1回訪問しています。利用者の健康管理を行うとともに個別支援に必要な利用者の健康管理については、看護師や医師からのアドバイスを得て、行っています。
 定期的な健康診断や家族からの定期検診の結果を参考にし、利用者の健康状態や健康維持に配慮した日常の活動支援を行っています。利用者の健康管理に関する歯科衛生などの研修を行い、個別支援計画やモニタリングの検討会議で職員に個別事情を説明し、統一した支援を行うために一人ひとりの健康状態を職員全体で把握しています。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:a】

 重要事項説明書には、健康管理について服薬などの健康管理や軽運動などを行い、健康維持や規則正しいリズムを作る支援を行うことを明記しています。服薬支援の必要な利用者については、服薬のリスト・服薬方法・服薬上の注意・かかりつけ医など、細かな情報を提出してもらい、指示に基づいた支援を適切かつ、確実に行っています。
 立位・座位など援助の必要な利用者については、主治医の指示に基づき、支援上の安全を確認し、対応をしています。必要に応じて看護師や医師・歯科医師から指導・助言を受け、勉強会などは、定期的に行っています。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

 一人ひとりの意向や能力に応じた社会参加や学習の場として、買い物に行く、レストランで好きなものを注文する、図書館で本を選ぶ、やってみたい運動をするなど、楽しみながら体験ができる機会を週に4日設定し、利用者と職員が順番にマンツーマンで好きな買い物ややってみたい運動など、利用者の主体性を尊重した支援を行っています。
 絵画・ヨガ・料理・リトミック・ズンバダンス・音楽など、サークル活動を定期的に設け、利用者の意欲を継続的に高められる支援に努めています。また、家族から離れて過ごす体験として園内宿泊や長野一泊旅行も行い、利用者の自信に繋げています。年に1回利用者が参加する「Yネットセミナー(権利擁護など。障害者の権利について)」では、外部の障がいのある仲間たちと交流も兼ねる機会としています。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 自立した地域生活を送るために事前に園内宿泊の体験を重ね、夜間のプログラムを通して自信につなげ、グループホームへの移行がスムースに行われる支援に力を入れています。利用者の意向や障がいの状況に合わせ、地域環境が確保できるうように地域の関係機関、相談事業所、余暇の充実のためのヘルパー支援などとバックアップ体制を敷き、利用者が意欲を持って地域生活に馴染める支援に繋げています。
 今年になって法人傘下のグループホームに7人の男女が移行しています。事業所では、グループホーム移行前に園内宿泊の体験がある方がスムースに移行できるという結果が出たことで、今後は継続して支援していきたいとしています。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

 家族等との連携や交流の場として「家族教室」を2か月に1回開き、情報交換や情報提供を行っています。また、参加できない家族へは記録を配布しています。また日々の様子については、連絡ノートや毎月の活動室便りや電話で報告するなど、利用者の状況が確実に伝わる工夫をしています。
 事業所は、家族から意見や要望を聞く機会を設けていますが、家族の高齢化等により、支援内容の同意を得ることが難しい現状や利用者と家族の関係性への配慮など、複雑化する家族支援のニーズに応える取り組みが十分ではないと考えています。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】