社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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湘南鬼瓦

2020年02月21日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 公益社団法人神奈川県介護福祉士会

② 施設・事業所情報
名称 湘南鬼瓦 評価対象サービス 障害者・児福祉サービス版
対象分野 生活介護 定員 40 名
所在地
神奈川県茅ケ崎市甘沼123-2 
TEL 0467-52-1005 ホームページ http://www.syonokai.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人翔の会
職員数
常勤職員:13 名
非常勤職員:48 名
専門職員
サービス管理責任者:1 名
介護福祉士:3 名
保育士:4 名
精神保健福祉士:1 名
施設・設備の概要
活動室:4室:

③ 理念・基本方針
◇基本理念
 誰もが地域で暮らせるために
(大切にしたいこと)
 1.一人ひとりをかけがえのない存在として尊重します。
 2.本人を中心として寄り添う支援を行います。
◇運営方針
 1.利用者本人を中心とした個人の生活・活動の場と支援体制の充実を目指します。
 2.利用者の人格としての「性差」を尊重した介助の提供を目指します。
 3.利用者の権利擁護とサービスの向上を目指して、事故と虐待を防止し、権利擁護推進の為の活動をすすめます。
 4.ソーシャルインクルージョンの理念に基づき、全ての人が地域の中で互いの生き方を尊重し合い、交じり合って生活ができる共生社会を目指します。また、その実現のため多職種他機関との連携を大切にします。
 5.職員の資質向上を目的として、研修や人事管理制度の充実を目指します。
 6.安定したサービスが提供できるよう、労働条件・職場環境等の整備を図ります。また、適切な財務管理と会計処理システムに努め、信頼性の高い効果的・効率的な経営体制を確立します。
 7.サービスの質の向上を目指して、リスクマネージメントの充実やコンプライアンスの徹底、情報公開に努め透明性の確保を図ります。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
〇重度の障害がある利用者がほとんどのため、言葉で意思表示ができる方はいない。そのため、日々の活動の中で、利用者の表情や態度により、トイレに行きたい、何か気になることがある等、職員が本人の思いを読み取っている。会議や研修等を積み重ね、本人の意思を尊重する意識を持つようにしている。特に、会議の中では、あくまでも主体は本人であることを、職員間で共有している。
〇コミュニケーション、こだわり、反復常動性(同じ運動が目的なしに反復されるもの)等、特徴のある自閉スペクトラム症(自閉症やアスペルガー症候群等が統合されてできた診断名)の利用者へのケアのために、職員は特徴を理解し、対応方法等、専門的な勉強会を開いて学んでいる。利用者のほとんどが言葉によるコミュニケーションが困難であるため、ジェスチャーや絵を使う等の工夫をしている。予測不能な状態が苦手である特性を持つ自閉スペクトラム症の利用者に対して、整理され、構造化された環境を整えることに努めている。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/11/25(契約日) ~2020/02/05(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ◇事業所の特色や努力、工夫していること、事業所が課題と考えていること等
〇重度の知的障害を持つ方を対象にして、「誰もが地域で暮らせるために」、利用者の日中活動を支援している。同一建物内に重度の身体障害者を対象とした通所事業所「第2湘南鬼瓦」があり、また、従たる事業所として、作業や制作を中心に行う「鬼瓦味噌蔵」と「STUDIO UZU」がある。
〇意思表示や意思決定が困難な利用者が多いことから、利用者の権利擁護に力を入れている。毎年法人全体で、全職員を対象に権利擁護の研修会を開催している。全職員が参加できるよう、10~11月に同じ内容の研修を4回行っている。弁護士を講師に、今年度は「自分たちの行っていることのどこが権利擁護につながっているか」をテーマに、ディスカッションを行っている。
〇利用者の障害特性に配慮して、4つのグループに分かれて、創作活動や軽作業、運動、外出等の各種プログラムを行っている。仲間とのふれあいや社会参加の場、充実した日中の活動を、利用者に提供するよう努めている。
〇日中活動の中で、散歩やリハビリテーション等で身体を動かすこと、椅子に座り何かを集中して行うこと等を組み合わせて利用者を支援している。次に行うことの理解が困難であったり、椅子に座ることが困難であったりするが、職員は一人ひとりに丁寧に説明し、本人の動きに寄り添いながら優しく接している。
〇重度の障害を持つ利用者のための通所事業所であるため、毎日事業所に通ってくることが、利用者の社会参加であると捉えている。地域の自治会に加入し、地域の子どもたちとの交流等を行っている。また、ディズニーランドに行ったり、家族からの希望により一泊旅行も実施している。
〇利用者に提供する昼食は、外部委託業者ではなく、直接厨房の職員が提供している。刻み食やペースト食、また大腸の病気のある方には消化の良いものを提供する等、直営厨房の利点を活かし、細やかな対応を行っている。
〇医療的支援が必要な利用者が増加している。利用者は自分から体調の不調を訴えられないため、家族と担当職員、看護師が連携を密にし、利用者の健康状態を把握している。送迎時に、家族から体調を聴き、朝の視診で当日の体調や変化を確認している。いつもと違う様子が少しでもあれば、看護師がバイタルチェックを行い、体調の変化を見逃さないようにしている。
〇毎日の送迎時には、必ず家族とコミュニケーションを取り、利用者の状態確認や相談等を受けている。また、各自の連絡ノートに日中の様子等を記入し、家族に確認してもらっている。家族からは、「いつまでも一緒に暮らしたいが、家族自身が高齢になり、いつまで面倒を見られるか心配」という相談が多い。今後は、ますます家族への支援が重要になってくると認識している。
◇独自項目への取り組み
〇事業所におけるサービスの質の向上のためのシステムを確認する「発展的評価項目」に取り組んでいる。「自閉スペクトラム症について理解を深める」をテーマとして、取り組みの過程をPDCA(計画、実践、評価、改訂)に分け、実践を振り返っている。外部から講師を招き、非常勤の職員を含め全職員を対象にして、3回の研修会を開催している。取り組みは第1段階のため、3年間をかけて、今後も取り組みを継続する予定である。
改善を求められる点

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
いろいろな質問項目を職員とともに考えることで日頃の施設運営や利用者への支援について、必要な事柄を再確認することができました。また、丁寧に評価をしていただいた結果を読ませていただき、当施設の強み・強化すべき点を明らかにしていただけ、今後取り組むべき事を整理することができました。日頃は、目前の利用者の支援に精一杯で、右往左往していますが、長期的な視点にたっての運営計画や、災害の対策など重要な課題に取り組めるよう、次年度以降の計画に活かしていきたいと考えています。

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評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

年1回(4~5月頃)、法人の職員全体が集まる研修会があり、理事長や総合施設長より、法人の理念や運営方針、事業計画について職員に説明を行っている。後半の全体研修会では、当事者の発表やエコ活動等、広いテーマの研修を行っている。また、4月の事業所の全体職員会議では、その年度の重点項目等を施設長が説明している。5月の家族懇談会では、理念や計画を説明するだけでなく、プロジェクターを使い、家族が内容を理解しやすいよう工夫している。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

毎月、法人内の課長以上が集まり、各事業所の月次決算報告会を行い、提供する福祉サービスのコスト分析等を行っている。報告会では、収支の状況だけでなく、利用者数や事故の状況等についても報告している。また毎月、法人内の施設長会議を開催し、社会福祉事業全体の動向について、意見交換を行っている。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

毎月の月次決算報告会では、1事業所を選んで、個別の収支状況や人員配置に関して、改善点等を細かく検討する時間を設けている。湘南鬼瓦も昨年2月に対象となり、職員の配置数や加算の申請状況等についての課題が上げられた。報告会の検討課題は、職員会議の場で職員に説明しているが、重い障害を持つ利用者が多いことから、課題に向いつつも、職員からは人員は減らせないとの声も上がっている。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

中・長期的な計画は作成していないが、今後の利用動向や職員体制等の把握に努めている。特別支援学校卒業後に利用を開始するケースが多いため、特別支援学校からの実習時に状況を把握するよう努めている。利用人数を予測して、職員体制を整えるようにしている。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:c】

中・長期的な計画は作成していないが、今後の利用動向や職員体制等の把握に努め、事業計画に反映している。高齢化の問題や利用者の送迎、家族支援等を今後の課題として捉え、また、各グループの振り返りの内容を事業計画に反映している。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

毎年1月末に、各グループが年間の振り返りと次年度の課題等を提出し、事業計画につなげている。事業計画は施設長が作成し、2月末に法人全体の計画としてまとめている。事業計画の内容は、4月の職員会議の場で、施設長が職員に説明している。各グループから上った課題等は、細かい部分までは計画に反映できないため、支援会議のテーマにあげて内容を検討している。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

毎年5月に、家族懇談会を開催し、前年度の運営状況や事業計画の説明を行っている。家族懇談会への参加は、就労している若い家族が増えていることから、年々人数が減っている現実がある。重度の知的障害を抱える利用者が多いため、利用者には事業計画等の説明は行っていない。「毎月の予定」を家族に配布しているが、どうしても報告事項が中心になってしまうので、今後の取り組みの情報等をもっと盛り込むようにしていきたいと考えている。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

明確な指標に基づいた分析や検討は行っていないが、質の向上に向けた取り組みを行っている。職員は日々の支援で精一杯ではあるが、利用者の声を聴き、今月行ったことを振り返り、来月の課題を上げている。定期的に振り返りを行うことで、提供する福祉サービスの質が向上している手応えを感じている。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

毎月や年度末の振り返りを通して、課題の解決に取り組んでいる。重い障害を持つ利用者が多いため、利用者同士のトラブル等から事故につながることもあるため、個別の具体的な課題に対して、職員会議の場で対策を検討している。事故の防止に関しては、法人全体で委員会を設置し、事故の分析、検討、改善策の立案等を行っている。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

職員会議等で、施設長の役割を含め、職務分担の確認を行っている。職員の分担表はあるが、施設長の権限等に関しては特に文書化はしていない。施設長不在時の権限の委任は、課長、主任であることを伝え、施設長、課長、主任の全員が不在にならないようにしている。外出先はボードで示し、施設長と課長が携帯電話を所持して、いつでも連絡が取れるようにしている。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

茅ケ崎市や寒川町等、関係機関とは良好な関係を保っている。関係機関からの情報は適宜確認し、必要に応じて、職員会議の場等で職員に情報を提供している。また、法人内で開催する法令遵守の研修会に参加し、遵守すべき法令等の正しい理解に努めている。権利擁護や交通安全等の法人内研修にも、積極的に参加している。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

各種会議や打ち合わせには、基本的に施設長と課長が参加している。管理者が参加することで、事業所内の各分担の運営状況や支援状況を把握し、職員と意見交換を行い、福祉サービスの質の向上につなげている。常勤の職員には、必ず参加しなければならない法人の研修会が、年3~4回ある。外部研修については、職員に情報を提供し、施設長が参加者を決めている。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

職員が働きやすい職場作りを目指し、人員の配置や環境の整備を行っている。配置人数に欠ける所がないよう、短時間勤務等の非常勤職員を多く雇用し、欠員が出た時にフォローできる体制を整えている。また、子育て中の職員の勤務時間に配慮して、負担を軽減している。出産をきっかけに退職していく職員も出ていない。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

職員の採用は、法人単位で活発に行っている。事業所では、短時間勤務や子育て世代の働きやすさについて、工夫している。専門職の配置は、法人全体で調整している。また、職員の資格取得支援として、法人内で初任者研修や実務者研修を行う他、介護福祉士や社会福祉士等の国家資格の取得を目指す職員には、奨学金制度を設け、資格を取得した際には半額を上限に補助している。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

10年程前から、法人全体で職員の成績評価を行っている。評価は基準に基づき、年2回(5~6月、11月)実施し、賞与や昇給に反映している。成績評価は、課長が一次評価を行い、施設長がまとめている。成績評価は、マイナス評価が中心ではなく、職員の働く意欲につなげるようにしている。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

日中活動の事業所のため、子育て世代が多く勤務していることから、働きやすさに配慮している。職員の心身の健康については、年1回、メンタルチェックを実施し、適宜産業医の指導を仰いでいる。職員からの相談は、その都度対応しているが、個々の定期面談は実施できていない。職員の異動希望等については、意向調査に記入してもらい、直接話を聴く体制を整えている。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

期待する職員像については文書では示していないが、利用者を尊重し、大事にする職員であってほしいと思っている。利用者の障害が重度なため、子どもを扱うような対応にならないよう、日々取り組んでいる。施設長と職員の定期面談が確実に実施できていないため、今後は少なくとも年1回、できれば年2回行い、職員の声を聴き、職員の育成につなげていきたいと考えている。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

法人全体の研修委員会が研修計画を作成し、職員が受講している。研修は、①等級別研修、②全体・採用時研修、③資格取得研修、④初任者・実務者研修の4つに分けて企画している。また、事故防止委員会が、交通安全や救急救命研修を、人権委員会が権利擁護研修を企画、開催している。市内の15施設が集まる市施設連絡会でも、年1回、研修会・交流会を開催し、非常勤職員も他施設の職員と交流する機会を作っている。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

法人全体の研修委員会が研修計画を作成し、職員が受講している。研修は、①等級別研修、②全体・採用時研修、③資格取得研修、④初任者・実務者研修の4つに分けて企画している。また、事故防止委員会が、交通安全や救急救命研修を、人権委員会が権利擁護研修を企画、開催している。外部研修に参加した際には、職員会議で内容を報告し、職員間で共有している。報告内容は会議録に記載してまとめている。常勤の職員が外出支援や自閉症等の研修に参加している。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生の受け入れ担当を課長とし、事前にオリエンテーションを行っている。保育士や社会福祉援助実習等、年間5~6人の実習生を受け入れている。その他、市民後見人養成講座の実習や中学生の職場体験の受け入れも行っている。利用者には「朝の会」で事前に受け入れを説明し、受け入れのグループも利用者の特性に配慮して決めている。実習の実際の場面では、グループ内の常勤職員が対応しているが、職員にとっても良い勉強の機会となっている。実習生の受け入れは、基本的に断らないこととしている。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

年3回、法人の広報誌を発行し、利用者や関係機関、後援会等に配布している。広報誌には事業内容やトピックス等を掲載し、情報の公開に努めている。ホームページは、法人本部が管理している。また利用者には、「毎月の予定」を配布している。「毎月の予定」は、翌月のカレンダーに活動の予定を記入し、当月の活動内容を報告しているが、「参加対象が誰かわからない」、「作業内容も知りたい」、「今、何を売り出しているか知りたい」等、家族の声があり、現在、改善中である。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

経営・運営の透明性を確保するため、顧問の会計事務所とは別に、今年度より外部の監査法人による監査を受けている。法人内には50事業所があるが、年10事業所程度が外部監査を受けている。また法人全体で、弁護士や社会保険労務士、設計士等の専門家にも、アドバイスを受ける体制を整えている。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

地域の方との交流を深めることができるよう、利用者は毎日、外気浴を兼ねて、公園や体育館に車で外出している。また、市民センターや地区社会福祉協議会等の行事、自治会の防災訓練にも参加している。外出先は、障害があっても利用しやすい場所に片寄りがちなので、いろいろな場所に出掛けるよう、施設長から職員に働きかけている。8月には、全館を使って夏祭りを開催し、地域の方々を招待している。夏祭りでは、利用者がくじ引きや売り子等の役割を担っている。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアを常時受け入れる体制を整え、社会福祉協議会にも募集を出しているが希望者がなく、現在活動しているボランティアは少ない。以前ボランティアで活動していた方が地域の寄合所(サロン)を開いているので、職員付き添いで利用者が出掛けていったりしている。近隣の中学校2校より職場体験の実習を受け入れており、体験実習の前に、福祉職場の職員の働き方や仕事の説明等を行っている。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

市内の15施設が参加する連絡会に参画し、施設間の連携を図っている。連絡会が年1回開催する研修・交流会には、全職員が参加し、他施設の職員と交流している。交流会には職員が10枚ずつ名刺を持ち、挨拶している。連絡会の定例会には、施設長が参加している。また、利用者の地域生活の維持のため、就労の支援や医療ケアのサポート体制の必要性について、年1回、市に要望書を提出している。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域の市民団体やオンブズマン、成年後見センター、障害当事者で構成する運営協議会を開催し、地域の福祉ニーズの把握に努めている。利用者及び家族の高齢化により、住まいを維持できない現状がある。日中の一時支援や送迎の援助、ショートステイの充実、家族のレスパイト支援、家族の就労を支える夕方まで対応できる事業所等を、地域全体の問題として捉えていく必要があると考えている。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

地域が抱える上記の課題の解決に向け、取り組みが必要と捉えている。地域から求められる役割として、災害発生時の福祉避難所としての協定を市と結んでいるが、具体的な内容については、現在、市と協議中である。福祉避難所の役割は場所の提供だけではないことから、市と話し合いを行う予定である。災害発生時の非常食を3日分備蓄しているが、夜間も不安なく過ごせるよう、防寒具等も揃えておく必要があると考えている。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

毎年、全職員を対象に権利擁護の研修会を開催している。全職員が参加できるよう、10~11月に同じ内容の研修を4回行っている。弁護士を講師に、今年度は「自分たちの行っていることのどこが権利擁護につながっているか」をテーマに、ディスカッションを行った。「あおぞら宣言」を再確認し、「倫理綱領」や「職務基準表」を配布して意識を高めている。常に利用者への言葉掛けがぞんざいにならないよう、職員間で注意喚起している。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

利用者の排泄介助時等、介助中のプライバシーの保護に配慮している。利用者の介助は、同性介助を徹底している。虐待防止の取り組みとして、特に利用者への言葉掛けに注意している。トイレから出た利用者に「〇〇さん、出ました?」と聞いたり、利用者の行動に「ダメ、ダメ」と言って制したりしないよう、穏やかな言葉掛けを行うよう、職員相互で注意している。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

特別支援学校を卒業して、利用に至るケースが多い。特別支援学校が設定している見学会では、1時間ほど掛けて、課長から丁寧な説明を行い、必要な情報を提供している。また、体験利用も5日間設定している。体験利用の際は特別支援学校の先生も付き添っている。特別支援学校以外からの利用希望者にも丁寧な説明を行い、体験利用も2~3日受け入れている。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

サービスの開始にあたっては、見学から契約までの間、説明を丁寧に行うよう心掛けている。意思決定が困難な利用者が多いため、利用後も活動グループ内での本人の状況を確認し、グループ替え等を検討している。また、活動事業所を変更する場合も、体験利用期間を長くとるようにしている。グループや活動事業所の変更がうまく進まなかった場合は、元のグループや活動事業所に戻ることができるようにしている。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

他のサービスへの移行例はあまりないが、本人の支援に継続性が持てるよう、情報提供をきちんと行うよう取り組んでいる。事業所内のグループ変更や活動事業所の変更の際も、利用者がスムーズに移行できるよう配慮している。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

家族懇談会や定期面談の場で、利用者及び家族の意見を聴き、個別支援計画に反映し、改善箇所の把握に努めている。家族からは、「外出の頻度を増やしてほしい」、「介助方法についての注意点」等が上がっている。また昨年度、利用者自身へのアンケート調査を行った。アンケートは、知的障害の協会のアンケート調査票を用いて実施し、イラスト等を使用したが、内容を理解できない利用者が多く、聴き取りを担当した職員が、利用者の表情や仕草を観察して判断した。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

昨年、法人全体の苦情対応の規程を改訂し、利用者や家族の声や意見をできるだけひろうよう取り組んでいる。利用者や家族の声や意見を、レベル1:意見、レベル2:要望、レベル3:苦情に分けて対応している。レベル3:苦情については、第三者委員や法人本部に報告し、必要に応じて、理事会等に報告するとともに、対応策を検討し、改善を図っている。家族からは、「外出の機会を作ってほしい」、「(8割の利用者が使用している)連絡ノートの書き方」、「利用者への言葉掛け」等について声が上がっている。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

重度の知的障害を持つ利用者が多く、自分の意思を言葉で表すことが困難な状況である。職員は、利用者の表情や態度をしっかりと捉え、トイレに行きたい、水分がほしい等の利用者の欲求を見逃さないようにしている。従たる事業所の「鬼瓦味噌蔵」の利用者は言葉でのコミュニケーションが可能なので、月1回、オンブズマンが訪問し、個別面談の機会を作り、事業所の支援状況についてもアドバイスしている。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

5月に家族懇談会を開催し、家族の声を聴いている。家族からは、「理容室に行くことができる日を知らせてほしい」等の希望が上がり、すぐに案内を出す等、迅速に対応している。従たる事業所「鬼瓦味噌蔵」にて、オンブズマンが聴き取った利用者の声についても、すぐに検討し、可能な限り対応するようにしている。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

法人のリスクマネジメント委員会や事故防止委員会と連携し、事故報告の集積と分析、改善策の検討を行っている。てんかん発作の心配がある利用者は、いつ倒れるかわからないため、職員が目を離さず、常に見守っている。発作等で救急車を要請するケースもある。利用者にこれまで見られなかったアザ等を発見した時には、家族へ報告し、職員、看護師で状態を確認している。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

法人の衛生管理委員会にて、感染症の対策マニュアルを作成している。衛生管理委員会では、夏は熱中症の予防、冬はインフルエンザの予防のポスターを作成し、事業所内に掲示して注意を促している。また、職員会議の場等で、看護師が感染症に関する注意点等を職員に伝えている。通所事業所のため、これまで大規模な感染症の発生は起きていない。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

法人の災害対策計画に沿って、地震や火災・消火器訓練、避難訓練を行っている。その他、業者による火災通報装置の定期的な点検や、職員の通報訓練を実施している。昨年10月の台風通過時は事業所が休みの日であったため、福祉避難所としての開設は行わなかったが、家族から大変だったという話があり、利用者宅を訪問したりした。災害時の家族送迎が困難なことも予測でき、福祉避難所として、今後どのように対応するか、市との協議も含め検討が必要と捉えている。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:b】

支援に対する心がまえ、理念等については法人全体で、基本的な基準書を作成している。基準書に基づいて、年1回、全職員で「あおぞら宣言」の内容を確認し、利用者に関わる際の基本的な姿勢を統一している。個別支援計画の作成にあたっては、担当者が利用者個々の特性を把握し、計画の内容に反映している。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

個別支援計画の作成、見直しに向け、毎年7~8月に家族と定期面談を行い、利用者や家族の希望等を確認している。また、職員会議での担当者の意見も計画に反映している。個別支援計画は、6か月ごとに定期的に見直ししている。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

本人の思いを言葉では確認できない利用者が多いため、利用開始時には見学や体験利用を数回行い、利用者をできるだけ理解するようにしている。個別支援計画の作成にあたっては、担当者とサービス管理責任者が分担してアセスメントを行い、利用者のニーズを整理し、個別支援計画につなげている。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画の作成、見直しは、担当者やグループの職員、サービス管理責任者、課長、施設長が参加して、4月と10月に定例会を開催して、検討している。支援目標等の達成状況については、10月の中間評価で確認し、方向修正を行っている。家族には定例会の前に希望や要望を確認し、計画の作成時や見直し時には、内容を提示し、同意を得ている。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

利用者個々の記録は、パソコンに入力して、ネットワークシステムにより、どの部署でも内容を確認できるようにしている。各グループのその日の活動状況も、業務日誌として入力し、利用者の帰宅後に、毎日、振り返りを行っている。月1回、個別記録を書面化して、担当職員やサービス管理責任者、課長、施設長に回覧して、内容を確認するようにしている。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

記録類は、課長と施設長が確認した後、スタッフルームの施錠できるキャビネットに保管している。保管責任者は特に決めていないが、記録の管理や個人情報の取り扱いについては、法人でルールを定めて遵守している。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

重度の障害がある利用者がほとんどのため、言葉で意思表示ができる方はいない。そのため、日々の活動の中で、利用者の表情や態度により、トイレに行きたい、何か気になることがある等、職員が本人の思いを読み取っている。会議や研修等を積み重ね、本人の意思を尊重する意識を持つようにしている。特に、会議の中では、あくまでも主体は本人であることを、職員間で共有している。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:b】

法人に権利擁護委員会を置き、毎年、全職員が参加して、人権に関しての勉強会を行っている。「あおぞら宣言」を確認し、現場の振り返りを行いながら、権利侵害がないかどうか、職員同士で確認している。家族との懇談会等でも、権利侵害について話し合いをしている。利用者が他の人に手を上げたり、かみついたりした時等は、職員は身体を抑えて止めることがある等、家族の方に了解を得ている。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

来所してから自分で靴を脱いで靴箱に入れる、上着を脱ぐ、カバンをロッカーにいれる等、利用者が自分でできることは、時間をかけて見守りながら関わるようにしている。すべての方ではないが、機織り、一輪ざしに花を生ける、アルミ箔をはがす等、短い時間でもできることを増やして、販売につなげている。重度の障害がある利用者が多いため、自分で積極的に参加することは困難な状況である。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

言葉での意思表示が難しい利用者がほとんどであるが、「みゃ―」と言う言葉を発する方の微妙なニュアンスの違いから、利用者が何を訴えているか、職員は聴き分ける努力をしている。今年度は自閉スペクトラム症の方の特性を理解するため、外部講師を招き、3日間の研修を行った。研修後は特性を理解し、職員の言葉掛けに良い変化が見られるようになった。自閉スペクトラム症の研修は、今後も充実させていく予定である。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者それぞれに「こだわり」があり、一日中身体を揺らしていたり、「ウーウー」と声を上げたりしている方が多いが、日中での活動を通して、利用者に楽しいと感じてもらえるよう、職員は丁寧な声掛けを行いながら、利用者の少しの表情の変化も見逃さないようにしている。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者個々の個別支援計画に基づき、利用者は4つのグループに分かれて活動している。同じグループでも、午前午後交替でアルミ箔はがしの仕事と散歩を行う等、利用者が集中できる時間に配慮して支援している。利用者は、落ちついて椅子に座ることを少しづつ体験している。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

一輪ざしの花を生け、喫茶店に販売したり、織物ができる方の作品を販売したりしているが、収入につなげるのには難しい現実がある。従たる事業所の「鬼瓦味噌蔵」では、作業のできる方7人程が、味噌作りや野菜作り等の作業を毎日行い、販売につなげている。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者に提供する昼食は、外部委託業者ではなく、直接厨房の職員が提供している。刻み食やペースト食、また大腸の病気のある方には消化の良いものを提供する等、直営厨房の利点を活かし、細やかな対応を行っている。自分で食べられる方が半数、あとの半数は全介助での食事である。おむつを使用している方が半数くらいいるが、基本的にトイレに誘導して介助している。利用者の日常生活の支援は、それぞれの個別支援計画に基づいて提供している。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:b】

グループ毎に活動室が分かれているが、周りが気になる利用者には、個別の落ち着ける空間を確保し、利用者が安心して過ごせるよう工夫している。各グループ、季節に合わせた飾り付けをして、利用者が楽しい雰囲気を感じることができるよう、環境作りに配慮している。利用者が帰った後、担当の職員がそれぞれの部署を清掃し、清潔を保つよう心掛けている。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:b】

週2回、理学療法士が訪れ、拘縮のある利用者や、中途障害の利用者等のリハビリテーションを行っている。理学療法士が不在の日も、歩行が不安定な利用者の歩き方のポイント等の指導を受け、担当職員が訓練に携わっている。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

年ごとに医療的支援が必要な利用者が増加している。利用者は自分から体調の不調を訴えられないため、家族と担当職員、看護師が連携を密にし、利用者の健康状態を把握している。送迎時に、家族から体調を聴き、朝の視診で当日の体調や変化を確認している。いつもと違う様子が少しでもあれば、看護師がバイタルチェックを行い、体調の変化を見逃さないようにしている。体調不良時は、家族に連絡し、かかりつけ医に受診をしてもらっている。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:b】

利用者の体調変化時には、担当職員から看護師、課長、施設長に連絡を取る体制を整えている。昨日もてんかん発作があり、けいれんが長く続いたため、救急車要請をスムーズに行い、病院まで付き添っている。昼食後に服薬する方が半数ほどおり、2階は看護師、1階は職員が服薬の管理を行っている。毎月、看護師、職員、課長、施設長等が参加して連携会議を開き、医療状況の把握、医療ケアの提供について、情報共有や必要事項の検討を行っている。各主治医との連携も取れている。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

重度の障害を持つ利用者のための通所事業所であるため、毎日事業所に通ってくることが、利用者の社会参加であると捉えている。地域の自治会に加入し、地域の子どもたちとの交流等を行っている。また、ディズニーランドに行ったり、家族からの希望により一泊旅行も実施している。夏祭りを開催し、地域の方たちを招いて交流を深めている。市内の中学校の職場体験も受け入れている。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

ほとんどの利用者が、家族と地域で生活している。家族が体調を崩し、家庭での生活が困難になった場合等は、地域の入所施設のショートステイを利用できるよう支援している。同様の理由で、地域のグループホームに入所した利用者もいる。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

毎日の送迎時には、必ず家族とコミュニケーションを取り、利用者の状態確認や相談等を受けている。また、各自の連絡ノートに日中の様子等を記入し、家族に確認してもらっている。家族からは、「いつまでも一緒に暮らしたいが、家族自身が高齢になり、いつまで面倒を見られるか心配」という相談が多い。母親が急逝し、父親だけでは面倒をみることが困難となったケースに対し、ショートステイ利用や他の家族への働きかけ等を行い、再び通所できるようになった利用者もいる。今後は、ますます家族への支援が重要になってくると認識している。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:b】

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】