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特別養護老人ホーム 青葉ヒルズ

2021年01月20日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 特別養護老人ホーム 青葉ヒルズ 評価対象サービス 高齢者福祉サービス版
対象分野 特別養護老人ホーム 定員 130 名
所在地 227-0033
横浜市青葉区鴨志田町1260
TEL 045-961-0088 ホームページ http://www.swct.or.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2009年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 龍岡会
職員数
常勤職員:62 名
非常勤職員:80 名
専門職員
介護福祉士:53 名
介護支援専門員:6 名
社会福祉士:6 名
看護師:5 名
理学療法士:2 名
管理栄養士:3 名
絵画療法士:1 名
音楽療法士:1 名
施設・設備の概要
居室:1ユニット10室 14ユニット

③ 理念・基本方針
<理念>
「医」はサイエンスにしてアートである。アートとはすなわち「人間愛」である。
by ウィリアム・オスラー

<基本方針>
(サービス方針)
1.Guest Oriented Care :それぞれのゲストにふさわしい十人十色のケア
2.Hearty Care :心の癒される誠心誠意のケア
3.After Care :いつでも信頼される生涯安心のケア

④ 施設・事業所の特徴的な取組
●特別養護老人ホーム青葉ヒルズ(以下、施設という)は、社会福祉法人龍岡会(以下、法人という)の経営です。法人の前身は昭和2年、湯島4丁目に開業した大森医院であり、所在する旧地名が龍岡町であったことから法人名を「龍岡会」と称された由来があります。龍岡町の地名は、現在は残っていませんが、東京大学の龍岡門にその名を残しています。龍岡会グループは、医療法人社団龍岡会と社会福祉法人龍岡会があり、関連団体として同じ理念で運営しています。平成8年、「龍岡老人保健施設」(現・龍岡介護老人保健施設)が開設され、その後東京都内、埼玉県で事業展開を行いました。平成21年に社会福祉法人として横浜市青葉区に青葉ヒルズを開設しました。

●特別養護老人ホーム青葉ヒルズは、横浜市青葉区の北部に位置し、東急田園都市線青葉台駅から少し郊外にあり、道を隔てた反対側には広大な敷地を有する日本体育大学のキャンパスがあり、近くには現上皇上皇后両陛下ゆかりの「こどもの国」や、自然散策や農業体験ができる「寺家ふるさと村」等が点在し、都心にも近く、豊かな自然が多く残る恵まれた場所にあります。施設はユニット型の特別養護老人ホームで、ショートステイとデイサービスが併設されています。特別養護老人ホームは1ユニット10名、全13ユニットで構成され、定員は130名です。さらに、ショートステイの1ユニット10名、デイサービスの10名を加え、日中、最大150名のゲスト(利用者)の方々が生活することができる体制を整えています。法人及び施設の方針は、「龍岡会」の理念・サービス方針を実践し、ゲスト(利用者)中心主義を徹底し、豊かな生活環境・充実した食事を提供する等、「ゲスト一人ひとりに喜んでいただきたい」という強い思いと拘りを持ったスタッフがサービスを担っています。

●特別養護老人ホーム青葉ヒルズの介護の特長は、非常に充実したサービス内容の綿密なケアプランを中心に、6部門(介護、看護、リハ、アート、栄養、相談)が連携して介護にあたる点にあります。また、介護全般について幅広く展開し、それら全てを施設独自のケアプランに凝縮をしています。全てのコミュニケーション・連携はこのケアプランによって実施されているといっても過言ではないくらい有効性が高く、細部に亘って綿密に作成されています。独自の書式は一般のケアプランの様式と全く異なり、内容が密に作られており、日常管理については、体調管理表で毎日の管理、月1回の6部門(介護、看護、リハ、アート、栄養、相談)によるケアカンファレンス、3か月ごとのケアプランの更新等、全ての介護をケアプランに集結した管理方法は、形のある目標管理として実現しています。さらに、関係職員が直接会して定期的に話し合う機会は中々難しい業務の中、それを定着させて体制を構築している点は評価が高いです。

●特別養護老人ホーム青葉ヒルズの外観は、開放的な大きなガラス窓が特徴的で洗練された佇まいであり、高い天井と細部に亘る上質な空間を提供し、グッドデザイン賞を受賞しています。ゲスト(利用者)と地域との結びつきを強く意識して設計され、パブリックスペースにはウォーターエリアとウッドデッキエリアを設定しています。居室は全室個室でプライバシーを維持し、吹き抜けのパブリックラウンジでゆったりと過ごすこともできます。浴室は壁面を格調高いトルコ製タイルで彩り、ゲスト(利用者)の入浴形態に合わせた各種浴槽を整備しています。デイサービスのスペースにはリハビリテーション器具が設置され、大人数の集まるレクリエーションやイベントもこのスペースで開催しています。施設にはアート部が設けられ、常勤の音楽療法士と絵画療法士を配置する等、ゲスト(利用者)が生き生きと生活ができるようソフト面、ハード面共に充実を図っています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/07/07(契約日) ~2020/12/22(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 初 回(年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1.【理念・サービス方針の実践】
●特別養護老人ホーム青葉ヒルズをはじめ、医療法人社団、社会福祉法人の関連全施設は同じ理念を基に、サービス方針である①Guest Oriented Care ②Hearty Care ③After Careを掲げ、ゲスト(利用者)中心のケアを展開しています。ゲスト(利用者)の個性や体調に沿った、その人に相応しい十人十色のケアにより、心が癒されるよう誠心誠意のケアを提供し、施設を離れても尚、信頼される生涯安心のケアを目指しています。理念・サービス方針については毎日の朝礼にて唱和を行い、その精神を各職員の心に刻んで日々上質なサービスを提供しています。

2.【ゲスト(利用者)中心主義の徹底】
●特別養護老人ホーム青葉ヒルズでは、ゲスト(利用者)中心のケアを徹底して展開しています。身体的ケアの面は勿論のこと、食事についても充実しています。食事は給食業者に外部委託せず、法人が給食会社を運営しています。法人でセントラルキッチンを持ち、施設での調理も加え、多彩な献立、美味しい食事を提供しています。ユニットスタッフによる炊飯、食材の刻み・大きさの個別対応等、ゲスト(利用者)一人ひとりに配慮し、喜んでいただきたいという思いを持ってサービスに当たっています。また、アート部による趣向を凝らしたレクリエーション、リハビリのケアプランへの取り組み等、ゲスト(利用者)の「よろこび」の立場に立った活動を考え、豊かなサービスの提供に取り組んでいます。

3.【ケアプランの充実】
●特別養護老人ホーム青葉ヒルズの最大の特長は、ケアプランの充実にあります。全ての介護、全てのコミュニケーション・連携、施策全てがケアプランに集約され、全体の発信源となっています。例えば、相談員がご家族との面会の際、一人ひとりのゲスト(利用者)の状況を詳細に伝えることができるのも、毎月1回のケアカンファレンスでの情報共有及び連携によるところが大きいと思います。相談員もユニットに出向き、ゲスト(利用者)と話す機会を持つ等、一層ゲスト(利用者)中心の濃密なケアが成されていることが確証できる取り組みです。
改善を求められる点 1.【現有体制の維持について】         
●特別養護老人ホーム青葉ヒルズは、充実したケアプランを中心とし、ゲスト(利用者)本位にサービスを展開する職員体制が構築されています。ケアプランを中心とする職員間の合議体制は軌道に乗っており、現時点では敢えて修正を加える必要はありませんが、毎月の継続、繰り返しの中で職員において「当たり前」とする慣性に陥ることは避けなければならないと考えます。ケアプラン作成プロセスの改善に向け、常に意欲を持って進めていかれることを期待いたしております。また、フォーマットの電子化に頼らずに、それを現場のケアに活かせる「生きた情報」にするための努力も望まれます。さらに、急な職員の異動や退職による欠員が生じた場合等、不測の事態に備え、バックアップできるよう、組織内の意思疎通、情報共有を強化するような体制作りに向けてご一考いただければと思います。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名: 社会福祉法人 龍岡会 特別養護老人ホーム 青葉ヒルズ

<評価に取り組んだ感想>
   
 青葉ヒルズは開所以来11年、法人の理念を実現すべく、試行錯誤を繰り返しながら、ゲストお一人お一人に寄り添ったケアを進めてきました。そのために、多職種協業によるケアプラン作成・実行プロセスをはじめとする独自の取組も行ってきました。それらは施設では今や当たり前のこととして根づいているのですが、今後に向けて、客観的な視点で評価して頂く必要があると判断し、第三者評価を受審しました。

 結果としては、これまで施設として努力して進めてきたことについては高い評価が得られ、大きな自信になりました。今回の評価・ご指摘を踏まえて、今後の環境変化やゲスト・ご家族の多様なご要望にも応じられるような改善を進めてきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

●医療から発足した「龍岡会」は、「『医』はサイエンスにしてアートである。アートとはすなわち『人間愛』である。」と述べたウィリアム・オスラーの言葉を理念の根幹にしています。理念・サービス方針は職員に対する「期待する職員像」そのものとして認識を図り、全職員が理解し、行動規範として施設の風土となっています。理念・サービス方針はホームページ及びパンフレットに記載し、毎朝、朝礼で唱和を行い、徹底を図っています。また、施設では利用者を「ゲスト」と呼称し、全てにおいてお客様視点でのサービスを提供するよう徹底しています。理念は展開を図り、年度別の事業計画の骨子としていますが、職員は常に理念との相関を念頭に置いて業務にあたっています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

●法人では理事会、施設では運営改善会議において、事業の動向を把握・分析した上で経営上の課題を明確にしています。運営改善会議は毎月開催され、理事長及び理事(医師)が毎回必ず出席し、施設の各部門の代表者とともに経営上の課題を明確にし、共有しています。理事長は精力的に法人の各施設を訪問しており、施設職員との意思疎通を図っています。社会福祉関連情報については、神奈川県・横浜市よりメール配信を受け、常にスタッフは確認を行い、必要に応じて対応するようにしています。また、青葉区の保健所や社会福祉協議会とも連携を図っています。特に、介護保険の改定や、地域の入所希望者の動向、地域人口の年齢構成の変化等に意識を向けています。新型コロナウィルス対策は理事長がリーダーシップを取り、法人全体で取り組んでいます。各施設の状況についてはSkype(スカイプ)を利用して情報共有と対策の確認を行っています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

●運営改善会議に出席した各部門の代表者は施設を運営するリーダーとして、決定事項を自ら推進しています。運営改善会議で検討・決定した事項については、職員会議等で職員へ周知を行っています。決定事項については、共有データベースの議事録に掲載し、職員はパソコンを通じて閲覧しています。重要な事項については毎月のフロア会議、リーダー会議、ユニット会議等で重ねて知らせるよう周知を図っています。議事録はコピーをして全職員へ回覧を行い、会議に出席できなかった職員にも共有できるようにしています。全職員への通知が必要な事項については、万策を講じて確実に伝達できるようにしています。特に周知徹底が必要な重要事項については書面に職員が署名の上、一人ひとりに浸透するよう取り組んでいます。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●法人の中・長期計画及びビジョンは、理念・サービス方針を踏まえて策定されており、骨子はゲスト(利用者)に安心して楽しく過ごしていただくための環境と体制を維持するよう更なるサービスの向上を図ることとしています。施設としての中・長期計画は作成していませんが、理念やサービス方針を行動指針に具体的に落とし込んでビジョンとし、事業計画も事計・中計的な構成になっています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●事業計画は行政に提出し、計画に沿って年間計画を立案し、実施しています。また、単年度で達成できない課題も含め事計・中計的に作成しています。年間計画は各部門の活動方針、会議、委員会、研修、行事のスケジュール、各担当者等を期初に決定しています。オーソライズ(承認)された各部門の事業計画の実現に向け、部門内で詳細に検討して推進を図っています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

●施設の事業計画の策定については法人の事業計画を基に理事長及び各部門の代表者が出席する運営改善会議で決定しています。事業計画は各部門で展開し、全職員には年間計画としてオーソライズされたものを通知しています。毎月、運営改善会議で反省・見直しを行い、評価し、事業報告を作成しています。事業報告の公式な数字のまとめについては法人で作成し、各関連施設の相談員も参画しています。事業計画は幹部スタッフ(運営改善会議メンバー)には配付及び説明を行い、共有化を図っています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:a】

●事業計画のゲスト(利用者)等への周知については、施設長のメッセージを通してわかりやすく事業計画を伝え、施設のビジョン、行事計画を提示して周知しています。月末の請求書送付時には当月の行事実績と、次月の行事予定を同封して郵送しています。また、行事は年間計画で示して施設内にも掲示を行い、参加を呼びかけています。次月の予定表では行事・レクリエーションだけでなく、アート部、リハビリテーション部のユニットごとの活動予定や行事食の献立等も掲載し、ご家族が開催予定日に合わせて訪問、見学する等、良好なコミュニケーションが図られています。事業計画については年度、毎月の通知時や施設内に掲示すると共にホームページにも掲載して開示しています。家族会は開催していませんが、日々ご家族の訪問が多いこともあり、信頼関係の下、意見や要望等は日頃から受けるようにしています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

●この施設の特長は、非常に密度の濃い独自のケアカンファレンスにあります。ケアプランを中心とした6部門(介護、看護、リハ、アート、栄養、相談)の連携こそが青葉ヒルズの最大の強みです。全ての連携が、毎月のカンファレンスに集約されると言っても過言ではありません。科学的手法の展開は型通りのPDCAだけの展開ではなく、ゲスト(利用者)に如何に満足してもらえるか、6部門はどう連携を図り、情報交換・共有を行うか、全て6部門のミーティングで図られ、役割を各々が自覚し、有機的に展開するよう決定しています。科学的を超越し、「科学+連携+ゲスト(利用者)に対する思い」の総括的なサービスが展開されています。ケアプランの更新期間は3か月ごととし、期間を通してゲスト(利用者)一人ひとりへの綿密な展開が実践されています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

●定期的な会議・委員会において改善策を策定して改善に取り組んでいます。結果は議事録、フロアミーティング等で周知する、部署と担当者を決めて実施する等、改善策が業務として確実に実行され、定着するよう努めています。事故防止委員会では誤薬防止のポスターを作成し、毎月の発生状況を更新して注意喚起しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

●施設長は、施設長の権限と責任について、就任挨拶のメッセージで表明し、職員に向けては朝礼、運営改善会議、委員会等で都度発信しています。災害対策については、防火管理者として、消防署と連携の上、実務で有益な防災訓練やAED勉強会を主催しています。職員の緊急連絡網を整備し、また同居家族の状況や家族の連絡先を把握する取り組みも行っています。自動車通勤者に対しては、通勤途上の事故や駐車場での緊急車輛等の進路確保を考慮し、車種・ナンバー・自動車保険等の届出を義務づけています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●職員は、指導監査時の集団指導講習会に参加しています。特に、施設長と相談員は必ず参加し、法令等の理解に努めています。施設長は、社会福祉関連、労務管理関連等の法令について理解し、法人規程と合わせて判断基準とし、適法・適正な施設運営に取り組んでいます。新入職員の入職時には施設長がオリエンテーションを行い、施設の概要、就業規則、各種法令の説明を行い、理解を促しています。また、法人理念の「『医』はサイエンスにしてアートである。アートとはすなわち『人間愛』である。」サービス方針の「Guest Oriented Care,Hearty Care,After Care」に関しても説明し、意思共有できるようにしています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●施設長は、福祉サービスの質の向上に向けて各委員会、研修等に参画して助言・指導等を行い、職員の個別相談にも応じています。施設長及び主任は、新入職員に対して理念、サービス方針や職員としての心構え、基礎知識を教示し、接遇面、虐待防止に関して研修を行い、指導に努めています。また、施設長は運営改善会議、毎週金曜日の委員会に参加してディスカッションの場を設ける等、サービスの質の向上に尽力しています。また、施設長主催の接遇研修を5回シリーズで実施し、認知症のBPSD(行動、心理症状)等の困難な接遇について具体的な事例から一般論を引き出せるようグループ討議を行っています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●施設長は、人事・労務関連、入退所委員会に随時参画し、職場・業務環境の改善に努めています。介護職員の採用を積極的に行い、常勤職員の比率を高めています。これにより職員の安定化と充実を図るとともに、夜勤回数、残業時間の適正化を図り、就業規則に沿った労務管理による職場の規律維持に努めています。持ち上げない介護技術に関する他施設の導入事例を参考に、リハビリテーション部及び介護部の同意を得て、移乗ボードを導入しました。その効果としては職員の体への負担軽減(腰痛防止)、ゲスト(利用者)の安全、自立支援促進等が想定され、新たな介護技術の導入による業務改善・効率化が期待されるよう指導力を発揮しています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

●福祉人材確保と育成に関して事業の根幹に関わる重要事項として法人全体で取り組んでいます。サービスのレベル向上、業務の効率化を目的として戦略的分業体制を図っています。施設内の営繕、清掃、リネン、入浴は専任の職員を配置し、入浴の専任化を図り、ゲスト(利用者)に対する快適で安全な入浴の提供、介護職員の業務負担軽減に寄与しています。人材確保に関しては業務遂行上の必要性から広く適切な人材を確保し、配置しています。法人としての採用媒体を活用しつつ、人材紹介会社等にも積極的に対応し、できる限り求人の門戸を広げるよう努めています。施設では、ゲスト(利用者)に対するサービスレベル向上のため、配置基準を超越した戦略的な人員配置と分業体制を取っています。相談部を組織化し、ゲスト(利用者)及び家族対応、行政対応、地域対応等をきめ細かく行っています。また栄養部を設置し、管理栄養士を複数名配置するとともに、調理補助職員も施設で採用しています。さらにアート部、リハビリテーション部を置き、常時集団レク、集団体操、個別療法に取り組んでいます。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

●理念・サービス方針に沿い、「期待される職員像」を設定し、明示しています。給与規定を定め、キャリアパス制度、職員一人ひとりの能力や実績に応じた昇格、昇給を行う体制を整備し、定期昇給制度も設けています。職員との面談は施設長・主任が実施し、職員一人ひとりと話し合い、要望、満足度をチェックし、キャリアアップにつなげています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

●職員の勤怠に関しては、総務部で共有のデーターベース上で職員の労務管理を行っています。シフト勤務については各職場の主任が作成し、有給休暇について平均的に取得できるよう配慮し、超勤は主任が決裁するようにしています。介護職の離職率が業界水準よりも低く、長期勤務者(開所以来10年以上の勤務者)が多い点は特長の1つです。職員の働きやすさの要因としては、制度(有給休暇、育児休暇、時短勤務等)の活用推進、職員の事情に応じた就労時間への配慮、常勤介護職員の勤務日数選択制等が挙げられます。一般的にユニット型特養では1ユニット(夜間2ユニット)を担当しますが、青葉ヒルズでは常勤職員は1フロア4ユニットを担当することも可能で、多数のゲスト(利用者)に対する多様な介護を経験することによるスキルアップを図る機会となっています。介護職員の夜勤体制では、14ユニットに7名が勤務に就くのと同時に、深夜帯にもう1名を追加することで、緊急時の応援や休憩時の交代に就くことができ、職員の不安・負担の軽減が図られています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●「期待される職員像」は理念、サービス方針の具現化とし、理念、先輩の行動を「期待される職員像」として職員の姿勢につなげています。施設での活動は全て「ケアプランの実行」に集結されているのは青葉ヒルズの特長であり、職員一人ひとりの目標は目標管理制度を設けず、個別の目標達成計画は「ケアプランの実行」にフォーカスし、ケアプランの達成として集約しています。職員はケアプランの達成を目指し、職場風土においても互いに高め合い、成長・研鑽を図っています。目標は毎月見直し、評価及び改善を進めています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●期初に年間研修計画を策定して、職員向け内部研修を月1回以上実施しています。外部研修は主にユニットリーダー研修を定期的に受講し、現在、6名が修了しています。喀痰吸引研修については、法令で定められた研修を修了した職員に対して、資格認定を受けた看護師から実技指導の研修を実施し、技術を習得しています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

●新入職員に対しては、オリエンテーション後、現場ではOJTにて定めた目標に対してスキルアップを図るプログラムを設定しています。一般研修については、年間研修計画に沿い、毎月テーマを決めて実施し、全職員に研修の機会を提供しています。外部研修はユニットリーダー研修の他、必要な研修には職員を指名して推奨しています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

●実習生等の専門職の研修、育成について、法人・施設・部門間で大切に捉え、以前には初任者研修の実施機関として受け入れており、その後の採用につながった実績もあります。現在は実習生受け入れの指導員研修の受講がまだ不十分ですが、今後は受講した上で受け入れ態勢を整備する予定です。しかし、学生や一般のアルバイトの受け入れはあり、その際は教育的な指導を行い、相談員や介護職員の採用に至ったケースもあります。今後、実習生の受け入れに力を入れて行く予定でいます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

●法人の理念、基本方針、事業計画、事業報告等は法人のホームページにて開示し、広報誌においても地域の事業紹介等、情報発信をしています。施設のホームページでは、ブログ形式で情報発信を行っています。アート部ではゲスト(利用者)の様子や行事の様子を、栄養部でも日頃の活動内容や食事の状況等を発信しています。また、栄養部でも日頃の活動内容や食事の状況等をブログ形式で発信し、食のテーマの取り組み等、楽しく、ユニークさが注目されます。運営の透明性を明示する1つとして今回、第三者評価を受審し、施設内の課題の抽出に努めています。地域への発信については、デイサービス事業部門が「青葉ヒルズ デイ通信」を発行しており、居宅介護事業所を中心に地域ケアプラザ等、地域に配布して情報発信しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●公正かつ透明性の高い適正な経営について、法人のルールに則った事務・経理業務を実践し、会計事務所と連携した財務管理を行っています。社会福祉法人の情報公開制度に則り、現況報告書、財務諸表等を公開しています。各種マニュアルの整備、組織体制の整備・内部監査体制の確立、専門家による監査等、組織の公正性、透明性に関する管理体制の整備に努めています。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●地域との関わり方については、事業計画の中で「地域公益事業」として文書化しています。地域との関わりは法人の根幹に流れる方針であり、地域と共に歩みながら築き上げていく歴史を大切にしています。地域交流の例としては、鴨志田地域ケアプラザで開催されるコンサートの案内掲示、同ケアプラザの「こども食堂」(かもマチ食堂)の立ち上げの協力、日本体育大学の了解のもとゲスト(利用者)のキャンパス内の散歩、横浜美術大学の学生の作品展、隣接する幼稚園との交流、かもマチ食堂を利用した近隣の子ども達が作成した灯篭を青葉ヒルズの池に浮べる灯篭流し等があり、地域の様々な機関、人々と積極的に交流を広げています。また、区の社会福祉事業所とも交流を行い、情報交換に努めています。ゲスト(利用者)とは外食に出かける等、地域の飲食店の活用も行っています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:a】

●ボランティアの受け入れについて「ボランティア等受け入れマニュアル」を整え、マニュアルに沿ってオリエンテーションを行い、基本的な注意事項(守秘義務等)・留意点を説明しています。近隣の学校や団体等を通じて積極的にボランティアの募集を行っています。特に、納涼祭、敬老会等の行事においては、各回数十名のボランティアに集まってもらい、ゲスト(利用者)とのふれあいを通じて地域との関係性を深めています。ボランティアには事後にアンケートを実施し、今後の運営の参考にしています。また、近隣の中学校(2校)の職場体験を受け入れ、基本的合意事項を取り決めて継続的な連携を図っています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

●関係機関との連携については、青葉区介護施設連絡会の幹事を引き受けています。連絡会には区社会福祉協議会、地域ケアプラザもオブザーバーで出席し、関連施設との連携を図っています。地域の関係機関・団体はリスト化し、近隣の病院、保健所、医療・保健施設の他、地区センターや地域ケアプラザ等の社会資源を活用しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●青葉区の社会福祉関連の団体との交流活動を積極的に進め、青葉区内の他介護施設や福祉サービス事業者との交流促進に取り組んでいます。地域の福祉ニーズの把握に関しては、青葉区の居宅事業所だけでなく、町田市や川崎市等の周辺市区の居宅事業所も相談員が定期的に巡回しています。相談員は、居宅事業所のケアマネジャーを通じて、利用者やその家族からの施設に対する意見や要望を受ける等、情報を収集し、施設のサービス内容の改善を検討しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

●地域の福祉ニーズ等に基づく公益的な事業、活動については介護施設連絡会を通して進めるよう尽力しています。施設は地域のイベントやレクリエーションに積極的に参加しています。また、鴨志田地域ケアプラザで開催されるコンサートの案内掲示、同ケアプラザの「こども食堂」(かもマチ食堂)の立ち上げ等、他事業所の活動にも協力してきました。 施設内では横浜美術大生の作品展等の公開活動を行ってきました。ゲスト(利用者)の作品の展示は常時行っています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●利用者の尊重については、法人・施設では、利用者を「ゲスト」と呼称し、全てにおいてお客様視点でのサービスを職員の姿勢にて示しています。理念・サービス方針全体を通して「ゲスト尊重」の考え方を明示し、全ての施策において一貫して推進しています。全職員は「ゲスト尊重」の考え方を共通理解し、実践しています。理念の『「医」はサイエンスにしてアートである。アートとはすなわち「人間愛」である。』は、法人の理念にして倫理綱領でもあり、就業規則、介護マニュアル等にも明示して実施しています。年1回、施設長による虐待防止研修を行い、あわせて基本的人権についても職員の意識を高めています。身体拘束に関しては事故防止に関する研修の中で理解を促し、設定した委員会が中心となり展開及び推進しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:a】

●個人情報保護規定を備え、ゲスト(利用者)のプライバシーに最大限配慮しています。ゲスト(利用者)のご家族には入所時に事前説明を十分行っています。「コンプライアンスルール」の中にプライバシー保護について記載し、個人情報の扱いについて注意喚起を行っています。ゲスト(利用者)の居室は全て個室であり、ドアは間口が広い折れ戸となっています。昼間の入室の際にはノック・声かけをするよう心掛けています。ユニットにはドア付きのトイレが3か所設けられ、プライバシーの確保に配慮しています。入浴に関しては入浴専門スタッフが対応し、同性介助の希望があれば応じる体制があります。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

●利用希望者への施設の情報提供については、パンフレット、ホームページ、広報誌等で積極的に知らせています。パンフレットは居宅介護事務所や入所相談センター等に設置し、入所希望者には施設見学を勧め、見学における資料、説明材料を揃え、相談員が丁寧に対応しています。施設の雰囲気に慣れるため、先ず、デイサービスやショートステイを利用してもらい、その後、入所を希望される方もいます。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

●サービスを開始する、もしくはケアプランを変更する場合には、相談員が中心となり、専門職員も加わってゲスト(利用者)にケアプランの説明を行い、納得した上でサービスをスタートするようにしています。ケアプランは確認及び、練り直しを含めて行い、ゲスト(利用者)の体調の変化に対して変更・即実施の体制で進めています。サービスの開始、ケアの変更時には相談員がゲスト(利用者)やご家族へ分かりやすい説明を行い、同意を得ています。場合に応じて、後見人等への説明の仕方も決めています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●入所後の福祉施設や事業所の変更や家庭への移行は殆どありませんが、移行の場合には相談員が対応し、現在のサービスの継続性を維持できるように努めています。ケアプランの著しい変更の場合には、ゲスト(利用者)にケアプランの説明を行い、本人等が納得した上でスタートするようにしています。施設変更(主に入院に伴う退所)の場合には引継ぎ文書(看護サマリー)を病院に提出して配慮しています。利用終了(ご逝去)前後の家族連絡は相談員が担当しています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●利用者満足度に関して、ゲスト(利用者)には主に介護職員が日常を通して把握し、家族には主に相談員が会話や聞き取りを通して情報を収集し、得た情報を基に介護部ミーティング、運営改善会議等で把握し、フィードバックするようにしています。また、介護相談員の受け入れを行い、毎月の訪問時にゲスト(利用者)の要望・苦情の聞き取りを行い、結果は現場にフィードバックしてもらっています。また、栄養部ではゲスト(利用者)へ食事の嗜好調査を実施し、安全・満足を提供できるよう努めています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

●苦情解決の仕組みについて掲示板に苦情解決のフローを貼り出し、苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員、電話番号を示し、苦情解決の仕組みを周知しています。玄関入口に意見箱を設置し、投書を受けた場合は運営改善会議で検討を図り、掲示及びフィードバックをしています。ゲスト(利用者)やご家族からの相談や意見、希望等については日頃の会話から傾聴し、相談・苦情をまとめて運営改善会議の中で把握し、意見・希望について改善策を話し合い、改善につなげています。苦情の記録はアクシデントレポートに保存するようにしています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

●ゲスト(利用者)からの相談や意見は、定時の検温時などに職員が気軽に応じられるよう体制を整えています。常にゲスト(利用者)の雰囲気や状況を察知し、職員が話しやすい雰囲気作りをして相談や意見が述べられるよう配慮しています。相談部の人員の充実を図り、ご家族からの相談や意見等は都度、相談員が電話や面会して受け、誰にでも話しやすい環境作りを整えています。相談員はフロアごとの担当を決め、介護職員との連携を密に図り、ゲスト(利用者)の様子を常に把握できるようにしています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

●苦情、相談があった場合は、相談員が窓口となり、先ず事実確認を行い、断片的な事象だけではなく、前後の流れを把握した上で組織的に検討及び判断をしています。相談や苦情があった場合、施設に非があった場合には速やかに謝罪し、解決策を提示しています。意見等は記録に残し、対応マニュアルの見直し・修正は年1回、法人本部で実施しています。相談員とゲスト(利用者)家族との信頼関係は良好であり、相談や意見に関しても適切に対応しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

●施設のリスクマネジメントに関する体制については、事故防止委員会(毎月第1金曜日)及び運営改善会議で取り組み、事故防止マニュアルも整備しています。施設内で事故が発生した場合には応急処置後、速やかに報告を行い、A(アクシデント)レポート、I(インシデント)レポートを作成する体制を整えています。事故防止委員会ではAレポートを基に事故分析と再発防止策を決め、Aレポート、Iレポートはサマリーを過去3日分、朝礼で申し送りを行い、事故防止の啓蒙を行っています。「服薬介助の原則」を作成して朝礼で読み上げ、服薬介助方法の周知徹底を図り、現在は誤薬防止キャンペーンを実施中です。また、ゲスト(利用者)別に「ボディチェック表」を作成し、人体図に外傷や内出血の履歴を記録し、一人ひとりの動きや介助方法による事故発生の傾向を把握しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●感染症予防、拡大防止策等はマニュアル化し、特に新型コロナウィルス対策に関しては最重要課題として、理事長から施設職員まで強い意識を持って取り組んでいます。また、神奈川県・横浜市からのガイドラインに沿って厳格に運用を行っています。新型コロナウィルス対策に関する研修は、市中の感染状況等の変化にも即応し、職員が参加しやすいよう複数回開催し、注意喚起を行っています。新型コロナウィルス対策の施設ガイドラインは3回以上バージョンアップを行い、全職員に確認の署名を取っています。施設内でゲスト(利用者)に感染の疑いが出た場合には、検査結果が出て入院できるまでの間、隔離室で対応することとしています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

●災害発生時のマニュアルを整備し、防災関連の機器の保守点検は法令に則り忠実に実施しています。施設に隣接する企業の敷地はハザードマップ上の土砂災害警戒区域に指定されており、避難訓練メニューに含めて実施しています。消防訓練は年2回実施し、心肺蘇生・AED研修は年1回実施しています。何れも青葉消防署鴨志田出張所と連携して行っています。備蓄に関しては、栄養部が非常用備蓄食品を一定量、水害等を考慮して各階に分散して管理しています。防火管理者(施設長)の責務、一般職員の役割、分掌職務、緊急連絡網、災害発生時の流れを決め、組織全体で実効性のある体制を整えています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

●標準文書は共有のデータベース上にて分類・管理し、職員は権限に応じてPCで閲覧できるようにしています。福祉サービスに関わる情報の流れはユニットごとに文書化し、介護マニュアルもユニットごとに備えています。標準的な実施方法では、バイタルチェック、入浴、食事、おやつ、健診等は実施方法を定めています。介護の標準的な実施方法については施設内研修、OJT、個別の指導等により各職員へ周知徹底を図っています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

●標準的な実施方法についてはマニュアルにまとめ、マニュアルに沿った介護を実施しています。マニュアルは必要に応じて改定が行われています。現在は、新型コロナウィルス感染を期に、感染症対策マニュアルの改訂を行い、感染症の疑いが出た場合の隔離方法、隔離されたケアの方法、職員が感染しないための防護服の着脱方法や汚物処理方法等、これまでの感染症対策では不十分だった要素を盛り込んでいます。マニュアルは相談部が中心となり、看護・介護部門と意見交換しながら進めています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

●アセスメントの為のカンファレンスは毎月、ゲスト(利用者)ごとに行っています。青葉ヒルズの特長として非常に綿密なケアプランを中心に展開しており、毎月6部門(介護、看護、リハ、アート、栄養、相談)でカンファレンスを行い、3か月に1回ケアプランを更新する体制でケアプランを中心に介護を進めています。アセスメント・チェック表にチェックが付いた項目は原則、改定する方向であり、6部門の代表が専門分野の視点を持ち、ゲスト(利用者)一人ひとりの状態変化に合わせたケアプランを作成しています。ケアプランの様式は法人オリジナルで作成され活用しています。また、「ケアプラン委員会」を設け、職員向けのケアプラン研修も行っています。支援困難なケースの方には多くの時間を割いて検討を図り、丁寧な対応に努めています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

●毎月、6部門(介護、看護、リハ、アート、栄養、相談)が出席し、ゲスト(利用者)ごとのカンファレンスを実施し、各専門分野の視点でゲスト(利用者)の状態変化を検討し、個々に合わせたケアプランを作成しています。見直しによって変更されたサービス実施計画の内容は、手順に沿って関係職員に周知し、実施しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

●ゲスト(利用者)への実施状況は、介護・看護記録及び施設独自の体調管理表にて管理しています。体調管理表はバイタル等の記録の他、介護計画項目の確認、チェックができる体制の表です(実際はまだ多くの情報が記載されています)。介護・看護記録及び体調管理表等の記録は手書きによるもので、事務的なパソコンでの記録とは異なり、一人ひとり綿密に丁寧に記録されていることが確認できます。手書きで記載された表は最終的には共有デーダーベースで整理され、共有化を図っています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

●ゲスト(利用者)に関する記録の保管、保存、廃棄、情報の提供等の規定は法定に沿って行い、さらに、施設での規定を定め、規定年数で保管を実行しています。個人情報の不適正な利用や漏洩対策として、記録管理責任者(施設長)を設置し、個人情報の取扱いについてゲスト(利用者)及びご家族に説明しています。尚、年度初めには文書保存の年限を過ぎた書類を廃棄しています。


評価結果内容評価

A-1 生活支援の基本と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者一人ひとりに応じた一日の過ごし方ができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

●ゲスト(利用者)一人ひとりの1日の過ごし方について、ケアプランに基づいて十人十色のケアを24時間の生活を抑えて対応しています。ゲスト(利用者)は、ユニットの中だけでなく、ラウンジに出て外の景色を眺める等、自由な時間を過ごしています。天気の良い日には職員付き添いの上で施設の池や樹木を見ながらの外気浴を行い、日中活動では多彩なレクリエーションのメニューを準備し、アート部では絵画、工作、音楽等で潜在能力を活かす活動を行い、ゲスト(利用者)が楽しめるよう提供し、能力や趣味嗜好に合わせたケアを大切にしています。また、一人ひとりの体調を考慮し、午後にレクがある時には午前に体力を温存できるよう静かに休息してもらうよう配慮しています。日常生活の中での役割も生活リハとして重要と捉え、洗濯物を畳む等の手伝いをしてもらっています。生活リズムを整えられる支援についてはケアカンファレンスで組織的に話し合い、特に、昼夜逆転にならないよう生活の工夫をしています。食事については噛むことの重要性を認識し、食材の刻み方、形状等を咀嚼範囲内で大きさを決めて、食材を噛んで味わえるよう検討し、対応しています。

【A2】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に合わせて自立した生活が営めるよう支援している。

【第三者評価結果:c】

●この項目は訪問介護事業対象であり対象外となります。

【A3】A-1-(1)-① 利用者の心身の状況に応じた生活支援(生活相談等)を行っている。

【第三者評価結果:c】

●この項目は養護老人ホーム・軽費老人ホーム対象の項目であり対象外となります。

【A4】A-1-(1)-② 利用者一人ひとりに応じたコミュニケーションを行っている。

【第三者評価結果:a】

●職員は、適度な距離感を大切に心がけ、ゲスト(利用者)一人ひとりに合わせたコミュニケーションを行っています。意思表示、理解力の不足が見られる方にも根気よくコミュニケーションを取るようにし、本人の興味を引き出すよう努めています。また、介護相談員やお話ボランティアの定期的な訪問により、コミュニケーションを増やす機会を設けています。ゲスト(利用者)とのコミュニケーションの状況はフロア会議で報告し合い、接し方や工夫等、必要に応じて見直しを図るよう話し合っています。発声が困難な方、難聴の方、弱視の方に対してもコミュニケーション方法を工夫し、動線にも配慮しています。職員は、ゲスト(利用者)が居室にこもりがちにならないよう、アートやリハビリテーションに促し、外出の機会を設ける等、コミュニケーションを図りながら支援しています。

【A5】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:a】

●入所に際し、ゲスト(利用者)及びご家族に対して権利侵害の防止等と対応について、具体的な内容や事例を説明して権利の保障を伝え、了解を得ています。身体拘束に関しては、職員に入職時に教育を行い、理解を促しています。身体拘束せざるを得ない場合には、毎月、必ずご家族の同意を得た上で3原則(切迫性・非代替性・一時性)に則って行い、さらに毎月、身体拘束委員会にて改善策の検討を行い、職員に対して虐待防止研修を実施して虐待の未然防止に努めています。虐待防止研修では、接遇研修としてグループ討議を行い、その結果を踏まえて虐待防止につながる接遇改善を学習し、研鑽しています。研修実施前には、職員はチェックリストによる点検を行い、不適切なケアによる事故等があった場合には、事故防止委員会で検証・事実確認を行い、再発防止策を検討し、速やかに対応する体制を整えています。

A-2 環境の整備
【A6】A-2-(1)-① 福祉施設・事業所の環境について、利用者の快適性に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●青葉ヒルズは緑に囲まれた快適な住環境であり、建物はガラス張りで一見、高齢者施設には見えないユニークな外観となっています。施設内部は天井が高く、空間も広いため、明るく開放的です。ユニットは1つの家であるという考え方から、隣接するユニットとの距離を広く保っています。ユニット内の採光は南・西・東の3方向からあり、窓の高さも十分高いため、広々とした居住環境となっています。ゲスト(利用者)は、ユニットを出るとラウンジや、窓の大きいパブリックスペース、ウォーターエリアのウッドデッキのスペースで安らぎ、ゆったりと暮らしの空間を楽しむことができます。営繕、清掃、リネンは専任の職員が担当し、安全で清潔な環境を維持しています。ゲスト(利用者)のニーズに合わせて外気浴や外食等の機会も設け、施設前の日本体育大学のキャンパス内を散歩できる機会もあります。

A-3 生活支援
【A7】A-3-(1)-① 入浴支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

●入浴スタッフの専任化はこの施設の大きな特長の1つであり、ユニットから浴室までの送迎を含む入浴介助を行い、ゲスト(利用者)の状態に応じた最適な入浴を提供しています。入浴専任スタッフの存在は、一般の介護職員の入浴業務の負担を削減し、ユニット内の本来業務に集中できるというメリットも生み出しています。入浴の形態はADLに沿って一般浴、個浴、機械浴、ミスト浴を使い分けて対応しています。入浴に先立ち、一般バイタル測定に加え、血中酸素濃度等の測定も行い、バイタルチェックは各居室で看護師が実施及び判断の下、問題のない方は入浴をしてもらっています。ゲスト(利用者)に応じて拒否や希望があった場合には同性介助対応を行うようにしています。通所介護利用者、利用希望者に向けてデイサービスのケアマネジャーから介護に必要な情報提供も行っています。

【A8】A-3-(1)-② 排せつの支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

●排泄について、排泄委員会を定例開催し、排泄に関わる諸問題を検討及び解決するよう取り組んでいます。自立を促すよう、できるだけトイレでの排泄を支援しています。トイレは、スウェーデン製の便器を採用し、背もたれが付き、立ち上がる際に摑まることができ、頭を保護するためにクッションカバーを付ける等、安全面にも配慮しています。排泄委員会は毎回、オムツメーカーの社員から排泄の業務改善についてアドバイスを受け、さらに勉強会を設けて職員の排泄ケアの知識を深めています。排泄時の事故防止については、トイレにセンサーを設置し、迅速な対応ができるようにしています。通所の利用者に関しても、家庭で使用しているオムツについて、適切なサイズを伝え、家族にもアドバイスを行っています。比較的失禁の少ないゲスト(利用者)に対しては、通気性が良く、皮膚トラブルのリスクが減少する布パンツを推奨し、排泄委員会が主導して施設として積極的に取り組んでおり、数十名のゲスト(利用者)が利用しています。

【A9】A-3-(1)-③ 移動支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

●移動支援については、ゲスト(利用者)の心身の状況を踏まえ、残存能力に注目し、できる限り自力で移動ができるよう理学療法士が各ゲスト(利用者)の状態に合わせた移乗・移動方法を検討し、支援しています。介助方法は個人別にケアプランを作成して進めています。ゲスト(利用者)には介護用歩行器の使用の方、補助杖、歩行器の方、車椅子(特殊車椅子も含む)の使用の方等に対して、これまでの福祉用具の反省・振り返りを行い、理学療法士が講師となって介護職員に勉強会を行い、適切な福祉用具を決めています。施設内はゲスト(利用者)が移動しやすい広さ、動線を整え、環境を整備しています。ゲスト(利用者)・職員に安全で負荷の少ない移乗を目的とする新たな試みとして、青葉ヒルズでは「移乗ボード」を導入し、座位移乗用、臥位移乗用の2種類を用意して有効と思われるゲスト(利用者)に対して順次移乗方法の変更を行っています。担当介護職員は理学療法士から個別指導を受け、移乗技術の習熟を図り、ケアの質の向上を高めています。

【A10】A-3-(2)-① 食事をおいしく食べられるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

●法人の「食は上薬にして医薬は下薬なり」を根幹に、食事を美味しく食べることは、ゲスト(利用者)の健康維持、ゲスト(利用者)の生き甲斐になるという意味で最重要だという考え方に基づき、食事は給食業者に委託せず、法人が保有するセントラルキッチンで調理した食事に施設内の厨房で調理した食事を加えて提供しています。施設で安心・安全な食材を調達し、厨房で美味しい食事を効率よく提供する体制を整えています。法人企画の「郷土料理」、施設独自企画の「ご馳走御膳」をはじめとする多彩な献立を工夫(シリーズ化等)し、ゲスト(利用者)の楽しみ、喜びを提供しています。また、嗜好調査を実施してメニューの改善に努め、食材の刻み等の加工、ご飯、汁物の提供は各ユニットで行い、適温での提供を行っています。食器は陶器を用い、視覚的にも触覚的にも美味しく食事ができるよう工夫しています。ゲスト(利用者)が出来る限り自分自身で食事ができるよう、一人ひとりの特性に応じた食形態で用意し、必要に応じて介護職員が食事介助を行っています。食事に関する情報はホームページにおいて法人の「龍岡会ご飯通信」施設の「たつのこ便り」で発信しています。厨房は食品衛生管理の徹底を図っています。

【A11】A-3-(2)-② 食事の提供、支援を利用者の心身の状況に合わせて行っている。

【第三者評価結果:a】

●食事の提供については、ケアプランの最重要項目の1つとし、管理栄養士だけでなく、他職種の職員も毎月のカンファレンスで検討し、嚥下機能の低下を考慮しながら安易にキザミ食やミキサー食等への移行を行わないよう、できるだけ自分で咀嚼する食事摂取ができるよう取り組んでいます。さらに、食事委員会を設け、一人ひとりの体調、嚥下機能を把握し、栄養面、食形態に配慮を行い、ゲスト(利用者)に応じた食事提供に努めています。食事委員会はケアプラン委員会を兼ねており、栄養摂取と体調管理を関連づけて検討しています。食事の喫食状況については食事摂取表に記録し、毎日ゲスト(利用者)の心身の状況を把握するよう努めています。また、通所のご家族との連絡・連携は連絡ノートを設け、その日の様子や体調等を密に伝え、情報共有しています。

【A12】A-3-(2)-③ 利用者の状況に応じた口腔ケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

●歯科医の往診は週2回設け、内1回は歯科衛生士から口腔ケアの指導を受けています。利用者の口腔ケアについては、口腔機能の保持、改善に取り組むことができるゲスト(利用者)には自主的に口腔ケアを行ってもらっています。自主的にできない方については各フロアの介護職員が歯科衛生士の指導を受け、不十分な部分を介助するようにしています。口腔ケアについては歯科衛生士からの指導の他、内部研修も実施して研鑽しています。口腔ケアに関しては経口維持加算、口腔衛生管理体制加算を取得しています。

【A13】A-3-(3)-① 褥瘡の発生予防・ケアを行っている。

【第三者評価結果:a】

●排泄委員会は褥瘡防止委員会を兼ね、月次でゲスト(利用者)ごとの状況把握と対策を検討しています。看護師・理学療法士が講師となって褥瘡予防勉強会を行い、褥瘡防止マニュアルを基に知識を習得すると共に、体位交換や福祉用具使用の実習を通じて、褥瘡防止の技術を向上させています。理学療法士は個別にポジショニングの確認、指導を行っています。センサー付エアマットや車椅子クッションを導入し、褥瘡を未然に防止する工夫を行い、褥瘡軽減の効果が出ています。

【A14】A-3-(4)-① 介護職員等による喀痰吸引・経管栄養を実施するための体制を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●介護職員による喀痰吸引は、特定行為業務従事者として認定された職員のみが行うことができる医療行為です。経管栄養は施設の看護師が該当のゲスト(利用者)に対して、安全性に配慮して実施しています。看護師、介護職員による喀痰吸引・経管栄養の実施については、考え方と管理者の責任を明確にし、手順や個別の計画を策定して実施しています。研修を修了した介護福祉士等に対して、喀痰吸引指導の資格を持った看護師が演習による指導を行っています。

【A15】A-3-(5)-① 利用者の心身の状況に合わせ機能訓練や介護予防活動を行っている。

【第三者評価結果:a】

●理学療法士が複数常駐し、ケアプランに機能訓練を加味し、全体のリハビリテーション体操の他に、ADL低下が見られるゲスト(利用者)に対する個別リハビリテーションも取り入れています。理学療法士は、通所では個別の機能訓練を行うと共に、一人ひとりに合わせた指導を行っています。受診や服薬が必要な場合は、ゲスト(利用者)に必要性を説明し、助言しています。また、リハビリテーションにおいて、普段車椅子を利用するゲスト(利用者)の歩行訓練では、1人で立ち上がって転倒事故を起こす危険性もあり、注意しながら支援しています。

【A16】A-3-(6)-① 認知症の状態に配慮したケアを行っている。

【第三者評価結果:b】

●認知症ケアについては年1回、長谷川式のチェックを実施しています。現在、特養のゲスト(利用者)全員がⅠ以上の認知症の症状があり、軽度(Ⅰ、Ⅱ)の方は22.6%、残りの77.4%はⅢ以上の認知症状があり、そのためユニットで一緒に生活し、手厚いケアに努めています。職員は、認知症の理解促進と対応方法について適宜、勉強会を開催し、フロア会議等で対策を検討し、対応しています。常に、ゲスト(利用者)中心の生活支援について検討し、安心して生活してもらえるよう一人ひとりの能力のアセスメントを実施し、共有してケアに当たっています。行動・心理症状(BPSD)があるゲスト(利用者)には一定期間の観察と記録をこまめに行い、医師に意見を求め、症状の改善に向けたケアや生活上の配慮を行い、安心して落ち着ける環境作りの工夫に努めています。また、精神科医師の回診は月2回あり、精神科医療指導加算を取得しています。

【A17】A-3-(7)-① 利用者の体調変化時に、迅速に対応するための手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●ゲスト(利用者)の日々の体調の変化は、個人ファイルの中のケアプラン附表の体調管理表により管理しています。顔色を見て健康状態を感知し、体調管理表により確認しています。また、日々の体調管理に加え、嘱託医が毎週回診を行い、体調変化に留意しています。急変時の対応についてはマニュアルを備え、急変時の対応研修を実施し、体制を整えています。救急搬送が生じた場合は、事前に「ご家族との約束ごと」(例:延命処置について等)を確認し、対応するよう徹底しています。その際、日中は看護師が対応し、夜はオンコールの看護師が医師に連絡して迅速に対応するよう体制を整えています。また、薬の知識をもとに、状態が薬の副作用かについても把握しておくことも心得て対応しています。職員は、職員間で関係職員に個別に連絡し、他部門との連携を図るようにしています。

【A18】A-3-(8)-① 利用者が終末期を迎えた場合の対応の手順を確立し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●終末期の対応については看取り対応のマニュアルを整備し、方針と手順を明らかにしています。ご家族に看取りの意思を確認し、嘱託医から看取り段階である説明を受け、ご家族、職員、医師の三者で話し合い、合意書を交わした上で終末ケアをご家族と共に考えて実施しています。職員に対しては毎年、終末期のケアに関する研修を実施しています。年間約10件の看取りの実績があり、ゲスト(利用者)の担当職員等に対しては精神的なケアも心がけています。特に、ターミナルケア時にはゲスト(利用者)の居室に好きな写真や絵を飾り、花を活ける等、環境を整え、居室にソファーベッドを用意して宿泊もできる等、ご家族が一緒に過ごせるよう配慮しています。また、ゲスト(利用者)がご逝去されたときには、アート部職員が施設での思い出のアルバムを作成し、ご家族にお渡ししています。

A-4 家族等との連携
【A19】A-4-(1)-① 利用者の家族等との連携と支援を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

●青葉ヒルズでは、ご家族の面会回数が多く、面会時にはゲスト(利用者)の状況を伝えています。受付では生活相談員が常駐し、ゲスト(利用者)のご家族を手厚い体制で対応しています。生活相談員はご家族と密に連携を図り、相談・報告すべき事項等について伝達漏れのないよう努め、面会時にはご家族と介護職員との交流の機会も設けて支援しています。生活相談員が中心で対応する体制は他に類を見ない取り組みであり、この施設の特長の1つです。さらに、子ども連れでの来訪者には、専用のプライベートラウンジを提供し、他のご家族へも配慮しています。面会制限をせざるを得ない場合にはSkype(スカイプ)を活用したWeb面会を実施する等、ゲスト(利用者)・ご家族の思いを重視した支援に努めています。

A-5 サービス提供体制
【A20】A-5-(1)-①  安定的で継続的なサービス提供体制を整え、取組を行っている。

【第三者評価結果:c】

●この項目は訪問介護事業対象であり対象外となります。