社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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百合丘日中活動センター

2021年03月08日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 公益社団法人神奈川県介護福祉士会

② 施設・事業所情報
名称 百合丘日中活動センター 評価対象サービス 障害者・児福祉サービス版
対象分野 生活介護, 自立訓練(生活訓練), 就労移行支援, 就労継続支援(B型) 定員 56 名
所在地 215-0011
川崎市麻生区百合丘2-8-2
TEL 044-281-6141 ホームページ http://kfj.or.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2008年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人川崎市社会福祉事業団
職員数
常勤職員:10 名
非常勤職員:5 名
専門職員
社会福祉士:3 名
作業療法士:1 名
介護福祉士:4 名
看護師:1 名
施設・設備の概要
作業室:4

③ 理念・基本方針
<法人の基本理念>
・基本的な方向性
 法人の魅力と強みを活かした質の高いサービスの提供と地域包括ケアシステム構築に向けた取組みの推進
①充実した質の高いサービスの提供
 時代やニーズの変化を先取りした新しい福祉サービス、地域の人々や利用者から信頼され選ばれる福祉サービスの提供をめざします。
②地域に根ざした施設運営
 地域に根ざした福祉活動を通じて、豊かな地域福祉社会の発展に寄与します。
③人材の確保・定着・育成
 福祉の生命線である人材の確保・定着・育成に全力をあげて取り組みます。
④法人の経営基盤の整備
 充実した質の高いサービスの提供や地域に根ざした施設運営が行えるよう、運営基盤の充実・人事管理体制の確立・多角的な事業経営に取り組みます。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
○「百合丘日中活動センター」は、川崎市北部リハビリテーションセンターの1階フロアにて、市の指定管理者の指定を受けた多機能型事業所として、就労移行支援事業、就労継続支援B型事業、生活介護事業、生活訓練事業の4事業を提供している。北部リハビリテーションセンターの2、3階には、「障害者センター」や「地域生活支援センター」、「就労援助センター」などがあり、地域で生活を送る障害者を対象とした複合施設として機能している。
○「百合丘日中活動センター」の利用者には、身体障害や知的障害、高次脳機能障害、行動障害など様々な障害があるため、センターの福祉職や作業療法士、看護師がチームを組んで支援するとともに、北部リハビリテーションセンター内の「障害者センター」などのリハビリテーションの専門職やケースワーカーとも常に連携をとり、障害者の社会生活を支えている。
○「百合丘日中活動センター」の利用者には、医療的ケアが必要な方がおり、また、地域には医療的ケアが必要で、活動の場に通うことができない方が多く暮らしている。そのため、スタッフが喀痰吸引の研修会に参加し、受け入れ体制の強化を図っている。自力や家族の送迎では通所できない利用希望者のために、送迎車両の空席を「ルート座席表」にて確認し、でき得る限り多くの方が利用できるよう取り組んでいる。現在は1名だけだが、自宅での入浴が困難な利用者の自立した生活に向け、入浴のサービスも提供している。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2020/10/27(契約日) ~2021/02/05(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 3 回(2014年度)

⑥総評
特に評価の高い点 ◇事業所の特色や努力、工夫していること、事業所が課題と考えていること等
○就労移行支援事業(定員20名)は、中途障害の方が中心で、多くの利用者が元の職場への復帰を望んでいる。利用者本人とスタッフが話し合い、何ができるのか、通勤は可能なのかなど、具体的な計画を立てて、「就労を継続しながら生活する」ことを目指している。事務課題や実務課題、軽作業、パソコン、グループワークなどのプログラムで適性を評価し、復職の活動を支援している。
○就労継続支援B型事業(定員20名)は、知的障害や精神障害、発達障害のある方が多く利用している。受注作業を中心に仕事を提供し、利用者はそれぞれの障害に応じた、希望する仕事に就いている。現在、9社から仕事を受注しているが、工賃を上げるため、新しい受注先を開拓している。また、公園などの清掃や余暇活動(外出や外食など)も行っている。
○生活介護事業(定員10名)は、介護が必要な障害支援区分3以上の方を対象にして、作業やレクリエーション、ボッチャなどのスポーツ、健康管理、創作活動、外出・外食など、様々なプログラムを提供している。利用者の生活の質の向上や、心身機能の維持・向上、社会参加の促進に取り組んでいる。希望者には送迎サービスを行っている。
○生活訓練事業(定員6名)は、障害がある方が、本人の能力を発揮して、自分の生活スタイルを作ることができるよう支援している。生活リズムや体力づくりなどのプログラムに参加する中で、「どんなことがしたいか、どんなことができるか」を、スタッフとともに考えている。週1回、生活訓練事業を終了した方々の「トマトの会」(主に主婦の方が会員)がセンター内で交流している。
○利用者から定期的に話を聴く時間を設けている。利用者本人から申し出があった時には、時間を作り、すぐに話を聴くようにしている。言葉の表出が困難な方には、コミュニケーションノートを活用したり、写真や絵などを提示し、本人が決定できるようにしている。片麻痺や四肢麻痺の方へのアプローチも行い、重い障害があっても、本人の思いをくみとり、本人を主体に置き、利用者自身が自分の生活を考えていくことができるよう取り組んでいる。作業や日常生活の手順書を絵や写真、図を使って作り、人に確認しなくても、自分で行うことができるように支援している。
○北部リハビリテーションセンターの機能を活かし、「障害者センター」のリハビリテーションの専門職と連携し、利用者にリハビリテーションを提供している。リハビリテーションは単なる機能訓練ではなく、生活をもっと暮らしやすくするため、外出をするため、就労するためには、その人にとって何が困難なのかを考え、よりその人の望む生活に近付けて行くことを目標としている。身体機能の向上だけが目的ではなく、より良い生活を送るための訓練を目的としている。
○新型コロナウイルスの影響で、就労移行支援事業の稼働率の低下などが見られる。今年度の事業計画の重点目標に、①就労移行支援事業の稼働率の向上、②就労継続支援B型事業の目標工賃の達成をあげている。①については、地域の関連事業所に就労移行支援事業の取り組みや実績を伝える機会を設け、利用率の向上につなげていくこと、②については、受注内容を適宜見直し、受注先の新規開拓を続けて、平均工賃月額10,000円を目指すことをあげている。
○事業計画の内容に沿って、4月に正規職員は「目標管理シート」を、契約職員は「業務管理シート」を作成している。管理シートは、担当の業務を明確にし、個人目標とチーム目標を立て、年度末に本人評価、上司による達成評価、センター長との面談につなげている。事業計画に沿った具体的な目標を立て、PDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)に基づいて評価し、次の取り組みにつなげている。
改善を求められる点

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
 事業所開所12年目、第三者評価受審は3回目となります。当日のヒアリングに関わった職員6人は皆初めて評価に携わりました。私自身着任して2年目、今年度の異動者が2名と新たな事業所勤務での状況把握をするうえで、事業所の運営体制や必要な書類が整っているかの確認と多くの気づきを複数人で情報共有したことそのものが大変有意義な時間となりました。多機能型の事業所としての特徴を活かしつつ、従前より気になっていた事項や今回評価の低かった項目については早めに改善し、質の高いサービスの提供ができるよう心がけていきたいと思います。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

基本理念や基本方針は、法人のパンフレットやホームページに記載している。基本方針は事務所内に掲示する他、北部リハビリテーションセンターの基本理念も、廊下や食堂に掲示している。また、基本理念や基本方針は、法人の階層別研修のうち、特に新人職員を対象とした研修会の場で職員に説明し、周知している。利用者や家族には、契約時や年2回程度開催する事業報告会(家族向け説明会)の場で、基本理念などを周知するよう努めているが、わかりやすい表現にするなど、工夫が必要と捉えている。年1回、利用者満足度調査を郵送で行い、基本理念の理解についても確認している。満足度調査は、法人内の他事業所で集計し、個人が特定できないよう配慮している。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

新型コロナウイルスの影響で今年度はズームでの会議になっているが、月1回、法人内の各施設の施設長が集まり、経営状況の分析を行っている。施設長会議では、各施設の稼働率や昨年度との比較などを行っている。利用者に関する潜在的なニーズは、「川崎市ノーマライゼーションプラン改訂版」や川崎市地域自立支援協議会で課題を把握しているが、具体的なデータをつかむところまでには至っていない。新型コロナウイルス対策として、作業室や食堂のソーシャルディスタンスの確保、不要不急時に通所を控えてもらうことなどを行い、それらの対応で低下した稼働率をどうするか大きな課題となっている。他事業と比較して、社会的な責任もあることから、慎重な対応が求められている。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:a】

毎月の施設長会議で把握、共有した課題は、月1回開催する所内会議で、センター長から職員に報告するとともに、文書を回覧している。具体的には、就労移行支援事業の稼働率の落ち込み(利用者の出席日数の減少)があり、今年度の重点項目に稼働率の向上をあげ、区内の関係機関に働きかけを続けていく予定である。就労継続支援B型事業においても、平均工賃が1万円を超えるよう、現在9社ほどから作業を受注しているが、新規の受注作業先の開拓を行っている。法人内の他施設や川崎市障害者施設事業協会などにも働きかけを行っている。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

法人全体で「社会福祉法人川崎市社会福祉事業団、中長期計画(平成3年度~令和10年度)」を策定し、地域貢献、災害対策、利用者本位の確立、利用者サービスの向上、人材の確保・定着・育成について取り組んでいる。理事長が各施設を巡回し、現場の職員の声を聴くとともに、理事長のメールアドレスを職員に公開し、いつでもアクセスできるようにしている。また、人材採用ツール担当に、インターネット関連に習熟した職員を配置している。今年度は理事長が率先して、給食や清掃などの委託業務の経費削減に取り組んでいる。以前、法人内の他事業所で請求についての不適切な対応があったことから、コンプライアンス(法令遵守)とガバナンス(管理)の強化を図っている。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:a】

中長期計画を踏まえた単年度の事業計画は、実現が難しい大きな計画ではなく、実行可能な内容としている。事業計画の内容に沿って、4月に正規職員は「目標管理シート」を、契約職員は「業務管理シート」を作成している。管理シートは、担当の業務を明確にし、個人目標とチーム目標を立て、年度末に本人評価、上司による達成評価、センター長との面談につなげている。事業計画に沿った具体的な目標を立て、PDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)に基づいて評価し、次の取り組みにつなげている。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

正規職員の会議や、嘱託職員も含めた所内会議にて職員の意見を取り入れ、また2階の障害者センターのケースワーカーとの会議の内容などをもとに、評価、見直しを行い、センター長が事業報告書と事業計画書を作成している。事業報告や事業計画の内容は、法人の理事会、評議員会に諮り、所内会議の場で、書面を配布して、センター長から職員に説明し、周知している。事業計画の内容に沿って、職員全員が「目標管理シート」や「業務管理シート」を作成している。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、利用者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:c】

事業計画書はファイルし、事務所前のラックに置き、利用者や家族がいつでも閲覧が可能なようにしているが、配布などは行っていないため、今後は事業報告会で家族に配布し、説明ができるようにしていきたいと考えている。配布する資料は、よりわかりやすいよう、工夫が必要と捉えている。利用者への説明は、どのような形が良いか、今後の取り組みの課題としている。利用者が「連絡帳」を活用しており、余暇活動については「連絡帳」に記入したり、書面を配布して、周知を図っている。今後は、北部リハビリテーションセンターのホームページの活用も視野に入れて、計画の内容の周知を図っていきたいと考えている。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

全職員を対象に、「目標管理シート」と「業務管理シート」の作成を行っている。職員が事業計画に沿った目標を立て、PDCAサイクルを意識することで、提供する福祉サービスの質の向上に向けた取り組みにつなげている。正規職員、契約職員とも、年2回、センター長との定期面談を行い、目標の達成状況と評価を行っている。場合によっては、3回以上面談する職員もいる。第三者評価も定期的に受審し、今回が3回目の受審になる。また、法人内他施設の実地指導などの内容を共有し、アセスメントシートをあらためて整備するなど、質の向上に向けた取り組みを組織的に行っている。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:a】

事業所内の報告、連絡、相談の体制を強化するため、今年度より、週1回、事業運営会議を開催している。事業運営会議は、センター長と主任の他、北部リハビリテーションセンターの館長も参加して、あらためて事業所の基盤作りを行っている。業務分掌の細分化や各種打ち合わせ、委員会の創設など、業務の視覚化や効率化に取り組んでいる。送迎に空きがなく、通所できない利用希望者がいることから、送迎打ち合わせを行い、送迎車両の空席を「ルート座席表」にて確認している。また、地域貢献検討チームを立ち上げ、建物周辺の園芸活動をすすめていく予定である。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

業務分掌に、センター長の役割について明記しているが、会議や研修の場などで特に表明などは行っていない。また、広報誌も発行していないことから、今後は何らかの形で発信していくことができるよう、検討課題としている。災害や事故などにおけるセンター長の役割と責任については別途定めており、センター長不在時の権限委任はセンター長補佐を置き、明確にしている。建物の周辺に土砂災害の危険があり、今年度、北部リハビリテーションセンター全体で、「土砂災害に備えて」を作成している。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

遵守すべき法令などを正しく理解するために、「事業者ハンドブック」にて、不明な点はすぐに確認している。法人内の他事業所で、請求関係の不適切な対応があったことから、特に注意を払うようにしている。請求関係の業務はセンター長が担っており、事務担当や現場の職員と実績表などのダブルチェックを行い、間違いのないようにしている。今年度、事業運営会議を立ち上げ、事業所内の決定機関として位置付けている。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

提供する福祉サービスの質について、定期的、継続的に評価、分析を行い、不足している部分については改善策を、職員に提示している。センター長に就任して2年目になることから、課題を把握し、今年度、積極的に見直しを行っている。コロナ禍における事業運営については、職員の意見を取り入れ、作業室や食堂のソーシャルディスタンスを多く行っている。職員研修については、これまでセンター長が決定していたが、今年度より、センター長と研修委員2名の研修委員会で、計画を立てて進めている。研修委員会では、職員に研修希望アンケートを行い、外部研修派遣者を選び、内部研修のテーマを決めている。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

法人全体で人事考課制度を取り入れ、スケジュールに沿って実施している。職員の評価は、北部リハビリテーションセンターの館長とセンター長が協働して行っている。労務管理の面では、時間外勤務については、事前に「時間外申請用紙」にて申請するとともに、でき得る限り、時間内に業務を終了することができるよう指導している。また、職員一人ひとりの業務の見える化を行っている。職員の働きやすい職場作りとして、フリーの職員を置き、その日に負担が大きい4事業のいずれかに配置している。コロナ禍の中、作業室内のレイアウト変更、事務所内などの物品整理、書類の整理を行い、就労移行支援事業の利用率の向上に向け、他機関の訪問、送迎受け入れ体制の見直しなどに取り組んでいる。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:a】

福祉人材の確保については、法人全体で取り組んでいる。採用計画に基づき、各種相談会や若手職員の出身学校への同行、就職フェアの参加などを行っている。法人内の高齢者施設では、外国技能実習生の受け入れも行っている。人材確保は法人の中長期計画の課題にもあげ、これまでは事務局のみで採用方法を検討していたが、インターネットの活用に習熟した若手職員の意見を積極的に取り入れることとして、採用ツール担当者としている。採用ツール担当者の話し合いは、2ケ月に1回程度、ズームで行っている。人材の育成は、法人に研修委員会を置き、階層別の研修を行っている。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

法人全体で人事考課制度を取り入れ、総合的な人事管理を行っている。職員の評価は、北部リハビリテーションセンターの館長とセンター長が協働して行っている。事業計画の内容に沿って、4月に正規職員は「目標管理シート」を、契約職員は「業務管理シート」を作成している。管理シートは、担当の業務を明確にし、個人目標とチーム目標を立て、年度末に本人評価、上司による達成評価、センター長との面談につなげている。管理シートや面談から把握した職員の意向や意見、評価、分析などに基づき、改善策を検討している。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

10~12月に職員の異動希望調査を実施している。また、職員の心身の健康と安全の確保のため、ストレスチェック表の実施、産業医との面談、腰痛に関するアンケートも行っている。職員が働きやすい職場作りとして、1時間だけでも休みを取ることができる時間休制度を作り、来年度より実施する予定である。川崎市福祉勤労共済や神奈川県福利協会に加入し、職員の福利厚生に力を入れている。レクリエーションなどへの参加は、法人で助成金を出している。また、障害、高齢、保育の各事業に対して、平成30年度より統括参事を置き、統括参事が各施設を巡回して、職員の声を聴く場を設けている。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

法人が期待する職員像は、「職員規範」に定めている。センター長としては、「今を良しとしないで常に改革の意識を持って毎日の仕事に携わってほしい、利用者の支援を中心に置いて働いてほしい、利用者を尊重した支援を常に心掛け取り組んでほしい」と、思っている。事業計画の目標達成に向け、職員一人ひとりが「目標管理シート」や「業務管理シート」にて、個人目標とチーム目標を設定している。管理シートの達成状況は、年2回のセンター長との定期面談や随時の面談で、確認している。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:a】

法人内に研修委員会を置き、階層別の研修などを企画、開催している。研修内容やカリキュラムは、職員の意見を集約して検討している。毎年2月頃には、法人全体で研究発表会を開催している。内容は「川崎市社会福祉事業団研究発表会抄録集」にまとめている。今年はコロナ禍でズーム研修で行っている。また2月には、北部リハビリテーションセンター合同の業務発表会を開催し、職員の研鑚の場としている。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

職員の専門資格の取得状況は、「履歴事項変更届」の提出で確認し、資格者証のコピーを保存して把握している。有期限の資格については、資格を失効しないよう注意している。法人として体制などに必要な資格の一覧表を作成し、受講計画を立てている。法人の研修委員会において、階層別研修や職種別研修、テーマ別研修を実施している。また、障害者センターと合同で権利擁護や意思決定支援の研修会を開催する他、所内では福祉用具や高次脳機能障害の研修会を開催している。所内の研修委員会では、外部研修について検討すると同時に、派遣者が偏らないよう調整している。

【20】Ⅱ-2-(4)-① 実習生等の福祉サービスに関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習担当を置き、基本的なマニュアルを作成して、高校生の福祉体験の受け入れや、単位取得に関わる介護実習の受け入れを行っている。昨年度は、作業療法士志望の高校生に対して、作業療法士の動きを学ぶことができるようカリキュラムを工夫している。障害者センターの在宅支援室で受け入れた実習生に対しても、短時間だが、直接支援の現場実習を提供している。指導教員とも連携している。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

法人のホームページに、理念や基本方針、提供する福祉サービスの内容、事業計画、事業報告、予算や決算の情報、第三者評価の受審状況などを掲載し、運営の透明性を確保するための情報公開を行っている。法人のホームページでは、理念や基本方針、法人内の事業所も紹介している。北部リハビリテーションセンター、日中活動センターではパンフレットを用意してはいるが、広報誌や掲示板などがなく、地域への発信力が弱いため、今後の課題としている。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

新型コロナウイルスの影響で今年度はズームでの会議になっているが、月1回、法人内の各施設の施設長が集まり、経営状況の分析を行っている。施設長会議では、各施設の稼働率や昨年度との比較などを行い、経営や運営の透明性を図っている。財務に関しては、法人本部の経理担当と毎月の試算表の状況をチェックする仕組みを作っている。外部監査法人による監査を年1回行い、指摘事項についてはその都度、「改善書」を提出して対処している。法人の顧問弁護士にいつでも相談できる体制を整えている。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

今年度はコロナ禍で開催できなかったが、10月に「北リハフェスティバル」を開催し、利用者と地域との交流を深めている。「北リハフェスティバル」では、小学校や大学の合唱や演奏、バルーンアートによる大道芸、縁日、市のゆるキャラ「うさっぴぃ」探しなどを楽しんでいる。利用者の外出や通院時には、タクシーの障害者割引やタクシー券の利用、介護タクシーの利用など、社会体験をしている。個別支援計画に基づき、新百合ヶ丘にある映画館に行ったり、ウィンドウショッピングや食事会をするなど、様々な機会を設けるようにしている。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:c】

受け入れ担当を決め、一昨年までパソコンのボランティアが活動していたが、現在、ボランティアの活動はない。ボランティア担当で打ち合わせを行い、今後の受け入れについて検討していく予定である。また、コロナ禍において、ボランティアをどのように受け入れていくか、マニュアルの作成も必要と考えている。園芸や館内の行事、パソコン、生活介護事業での受け入れなどを検討していく。区内の大学3校や、高校の福祉サークルへの働きかけも視野に入れていく。掲示板なども作成し、事業所から積極的に発信していく必要があると捉えている。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 福祉施設・事業所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

必要な社会資源は、麻生区地域自立支援協議会作成の福祉施設紹介の冊子や、市が発行する「ふれあい」、「かなジョブナビ」など、地域で協力して作成した資料を活用して明確にしている。川崎市障害者施設事業協会、高次脳機能障害者支援事業所ネットワーク、就労移行支援ネットワーク会議など、事業運営に関係する団体の会議などに参加して、連携を取るようにしている。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

週1回、生活訓練事業を終了した方々が運営する「トマトの会」(主に主婦の方が会員)の交流の場を事業所内に確保している。地域のニーズ把握は、麻生区社会福祉協議会や川崎市地域自立支援協議会、川崎市障害者事業協会施設長会などで、情報を収集し、課題を共有している。医療的ケアが必要な方がサービスを利用できないこと、中途障害の方が利用する場がないこと、グループホームが少ないことなど、地域の中には様々な課題があると捉えている。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

今年度はコロナ禍で中止したが、年1回開催している「北リハフェスティバル」では、福祉作業所の出店、ボッチャなどのパラスポーツの紹介などを通じて、啓発活動を行っている。ただし、地域の他機関との連携は行えていない現状がある。防災対策については、二次避難所としての運営について市と検討をすすめている。現状では、必要な備品についてのリストアップや、その保管場所について検討している段階である。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 利用者を尊重した福祉サービス提供について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

利用者の呼称は、「○○さん」と声かけするよう統一している。日頃から、利用者を尊重した福祉サービスの提供を意識し、何か問題が起こった時は、法人の基本理念や倫理綱領に基づいて対応している。年1回、職員が「セルフチェックシート」に取り組んでいる。「セルフチェックシート」の結果から、改善した方がよい項目は、事業計画書に記載することとしている。今年度、意思決定支援と身体拘束について、取り組みを進めることを決めている。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 利用者のプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

利用者のプライバシーの保護は、契約書に明記し、利用契約時に、利用者や家族に内容を説明している。法人で「個人情報保護に対する基本方針」を定め、ホームページにも掲載している。各会議や職員の研修会の場においても、利用者のプライバシーの保護について理解を深めている。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して福祉サービス選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

法人のホームページを更新し、また、パンフレットの内容を適宜見直して、利用希望者に対して、必要な情報を提供するよう努めている。紙媒体では配布していないが、いろいろなサイトからアクセスして、確認できる体制を整えている。利用希望者や家族に対しては、個別に丁寧な説明を行い、希望に応じて、見学や体験などができるよう対応している。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 福祉サービスの開始・変更にあたり利用者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

福祉サービスの利用に際しては書面を用いて説明しているが、ルビなどは振っていないので、利用者の特性に合わせ工夫や配慮を行い、分かりやすく内容を説明している。今後は、意思決定支援について研修を行う予定なので、それを経て、一定のルール作りを検討する予定である。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 福祉施設・事業所の変更や家庭への移行等にあたり福祉サービスの継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

福祉施設や事業所の変更では、本人の同意のもと、「引き継ぎ書」を作成している。北部リハビリテーションセンターは、失語症のグループや高次脳機能障害の活動グループなど、障害を持つ方々が多く利用しており、日中活動センターのサービス利用を終了したあとも、さまざまな相談に対応できる体制を整えている。北部リハビリテーションセンター内で、利用者の情報を共有する仕組みも構築している。現在、生活訓練事業を終了した方々の「トマトの会」が定期的に集まりを持っている。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

年1回、利用者満足度調査を実施している。満足度調査では、医療的ケアが必要な利用者から利用回数を増やしたい、女性のロッカーが狭いので広くしてほしいなどの希望があがっている。利用者の希望は、できるだけ可能となるよう検討をつづけている。就労継続支援B型事業では、金曜日のミーティングの時間に、利用者に自分の思いを話してもらう時間を設け、一人ひとりの思いを知り、意見や希望を吸い上げている。年間のスケジュールを立てる際には、外出先の検討など、利用者も一緒に参加している。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

苦情解決の仕組みは、利用契約時に、「重要事項説明書」を用いて、丁寧に説明している。また、苦情解決の仕組みは、利用者が分かりやすいようルビを振り、利用者のロッカー前に掲示している。玄関前には、意見箱も設置している。苦情を受け付けた際には、所内で内容を検討し、北部リハビリテーションセンター調整会議内の苦情検討委員会で内容を共有し、その後の対応について協議し、サービスの質の向上につなげている。苦情内容や対応については、公表はしていない。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、利用者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

利用者からの相談については、いつでも対応できることを口頭で説明しているが、文書などでは示していない。利用者は、電話やFAX、メール、LINE、意見箱、直接の面談などにて、意見や希望を述べている。面談で意見を聴く際には、個別に対応できる部屋で行い、利用者のプライバシーの保護に配慮している。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 利用者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画策定時の聴き取りや、個別の相談、意見箱、年1回の利用者満足度調査、メールやLINEの相談などで、利用者の思いを汲み取っている。利用者満足度調査は法人全体で取り組み、内容の検討や改善計画、実施後の状況を記録し、事業報告会で報告している。医療的ケアが必要な方から利用日数を増やしたいとの相談については、職員の喀痰吸引研修の派遣につなげている。食堂のテーブルの高さ調整の希望については、他の利用者の状況確認や動線の確保の検討につなげている。利用者には多少時間がかかっても、対応策を検討することを伝えている。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

センター内のリスクマネジメントは、事故防止や防災訓練、不審者対応訓練、コロナ対策を含めた感染症の対応、ソーシャルディスタンス、換気など、それぞれマニュアルを整備して対応している。併せて、対応と安全確保について、責任や手順を全職員に周知し、研修会を開催している。送迎時の事故発生についての検証では、送迎車のリフト操作、安全運転ポイントの確認、運転手を交えての走行研修、添乗者の役割確認などを行っている。内部研修として年間スケジュールを立て、AEDの使用方法、高次脳機能障害がある方の支援、移乗に関する福祉機器(カール君)の体験などを行っている。今年度より、ヒヤリハットの打ち合わせを始めている。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における利用者の安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

「感染症予防マニュアル」を整備して、職員に周知している。感染症発生時の対応も明記しているが、マニュアルの定期的な見直しは不十分であると捉えている。今回の新型コロナウイルスの対策では、消毒薬の設置、室内の換気、マスクの着用などを行っている。マスクの不足時には、利用者にマスクを配布している。また、昼食の介助時にはフェイスシールドを着用し、ソーシャルディスタンスとして座席の配置換えなどを行っている。昼食はこれまで2部制で提供していたが、3部制としている。併せて各事業の活動時間の見直しも行っている。手洗いやうがいの正しい方法を、イラスト付きでわかりやすく掲示し、利用者への周知を図っている。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における利用者の安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:a】

北部リハビリテーションセンターの統括防火管理者として、日中活動センターのセンター長が防災計画を作成している。年2回、北部リハビリテーションセンター合同で、防災訓練を行っている。建物は一部駐車場が土砂災害危険地域に指定されているため、対応訓練も行っている。BCP(事業継続計画)については館内連携が必要なため、北部リハビリテーションセンター全体で案を作成して、市に提出している。災害時の職員の安否確認は、主にLINEグループで行い、LINEを利用していない職員はセンター長とメールで確認することとしている。利用者に対しては、緊急連絡ファイルを整えている。食糧の備蓄は、3日X60人分があり、備品類を徐々に揃えている。二次避難所としての機能もあるが、地域との合同訓練は実施できていない。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 提供する福祉サービスについて標準的な実施方法が文書化され福祉サービスが提供されている。

【第三者評価結果:a】

提供する福祉サービスの実施方法は、センター日誌や各事業の作業日報、給食予定表、事業ミーティング、所内会議や各種打ち合わせで検討し、文章化している。実施方法の最終的な判断は、事業運営会議の場としている。日中活動センターでは4つの事業を運営しているため、職員は2事業以上を担当しており、それぞれの事業が一定水準を保つことができるよう努めている。利用者の個別性に着目して、支援している。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

利用者からの意見、個別面談時の聴き取り、意見箱、事業説明会、利用者満足度調査などで、利用者の声や思いを聴き、提供するサービスの実施方法の見直しにつなげている。個別支援計画については、書式に不備な点があったため、個別支援計画検討会議を設け、一連の流れや内容を確認し、現在、変更を検討中である。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

インテーク(ケースワークで行われる最初の面接)やアセスメントについては、地域との関係もあるので、在宅支援室のケースワーカーも同席して行っている。アセスメントシートは、現在、新しい書式を作成中である。個々の特性に応じて、個別支援計画を策定している。対応が難しい利用者の例では、復職を目指して就労移行支援事業を利用していたが、職場での受け入れが難しく退職になったケースがあった。障害者雇用での就労を目指すことになったが、手帳を所持していなかったため、手帳取得に向け通院などの同行を行い、高次脳機能障害での手帳取得につなげることができた。手帳取得によって就職先の選択肢が広がったケースがある。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:a】

個別支援計画は、一連の流れに沿って策定している。市では利用者の誕生月末で、受給者証の期限が切れるため、有効期間の流れに沿って、個別支援計画の策定や見直しを行うことに変更している。モニタリングでは、目標の達成状況やニーズの再確認、課題などを整理している。体調の変化などにより、緊急に個別支援計画を見直す場合も、臨機応変に対応するようにしている。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 利用者に関する福祉サービス実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

利用者台帳や個別支援計画書、計画に基づく記録類を整備している。利用者の情報は文書に記録し、朝夕のミーティングで報告している。月2回、北部リハビリテーションセンターの在宅支援室と合同でカンファレンスを開催し、利用者の支援の方向性やゴールの確認、支援内容の検証などを行っている。ネットワークの環境を整備し、共有サーバーを介して、情報の共有や記録ができる仕組みを作っている。プライバシー保護の観点から、パスワードを設定している。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 利用者に関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:a】

利用者の記録の保管や、保存、廃棄、情報の提供については、規程に基づき行っている。記録管理の責任者は明記していないが、センター長が管理を行っている。情報開示請求については、契約書に記載し、契約時に利用者や家族に説明している。記録類は主に電子データのため、パスワードを設定するとともに、外部サーバーにつないでいないパソコンで保管している。個人情報保護の遵守は、日常的に職員に注意を促している。


評価結果内容評価

A-1 利用者の尊重と権利擁護
【A1】A-1-(1)-① 利用者の自己決定を尊重した個別支援と取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

就労継続支援B型事業では、忘年会のケーキをどれにするか、口頭ではなく、写真でいくつかのケーキを提示し、好きなものを利用者が選んでいる。また、道に迷うなどの地誌的記憶が低下している方には、作業室までの案内板に矢印をつけ、視覚的情報を提供して、自力で戻ることができるようにしている。月末の金曜日には「お疲れ様会」を開催し、利用者の自主性を引き出すため、利用者が順番に司会を担い、「ひとことタイム」の時間を設け、全員が自分の今の気持ちを話している。今まで言葉がなかなか出なかった利用者も、話ができるようになっている。生活介護事業では、本人の意向を確認し、場所を選び、個別外出を行っている。

【A2】A-1-(2)-① 利用者の権利侵害の防止等に関する取組が徹底されている。

【第三者評価結果:b】

北部リハビリテ―ションセンター全体に権利擁護委員会を置き、権利侵害の防止などの取り組みを行っている。権利擁護委員会は、毎月、定期的に開催し、虐待が発生した場合には、再発防止策を検討することとしている。保護者が亡くなった利用者に対して、親族から権利侵害があり、相談支援につなげてグループホームへ入居した例などがある。虐待の届け出手順は、市がフローチャートで示し、集団指導も行っている。集団指導の内容は、伝達研修で全職員に伝えている。現在、「百合丘日中活動センター身体拘束等廃止マニュアル」の作成に着手している。

A-2 生活支援
【A3】A-2-(1)-① 利用者の自律・自立生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

利用契約時、家族が記入した「利用者状況表」をもとに、身体状況や趣味、本人のできることなどを確認し、日中活動センターでは何をやりたいのか、どの仕事がよいかなどを聴く機会を多く作っている。メール便(ポスティング)の仕事の時は、職員と一対一の時間が持てるので、本人の要望や意見を聴く良い機会としている。現在、4事業共通の「アセスメント表」の作成に取り組んでいる。利用者一人ひとりの状況を把握して、利用者が自主的に活動できるよう支援している。

【A4】A-2-(1)-② 利用者の心身の状況に応じたコミュニケーション手段の確保と必要な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

言葉が不自由な利用者に対し、文字盤や絵カード、視線文字入力など、一人ひとりの状態に合ったコミュニケーション機器を活用している。館内の障害者センターの言語聴覚士と連携し、その方にあった機器を活用して、コミュニケーションが適切に取れるよう工夫している。言葉を出すことはできないが、簡単な質問に答えられる方には、ジェスチャーで「イエス」「ノー」を答えてもらっている。

【A5】A-2-(1)-③ 利用者の意思を尊重する支援としての相談等を適切に行っている。

【第三者評価結果:a】

利用者から定期的に話を聴く時間を設けている。利用者本人から申し出があった時には、時間を作り、すぐに話を聴くようにしている。もっと仕事を増やしてほしい、違う仕事がしたいなど、利用者から申し出があった場合も、なぜそう思うのか、工賃が安いと思っているためか、ここがいやなのかなど、丁寧に確認して対応している。言葉の表出が困難な方には、写真や絵などを提示し、本人が決定できるようにしている。ケーキを選ぶ際も、数種類のケーキの写真を提示して選んでもらっている。就労や通所先の希望、生活の相談などに対して、障害者センターの職員と連携し、利用者本人と問題点などを話し合いながら支援している。

【A6】A-2-(1)-④ 個別支援計画にもとづく日中活動と利用支援等を行っている。

【第三者評価結果:a】

就労移行支援事業と就労継続支援B型事業は、仕事が活動の中心になるが、ボッチャやフリスビーなどのスポーツ、忘年会などの行事も楽しんでもらっている。就労継続支援B型事業では、金曜日午後に「お疲れ様会」を行い、利用者の自主性を引き出すため、利用者が順番に司会を担い、「ひとことタイム」の時間を設け、全員が自分の今の気持ちを話している。最初はなかなか話せなかった方も自分の気持ちが言えるようになっている。利用者の支援は、それぞれの個別支援計画に基づいて行っている。個別支援計画は、内容を定期的に見直している。女子会の外食、公共交通機関の利用訓練なども行っている。就労移行支援事業で行っているグループワーク、仕事センターからの就労体験なども、すべて個別支援計画に基づいて実施している。

【A7】A-2-(1)-⑤ 利用者の障害の状況に応じた適切な支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

高次脳機能障害や発達障害、行動障害など、利用者には様々な障害があるため、障害に対する専門知識の習得と、支援の向上のため、定期的に研修会を開催している。北部リハビリテーションセンター全体で、「大人の発達障害とは」などの研修を行っている。地域の中の日中活動センターとして、対応が難しい利用者の受け入れを積極的に行っている。障害者センターの専門職とも連携し、各事業の週1回のミーティングで支援方法を検討し、内容を全体ミーティングで共有している。

【A8】A-2-(2)-① 個別支援計画にもとづく日常的な生活支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

昼食の提供は業者委託だが、月1回、給食会議を開き、情報共有している。利用者のほとんどが普通食を摂っているが、ペースト食を提供している利用者もいる。生活介護事業では、食事を全介助している利用者が2名、半介助の利用者が3名いる。胃ろうを造設している利用者も1名いる。利用者の声を大切にして、献立からキムチを外したこともある。季節に合った行事食を提供し、利用者が食事を楽しむことができるよう工夫している。食事内容の変更などは、「食事伝票」を使用している。移動や移乗動作が不安定で、心配な利用者は、障害者センターの理学療法士と連携し、歩行器の選定や電動車椅子の体験などを行っている。利用者一人ひとりの個別支援計画に沿って、内容を検討している。

【A9】A-2-(3)-① 利用者の快適性と安心・安全に配慮した生活環境が確保されている。

【第三者評価結果:a】

食堂やトイレは、社会福祉法人SKY(精神障害者作業所)、「はっぴわーく」(就労継続支援B型事業)と契約し、毎日清掃して清潔を保っている。利用者の作業室も、それぞれ物品を整理し、働きやすい環境を確保している。エントランスやセンター内は施錠していないので、利用者は自由に好きな場所で休憩をとっている。夏は暑さ対策のため、すだれを設置している。現在、コロナ対策として、生活介護事業の入り口に、シールドフィルムを貼っている。使用頻度は少ないが、体調不良の利用者が休むことのできるベッドを2台置いている。

【A10】A-2-(4)-① 利用者の心身の状況に応じた機能訓練・生活訓練を行っている。

【第三者評価結果:a】

北部リハビリテーションセンターには、「日中活動センター」の他に、「障害者センター」、「地域生活支援センター」、「就労援助センター」があり、リハビリテーションの専門職と連携をとりながら、各事業を行っている。ここでのリハビリテーションは、単なる機能訓練ではなく、生活をもっと暮らしやすくするため、外出をするため、就労するためには、その人にとって何が困難なのかを福祉職と一緒に考え、よりその人の望む生活に近付けて行くことを目標としている。就労移行支援事業の利用者が、元の職場に復職したり、新しい職場で働くことができるよう取り組んでいる。身体機能の向上だけが目的ではなく、より良い生活を送るための訓練を目的としている。

【A11】A-2-(5)-① 利用者の健康状態の把握と体調変化時の迅速な対応等を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

医療的支援が常時必要な方が利用しているので、看護師が利用者の日々の生活の健康管理を行っている。4事業の利用者は、それぞれ「健康管理表」を持ち、毎朝の検温や体調、家族の健康状態を記入して、持参している。センターに来所すると、バイタルチェックを行い、健康チェックを行ってから活動に入っている。健康面で心配なことがある場合は、嘱託医に相談できる体制を作っている。生活介護事業や生活訓練事業では、1日1回、理学療法士が監修したストレッチ体操を行い、就労継続支援B型事業では、ラジオ体操の時間を設け、健康の維持や増進に努めている。体調変化時の対応については、初回利用の前に、文書で家族に説明して了解を得ている。現在はコロナに関する情報を提供しているが、さらに健康に関わる情報提供を行っていきたいと考えている。

【A12】A-2-(5)-② 医療的な支援が適切な手順と安全管理体制のもとに提供されている。

【第三者評価結果:b】

 医療的支援が必要な利用者は、看護師が対応している。地域の中に、医療的支援が必要な方の通所希望があることから、今後、日中活動センターでの受け入れ体制を整えていく必要があると捉えている。そのため、今年度、喀痰吸引研修に職員を派遣し、医療的ケアを担うことができる職員の育成に努め、地域のニーズに応えていく予定である。現在、利用者の中で服薬を管理している方は1名のみで、投薬マニュアルなどは整備していないため、作成を考えているところである。

【A13】A-2-(6)-① 利用者の希望と意向を尊重した社会参加や学習のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

就労継続支援B型事業では、仕事だけでなく、余暇支援の一環として外出を計画し、社会体験を行っている。移行先の見学や、ボッチャなどのスポーツへの参加などが、利用者に人気がある。一人暮らしの希望がある利用者には、なぜ自立を望むのか、自立に対し何が不安か、何が必要かなど、きめ細かくアセスメントを行い、作業療法士と一緒に、公共交通機関利用の練習をして、本人の夢をかなえている。本人は現在、週3回センターに自力で通所している。インターネットで検索をしたいという希望がある利用者には、パソコンの入力の練習を行っている。失語症の方には、コミュニケーションノートを活用できるよう支援している。近隣に外出して、ウィンドウショッピングや映画鑑賞などを行い、社会参加への自信につなげている。

【A14】A-2-(7)-① 利用者の希望と意向を尊重した地域生活への移行や地域生活のための支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

家庭での生活だけでなく、短期入所の利用を提案し、家族以外の支援者に慣れることを目的とし、今後の社会生活への移行の支援を行っている利用者がいる。重度の身体障害者の単身生活の希望に対しては、グループホームが少ないなどの理由から、民間のシェアハウスの紹介、その他の情報を提供している。また、同じ障害を持つ方の話を聴く機会を設けることにより、自分でできること、できないことを認識し、気持ちの変化が起きている。支援者に自分を理解してもらうために、利用者はADL(日常生活動作)の状況や、食事は右から介助してくださいなど「自分の取り扱い説明書」を作成して、シェアハウスに貼っている。

【A15】A-2-(8)-① 利用者の家族等との連携・交流と家族支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

家族との連絡のため、「連絡帳」を使用している利用者もいるが、自分で説明するから必要ないという利用者もいる。利用者の中には、事業所での様子を知らせたくないという方もいる。利用者に変化があった時は、障害者センターと連携し、家族に電話連絡を取っている。遅刻が重なり、その旨を家族に連絡したところ、家族に注意されて不安定になった利用者がいる。注意の仕方に気をつけてほしいことを家族に話した結果、本人も安心して通所でき、遅刻も少なくなった例がある。年2回、個別支援計画の作成時に、家族から話を聴く機会を設けている。利用者の体調不良時には、「緊急連絡先カード」に沿って対応している。

A-3 発達支援
【A16】A-3-(1)-① 子どもの障害の状況や発達過程等に応じた発達支援を行っている。

【第三者評価結果:評価外(障害児支援、就労支援以外の福祉施設・事業所)】

障害者支援の多機能型事業所で、障害児の支援は行っていないため、評価外とする。

A-4 就労支援
【A17】A-4-(1)-① 利用者の働く力や可能性を尊重した就労支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

就労移行支援事業では中途障害者が多く、元の職場への復帰希望者が半数を占めている。復職や新規就労をめざしていたが、年齢から、仕事は辞めて、生活の場を望む利用者もいる。元の職場への復帰を希望する人は、今の状態で何ができるのか、作業療法士と一緒に考え、本人ができる部署に変えてもらうなど、支援している。また、企業に出向き、キャスター付きの椅子は危ないので使えないことや、ロッカーには椅子がほしいなど、障害者に対する細かな対応を提案したりしている。企業の中での郵便物の届けなど、本人ができる仕事を企業側で考えてもらい、就労につながっている利用者も多い。

【A18】A-4-(1)-② 利用者に応じて適切な仕事内容等となるように取組と配慮を行っている。

【第三者評価結果:a】

就労継続支援B型事業では、受注作業が多く、一人ひとりの特性にあった仕事ができるよう配慮している。グループ毎に、ホワイトボードに一日の作業の流れを記入して、いつでも確認できるようにしている。また、個人別に工程表を作成し、構造化(工程を視覚的に示す手法)による支援を行っている。工賃明細書を渡す際に、皆勤賞には赤の星印、2日までの休みの方には青の星印を付け、利用者のモチベーションが上がるよう工夫している。平均工賃1万円以上を目指し、工賃引き上げのための方策、受注先の開拓など、取り組み中である。作業に関しては適度な休息やコロナ感染予防対策、危険防止、転倒防止、手洗い励行などに常に取り組んでいる。

【A19】A-4-(1)-③ 職場開拓と就職活動の支援、定着支援等の取組や工夫を行っている。

【第三者評価結果:a】

数年前までは受注業者が3社であったが、現在は9社と契約している。時には作業がなくなることもあるため、さらに10社目を開拓中である。現在はメール便として、ポスティングの仕事がある。利用者が身体を動かすことができる仕事を開拓中である。ポスティングは、利用者と職員が一対一で行うため、利用者とのコミュニケーションの場として、本人の考えや今思っていることを聴く良い機会となっている。ハローワークと連携を取りながら、実習先の相談などもしている。企業には復職の際の業務提案などを行っており、地域社会の中で、障害者の受け入れの理解を深める取り組みを行っている。