社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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西大島ルーテル保育園

2020年09月23日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社 R-CORPORATION

② 施設・事業所情報
名称 西大島ルーテル保育園 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 120名(123) 名
所在地 210-0834
川崎市川崎区大島1-24-12
TEL 044-280-6222 ホームページ https://ikusosu.jp
【施設・事業所の概要】
開設年月日 2012年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人イクソス会
職員数
常勤職員:27 名
非常勤職員:9 名
専門職員
保育士(幼稚園教諭、小学校教諭所持者):20名(19) 名
看護師:2 名
管理栄養士:2 名
調理師:1 名
施設・設備の概要
居室:保育室 5室
設備:給食室 1室
設備:食品庫 1室
設備:面談室 1室
設備:事務室 1室
設備:休憩室 2室
設備:多目的室 1室
設備:調乳室 1室
設備:トイレ 8ヶ所

③ 理念・基本方針
<理念>
●児童福祉法とキリスト教に基づき、保育に欠けるすべての子どもにとって、最もふさわしい生活の場を保障し、愛護するとともに、最善の利益を守り、保護者と共にその福祉を積極的に増進する。

<基本方針>
●保育に係わる専門職同士が協力し合い、養護と教育の一体的な展開を図り保育の質を高め、充実させる。
●子どもの主体的な発達要求に応答する環境を整え、自ら興味・関心を持って環境に関り、チャレンジしたことへの充実感や満足感を味わい、年齢なりの心情、意欲、態度を養う。
●一人ひとりの子どもがくつろいで共に過ごして、心身の疲れが癒されるようにする。
●子どもの24時間生活を視野に入れ、家庭との連絡を密にして積極的に子どもの発達過程に応じた育ちを築き、保護者の共感を得て養育力の向上を支援しつつエンパワメントを引き出していく。
●子どもが育つ道筋や生涯教育を見据えた長期的な視野をもって後伸びの力をつけ小学校と情報交換したり交流を密にして積極的に連携していく。

<保育理念> ~イクソス会が大切にしていること~
●私たちは、モンテッソーリ教育とキリスト教教育を軸にした保育を行っています。
一人ひとりの園児と向き合い 子どもたちの自主性・個性を尊重します。


④ 施設・事業所の特徴的な取組
●西大島ルーテル保育園は、川崎市から運営法人である社会福祉法人イクソス会(以下、法人という)に民間移管され、平成24年(2012年)4月に開設しました。西大島ルーテル保育園の保育の特徴は、ユネスコが提唱した「生涯教育」を念頭に入れて、『誕生から学齢期までの一貫保育』を意図しています。さらに、児童憲章とキリスト教精神を基にして、保育所保育指針、モンテッソーリ教育(乳児も含む)を併せて、西大島ルーテル保育園ならではの保育を進めています。また、次世代育成を中心にした子育て支援(家庭支援)にも取り組んでいます。日常保育では、子どもたちが人間として必要な基本的生活習慣(挨拶、食事、排泄、整理整頓、清潔、他者への思いやり等)が年齢に応じてできるよう支援を行い、子ども一人の健やかな成長・発達に向けて適切な援助が行われています。園が目標とする子どもの姿をして、「他人に迷惑をかけずに、いたわりの心を持つ園児に」、「互いに協力できる園児に」、「個性を大事に健やかに成長する園児に」、「明るく素直で礼儀正しい園児に」を掲げ、目標を目指して保育に当たっています。

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/12/06(契約日) ~2020/05/25(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2013年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1.【5つの特徴ある活動の展開】
●西大島ルーテル保育園の特徴として5つが挙げられます。キリスト教教育、モンテッソーリ教育、国際の時間、絵画の時間、体操の時間です。キリスト教教育は、園運営の原点であり保育を実践するうえでの指針になっています。「何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもその通りにせよ。」(新約聖書マタイによる福音書7章12節)イエス・キリストの教えを、3歳、4歳、5歳児は朝の祈り、食事の祈り、帰りの祈りを毎日行っています。朝の祈りでは、燭台に灯されるローソクを前に子どもたちは胸に手を当て讃美歌を歌い、お祈りをします。お祈りをする子どもたちの姿、顔はとても厳かです。職員は、今日1日子どもたちに実りある保育が行えることを祈り、キリスト教の教えに沿って保育が行われていきます。モンテッソーリ教育は、「全ての子どもには自分を伸ばす力(自己教育力)を持っている」ことを基本にして、カリキュラムに沿い、用意された各種教具に触れ、子どもの持つ自発的で創造的な関心を段階的に引き出し、これらの教具集中を通して秩序ある自己育成を促し、教育していきます。国際の時間では、昨今、国際交流の波に覆われており、英語を学ぶことのみではなく、日本人以外の人々と幼少期から交わることが国際感覚の始まりになることを踏まえ、園では、「体を使って学ぶ英語」とし、身近に国際感覚豊かな講師と接する時間を設けています。絵画の時間は、美術大学卒の講師が特別絵画指導に来園し、子どもたちの創造力の芽を育み、上手に絵を描くことより子どもの持つ感性を伸ばしながら、子ども一人ひとりが持っている力を育むよう展開しています。体操の時間は、駆けっこやボール投げ、鉄棒、跳び箱、平均台、マット運動等、心身の活動を十分に行い、心肺機能、基礎体力を養っています。

2.【モンテッソーリ教育の推進】
●モンテッソーリ教育の基本は、「障害の有無にかかわらず、全ての子どもは自ら成長していく力(自己教育力)を持っている」です。そして、個別活動として発達段階に応じた教具(環境構成)によって行われています。調査では3~5歳児縦割りクラスを見学させていただきました。モンテッソーリ教育は幼児の幼児2保育室及び保育室前にあるホールにて行います。調査当日、ホールでは日本地図の制作のお仕事を行っている子どもたちがいました。子どもたちは、地図上に地域の名前を書き込み、地方別に地域別の色塗りをして地域を覚えると同時にひらがなの練習となっています。「漢字書けるよ」と言って調査者に見せてくれたり、口々に神奈川県、千葉県と指を差して教えてくれました。また、幼児では、動物の絵に色塗りと各部位の名前を入れるひらがなの練習や、自動車の形の刺し子作り、色紙を切り抜いて人形を作り、色々な色の洋服を着せるお仕事、色紙からザリガニを切り抜き、器用に細く曲がりくねった足や髭を器用にハサミを動かして切り抜いていきます。文字を書く、ハサミを使用したお仕事等、実生活と密接に関連する活動から自立に向けた日常生活の練習や身に付くよう工夫をして学びを提供しています。また、幅広い地理などの文化教育では、子どもの興味、知る欲求、喜びを意識の芽生えへと導いています。
改善を求められる点 1.【モンテッソーリ教育のさらなる充実と人材の確保について】
●西大島ルーテル保育園は移管後、3年間は公立の保育を継続し、法人の特色であるキリスト教教育とモンテッソーリ教育の導入は2015年4月からスタートしました。以来、保育内容は方針と共に徐々に保護者等に支持され、高い評価を得つつあります。モンテッソーリ教育は、「障害の有無にかかわらず、全ての子どもは自ら成長していく力(自己教育力)を持っている」ことを基本にして教育が行われ、その教育は、子ども自身で選んだ教具に触れながら集中して創造活動を行うことを促し、子どもは教材に集中してお仕事(遊び)を行っています。西大島ルーテル保育園にはモンテッソーリの教師として11名の職員がディプロマ(免許状)を取得し、熟練した知識の基、教育・環境整備に力を入れています。取得していない職員にも今後、園内研修を通して理解を深める機会を設け、質の向上、定着にもつなげていく予定です。一方、方針、モンテッソーリ教育に共感して共に園を作り上げていく人材確保については、苦慮している事項でもあり、人材採用においては、保育士を目指す学生にとってモンテッソーリ教育について魅力を感じる人も多いようですので、さらにモンテッソーリ教育に磨き上げ、実習生の積極的な受け入れ、保育士養成校へのプレゼンテーション等で、保育・教育内容、方法、在り方をモンテッソーリ教育から提唱できると思いますので、これからの人材に向けて「原点」を伝え、感動できるものへと確立し、さらなる広報の強化により、西大島ルーテル保育園に希望に満ちた保育士が集うことを期待しております。


⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
施設名: 社会福祉法人イクソス会 西大島ルーテル保育園          
施設長: 武田 一子

<評価に取り組んだ感想>
   
今回、職員一人ひとりが考え、さらにブロックで、そしてさらに代表者で、と段階的に取り組むことで、具体的な部分での確認事項や課題点が話し合いの場で明らかになったことは良かったと思います。
また、組織の一員として、襟を正していかなくてはという部分と、これまで行ってきたことに自信を持って良いのだという部分等、様々な気づきがありました。

園として今後の目標等について、また、中・長期計画について、職員一人ひとりが深く理解していくことが大切であり、そこに導く方法をさらに考えていかなくてはと強く感じました。

<評価後取り組んだ事として>

1.今回の評価につながる各設問について、わかりにくい部分について解説する機会を持つ。

2.園のマニュアル、職員心得、重要事項説明書の再確認をする。

3.今回の取り組みの際に、職員全体で研修していく必要性があると感じた点を募り、次年度の研修
テーマにする。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:a】

●保育理念を「児童福祉法とキリスト教に基づき、保育に欠けるすべての子どもにとって、最もふさわしい生活の場を保障し、愛護するとともに、最善の利益を守り、保護者と共にその福祉を積極的に増進する。」として掲げ、基本方針は、「保育に係わる専門職同士が協力し合い、養護と教育の一体的な展開を図り保育の質を高め、充実させる。」、「子どもの主体的な発達要求に応答する環境を整え、自ら興味・関心を持って環境に関り、チャレンジしたことへの充実感や満足感を味わい、年齢なりの心情、意欲、態度を養う。」、「一人ひとりの子どもがくつろいで共に過ごして、心身の疲れが癒されるようにする。」、「子どもの24時間生活を視野に入れ、家庭との連絡を密にして積極的に子どもの発達過程に応じた育ちを築き、保護者の共感を得て養育力の向上を支援しつつエンパワメントを引き出していく。」、「子どもが育つ道筋や生涯教育を見据えた長期的な視野をもって後伸びの力をつけ小学校と情報交換したり交流を密にして積極的に連携していく。」としています。理念、方針はパンフレット、園のしおり(重要事項説明書)、ホームページに掲載して周知しています。職員に対しては、職員心得、全体的な計画に明示し、法人主催の研修等で周知徹底を図り、会議等でも定期的に理念や基本方針に沿って保育が実施されているかを確認し、職員が目指す方向の共通理解を図っています。西大島ルーテル保育園の理念等は、保育職員にとっての指針となっており、子どもたちと関わる上での軸として大切にしています。保護者へは、入園説明会にて理念、方針について説明を行い、園の手引き書を配付し、理解を促しています。園見学者については見学時に園のパンフレットを配付して説明を行っています。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:b】

●事業の動向については、法人で厚生労働省や全国組織の保育連合会等から得る全体的な傾向を把握し、地域ローカルの情報からも把握するようにしています。人口動態や保育関連官庁の情報については法人で入手し、分析をしています。地域ローカルの情報については川崎市や川崎区の会議、川崎市社会福祉協議会、川崎区社会福祉協議会の会議等に出席して情報を入手し、分析するようにしています。園長は、川崎市、川崎区からのお知らせや、区の園長連絡会議、地域子育て支援担当者会議、または一時保育利用者、延長保育利用者の動向等々により、地域を取り巻く状況について理解しています。法人と連携を取り、コスト分析や利用者利用率の分析を行っています。川崎市の子どもの推移などは本部で分析して、その対策も中・長期計画として検討しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

●経営課題の検討について、法人では組織で役割分担を明確にし、理事長、理事、監事の下に各保育園が位置付けられています。法人理事会、各園代表者会議等により、諸問題について検討されて方策が出されます。園では、中・長期の目標として福祉ニーズの多様化、高度化を捉えたうえで、地域におけるニーズを積極的に収集・分析し、具体的な取り組みをしています。川崎市は他都市に比べて子育て世帯が増加傾向にあり、保育園へのニーズが高く、また、地域療育センターや子ども家庭センターとの連携を必要とする子どもも年々増えています。西大島ルーテル保育園では、定員に対する職員の確保に苦慮し、職員の確保と定着、育成に関する課題を整理して具体的な取り組みに努めています。キリスト教、モンテッソーリ教育を柱にしていることへの抵抗については、子どもにとって大切であることを理解して頂く取り組みをすることにしています。採用活動については、川崎市主催の園見学会、就活フェア当への参加、養成校からの保育実習生への就職のお誘い、ホームページでの園の紹介、採用活動業者の力を借りて職員の確保を図ります。育成については、OJTにより園での業務や、園の考え方を伝え、保育内容の理解を促しています。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●中・長期的なビジョンについては明確になっており、事業についての資金計画等も裏付けがあります。会社の体質改善、職員の育成計画は中・長期的な計画を作成し、人材育成、新規採用等進めています。中・長期計画は、法人理事会や各園代表者会議等で打ち出され、職員にも伝えています。西大島ルーテル保育園では、中・長期の目標として次の4つを挙げています。1つは、モンテッソーリの園内研修の他に園外の研修にも参加できるようにする。2つは、キリスト教教育の充実(保育への浸透性)。3つは、OJTを含め次期リーダー候補への育成等の目標に向けて取り組みを進めています。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

●単年度の計画については法人の中・長期計画に沿って単年度の計画を策定し、予算面については調整された園の予算範囲内での取り組みを進めます。単年度計画は、具体的な成果を設定し、職員全てが共通のイメージを描いて取り組めるもの、また実施の状況を振り返り、共通の基準のもとで評価を行えるような計画にしています。指導計画については「教育及び保育の内容に関する全体的な計画」により、中・長期計画に基づきキリスト教教育課程、年間指導計画、年間行事計画を作成しています。また、クラス単位でも、子どもの発達ごとに項目を設けて計画を作成しています。保健面では健診や身体測定、安全面では避難消火訓練等、年間の実施数、具体的な数値目標を計画し、達成できるよう作成しています。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:b】

●事業計画は、園長が前年度計画の実施状況を踏まえ、関係職員が参画して意見の集約・反映のもと、職員の意見の評価に基づき次年度の計画を策定しています。来年度の計画においても、職員が参画して意見が反映されるよう会議を行ったうえで策定をするよう、会議等でわかりやすく説明を行っていきます。全体的な計画は、法人本部で骨子を作成し、各園で地域特性を加味して作成しています。中長期計画、全体的な計画に基づいて年間指導計画、行事計画、月案、週案等を作成し振り返り評価を行い、次年度への計画へと繋げています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

●事業計画・行事計画は、在園児説明会において重要事項説明書等と合わせて配付し、説明を行い、保護者の意向や要望を翌年の計画に反映できるようにしています。また、全体的な計画、保健年間計画・避難訓練年間計画・食育指導年間計画等の事業計画資料を配付し、園長・クラス担任・看護師・栄養士がそれぞれの説明を行っています。乳児室長・リーダー、幼児室長・リーダーは乳児、幼児において保育で大切にしていきたいことを保護者に説明しています。さらに、クラス懇談会や「月の保育」(クラスだより)の配付等により、保護者へ理解を促す努力もしています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:b】

●保育の質の向上に向けて、定期的にカリキュラム(週、月、期ごと)を振り返り、評価・反省を記入し、評価を基に次の計画へとつなげています。保育士の質の向上については、自己評価や研修計画書の提出、園長との面談等によりチェック体制を整えています。職員から提出された自己評価、面談結果等により法人全園の代表者会議にて分析・検討をしています。第三者評価を今後も定期的に受審する予定にしています。定期的な会議において、カリキュラムのクラスごとの評価・反省を報告し合い、意見交換を行い、次の計画に反映させています。現在、週案の中で日案を策定し、保育日誌として実績を記録することにしています。週案にねらい、養護、環境構成及び週の評価・反省を記載し、日誌記録には保育内容、保育士等の援助と配慮、主な活動、出席状況、評価と反省を記述するようになっています。保護者に対しては、行事後のアンケート等を実施して保育の質の向上に反映させるよう努めています。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

●課題の抽出については、ⅭoDMON(コドモン:ICT支援ツール)による連絡、個人面談、行事後のアンケート等、あらゆる機会を捉えて情報を収集しています。特に、行事後のアンケートに基づき、意見や要望等は全職員に周知し、必要に応じて会議等で改善策を協議しています。期ごとのカリキュラムを検討する会議では全クラスの担任、室長、園長、看護師、栄養士が出席し、保育を振り返り、評価・反省の報告及び、それらを踏まえた上での次期のねらいの報告を行い、意見交換のうえ次期計画に役立てています。職員の自己評価の結果については、園長が集約し、園の課題を整理して職員会議で検討しています。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:b】

●園長の経営管理に関する方針と取り組みの表明の1つとして、西大島ルーテル保育園としての保育園像の思いを園長として毎月「ルーテルだより」で発信しています。園長の権限と職務については、大枠では園の就業規則、運営規定上で明文化され、詳細には職務分担表を作成し、園長を含めた職種やその職務内容を記載し、職員へ配付すると共に、職員面談の際に一人ひとりに説明を行っています。危機管理マニュアルにおいても、事故発生時や災害時等の園長の役割を明示すると共に、職務分担表にて園長不在時の権限委任を明確にしています。常日頃、園長は職員会議や園内研修等を通して経営、管理に関する方針と取り組みにて権限と責任を告知しています。園長不在時の指揮権限については主任に委ねることを明確化しています。また、年度始めの保育説明会にて、園長より運営についての思いや方針の説明を行なっています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●遵守すべき法令等の前提としての「倫理」については、保育士倫理綱領に則り、1日を引き締めて行動することを互いに確認し合っています。常に法令等を集積し、十分に理解し、何時でも活用できる体制を整えています。園長は、職員に対して守秘義務、個人情報の取り扱いに注意喚起を行い、園外への持ち出し及び入力作業の禁止等を周知しています。園長は、日本保育士協会施設長研修、社会福祉協議会園長研修、法人主催のハラスメント研修等に参加して法令に関する知識の修得に努めています。また、川崎市や川崎区からのメールや電話等から情報の収集を行い、ケース児童の報告や事故報告等、必要な場合に応じて連携を図っています。川崎市や川崎区の会議にも出席し、法令や制度の把握に努め、防犯・災害時対策、保育環境への配慮等の見直しをしています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

●園長は、保育の質の向上に対するリーダーシップを発揮する基礎として、職員が意見を言いやすい環境作りに力を入れ、職員会議やミーティング等で日々の保育について振り返り、質の向上に向けた話し合いの環境作りに配慮しています。園長は保育書類に目を通し、園の理念や保育方針が実施されているかを常に確認し、必要に応じて指導、助言を行うよう努めています。常勤職員、非常勤職員に関わらず園内外での研修の機会を作り、研修後は職員会議等で発表または回覧をして情報の共有化を図り、保育の質の向上に努めています。イクソス会の柱である「キリスト教教育」、「モンテッソーリ教育」については、職員の研修の機会を確保し、その他の研修についても、個々の職員が希望する外部研修、特に、キャリアアップ研修は早期に規定の時間数の研修を受けられるよう配慮しています。園長は、日常的に園児と遊び、関わり合い、給食を一緒に食べ、継続的に保育の現場や質を把握し、分析するようにしています。毎月の会議、行事の打ち合わせ等の話し合いには基本的に参加し、保育の現場を把握し分析、助言や評価を行っています。年2回、職員と面談を行い、コミュニケーションを図りながら、職務に対する思いを聞き取り、職員の意見を尊重し、園の運営に取り入れるよう努めています。園長の職員に対する姿勢、人格から職員も信頼感を持ち、気軽に業務の相談等が言える関係が築けています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

●園長は、理念や方針の実現、中・長期の目標、取り組むべき課題を認識し、指導力を発揮して改善に取り組んでいます。職員の確保と定着、育成に関する課題を整理して具体的な取り組みをしています。また、保育理念の実現に向けた、働きやすい環境作りを目指し、職員に対しても意識を持って取り組むよう朝の会議で啓発を行い、全体で経営改善や業務の実効性に取り組む体制作りを進めています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●法人が求める人材像を明確にし、採用活動を実施しています。採用後の導入研修、初任者研修、キャリアパス研修、OJT、育成のしくみを確立し、方針に沿って育成を行っています。有効的な保育体制の配置や、有給休暇の取得等を推進しています。採用活動については、ハローワークや求人媒体の他に川崎市主催の園見学会、WEBサービスの利用、ホームページでの園の紹介や、就職説明会に参加し、就職希望者に対しては説明会や園内見学を実施しています。また、実習生も有望な人材と捉え、就職の意思がある場合は積極的に声をかけています。福利厚生の一環として住宅借り上げ制度、奨学金の補助、モンテッソーリ研修の補助等、法人としても様々に配慮を設けていますが、理想通りの数は集まらないのが現状です。職員の定着に関しては、働きやすい職場環境作りに努め、職員が保育を通して自己実現ができるよう、職員の意見に耳を傾け、実現に向けて協力的な姿勢を心がけています。専門職の配置については、保育士、看護師、発達相談支援コーディネーター、栄養士等、確保は出来ています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:b】

●「期待する職員像」については、法人の職員心得に職務規程を記載し、法人研修等で職員に伝え、基準に沿った評価を行い、総合的な人事管理を行っています。処遇については、モンテッソーリ教師資格やキリスト教研修、キャリアアップ研修他、必要な研修の受講により見合う手当てや昇進を検討し、評価しています。園長は、法人の人事管理につながる園内のより良い仕組み作りに尽力し、定期的に振り返りの場を設け、職員個々の成長目標の設定、自己期待と他者期待の擦り合わせを行い、評価についてフィードバックを行うことが必要であることを認識しながら、最善の方法を目指して努力しています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:a】

●職員の就業状況については、園長と法人とで把握し、共有を図っています。職員の就業状況については、年2回全職員と面談を行い、就業状況等に対する意向を把握し、産・育児休暇や子どもの看護休暇、あるいは時短勤務等、女性が働き続けるために必要な仕組みも使いやすい風土ができており、ワーク・ライフ・バランスに配慮した職員の労務管理を行っています。職員の有給休暇は、全職員の取得状況を管理し、有給休暇や夏休み、代休等の休暇を公平に取得できるよう配慮しています。園長は、子育て世代の職員が多いことを考慮し、シフト作成では職員の子どもの世代に応じた働き方の配慮をしています。また、職員の心身の健康と安全の確保に努め、事務時間等も管理し、無駄な残業がないように管理しています。福利厚生としては、インフルエンザ、予防接種の補助、共済加入、海外研修費用の補助などがあります。組織の魅力を高める取り組みについて継続的に取り組んでいます。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●職員一人ひとりの育成目標として、保育方針に期待する職員像を掲げ、業務マニュアル、職員心得に具体的な保育者としての望ましい姿勢を記載し、職員に配付を行い、目標を明確にしています。年度当初、個人の研修計画・評価シートを記入及び提出し、それに基づいて園長と職員とで面接を実施しています。また、年末に次年度に向けての職員アンケートを実施し、提出後、年度末に向けて面接を行っています。新人職員に対しては中間面接も行っています。個人研修計画、評価シートにより、キャリアアップ研修、人権侵害等の防止に向けた取り組み、防災対策、キリスト教教育の資質向上、モンテッソーリ教育の向上、キャリアパス研修、幼・保・小連携に関する研修及び自己課題に取り組み、資質向上を評価する仕組みを構築しています。面談の際には園長と職員が評価の確認を行えるようにしています。園長は、今後、職員一人ひとりに対してのさらに丁寧な育成が出来るよう目標管理に向けたより良い仕組みを機能させ、適切なタイミングで進捗状況の確認等、職員が向上意欲を持ち続ける環境を作り、園の保育の質をより高めるよう努めて行きます。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

●期待する職員像は、法人の保育業務マニュアル、職員心得の中に明示されており、園が職員に必要とされる専門技術や専門資格は、職務分担表にて職員の役職名や業務内容を明示しています。外部・園内研修は職員自身の研修計画に盛り込まれており、計画に沿って職員各自の計画が実現できるよう協力しています。年間の研修計画の他に、新入社員のフォローアップ研修、必要に応じてスポット研修を実施しています。事業計画の中で研修計画の基本を示し、年度末に総括として、年度の研修計画を振り返り、評価を行っています。外部研修に参加した際は研修報告書の提出に加え、研修報告を行い、職員の資質向上につなげています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:b】

●法人内研修として、導入研修、新任研修、階層別研修、子育て支援研修等、テーマ別の研修、キャリアアップ制度、安全・マニュアル・食育・保健衛生等の委員会活動を設け、様々な機関主催の外部研修への参加も積極的に行っています。各職員には、育成やキャリアアップを見据えて研修参加を提案する他、職員の希望にも添えるよう、研修案内の閲覧も行っています。職員の教育・研修の確保については基本的に個人研修計画・評価シートにより行っています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

●保育に関わる専門職の研修・育成に関する基本姿勢やマニュアルについては、業務マニュアル、職員心得に記載されています。実習生受け入れのマニュアルも整備しています。実習プログラムは、実習生の要望を入れて作成し、様々な年齢における保育の経験ができるように計画を立てます。実習では、指導者より子どもたちと遊びながらも全体を見る目を持つことや、実習日誌の書き方等、実践的な部分での指導も行っています。職員に対しては、日誌の書き方、添削の仕方、実習生へのアドバイスの仕方等、必要に応じて話し合い、職員間で意識統一を図るようにし、実習担当者以外の職員へも周知を図っていきます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:b】

●法人は社会福祉法人であり、運営の透明性に努め理念・基本方針、保育の内容、事業計画等は出来る限り公開するように努めています。ホームページ等の活用により、法人、保育所の理念や基本方針、保育の内容、事業計画、事業報告、予算、決算情報が適切に公開されています。特に予算、決算関係については各園の内容を公開しています。苦情受付については重要事項説明書にも明示されており、説明会でも保護者に知らせています。また、事務所前に苦情相談の第三者委員会についての表も貼り出しています。地域に向けては、ホームページの他に、川崎区の広報等にも園の行事や園庭開放他の情報を掲載しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●法人としての運営の透明性に関しては、法人及び法人系列他園を含めて公認会計士による事務、経理、取引等について定期的に内部監査を行い、指摘された事項については法人事務職員全員が集まり、勉強会を開催する等、改善に努めています。西大島ルーテル保育園では、保育所の情報等や内部監査等の指摘も踏まえ、実情に即した経営改善への取り組みを法人とで行うようにしています。外部の評価、監査として、第三者評価、川崎市の指導監査を受けています。監査で指摘された事項は速やかに改善に取り組んでいます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

●地域のかかわり方については、取り組み姿勢を教育及び保育の内容に関する全体的な計画で示しています。具体的には、保護者が就労や病気、冠婚葬祭等で家庭での育児が困難な子どもの一時保育を実施しています。地域の子育て支援としては、毎週月曜日から土曜日の午前中、園庭開放を行い、育児相談、身体測定、体験保育も実施しています。園行事の夏祭りや、人形劇等の際にも地域の親子に声をかけています。散歩時に地域の方と行き交う時は挨拶をし、公園では地域の子育て親子と一緒に遊んで交流をしています。園児は「川崎市大島老人いこいの家」を訪問して一緒に体操する等、年3回、世代間交流も行っています。子育てサロンには年3回、職員を派遣して乳児を持つ親子に紙芝居や絵本の読み聞かせを提供し、看護師は育児相談を受けています。個々の子ども・保護者のニーズに応じて地域療育センター、休日保育や病児保育などの関係機関の紹介もしています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

●ボランティア受け入れに関する基本姿勢及び地域の学校教育等への協力に関する基本姿勢を備え、中学生の職業体験、小学校の町探検などを受け入れています。ボランティア受け入れについてのマニュアルは整備しています。近隣の中学生の職業体験の受け入れ時には、マニュアルに沿い、園の基本方針・活動内容を話し、注意点等を話した上で受け入れています。

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

●関係機関等とは連携を図り、情報交換も行っています。必要に応じて川崎区役所や南部地域療育センター、こども家庭センターと連携し、個別支援会議も行っています。家庭での虐待等が疑われる場合には、川崎区役所や専門機関と連携し、子どもへの対応を適切に対応するようにしています。地域療育センターに通所している児童が在籍している場合は、家族の同意のもと地域療育センターと連携を密にし、専門的な助言を保育に反映させています。川崎市や川崎区からの冊子等は保護者に提供しています。関係機関等との連携会議に参加し、情報については職員会議で共有しています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:b】

●地域の福祉ニーズの把握については、意識して把握するよう努めています。保育園として公益的な面も要求されていることを踏まえて、ニーズには応えて行く必要があると認識して地域との交流に取り組んでいます。川崎区の幼保小連絡会、私立園長会に参加しています。川崎区主催の健康管理、給食等の各担当者連絡会や救命処置実技等の会合に参加し、研修を受けています。川崎区主催の地域支援担当者会議に定期的に参加し、情報収集に努めています。地域で保育を必要としている方のサポートとして一時保育を実施し、各種行事へお誘いする等、福祉ニーズの把握に努めています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:b】

●把握した福祉ニーズ等に基づいて、地域の方々にも参加できる園行事は広報等で参加を促しています。「川崎市大島老人いこいの家」に園児が訪問をして世代間交流を図り、子育てサロンへ職員の派遣を行い、看護師が地域の育児相談を受ける等、地域に向けて活動及び、交流を図っています。また、「赤ちゃんの駅」として赤ちゃんの授乳やおむつ替え等の場所に園を提供し、地域の方々へ園内にAEDを設置して地域に利用を案内しています。災害時の備蓄物質の備えについては保存場所の容量に限りがありますが水、ご飯、おかず、おやつ等を備えています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●子ども一人ひとりに人権があることを理解し、キリスト教教育やモンテッソーリ教育を行う上で、その目標は世界の平和であると掲げており、その精神に基づき子ども同士が互いを尊重し、性差、人種、文化の違いで先入観を持たないよう配慮した保育を行っています。今年度、川崎区の子どもの人権についての出張研修を受け、その後もセルフチェックを行い、人権についての会議や研修も実施しています。また、子どもたちが互いに尊重する心が育つよう心がけ、日常的にその日の出来事を取り上げ、子どもたちにどう思うか、どう感じたかを話し合う場を設けています。保護者に対しては、懇談会でクラス全体の子どもの成長の様子を知らせ、互いに尊重することの大切さを話しています。外国籍の子どもについては、その国の文化がわかるように世界地図やイラストを保育室に掲示し、他の子どもが理解・関心が持てるようにしています。日々の保育の中で、子ども同士のトラブルなどの際には双方の思いを汲み取りながら、相手の気持ちにも気付けるよう援助を心がけています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

●子どものプライバシー保護に関して、重要事項説明書、保育業務マニュアルに明記し、会議等で職員に周知をしています。保護者に対しては、重要事項説明書で園舎内での撮影、行事の際の写真やビデオ撮影に関して注意事項を説明し、個人情報の使用について同意書を得ています。排泄時や、失敗した際はトイレで交換する等、子どもの羞恥心にも配慮しています。全職員がプライバシーに配慮した保育について理解を深め、子ども、保護者に対して園の取り組みを周知する等、今後も徹底して取り組んでいきます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:b】

●見学会や入園前説明会等、説明する場を設け、同意を得てサービスを提供しています。理念や基本方針、保育の内容や保育所の特性等を記載した文書としてはパンフレット、重要事項説明書(手引書)、ホームページ等を用意して園の情報をわかりやすく提供しています。園内に基本方針を掲示し、誰もが目に留まるようにしています。園見学者には、園のパンフレットを配付し、施設内の案内と説明をしています。見学日の設定は特に決めてはおらず、見学者の希望日に沿うようにしています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:b】

●入園説明会では重要事項説明書に沿って、園長・主任・栄養士・看護師がそれぞれ説明を行い、保護者の質問にその場で答えられるようにしています。説明会に参加できなかった保護者に対しても後日個別に説明を行い、サインもしくは説明を行った旨のチェックを行っています。保育園利用の開始にあたり、必要なもの(シーツなど)は見本を提示して、保護者にわかりやすいよう提供しています。離乳食やトイレトレーニングに関しては保護者懇談会で説明を行い、個別対応にて連携して進められるようにしています。就労状況の変更や産休・育休においての保育時間の変更については、行政からの通達と併せて保護者へ説明しています。特に、配慮が必要な保護者に対しての説明についてルール化は設けていませんが、必要に応じて臨機応変に対応するようにしています。今後、分かりやすい資料等の工夫や説明のルール化、適切な説明、運用に取り組んでいきます。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●保育の連続性、継続性の問題は守秘義務との兼ね合いを考慮し、転園、転勤に依る保育園の変更については転園生の保護者の了解の上、引き継ぎ書を作成してスムーズに転園できるよう配慮していきます。変更先からの問い合わせについては、プライバシー保護の観点から支障のない程度で対応するようにします。卒園児や退園児に対して、担当者や相談窓口の設置は特に設置していませんが、声かけや来園時の際は対応する等、子どもや保護者の安心につながるように努めています。今後、保育の継続性に配慮した保育所の利用の終了後の相談窓口の設置、その後の相談方法や担当者について説明を行い、その内容を記載した文書を渡すことについて行われることを期待します。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●職員は、子どもの最善の利益を常に考え、一人ひとりの気持ちに寄り添い、保育に当たっています。日々子どもとの会話を大切にすることで、子どもたちの満足を把握できるよう心がけています。保護者については、送迎時での保護者の表情や言葉や、コドモンに記載された内容から保護者の真意を汲み取ることに重きを置き、保護者の気持ちに寄り添った関わりをしています。利用者満足の把握については、行事アンケートで意見を抽出し、日常のコミュニケーション、懇談会、個人面接でも意向を把握しています。受けた意見等は迅速に対応し、対策を話し合い、保護者にも知らせています。園としてはあくまでも「子どものため」と捉え、利用者満足が保護者のための一方的な満足にならないように心がけています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:b】

●苦情解決の体制として、重要事項説明書に責任者、担当者、第三者委員の氏名が明記されており、入園前説明会でも必ず保護者に伝え、事務所前に苦情解決の仕組みについての掲示をし、意見箱を事務所前に設置しています。送迎時に園や家庭での様子を伝え合う事で、保護者との信頼関係を築けるよう心掛けています。これまで、第三者委員会に及ぶような苦情はなく、担任や園長に相談の申し出があった場合は十分に話を聞き、記録を行い、対応策を考えた上で伝えています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:b】

●重要事項説明書に保護者が相談したり意見を述べたりする際に、複数の方法や相手を自由に選べることをわかりやすく説明した文書を作成し、重要事項説明書にも記載しています。相談をしやすい、意見を述べやすいスペースの確保等については、相談室を用意しています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

●日々の送迎時における保護者対応や、コドモンでの相談、要望、意見について、クラス職員内での提案や解決策の検討が難しい場合は園長へ相談し、迅速に面談の機会が持てるよう対応しています。また、保護者からの質問はわからないままにせず、きちんと返答を返し、保護者が意見を言いやすい環境作りに努めています。保護者が「相談してみよう」、「伝えてみよう」と思えるような関係性を築いていけるよう取り組んでいます。アンケート等から抽出した意見等は、改善に向けて生かしています。具体的に苦情相談があった際は、苦情相談についてのマニュアルに準じて対応します。相談事は文書として残し、必要に応じて職員に周知しています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:b】

●リスクマネジメントに関して危機管理マニュアルを備え、責任者の明確化、リスクマネジメントに関する委員会を設置し、体制を整備しています。マニュアルに沿って発生要因の分析や、再発防止策の検討を行い、園内で起きた事故の原因、対策の見直し、環境整備、他園で起きた事故に対する事例収集とそれに対する検証を行い、会議等で話し合っています。さらに、職員会議でヒヤリハットの報告及び回覧を行い、事故予防につなげています。事故報告書、ヒヤリハットの報告書は事故や気づきがあった時に記入しています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

●嘔吐や下痢の処理方法、インフルエンザ予防、手指の消毒、汚染物の消毒方法などの感染症予防について、保健衛生マニュアルに沿って園内研修を行い、職員へ周知しています。感染症が流行る時期には、職員の予防接種を行い、職員が持ち込まないようにマスクの着用、手洗い、消毒を徹底しています。各部屋にある温湿度計の基準値から加湿器の使用を判断し、自然換気を適宜行う等、予防に努めています。保健計画に基づき、感染症の流行が考えられる時期に合わせて感染症対策ガイドラインに沿って予防や発生時の対応、感染拡大を防ぐため周知及び対応の徹底を図っています。保健コーナーでは、日々の感染症発生状況を掲示して保護者に情報を提供しています。園内で感染が把握できた時点で職員への周知、保護者への情報提供を速やかに行い、その後の状況の変化も伝えています。感染症についての知識の共有を図るために、保健だよりの掲載・配付・掲示を行い、最新の情報提供についても看護師と園長が中心になって提供するようにしています。感染を防ぐ為の園内研修は看護師を中心に実施し、法人内の看護師会でマニュアルの見直しがあれば、都度全職員に周知しています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

●災害時におけるマニュアルを整備し、毎月、火災、地震や水害等の避難訓練を実施し、年1回、地震による大津波を想定して近隣の川崎高等学校に全員で徒歩避難の訓練を行っています。保護者に対しては、安否確認の方法として一斉メールを活用して緊急時の体制を整え、年に数回試験的にメールを送信しています。食料と水の備蓄や備品については、給食室職員が中心となって管理しています。立地条件等から水害等の影響を把握し、建物・設備類、保育を継続するために必要な対策を講じています。また、不審査侵入防犯訓練も定期的に実施しています。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:b】

●全体的な計画を作成し、計画に基づいて年間、月、週のカリキュラムを作成し、保育者の配慮等も記入しています。新人職員に対しては、業務マニュアルを用いて標準的な保育姿勢について個別に指導を行っています。他職員に対しても職員心得や重要事項説明書、全体的な計画、マニュアル、個別指導案や、児童票、モンテッソーリ教育チェック表等で確認しています。定期的な期ごと、月ごとの会議等で保育内容について話し合う機会を持ち、意見交換することで保育の実施方法の確認になっています。個別に配慮が必要な子どもの対応については、必要に応じてケースカンファレンスを行い、全職員で共通認識を図り、統一した対応が行えるようにしています。カリキュラムにはプライバシー等に関する項目が明示されていませんが、日頃の会議等の意見交換により子どもの尊重やプライバシーに関する内容(写真・着替え・排泄・個人情報等)は取り上げており、実践につなげています。個人情報に関する書類や記録は、事務室内のロッカーに施錠・保管し、外部への持ち出しを禁止しています。職員は入職後に誓約書に記入、学生(実習生)は誓約書記入とオリエンテーション時に守秘義務について伝えています。保育園が取り扱う個人情報やその利用目的について、入園時に保護者へ説明し、同意を得ています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:b】

●全体的な計画やキリスト教保育課程等、他マニュアルの見直しについて必要があれば都度、法人代表者会議等で見直しています。カリキュラム作成では、各月の中旬以降、保育の振り返りを各クラスで行い、設定したねらいに対して子どもの様子や達成度、予想していた子どもの姿とのギャップ、設定した環境について、改善点等を検証し、都度、改善を図るようにしています。現在、園長、主任は、各クラスの検証・見直しに参画しながら職員が意見・提案を述べやすい環境作りに努め、保育理念、指針に沿って保育が行われているか、職員の連携体制が機能しているか等を検証し、徹底を図る仕組み作りに取り組んでいます。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:b】

●子どもの状況、家族の状況、家庭環境、就労状況等の情報については入園児の面接やアンケートにより収集し、以後は5月に個人面談の実施、適宜、必要に応じて園長、看護師、栄養士等が同席して面談を行い、適切なサービス実施に向けた協議のうえ、指導計画に反映させています。複数担任の場合は室長が責任者となり、指導計画の策定はクラス担任が行っています。指導計画におけるアセスメント手法は、園長による毎日の保育日誌の閲覧と週ごとの承認、月ごとの月度指導計画の承認に加え、カリキュラム会議で各クラスの評価・反省の実施、意見交換を行い、次期計画につなげるという手法をとっています。話し合いには、職員だけでなく園長、室長、看護師、栄養士も参加し、アセスメントに関する協議をしています。また、配慮が必要な子どもについては、保護者の意向を汲み取りながら職員間で配慮点等を話し合い、指導計画に反映させています。支援が困難な子どものケースに関しては、保育の記録を指導計画の備考欄に記載しています。そして、ケースカンファレンスを開催し、個別対応について全職員が統一ある対応に努め、経過を検証、反省、評価を行う体制を整備しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

●教育及び保育の内容に関する全体的な計画及び各指導計画に見直しが必要であれば、法人代表者会議で検討します。月ごとのカリキュラム作成については、前月のねらいに対する達成度、子どもの姿、成長・発達の様子を共有し、次月のねらいにつなげています。目に映る子どもの姿だけではなく、子どもの内面にどのような力が育まれたのか、どのようなかかわりが今後の成長に必要なのか、計画に対しての評価・振り返りがより精度の高いものとなるよう、仕組みを改善させています。指導計画を緊急に変更する場合は毎日の申し送りの際に話し合い、変更しています。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:b】

●子どもの発達状況や生活状況等の統一した様式について、乳児は連絡ノートで日々の記録を保護者と保育園、職員で共有しています。全園児の個人記録は、児童票に記録し、職員間で共有しています。児童票の他に、乳児は月案と共に個別指導計画が作成され、こちらはドコモン内に記録し、毎月評価・反省を行っています。幼児については月案に個別指導計画の作成はありませんが、モンテッソーリ教育の個別チェックや、ミーティングノートを活用しています。法人系列各園ではOJT制度があり、保育を実施ながら新人職員は熟達していきます。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

●個人情報保護については、個人情報保護マニュアルに明示されています。子どもの記録の保管、保存、廃棄、情報の提供に関する規定を定め、個人情報の不適正な利用や漏えいに対する対策と対応方法が規定されています。児童票や個別指導計画等は事務室の鍵付きロッカーにて書類関係を管理し、鍵の保管は園長を責任者とし、職員が個人情報を扱う際には、必ず園長に確認を取り、持ち出しと返却の確認を行っています。個人情報の管理についてはマニュアルに沿って研修を行い、カリキュラム等の作成や写真管理を行うパソコン作業については園内での作業を徹底し、園で共有するUSBに各使用用途が明確になるよう見出しシールを貼る等、管理しています。保護者に対しては、入園説明会等で重要事項説明書の説明の中で個人情報の取り扱いについて説明し、同意書にサインをいただいています。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:b】

●各園の園長を始めとする関係職員は外部の保育所保育指針研修に参加し、内容について各園で勉強し、各園職員の意見を集約しながら法人代表者会議で法人の理念・方針を基に全体的な計画の骨子を作成し、計画に園の地域的状況等を加味して園の全体的な計画を策定しています。全体的な計画には、「育みたい資質・能力」や「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」などを反映させ、保育理念、保育目標、保育方針を掲げています。そして、年齢ごとの計画を立て、発達段階を踏まえて家庭の状況や保育時間に違いがあることを考慮し、全ての子へ当てはまる偏りのない内容になっています。全体的計画の作成の途中段階で園長の素案を職員に配付し、子どもの状況・実態の変化等の見直しを図りながら策定しています。全体的な計画を基に、年間指導計画、月度指導計画、週・日案を作成し、各指導計画には評価反省欄を設け、振り返り評価を行い次の指導計画作成時にカリキュラム会議を実施して計画に反映させています。全体的な計画は、各園職員の意見を集約しながら 法人代表者会議で少なくとも2年に1回編成を検討しています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:b】

●室内の温度・湿度についてはガイドラインを設定し、気候に合わせて、エアコンを活用し、心地よく過ごせるようにしています。夏季のエアコンの温度設定は24,25℃、湿度は40%を目標で加湿器、ぬれタオルを使用します。夏季は熱中症対策の為WBGT測定を毎日行い、指数が30を超える時は外遊びを控えています。園全体が木のぬくもりが感じられるような環境に配慮し、室内、トイレ、設備・用具等の消毒、衛生管理には特に注意をして常に清潔に保っています。保育室は床暖房、その上に直接布団を敷いて午睡します。保育室の限られた空間を工夫し、仕切りやシートのコーナーを設置して子どもが自分のタイミングで安らいだり、遊び込んだり出来るよう工夫をしています。子どもが自らモンテッソーリの教具を選んで遊べる環境、子どもがやりたいと思う遊びを見つけられる環境を大切に考え、会議を通して常に職員間で話し合い、定期的に評価しています。改善が必要と思われる箇所については報告・改善につなげ、家具や教具の配置なども成長に合わせて工夫し、子どもの発達・興味関心を重視した配置を柔軟に行っています。布団のシーツは週末に持ち帰り洗濯してもらっています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

●園の基本理念である「児童福祉法とキリスト教に基づき、保育に欠けるすべての子どもにとって、最もふさわしい生活の場を保障し、愛護するとともに、最善の利益を守り、保護者と共にその福祉を積極的に増進する。」を大切にして集団で関わる時も、子ども一人ひとりを見つめるよう意識して保育にあたっています。保護者の育児方針を尊重し、子どもの発達過程、家庭環境等、一人ひとりの個人差を十分理解し、尊重して都度、丁寧に対応しています。受け入れ時には必ず視診を行い、一人ひとりの様子を確認し、乳児は園での検温結果、睡眠時間や食事の様子なども聞き、子どもの様子に応じて園の生活リズムを配慮しています。0歳児から丁寧に受容することで愛着を築き、安心して保育士等に甘えられるようにしています。また、子どもの生活を24時間で捉え、家庭との連続性を意識して保育をしています。集団の中では気持ちを伝えにくい表現の苦手な子に対して個別に向き合うようにし、時にはスキンシップを取りながら、時間をかけて話を聞くなど個別に関わっています。一人ひとりの気持ちを受容し、子どもが主体となるよう園内研修を行い、子どもの気持ちを大切にした「自己決定できるような言葉掛け」や「発達に合わせた言葉がけ」、「子どもの遊びへの集中を途切らせないように配慮した関わり」等の内容について全職員で学び、保育に生かしています。職員は、子ども一人ひとりの特性があることを理解し、寄り添った保育を心がけています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:b】

●0歳児は明るく安全な環境の中で、個人差に留意しながら、離乳の導入を実行し、歩行の始まりと言葉の発生を助けることを主な狙いとします。1歳児では自分で行う喜びや達成感が感じられるよう、励ましながら部分的な援助に留めるように意識して保育にあたっています。2歳児では自分で自主的に行えるように絵本等の教材を使用して導いて、子どものやりやすい環境を整えています。食具は家庭と連絡をとりながら、子どもの姿に応じて多種用意しています。連絡帳にて家庭の様子を確認し、疲れが見られる時には無理に活動に参加させず、休息や安静に過ごせるよう配慮もしています。乳児期から戸外から室内に戻った際は手洗いを行い、習慣化につなげ、幼児クラスでは身に付いた生活習慣を丁寧に継続して行えるように声をかけています。4歳児に対しては、部分的に援助をして徐々に一人で行えるようにし、5歳児には、一人ひとりの様子に応じ、一人で行えるように移行しています。子ども自らが自分の体のことに関心を持ち、健康な生活が送れるよう食育指導や保健指導を行っています。子どもにとって保育園は日中殆どの生活の場となるため、基本的生活習慣を身に着けるという事は大切な事であり、職員もその環境の整備や子どもへの援助については大事に対応しています。特にモンテッソーリ教育を柱としているので環境の中で個人が主体的に自立できるように心がけることを重視しています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

●子どもが自主的・自発的に生活し遊べるように子どもの興味や発達に適した教具を豊富に揃え、子どもが自由に手に取れるよう子ども主体の環境を整えています。室内、戸外ともに遊びを計画する時には、「ねらい」をもって環境を設定して子どもが自主的・自発的に活動できるようにしています。その中で体の動きを促したり、ルールを伝えたり、友だちとの関りが広がるように意識しています。地域の公園を活用し、自然に触れ、日常的に戸外活動を行って体を伸び伸びと動かし、散歩道中は交通ルールを知らせながら子ども自らが安全への関心が持てるようにしています。友だちとの関わりにおいては、思いを職員が受け止め、代弁し関わり方を伝えることで人間関係が育まれるよう援助しています。年齢に応じて社会的なルールや態度を身に付けられるよう、散歩先で出会った地域の方への挨拶、散歩先でのゴミ拾い、地域のイベントにも都合が合う時には参加して交流を行い、地域の方々が保育園に来園した際の挨拶や言葉づかいなども子どもに伝えています。今、子どもにとって何が必要かをよく観察し、子ども主体の環境作りに努めています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●乳児保育(0歳児)では、0歳児が長時間過ごすことに適した環境の中で、安心して、保育士等と愛着関係(情緒の安定)が持てるよう配慮し、興味と関心をもつて生活と遊びが出来るよう配慮しています。愛着関係醸成のため人員配置を常に工夫して緩やかな担当制をとり、関係作りに配慮しています。0歳児の段階では非認知能力の育成を心がけて保育を行っています。保育環境では、少人数で落ち着いて過ごせるよう配慮し、0歳児に合った、様々な教具や寛ぎのスペース、ハイハイが十分にできるような空間があります。職員は0歳児に対して身振りや表情で子どもの欲求を読み取り、丁寧に応えられるようにし、教具は発達段階に合わせて入れ替えを行っています。初めての環境でも安心できるよう、家庭での様子をよく確認し、生活リズムを把握し、子どもが安心して遊べるように保育者の位置や動きに配慮しています。オムツ替えや着替えは1対1で関われる大切な時間と捉え、優しく言葉がけをして落ち着いた雰囲気の中で行っています。毎日、外気浴やお散歩に行くなどの戸外遊びを積極的に取り入れています。保護者とは、家庭や園での生活の様子の情報交換を密に行い、エピソードを記入し、子どもの様子がよく分かるようにしています。送迎時には保護者と一人ひとりの発達の様子を伝え合い、情報を共有しています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●3歳未満児(1・2歳児)の保育については、個別に指導計画を毎月作成しています。養護と教育の一体的な展開を開始する期間と位置付けられていますが、まだ養護の比重が大きい時期なので一人ひとりの子どもの状況に応じ、子どもが自分でしようとする気持ちを尊重し、一人ひとりの成長に合わせて保育に当たっています。洋服の着替えなどの時には待つこと、手伝い過ぎず適度な援助を心がけ、できた時には褒め、達成感や意欲へつなげています。自己主張する気持ちを否定せず、まずは受けとめて子どもの気持ちを尊重しながら関わり、探索活動を十分に楽しめるように日常的に公園に散歩に出かけ、季節の自然物に触れ発見する喜びを味わえるようにしています。室内では、子どもの遊びの様子をよく観察し、興味に沿った教具を用意、子どもたちが安心して遊びへの興味が広がるよう、保育者が傍に寄り添い、関わっています。朝、夕の合同保育の時には異年齢児と関りを広げられるように遊びを設定し、仲立ちをしています。キリスト教教育では、1歳児からミニ礼拝のサークルが始まります。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

●3歳以上児の保育においては養護と教育の一体化を意識して、各年齢別のカリキュラムを丁寧に作成して保育に反映させることで、その日だけでなく先をも据えた育ち・発達を導いて行きます。子どもの育ちや取り組んできた協同的な活動の様子は、園のブログや園内の活動の写真掲示にて配信しています。保護者や地域の方々、就学先の小学校等に伝える工夫については、夏祭り、運動会などの行事の公開を行っています。就学前には、児童要録を作成すると共に、就学先の学校に対し一人ひとりの育ちや園生活の様子についての引き継ぎを行っています。年長児担任は区の幼保小連携会議に出席し、小学校の教員へ保育園での子ども達の生活や遊びの様子を伝えています。キリスト教教育では朝・夕の礼拝が本格的に始まります。モンテッソーリ教育では年齢に関係なく日常生活訓練、感覚教育、知的成長に伴い言語、数、生物、地理、音楽へと幅広い教材に触れて目的を持って取り組んでいます。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●障害児に関しては毎月の指導計画を作成し、要配慮児に関しては、保護者との面談時や関係機関との連絡時などの必要に応じその内容を記録するようにします。指導計画の「備考」欄に配慮が必要な子への対応の配慮点を記入し、保育では絵カードなどを用意し行動を可視化することで、次への見通しが持てるようにします。常日頃より、密に保護者と連絡を取り合い、園での様子や、成長した様子、これからの課題面等を伝え、それらを踏まえ保育での配慮点を確認し、関係機関を紹介する際には、面談を設け、子どもの様子に応じて関係機関と連携を図り、巡回の際に助言等を得、保育に生かしています。職員は障害児研修に参加し、学んだ知識などは研修報告を行い、職員間で共有し、保育に生かしています。指導計画を立て、子どもの状況や発達に必要な関りを行い、成長の様子を記録していけるようにしていきます。環境設定としては点字ブロックや階段のスロープ、オストメイト対応トイレの設備を備えています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

●延長保育を含めて、早朝から保育園にいる子どもについては、ゆったりと生活ができるよう環境を整え、変化をさせながら保育環境に配慮し、ゆっくり、リラックスした保育を心がけています。午前中散歩や戸外で体を動かした後は午後に室内での自由遊びを行う等、心身の疲れや静と動のバランスに配慮し、延長保育では、日中の保育環境と少し変えて寛げる空間を用意し、延長保育で使用する保育室には、乳児が楽しめる教具も充実させ保育環境の工夫をしています。朝夕の合同保育、土曜保育(合同保育)では乳児が誤飲につながるような教具は出さないようルールを設け、子どもたちにも説明し、異年齢で安全に遊べるよう玩具に配慮しています。長時間保育では延長する時間に合わせて「補食」、「夕食」を提供する献立を分けて提供しています。毎日の申し送りで職員同士、子どもの様子を共有して午後の保育につなげることで、お迎え時に担任以外の保育士でも様子を伝えられるようにしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

●小学校への就学、小学校との連携について、小学校連携カリキュラムを作成しています。カリキュラムは、5歳児の9月~卒園までの保育内容では4月以降の小学校教育、なかよしタイム、わくわくタイム、ぐんぐんタイムに向けてプログラムされています。ねらいが学びの基礎力の養成で、保育所保育指針の育みたい資質・能力の3本柱に呼応したものになっています。カリキュラムの構成は、ねらい、活動の柱、主な活動、子どもへの配慮、環境設定、幼・保・小連携、家庭との連携について計画されています。保育の軸は、モンテッソーリ教育を軸にし、日常生活、感覚、言語、数、文化教育について学び、卒園までに習熟します。年長児は近隣の小学校と交流を持ち、小学校生活への理解や期待が持てるよう機会を設けています。保護者へは、懇談会で就学後への見通しが持てるよう、就学に関する講演会を近隣の小学校の教頭先生と児童相談支援コーディネーターを招いて行っています。就学を意識して交流を図っています。川崎区では定期的に幼保小職員の交流の機会や近隣の保育園数園との年長児交流会があります。年長児は、就学後の生活リズムに慣れていけるように、様子を考慮しながら計画的に午睡時間を減らしていっています。担任が作成した要録は園長が目を通し、確認したうえで就学先の小学校に送っています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

●子どもの健康管理に関するマニュアルがあり、それに基づき一人ひとりの子どもの心身の健康状態を把握しています。睡眠中の乳幼児突然死症候群(SIDS)のチェックについてはマニュアルに沿い、時間は0歳児が5分ごと、1歳児以降は10分ごとに実施しています。チェックのマニュアルは全職員に配付し、リーダーを中心に担当保育士にチェック方法等を周知し、徹底を図っています。感染症が流行った際には、症状や予防に関しての情報を掲示などで知らせています。保護者には懇談会や掲示等でも情報を提供していきます。朝の受け入れ時に体温を健康チェック表で確認し、他の健康記録はすこやか手帳に記載して情報を共有しています。体重、身長は1ヶ月に1回計測してすこやか手帳に記載しています。予防接種は保護者が実施した際に記入しています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:b】

●健診では歯科健診(年2回)、内科健診を定期的に行い、0歳、1歳児は2ヶ月ごと、2歳児から5歳児までは4ヶ月ごとに実施しています。保護者へ健診の結果については「すこやか手帳」で伝えています。歯科検診は紙面にて伝え、個別に受診が必要な場合は直接保護者に伝えています。健診結果は、職員間で共有し、必要な援助が出来るようにしていきます。健診結果は「児童健康台帳」に保管しています。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

●アレルギーのある子どもに関しては、半年に1回、医師の診断書と共に「除去食申請書」を提出してもらい、川崎市健康管理委員会に諮り、厚生労働省の「アレルギー対応ガイドライン」を基に適切に対応し、ガイドラインに沿って対応しています。アレルギーに関する研修については、特定の職員のみに知識が偏らないよう、全職員に園内研修等で知識を深めるよう努めています。アレルギーのアナフィラキシー対応が必要な場合は、エピペンを預かり対応もします。食事の提供方法については、栄養士、職員でチェックを行い、専用食器やトレイの使用等により誤配膳がないよう徹底しています。また、食事を楽しめるよう机の配置に配慮する等、誤食が起こらないよう万全の体制で取り組んでいます。乾燥肌の子どもは、保湿クリームを園で預かり塗布しています。

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

●食に関する豊かな経験が出来るよう、各年齢に合わせた「食育計画」を作成しています。食育の年間目標として、0歳児、個々に合った離乳食を進める。1歳児、生活リズムを整え食べることを好きになろう。2歳児、食に興味を持ち、お友達と一緒に楽しく食べよう。3~5歳児、マナーを守って楽しく食べよう、噛む力を育てよう。を目標として進めています。食育の献立では、毎月の行事食・季節料理が計画されています。食育を通して食を大切に出来るように取り組み、楽しい食事につなげています。一人ひとりの咀嚼能力の発達や月齢に合わせた調理方法等の配慮がなされ、咀嚼や飲み込みの様子を丁寧に観察しながら個々に合わせた切り方をし、自分で食べる意欲を育んでいます。食器は子どもの発達に合わせて食べやすい大きさ、形状にしています。野菜の絵本を読むなどして子どもが、食について関心を深める取り組みをしています。園では、苦手な食材が食べられた時は褒め、「食べたい」、「食べられる」が少しでも多くなるよう工夫しています。家庭との連携では栄養士が中心となって、保護者会で子どもの喜ぶメニューのレシピ紹介をする等の活動や、保育参加では給食の試食を行っています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

●献立は行事食や季節料理等を盛り込み、食を楽しめる工夫がされています。旬の食材を多く取り入れた献立や行事食を提供することで、その時期に最もおいしい食材を味わうことができています。また、日本の食文化を伝えるために郷土料理等も献立に取り入れています。栄養士は各クラスを巡回し、喫食状況を記録し、残食チェックにより、子どもたちが安心しておいしく食事ができているかどうかを把握するよう努めています。栄養士は、子どもの個人差に配慮し、食べ切れる量の調節を行い、検食記録簿や喫食状況の記録だけでなく毎月、室長会の際に給食会議を行い、喫食、食育の計画について話し合っています。また、衛生管理の講習会に毎年参加しています。旬の食材については献立に記入し、楽しいレシピも提供しています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:b】

●家庭との連携では、送迎時に、家庭での子どもの姿や園生活の様子を互いに伝え合い、情報交換を行っています。乳児クラスは連絡帳を毎日記入し、幼児クラスでは個別の連絡帳には必要時のみ記入し、全体への連絡はホワイトボードに記入して伝えています。運動会やクリスマス会、保育参加、園内行事等を通して子どもの成長の喜びを分かち合い、年に1回以上の保育参加と個人面談への参加を促し、個別面談やクラス懇談会等で情報交換を図り、信頼関係を築いていけるよう努めています。また、随時、保育参加、面談、相談は受け入れています。ホームページに、毎月、行事の様子を写真付きで掲示する他、クラスだよりでは担任が保育内容を発信しています。家庭の状況、保護者との情報交換の内容は必要に応じて記録し、職員間で情報を共有しています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

●登降園時での保護者との会話を大切にし、日々の様子や一人ひとりの成長を伝え合い、信頼関係が築けるよう努めています。年1回、個人面談を行い、育児に関する悩みや子どもの発達や集団の様子に関してゆっくりと話せる機会を設け、保護者からの要望や園が必要と判断した場合には別途で面談の時間を設け、相談に応じる体制を整えています。また、保護者から要望があれば、担任の勤務時間を調整して担任が相談に応じています。園には看護師、栄養士、発達相談支援コーディネーター等の専門職が常勤し、必要に応じて保護者からの相談に対応できる体制を整えています。相談内容は記録し、個人ファイルに保管し、内容に応じて全職員で共有し、他職種からの助言を受ける等、解決策を相談し合い支援につなげています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

●家庭での虐待等、子どもへの権利侵害事件は近年多くなっているので、早期発見・早期対応が必要と考えています。朝の視診、毎日の着替えやオムツ交換時に身体に変わった様子がないかを確認し、幼児クラスでは、着脱が自立しているため、身体の様子を確認出来ていない日もありますが様子に注力するようにしています。親子関係に心配が見られる保護者へは、送迎時にコミュニケーションを心がけ、子どもの成長やエピソードなどを話し、少しでも育児に対するストレスが緩和できるように支援しています。状況に応じて、職員間で情報を共有し、注意して見守れるような環境作りに努めています。虐待等の疑いがあった際には、関係機関と情報を共有し、連携できるようにしています。職員の知識向上を図るため、積極的に虐待に関する研修に参加し、園内でもニュースなどに取り上げられた情報を共有していきます。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

●保育日誌、月間指導計画、年間指導計画ごとに保育を振り返り、評価・反省を行い、保育内容の改善に活かしています。保育の自己評価を記入する際は、子どもの心の育ちや、遊びの過程を含めた様子を記載するよう心がけています。指導計画作成前にカリキュラム会議を行い、保育の振り返りや評価・反省を報告し合い、職員間の気付きにつなげ、毎月の定例会議において各クラスの保育の様子や保育環境の工夫点や配慮点を伝え合うことで、学びや意識の向上につながっています。職員の自己評価は、研修計画やセルフチェック、職員アンケートで行い、各自の自己評価を定期的及び、総合的に振り返りを行い、次年度の事業計画へつなげており、指導計画作成から保育の実践、評価、次期指導計画へ反映させるPDCAサイクルがきちんと機能する保育を行っています。今後は、今まで以上に、保育士等の自己評価を、保育所全体の保育実践の自己評価につなげていきます。