社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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銀杏保育園・銀杏保育園胡桃館

2020年04月27日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細
① 第三者評価機関名
第三者評価機関名 株式会社フィールズ

② 施設・事業所情報
名称 銀杏保育園・銀杏保育園胡桃館 評価対象サービス 保育所版
対象分野 認可保育所 定員 (銀杏保育園)60  (銀杏保育園胡桃館)44 名
所在地 (銀杏保育園)245-0052 (胡桃館)244-0817
(銀杏保育園)横浜市戸塚区秋葉町147-1     (銀杏保育園胡桃館)横浜市戸塚区吉田町3001-1
TEL (銀杏保育園)045-443-6677    (銀杏保育園胡桃館)045-392-8364 ホームページ http://www.kusunokikai.ed.jp/
【施設・事業所の概要】
開設年月日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 くすの樹会
職員数
常勤職員:(銀杏)11  (胡桃館)5  名
非常勤職員:(銀杏)19  (胡桃館)12 名
専門職員
保育士:(銀杏)23  (胡桃館)13 名
保育補助:(胡桃館)1名 名
栄養士:(銀杏)3  (胡桃館)2 名
調理員:(銀杏)2  (胡桃館)1 名
事務員:(銀杏)1 名
用務員:(銀杏)1 名
施設・設備の概要
居室数:(銀杏)乳児室1 保育室2 一時保育室1  (胡桃館)乳児室1 幼児室1 
設備等:(銀杏)ソーラーパネルによる発電、地熱を利用した空調

③ 理念・基本方針
(法人理念)
私たちは、社会の福祉に資する者として、常に考え続け、行動し続ける努力をします。  
私たちは、私たちがかかわる子どもたちが成長し、社会の役に立つ人になることを願って、日々の保育に専念します。

(保育目標)
1.しなやかでのびのびとした心と体を持ち、人として心の豊かな子に育てます。
2.自ら考え、選びとる目をもち工夫することができ、多くの困難に出会っても乗り越えられる子に育てます。
3.優しさや思いやりの心を素直に表現することができる強い心を持った子に育てます。
4.自分を大切にし、他の人も大切にする子に育てます。やがて、素敵な大人になるであろう子どもたちの育ちに想いを込めながら、子どもたちに関わる総ての人たちと共に育て、また私たちも育てられたいと願っています。

④ 施設・事業所の特徴的な取組
(乳児)
・育児担当制を採り入れた保育
・ことばを手渡す保育
・草履保育(2歳児から)
・主体性を育む保育
・布オムツを使用した保育

(幼児)
・異年齢児保育
・草履保育
・主体性を育む保育
・季節を五感で思い切り感じ取ることができる活動

⑤ 第三者評価の受審状況
評価実施期間 2019/09/01(契約日) ~2020/04/17(評価結果確定日)
受審回数(前回の受審時期) 1 回(2014年度)

⑥総評
特に評価の高い点 1)幼児期までに欠かせない経験を大切にしています
 幼児期までに身体が本来持つバランスや調整能力を育てることを趣旨にしています。健康に配慮しながらも、安易に空調に依存せず外気に順応させることや、素足で過ごし、2歳児から草履を履いて散歩をするなどの保育をしています。
 食事は無農薬の食材、添加物のない自然素材の味付けを大切にしています。1200冊もの絵本を取り揃え、絵本を読み聞かせ想像力を育てることを重視しています。機能性、便利性が高度化した現代社会のなかで、幼児期にこそ経験させたいことを大切にした保育を行っています。


2)子どもの主体的な育ちを大切にしています
 異年齢保育によって年上の子ども・年下の子どもそれぞれが刺激を受け、自主的に成長していける取り組みをしています。異年齢の年齢別年間保育計画を作成し、音楽・体育・アート・文学の4項目に分け、段階的に目標に向けた取り組みにしています。
 保育士は、発達過程と安全性を考慮した上で必要な時以外は、子ども同士の関わりや実体験を大切した保育を行っています。「5歳児会議」は、子どもたち全員が話し合い、一つのテーマを考え、作り上げていく取り組みで、生活発表会での披露につなげています。


3)苦情を積極的に公開して、保育に生かしています
 寄せられた苦情内容を積極的に公開し、ホームページで閲覧できるようにしています。苦情に対して真摯に向き合い、改善すべきことはどのように取り組んだか、逆に園として理解してもらいたい点はどこなのかを内外に明らかにしていきたいと考えています。
 「苦情は自らを高めるための大切な宝物」として、積極的にこれを公開する姿勢により保育の質向上に努めています。
改善を求められる点 1)人材育成の促進
 園の理念・方針を十分理解して主体的に判断し、率先して実践できる人材を育てています。職員参加型の部会活動(環境リスク、絵本、玩具、食育)に取り組んでいます。
 本園分園の協力関係、意思統一を図るために、合同の職員会議を定期的に開催しています。これらの取り組みが、人材の定着、育成に一層効果が発揮されることが期待されます。


2)実習生・ボランティア受け入れのマニュアル化
 ボランティアの受け入れは行っていますが、今後は、受け入れの基本姿勢、手順や注意事項などを明文化し、十分な体制が期待されます。
 実習生の受け入れは積極的に行っています。実習生受け入れは、職員の振り返りの機会でもあり、基本姿勢を明文化し、手順を決めたマニュアルの整備が期待されます。

⑦ 第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント
今回、2回目の第三者評価の受審でした。
 分園の開園3年目、一昨年度末本園職員が多数流出という中で、再出発して間もない時期であり、ほとんどが1~2年目の職員であったため、全員が不安な中での今回の受審でしたが、目標としている保育の方向性や質はむしろ高まり、自分たちの自己評価より良い評価をいただいた部分に安堵し、自信を持つことができた反面、気付いていなかった課題を洗い出すことができたことは、大変有意義でした。
 今回の受審を通して主任保育士を中心に、中堅職員の成長と、短時間職員の意識の変化とともに、分園との協力関係を構築した職員全員のチームワークと努力のあとを感じることができました。
 評価結果を受けて、全員で共有し、私たちの園の強みを生かし、課題に取り組むための道標を得ることができたことに一同感謝しております。
ありがとうございました。

詳細評価PDF

評価対象Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織

Ⅰ-1 理念・基本方針
【1】Ⅰ-1-(1)-① 理念、基本方針が明文化され周知が図られている。

【第三者評価結果:b】

園の理念や方針は、パンフレット、ホームページ、しおり(重要事項説明書)に明記されており、入園時の説明会、クラス懇談会等で保護者の理解を得るように努めています。保育目標は、子どもが育つ目標の姿ですが、同時に職員のあるべき姿でもあり、行動規範だとしています。職員が保育理念を念頭に入れた保育をするために園内研修などを継続していますが、スキルには個人差があるようなので、今後一層の取り組みを期待します。

Ⅰ-2 経営状況の把握
【2】Ⅰ-2-(1)-① 事業経営をとりまく環境と経営状況が的確に把握・分析されている。

【第三者評価結果:a】

施設長は、全国社会福祉法人経営者協議会の経営検討会議の委員の経験で、社会福祉事業全体の動向、事業経営をとりまく環境や経営課題について把握、分析しています。地域では、社会福祉協議会保育部会の地区福祉部委員も務め、地域の子どもの数、保育ニーズ、潜在的な利用者に対するデータを把握しており、保育園を取り囲む経営環境や課題を理解しています。

【3】Ⅰ-2-(1)-② 経営課題を明確にし、具体的な取り組みを進めている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、法人の常務理事も兼任しており、園の経営環境や組織の課題を熟知しています。特に園の課題は、組織体制の役割分担、職員体制、人材育成を重要課題として認識しており、法人理事会でも重要課題として取り上げています。これまで、法人として様々な対策をとっていますが、今後、それらの効果が発揮されること期待します。

Ⅰ-3 事業計画の策定
【4】Ⅰ-3-(1)-① 中・長期的なビジョンを明確にした計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

中期計画は2018年度~2022年度の5か年間としており、人材育成、待遇改善、地域貢献を内容としています。中期目標は年度ごとに修正を加えながら、3年後(2020年度末)に中間まとめを行います。
長期計画は、管理職の育成と園舎の修繕を挙げています。改修修繕については、長期修繕計画を立てて法人として積立をしています。実施状況の評価をしやすいように、数値目標や具体的な成果を設定することが今後期待されます。

【5】Ⅰ-3-(1)-② 中・長期計画を踏まえた単年度の計画が策定されている。

【第三者評価結果:b】

単年度の計画は中・長期計画を反映して、単年度の重点項目を挙げてます。事業計画には、法人理念、保育理念の共通理解、保育内容を深めること、本園と分園の協力関係と方向性を一致させるための職員会議、管理職の意思疎通を深めること等が記載されています。数値目標はありませんが、理事会には半期ごとに進捗状況を報告しています。今後、検証がしやすいように計画をさらに具体化するなどの工夫を期待します。

【6】Ⅰ-3-(2)-① 事業計画の策定と実施状況の把握や評価・見直しが組織的に行われ、職員が理解している。

【第三者評価結果:a】

事業計画のうち、重点目標は施設長を中心に、主任保育士、リーダー職員が話し合ったものを文書化しています。研修計画、行事計画は職員が策定したものを原則的に採用しています。事業計画の進捗状況は、半期に一度、理事会に報告することになっており、法人全体で把握されています。職員全体には年度当初に職員会議で周知しています。

【7】Ⅰ-3-(2)-② 事業計画は、保護者等に周知され、理解を促している。

【第三者評価結果:b】

事業計画は、ホームページに掲載され、園でも自由に閲覧できるようになっています。保護者会総会でも施設長が内容を説明しています。保護者がどの程度理解を深めたかの確認はしていませんが、保護者会側、園側双方で窓口担当者を決めており、疑問質問に対応することにしています。

Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組
【8】Ⅰ-4-(1)-① 福祉サービスの質の向上に向けた取組が組織的に行われ、機能している。

【第三者評価結果:a】

保育内容についてクラス会議で振り返り、リーダー会議で取りまとめたうえで毎月、「反省・目標」を整理して全員に配布し、職員会議で周知しています。職員の自己評価は、定められた評価基準に基づいて年に2回実施します。そのうえで園としての自己評価を取りまとめ、結果は園内で自由に閲覧できるようにしています。第三者評価は平成26年に受審して以来、今回で2回目です。

【9】Ⅰ-4-(1)-② 評価結果にもとづき組織として取り組むべき課題を明確にし、計画的な改善策を実施している。

【第三者評価結果:b】

評価結果をもとに、課題を自己評価としてとりまとめ、事業計画、中・長期計画に反映させています。評価結果を職員間で回覧し、課題の共有化を図っています。評価結果に基づく改善策を計画的に取り組むこと、改善策の実施状況を評価し、必要に応じて改善計画を見直しを行うなどを今後に期待します。

評価対象Ⅱ 組織の運営管理

Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ
【10】Ⅱ-1-(1)-① 管理者は、自らの役割と責任を職員に対して表明し理解を図っている。

【第三者評価結果:a】

施設長は、園の経営・管理における理念や、基本方針を踏まえた方針と取り組みを、職員会議や、職員の自己評価や保育所の自己評価などを作成する過程で、明確に示しています。また、職務分掌を文書化し、平常時のみならず施設長不在時の権限委任において職員の役割と責任を明確にし、会議などで周知しています。

【11】Ⅱ-1-(1)-② 遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

施設長は、中堅所長研修、社会福祉会計実務や労務などの管理監督の研修に参加し、施設として遵守すべき法令などを理解した事業経営に努めています。職員には、職員として遵守すべき具体的な取り組みなどを職員会議、職員の自己評価、保育所の自己評価などで周知しています。
職員は入職時に個人情報保護に関する誓約書を提出しています。今後は、職員の倫理綱領としての理解を深め、保育実践に繋げていきたいとしています。

【12】Ⅱ-1-(2)-① 福祉サービスの質の向上に意欲をもち、その取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:a】

発達年齢に合わせた年間の指導計画、月指導計画、週日案の活動における職員の評価、また、定期的に行う個人面談や自己評価などから保育の現状を把握し、評価・分析を行っています。分析の結果による課題は職員会議でとりあげ、改善に向けた体制づくりにつなげるなど、指導力を発揮しています。
園の特徴として乳児の育児担当制保育・異年齢児保育に関するOJTを主任が中心に行い、全職員の専門性をより高めています。

【13】Ⅱ-1-(2)-② 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している。

【第三者評価結果:b】

経営状況やコストバランスの分析は、法人本部が行っていますが、施設長は全体的な人事、労務、財務などを把握し、人材確保や職員の働きやすい環境整備などの取り組みに努めています。
トップダウン的な運営ではなく、職員自らが園運営の改善や質の向上に向けた・リスクマネージメント・環境・絵本・おもちゃの4部門会を立ち上げ、園全体で共有を図る体制が出来ました。部会は、非常勤も含め、各部会でマニュアル作成や目標を明確にするなど、保育活動の内容や保育所自体の質の向上に向けた部会にしていきたいとしています。

Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成
【14】Ⅱ-2-(1)-① 必要な福祉人材の確保・定着等に関する具体的な計画が確立し、取組が実施されている。

【第三者評価結果:b】

必要な人材や人員体制についての具体的な計画や専門職の人材確保と育成に関する方針は確立しています。人材の育成に関しては、年度ごとの職員研修計画表や5か年研修計画にキャリアップ制度や階層別研修を導入した人材育成が行われています。人材確保に関しては、計画的に取り組んでいますが、効果的とは言えず、今後は効果的な人材確保の取り組みをしていきたいとしています。

【15】Ⅱ-2-(1)-② 総合的な人事管理が行われている。

【第三者評価結果:a】

理念や基本方針に基づく「期待する職員像」は、園の保育目標やパンフレットなどで明確にされています。人事基準を文書化し、職員に周知しています。職員の専門性、職務遂行能力、職務に関する成果や貢献度は、キャリアパス制度、研修成果、日々の保育活動などによる評価を基に人事考課を行います。
年に2回主任と面談を行っています。本人の自己評価で次期の目標を確認し、キャリアデザインを職員自身で立てていける取り組みをしてます。また、職員それぞれが5年後、10年後の将来めざす姿を自ら描く「野望」という文書を、封印の上のうえ施設長に渡すという取り組みをしています。

【16】Ⅱ-2-(2)-① 職員の就業状況や意向を把握し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる。

【第三者評価結果:b】

職員の就業状況や意向の把握など労務管理関連の責任体制を明確にしています。定期的な個別面談のみならず、自分から申し出にくい職員には様子を見て声をかけるなど、出来るだけストレスを感じない環境作りに努めています。
正規職員の年間115日の公休と有給休暇5日の取得で年間実休暇を120日間(月間実質10日の休暇)にし、ワークライフバランスに配慮した取り組みを行っています。オンとオフの切り替えを大切にし、自己研鑽や研修による専門性の向上、働きやすい職場への工夫は、今後も引き続き検討していきたいとしています。

【17】Ⅱ-2-(3)-① 職員一人ひとりの育成に向けた取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

期待する職員像を明確にし、職員一人ひとりの目標管理は、日常保育の実施の様子、保育内容を深めるための研修やキャリアパス制度、自己評価などから把握しています。個人面談は前期・後期の年2回行い、職員の目標、進捗状況など把握し、目標達成度の確認を行っています。

【18】Ⅱ-2-(3)-② 職員の教育・研修に関する基本方針や計画が策定され、教育・研修が実施されている。

【第三者評価結果:b】

5か年の人材育成研修計画書、年間の研修計画表を策定しています。法人傘下の人材育成として等級、専門職に必要な資格(階層別研修)、全職員対象とする研修内容が記載された一覧表から期待する職員像を読み取ることが出来ます。研修は計画的に実施され、研修参加の報告、自己評価などから総合的な計画の評価や見直しを行っています。
研修後は、職員会議や回覧でのフィードバックをしていますが、十分ではなく、今後は効果的に共有できる工夫が必要だとしています。

【19】Ⅱ-2-(3)-③ 職員一人ひとりの教育・研修の機会が確保されている。

【第三者評価結果:a】

各職員の技術水準、知識、専門資格などの把握は、日常の保育援助、自己評価や個人面談などで把握しています。新規採用職員や短時間職員、派遣職員に対する保育の一定の水準をあげるために主任がOJTとして指導しています。人材育成研修計画により、職員の必要な知識・技術に応じた教育や研修を行っています。
特に園の特徴とする育児担当制保育・異年齢保育に関しては、外部の専門講師により、全国から講習に参加する全国レベルの研修を年4回行い、園内での演習や理論研修を全職員対象で行うなど、より専門的な保育援助に努めています。

【20】Ⅱ-2-(4)-①実習生等の保育に関わる専門職の研修・育成について体制を整備し、積極的な取組をしている。

【第三者評価結果:b】

実習生の受け入れは積極的に行っています。実習前にオリエンテーションを行い学校や本人の希望に沿った効果的なプログラムを作成しています。プログラムの内容により、担当保育士が指導に当たり、指導者に対する研修は園長や主任が行います。実習生が意欲的に取り組める環境づくりに配慮すると共に実習生受け入れは、職員の振り返りの機会としています。
受け入れのマニュアル整備が十分ではなく、今後は、園の基本姿勢を明文化し、手順を決めたマニュアルの整備が期待されます。

Ⅱ-3 運営の透明性の確保
【21】Ⅱ-3-(1)-① 運営の透明性を確保するための情報公開が行われている。

【第三者評価結果:a】

園のホームページには、法人理念、基本方針、保育理念、保育内容や苦情・意見なども全面的に公表しています。また、園の玄関ホールで事業計画、事業報告、第三者評価受審、苦情、相談内容に対応した改善や進捗状況などを閲覧することができます。
地域子育て支援として一時保育や園開放では、理念や保育方針、園で行っている活動などの説明や印刷物を配布しています。また、餅つき大会では、地域住民の方が参加し、伝統的な行事を経験できたと好評でした。分園では、地域住民の誰でも利用できる地域交流スペースの開放を検討しています。

【22】Ⅱ-3-(1)-② 公正かつ透明性の高い適正な経営・運営のための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

運営規定に園における事務、経理、取引などに関するルールや職務分掌と権限責任を明確にしています。定期的な監事、会計事務所による内部監査を実施しています。監査による指摘事項やアドバイスなどは、職員全員で話し合い、経営改善に向けて取り組んでいます。

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献
【23】Ⅱ-4-(1)-① 利用者と地域との交流を広げるための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

事業報告、事業計画や全体計画、年間計画に発達年齢に合わせた地域との関わり方について基本的な考えを明示しています。散歩で出会う地域の人々や散歩先の公園で一緒になった子どもたちとの挨拶や接し方などについて伝えています。また、地域で開催される夏祭りやサツマイモの苗植え、梅のもぎ取りなどで協力してもらう地域住民との交流でいろんな体験が出来る機会を設けています。玄関ホールには、保護者への情報として地域のイベントを掲示し、地域の社会資源を利用するよう推奨しています。

【24】Ⅱ-4-(1)-② ボランティア等の受入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している。

【第三者評価結果:b】

ボランティアの受け入れは、積極的に行っていますが、受け入れに関する基本姿勢の明文化やマニュアルの整備が不十分です。学校教育の協力についてはその都度基本姿勢を伝えていますが、明文化はしていません。今後は、受け入れの手順や具体的な注意事項など、十分な体制が期待されます。現在、東京大学大学院教育研究科付属の発達保育実践政策学センターによる園児らの行動の研究に協力しています。(保護者の同意を得ています)

【25】Ⅱ-4-(2)-① 保育所として必要な社会資源を明確にし、関係機関等との連携が適切に行われている。

【第三者評価結果:b】

地域療育センターが園へ定期的に巡回訪問し、園児の様子や支援方法について情報を交換しています。区社会福祉協議会、主任児童委員との連携や、地域子育て支援拠点の子育て支援活動は他園と協働し、引き続き行っていきたいとしています。
虐待等権利侵害に関しては、必要に応じて区役所、児童相談所など関係機関との連携をしています。病院のリストは作成していますが、他の関係機関を含めたリストの作成がありません。今後は、個々の子ども、保護者の状況に対応できる関係機関のリストを作成していきたいとしています。

【26】Ⅱ-4-(3)-① 地域の福祉ニーズ等を把握するための取組が行われている。

【第三者評価結果:a】

園では、地域の子育て支援として園庭開放や一時保育を行い、利用者と交流する中で、子育て家庭のニーズや生活課題を把握するように努めています。また、自治会に加入し、地域の情報やニーズなどの把握、住民との交流をしています。一人暮らしの高齢者向けの食事会に子どもたちが季節のメッセージを届けています。
お話会や餅つき大会を開催するなど、地域交流に努めています。園が特徴とする育児担当制保育に取り組んでいる他の4法人4施設で年間4回の公開保育と講演会を実施する予定です。また、分園の1階に地域交流スペースをて開放し、地域住民の誰もが気楽に立ち寄れる憩いの場にしたいと現在検討しています。

【27】Ⅱ-4-(3)-② 地域の福祉ニーズ等にもとづく公益的な事業・活動が行われている。

【第三者評価結果:a】

地域ニーズを把握し、出来る限り、園児らと共に社会体験も含めた活動に努めています。高齢者への季節メッセージを届けるなど、高齢者へのいたわりや思いやりを育む活動をしています。育児担当制の研修会を他園と開催し、公開保育や講演会を計画的に実施しています。今後は、地域交流スペースの多目的な活用や防災設備の充実、AED設置公表など、園が出来る地域支援をしていきたいとしています。

評価対象Ⅲ 適切な福祉サービスの実施
Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
【28】Ⅲ-1-(1)-① 子どもを尊重した保育について共通の理解をもつための取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

園は、子どもの最善の利益をなにより大切にすることを謳い、育児担当制(乳児)、異年齢児保育(幼児)を特徴としています。それらはいずれも子どもを尊重した保育の方法であり、「しおり」、「重要事項説明書」等に明示されています。育児担当制・異年齢児保育については、毎年、専門講師を招聘して職員研修をしています。子どもが互いに尊重する心を育てることは、異年齢保育を通じて実践しています。性差への先入観を固定化しないよう、留意しています。

【29】Ⅲ-1-(1)-② 子どものプライバシー保護に配慮した福祉サービス提供が行われている。

【第三者評価結果:b】

子どものプライバシー保護については、規定・マニュアル類に記載はされていませんが、保育をする上で当然の前提として行っています。プールは、2階のテラスに設置されますが、利用時は目隠しのシートが張られます。お泊り保育では入浴をしますが、男女で時間をずらし、同性で入浴をするように配慮しています。子どものプライバシー保護は当然とはいえ、保育者によって対応に差が出ないようルールを文書化することが期待されます。

【30】Ⅲ-1-(2)-① 利用希望者に対して保育所選択に必要な情報を積極的に提供している。

【第三者評価結果:a】

利用希望者が必要とする情報は、市のホームページなどにすべて公開されています。育児イベント等でのパンフレットの配布などを行っています。パンフレットはカラー写真入りで保育の特徴をわかりやすく説明しています。見学希望者には、希望者の都合に合わせて見学日程を入れています。1日3組までにして、パンフレットを渡して職員が園内を丁寧に案内し、質問に答えています。

【31】Ⅲ-1-(2)-② 保育の開始・変更にあたり保護者等にわかりやすく説明している。

【第三者評価結果:a】

入園前の面談で、利用申込者に対して重要事項説明書を渡し、説明を行い、同意書の書面を残しています。保護者の就労時間状況に合わせて保育時間を変更する場合や、延長保育の利用方法についても文書化され、説明と同意を得ています。
当初予定していた行事日程が変更する場合は、その都度知らせるとともに、園だよりに必ず3か月後の予定表をつけて、保護者が確認できるように工夫しています。

【32】Ⅲ-1-(2)-③ 保育所等の変更にあたり保育の継続性に配慮した対応を行っている。

【第三者評価結果:a】

保育所の変更がある場合、移行先の施設に対して必要に応じて情報提供しています。保護者の同意を得たうえで、乳児では自立支援計画書、幼児では進級ごとに作成される学年要録を送付しています。退園後もいつでも相談や遊びに来れるよう声掛けし、その場合は施設長や主任が対応することになっています。

【33】Ⅲ-1-(3)-① 利用者満足の向上を目的とする仕組みを整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもの満足度は日々の保育のなかで、十分遊び込めているかどうかを観察、記録して把握するようにしています。保護者アンケートは、行事後に実施しています。クラス懇談会は年度当初に開き、また年度末には個人面談を行い保護者の要望や意見を聴きとるようにしています。
保護者参加の機会にも意見を聴きとるようにしています。利用者の満足度合は主任が把握し、分析と検討は施設長と協議し、必要な改善策を施しています。

【34】Ⅲ-1-(4)-① 苦情解決の仕組みが確立しており、周知・機能している。

【第三者評価結果:a】

意見・要望・苦情・不満を解決するための仕組みがあり、規定には苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員が明記されています。これらは保護者にわかりやすいように文書化され、園内に掲示されています。「苦情は自らを高める宝物」として、受けた苦情はありのままに公表し、ホームページに公開しています。園として苦情内容を真摯に受け止めて公開することで、改めるべきこと、逆に理解を求めていきたいことを内外に明らかにしていきたいと考えています。

【35】Ⅲ-1-(4)-② 保護者が相談や意見を述べやすい環境を整備し、保護者等に周知している。

【第三者評価結果:a】

保護者が相談したり意見が述べやすいように、重要事項説明書(しおり)には、連絡帳、面談、懇談会、保育参加、各行事等々の手段や機会を具体的に例示し、「心配なこと、分からないことはいつでも職員にお尋ねください」と呼び掛けています。クラスで担任が対応することもありますが、相談内容によっては個室の相談室を利用し、相談しやすいような配慮をしています。

【36】Ⅲ-1-(4)-③ 保護者からの相談や意見に対して、組織的かつ迅速に対応している。

【第三者評価結果:b】

職員は、送迎時にあいさつや声かけを心がけ、保護者が気軽に相談しやすいような雰囲気作りに努めています。玄関に意見箱を設置しています。職員は把握した相談や意見について検討に時間がかかる場合は、時間がかかる理由を説明して、責任者から回答するように伝えています。意見等に対して、改善すべき点はすぐに取り組み、また園の考え方も伝えながら互いに相互理解ができるような体制を整えています。

【37】Ⅲ-1-(5)-① 安心・安全な福祉サービスの提供を目的とするリスクマネジメント体制が構築されている。

【第三者評価結果:a】

各クラス職員代表で構成されたリスク部会があり、日常の事故予防、危険性などを話し合われています。最終的な責任者は施設長です。こどもの安心と安全を脅かすヒヤリハット事例は、その日のうちに業務日誌に簡潔に報告され、すべての職員が出勤時に確認できるようになっています。その後、けがの有無にかかわらず事故報告書が作成され、事後検証・分析をしています。またリスクマネジメント研修の受講をしています。

【38】Ⅲ-1-(5)-② 感染症の予防や発生時における子どもの安全確保のための体制を整備し、取組を行っている。

【第三者評価結果:a】

感染症対策の責任者は施設長、担当責任者は看護師が務めています。「感染症対応マニュアル」が策定されており、適宜見直され、職員に周知されています。担当の看護師が研修会勉強会に参加しています。感染症が発生した際は、園内に掲示して知らせ、子どもたちを守るために、登園自粛を呼びかけます。登園基準が感染症別に定められ、保護者に伝えられています。

【39】Ⅲ-1-(5)-③ 災害時における子どもの安全確保のための取組を組織的に行っている。

【第三者評価結果:b】

分園は浸水リスクの対象エリアになっているため、マンションの上階に避難することになっています。避難訓練は、月1回の避難消火訓練、年2回の広域避難場所への避難訓練を実施しています。非常時は災害伝言ダイヤルで保護者に非常時の情報を提供することにしています。「引き取りカード」を持参した保護者等が迎えに来るまでは子どもを預かることにしています。今後は、防災計画の策定、備蓄品の管理と充実に期待します。

Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
【40】Ⅲ-2-(1)-① 保育について標準的な実施方法が文書化され保育が提供されている。

【第三者評価結果:a】

育児担当制を行っている乳児には、食事、着脱、排せつを担当保育士が行うことになっており、発達年齢ごとの詳細な「保育マニュアル」があります。
どの保育士が担当しても標準的な対応ができるように、常に支援方法を確認し合い、外部講師を招いた研修を毎年行っています。子どもが必ずしもマニュアル通りの動きにならない場合でも強制せず、子どもの意思を最優先するようにしています。

【41】Ⅲ-2-(1)-② 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立している。

【第三者評価結果:a】

保育の標準的な実施方法は毎月クラスの職員が振り返り、毎年9月と3月に主任がその内容をまとめることになっています。研修を行って、そのなかで課題を発見し、見直しになることもあります。検証・見直しの結果、環境の見直しや指導計画の変更などは臨機応変に行っています。

【42】Ⅲ-2-(2)-① アセスメントにもとづく個別的な個別支援計画を適切に策定している。

【第三者評価結果:a】

指導計画策定の責任者は施設長です。入園時には保護者に子どもの1日の生活リズムを記入してもらい、食事、排泄、睡眠、アレルギーなどの情報を得ます。園は発育発達表に子どもの様子をチェックし、個別支援計画を立てていきます。保護者のニーズは、入園児の面談、懇談会などの面接で把握し、指導計画に反映していきます。計画策定には、必要に応じて看護師、栄養士が加わります。支援困難ケースは市の担当部局、保健師等と連携して、適切な保育を提供しています。

【43】Ⅲ-2-(2)-② 定期的に個別支援計画の評価・見直しを行っている。

【第三者評価結果:b】

指導計画の評価、見直しは、クラスの打ち合わせ、リーダー会議等で定期的に行われ、職員会議で共有化されています。評価した結果は適宜、次の指導計画の作成に生かしています。見直しを行う時期や保護者への同意を得るための手順、緊急に変更した場合の手順などを明確化していくことを今後期待します。

【44】Ⅲ-2-(3)-① 子どもに関する保育の実施状況の記録が適切に行われ、職員間で共有化されている。

【第三者評価結果:a】

全体の園児の状況は管理日誌に記録され、具体的な生活状況は乳児、幼児ごとに統一した様式に記録されています。記録する職員で書き方に差異が生じないよう作成要領などを主任が適宜指導しています。保育の実施状況によって疑問や判断に迷う場合は、必ず主任に連絡して指示をもらうことになっています。全園児の状況や事故、ヒヤリハットは管理日誌に記載され、出勤時に確認した職員がサインすることになっています。

【45】Ⅲ-2-(3)-② 子どもに関する記録の管理体制が確立している。

【第三者評価結果:b】

「個人情報保護に対する基本方針」があり、運営規定に業務上得た子ども、保護者の情報、秘密保持がうたわれています。職員は入職の際、秘密保持の誓約書を提出することになっており、退職後も秘密保持を義務付けられています。運営規定では子どもに関する記録は5年保存とされていますが、実際には会計書類と同一の10年保存にしています。今後は、記録管理の責任者を明記するなどルールを明確にすることが期待されます。


評価結果内容評価

A-1 保育内容
【A1】A-1-(1)-① 保育所の理念、保育の方針や目標に基づき、子どもの心身の発達や家庭及び地域の実態に応じて全体的な計画を作成している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画は、児童憲章、児童の権利条約、児童福祉法、保育所保育指針などの趣旨をとらえ、園の理念、保育方針や目標に基づいて作成しています。入園しているすべての子どもを主体とし、それぞれの発達過程を踏まえ、養護のねらい・内容、教育のねらい・内容など、養護と教育が一体的に展開できる計画を作成しています。
全体的な計画の作成には、各クラスの週案・日誌などの評価、見直しから月間指導計画、年間指導計画への見直しや改善を繰り返しながらトータル的な支援計画に仕上げています。全体的な計画で見直しの必要なところは、次の作成に反映させています。

【A2】A-1-(2)-① 生活にふさわしい場として、子どもが心地よく過ごすことのできる環境を整備している。

【第三者評価結果:a】

各保育室には温湿度計を設置し、適切な状態に保たれています。保育室は冷暖房で完備されています。保育室には加工された建材などは使用されず、檜やクルミ材の床に幼児は素足で過ごしています。四季の気温を肌で感じることが出来るように夏には、地熱換気システムで地熱の一定した涼しい風を送り出し、冬には、太陽の陽ざしを園内の蓄熱レンガに吸収させるなど、出来る限り、自然を活かした環境に努めています。
乳児の部屋は床暖房にし、温湿度計で適温に保たれています。家具やおもちゃも出来る限り木製を使用し、発達年齢に合った子どもの動線に配置しています。園には子どもの本が千冊以上あります。好きな本を好きな場所で落ち着いて読むことが出来ます。午睡はコット(簡易ベット)で休みます。おもちゃ、遊びのテーブルや椅子は、毎日手順に沿って消毒をしています。汚れた時は都度消毒をし、午睡時と給食時の衛生管理に努めています。手洗い場やトイレは、清掃が行き届き、清潔で衛生的に保たれています。

【A3】A-1-(2)-② 一人ひとりの子どもを受容し、子どもの状態に応じた保育を行っている。

【第三者評価結果:b】

子どもの発達や心の動き、性格などを把握し、子どもの思いを尊重した応答的なふれあいや言葉かけを行っています。子どもが、安心し、安定して園で過ごすことが出来るように信頼関係を築くことに努め、子どもが意欲を持って活動し、自信につながるように心がけています。
年齢に合わせ、分かりやすい言葉づかいで話していますが、時には急かす言葉も出てしまう時があります。職員間でその都度注意をし、不必要にせかす言葉や制止させる言葉を用いないよう、自己評価で振り返りを行っています。

【A4】A-1-(2)-③ 子どもが基本的な生活習慣を身につけることができる環境の整備、援助を行っている。

【第三者評価結果:a】

発達過程に合わせ、衣服の着脱、食事、排泄、睡眠、休息など、基本的な生活習慣を身につけられるように援助しています。「自分でしてみよう」という気持ちが継続できる環境や声掛けに工夫をし、「自分で出来る」「一人で出来た」自信に繋げています。子ども一人ひとりの状態に合わせた活動と休息のバランスに配慮しています。
特に乳児は育児担当制の保育援助を行っており、子どもの気持ちを尊重することを大前提とした保育を行っています。生活習慣を身に付けることの大切さは、それぞれの活動の中で保育士を初め看護師や栄養士からも、発達年齢に合わせて子どもが分かるように伝えています。

【A5】A-1-(2)-④ 子どもが主体的に活動できる環境を整備し、子どもの生活と遊びを豊かにする保育を展開している。

【第三者評価結果:b】

本園は、園庭が広く、一面に芝生を張り、子どもたちが自由に丘を登ったり、土管をくぐったりできる探検型の園庭にしています。5歳児会議は、一つのテーマを子どもたちで考えていく活動ですが、美術・技術的な活動を、年下のクラスにも落としていきます。子どもたち全員で一つのテーマを展開していき、発表会で披露しています。
散歩や公園先で知り合う他園の子どもたちや地域住民との挨拶、社会的なルールや外での危険なことなどは、その都度分かりやすく伝えています。園としては、子どもたちが主体的に活動できる環境や整備がまだ十分だとは言えず、今後は本園、分園とも同じ保育レベル、保育環境で子どもたちにとって豊かに成長できるようにしていきたいとしています。

【A6】A-1-(2)-⑤ 乳児保育(0歳児)において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

乳児に対しては担当保育制を採っており、食事、着替え、排せつの対応で担当保育士が子どもの置かれている状態や発達過程を把握しています。子どもの表情を大切にし、応答的なふれあいをしています。子どもが安心して過ごせるように信頼関係を築き、個々の発達に応じた関心や興味が持てる数多くのおもちゃや絵本を用意しています。
園内散歩や園庭遊びも多く行い、静と動の活動を適切に組み合わせています。家庭との連携は、毎日の連絡帳で行い、子どもの一日の様子や成長が読み取れる内容にしています。

【A7】A-1-(2)-⑥ 1歳以上3歳児未満の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

「自分でしよう」とする気持ちや「一人でできた」喜びを大切にし、子どもが意欲的に活動できるように待つ援助を行っています。散歩や公園先で自然に触れ、道中で社会体験を味わい、園庭での探検、他の異年齢クラスへ行って好きなおもちゃで遊んだり、職員室へ探検に行くなど、子どもの新しい発見や興味から自発的な活動が出来るように進めています。
噛みつきやけんかの対応は、それぞれの気持ちを受け止めて保育士が代弁し、けんかなどの原因にならないよう十分な数の遊具を用意するなど、環境整備に努めています。園では、噛みつきやけんかはあまり発生していないとしています。保育士以外との関わりは、学習体験、実習生、ボランティアなどで訪れる人たちや散歩先での交流があります。トイレトレーニングや衣服の着脱などを通じて、一人ひとりの子どもが「できた」時の喜びや自信を得る姿を家庭と共有するように努めています。

【A8】A-1-(2)-⑦ 3歳以上児の保育において、養護と教育が一体的に展開されるよう適切な環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:a】

毎日の保育活動が全体的な計画を基にした異年齢保育のため、子どもの発達過程によって年上の子ども・年下の子どもそれぞれが刺激を受け、生活や遊びから自主的に成長していける取り組みをしています。各年齢別年間保育計画を作成し、音楽・体育・アート・文学の4項目に分け、段階的に目標に向けた取り組みにしています。
保育士は、発達過程を考慮した上でそれぞれの安全性を確認しながら必要な時以外は、子ども同士の関わりが主体的活動になるような対話や見守りを行っています。5歳児会議では、一つのテーマを5歳児が中心になって園の子どもたち全員で一つのテーマを作り上げ、生活発表会で披露しています。保護者と園の個別の交換ノートには、1カ月の子どもの様子を写真やコメントをつけ、保護者からは、家庭であった様子を同じように写真やコメントを付けて交換しています。この交換ノートにより、保護者と園が子育てを楽しみながら共感できる貴重な成長記録として残すことが出来ています。

【A9】A-1-(2)-⑧ 障害のある子どもが安心して生活できる環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

基本的に障害の有無に関わらず子どもが必要とする保育援助を行っています。障害のある子どもには、その子の状態を把握し、他の子どもと同じ行動を無理強いせず、その子のペースに合わせた保育を行っていますが、園は、障害のある子どもに対する保育内容や方法をさらに向上させたいと考えています。
今後は、戸塚区子ども家庭支援課や療育センターなど、専門機関や保護者との連携を密に取り、その子の最善の利益を考えた保育を行っていきたいとしています。職員は、障害の子どもに関する外部研修を受けていますが、研修内容を職員にフィードバックする機会が十分でないので、今後は、職員間の理解が深まるよう、園全体で取り組んでいきたいとしています。

【A10】A-1-(2)-⑨ 長時間にわたる保育のための環境を整備し、保育の内容や方法に配慮している。

【第三者評価結果:b】

延長保育は異年齢で行っています。子どもの個別支援計画を基に一人ひとりの生活のリズム、心身の状態を把握し、自由遊びでストレスにならない雰囲気に努めています。体調などに変化がみられた場合は、職員間で共有し、状況を見ながら対応をしています。
一人ひとりの状態を個別に記録し、保護者に伝え、次の日の登園ノートに引継いでいますが、園では職員間の引継ぎが十分ではないと考えています。今後は、引継ぎノートを的確に記録し、保育士間で漏れのない連携体制を図りたいとしています。

【A11】A-1-(2)-⑩ 小学校との連携、就学を見通した計画に基づく、保育の内容や方法、保護者との関わりに配慮している。

【第三者評価結果:a】

全体的な計画・年間保育計画、月間指導計画、週日案及び日誌に就学に向けての具体的な内容が記載され、それに基づいた保育を行っています。通常は異年齢保育をしていますが、就学前には5歳児の単独クラスとして生活や遊びを意欲的に取り組める環境にしています。他園の子どもたちや小学校1年生との交流を通して、就学への期待感が持てるようにしています。幼保小合同研修会で得た情報は、保護者会で伝えています。
希望により、個別相談を行い、就学の不安軽減や見通しが持てるように配慮しています。小学校に提出する「保育所児童保育要録」は、保育所での育ちや発達の状況・保護者の思いなどを含め、施設長の責任の下に職員間で話し合い作成しています。就学先の担当教諭へは、面談や電話で一人ひとりの状況を丁寧に伝え、保育園から小学校への育ちの連続性を図っています。

【A12】A-1-(3)-① 子どもの健康管理を適切に行っている。

【第三者評価結果:b】

健康管理に関する基本的なマニュアルを整備しています。常勤の看護師が、一人ひとりの心身の健康状態を把握しています。日常の健康管理は看護師を中心に保育士や栄養士が連携して行っています。保育中の発熱や体調不良、怪我は症状の軽微に関わらず、職員間で共有し、時間や場所、症状・種類など詳細を管理日誌に記載し、保護者に伝え、事後の確認をとっています。
年間の指導計画に保健・健康に関する計画を作成し、保護者には年間の行事予定、毎月の「ほけんだより」で園の方針や取り組みを伝えています。感染症や熱中症の予防や対応策は、子どもには分かりやすく伝え、保護者や職員には状況を伝え、注意喚起しています。既往症や予防接種の接種状況は、保護者からの文書提出により把握していますが、徹底されていない現状があります。職員はSIDSに関する知識を周知し、SIDSチェック表で安全を確かめています。保護者に対して園の方針や必要な情報提供を行っています。

【A13】A-1-(3)-② 健康診断・歯科検診の結果を保育に反映している。

【第三者評価結果:a】

健康診断、歯科健診は全園児・年に2回、視聴覚健診は3、4歳児・年に1回、尿検査は全園児・年に1回実施しています。
健診の結果は個別に知らせ、健康カードに記入しています。受診の必要な時は、保護者に説明し、受診後の結果報告を伝えてもらっています。健診の結果により、保育に配慮が必要な子どもについて職員間で共有し、子どもの状態を観察しながら取り組みます。

【A14】A-1-(3)-③ アレルギー疾患、慢性疾患等のある子どもについて、医師からの指示を受け適切な対応を行っている。

【第三者評価結果:b】

「保育所における食物アレルギー対応マニュアル」を基に園独自の「アレルギー対応マニュアル」を策定しています。アレルギー児には、「生活管理指導票」を提出してもらい、医師の指示のもと、アレルゲン除去食の提供をしています。アレルギー食提供の前月に園長・主任・保育士・栄養士・保護者で食材や調味料などをチェックし、それぞれの子どものアレルゲン除去と代替食材の変更などの確認をしています。
給食配膳マニュアルがあり、配膳チェックには、調理室内の調理員同士、配膳手渡し時の保育士と調理員、保育室内では保育士同士でのチェックの三重チェックをしています。定期的にアレルギー状況を保護者と確認し、誤食のないように努めています。アレルギー対応に関して他の子どもや保護者に園の取り組みを伝えています。職員にはアレルギー疾患の研修を行っていますが、まだ十分ではないので、職員の意識をさらに深めていきたいとしています。 

【A15】A-1-(4)-① 食事を楽しむことができるよう工夫している。

【第三者評価結果:a】

給食は、栄養士と調理師が献立を考え、手作りのおやつや食事(離乳食)を提供しています。地元農家の新鮮な無農薬の野菜、福岡の法人から魚類、肉類、米などが送られてきます。化学調理料を使わず、昆布、鰹節、あごなどの旨味だしで子どもが初めて口にする素材の本物の味を伝える食づくりに努めています。年間の食育計画があり、園庭で栽培する野菜や近くの畑ではさつまいもの苗植えから成長を観察し、収穫、調理、食べるという流れの中で、出来るところは体験し、つくる喜び、皆でおいしく食べる喜びに繋げています。
乳児クラスは保育士が傍につき、落ち着いて食べられるように言葉をかけながら援助しています。3歳児以上は個人差による食事の量にも配慮しています。食器は、お椀や木製の皿も使用し、主食、副食、主菜、副菜の食器を分けています。食生活や食育は、家庭と連携をしながら子どもも保護者も食への興味や関心に繋げられる取り組みを行っています。

【A16】A-1-(4)-② 子どもがおいしく安心して食べることのできる食事を提供している。

【第三者評価結果:a】

栄養士は子どもの喫食状況を記録や観察により把握し、献立や調理に反映しています。月に一回、梅干の給食にしています。これは粗食の体験として、子どもたちが漬けた梅干しを使った、野菜中心の献立です。また、月に1回は保護者が作るお弁当の日を設け、戸外活動に出かけています。
秋の味覚祭では、サンマや松茸ご飯(5歳児のみ)、おはぎ、月見だんご、焼き芋など、季節を五感で楽しんでいます。行事食には、七草がゆ、ひな祭り、流しそうめん、土用の鰻やクリスマス食など、豊富に用意しています。調理室は衛生管理マニュアル、配膳マニュアルに沿い、調理施設での安全管理に努め、常に衛生的にしています。

A-2 子育て支援
【A17】A-2-(1)-① 子どもの生活を充実させるために、家庭との連携を行っている。

【第三者評価結果:a】

登園時には保護者から子どもの様子を聞き取り、視診をして確認します。また降園時には、活動内容、園での様子などを口頭で伝え、連絡帳にも記載して渡します。毎年秋の一か月の期間に、「1日ママ、1日パパ」の保育参加を実施しています。その日は保護者に終日保育に携わっていただだき、散歩、食事、トイレ、絵本の読み聞かせなどの体験をしてもらいます。この保育参加を機会に、園の保育の考え方や内容の理解を深めてもらっています。
幼児では、「交換ノート」を作成し、園が園での様子、保護者が家庭での様子を月ごとにカラー写真を貼りつけエピソードを書きつづっていきます。卒園時に渡し、子どもの成長を振り返る大切な宝物となっています。

【A18】A-2-(2)-① 保護者が安心して子育てができるよう支援を行っている。

【第三者評価結果:a】

保護者との信頼関係を築くために、子どものどんな小さな変化についても伝えるように努めています。保護者の様子から辛そうな状態がうかがわれた時には、積極的に声をかけていくようにしています。保護者が話をしやすいように面談室で対応するようにしています。
いつでも相談を受けられるように、あらゆる機会に気軽に職員に相談を受けることを「しおり」にもわかりやすく記載しています。相談内容は、必要に応じてクラスノートに記入しています。相談は主に主任が受けるようにしています。

【A19】A-2-(2)-② 家庭での虐待等権利侵害の疑いのある子どもの早期発見・早期対応及び虐待の予防に努めている。

【第三者評価結果:b】

虐待等権利侵害の兆候を見逃さないよう、日頃から保護者への声掛けなど予防的な対応を心掛けています。また、登園時に衣服、入浴の有無、着替え時の身体チェック、子どもの様子などを観察し、家庭での養育状況を把握するように努めています。疑問が生じた場合は、担当した職員は自己判断せず主任、施設長に相談し、組織的に対応することにしています。
該当事例の場合は、区役所担当窓口、児童相談所等と連携して対応します。職員の内部研修はできていませんが、外部研修に参加しています。今後、対応がより組織的になるようにマニュアルの整備が期待されます。

A-3 保育の質の向上
【A20】A-3-(1)-① 保育士等が主体的に保育実践の振り返り(自己評価)を行い、保育実践の改善や専門性の向上に努めている。

【第三者評価結果:b】

毎月、クラスごとに会議を開き、クラスの反省、個人の反省をまとめます。前期、後期2回に主任がまとめて、保育園全体の自己評価につなげています。保育士等の職員は、仕事の計画性、保育のあり方、子どもへの対応、資質、能力、良識、保護者対応などの項目を年に2回、定められたシートに記入し、主任に提出します。主任、施設長と面談を通して自らの課題をさらに明確にしていきます。
自己評価は主任の評価後、施設長の評価を経て、人事考課に反映されています。自己評価を通じて、さらに保育の改善や保育所全体の保育実践の自己評価につながっていくことを期待します。