社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

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高田西グリーンハイム

2020年02月13日公開
評価結果報告書 第三者評価詳細

評価結果報告書

評価機関名 株式会社フィールズ
評価対象事業所名 高田西グリーンハイム
評価対象種別サービス 共同生活援助
設立年月日 2009年04月01日
経営法人・設置主体(法人名等) 社会福祉法人 県央福祉会
③ 理念・基本方針 県央福祉会の使命として、「2つの理念と11の基本方針」を明文化しています。

理念
Ⅰ.ソーシャルインクルージョン(共生社会)を目指します
Ⅱ.先駆的で開拓的な事業を展開します

基本方針
1.人権の尊重とサービスの向上を図ります
2.インフォームドコンセント及びエンパワーメントを大切にした利用者さん主体の支援を推進します
3.地域との共生をめざします
4.ニーズの多様化と複雑化に対応します
5.社会のルールの遵守(コンプライアンス)を徹底します
6.説明責任(アカウンタビリティー)を徹底します
7.人材の確保・育成のための研修体制を充実します
8.柔軟で行動力のある組織統治(ガバナンス)を徹底します
9.財務基盤の安定化に努めます
10.国際化への対応に取り組みます
11.社会貢献活動に積極的に取り組みます
④ 施設・事業所の特徴的な取組  高田西グリーンハイムは、横浜市営地下鉄「東山田」駅下車、徒歩15分の住宅地にあります。2階建て建物の2階部分にある定員6名のホームです。ホーム内はバリアフリーで明るく清潔です。居室の広さは9.9㎡以上あり、設置基準を上回っています。
 入居に当たって利用者・家族等に説明する「重要事項説明書」は、“ホームの生活についてだいじなことを説明します”として誰でも分かりやすく平易に書かれています。
職員は、日頃から利用者の声に真摯に耳を傾け、具体的な支援策を実施するに当たっては、利用者や家族に丁寧に説明し、了承を得ています。充実した暮らしを送っていく上で関係機関(就労先、通所先、行政機関、医療機関など)との情報共有が不可欠なため、電話や会議等で日頃の様子や特記事項等を報告し、協議しています。
最重度の利用者については、日中活動先と家族との情報共有が必要なため、日々の特記事項については、個別の連絡帳、電話や会議等で報告し協議しています。関係機関と連携し、成年後見人の利用を希望する利用者へ成年後見制度について説明し、利用に繋げています。
 利用者が職場で困ったことがあった時や職場からの要請があった時は、担当者会議や面談、さらに職場訪問を行っています。新しい職場への希望が出ていた利用者の希望に応じ、新職場に変更しており、安心して働けるよう関係機関と連携を取っています。
 利用者同士のトラブルがあった際は、職員が個別に話しを聞き取り、本人の気持ちを汲み取ってストレスの解消を図ると共に、利用者同士の良好なコミュニケーションづくりを支援しています。毎月開催の職員会議で利用者それぞれの様子、目標と課題、支援策について話し合い、支援の質の向上に努めています。
 ホームでは誕生日を祝ったり、季節感を味わえるようなイベントを企画し実施しています。誕生日月の利用者がいる時は誕生日会を開催し、誕生日月の利用者の希望でリクエストメニューを実施しており、ホテルやレストランで外食したりしています。毎月開催される「港北区自立支援協議会」に参加し、「地域で暮らす部会」「精神分科会」に所属し情報交換を行っています。
⑤ 第三者評価の受審状況 開始:2019年03月30日
終了:2020年02月04日(評価結果確定日)
受審回数:3回(2016年度)
詳細評価PDF

⑥ 総評

特に評価の高い点 1.事故発生等緊急時の連絡体制を確保し、職員室に掲示し職員へ周知を図っています
 利用者の体調不良時の緊急連絡先を明確にして、看護師、世話人、サービス管理責任者、所長、バックアップ施設に連絡できるようにしています。体調不良時以外では、世話人、サービス管理責任者、所長、バクアップ施設に連絡できるように緊急連絡先分けています。他には、職員緊急連絡先、利用者緊急連絡先(氏名、勤務先、緊急連絡先)を管理し、情報共有しています。


2.利用者の特性を踏まえた支援を行っています
 食事の準備やゴミ捨て、郵便物や掲示物の管理等において、利用者それぞれが自発的に係となり共同生活が円滑にできるホームとなっています。その結果利用者の自立にもつながってけるように支援しています。


3.自己決定を尊重した支援
 外出や買い物等についても現在できる部分を把握し、その能力を最大限に活かしつつ、その先にできることを増やしていくよう支援の方法を検討しています。
改善を求められる点 1.マニュアル類の整備
 支援の方法を中心に職員全体が確認できるマニュアルが不足しています。基本的には夜勤者がひとりで対応する形態のため、職員毎に判断や支援の方法のばらつきが懸念されます。
 災害などの危機管理についても、想定外が考えられますので総合的にマニュアルを見直し、利用者の安心・安全につながる支援が期待されます。
Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織
Ⅰ-1 理念・基本方針

◇努力、工夫していること

運営法人の理念・基本方針は、ホームページで公開しており法人の使命や目指す方向、考え方を明示しています。職員採用時の入社時研修で理念を始めとし、各種ルールを記した「県央福祉会職員ハンドブック」を配布し説明しています。また、職員室に理念、基本方針を掲示し周知を図っています。

◇課題と考えていること

理念や基本方針の周知状況を確認していないので、職員会議等の場を通じて理念や基本方針の確認、共有化を図り支援に繋げていくこととしています。c
Ⅰ-2 経営状況の把握

◇努力、工夫していること

本部作成の詳細に分析された月次決算資料にてホームの経営状況を把握し、利用者の推移、利用率等の分析を行い課題に対処しています。福祉業界の動向や地域の福祉計画等については毎月開催の横浜ベイエリア所長会議で情報を得、ホームの運営に活かしています。

◇課題と考えていること

Ⅰ-3 事業計画の策定

◇努力、工夫していること

事業計画は、法人理事長の年頭所感、中・長期計画に沿って作成しています。作成に当たっては、前年度を振り返り、職員間で話し合い、ホームとしての課題を設定し作成しています。半期ごとに振り返り、必要に応じて見直しを行っています。

◇課題と考えていること

事業計画が、職員に周知されているとは言えなく、周知を図り理解を得る取り組みをしていきたいとしています。
Ⅰ-4 福祉サービスの質の向上への組織的・計画的な取組

◇努力、工夫していること

毎月開催する職員会議の中で、利用者全員のカンファレンスを行い、支援における課題の明確化や効果的な支援について話し合いサービスの質の向上を図っています。3年ごとに第三者評価を受審し、福祉サービスの質的な向上に取り組んでいます。

◇課題と考えていること

当面必要とされる課題には適宜対応できるようになっていますが、中・長期的な課題の策定をしていくことに期待されます。
Ⅱ 組織の運営管理
Ⅱ-1 管理者の責任とリーダーシップ

◇努力、工夫していること

管理者の役割と責任については、職務権限規程、運営規程、重要事項説明書に明記しています。ホームの現状を適切に把握し、利用者へのサービスの向上を図るようにしています。チャレンジシートに基づき年3回職員面談を実施し、職員との意見交換を行っています。

◇課題と考えていること

現場に関われることが少ない現実があり、利用者・職員との関係を密にしていくことが期待されます。
Ⅱ-2 福祉人材の確保・育成

◇努力、工夫していること

必要な人材の確保は、採用時ホームで面談し6日間の現場実習を行った上で推薦し、エリアマネージャーを通じて本部で評価し決定しています。職員は、法人の年間研修計画に基づきそれぞれ必要な研修を受講しています。勤務体制は職員の希望を入れて作成し、働きやすい環境づくりに取り組んでいます。

◇課題と考えていること

Ⅱ-3 運営の透明性の確保

◇努力、工夫していること

法人はホームページで理念や基本方針、ビジョンを明示し、事業報告、財務状況、決算報告、第三者評価の受審結果、苦情処理結果等を適切に公表しています。ホームは、定期的に法人の内部監査を受けています。

◇課題と考えていること

Ⅱ-4 地域との交流、地域貢献

◇努力、工夫していること

自治会に加入し、ホーム前で出会う地域の人と挨拶を交わしています。地域防犯パトロールや地域の祭りに参加し交流を図っています。ホームに設置したAED の使用を地域住民へ周知しています。お中元、お歳暮の時季には、利用者と共に近隣の方々やオーナーの所に挨拶に行っています。

◇課題と考えていること

地域の多くの方と関わる機会を多く設定することで、地域からの理解を広げられます。地域との関わり方を検討していくことに期待されます。

Ⅲ 適切な福祉サービスの実施

Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス
Ⅲ-1-(1)利用者を尊重する姿勢の明示

◇努力、工夫していること

理念や基本方針は、利用者を尊重した福祉サービスの実施について明示しています。利用者を尊重した福祉サービスの提供に関する「倫理綱領」を職員に配付し職員会議で読み合わせ、確認を行っています。また、基本的人権への配慮についての研修を受講しています。

◇課題と考えていること

ローテーション勤務のため、研修への職員全員の参加が難しくなっており、その対応が課題となっています。
Ⅲ-1-(2)福祉サービスの提供に関する説明と同意(自己決定)

◇努力、工夫していること

ホームへの入居時に、福祉サービスの提供事項を明記した重要事項説明書やサービス利用契約書、個人情報使用説明書等について管理者が利用者・家族、関係者等と丁寧に読み合わせ説明、確認し、同意を得ています。日々の生活における意思決定の場面では利用者個々の特性に配慮し、出来る限りの自己選択、自己決定が出来るように支援しています。

◇課題と考えていること

自立度の高い方が多く、社会への適応を目指した支援の策定が難しく今後の課題と考えています。
Ⅲ-1-(3)利用者満足の向上

◇努力、工夫していること

日頃から声掛けし、利用者の希望や意向の把握に努めています。年4回「いのちの学習会」に参加し、横浜ベイエリアの7ホームとの交流・親睦を深めると共に利用者のアイデアや意見に基づき、誕生日会や季節感を味わうイベント、他ホームとの合同食事会・余暇外出等の行事や余暇活動を実施し、利用者満足の向上を図っています。

◇課題と考えていること

職員がホームに不在となる時間がある為、ホームでのトラブルが発生した際に、即時の対応が出来なくなる場合あり、その対処が課題となっています。
Ⅲ-1-(4)利用者が意見等を述べやすい体制の確保

◇努力、工夫していること

苦情解決体制を整備し、重要事項説明書やサービス利用契約書に明示し利用者や家族に説明しています。玄関ホールに「みんなのこえBOX」を設置しています。利用者が帰ホームする夕刻に世話人がいる体制を確保し、利用者と話せる時間を整えるようにしています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-1-(5)安心・安全な福祉サービスの提供のための組織的な取組

◇努力、工夫していること

事故事例、ヒヤリハット事例等事故防止につながる事例の検討を行っています。緊急時の連絡体制について職員室に掲示し、職員に周知すると共に、利用者には世話人の携帯番号をリビングに掲示し周知を図っています。地震、火災を想定した防災・避難訓練を年数回実施すると共に、AEDを設置し、AED操作の研修を全職員に行っています。

◇課題と考えていること

マニュアル等の整備が不十分なため、今後は策定に向けて課題を共有することが課題と考えています。
Ⅲ-2 福祉サービスの質の確保
Ⅲ-2-(1)提供する福祉サービスの標準的な実施方法の確立

◇努力、工夫していること

法人の理念や基本方針に沿った夜勤者のマニュアルが作成され提供サービスの標準的な実施方法が示されています。利用者個人の対応についてはモニタリング等により得た情報を基に職員会議で対応方法を検討し書面にまとめ、どの職員でも同じ対応ができるようにしています。

◇課題と考えていること

Ⅲ-2-(2)適切なアセスメントによる福祉サービス実施計画の策定

◇努力、工夫していること

利用開始時と定期的(半年毎)のモニタリングや面談、日々の生活状況から状況を把握し、職員会議や必要時にはガイドヘルパー、通所先の職員、市役所のケースワーカー、計画相談員、就労支援センター等と話し合いアセスメントや個別支援計画作成を行っています。個別支援計画は半年ごとに見直しています。

◇課題と考えていること

利用者や家族との面談等により状況は確認していますが、アセスメントの標準的な様式が定められていません。アセスメントにあたる職員の経験や知識により適切なアセスメントができない可能性があります。標準的なアセスメント方式の確立が課題となっています。
Ⅲ-2-(3)福祉サービス実施の適切な記録

◇努力、工夫していること

夜勤職員が業務日誌を記入しています。業務日誌は16時~翌朝までの時間帯について全体的な業務内容と利用者個々の様子や特記事項を記入しています。

◇課題と考えていること

職員により業務日誌への記録の内容や表現方法がまちまちで統一されていない部分があり、表現や記入方法の統一が課題となっています。
A-1 利用者の尊重と権利擁護
A-1-(1)自己決定の尊重

◇努力、工夫していること

入職時に法人作成の「県央福祉会職員ハンドブック」「倫理行動要領」やDVDによる研修を実施し、自己決定の尊重とエンパワーメント理念に基づく支援について学んでいます。基本的には夜勤者がひとりで対応するため、判断に迷った際には相談ができるよう所長や世話人への連絡体制を確立しています。自己決定の尊重や権利擁護等についての研修を案内し、定期的に振り返り学べる環境を整備しています。

◇課題と考えていること

職員の個人的な判断ではなく、事業所としての判断ができるようにする必要があると考えています。
A-1-(2)権利侵害の防止等

◇努力、工夫していること

入職時に法人作成の「県央福祉会職員ハンドブック」「倫理行動要領」やDVDによる研修を実施し、権利侵害の防止について学んでいます。居室への無断での立ち入りはしないことを基本とし、利用者個人宛の郵便物等については勝手に取り扱わない取り決めができています。個人情報の保護、提供については利用開始時に「重要事項説明書」「契約書」「個人情報の提供について」にて利用者・家族に説明し同意を得ています。

◇課題と考えていること

A-2 生活支援
A-2-(1)支援の基本

◇努力、工夫していること

利用者・家族と半年に1度面談を行い、生活に対する希望や要望を確認し障害特性等を踏まえ個別支援計画を作成しています。内容は利用者毎に違いますが、利用者の自己決定の尊重とエンパワーメントの理念を基本としています。

◇課題と考えていること

基本的な利用者支援マニュアルの整備が不十分で、課題となっています。
A-2-(2)日常的な生活支援

◇努力、工夫していること

日常生活においては自立している利用者が多く、身体的な支援はほぼ必要ありません。利用者個人の能力を把握し、利用者毎に必要な支援(金銭管理、薬の管理等)を職員会議等で検討し個別支援計画を作成し実施しています。現在できないことも支援の方法をその都度検討し、少しずつ利用者本人が行えることを増やし、自立した生活に向けた支援を実施しています。個々の支援の内容や方法は個別支援計画や職員会議録、急な変更の場合は「引継ぎノート」を活用し職員全員に引継がれています。

◇課題と考えていること

自立度の高さに応じて、必要以上の支援を提供しないようにします。
A-2-(3)生活環境

◇努力、工夫していること

利用者の居室内の家具やカーテン等は好みの物を持ち込んで使用しています。利用者本人の管理が可能なら、場所を決め飲酒や喫煙も可能です。ホーム内は明るくバリアフリーとなっており、浴室やトイレは清潔に保たれています。共有スペースでのルール(利用可能時間)も設定されており誰もが快適に生活できる環境を整備しています。

◇課題と考えていること

個人の生活場所であるだけでなく、共同生活の場であることを十分に理解していただくことが必要と考えています。
A-2-(4)機能訓練・生活訓練

◇努力、工夫していること

身体的な障害や機能低下のある利用者はいないので機能訓練の実施はありません。自立した日常生活が可能となるために必要な生活訓練(スケジュール管理・金銭管理・食事管理、衣類の選択や管理、買い物支援等)を利用者個々の状況に合わせ職員、計画相談員や訪問看護師間で相談・検討し実施しています。

◇課題と考えていること

機能訓練が必要な方はいらっしゃいません。一般社会の中で、社会生活をスムーズに行えるよう、生活訓練の提供が必要と考えています。
A-2-(5)健康管理・医療的な支援

◇努力、工夫していること

基本的に通院は利用者本人や家族の付き添いにより行っています。医師にうまく状況が伝えられない利用者には医師への電話連絡や、状況を記載したノートを医師に渡してもらい伝達しています。体調不良時や精神科受診等の必要時には職員が同行支援しています。健康診断は年に1回通所先や就労先で受ける利用者とホーム提携病院で受ける利用者がいます。必要と思われる利用者には肺がん・大腸がん・乳がん検診をすすめています。月に1回法人の看護師が訪問し体調確認や医学的な相談支援を実施しています。

◇課題と考えていること

加齢に伴う健康状態の変化を見逃さないようにしていくことも課題と考えています。
A-2-(6)社会参加、学習支援

◇努力、工夫していること

利用者の意向や特性を把握し、社会参加に向けての支援をしています。買い物をしたいがうまく商品が選択できない場合は購入するものをメモし店員に見せるよう支援しています。電車の乗り方や行きたい場所への外出についても能力を考え極力利用者が自分で行える方法を検討しています。ガイドヘルパーの利用や利用者同士での外出(買い物やカラオケ等)も支援しています。

◇課題と考えていること

A-2-(7)地域生活への移行と地域生活の支援

◇努力、工夫していること

地域生活へ移行を検討する利用者は現在いませんが、ひとり暮らしの可能性を考慮し、自室の清掃やシーツ交換、洗濯、季節に合った衣類の選択、ほつれを直す裁縫等の方法を伝え自立した生活に向けた支援をしています。必要時には役所での手続きや相談、計画相談との連携等も行っています。

◇課題と考えていること

「ひとりでの生活」を体験できるような環境を提供することが課題と考えています。
A-2-(8)家族等との連携・交流と家族支援

◇努力、工夫していること

家族会はありませんが、体調不良や金銭管理等必要時には連絡をとり連携を図っています。新入居者は1週間に1度生活状況の報告をしています。利用者本人のみやガイドヘルパーを利用し週末等に自宅に戻る利用者もいます。

◇課題と考えていること

家族分離が必要なケースもあり、個々に応じて、家族との関係を検討することが求められます。

その他特記事項:第三者評価機関として今後、特に課題として取り組みを期待したい事項

評価対象 第三者評価機関からのコメント
項目 安全管理及び衛生管理のマニュアルを整備し、研修等の実施
危機管理マニュアル(事故の発生予防・再発防止、事故の発生等緊急時対応、感染症・食中毒の発生予防・まん延防止、等に関するマニュアル)の整備がされておらず、研修の実施もありません。危機管理について職員共通の認識を持ち、共有化していくことが望まれます。
項目 非常災害時用の備蓄品リスト作成し、備蓄品や物品の管理
非常災害時の備蓄品はありますが、量や保存期間等が書面で明確となっていません。備蓄品リストを作成し、災害等緊急時に困らないために正確な管理が望まれます。また、階段の踊り場等に災害時使用のヘルメット等が置かれていますが避難時の障害になると思われるため保管場所の再考が望まれます。
項目 利用者支援マニュアルの整備
基本的に夜勤者がひとりで利用者の支援にあたるため、職員の判断により支援の方法に差ができてしまうことが懸念されます。誰が対応にあたっても一定の方法で支援を行えるようマニュアルの整備が望まれます。
利用者調査の結果
①ヒアリング調査(本人) <ヒアリング対象者>
2名(女性2名)

① ・苗字にさん付けで呼んでくれ、話し方も丁寧です。
  ・優しい態度で接してくれる。

② 職員はドアノックし了解を得て入室し、勝手に入ってくることはない。

③ ・食事はおいしく、内容には満足している。
  ・入浴の順番やホームでの過ごし方は、他の利用者やスタッフと相談しながら円滑に行っている。

④ ・個別支援計画を立てる際は、ホームのスタッフ、サービス管理責任者とともに色々考えてくれる。
  ・希望も伝えている。

⑤ あんしんセンターも利用している。あんしんセンターからの金銭はホームの金庫で管理してもらい、残金管理もスタッフと行っている。

⑥ ・世話人に相談することが多い。
  ・話はきちんと聞いてくれて対応もきちんとしているので信頼している。

⑦ 職員以外では家族やヘルパー、「北部就労支援センター」「みどり園」の人が相談に乗ってくれる。・電話でも丁寧に対応してくれ安心できる。

⑧ ・以前外出中に体調が悪くなり自室に戻り休んでいたところ、通院や食事の心配をしてくれた。
  ・普段の体調についても気にかけてくれる。

⑨ ・ホームではテレビを見ている。
  ・ボーリングに行く。
  ・買い物や外出はひとりでしたり、ガイドヘルパーと自由にしている。

⑩ ・楽しく生活している。
  ・スタッフは対応も丁寧で、家族のようでとても信頼できる。
  ・大事にされていると思う。
評価後(評価結果を受け取った後)のグループホーム「コメント」
高田西グリーンハイムは、比較的自立度の高い方たちが入居しています。
社会において、自立した生活ができるようになることを支援していくことの必要性を、事業所がどこまでできているかを確認することができました。
利用者がどのように思い、行動しているかを把握していくことが、日々の支援のテーマとなることが確認できました。
複数の職員がいますが、勤務にあたる現場では一人になることが多い勤務体制です。すべての職員が共通した方法で業務を遂行することができることが望まれます。必要に応じたマニュアルを整え、支援にあたる職員が安心して勤務できる体制作りに取り組みたいと思います。